○春日
委員 法律は、行政指導とか、あるいは行政措置に待たなければ的確な処理ができないというような、そんな不明確なものであってはならぬと思う。私は、
法律というものはあらゆる場合を想定して、この場合はこう、こういう場合はあ
あと、はっきりとそのよるべき道というものが明確に示されるということが必要にして欠くべからざる事柄であると思う。この
法律の手段は、損をしたか得をしたか、どちらが正しいとかどうとかいうことではなく、やはり
受益者に対する帳簿の閲覧権があるというこの基本は崩されてはならぬと思う。ただ特定の例外、すなわちそれが
会社ごろだとかなんとかいう者がやってきて、そしてここに書いてあるように、共同の
利益を害するとか
会社の業務を妨害するとか、こういうような特殊の場合以外は見せなければならぬのだ。ところがこの二十条によっては、それが要求した者と要求を受けた者との見解の相違によって非常にこれがあいまいなんだから、従ってこういうあいまいな条文の
もとにおいて、故意にこれが
会社の業務妨害になるから拒否したんだ、こういうようなことで、正当な
受益者の主張が圧殺されてはならぬ。この事柄を、私は立法に当っては最も重視していただかなければならぬと思う。従いまして、株主といい
受益者といい、帳簿を閲覧することによって当然自分の
利益を守るということが、これは基本的に、大筋として認めてもらわなければならぬのだから、その正当なる権利を拒否した者に対する法の処罰というものは、これは商法において明確に規定している事柄がこの
投資信託法において規定できないはずは断じてない。事柄は同じことなんですよ。すなわち株主とそれから
受益者というものは、大体同じような
立場にあるのだから、片方の者が自分の正当なる権利を行使しようとして、それを一方的に拒否された場合、むちゃくちゃなことで拒否した者に対して
法律の制裁を加えるということは当然のことであって、
損害を受けた場合に、民法上の裁判を起せばいいじゃないか、
損害賠償を起せばいいじゃないか、そんなばかげた
答弁というものはあるものじゃない。私はそういうような立法態度こそが、四大
証券が
政府に対して
会社の経理
内容も怪しくなって、いろいろな連中から帳簿を見せてくれと言ってやってきて困るから、何か拒絶する口実を作ってくれというような暗躍が行われて、それならば、こんなあいまい文句で
一つやってみようかというような、いわゆる巷間ではさまざま取りざたが行われている。どうかそういうような世間の
疑惑を晴らすためにも、商法の規定の中にとっている態度がこの
証券投資信託法において踏襲できないはずは断じてございません。私は、すべからくこの
法律を商法の規定と同じような規定にして、
一つ罰則を設けられたいことを強く望みますが、これはいずれ
理事会等においてお諮りをいただくことになるでありましょう。
ただつけ加えて申し上げておきますが、この
法律で罰則を設けられていない場合、これも調べてみましたが、罰則を設けられていない現行法のような状態の場合、すなわち
受益者が帳簿の閲覧を請求することができるという工合に規定しっぱなしのとき、すなわち拒否権というものを全然
法律の中に明記していない場合は罰則はない。ところがその拒否権を
会社側に認めた場合には、その拒否権が正当なものであるかどうか、これは裁判所の判決によらなければならないが、裁判所がそれは不当なものと認めた場合においては、これは本人に対して三十万円以下の科料が及ぶ、こういう工合になっている。そういう工合で、いわゆる民法の精神、商法の精神では、やはり株主とか
受益者の権利というものは最大限度に擁護している。ところが本
証券投資信託法だけにおいて、その正当なる権利がここに大幅に圧殺されて、その圧殺された者に対する救済規定が何ら行われていない。民法上の
損害賠償をやればいいじゃないかというような、そんな御
答弁を藤枝さんのような人格者からなされるということは、私は全く意外に存ずる。どうかそういうような
意味合いにおきまして、私はここで
委員長に申し上げますが、
政府においてこの公正なる処理をすることがいやならば、これは本
委員会の権威において、
委員会修正か何らかの形において、私は
受益者の正当にしてかつ公正なる権利というものが擁護されなければならぬと思うので、国会修正ができるように、
一つお取り計らい願いたいことを私は強く要望いたしておきますが、これに対して何か御
答弁がありましたら加わりたい。