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1955-07-01 第22回国会 衆議院 大蔵委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月一日(金曜日)     午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 松原喜之次君    理事 加藤 高藏君 理事 内藤 友明君    理事 森下 國雄君 理事 奧村又十郎君    理事 横路 節雄君 理事 春日 一幸君       有馬 英治君    遠藤 三郎君       菅  太郎君    杉浦 武雄君       竹内 俊吉君    中山 榮一君       坊  秀男君    前田房之助君       山本 勝市君    川野 芳滿君       小山 長規君    古川 丈吉君       石村 英雄君    石山 權作君       木原津與志君    井上 良二君       田万 廣文君    平岡忠次郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  藤枝 泉介君         大蔵事務官         (主税局長)  渡邊喜久造君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      北島 武雄君         水産庁長官   前谷 重夫君         通商産業事務官         (通商局次長) 大堀  弘君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君  委員外出席者         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 七月一日  委員井上良二君辞任につき、その補欠として鈴  木義男君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 六月三十日  三級清酒設定反対に関する請願鈴木直人君紹  介)(第二九四七号)  同(山下春江紹介)(第二九四八号)  同(助川良平紹介)(第二九四九号)  同外二件(八田貞義紹介)(第二九五〇号)  同(福永健司紹介)(第二九五一号)  同(横川重次紹介)(第二九五二号)  同(荒舩清十郎紹介)(第二九五三号)  同外三件(重政誠之紹介)(第三〇一五号)  同(青木正紹介)(第三〇一六号)  同(鈴木周次郎紹介)(第三〇一七号)  同(粟山博紹介)(第三〇一八号)  同(高木松吉紹介)(第三〇一九号)  同(阿左美廣治紹介)(第三〇二〇号)  同(八百板正紹介)(第三〇二一号)  同(茜ケ久保重光紹介)(第三〇二二号)  同(田中利勝紹介)(第三〇二三号)  同(松井政吉紹介)(第三〇二四号)  同(鈴木義男紹介)(第三〇二五号)  同外一件(平田ヒデ紹介)(第三〇二六号)  同(川島金次紹介)(第三〇二七号)  同外五件(高橋等紹介)(第三〇二八号)  クリーニング業における揮発油税撤廃等に関す  る請願菅太郎紹介)(第二九五四号)  同(内藤友明紹介)(第二九五五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  関税定率法等の一部を改正する法律案内閣提  出第六〇号)     —————————————
  2. 松原喜之次

    ○松原委員長 これより会議を開きます。  関税定率法等の一部を改正する法律案を議題として、質疑を続行いたします。奧村又十郎君。
  3. 奧村又十郎

    奧村委員 私はただいま提案中の議案に関連して、もっぱら水産用燃油に対する政府施策についてお尋ねをいたしたいと存ずるのであります。  今回の施策において、特に政府は、水産用重油に対して関税定率の引上げの影響は及ぼさない、従って水産用以外の重油に対しては平均八%の関税負担になるように処置をするということを言っておられます。しかし、それでもって果してこの水産用燃油が適正な価格確保されるかということについて、私は十分納得ができないのであります。その点についてお尋ねをいたしたいと思います。  まず水産庁長官お尋ねいたします。長官に申し上げるまでもなく、水産の一番重要な生産手段である船の燃料は、もっぱら重油であります。この燃油経費は、水産手段のうちの三割ないし四割を負担しておると思うのでありますが、そういう水産手段の重要な経費である燃油が、従来とも適正な価格水産に十分行き渡っておるとは思われないのであります。いわんや今回この水産用重油に対しても関税がかかる。従ってそれだけまた価格が引き上るということで、非常に不安を持たれておるわけでありますが、これに対して水産庁長官はどういう対策をお取りになろうとしておられるか、この点についてまずお尋ねしたいと思います。
  4. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。今回の関税定率法の改正において、御説明のございましたように海上用につきましては、特に水産用に主として使っておりますA重油につきましては、関税を賦課しない、かようになっておりますが、同時に今回賦課されますB重油につきましても、やはり三割程度のものは水産用として使っておるわけであります。これにつきましては、まず現状の価格以上に付加しない、価格が上らないという形におきまして行政指導をいたして参りたい、かように考えて、通産当局ともいろいろ御相談いたしたわけでございます。まず第一には、従来からやっておりまする数量確保につきまして、毎月一定の数量通産当局協議いたしまして、そのワクを府県に流し、そうして大局を通じましてその所要量確保できるように措置をいたしておるわけでございます。価格につきましても、われわれといたしましては、方針水産用燃油B重油につきましては、これを関税で変化しないように、こういう趣旨におきまして、各重要なる漁港のうち、現在は八十ばかりにつきまして協定を結んでおりますが、その漁業用の基地の数をふやしまして、その地区におきます協定価格によりまして、今後実施されまする関税の転嫁が行われないように、これを実施して参るということにいたしたい。同時にそれにつきましての監視の問題といたしまして、府県にそれぞれ関係団体協議会を持ちまして、それによって監視いたして参りたい、かように考えております。
  5. 奧村又十郎

    奧村委員 水産用燃油に対しては、特に関税負担をかけないように行政指導で行うということですが、これについては、いずれ通産省の側から意見を承わりたいと思います。  そこでもう一つ水産庁長官お尋ねいたしたいのは、私どもはそういう行政指導で十分な措置はできない、こういう考えを持っておるのです。そこで、もっと適切な方法としては、水産業系統団体である全漁連に対して、重油輸入するための外貨を割り当てて、全漁連がその外貨によって共同購入する、そして適正な価格でお互いの必要な重油を手に入れる、こういうようにすれば、最も適切な方法がとれるじゃないか、こういうことを考えるのであります。長官も御承知の通り、日本の沿岸漁業育成は、系統団体全漁連育成である。その育成がなければ沿岸漁業は立っていかない。しかもその全漁連なり各県の漁連の最も大きな目的としては、漁業生産手段共同購入する、これが目的でなければならぬ。しかもその漁業生産手段の一番大きな分野である重油共同購入、これがいわば漁連なり全漁連の生命ともいわなければならぬ。これを共同購入しよう、それには外貨を受けよう、これは当然の要求であり、すでに全漁連も以前からこれを実行してきたのであります。最近において、通産省外貨割当がないからこれができないということであるが、水産庁長官はこの全漁連方針をお認めになって、政府として外貨を割り当てて、これらの事業を育成すべきであるというふうにお考えになるのかどうか。またそういうふうな折衝をしておられるのかどうか、その点をお伺いしておきたい。
  6. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまのお話しのように、沿岸漁業につきましての共同活動ということは、われわれも沿岸漁業の振興上非常に必要なことと考えまして、生産面におきましても、あるいはまた経済面におきましても、沿岸漁業共同化につきましては努力をいたしておるわけであります。もちろんそれに伴いまして、所要物資共同購入につきましても、従来系統組織の団結によりまして実施をいたして参ってきておるわけでございまして、また先ほど申し上げました行政措置の場合におきましても、そういう系統団体がものを取り扱うことによりまして、その実効が期し得られるという意味におきましても、ただいまお話しがございました全漁連に対する外貨割当ということも、そういう面から考えまして、一つの有力な方法だと考えるわけでございます。しかしながら、この外貨割当の問題につきましては、通商上の政策の問題、燃油の問題、燃料政策上の問題いろいろ問題の関連するところが多いわけでございまして、水産庁といたしましても十分通産当局協議いたしまして、漁業者にできる限り安く漁業用燃油を渡すということについて、できるだけの努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  7. 奧村又十郎

    奧村委員 どうも水産庁長官、初めから通産省の方に遠慮して、燃料政策の立場からただ重油が安く手に入りさえすればいいんだ、こういうことで逃げておられる。しかしわれわれは、現に通産省の今の水産省燃油対策は非常に不十分で、現在ではだめなんだ、こういうように思っておる。そこで水産庁の方としても、去年の暮れに、すでに通産省の方に全漁連外貨割当について申し入れをしておるわけですが、体裁よく断わらておるような状態であるが、これに対しては、あくまでも外貨割当による共同購入によって燃油対策を確立しようという御信念を持っておられるのか。その点をお伺いします。
  8. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいまの御指摘のように、われわれといたしましても、昨年度、考え方につきまして通産当局にもいろいろと表明いたしましたし、またその後もいろいろ協議いたしておるわけであります。しかしこの問題は、いろいろ他に関連する問題がありまして、結論に達しておりませんが、私が先ほど申し上げましたように、沿岸漁業者に対していかに燃油を安く供給するか、その一つの有力な方法だと考えております。しかしまた他の面もございますので、われわれとしては、一方内部におきまして共同購入の態勢を固めまするとともに、そういう方法、あるいはこれにかわる何かの方法によりまして、沿岸漁業に対して燃油を安く供給いたしたい、かように考えて、通産当局ともいろいろ協議をいたしておる、こういうことであります。
  9. 奧村又十郎

    奧村委員 それでは通産当局お尋ねいたしますが、今回の関税引き上げに際しても、水産用燃油に対しては関税負担をかけない、これは行政指導によって実行する、こういうことでありますが、その行政指導は、具体的にどういうふうにやっていかれるか。
  10. 川上為治

    川上政府委員 私どもの方としましては、昨年の三月、前の内閣時代から、この漁村関係の油につきましては、これは十分に量を確保し、値段につきましてもなるべく適正な価格で販売するようにということで、特に昨年の三月から特別な措置を講じて参っておるのであります。そこでさらに今年の四月一日から、A重油につきましては、大体従来よりも七百円程度全国平均で下げまして、そうして各漁港別標準価格というものを設けまして、全国特約店、あるいはその小売業者に対しましてその価格で販売するように指示をいたして参っておるわけであります。もしその指示価格で販売されないとか、あるいはまた売り惜しみをやるとかいうような場合におきましては、その地区苦情処理関係機関を設けてありまして、その苦情処理機関に対しまして申し入れがありますれば、その苦情処理機関において善処をするということになっておりまして、その苦情処理機関において十分な措置が取れませんときは、あるいは農林省を通じ、あるいはその地方通産局なりを通しまして、われわれの方でさらに善処をするということになっておるわけであります。しかもまたそういう標準価格が守られないとか、あるいは売り惜しみをするというような問題がありましたときは、これは漁業関係につきましては、特に特約店というものと、それから元売り業者というものとの関係が非常にはっきりしておりますし、どこどこの元売り業者系統であるということはきわめてはっきりいたしておりますので、その元売り業者の傘下の特約店がうまく配給をしませんときは、元売り業者に対しまして厳重な措置をとる。それは結局、こういうことに対しまして協力しないときは、外貨割当を削限するとか、協力するものに対しまして外貨をよけいつけてやるというような措置をとりまして、この確保をはかっているわけであります。これはうまくいっているか、うまくいっていないかという問題につきましては、この四月一日から新しい値段でやりましたその直後におきましては、若干不徹底なところもありまして、トラブルもあったようでありますけれども、現在におきましては、われわれの聞いておる範囲におきましては、そう地方において非常に問題になっているというふうには聞いておりませんし、またこの前、行政管理庁でありましたか、地方を調査しましたときも、大体において円滑に行われておるというふうに聞いておるのであります。私どもの方としましては、A重油については現在そういう措置をとっております。C重油は、海上関係は非常に少いのでありまして、B重油を比較的海上においても使っておるわけでありますが、このB重油につきましても、あるいは漁村向けC重油につきましても、関税が今度かけられましても、かけられないような措置をとるということにしておりまして、その措置方法としましては、先ほど申し上げましたA重油と同じような措置をとって、価格につきましても、あるいはその配給量確保につきましても、われわれとしては善処をしたいというふうに考えておるのであります。現在法律的な措置というのはありませんが、今商工委員会にかかっております重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律案、この法律によりまして、通産大臣価格なり、あるいは出荷等につきまして指示権を持つことにしてありますので、そういう措置によって、今後私どもの方としましては、漁村、特に中小漁業関係の方面に対しまして、適正な価格で、かつまた配給量確保をはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  11. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまの御答弁によりますと、水産用燃油に対しては、六・五%の関税負担させない。しかし実際は、輸入のときに全部六・五%関税をかけているのだから、業者としてはどこかでその分の埋め合せをつけなければならぬ、そこで陸上用燃油負担させる、こういうことに実際上はなるわけであります。ところが元売り業者は、全部同じように水産用重油を扱うておるわけでもあるまいし、全部同じように陸上用燃油を扱うておるわけでもあるまいし、業者ごとにその扱う水産用燃油数量が違う。それを一がいに水産用燃油関税陸上用の分に負担させるということは、具体的には考えられぬことです。業者ごとに何かプール計算でもさせるおつもりですか。その点はどうなんで、すか。
  12. 川上為治

    川上政府委員 今奧村先生から御指摘の点は、まさにその通りでありまして、元売り業者によりまして、漁村関係のものをよけい扱っているものもあれば、あるいは陸上関係のものをよけい扱っているものもあるわけでございまして、その利害得失につきましては、各元売り業者によって非常に違う点もありますけれども、現在A重油につきましても、先ほど申し上げましたような措置をとっておりますが、私どもの方といたしましては、特に漁村関係の油を扱うものにつきましては、外貨その他で特別なメリットを今後においては考えてやりたいというふうに考えておりまして、そして陸上関係のものを扱っておりましても、あるいはまた海上の方を扱っておりましても、大体その関係調整されるような措置を今後においてはとっていきたい。完全に調整することは非常にむずかしいと思うのでありますけれども、われわれといたしましては、海上関係を扱っているものにつきましては、ある程度外貨等によってメリットをつけまして、特別に考えていきたいというふうに考えております。従いまして、今先生からお話しがありましたような問題はありますけれども、何とかしてそういうような行政措置でやっていきたいと考えております。
  13. 奧村又十郎

    奧村委員 元売りさばきによって、水産用燃油をたくさん扱うところと、ほとんど扱わぬところとあるから、その間の調整は、特に水産用燃油として外貨割当で操作するので、そういう心配はないという。外貨割当を特別に操作するからということは、よけい外貨を割り当てるから、関税負担業者が吸収できるんじゃないか、こういう言外の意味があるわけです。それほど水産用に特別に外貨を割り当てられるのなら、なぜいっそ消費者系統団体である全漁連にこの外貨を割り当てられないのか。これを割り当てられれば一切の問題は解決するように思うのですが、その点いかがですか。
  14. 川上為治

    川上政府委員 外貨割当の問題につきましては、従来重油の量が非常にふえて参りました時分には、それに伴いまして、やはりいわゆる輸入業者もだんだんふえて参ったのでありますけれども、最近におきましては、特に石炭関係あるいは外貨の事情もありましあ、重油全体につきまして、現在におきましては相当押えているわけでございます。従いまして、その傾向等につきましては、昨年の初めからそういう傾向が現われましたので、私どもの方としましては、すでにそのときにおきまして、この輸入業者の数が非常に多くて、しかも中には外貨割当量が非常に少いというようなものもありまして、そのためにいろいろな弊害も生じておりますので、なるべく業者の数は今後ふやさぬようにしていきたい、しかも従来のそういう経験を持った、しかも相当の施設を持った、そういうものに極力やらせていきたいというふうな考えをもちまして、昨年の五月でありますか、原則といたしましてはもうそうふやさないというような方針をとりまして、これを公表しているわけでございます。今回全漁連外貨を割り当てるというようなことになりますと、全漁連に似たようなほかのいろいろな需要者の方からまた要求がありまして、それを結局一つ一つ認めていかなければならぬというような問題が出て参りまして、外貨割当上いろいろな問題が起きて参りますので、私どもの方としましては、この際なるべくふやしていきたくない、そのかわりに、漁業関係に対しましてはなるべく配給量確保し、価格につきましてもなるべく安い価格配給するように持っていきたいというふうに考えておるわけであります。現在のA重油、それからまたB、C重油につきまして、やはり値段が高ということでありますれば、われわれとしては極力引き下げて、そしてなるべく適正な価格配給されるように、また配給量も極力確保するように持っていきたいというふうに考えておるわけであります。
  15. 奧村又十郎

    奧村委員 どうも御答弁にはいろいろ矛盾な点がありますが、外貨割当については、鉱山局長にあまり突っ込んでお尋ねしても責任ある答弁ができないと思うので、また別にいたしたいと思う。しかしただ一点はっきりしておるのは、行政指導水産用重油だけは関税負担させない、それがための方法としては、水産用重油には特別に外貨を考慮するという、それだけははっきりあなたは言われた。そういうようになさるならば、それを全漁連に扱わしたらどうか。もし全漁連元売り会社として扱わすのが今言われたように不都合であるのなら、全漁連の発注する元売り業者に扱わしたらどうか。あなたの言われる通りに言葉をお返しして、その趣旨通りにやるなら、全漁連の発注した元売り業者に扱わせる、これが一番的確な方法ができると思うが、その点いかがでしょう。
  16. 川上為治

    川上政府委員 先生のおっしゃっておることと私の申し上げたこととは、少し違っておる点があると思うのですが、それは私の方としましても、漁業用の油につきましては何とかして安くして、しかも確保してやりたい。それに対しまして協力しない者は——元売り業者が主ですが、その元売り業者に対しましては外貨を削減する措置をとりたい。それからまた協力する元売り業者に対しましては、一つ外貨の面でなるべくめんどうを見ていきたい。こういうような考えでありまして、先生のおっしゃっておることは少し違っておるのじゃないかというように考えます。
  17. 奧村又十郎

    奧村委員 最も食い違っておるように思う。その食い違っておるポイントは、通産省ではあくまでも輸入業者元売り業者を主体にしていこう。われわれは消費者に、あるいは漁業者に最も適正な価格重油が手に渡るようにしよう、そこの方法です。そこで元売り業者に渡した場合に必ずしも適正な価格でいくかどうか、これが問題だ。今お話しのように、あまり苦情が出た場合は苦情処理機関によって協議して値段を上げないようにする。苦情処理機関というものは、一体どういう法律によって、どういう機構でできておるのですか。
  18. 川上為治

    川上政府委員 苦情処理機関は、現在各県別にできておりますが、これは主として特約店組合がその事務所となり、中心になっております。これにつきましては農林省からも御意見がありまして、苦情処理機関というのは、元売り業者地方の支部とか、あるいはその特約店組合とか、あるいはその漁業者代表者でありますか、あるいはその府県代表でありますとか、そういうものが委員会みたいなものをこしらえまして、その機関苦情処理機関としていきたいというふうに考えております。現在のところは、先ほども申し上げましたように、特約店組合が当っておるわけでございます。私どもの方としましては、農林省とこの問題につきましては十分検討しまして——もちろんこれは法律的な機関ではございませんが、そういう任意の機関を設けまして、そこで、いろいろ問題が起きましたならば、その機関中心になりまして調整をするということにさせたいと考えております。
  19. 奧村又十郎

    奧村委員 それでは、現在全国沿岸漁港における漁業用燃油消費者に渡る平均価格A重油B重油C重油にわけて、今どの程度になっておるか、またそれが果して適用なものであるかどうか、この点通産省の御当局並びに水産庁長官からお答え願いたい。
  20. 川上為治

    川上政府委員 A重油につきましては、この四月一日から現に各漁港別値段をきめてございます。たとえば北海道の稚内におきましては一万八千二百円、千葉県の銚子におきましては一万四千百円、清水におきましては一万四千円というふうに値段をきめてございます。全国平均につきましては、一万四千六百円程度でございます。この一万四千六百円というのが適正であるか、どうかという点について、私の方では、現在さらにいろいろその価格を分析し、調査し、検討をいたしておりまして、これがまた非常に高いというような結論が出ますれば、これを下げるように持っていきたいというふうに考えております。それからB、C重油につきましては、まだ現在のところ特別にそういう措置をとっておりませんが、私どもの方としましては、なるべく早くB、C重油につきましても、A重油に準じた措置をとりたいというふうに考えております。それからC重油は量的に非常に少いので、それほど問題ではないと思いますが、特にB重油につきましては、A重油と同じような措置をとりたいというふうに考えております。
  21. 奧村又十郎

    奧村委員 B重油の現在の販売の価格は……。
  22. 川上為治

    川上政府委員 その価格資料を持って参っておりませんけれども、現在のA重油よりも相当安いわけでありまして、大体一万二千円程度ではないかと考えておるのですが、これは、私もっとはっきりした資料を持って参りまして御説明申し上げたいと思います。
  23. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまのA重油の場合の価格は、全国に公表しておるのですか。それからこれに対して、水産庁としてまたお調べになっておられるはずです。通産省の方と食い違いがないか、またこの価格でもって適正な価格と思っておられるか。
  24. 前谷重夫

    前谷政府委員 ただいま鉱山局長からお話しになりました価格は、本年の二月末を現在といたしまして調査をいたしまして、そのもとに約七百円を下げた価格でもって協定価格をしいたのであります。われわれとしましては、特にB重油の場合におきましては、さらにA重油以上に使用者が沿岸に片寄っておりますので、この基地の価格というものをもう少し範囲を広めてこなければならぬ。現在八十幾つでございますが、主要漁港につきましては、大体その基地におきます価格というものをもう少し広くきめて参りたい、かように考えております。現在の石油の取引の形態、あるいは地域によりまして非常にいろいろ——御承知のように石油は自由な取引になっておりまして、つかみにくい点がございます。私たちとしましては、まず一定の時期に現状を押えて、その現状以上に上げないという措置を第一段階にとる、こういう考え方のもとに、通産当局とも御相談して、まずA重油について手を打ったのであります。B重油につきましては、さらに同じような手を、私たちは場所を広げて二百近くの場所を指定すれば、主要漁港B重油について指定できるのではないか、かように考えておりますが、かような点で通産省とも話をいたしておるのであります。この価格が適正かどうかという問題になりますと、現在の取引形態がなかなか複雑でありまして、これが適正かどうかという点については、私は疑問がある。それではどの程度価格が適正かということについては、資料を持っておりませんので言えませんが、問題があると思います。
  25. 奧村又十郎

    奧村委員 水産庁長官お尋ねした私の要点は、さっぱりお答えになっておらぬ。水産庁自体としても、漁業用の最も重大な生産手段燃油の現在の各漁港における価格くらいはお調べになっておられるはずです。それが平均幾らになっておるか、またそれが適正なものであるかどうか、それをお聞きしておる。これがはっきり御答弁がないとすると、われわれが今この関税定率の問題を審議するのに審議ができないじゃないですか。
  26. 前谷重夫

    前谷政府委員 私たちは、この価格につきましては、一応一方におきまして協同組合系統が購入いたしておりますものにつきましては報告をとっております。同時に府県に連絡いたしまして、府県がまず中値とおぼしきもの、あるいは高価が幾ら、低位が幾ら、こういう形で報告はとっております。しかしこれは、いろいろ具体的な取引条件その他の事情によって非常に高低がございます。場所によって非常に違って参ります。従いまして、重油についてそういう価格をはっきりさすために、協定価格を設けて明確にしていきたい、現状の価格を押えていきたい、かように考えております。先般の二月の末の価格は、A重油につきまして、同時にB重油につきましても、一応通産省通産省、われわれはわれわれとして統計をとったのでございます。A重油につきましては、それをつき合せまして、そして現在価格を押えたわけでございます。B重油につきましては、まだその段階まで至っておりません。
  27. 奧村又十郎

    奧村委員 それではお尋ねいたしますが、全漁連全国的に調べた漁業者が直接手に入れる価格が、A重油平均二万五千五百円。これは通産省の今の御答弁とは幾分違います。おそらくただいまの鉱山局長の御答弁はことしの二月であるし、また全国漁港平均であるから多少食い違いがあるが、しかし全漁連の調べたところでは、一万五千五百円で、千円余り違いがある。そこでA重油のCIF価格が約九千円、国内の運賃が二千五百円、そうすると一万二、三千円そこそこで売れる。かなりの利潤を見ても一万三千五百円から一万四千円、それを一万五千五百円に売られる。すでに適正の利潤を相当こえて超過利潤も含まれておるというておるのであるが、まず水産庁長官は、全漁連のこういう主張に対してどう考えておられるか。
  28. 前谷重夫

    前谷政府委員 今私、末端価格の集計したものを持っておりませんが、協同組合関係の調査はいたしております。従いましてただいまの点は、あるいは末端価格におきまして一万五千五百円ということも考えられますが、ただいま私が申し上げましたのは重要漁港価格を見たわけでありますが、沿岸におきましては、その漁港から相当距離も離れておりますし、それぞれ場所が違うというようなことで多少違いはあると思います。  それからもう一点の、幾らで輸入ができ、幾らで配給できるじゃないかという問題。これは、実はわれわれとしてもデータがありませんけれども、その間の運賃の関係、あるいはマージンの関係、取引条件の関係というようないろいろな関係がございますので、現在の重油の取引のもとにおきましての適正価格は幾らかということにつきましては、なかなかつかみ得ないわけでございます。ただ先ほど私が申し上げましたように、だんだん末端の価格自身が非常にバラエティがあるわけであります。それを整備いたしまして、重要漁港につきまして、地方の標準取引における価格一つの目安がまとまりますれば、それに基きまして、だんだんに明確な適正価格の線が出て参るので、まず末端価格がどうあるか、取引条件がどういうふうな状態にあるかと、いうような点について、十分に検討していかなければならぬ問題があろうかと思います。
  29. 奧村又十郎

    奧村委員 水産行政の責任官庁の水産庁が、漁業生産手段たる燃油の適正な価格が今どうで、どうしなければならぬかということについて、まだ十分の検討ができておらぬという御答弁では、はなはだ心細い。  鉱山局長に最後にお尋ねいたしますが、苦情処理機関などで、価格が高いということで引き下げよという場合に、これを引き下げるのにどういう方法をおとりになるのか。
  30. 川上為治

    川上政府委員 たとえば具体的に申し上げますと、静岡県の清水なら清水の地区におきまして、どこどこの特約店が月々どの程度の販売をしておる、またこれを量をきめてさしておるわけでございますが、そういうことは私の方でも大体わかっておるのであります。そしてその特約店はどこの系統である、たとえば出光興産なら出光興産、あるいはまた日石なら日石というように、どこの系統であるということは、これまたはっきりわかっておるのであります。従いまして、その特約店が不当に、私の方から示されました標準価格よりも非常に高い値段で売るという場合におきましては、それが何か非常な特別な事情のない限りにおきましては、私の方で、問題がもしそこで起きましたならば、静岡県の苦情処理機関に申し出を願いまして、その申し出によりまして、苦情処理機関が、第一次的には価格を引き下げるようにということをこの特約店に対しまして申し渡すわけでございます。その特約店がなかなか聞かないというような場合におきましては、その特約店と先ほど申し上げました元売り業者とのつながりというものははっきりいたしておりますので——これは特に陸上と違いまして、海上関係特約店元売り業者のつながりは非常にはっきりいたしております。その元売り業者、たとえば日石なら日石、あるいは出光興産なら出光興産というものに対しましてやかましく言いまして、あの特約店価格を下げるようにということを言うのでありますが、それでもなかなかやらぬというような場合におきましては、出光興産なら出光興産、あるいは日石なら日石の外貨を削りまして、ほかの、たとえばシェル系統が非常に協力しまするならば、そのシェル系統の方へ外貨をよけいつけてやるというような、そういう罰則的な措置を講じたい。これは、すでに去年の初めからそういう、言い渡しをやっておりまして、前の内閣の時分からその措置でずっとやって参っておるのでありますが、私どもが現在受けておるところでは、具体的にどこどこでそういう問題が起きたということは、われわれの方にはほとんど耳に入ってきておりません。従いまして、私どもはせっかく苦情処理機関というものを設け、そういうような体制であるのですから、そういう問題が起きましたならば、どんどんその連絡なりをやってもらいたいと思いますので、それによって何とか調整していけるのではないか。しかも何か数量が足りないとかいうことによって値段が上る場合におきましては、大体一月分に近いものを常にその元売り業者のタンクへ持たしてありますので、いつでもそちらの方から配給し得るような態勢を整えておりますから、量の確保につきましても、その点は十分いけるのではないかというふうに考えます。
  31. 奧村又十郎

    奧村委員 通商局の次長がお見えになったようですから、最後に全漁連燃油に対する外貨割当の件について、通商局次長お尋ねいたします。  御承知の通り全漁連は、全国沿岸業者の統一された全国的な団体であり、これが一番の漁業生産手段燃油共同購入して、最も適正な価格全国配給しよう、こういうことでありまして、水産庁としても、この全漁連育成の立場からもぜひ外貨割当ててほしいといって、水産庁からも、また全漁連からも、全国漁民からもたび重ねて通帳省の方へこの燃油のための外貨割当の申請、陳情が出ておるはずです。それを今までどうしても外貨割当ができない。なぜできないかとお尋ねいたしますと、全漁連に渡すならばほかの団体にも渡さねばならぬということになる。またまた元売り業者育成しなければならぬから、元売り業者以外は渡せない。しかしそれだけの理由なら、どうもわれわれは納得ができない。時間の関係がありますから、言うだけのことを固めて言いますが、全漁連は、御承知の通り法律によって作られたたった一つ漁業者の団体であって、しかも漁業用燃油などの漁業生産手段共同購入などを最も重要な目的にしてできた団体です。またがって共同購入をやっておった経験のある団体です。今の日本の沿岸水産の行政というものは、全漁連なり県漁連の指導育成によって沿岸漁業を育てていこうという方針になっている。全然ほかの団体とは事情が通う。全漁連外貨を割り当てたからほかの団体に及ぶということはないはずだ。この全漁連にこの際幾分かでも外貨を割り当てればお互いが共同購入する、あるいはその外貨元売り業者に発注して、元売り業者を通じて共同購入してもらえば、全漁連みずからの採算でもって外国から油を入れて配給すれば、全漁連みずから、漁業者みずから燃油の適正な配給価格もわかる、こういう意味で、今回関税引き上げに際して全漁連外貨を割り当てるということが最も確実な水産燃油確保対策である。これに対してもう一度お考え直しをして、全漁連外貨を割り当てられないかどうか。どうしてもこれができないというなら、どうしてもできないその理由をもう一度この委員会ではっきり申していただきたい。
  32. 大堀弘

    ○大堀政府委員 ただいまのお話しの件につきましては、昨年以来いろいろと御意見を承わっておるわけでございます。私ども通商局の立場といたしましては、外貨は、輸入契約をしまして、為替の取り組みをする者に対して外貨割当をするというのが国際貿易の正常化のための方向でございますので、逐次その方向へ移しつつあるわけであります。国内の実需者が外貨割当を受けるということになりますと、別の見地から、やはり全体にAもあればBもあるという結果になりまして、国内の関係におきまして非常に混乱を生ずるおそれがあります。私ども根本的な問題といたしましては、さきにも申し上げましたように、外貨はやはり国際貿易の正常化の見地から参りまして、輸入契約をし、為替取り組みをする人に対して外貨を割り当てるという方向が今後の方向でございます。最近そちらの方向に切りかえつつあるわけであります。従いまして、それに逆行するような方向は、私たちは好ましくないという意味におきましてお答え申し上げるわけであります。
  33. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまの御答弁ではどうも納得がいかない。私のお尋ねするのは、場合によって、全漁連に直接外貨を割り当てろとまでは言わぬ。全漁連が発注した元売り業者に、全漁連に割り当てるべき外貨を余分に渡してくれ、こうすれば、通産省のその御方針に何らそぐわないものじゃない。しかも全漁連の今要望しているのは、沿岸漁業者の使用する年間約百数十万キロのうちの九分の一です。二十万キロです。その程度のものならば、何とか方法があるのじゃないか。それがどうしてできないのか、その点をお尋ねいたします。
  34. 大堀弘

    ○大堀政府委員 外貨の直接の割当の問題でありませんければ、通産政策の面から見て、絶対ということはないと思います。ただ問題は、国内におきまして、実需者に対して品物をひもつきで渡していくという方式を、そういうような広範な、利用の幅の広いものにつきまして用いることが全体に影響を生ずるのではないか、かように考えておるわけであります。
  35. 松原喜之次

    ○松原委員長 横路節雄君。
  36. 横路節雄

    ○横路委員 水産庁長官お尋ねしますが、四月一日から行政上の措置で、A重油について七百円を下げたというその根拠は何ですか。石油会社がそれだけもうかっておったから下げたというのですか。
  37. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、本年の三月末現在価格より、末端価格において七百円下げた価格において協定価格を作らした、こういうわけであります。
  38. 横路節雄

    ○横路委員 七百円を下げたという根拠は何ですか。あなたは水産庁長官なんですよ。実際に漁業従事者は、総体の仕事のうちで約三割三分は重油を使っておる。そういう大きな地位を占めておるのだが、あなたは水産庁長官として、七百円が妥当であるというのか、どうなんですか。何か根拠がなければないでいいです。私ははっきり聞いておるのですから……。
  39. 前谷重夫

    前谷政府委員 七百円が妥当な価格かどうかということを申し上げておるわけではございません。二月現在で、いろいろ通産省当局協議して七百円というものを作ったのです。その結果として、その七百円の価格が適正かどうかということは別問題であります。
  40. 横路節雄

    ○横路委員 水産庁長官お尋ねしますが、あなたは七百円を承認したのでしょう。七百円を承認した理由は何なのか聞いておるのです。ただ何とはなしに——これは話によるとそうでないのですが、行政上の措置でなしに、石油業者の方からの七百円下げますという申し出を、あなたの方で了承したのではないのですか。その点はどうなっているのか。行政上の措置で、これは、こういうような石油精製業者の利潤からいって七百円は下げるべきだといったのか。また業者の方から、だんだん問題がやかましくなったから七百円を下げますといってきたのか。その点はどうなんですか、はっきりしてもらいたい。
  41. 前谷重夫

    前谷政府委員 形といたしましては、業者の方から七百円値下げをいたしますということを通産当局に申し出がありました。そうして通産当局からの照会に対して、われわれは了承したわけであります。
  42. 横路節雄

    ○横路委員 それでは、これは担当は鉱山局長ですか、それとも通商局次長になるのですか、お尋ねしたいのですが、今の話は、水産庁長官からの話で明らかなんです。行政上の措置で下げた下げたというが、そうでないのです。石油業者の方から、問題がやかましくなったから七百円下げましょう、ああそうか、それなら了承してやろう、それが行政上の措置なんでしょうかね。私は、行政上の措置というものは、先ほど奥村君の質問に対する水産庁長官の話を聞いて、どうも大蔵委員として了解できない点がある。たとえば輸入価格はきまっておる、原油を輸入して精製する価格もきまっている。それがこういうべらぼうな価格になっておるのに対して、妥当かどうかという判定がまだできない。その判定ができないままに、業者の方から七百円下げますということをいって、それを了承したことをもって、それで行政上の措置で七百円下げたのだとどうして言えますか。これは、一体少くとも大蔵省やその他の省ならば、こういうことをもって行政上の措置なんといえるものではないのです。鉱山局長、この点はどうなんですか。ただとりあえず了承して、いずれ精製業者その他の輸入を扱っておる業者諸君との話し合いで、もっと下げるというのか、その点はどうなんですか。
  43. 川上為治

    川上政府委員 その七百円下げましたのは、これは、業者の方からそういう七百円程度下げるからということだけでは実はなかったのでありまして、私の方としまして、どうしても水産関係A重油につきましては値段をもっと下げろということを、だいぶ言いまして、それに基いて、われわれの方でもいろいろその価格の内容について検討をしていたのですけれども、とりあえず七百円程度下げるということになりまして、形の上では、業界の方から七百円、下げるという協力的なことによって行われたのでありますけれども、実際問題といたしましては、業者に対してもっと下げろということで、七百円程度下げたわけでございます。私の方としましては、今先生からお話しがありましたように、その七百円というのが現在において最も適正な価格であるということは断定できません。これは現在もいろいろ価格の内容について調査もいたしております。それからまたB、C重油につきましてはいろいろ検討いたしております。そして私の方としましてこの程度がいいということになりますれば、現在の七百円下げをさらに下げるということについて、何らやぶさかではございません。そういう行政指導をしていきたいと考えています。ただ申し上げておきたいことは、現在価格についてのいろいろ踏み込んだ調査なり、あるいはその報告をとるということはなかなかできないのでございます。そういう法律的な権限もわれわれは与えられておりません。しかし今回の重油ボイラーの設置の制限等に関する法律の第六条によりまして、価格についての指示なり出荷、についての指示ができるわけでありますが、この法律通りますれば、さらにそのあとの条文で、調査できる権限を持つことになると思うのでありますが、私の方としましては、そういう条文を利用いたしまして、極力正確な調査をしたいというふうに考えております。
  44. 横路節雄

    ○横路委員 それでは、今の鉱山局長お話しでは、重油の消費規正に関する法律案が通れば、それぞれの精製業者その他の会社に対して、監督権といいますと言葉がきついかもしれませんが、もっと調査ができる、その上で、会社の経理内容その他についてももう少しタッチして、業者から申し出て一応了解した七百円については、会社等の利潤があれば別途さらに大幅に引き下げることについて考慮したい、今のあなたのお話しはこういうお話しですか。
  45. 川上為治

    川上政府委員 別に大幅に引き下げるということを申し上げておるわけじゃありませんが、現在のところにおきましては、法律的にも詳細な調査はできない。今度その法律通りますと、調査の権限も与えられることになりますので、私の方としましては、そういう法律によりまして、今後におきましては極力十分な調査をしまして、その調査の資料に基いて、適正な価格で販売されるように持っていきたい。ただそれまでは、現在におきましてもいろいろ調査もやっておりますけれども、なかなか正確な調査はできませんので、そのことを先ほどから申し上げておるわけであります。
  46. 横路節雄

    ○横路委員 それではお尋ねしますが、輸入A重油価格は、これは通産省の石油課の調べで九千百十九円、それから原油を入れた場合のA重油の精製価格は八千四百四十円です。これはあなたも御承知だと思うのです。そこで一例をとりますが、静岡県の清水には、たしか輸入の基地タンクがあるはずです。ところが鉱山局の方から出された資料によると、九千百十九円で清水の輸入基地タンクに入ったものが、零細漁民に渡るときには、同じ清水で一万四千円で渡っている。これはまことにべらぼうでないですか。よそへ運んだのではない。清水の輸入基地タンクに九千百十九円で入ったのが、清水の漁港で零細な漁民に渡す場合に一万四千円で渡す。五千円もうけているじゃないですか。こういうことも全く手放しなんだ。こういう手放しをしておいて、何が一体行政上の指導なんでしょうか。何で行政上の措置でこれを下げるというのでしょうか。これはまだ詳細に調査していないからわからないといえばそれまでですが、鉱山局長どうですか。今あなたからいただいた資料によると、清水の輸入基地タンクに九千百十九円で入っている。それを同じ港で一万四千円で渡した。こんなべらぼうなことがありましょうか。あなたは一体これで価格が妥当だというのか、私はその点をお尋ねしたい。さらに清水については七百円下げてないでしょう。清水については下げてないはずですよ。百円程度下げたはずであって、七百円下げていない。これは一体どういうのです。
  47. 川上為治

    川上政府委員 この資料A重油の九千百十九円というのは、そのときとりました全国平均価格ではないかと思うのであります。従って、清水に入ってきたものが果してどの価格で入っておりますか、その点は調べてみないとわかりませんが、全国平均価格であると考えております。  それから清水で一万四千円で販売しておるが、それは従来の価格よりも七百円下げていないという点については、これは全国平均七百円引き下げたのでありしまして、あるいは北海道においては千円程度引き下げたものもあります。あるいはまた、ところによっては四百円程度しか下げないものもあるわけであります。これを地区別に一体どこで幾ら引き下げたかという資科は持ってきておりません。これはまた持って参りますが、全国平均で七百円引き下げたということでございます。
  48. 横路節雄

    ○横路委員 鉱山局長水産庁長官お尋ねしますが、私は、平均価格というものについては大した意味がないと思います。平均一万五千五百円だ、それから七百円引き下げたのだ、そして一万四千八百円ないし一万四千七百円としたのだ、こう言っても、私は具体的に聞いておるのですよ。清水の港の輸入基地タンクに九千百十九円で入ってきたものを、同じ港で零細漁民に渡すのに何で一万四千円もとるのか。今あなたの方では、行政上の指導によってと言われるが、清水はたしか百円下げたと思う。私は一々具体的に聞きますよ。このことを一体水産庁長官として正しいと考えるかどうか。九千百十九円で入ったものが、同じ港渡しで一万四千円で零細漁民に出すというやり方について、あなたは水産業を盛んにするという立場において、ほんとうに漁業従事者を見ておるということになりますか。あなたはこういう事実を御存じですか、どうですか。
  49. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいまの具体的事例につきましては、私詳細に存じておりません。これは現実のCIF価格が幾らで、その配給経費が幾らで、そうして適正利潤が幾らで売らるべきであるかということについては、ただいま鉱山局長からもお話しがございましたように、所管庁である鉱山局においてもなかなかつかみにくい問題であります。われわれの方でも、県からの報告でも相場の動きはとり得ますけれども、中身についてはとり得ないわけであります。先ほども鉱山局長からお話しがありましたように、特にわれわれとして、石油規制法においても価格指示権をぜひ認めてもらいたいということを要求いたしまして、それの態勢の整備された上においてそれをつかんで参る、こういうことをわれわれとして考えておるわけであります。ただ基地の価格と遠隔地の価格については、これは水産の立場からいたしますと、価格統制などのできるものもありませんので、むずかしいと思いますが、できるだけあまりひどい差ができないように、できればプール的な形にいたしまして——基地であるがゆえに非常に安い、遠いところは非常に高くなるというのは、現在の当然の状態でありますので、差があることはやむを得ませんけれども、できるだけそういうふうな方向に持って参りたい、こういうことは考えております。
  50. 横路節雄

    ○横路委員 たとえば輸入タンクに入った場合、そのタンクの使用料がどうであるか、さらにそれを小舟に入れるわけですから、その場合の手間賃はどうであるとか、それからその他に関するところの保険料はどうであるとか、それは会社ですから、そういうものを見込むことはいいですよ。しかし今あなたが言うように、基地以外の周辺の漁港との差のことについては、九千百十九円で入ったものが一万四千円で同じ清水港で渡されておる。九千円で入ったものが、とにかく五千円ものもうけから何から入って渡されておるというこの実態を、あなたはどうお思いになるかと聞いておるのです。あなたが全然御存じなかったならば、これは火曜日までに、私も一つ全国輸入タンクを持っている基地の価格がどうだということを調べてきますから。まず清水についてはっきりしたのです。これは百円しか下げていないのです。こういうことで、一体漁業従事者は生計が営めますか、あなた、どう思いますか。九千円で入ったものが一万四千円で渡されておる。どうですか。
  51. 前谷重夫

    前谷政府委員 そのマージンその他の点が具体的に妥当かどうかわかりませんが、ただ幅が大きいということは私も考えております。しかしながら、この幅の原因がどういうことであるか、つまりある程度運賃プールというふうな、これは自己プールでございましょうが、そういうことが行われておるかどうかというような点も関係があるのじゃないかと思います。
  52. 横路節雄

    ○横路委員 それでは水産庁長官お尋ねいたしますが、その点は何でこんなに高くなっているのか。あなたの方だって、これは行政官庁として調べる必要があるでしょう。  主税局長に聞きますが、あなた、こういう事実を知っていますか。輸入価格九千百十九円のものが、同じ港で一万四千円だなんて、こんなべらぼうな価格で渡されることを知ってあなたはこの関税定率法の一部改正を出したのかどうか。知っておるならば、もっと下げたらどうですか。
  53. 渡邊喜久造

    ○渡邊政府委員 私正直に申しますと、横路委員のおっしゃったように、まだこまかくそういう事実の数字を突き合わして検討したことはございません。ただ私もう少し検討してみたいと思っているのですが、各基地の値段の格差というものと、結局船が入った港との格差が割合に少いように思いますから、ある程度、たとえば清水は比較的じかに裸でやればもっとやれるのに、しかしそれを、そのまま隣の焼津なら焼津へ持っていけばかなり高くなるというわけなんでしょうが、それをある程度、焼津の方の高くなるのを押えるかわりに、清水の方を少し高くしているといったようなことがあるのじゃないだろうか、これは一つの推定なんですが、その辺なんぞについては、もう少しよく事情を聞いてみたいと思います。
  54. 横路節雄

    ○横路委員 主税局長、私はちょっとおかしいと思うのです。関税定率法の一部改正のときにこういう具体的なことについて検討をなさらないで、そうして原油については二%ぐらいがいいだろう、B、Cについては六・五%くらいがいいであろうなんということはおかしいですよ。しかしきょうはあなたとやるのが主じゃないんですから、めったに出てこない人とやるのですから、これはまたあらためて火曜日にやりますが、この点、私は遺憾だと思うのです。これは政務次官いかがですか。  次に、水産庁長官お尋ねしますが、あなたは零細漁民についてもっとしっかり見てもらいたいと思う。そういうことがわからないで、あなたは大企業にばかり目を向けていたのではないかと私は思うのです。実際こういうことを知らないなんということはおかしいですよ。今あなたは、輸入タンクを持っている基地とその他との値段については、あまり差をつけないようなことを言っていますが、今清水ではこれが一万四千円、ところが今度これが稚内にくると一万八千二百円になる。これは行政上の措置で、あなたが言ったようにたしか稚内は千円くらい下げたでしょう。下げてなお一万八千二百円、四千百円も違う。どうして違うのですか。稚内だって港ですよ。船で持って行けばいい。どうして一体四千二百円も違うのですか。この点を、一つこの委員会で納得のいく説明をしてもらいたい。それも知らないと言うのであれば、火曜日までに勉強してきてもらいますが、どうなのです。清水との間に四千二百円の差がありますが、それをあなたたちが、行政上の措置で正しいと認めたのだから、四千二百円の差があることが正しいというその数字をあげてももらいたい。
  55. 前谷重夫

    前谷政府委員 この四月に協定価格考えましたときには、先ほども申し上げました二月末の価格から、その価格のバランスを前提にいたしまして、そして平均して七百円の値下げという形になったわけでございます。それぞれの地方における価格の差は、ばらばらに持っていく場合、ドラムで持っていく場合、いろいろなケースがあるのであります。その運賃がどの程度が適正であって、それぞれの輸送形態はどういう方法が適切であるかということは、これはなかなか困難でございまして、私が申し上げましたのは、同じ漁業者でありまするから、でき得ればそれぞれの卸売の部面におきまして、元売りの部面におきまして、できるだけその差を少くするように努力してもらいたい、こういう考え方を申し上げるわけであります。
  56. 横路節雄

    ○横路委員 どうも私は納得できません。先般の法案を一カ月延ばして今やっておりますのは、行政上の措置A重油については値上りを抑制できるのだ、行政上の措置でやれると言うから、それならば清水が一万四千円、稚内で一万八千二百円、その開き四千二百円というのを、行政官であるあなたたちは正しいと認めたものに違いない、だから正しいと認めたその数的な根拠を示しでくれと言っている。それがわからなければ、行政上の措置とは、言いかえたならば、なあに石油業者の言いなりの値段なんだ、こう言われたってしょうがないではありませんか。だからこの委員会を通して、あなたたちが行政官庁としてこの数字が正しいのだということを言ってもらいたい。輸入基地タンクを持っているところさえ五千円も幅を取っているのは、私は不届きだと思うのです。それとその周辺の漁港との間にさらに四千二百円の差があるのです。極端に言えば、稚内に輸入基地タンクを持っておれば、九千百十九円で入るのだ、通産省の者は割当しないと言っているが、割り当てて、そこの輸入基地タンクに重油を入れると九千百十九円で入る。それを一万八千二百円で売る、まさに九千円もうけているじゃありませんか。しかしそれはもうけといわないで、その間海上輸送やいろいろの保険料その他もあるだろうから、それが正しいという数学をここで示されて、それで、自分たちとしては、行政上この点でやむを得ないのだというように言わなかったら——ただ行政上の措置でありますとだけ言っておりますが、何が行政上の措置です。私は、あなたの方は少し怠慢でないかと思うのですよ。だからきょうここで答弁ができなければ、火曜日に、一つ水産庁長官にあらためて全国漁港別のそれを出してもらって、この点は行政官庁であるわれわれとしては不適当で、もう少し下げるべきだと思う、こういう行政上の指導をしますというのならわかりますが、向うの言いなりになって何が行政上の措置でありますか。水産庁長官、何でしたら火曜日でいいのですよ。火曜日でいいということになれば、私はあなたに対する質問その他——私の方があなたよりもたくさん資料を持っているから、もう少し調べてもらって、火曜日にやってもらってもいいです。その点どうなのですか。
  57. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、二つ問題があると思います。関税定率法の賦課の関税率が上るために、その上った部分を業者に転嫁しない、こういう問題は、現在関税が無税になっておりますので、今後かかるものについて現在以上に、ほかの条件ではなしに、関税によって業者に賦課せられるということは、現在価格を押えることによって防止できるであろう、そういう意味におきまして、その現在の価格を、通産省とも協力いたしまして、そうして協定価格を作ることによりまして、その関税賦課の分が防止できるのではないか、かように考えたわけであります。その価格が適正であるかどうか、価格水準の問題として適正かどうかということは、いろいろ原価計算の問題もございましょうし、また担当官庁でございます通産省においても、今後の合理的基礎によって調査報告ができ得る、こういう状態でございますので、私たちといたしましては、現在の価格がどうであるということは調べておりまするが、その内容にわたりまして、それが適正であるかどうかということは、いろいろ調査いたさなければなりませんし、またある場合によりますと、法律によりまして報告その他を行わなければなりませんので、その内容に立ち入ってまでわれわれが調べ得るということにはなっておらないのであります。
  58. 横路節雄

    ○横路委員 今のあなたの答弁では、関税をかけても今の価格以上には絶対に上げないのだということが、われわれの任務である、その点は通産省との間に固く約束をしておるからいいと言うのだが、その基礎になる数字を聞いておる。その基礎になる数字は、鉱山局長の方が知っておる。業者が申し出た価格通産省が承認した、水産庁が承認した。業者から申し出た価格です。決して行政上の措置で指導をやって下げたものではない。そこで私はもう一ぺんもとへ戻って、二月二十五日に業者の方から申し出があり、四月一日以降においてそれを七百円下げたというその金額についてまし、やはり本委員会においてあなたの方から的確なお答えがなければならぬと私は思う。  そこでこの点は、私は水産庁長官の方ばかりに言ったようだが、もともとは鉱山局長の方なんだから、よく委員長の方から、農林省並びに通産省の方に、この点の数字を明らかにしてもらわなければならぬと思う。これは大蔵政務次官にそういうことを言ってもおかしいが、大体砂糖の方ばかりそうやって、もうけた利潤を財政資金にやるのだということを言っておって、そして石油の精製業者の方ばかり野放しにしているというようなばかな話はないので、もっと具体的な数字を出してもらうように委員長は特にやかましく言っておいて下さい。
  59. 松原喜之次

    ○松原委員長 山本委員より関連質疑の要求がありますので、これを許します。山本勝市君。
  60. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 横路委員のせっかく熱心な御質問最中で、恐縮であります。しかし、実は与党としまして、できるだけ野党の方に質問をしていただきたいというので、御遠慮申し上げておるのですが、この問題は、実は私短期間でありますけれども通産省におりましていろいろ研究もしてみたので、ただいまの質問を承わっておりまして、多少申し上げた方が問題がはっきりするのではないか、こういうことで実は質問したいと思うのであります。  横路委員の御質問は、この仕入れの輸入価格需要者に売り渡す値段との間の開きが大きい、これが非常に不当であるということを確認するかどうかという御質問であると思います。確かに私も、その開きは大きいと思います。しかしなぜこの開きが大きくなっておるのか、この開きを行政措置によって一体なくすことができるかどうかということであります。私の研究した結論は、結局外貨割当によって輸入を制限しておるのだから、実際の需要が押えられておるわけで、あります。ところが最後の消費者に渡る値段というのは、これは自由経済でありまして、市場の価格で、要するに相場として需要者がそこまで買うということで自然に決定されておるわけであります。ここに大きな開きを生じてきておる根源があると思うのであります。品物の分量が少いために、押えようとしてもどうしてもそこまでせり上ってくる。需要者の方から何とか方法を講じて品物を手に入れるために、そこまでせり上ってくる。これは個々の場合にいろいろなケースはありましょうけれども、全体として輸入を制限しておる場合には、価格そのものは需要者がせり上げてくる。ですから、これは徹底的な統制でいけば別です。しかしそれはそれでまたいろいろな弊害を生じますけれども、とにかくそういう開きがないように、その点だけを考えればできると思います。そういうことでない限りは、結局行政措置は、できるだけ業者に相談をして、そしてその輸入制限による一つの開きを石油業者だけにもうけさせないで、できるだけ需要者に何かの方法で利益を分つという方法をいろいろな方面から工夫する以外にはない。どうしても品物が足らぬときには、価格そのものを需要者がせり上げてきますから、生まれた利益を両方で分けるより方法がないのではなかろうか、ここに非常な苦心があると思うのですが、どうですか。
  61. 川上為治

    川上政府委員 私どもといたしましては、今先生がおっしゃいますように、やはり自由経済でありますとそういう問題が起きますので、それを法的に、あるいはその公的調整とか、あるいは切符制とか、そういうふうな措置を講ずれば、これはある程度できると思うのですけれども、こういうようなときでありますので、そこまでやらないで、何とかして価格を安くして、そうして量を確保しろという点になりますと、なかなかむずかしい点があるわけなのですが、今先生がおっしゃいましたような点についても、われわれとしては十分一つ研究をしたいと考えております。
  62. 横路節雄

    ○横路委員 昨年の十二月二十五日に水産庁長官の名をもって、鉱山局長通商局長に——先ほど奧村委員から言われた漁業用燃料のための輸入外貨割当について、これは私はあなたのとった措置を支持したいと思います。もう一度通産局の次長に、なぜ外貨割当をしなかったのか、その点を聞きたい。一つ長い説明は要りませんから、簡潔に個条書きで言ってもらいたい、
  63. 大堀弘

    ○大堀政府委員 先ほど申し上げましたように、外貨割当の問題につきましては、国際貿易の正常化の見地からいたしまして、輸入契約をし、為替を取り組む人に対しまして外貨割当をするというのが正常化の方向でございまして、この方向に対しまして、通産局といたしましては逐次改定して参っておるわけであります。それの逆の方向に参りますし、実需家に対して外貨を割り当てるということは全体の方針から適当でございませんので、そういう見地からは実施いたさなかったわけであります。
  64. 横路節雄

    ○横路委員 あなたの方で、この五月二十日の第三回輸入公表において、原油、揮発油、重油及び軽油の外貨資金割当をした。その原油について、自己の名及び計算において対外支払い手段の取りきめを行うものであって云々となっておるが、あなたの方では、実際には輸入しないで、ただ外貨だけをもらって、他の会社に依頼をして、そしてその間のマージンをかせいでいるのを御承知でしょう、どうなんです。私なら私に割り当てたが、私は仕事をしない、こちらに依頼をする。そういうものになぜ一体ことしまた割り当てているのですか。当てているものがないかどうかお尋ねしたい。
  65. 大堀弘

    ○大堀政府委員 個々の取引につきましては詳細にわかりません。外貨割当方針といたしましては、先ほど申し上げましたように、インポートする人に対して割当をすることになっております。
  66. 横路節雄

    ○横路委員 あなたはこの委員会で、そういうものがわからないで外貨割当をしたなどとは言われませんぞ。われわれの調べでは、ゼネラル物産というのはスタンダードに依頼している。太洋石油というのは、昭和二十九年の外貨割当をいまだ消化しないで、外貨についての使用の延期願を出しているじゃないですか。そういうことをあなたは御存じないでやったのですか。存じないのか、一体どうなんだ。
  67. 川上為治

    川上政府委員 今先生から話がありましたように、ゼネラル物産について従来そういうことがあったことは、私ども調べてみました結果事実でございます。しかしながらゼネラル物産におきましては、従来相当経験を持っておる業者でありますが、これはスタンダードとの契約においてそういうことをやっていたそうでありまして、従来われわれの方の外貨を割り当てる基準そのものについても、若干その点においてはっきりしていない点がありました結果そういうことになっていたのですが、今回以後におきましては、絶対にそういうことをさせないようにすることにいたしております。太洋石油につきましても、実はこれは従来外貨をもらって、それをシェルに頼んで油を引いていた。太洋石油は精製業者でありますので、精製業者にわれわれは今まで外貨を与えていたのでありますが、シェルに頼んで今まで輸入をやっていたというふうに聞いておりますが、太洋石油につきましても、実はこの一月ごろ、われわれの方でも、どうしてもらっておる外貨を全然——全然ではありませんが、あまり使わないでいるのか、そういうようなことをやっておれば、われわれの方で外貨を削るからというようなことを厳重に申し渡しまして、もらった外貨については、自分のところで精製の方へ使うべきだということを言いまして、今後そういうことはないようにということにいたしておりますが、今後におきましては、輸入業者におきましても精製業者におきましても、極力そういうことはないようになっていきたいと考えております。
  68. 横路節雄

    ○横路委員 水産庁長官どうです。お聞きの通りです。あなたの要求は正しいのです。そうしてこういう不正なことをやっている者に、ただ一片の警告だけをもって継続している、これは通商局の次長は知らないですか。昭和二十九年に割当になったものを、太洋石油についてはいまだ使用しないで、使用の延期願を出している。なぜ一体そういうものに当てているのです。こういうものにはどんどん当てて、そうして全国のいわゆる生産に従事している、零細漁民をもって作っている全国漁業協同組合の諸君の要請については、農林省水産庁長官の名をもって要求してもけっている。これは一体どういうことですか。全漁連のそういう正しい要求をけるならば、極端に言えば、そういうふうに行政官庁をだまして外貨割当を受けているものは、一片の警告でなしに、取り消しをすべきである。鉱山局長は、さっき私に、本委員会を通して何て言ったか。このA重油について、もしもこれを行政上の措置によってやったのにもかかわらず値上げをするようであれば、外貨の削減をするということを言っている。こういう不正なことをやっているものを見のがしておいて、そうしてそういうような行政上の措置で値上りがどうして抑制できますか。また値上りがちょっとしたときに、どうして外貨の削減ができますか。これはどうなんです、あなたの担当ではないのか。昭和二十九年に太洋石油は外貨割当をもらっていて、いまだにその外貨使用の延期をしている。こういうものをなぜ取り消さないのか。だから通産省はいろいろなことをいわれている。これはどういうことですか、次長から答弁してもらいたい。
  69. 大堀弘

    ○大堀政府委員 通商局といたしましては、全般の外貨割当を担当いたしておりまして、その方針については、農林省通産省の各原局と十分に打ち合せの上割当を実施いたしておるわけであります。個別の問題につきましては、冬担当の原局におきまして当られておりますので、私は、ただいま鉱山局長から御答弁がございましたような事実につきましては、伺っておらなかったわけであります。今後十分注意して、参りたいと思います。
  70. 横路節雄

    ○横路委員 知らないのですか、この点はっきりして下さい。均分の方では、個々のそういう会社の業態、内容、その伸そういうことは知らなかったのだ、しかしそれぞれ所管の課から言ってきたから割当をしたとあなたは言うのか。知っていてやったのか、どういうのです。
  71. 大堀弘

    ○大堀政府委員 個別の問題につきましては、私どもは詳細には存じておりませんでした。
  72. 横路節雄

    ○横路委員 もう一度あなたにお尋ねするが、今私が指摘したようなことは知らないのですね。知っていたのですか、知らなかったのですか、どうですか。
  73. 大堀弘

    ○大堀政府委員 最近におきまして回ったのでございますが、その当時におきましては、私どもは存じておりませんでした。
  74. 横路節雄

    ○横路委員 よろしい。そうすると、きょうは局長に来てもらいたいと思ったんだけれども、あなたは、五月の二十日のときには知らないでやった、その後知ったとこう言うのだね。この太洋石油の二十九年に割当になったものについて、外貨の使用についての延期願が出ているでしょう。この点はどうなんです。、とつちの担当なんですか。
  75. 川上為治

    川上政府委員 二十九年に外貨割当を受けましたものを、二十九年の三月一ぱいに必ず使わなければならぬということにはなっておりますが、さらにまた一定の期限がありまして、その期限内で使えばよろしいということになっておるわけでございます。しかしいずれにしまして、太洋石油が昨年もらいました外貨を、昨年内において十分使わなかったという点につきましては、私どもの方も、先ほど申し上げましたように、なぜそういうようなことをやったのか、早く原油を入れて、そして精製をやるべきだということを言いまして、今回の割当におきましても、昨年の残っておるものは差し引いて割当をいたしております。そういう措置はとっておりますが、もし今後二度とそういうようなことをやりまして、延期延期というようなことをしましたならば、われわれとしては厳重な措置をとりたいというふうに考えております。
  76. 横路節雄

    ○横路委員 水産庁長官、この事実はどうです。あなたはこういうことを知っていましたか、どうなんです。
  77. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは為替の問題でございますし、われわれとしては全然承知いたしておりません。
  78. 横路節雄

    ○横路委員 どうですか、こういう不正な事実が本委員会を通して明らかになったんです。私は、水産庁要求は正しいと思う。それを、一体直接の外貨割当をする通産省は、なぜこういうような零細な漁民をもって組織しているこういう団体にやらないのです。あなたたちのやることを見ていると、精製業者の諸君にのみ味方をしているとしかわれわれには思えない。なぜ一体そういう要求に対して、あなたは考慮できないのですか。特に今回の割当については、あなたの方では、精製施設のないものがただ輸入してきて、それでもうける、そういうものにまで外貨を割り当てるように今回変更したのです。これは水産庁長官は知っているでしょう。精製施設のないものに対しても外貨を割り当てて、もうけを従前通り維持するようにした、そういうことをあなたは御存じですか、どうなんです。
  79. 前谷重夫

    前谷政府委員 これは御承知のように、それぞれ行政の主管がございまして、為替の割当、特に石油につきましては、配給その他の面は鉱山局でございますので、御両者でおやりになったことと思います。
  80. 横路節雄

    ○横路委員 今の問題について、ほんとうに通商大臣は知っているのかどうか、農林大臣はこういう事実を知っているのかどうか、こういう点について、私はこの問題は、次の委員会のときに通産大臣と農林大臣に来てもらって——こういう問題はまだたくさんある。そうして一片の警告で、行政上の措置割当をしている。この次は外貨の削減をしますということを言うが、とても信用できない。なお水産庁長官が先ほど私に言われた数字、それから昨年の十二月二十五円のあなたの方の通牒は正しいのだから、われわれは支持しますよ、こういう不正が明らかになったから、次には農林大臣並びに通産大臣に出てきてもらって、外貨割当、それから今回の関税の値上り抑制等に対する行政上の措置について、両大臣にさらに質問いたしたいと思います。春日君からやかましくいわれておりますので、本日はこの程度で質問を保留します。
  81. 春日一幸

    ○春日委員 鉱山局長と、それから特に政務次官にお伺いしたいと思うのでありますが、ただいままでの質疑応答を通じて明らかになったことは、水産用重油、これは漁業生産手段として必要欠くべからざるものとして、これに対するコスト切り下げのための行政指導がきわめて熱心に行われておるということが明らかになったのであります。ところが陸上の場合における行政措置は一体どうなっておるのか。すなわち水産用燃料であるところの重油を安くしなければならないと同じような意味合いにおいて、すなわち工業生産用の燃料のコスト切り下げのためにも同じような行政措置が講じられなければならぬと私は思うが、今日まで通産省において、一体そのためにどういうような措置を講じてきたのであるか、すなわち水産用とにらみ合せて、工業生産用に対する燃料コストの切り下げについて当局のとってきた措置なるものを、この機会に一つ伺いたいと思います。
  82. 川上為治

    川上政府委員 陸上の油の価格につきましては、特別な業種について抑制の措置をとってきたことはございません。ただ全般的に、陸上のものについてもそう上らないように自粛して販売をしてもらいたいということを、今日まで元売り業者、あるいは特約店の団体に対しましてたびたび警告はして参っております。ただ今回B、C重油につきまして関税をかけるということになりますと、しかも水産関係につきましては値段が上らないような行政指導をするわけでございますが、陸上につきましても、私どもの方としましては、たとえば輸出に非常に貢献しているというような方面、あるいはそのコストに対しまして非常に影響して、これが輸出に対しまして非常に影響するというようなものにつきましては、海上用に準じまして措置をとりたいというふうに考えています。たとえば鉄鋼関係につきましては、これは主としてC重油でございますが、これは私どもの方としましては、これが関税の分だけ上るということになりますと、大体五百円程度上るということになるのじゃないかと思うのですが、そういうものにつきましては、私は石油業界の方でも、極力自分の計算の中で吸収してもらって、鉄鋼のそうした方面に影響がないようにしてもらいたいという行政指導をやりたいと考えております。それからまた陶磁器関係等につきましても、これは相当いろいろな問題があるかと思いますので、こういう方面に対しましても、そのために値段が上らないように措置を講じたいというふうに考えております。ただ問題は、石灰と一番競合しておりますボイラー関係のもの、そのうちでこれはある程度上ってもいいのじゃないか、むしろその方が石炭の方に転換させるためにいいというような業種なり、そういうものにつきましては、私はある程度それがかぶって上っても差しつかえはないというように考えておるわけでございまして、全体の産業を通じまして、水産関係みたいな非常な零細企業の産業、あるいは輸出に非常に貢献しておる産業、そういうものについては、値段が極力上らないような行政指導をしていきたいというふうに考えております。
  83. 春日一幸

    ○春日委員 それは首尾一貫せざるもはなはだしいものだと思います。そもそも今回の関税措置たるや、それはやはり国内において石炭産業保護のため、また一方においては、国産重油産業保護のためにこういうような関税障壁を設けて、それをプロテクトしようと政府は当初から述べられておる。ところが一方あなたは、将来ともその工業生産用燃料についても値上りがしないように行政指導をしようと思う。こういうことでおるならば、結局関税が課せられても実際的には消費者価格が上らないような行政措置を講じようと政府考えておるのだから、その指導効果がもし上るならば、結局ここに新しく大きな問題として、関税問題をセンセーショナルに今論議しておるわけなのですが、私は意味をなさぬではないかと思う。そもそも関税を上げるということは、国内の消費者価格を上げて、今まで重油に依存しておったものを、価格操作によって石炭に切りかえをせしめようというねらいがある。ところがあなたの方の行政指導は、やはり海上用と同じように、工業生産用の燃料というものを上げては国際競争に勝ちがたいので、従って値段を上げないような行政措置をしようということならば、そもそも今回関税を上げるところの目的というものは、すなわち一方において、その行政指導が真にあなたの方の責任ある方法によって講ぜられるならば、関税を上げた効果というものは、石炭産業にも、国内重油産業にも何らの効果を及ぼさぬという形になるが、この点の矛盾を一体、どういう工合に解明されるか、あらためてお答え願いたい。
  84. 川上為治

    川上政府委員 私の申し上げますのは、陸上全般について影響がないように行政指導するということではありません。陸上の関係でも、輸出に非常に関係があるとか、あるいはコストに対しまして非常に大きな影響を持って、そのために中小企業あたりに対しましては、非常に困るというような問題でありますとか、そういう産業をそれぞれ拾って、そういうものに対しましては、極力石油業界の方で負担してもらいたい、そうして影響がないようにしてもらいたい。しかしながら特に石灰と競合して、これはある程度上ってもさしつかえないじゃないか、しかもそれはコストにそれほど響かない、輸出にそれほど関係がないというようなものについては、私の方としましては、ある程度、五百円なり六百円なり上っても差しつかえがないのじゃないか、そうした方面に対して上げるようにして、そうして石炭と競合するようなものについては、石炭の方に転換するように刺激させていった方がよくはないか、そういう考えでやっていきたいということを申し上げておるわけであります。
  85. 春日一幸

    ○春日委員 今日、この水産関係重油行政指導すら果してできるかどうか、すなわち陸上と海上用重油との区別が果して行政指導によって効果が上るかどうかということすら、はなはだ疑問視されておりまする現段階において、さらにその陸上用の中において、これは輸出産業用だ、あるいはこれは中小企業用だというような区別を設けて、果して最終的な消費者価格に影響力を与えることができる確信がありますか。一体それは、どういうような方法によって、この業種に対してはこの価格、あるいはこの業態に対してはこういう価格とするか、こういうことになれば、これは当然統制によらなければそういうような効果を上げることはできないと思うが、あなたのおっしゃる行政指導なるものは、一体どういうような方法を講じてその効果をおさめられようと考えられておるのか、構想されておるところを一つ明らかにされたい。
  86. 川上為治

    川上政府委員 これは先生がおっしゃいますように、法的な措置を講じなければなかなか私はむずかしい問題だと思うのであります。しかしながら、法的な措置を今講じますということは、ちょっと今の時期から申しまして、いいかどうかという点についてはいろいろ疑問があると思いますので、私どもとしましては、何とかして行政指導によって今申し上げましたような措置をとりたいというふうに考えておるわけでございます。それはやり方としましては、先ほどもA重油の問題について申し上げましたような、ああいうやり方をとりまして、こういう産業に対しましてはこの程度価格で販売しなさい、それからまたそれに対しまして、もしそれよりも非常に上回ったような価格で販売しますときは、こちらの方でその系統をたどって、厳重に外貨なり、そういう方面で措置をとるということでやっていきたいと考えておるわけでございます。
  87. 春日一幸

    ○春日委員 大体最近においてその独占利潤を非難されておりまする業態に、石油と砂糖を指摘することができる。ところがこの砂糖の問題については、御承知の通りなかなか行政指導などということにおいては、いろいろな操作が困難であるというので、法律による安定帯価格なる制度も新しくできようとしておる。われわれは、この法律については、高いベースにおいて安定させんとするところのこの政府原案については、鋭く批判をいたしておるところでありますけれども法律によらずして、単なる為替割当の操作ということだけで、そういう大きな効果をおさめようという期待をされておることは、私は及ばざるもはなはだしきものではないかと思うわけなんです。なおあなたのその方針について、政府自体においても確信もなく、なお現段階において具体的な対策というものを策定されていないという状況下において、こういう法律案を審議するということは、はなはだわれわれは危険だと思います。  それはそれといたしまして、そこで一ぺんあなたに伺っておきたいことは、現在の石油業者たちがおさめておるところの厖大利潤、これを一体どういう工合に理解をされておるのであるか、一体こういうような厖大利潤を今後とも継続的に彼らが独占し、これをほしいままにしていくことを見のがしていてよいと思っておるのであるか、あるいはこのような独占利潤に対しは、何らから法的規制を加えて、そうして少くとも基礎原料であるこのコストの切り下げのための大きな政策を講じなければならないと考えておるのであるか、現状でもって満足をしておるのであるが、この点を一つ明らかにしておきたい。
  88. 川上為治

    川上政府委員 私は現状において決して満足しておるわけではないのでありまして、何とかして、相当な利潤を持っておるならば、それを少なくして、価格を全体的に安くして、需要者の便利になるようにはかりたいというふうに考えております。ただそれをどういうような方法でやるかという問題につきましては、たとえば砂糖でやりましたような方法考えられますが、あるいはまた値段を、何とかして一定の基準価格というものをこしらえて、そうしてそれによって販売するような行政指導をするなり、あるいはまたある程度量的に全体の数量をふやしまして、価格が下るようにするとか、いろいろな点を十分これは検討してやりたいと考えておるのでございまして、私は現在非常に大きな利潤がありますれば、それをそのまま放置するということはよくないじゃないかというふうに考えております。ただ私は、決して精製業者の弁護をするわけじゃありませんけれども、従来精製業者に対しましては、国家資金はほとんど与えておりません。従来ガソリン等におきましては、オクタン価が非常に低くて、実は非常に困っていたのですが、最近オクタン価の非常に高い装置までできたということは、ほとんど自己資金で設備を改良し、あるいは新設をいたしております。この点につきましては、十分私どもとしましても考えていかなければならぬ問題ではないかというふうに考えております。であるからといって、現在そういう施設の改良とか新設とかいうことをやってなお相当の利潤があるということでありますれば、それはやはりその点を何とかして押えて、値段を安くして販売するようにやっていくべきじゃないかというように考えております。
  89. 春日一幸

    ○春日委員 自己資金で今までの精製設備を拡充してきた、だから彼らの利益を野放しにして置いてもやむを得ないじゃないかというような見解を述べられておりますが、私はこれは本末転倒だと思います。と申しますのは、彼らは自己資金によってそういうような精製設備を拡充し、思う存分の施設をできるくらいの、そういう厖大利潤をおさめるような状況下にこれが許されておったという、このことをやはり私どもは批判をしなければならぬと思います。私どもが調査したところによりますと、日本石油外七社の払い込み資本金は百四十六億四千六百万円であるが、わずか九年間のうちにおいて彼らが得たところの利益は厖大なものがある。すなわち剰余金や株主勘定や、その他各種の準備金を計算いたしますると、正味積立金というようなものは、この石油精製業、販売業によって得たところの利益は、決算書だけから拾い上げましても、実に二百十三億八千五百万円という厖大なものになって参っております。彼らはベースも高ベースであり、しかも配当も、日本石油なんかは三割も配当しておる。その他三菱石油なんかは二割、二割五分、三割というようなことで、配当自体もはなはだ大きな高配当をしておるが、特に資本金に対する利益率なんかを調べて参りますと、日本石油なんかは、払い込み資本に対して、四八%、特にひどい大協石油なんかは一二五%、丸善石油なんかは五一%、おおむねこういうような厖大な利潤の独占をいたしておるわけなのであります。問題は、私はここに存すると思うのであります。こういうような厖大な利潤をおさめておるという反面は、これはすなわち石油の独占カルテル、いわば潜在せる独占カルテルを政府が見のがしておることによってこういうような大きな利益がおさめられるに至ったんじゃないかと考えるわけであります。私は本日公正取引委員会の横田委員長の出席を求めて、この石油カルテルの内容について公取が調査をしておるところをこの機会に伺いたいと思ったのでありますが、何か行方不明で、ここへお越しいただくことができないようでありますけれども、これは明らかに独占禁止法の第二条の第六項目でありますか、ここに規定をいたしておりまする不当な取引制限、これを明らかに犯しておる疑いなしとはしないと思うのであります。すなわち契約、協定その他何らの名義をもってするかを問わず、他の事業者と共同して対価の決定を行なっているというきらいがあるのではないか、これは現にあなた方、鉱山局長御承知になっておりますかどうか、先般防衛庁における石油製品の納入について、日本石油外十社が談合した、そこで防衛庁自体がこの十社を独禁法違反の事件として告発している。そしてこれは目下審理中の事柄に属していると言われておるのでありますが、少くとも防衛庁に納める納品についてすらこういうように十社が申し合せしている。そしてさらに不当な利益をここで獲得しようとあせっているわけてあります。いわんや市場販売において、彼らがほしいままにカルテル価格を作り上げて、そしてそれによって厖大利潤をおさめているという事柄は、これによって明らかであります。あなた方はこういうような石油精製会社、わずか八社に外貨が割り当てられる、すなわち外貨割当の特権を行使することによって、わずか一握りのこれらの業者たちが、全国消費者大衆の犠牲においてそこから上る厖大な利益をおさめているということについて、何らかの対策を講じなければならぬと考えたことはないのかどうか、この点藤枝政務次官から、政策的な問題でありますので政府の見解を一ぺん伺いたい。
  90. 藤枝泉介

    ○藤枝政府委員 石油精製関係の業界が相当の利潤を上げておりますことは、御指摘通りであります。ただその内容に至りましては、ただいま御指摘のありましたような点だけがその原因になりますかどうか、石油全体がいわば買手市場と申しますか、売手が強いというような自然の現象から参るものもあろうと思います。私どもと申しますか、財政当局から考えますれば、高い利潤のありますところには高い税金がかかるわけでございますが、そればかりでなく、ただいまお話しのありましたよういろいろな点もございますので、今後十分内容等も調査いたしまして善処いたしたいと考えている次第でございます。
  91. 春日一幸

    ○春日委員 結局何がなんだかわからぬような答弁でありますが、ただわれわれがこの法律案と関連して特に重視しなければならぬことは、これは為替割当をめぐる輸入絶対量とも関連するわけでありますが、かりに石炭産業に対する対策あるいは国内産業、重油産業に対する対策としてこの関税の問題を考えられたといたしましても、それは石油業者たちの腹がまえ一つで、こんなものは何の価値もないことに私はなりはしないかと思う。と申しますのは、石油業者たちが現在利幅がなければ、ぎりぎりの経営をしているならば、税金が上っただけコストが高くなるということは考えられる。けれども彼らの利益はグロス・プロフィットで五割以上ということであれば、そこへわずか二%や六・五%の関税が課せられたといたしましても、あくまでわれわれの地盤を守っていこうということであるならば、これは鉱山局長が今申されたように、彼らの経理内容において利益を圧縮することによって関税を自家負担することも不可能ではない。現実の問題といたしまして、この関税ただ単に石炭産業への対策とか、あるいはただ単なる国内産業、重油産業に対する保護政策としてのみ考えられるならば、現在の為替管理、外貨割当、この問題を現状のままにしておいて、それでもって関税の税率を上げることだけで効果をおさめようということは、私は的はずれではないかと思う。彼らが自分でその分だけ負担して、すなわち社内においてそれだけの経費負担して、そして現行販売価格を維持しようと思えばできないことはない。ことほどさように彼らの利益というものは厖大なものだ。これは、今ここに出されている八社の経理内容を見れば、しろうとでも明らかにわかる。あるものは年末賞与を五カ月分、夏季手当も二カ月分出しているという事実がずっと出ている。こういう手当をたくさん出すということは多々ますます弁ずるで、けっこうなことでありますが、しかしながら他の産業と比較して、現実に他の産業が疲弊こんぱいしているそのさなかにおいて、こういうような厖大な利潤がおさめられるような、そういう産業構造を無拘束、無政府状態で許しているということが果して当を得たことかどうか、そうしてその本体そのものをそのままに許しておいて、わずか二%や六・五%の税率いじりをしてみたところで、私はそういうような政策的な効果は断じて上るものではないと考えるのでありまして、これがこの関税定率法に対するわれわれの重大なる疑義の存するところであります。  それはそれといたしまして、そこでもう一つ伺っておきたいことは、この税収を石炭産業の合理化資金に充てられるというような話を聞いたことがあります。いわば実際的の目的税的な形で石炭産業合理化の資金源として活用されるような語がありますが、一体それはどの程度の額を、どういうふうな方式で、石炭産業の方に流されていくのであるか、これを一つ伺っておきたいと思います。
  92. 藤枝泉介

    ○藤枝政府委員 ただいまのあとの御質問の、石炭の合理化に関する問題について、この関税の税収を充てるかというお話しでございますが、これは税の当局といたしましては、かねがね申し上げておりますように、いわゆる目的税的なものは避けたいという観点もありますので、現実の問題といたしましても、今回の九億数千万円の関税収入を石炭の合理化の資金に充てるというような考え方はございません。
  93. 春日一幸

    ○春日委員 それから鉱山局長に伺っておきますが、将来こういうような措置と並行して、重油に対して消費規正を行うような意思があるのかどうか、それが一点。  それからもう一つは、二十九年、二十八年度の輸入絶対量、これを将来どういう工合にしていくのか、すなわち二十八、九年の実績を今後とも確保していくのか、あるいは関税定率の変革を受けて減らすのか、ふやすのか、五百三十七万キロリットルですか、これに対して政府は一体どういうような方針を持っているのか、これを伺いたい。
  94. 川上為治

    川上政府委員 将来重油について消費規正をするかというような問題でありますが、私どもの方といたしましては、何とかして行政指導によって調整をしていきたいというふうに考えております。昨年の六月から実行しております、現在とっておりますのは、各業種別に標準購入量というのをきめまして、これは大口の工場でありまして、中小企業につきましては別にそういうふうな措置はとっておりませんが、大口に対しましてはそういう数量をきめて、値段につきましても、先ほど来申し上げましたような、輸出に非常に関係のある産業でありますとか、そういうものにつきましては、なるべく値段を上げないような価格で販売されるように、行政指導でやっていきたいと考えておりますが、ただ行政指導によりましてはなかなかむずかしい点がありますので、今回ボイラー等の設置の制限に関する法律の中で、価格及び配給についての指示という条文を入れておるのでございますし、またコストなんかにつきましての、あるいは価格につきましての調査が法律的にできるようにしてありますけれども、実は私は、行政指導でやっていくという建前で、しかも最小限度の条文をこの法律の中へわれわれの行政指導のバックとして入れてあるつもりなんですけれども、実はこの条文についても、商工委員会におきましていろいろ批判がありまして、こういう条文を入れるということは、全体的な消費規正をやるということにならぬかということで、だいぶ攻撃も受けておりますが、私どもとしましては、現在の情勢下におきましては、最小限度の法律のバックを受けて、そうして行政的な措置によって需給の調整をはかっていきたいというふうに考えております。  それから第二の問題につきましては、五百三十七万キロリットルという昨年の抑制の数字は、将来におきましては、大体そういう数字でいくのかということでありますが、私どもとしましては、石炭の面にどうしてもある程度転換——これは、ボイラーでありますが、転換してもらたいい。たとえばビルでありますとか、そういうところで重油を使うということは、外貨の面から見ましても、非常にもったいないと思いますし、そういうものは極力石炭の方へ転換させていきたいというふうに考えておりまして、この五百三十七万というのを、本年度におきましては五百十五万ということで抑制をする方針でやっておりますが、来年におきましては、これよりもさらにもっと抑制をしていきたいと考えますけれどもただ石炭産業方面から非常にやかましく言っておりますように、現在の五百三十七万、あるいは五百十五万というのをさらに百万も切れというようなことにつきましては、私どもといたしましては、そういうむちゃなことはとてもできない、やはり大体ここ一年の間は、五百万程度のものはどうしても配給しなければならぬのじゃないかというふうに考えております。
  95. 春日一幸

    ○春日委員 それで、問題がまだ序の口に入ったばかりだが、私はこの問題を審議するについては、これは国内工業生産にとっては重大な問題なんです。そこで今あなたのおっしゃる行政指導なるものがいかなる方式において行われるかということは、やはりこの法律案を審議する上においてわれわれはこれを十分並行的に審議していかなければ、この工業生産の将来に対してわれわれは不安を抱かざるを得ない。従いまして、この際あなたの方から、この工業生産用の重油について、今おっしゃったところによると、中小企業用とか、あるいは特に疲弊産業とか、あるいは外貨獲得の輸出産業、特に鉄鋼、窯業関係を含めて、特別の指導価格考えられておるようでありますが、これに対する具体案、その要綱を一つ委員会に御提出を願いたいと思います。  それからもう一つお伺いをいたしておきたいことは、昨日資料の提出要求をいたしましたが、本日まだ出ておりませんが、先般提出された資料によりますと、これは資料の第五ですが、石油製品の精製費等の調べがありまして、それに製品別の原価が出ておりますが、国内産の原価が揮発油について一万二千三百六十七円、これが輸入の場合はランデッド・コスト方式だろうと思うが、一万二千二百二十八円とあります。その他灯油、軽油等についても値段が非常に似通っておるわけなんです。そこで私の伺いたいことは、このインポート価格は、向うの精製コスト、フレート、インシュアランス、それから向うの輸出業者のマージン、さらに向うの精製業者の利益等が含まれてこのCIF価格が出ておると思う。ところが、この国内産の一万二千三百六十七円というキロリットル当りの揮発油の単価というものは、一体どういうような要素によって構成されておるのか、これをさらに一つ明細に分類したものを資料として御提出願いたいと思います。  それから最後にもう一つ伺っておきますが、最近石油会社がタンカーの建造を企画しておる様子であります。というのは、この精製会社、輸入会社等がただいま申し上げましたような膨大な利益をあげておるので、結局彼らの持っておるところの資金の余剰力が、ここに至って自分の会社の船でとにかくこれを輸入しようと、こういうような計画で、この石油タンカー、重油タンカーがどんどん建造計画が申請されておる様子でありますが、これは一体どのくらい申請されておるのか。さらににはまた、こういうようなものに建造計可が与えられました場合、従来の計画造船の面とどういうような関係を持つものであるか、現在船会社がはなはだ不況になってきて、開銀並びに市中銀行から受けた千数百億の利子も払えない、むろん元金も返さないという、こういう状況下において、さらに新しく石油会社がみずからのタンカーを持って輸送するということになれば、この別途国家資金によって建造されたそれらの船の任務というようなものもいろいろと問題が新しく生じてくると思うのでありますが、この際鉱山局長から、石油会社からのタンカー建造計画はどういう工合になっておるのであるか、もしそういう申清がされた場合、許可する方針であるかどうか、許可された場合における計画造船との関係について、この際一つ答弁を願いたい。
  96. 川上為治

    川上政府委員 精製業者がタンカーを建設する点につきましては、従来大協石油でありますとか、そういうところでやったことはあるわけなのですが、最近におきましては、そういう事例はあまりなかったのですけれども、ごく最近丸善石油におきまして、タンカーの建造計画を持っておるということを聞いております。この問題につきましては、私の方としましては、従来精製業者が特にタンカーを作ってもらわなくちゃ困るという積極的な要求もしておりません。また逆に作ることについて抑制をしておることもありませんでした。しかしながら、最近の丸善の問題につきましては非常に問題になっておりますので、運輸省の方ともよく相談して善処したいというふうに考えております。今のところでは、私の方としましてこれを積極的に援助してやるべきかやらざるべきかという点については、まだ考えをきめておりません。ただこの問題については、私の方の許可という問題ではありませんので、これは運輸省の許可事項になっておりますので、私の方でもこの問題については早急に研究して、全体の産業の立場から善処したいというふうに考えております。
  97. 春日一幸

    ○春日委員 時間でありますから、この辺で一応打ち切りますが、そこでこの際お伺いをいたしておきたいことは、各漁港においてそれぞれの会社の、たとえばA重油ならA重油の単価がおおむね同じようなものであるということについて、これは独禁法違反の疑いなしとしないのであります。その他この防衛庁に対する独禁法違反の事件等も、やはりこの石油会社等が一体どのような形で事業を運営しておるかということで、やはり本法案に関連をしてわれわれはつまびらかに承知しなければならぬと思いますので、火曜日には一つ横田公取委員長をお呼び願いまして、冒頭から時間をかけてゆっくり審議することを要望いたしまして、私の質問を一応打ち切ります。
  98. 松原喜之次

    ○松原委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる五日火曜日、午前十時より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会