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1955-06-28 第22回国会 衆議院 大蔵委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十八日(火曜日)     午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 松原喜之次君    理事 加藤 高藏君 理事 内藤 友明君    理事 森下 國雄君 理事 大平 正芳君    理事 奧村又十郎君 理事 横路 節雄君    理事 春日 一幸君       有馬 英治君    杉浦 武雄君       中山 榮一君    福田 赳夫君       坊  秀男君    前田房之助君       山本 勝市君    淺香 忠雄君       川野 芳滿君    黒金 泰美君       小山 長規君    薄田 美朝君       古川 丈吉君    石村 英雄君       石山 權作君    川島 金次君       河野  密君    田万 廣文君       平岡忠次郎君    石野 久男君  出席政府委員         人  事  官 神田 五雄君         大蔵政務次官  藤枝 泉介君         大蔵事務官         (大臣官房日本         専売公社監理         官)      宮川新一郎君         大蔵事務官         (主税局長)  渡邊喜久造君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      北島 武雄君         大蔵事務官         (管財局長)  窪谷 直光君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君  委員外出席者         日本専売公社総         務部長     小川 潤一君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 六月二十七日  委員町村金五君辞任につき、その補欠として石  野久男君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 六月二十七日  酒税法の一部を改正する法律案井上良二君外  十二名提出衆法第二九号) 同日  生命保険控除額引上け等に関する請願(床次  徳二君紹介)(第二六八六号)  同(大野伴睦紹介)(第二六八七号)  国内産砂糖消費税撤廃に関する請願中馬辰猪  君紹介)(第二六八八号)  スキー及び附属品に対する物品税撤廃に関する  請願外九件(岡良一紹介)(第二六八九号)  三級清酒設定反対に関する請願福井盛太君紹  介)(第二六九〇号)  同(中馬辰猪紹介)(第二六九一号)  同(長谷川四郎紹介)(第二六九二号)  同(中曽根康弘紹介)(第二六九三号)  同(五十嵐吉藏紹介)(第二六九四号)  同(藤枝泉介紹介)(第二六九五号)  同(濱野清吾紹介)(第二六九六号)  同(福田赳夫紹介)(第二六九七号)  同(阿左美廣治紹介)(第二六九八号)  クリーニング業における揮発油税撤廃等に関す  る請願外一件(有馬英治紹介)(第二六九九  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本専売公社法の一部を改正する法律案内閣  提出第七九号)  砂糖消費税法案内閣提出第三五号)  関税定率法等の一部を改正する法律案内閣提  出第六〇号)  物品税法の一部を改正する法律案内閣提出第  九八号)  財団法人日本海員会館に対する国有財産の譲  与に関する法律案起草の件  関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正  する法律案起草の件     —————————————
  2. 松原喜之次

    松原委員長 これより会議を開きます。  まず日本専売公社法の一部を改正する法律案並びに本法律案に対する内藤友明君外二十五名提出修正案議題として質疑を続行いたします。横路節雄君。
  3. 横路節雄

    横路委員 神田人事官にお尋ねいたしますが、国家公務員法の第百三条の二項です。「私企業からの隔離」の点の二項「職員は、離職後二年間は、営利企業地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」という規定なんですが、これはなくなりましたか。やはり国家公務員法の第百三条でこうなっていますから、私はやはりこれがこのまま適用していると思うのですが、その後何か改正にでもなっていますか。
  4. 神田五雄

    神田政府委員 お答えします。それはそのまま残っております。
  5. 横路節雄

    横路委員 それでは神田人事官にお尋ねしますが、実はただいま議題になっております日本専売公社法の一部改正にちょうど同じ点が今回削除として提案されているわけです。それは十七条の二項に離職後の制限として、「公社役員及び職員は、その離職前五年間に葉たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、」その他云々となっておりまして、「その事務を直接監督していた場合においては、離職後二年間は、その従事し、又は監督していた割当事務と密接な関係にある営利を目的とする会社その他の団体役員又は職員になってはならない。」これは同じような性格なんです。私は、もちろん国家公務員法公社関係職員には適用されるものでないことは十分承知しております。しかしこのことは、やはり同じ政府職員並びに政府関係機関職員として、国家公務員法第百三条の二項と同じ性質なんですが、これを今回公社では、この第十七条の二項の離職後の制限について、今回の一部改正案削除をしてきておるわけです。この点はやはり政府及び政府関係機関職員という立場において、片方では百三条の二項で国家公務員離職後の制限で縛りつけており、公社法改正ではそれをはずす、これは、私はやはり妥当性を欠いておると思うのです。公社法の一部改正法案について、あなたは人事官としてどういうふうにお考えになりますか。
  6. 神田五雄

    神田政府委員 これは大蔵省の所管の問題でありまして、人事院として申し上げるのもどうかと思いますが、御質問のようでありますからお答えいたします。  今度の公社法改正案の十七条の二項というのは、かつて存在した臨時物資需給調整法並びにそれに基く割当規則、そういうふうなものに関しての規定であると解釈しております。ところがその法律並びに規則がすでに昭和二十七年に失効となっているように承わっております。従いまして今日におきましては、いわゆる死文化した状態にありますので、これが取りのけられるということもあるいは当然ではないかと考える次第であります。
  7. 横路節雄

    横路委員 神田人事官にお尋ねしますが、その点は、今その臨時物資需給調整法が、昭和二十七年に廃止になったから必要でないのだ、こういうあなたのお話しですが、この間本委員会監理官にお尋ねしましたところが、実は公社に在職している者で、なお十七条二項の適用がこのまま残っていれば、あと二年間はこの法律適用を受ける者がまだ残っているわけです。だからそれであれば、やはり法の性質上残しておくべきではないか。この法があれば残りの二年は適用されるのに、この法がまだ二年間適用されるのが適用されないというのはおかしいと思うのですが、この点はどうですか。これは担当官でないが、あなたの見解を承わりたい。
  8. 神田五雄

    神田政府委員 実質的にはなくなっている問題でありますが、これはどうも私の方からお答えする筋合いのものでもないように考えます。
  9. 横路節雄

    横路委員 私が今人事官にお尋ねしているのは、やはり政府職員並びに政府関係機関職員という建前においてあなたの見解を聞いているわけですが、そういう見解を述べることはいかぬということになれば、これはまた何をか言わんやであります。監理官どうなんですか。私はこの前お尋ねしたように、あなたがそこにいなければいいのだけれども、いるものだから私は聞いているのです。これはどういうふうに措置なさるのですか。
  10. 宮川新一郎

    宮川政府委員 先回の委員会におきまして、横路先生よりの御質問に対しまして、適用者があると申し上げました。実は御承知のように、この法律におきましては、五年間公社に在職しておる間におきまして、臨時物資需給調整法に基く資材割当事務に従事しておった者が、退職後二年間関係営利団体営利会社に入ってはいけないということでありまして、臨時物資需給調整法は二年前に失効いたしておるのでございますが、五年間在職しておるという関係がひっかかるわけでございます。そういう意味におきまして、形式的に厳格に申し上げまするならば、該当適用者がまだ残っでおるということになるのでありますが、国家公務員法におきましては、御承知のように公務員という権力的地位社会全体に対する奉仕者としての一般的な地位にある者が、離職後二年間特定営利会社役職員になってはいけないということでありまして、専売公社法に定めておる臨時物資需給調整法関係は、広く公社職員たる地位ということではなくして、特定の限られた臨時需給調整法に基く資材割当事務に従事しておった者は、退職後二年間縛ろうということでありまして、根拠法である臨時物資需給調整法が、二十七年三月失効になりまして、二年たっている今日におきましては、もはや実質的には該当者がないと申し上げても、これは弊害はあるかもわかりませんが、法の精神から言いまして、それ以上縛る必要はないのではないかと考える次第でございまして、私どもは念のためこういう条文削除いたしたのでありますが、後日法制局とも連絡いたしましたところ、法の精神から申して、空文化しておると申してもいいものがあるという見解でございますので、さよう御了承願いたいと思う次第であります。
  11. 横路節雄

    横路委員 あなたは、国家公務員国家権力との関係においてそういう規定が強く設けられているのだ、公社関係においては、臨時物資需給調整法との関係においては割当事務その他で、そんな権力機構との関係でないという話ですが、そういうことを言われると、私もあなたにもう少し聞かなければならないことである。なぜならば、公社というものが全然権力を持たないということになると、公社だってちゃんと割当の許可の仕事をたくさん持っているから、一般大衆にとってはやはり一つ権力である。ただあなたの方で、実際はこれからまだ二年間適用される人があるのだから、これとこれとこれだけだ、たった三人か四人しかいないのだ、その者は絶対に公社内部においてもそういうことはしない、こうなっているのだから了解してくれというのだったらわかるけれども、理屈を言うならば、国家公務員国家権力、だから公社はそうでないとことになるというようなことを言っていると、法の建前上残すべきではないかとこうなる。たった三人とか五人とか、そういう者は絶対そういうところにやらないから、残すからというのならば考えていい。
  12. 宮川新一郎

    宮川政府委員 該当者は正確にわかりかねるのでありますが、おおむね二十名程度、先日の委員会で申し上げましたように、この法律を廃止いたしましたからと申し上げまして、関係のある営利会社営利団体等に、その関係仕事に従事しておった者をここに送り込む意思は毛頭ございません。御了承願います。
  13. 横路節雄

    横路委員 今の監理官の言われるように私も了承したいと思う。二十人程度だと、この十七条の二項をはずしても、営利社会その他の方の関係のそれぞれの地位につけないというのであれば——ただこの点、私はあなたにちょっと申し上げでおきますが、この点は、われわれの立場から、考えからすれば、国家公務員法関係がありますから、やはり二十人でも残る二カ年適用されるということであれば、法の適用は厳格にしておかなければならぬ。しかし公社の方で、あなたは監督官だから、監督官の方で厳重に監督して、絶対にこの法律削除しましても、もちろん二年間はそういうところにつけないということを、あなたはもう一ぺん責任を持って言えますか。そうすれば私も了承しますが……。
  14. 宮川新一郎

    宮川政府委員 私監理官を勤めている間は、絶対にそういうことはさせません。
  15. 横路節雄

    横路委員 公社総務部長どうですか。あなたはこれは残してもいい、残さなくもいいような話ですが、どうですか。
  16. 小川潤一

    小川説明員 ただいま監理官から御発言がありまして、実は公社といたしましては、この規定は実際上死文化していると思っていたのでありますが、監理官の非常なる大事をとられた見解によりまして、だいぶ諸説があるらしいですが、一応監督官庁がそうおっしゃるので、そういう解釈によって今後運営していかなけばならないと思います。当然監督官がここで言明されましたように、それは監理官がやめられても、次々に引き継ぎ事項として引き継がれるものと思います。私も総務部長として、次々引き継いで、こういうことは本委員会のお約束だということで、万一そういうことがありましても、私ども運用によってチェックしていく予定でございます。
  17. 横路節雄

    横路委員 言葉を返すようですが、あなたは今この法律死文化しているというが、公社側見解だということになるとまた問題だ。なぜならば、死文化といっても、監督官の方はやはり二年間適用を受ける、死文化ということになると全然適用を受けないというのですよ、その点どうなのですか。その点の見解を一致しておいて下さい。
  18. 小川潤一

    小川説明員 私の申し上げました言葉は足りませんでした。と思っていたのでありますが、監督官庁の有権的な解釈などありまして、これは生きているという解釈をしなければならないと思っております。
  19. 横路節雄

    横路委員 それでは公社並びに監督官の方も、十七条の二項については、あなたの方の答弁でわれわれも了解しますが、しかし運用については十分注意してやっていただきたいと思います。なおこの点については、やはりわれわれとして国家公務員法との関係がございますから、それはもちろん人事院総裁並びに人事官との間に十分連絡をなさってやったものと考えますが、なお運用等についても十分気をつけてやってもらいたいと思います。
  20. 内藤友明

    内藤委員 ただいま議題となっております日本専売公社法の一部を改正する法律案及び本案に対する修正案につきましては、この程度にて質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決せられんことを望みます。
  21. 松原喜之次

    松原委員長 ただいまの内藤君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  これより採決に入ります。初めに本法律案に対する内藤友明君外二十五名提出修正案を採決いたします。これに賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  23. 松原喜之次

    松原委員長 起立総員。よって本修正案は可決いたしました。  次いで、ただいま議決いたしました修正案修正部分を除いた原案を採決いたします。これに賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  24. 松原喜之次

    松原委員長 起立総員。よって本法律案は、内藤友明君外二十五名提出修正案のごとく全会一致をもって修正議決いたしました。  この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成、提出等手続につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     —————————————
  26. 松原喜之次

    松原委員長 次に、財団法人日本海員会館に対する国有財産譲与に関する法律案起草の件を議題といたします。春日君。
  27. 春日一幸

    春日委員 ただいま議題となりました財団法人日本海員会館に対する国有財産譲与に関する法律案起草の件について、理事会の協議に基き、私が代表して動議提出いたしたいと思います。すなわち本問題につきましては、理事会においてしばしば論議を重ね、ただいま諸君のお手元に配付しております通りの一応の起草原案を作成いたしておりますので、ただいまその起草原案について若干の御説明をいたしました上で、この起草原案の取扱いについて御提案を申し上げたいと存じます。  起草原案はお配りいたしてありますので、この朗読は省略いたします。  日本海員会館は、船員福利厚生事業を行なっている財団法人でありますが、この団体沿革につきまして申し上げますと、明治二十九年高級船員団体である船員倶楽部が結成され、これは後に社団法人海員協会に改組されたのでありますが、一方普通船員も大正十年に日本海員組合を結成し、この組合員は、昭和四年から毎月組合費と同額の一円を醵金して、普通船員のための厚生施設を作ったのであります。次いで昭和七年財団法人日本海員会館を設立して、これにこれらの施設所有権を移すとともに、その経営をも一切まかせ、海員組合と表裏一体の関係のもとに運営することとなったのであります。しかして、さきの大戦が始まるに及び、海員協会及び日本海員組合は解散して日本海運報国団が設立され、その所有する財産財団法人日本海運報国団財団に寄付したのであります。その後、昭和二十年八月、戦争の終結に伴い、日本海運報国団は解散し、翌年十一月には解散団体に指定され、その付属団体としての財団法人日本海運報国団財団昭和二十三年政令第二三八号の適用を受けて解散団体とみなされ、その財産国庫に帰属し、一般に売却されることとなったのであります。しかし、これらの施設がこのように処分せられることになりますと、船員福利厚生施設は全滅となり、日本海運にとっても重大な支障を来たすこととなりますので、種々の接衝の結果、これらの施設国庫に帰属せしめるが、一般に売却はしないで、運輸省に移管し、現状通り船員宿泊休憩施設等として、日本海員財団無償で使用せしめることとなり、運輸省が厳重な監督をして今日に及んでいる次第であります。  なお財団法人日本海員財団は、昭和二十六年財団法人日本海員会館と改称いたしました。以上がこの法律案の対象となっている財産の起源及び沿革の大要でありますが、この財産は、平均して二十年以上経過しておりますので、修繕等により整備改善を要するものが多いのでありますが、国としてもその予算がなく、また日本海員会館の方でも、国有財産であるために、十分な資金を出すことができない事情にあります。従って、この際真に船員福利厚生施設として、十分その効果を上げるためには、この財産日本海員会館譲与し、施設整備拡充をはかる必要があると考えるのであります。  なお本法律案施行によって譲与される国有財産時価評価額は約一億一千六百万円であり、免除される登録税の税額は約五百八十万円であります。  以上本法律案起草原案について御説明申し上げましたが、これら草案につきましては、各委員とも御異論のないことと存じますので、すみやかに委員会の一応の成案として御決定を願い、これに関する所定の議事を進めた上で、委員会提出法律案として決定せられんことを動議として提出いたす次第であります。
  28. 松原喜之次

    松原委員長 ただいま春日委員より、起草原案説明とあわせて道義が提出されましたが、この起草原案に対して河か御発言はありませんか。
  29. 内藤友明

    内藤委員 一、二政府側にお尋ねしたいのでありますが、これは予算を伴うものかどうかという問題、もう一つ、これは無償だと思いますが、無償譲与することに対する政府見解、それに登録税を五百八十万ほど免除するということでありますが、これについての政府見解をこの際伺っておきたいと思います。
  30. 窪谷直光

    窪谷政府委員 登録税の問題は主税局長の方から申し上げますが、初めの方の予算を伴う問題かどうかということは、予算を伴う問題ではない。それは税の関係ではございませんが、今まで現実に、国有財産関係では無償で貸し付けて利用させておりましたので、今まで収入は上っておらない。従って歳入予算も計上しておりません。国有財産無償譲与という点からは予算には関係はない、ただ税の点は別でございます。  なお無償譲与することが適当かどうかという問題でございますが、今春日先生からいろいろ過去の経緯を御説明がありましたように、もともとは財団のものであったのでありますが、戦後の変革で国庫に帰属したという経緯から見ますと、あるいはやむを得ないかという感じもいたすのであります。また一面、こういうふうな財産で、これは法務省で所管をいたしておったのでありますが、売り払いをいたしまして、国庫収入にいたしましたものも数多くあるわけであります。それらの点との均衡から考えますと、ややいかがであろうかというふうな感じがいたすのでございます。  国有財産関係では、大体そういうことであります。
  31. 渡邊喜久造

    渡邊政府委員 国有財産無償譲与するということ自体は、予算を伴うものとは思っておりませんが、一応今その一つ条文としまして、登録税を免除するということにおいて予算を伴うものであるということを、一応われわれは思っております。  それから第二の登録税の免除についての政府意見をという御質問につきましては、非常にこれは特異な例のように思いますし、国が無償譲与するということがいいということになれば、登録税の方につきましても、これを免除することについてしいて反対しなければならぬものであるというふうにも思いません。
  32. 内藤友明

    内藤委員 そうすると、登録税五百八十万は、三十年度の予算の中にはこんなものは入っておりませんな。
  33. 渡邊喜久造

    渡邊政府委員 入っておりませんなと言われますとちょっとあれですが、こういう事実があらかじめ予想された上で、同時にそこに登録税のこの分が入ってくるということを予想した上で現在の登録税の見積りをしておるというわけのものではありません。
  34. 松原喜之次

    松原委員長 他に御発言はありませんか。——他に別に御発言もないようでありますから、お諮りいたします。この起草案委員会成案として決定し、これを委員会提出法律案とすることといたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  なお、この法律案提出手続等につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     —————————————
  37. 松原喜之次

    松原委員長 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案議題として質疑を続行いたします。黒金泰美君。
  38. 黒金泰美

    黒金委員 ただいま議題になっておりまする関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、一、二御質問をいたしたいと思いますが、この中で原油重油及び粗油、この関係の今回の課税についてまず伺いたいと思います。  この関係につきまして、われわれがしろうと考え考えてみますと、原油の生産は日本消費量のうちのごくわずかでありまするし、また原油にしましても、重油にしましても、あらゆるものの原材料になり、燃料の根本的なものになっておる動力の大宗でもあります。こういうようなものは、まずわが国としてはあまり課税をしないでいった方がいいのではないか、かような意見も非常に多いと思うのでありますが、今回の御提案によってそれぞれ課税をなさる。どういう理由かということにつきまして、いろいろ不審な点もあるのでありますが、過日の御提案理由を拝見いたしますると「最近の経済状況等にかんがみ、これらのうち消費面において石炭と競合する用途に使用されるものに課税して燃料の合理的な使用に資する等」このような点が大きく打ち出されておるのでありますが、この通りに、石炭対策としてこの問題を大写しにしておられるのかどうか、何のためにおかけになるのか、どこに重点があるのか、この点をまず承わりたいと思います。
  39. 北島武雄

    北島政府委員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。もともと重油原油、粗油につきましては、昭和二十六年に関税系改正いたします前でありましたが、一キロリットル当り七円から二十四円の関税がかかっております。これは当初制定いたしましたときの従価税に換算いたしますと、相当な率になるわけであります。昭和二十六年に関税率一般的に改正いたしました際、原油重油、粗油につきましては、従価一割ということに改正をいたしました。この際にも、数年間の研究の過程におきましていろいろな議論があったようでございます。ただいま黒金先生がおっしゃったように、こういうものは基本資材であるから、もともと関税をかけるべきでないという議論も一部にはあったようであります。わが国といたしましても、御承知通り原油の生産には努力いたしておりますから、たといパーセンテージは全需要量に対して少いかとも思いますけれども、この原油のわが国における採掘を見殺しにすることは絶対にできないということで、当時従価一割の基本税率をかけるようになったのであります。ただその改正前の税率は従量税でございまして、インフレーションの結果、改正当時におきましてはほとんどノミナルな関税にとどまっておる。従って、これを一挙に従価一割課税するということは、当時の経済状態からいいましても響きが大きい。ことに原油重油等につきましては、その当時タンカー運賃の関係から、非常に高かったのでありまして、そのもともと高い輸入原油重油に対しまして、さらに従価一割をかけることはどうかということで、国会で御修正になりまして、暫定的に一年間免税ということになりました。この免税が毎年々々繰り返されまして、ただいまに至っております。ただしその後タンカー運賃が急激に下っております。昭和二十六、七年当時に比べますと、現在ではおそらく四割強程度の運賃でしかないかと思います。これに伴いまして、原油重油の輸入CI価格もだんだん下って参りました。一時に比べまして、大体キロリットル当り二千円程度の減少になっております。こういうことから考えますと、すでに最近におきましては、当初において原油重油、粗油について免税いたしましたところの基盤はくずれてきていると申し上げることができると思います。従いまして、一昨年あたりから、そろそろこういう減免税はやめたらどうかという議論が出て参りましたが、その当時の経済情勢から考えまして、まだ多少早いということで、私どももちゅうちょいたして参ったのであります。昨年あたりからことに重油関税を復活する声が強くなりまして、一方また国産原油の開発五カ年計画が最近立てられまして、今後日本としても、五カ年後は百万キロリットルの原油を生産しようという気組みになっておるのであります。従いまして、当初免税いたしました基盤がくずれてきておりますので、この際これを全面的に復活するのがあるいは筋かとも思うのであります。他面これらのもののうち、特に海上の、水産用あるいは機帆船用などにつきましては、業界の状態にかんがみまして、これを直ちにかけることは適当でない。そこで目下石炭対策の一環ともいたしまして、さしあたりのところ消費面におきまして石炭と競合するところの陸上のB、C重油に対しまして関税をかける、ただし関税をかける場合におきましては、もちろん輸入B、C重油全体に対しまして六・五%という関税をかける。これが行政指導によりまして、海上の重油には影響させないという建前で、石炭と直接競合する陸上用のB、C重油に対しまして約八%の関税がかかる、こういうような構想でございます。
  40. 黒金泰美

    黒金委員 ただいまの御説明を承わっておりますと、運賃が下ってきて、当初の非課税にしておったときと非常に事情が違ったのだから、従って本来の税率に返ってもよろしいのだ、ただ急激にこれを引き上げることはいかにも混乱を起すから、徐々にやっていくのだ、このような御説明に承われるのでありますが、どうもこの提案理由とは非常に食い違っておって、提案理由は、石炭と競合する用途に使用されるもの云々というように、いかにも石炭対策のごとくに打ち出されているが、一体どちらが主たる理由であるのか。私どもは、初めに提案理由で承わっておるところと今の御説明との間に、かなり大きな開きがあるように思うのでありますが、いずれが主たるねらいであるか承わりたいと思います。
  41. 北島武雄

    北島政府委員 関税定率法等の一部を改正する法律案提案理由説明の中には、端的に書いておりますので、それで誤解を招いたかと思います。もともとこの考え方といたしましては、税率の算定におきてましては、直接に石灰と競合するところの陸上のB・C重油に八%かかるのだ、この税率の算定が基礎になっております。起案者といたしまして端的に書いたのかと思いますが、実はその当時私内地におりませんでしたので、そのときの事情はよく存じませんけれども、ただ免税をしておりました二十六、七年当時と基盤ががらっと変ってきた、やはりここに根本の問題があったと思います。
  42. 黒金泰美

    黒金委員 今度のこの措置は、石炭との競合部門だけにできるだけ税の負担を負わせるよう、こういう御趣旨ですが、その根拠はどこにあるわけでございましょうか。
  43. 北島武雄

    北島政府委員 石炭対策につきましては、昨年来非常にやかましい問題でございまして、これにつきましては、部外者でございますが、もちろん一つの方策だけではだめなことかと存じます。あの手この手を使いまして、そうして少しでもこれに役立つ面がありますならば、しかも実行して差しつかえないものならば、これはやはり実行した方がいいという考えがあるかと思います。六・五%、あるいは原油について二%という税率の算定されました根拠につきてましては、さしあたり石炭対策との関係もありますし、石炭と競合する部門についてかけていく方が現状においては無難じゃなかろうか。直ちにこれを石炭と競合しないところの水産用のA重油、あるいは水産用のB、C重油等に対して課税するのは非常に影響があるという見地におきまして、直接には石炭との競合の面において課税する、こういう関係になっているわけでございます。
  44. 黒金泰美

    黒金委員 ただいまの御説明で、A重油課税をしない、それは水上部門に負担を負わせたくない、かような御趣旨は一応わかるのでありますが、そういたしますとB、C重油でも、これは陸上、海上、かなり競合しておる面が多いと思います。この点につきましては、どうやって水上部門の方の負担をなくして、陸上部門だけに負担をしわ寄せしよう上するのか、このやり方について具体的に一つ説明を願いたいと存じますが、これは関税部長から伺うよりは、鉱山局長から伺った方がいいと思いますので、お教え願います。
  45. 川上為治

    ○川上政府委員 現在A重油につきましては、普通の市価よりも大体七百円程度安く、水産関係につきましては、そういう価格で販売をさしております。これは行政指導によってやっておるわけであります。行政指導のやり方としましては、大体全国のおもなる漁港別に値段をきめまして、これは標準価格でありますが、その標準価格を私の方と農林省と相談をいたしまして、大体これくらいの価格でこの地区においては販売してもらいたいということを、そういう建値と申しますか、標準価格と申しますか、そういう価格を各漁港別に作っております。これは北海道、あるいは東京、あるいは清水、その他各地区別に全部変った価格でございますが、北海道等におきましては、運賃も相当高くかかりますので、比較的その価格は高いのでありますけれども、清水地区等におきましては、安いというような状況になっております。いずれにしましても、そういう価格を特約店の販売価格として指示いたしておるわけでございます。その価格によって販売させるようにさしております。もしその販売価格というものがなかなか守れないような場合におきましては、各県別に苦情処理機関というのがございまして、この苦情処理機関に対しましていろいろ訴えてもらう。その世情処理機関におきましては、どういうわけでこういう店においては高いかということを調べまして、それが不当に高く売っておるというような場合におきましては、そういうことがないようにしてやる、あるいはほかの販売業者の方から適正な価格で販売させるというような措置をとっております。また地方のそういう特約店なりあるいはその小売業者と中央の元売業者、これとの関係というものは、特に水産関係はきわめてそのつながりがはっきりしておりますので、もし地方におきまして指示しました価格よりも非常に不当な価格で販売したり、あるいはまた販売量につきまして適正でなかったり、あるいは売り惜しみをしたというような場合におきましては、その特約店の系統の元売業者に対しまして、外貨あるいはその他の点でこの調整措置を講じて、これはある程度罰則的な措置をとる面があると思いますが、そういうようなことによってこの価格が守られるような措置を現在講じておるわけでございます。従いまして、このA重油につきましてはそういう措置をとっておりますが、B、C重油につきましても、関税をかけることになりますけれども、海上用につきましては、そういう影響がないような措置を、A重油のやり方に準じましてとりたいというふうに考えております。
  46. 黒金泰美

    黒金委員 ただいまの御説明を承わったのでありますが、石油の小売販売店は非常に数が多いように承わっております。そういうものに対しまして、かつて統制経済を行いまして価格の統制を行なった際であっても、横流れが行われ、また統制のあるところには必ずやみ値というものが行われた。今のお話で承わりますると、行政指導によって非常に円滑にうまくいっておるように承わるのでありますが、戦争中、あるいは戦後の統制経済のあったころと比べて、日本の道義もあるいは経済も——道義と申しましょうか、道徳もそんなに向上したように思えないのでありますが、なぜそううまくいくのでありましょうか、私にはちょっと納得できないので、そのうまくできるコツを、もう少しざっくばらんにお教えを願いたいと思います。
  47. 川上為治

    ○川上政府委員 ざっくばらんにコツをというのですが、私の方としましては、この措置はこの四月の一日から実行をいたしております。最初一、二の地方におきましてなかなかうまくいかなかった。それはその趣旨が十分徹底されなかったということで、うまくいかなかったという問題がございましたが、しかしその後におきましては、比較的にうまくいっておるというふうに聞いております。これは県の方からの連絡におきましても、あるいはまた行政管理庁でありましたか、そちらの方で各地を調査されましたその報告によりましても、大体所期の目的を達しておるというふうに聞いております。これがなぜそういうふうにうまくいっておるか。私は果してこれが非常にうまくいっておるかどうかという点については、なお調査してみないとわかりませんけれども、非常な苦情が現在のところはそれほどないというようなことで、これにつきましては、大体うまくいっているのではないかというふうに考えるのでありますけれども、これはやはりこの地方の特約店なり、あるいはその小売業者というものと中央の元売業者との結び、その系列というものが非常にはっきりしておるということで、比較的に中央の方でこういうような方法でやろうということについて、水産関係においては徹底されるということが一つ理由ではないかというふうに考えます。それからもう一つは、やはりその系統をたどりまして、罰則的な措置として外貨の問題で調整するということ、これは一つのおどかしというと語弊がありますけれども、外貨をいわゆる切られるということがどうしても大きな罰則的な措置になるのではないか、こういう点からいいまして、私はまあうまくいっているのではないかと考えております。もう一つは、やはり何と申しましても、水産関係に対しましてはA重油につきましても相当量を現在出しておりますし、またもし何か問題がありますような場合におきましては、大体一月に近いストックを常に持たせておるわけでありますから、そこからいつでも出せるような仕組みにしてありますので、今申し上げましたように、大体においてうまくやってきておるのじゃないかというふうに考えられるのであります。
  48. 黒金泰美

    黒金委員 ただいま川上局長からのお話しでは、今の措置がうまくいっておる、最後の担保は重油の輸入の割当制限する、そういった懲罰的な点にあるかに承わるのでありますが、そういうことがなし得る程度に小売の段階と輸入業者との間に密接な関係があり、あるいは監督でもできるような関係にあるものでございましょうか。もしこれがなければ、そういう懲罰を受けてはえらい迷惑であります。その脈どういうふうになっておるか、いま一点伺いたいと思います。
  49. 川上為治

    ○川上政府委員 大体漁港別の特約店というものは、全国七百店くらいございます。この七百店の名簿というものもすっかりできておりますし、たとえば清水なら清水においてどういう方がやっており、しかもその方はどこどこの元売り業者とつながりを持っておるということはきわめて明確にわかることでありますので、もし清水なら清水においてその特約店が不当に高い値段で売ったとか、あるいはまた非常な売り惜しみをしたとかいう場合におきましては、その関係の元売り業者はきわめて明確にわかっておりますので——今申しましたように、これは水産関係特有のものと考えられるのですが、水産関係につきましては、そういうつながりが比較的はっきりいたしております。そういう点が特に水産関係について特殊の事情ではないかというふうに考えております。
  50. 黒金泰美

    黒金委員 そういう不徳義な小売店があった場合、元売りの方に懲罰を加える、何かいかにも割り切れない感じがいたすのでありますが、今の点は、なおあとから関連質問もあるようでありますから、一応打ち切りにいたします。  今回の措置によって陸上部門でどれくらいの実質上の負担と申しますか、税負担がくるものでしょうか、この点を承わりたいと思います。
  51. 川上為治

    ○川上政府委員 私の方では、大体五百円ないし五百五十円程度ではないかというふうに考えております。
  52. 黒金泰美

    黒金委員 たとえば鉄鋼業その他につきましては、このためにかなり大きな経費の増加が起る、あるいは電力界においてもしかり、いろいろいわれておるのでありますが、この結果の物価の値上りはどのくらいにお考えになっておるか、交通費その他もいろいろ値上りがございましょうし、それが非常に重複して現われてきますので、結論的に全体を見ることはなかなかむずかしいかとも思いまするが、この関係でかりに電力なら電力についてどれくらいの経費の差損になるか、あるいは鉄鋼業についてどれくらいになるか、あるいは一般物価にしてどれくらいの影響がくるのか、まずこれについて伺いたいと思います。   〔委員長退席、横路委員長代理着席〕
  53. 川上為治

    ○川上政府委員 これは大蔵省の方から資料としてお配りになっておるのではないかと思いますが、たとえば鉄鋼関係の平炉で申しますと、その影響は〇・三一%、線材につきましては〇・五三%、それからガラス製品につきましては一・〇八%、耐火れんがにつきましては一・一%というような状態になっておりまして、全体のコストから見ますと非常に大きな影響はないというふうに考えております。それから付言申し上げますけれども、私どもの方としましては、水産関係につきましては、関税がかからないような措置を行政指導によってやります。それから輸出関係、たとえば鉄鍋関係とかいうようなものにつきましては、できるだけ石油業者の方でも一つ負担してもらおう、それからまた鉄鋼関係におきましてもある程度は負担してもらおうというような考えでありまして、特にこの値上りにつきまして、われわれの方としましてある程度上ってもやむを得ないじゃないか、いわゆるボイラー関係、こういうものにつきましては、私どもの方としましては、今回ボイラーの設置の制限等に関する法律案というのを現在出しまして、商工委員会において審議中でありますが、これは石炭と最も競合するものでありますし、またボイラーに対しましては、ある程度値上りがありましても——産業によっては若干違いますけれども、総じて申しますれば、ある程度値上りになりましても、全体のコストから見てそれほど問題ないじゃないか。そういうようなボイラー関係に主としてしわが寄るような行政指導をやりたいというふうに考えております。
  54. 黒金泰美

    黒金委員 ただいまのお話しで承わりますると、ほとんどあらゆる製品の原価には大した影響がない、このようなお話しでありまするが、もしそのように原価に影響のない値上りでありますならば、この御提案理由にありますように、石炭と競合する用途に使用されるものに課税して、燃料の合理的な使用に資することは無理ではないか。相当の値上りがきて石炭を使う方が有利である、かようなことにならなければ、この御提案理由にならぬように思うのでありますが、今のお話しを承わっておると、大した影響もない、これではせっかく燃料の合理的使用に資するために関税をおかけになってみても、相変らず石炭の消費増にならない、かように考えられるのでありますが、この点が実情どういうふうになっておりますか、少し具体的にお教え願いたいと思います。
  55. 川上為治

    ○川上政府委員 これらにつきましては、やはり石炭と最も競合する部門でありまして、私どもとしましては、ボイラー関係のものは、なるべく石炭を使うようにという指導を現在やっておるわけでありますが、今回はそれを法律的に措置をとりたいという考えでありますけれども、ボイラーにつきましては、やはり五百円なり六百円重油の値段の上りますことは、やはりそれだけ石炭の方へ転換させることに役立っ結果になると私どもの方では考えておるわけでございます。これは、現在石炭につきましては、いわゆる産炭地におきましては、むしろこの効率とか、あるいは手間賃がかかるとかいうような点を度外視しますと、むしろ現在におきましては、石炭の方が安いというような状態になっておりますが、消費地におきましては、まだまだ石炭の方が高いわけでございますけれども、私どもの方としましては、たとい五百円でも六百円でありましても、これがやはり石炭の方へ転換させる一つの手段になってくるんじゃないかというふうに考えております。
  56. 黒金泰美

    黒金委員 今のお話しを伺ったのでありますが、これは地方によっていろいろ違いはあると思いますけれども、たとえばボイラーについてみましても、石炭重油は、現在どの地方ではどれくらい値開きがあり、今回の結果でその値開きがどれくらいになるか、これを御説明願いたいと思います。
  57. 北島武雄

    北島政府委員 これは地区によって違うのでございますが、今地区別に数字的に御紹介申し上げますと、京浜地方におきましては、石炭重油の平均して一カロリー当りの価格を出しまして、さらにこれにメリット換算いたしまして、そして最後に石炭重油と比べましてトン当りどれくらい高いか安いか、こういう最後の数字で申し上げますと、京浜地方におきましては、課税前においては石炭の方が六百八十円高い、これが課税後においては、四百二十六円なお高いのでありまするけれども、相当価格差は狭まるかと思います。次に阪神地方でございますと、現在メリット換算いたしました結果、石炭の方がトン当り五十五円高いと思われるのでありますが、課税後におきましては、百八十六円石炭の方が割安になる。それから九州におきましては、現在でも石炭の方が千百二十円割安でありますが、課税後におきましては、千百七十六円割安になる、こういう数字が出ております。
  58. 黒金泰美

    黒金委員 ただいまの御説明で一応数字はわかりましたが、たとえば京浜地方でもって、これだけ値幅が縮まったならば、これは石炭の消費に転換するものと考えていいのでありましょうか。その点はどういうふうにお考えになっておるのですか。
  59. 川上為治

    ○川上政府委員 単に関税をかけただけで、すぐ石炭の方へ転換するものとはわれわれ考えておりません。やはり石炭の方へ転換させるためにいろいろな措置をとりまして、関税もその一つというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、ボイラーの設置制限等に関する法律という法律なんかによりまして、これは行政的に極力その転換をさせていくとか、あるいはまた新設についてはこれを抑制するとか、あるいはまたこの数量等につきまして制限をやるとか、そういうような措置を一方やりますと同時に、それに並行しまして関税もある程度上げますと、今申し上げましたその差というものは、それほど大きなものではないかもしれませんけれども、少くともそういういろいろな措置を講じまして、石炭の方へ転換させていくことができるのじゃないかというふうに私は考えております。
  60. 黒金泰美

    黒金委員 今の点をもう一点よく伺っておきたいと思うのですが、現在石炭対策としていろいろな方法を講じておられる。これはもとより当然でありますが、この関税の引き上げによって値幅の縮まりますことは、この程度のことをやっておけばこれでバランスがとれる、お互いの権衡がとれるとお考えなのでありましょうか。それとももっと値幅を縮める、あるいは重油の方を高くしなければいけないのだけれども、急にそこまで持っていくことはできないから、従って漸進的にことしはこの段階にしておくのだ、こんなふうなお考えなのでございましょうか。石炭とのバランスの点から御答弁願いたい。
  61. 川上為治

    ○川上政府委員 これは大蔵省の方から答弁があるかと思うのですが、私の方としましては、毎年々々関税をさらに上げていくというようなことは好ましくありません。これは石炭の方につきましても、現在石炭の合理化法案というのが商工委員会に出て審議されておりますが、そちらの方でいろいろ合理化を進めて、コストも下げることになっておりますので、その大体の見通しは、五年後におきましては、大体石炭の方と重油の方とが競争できるという建前に立っておりまして、関税につきましても、そうむやみに引き上げなくてもよろしいのじゃないかというふうに私どもの方では考えております。
  62. 北島武雄

    北島政府委員 関税の面から申し上げますと、原油重油、粗油の基本税率が一割であります。今回陸上用のB、C重油に対しましては一割までいかず、八%程度課税をしよう、こういう趣旨でありまして、関税率の面からだけいけば、まだ二%の引き上げがあるということにはなります。ただこれを今後どうするかにつきましては、やはりその年々の事情に応じまして、基本税率まで直ちに持っていくかということにつきましては、そのつどよく検討する必要があるかと思っております。ただし将来この基本税率を上げるかどうかという点につきてましては、これはただいまのところ、当分の間そういう事態にはならないのではなかろうか、そういう必要はないのじゃないか、このように考えております。
  63. 黒金泰美

    黒金委員 ただいまの御答弁でありまするが、今回の提案理由が、最近の経済状況等にかんがみて、石炭と競合する用途に使用されるものに課税して、かようにあるものですから、石炭との価格の権衡の問題、これが非常に重点を占めるだろうと思って承わっておった次第であります。   〔横路委員長代理退席、春日委員長代理着席〕 そういたしますと、今の通産省側の御答弁によれば、まあまあこの程度関税をかけておけば、ほかの対策もそのうちに効を奏してくるであろうし、まあまあこれ以上に負担をさせることなしにやっていけるだろう、かように一応は考えられるのでありますが、たとえば炭鉱におきまして、あるいはストライキが起る、あるいはいろいろな状況で生産費が非常にかさんでくる、あるいはまた重油の方の原産地の価格が下る、あるいは運賃が下るというような場合には、これはまた変更される。特に石炭の方の生産費がいろいろな事情で上ってくれば、またこの関税が引き上げられる、かような懸念は一応ないものと考えてよいものでありましょうか。その点を御答弁願いたいと思います。   〔「何かガットと関係があるのですか」と呼ぶ者あり〕
  64. 北島武雄

    北島政府委員 将来石炭の値段が、あるいは上り、あるいは下った場合に、石油の関税をどういうふうに処置するか、こういうお尋ねかと思います。これはもともと原油重油、粗油につきまして、基本税率で一割かけておりますが、石炭関係ではないわけであります。もともと国産原油の生産の必要性から勘案いたしまして、日本としては基本税率は一割まで上げるのが適当だ。それが過渡的に今まで免税になっておって、今回ある程度課税をしようというのであります。今後石炭の値段が上り、あるいは下ることによりまして、すぐそれを関税の方に直接響かせるということにならないのじゃないかと思います。これは総合的にもう少し勘案いたしまして、原油の生産の状況、あるいは関税の引き上げによる重要産業のコストの引き上げ等、いろいろ勘案しなければならぬ問題でございまして、石炭の値段が今後どうなったら関税をどうするかということにはならないかと思います。  それからなおガットとの関係のお尋ねがございましたが、ガットでは、今回原油重油、粗油については何の約束もいたしておりません。従いまして国際間におきましては、日本原油重油、粗油の基本税率の一割を引き上げる権利は持っておるわけでございます。
  65. 春日一幸

    春日委員長代理 黒金君にちょっと御了解を得たいのですが、あとに横路君と小山君の質疑の通告があります。なお本日は十二時半ごろに終りたいというような御予定でもありますので、貴殿の質問はすでにだいぶんの時間にわたっておりますから、なお一つ簡単にお願いを申し上げたいと思います。
  66. 黒金泰美

    黒金委員 いろいろと伺って参ったのでありますが、さらに承わりたいことは、確かに関税定率法を見ますれば、あらゆる物資について輸入関税定率がきまっておる。しかしながら原材料につきまして、日本にほとんど生産できない物資については、暫定的に大体ははずしておる。このように、今回の原油重油のごとく、これを復するといったようなものがどのくらいありますか。課税をしようというようなものがどのくらいありますか。それを承わりたいことと、それから委員長からの御督促もありますので、一括して承わりたいと思いますが、やはり日本の中で生産の少い原材料である原油重油、こういったものに関税をおかけになる趣旨は、この提案理由では、非常に石炭対策であるようにあまりに大写しに出ておりますために、非常に誤解を招きやすいのでありますけれども、税関部長のきょうの御説明によると、そうじゃないのだ。むしろ原油重油そのものの対策なんだという点をしきりに強調しておられますが、それならばこのような関税収入をもって、国内の石油資源の開発に当てるというようなお考えがあるかどうか。この点とあわせて承わって、そして私の質問を終えたいと思います。
  67. 北島武雄

    北島政府委員 まず、原油重油、粗油の関係につきましては、日本といたしましては関税定率法制定以来かけておる。なおこのような基本資材に対してほかにかけておる例があるか、こういうお尋ねでありますが、たとえばパルプなどはすべて五%、なお銑鉄、これは物によりますが、一割、一〇%の関税定率になっております。
  68. 黒金泰美

    黒金委員 目的税率にお使いになるお考えがあるか。
  69. 北島武雄

    北島政府委員 関税を将来目的税的に使う意図はないか、こういうお尋ねかと思いますが、これは世界各国でも、関税を目的税に使っているところは、ただいまの記憶ではございません。わが国といたしましても、目的税というのは、御存じの通りに財政の弾力性を失わせる一つの税でございますので、これは好ましくないことは事実かと思います。ただ将来これをひもつきによって歳出の方面に使うかという点につきましては、これは私の所管ではございませんので、なお他の当該主管からお答えいたしますが、おそらくこれはひもつきに使うことは、結局御賛成にはならないと思います。
  70. 川上為治

    ○川上政府委員 石油の国内の開発につきまして、昨年度におきましては一億程度助成金がついておりましたが、今年度三億使うております。これはやはり関税もある程度上げて、財政収入がふえるから、これは今お話しがありましたように、決してひもつきではない、目的税ではないということになっておりますけれども、そういう関係もありまして、三億程度はふやしてくれたものとわれわれの方では考えております。   〔春日委員長代理退席、委員長着席〕
  71. 黒金泰美

    黒金委員 最後に確かめておきたいと思いますが、この提案理由から、私どもは、今回の措置がいかにも石炭対策であるように考えて参ったのであります。税関部長からの御答弁によりますと、石炭と競合するという関係は、今回の税率をはじく基礎にはなっておるけれども石炭対策が主たる目的ではなくて、重油自体、原油自体の関税の問題である、かような御答弁であるのでありますが、だいぶわれわれ初めの提案理由説明と違った印象を受けております。そのようにしかと考えてよろしいかどうか、最後にもう一ぺん承わりたいと思います。
  72. 北島武雄

    北島政府委員 ちょっと私のお答えの仕方がまずかったと思いますが、もともと関税定率法におきまして、原油重油、粗油につきまして一割をかけておりますが、これは国内の原油資源の開発という点からきておるわけであります。そこで当初二十六年に課税いたしました当時は、基本税率は一割であるけれども、それを直ちに実行すると影響が非常に大きい。ことにその当時は輸入原油重油が非常に高かったので、その上さらに重油の一割を実行することはまずいというので、免税を続けて参ったのであります。その後先ほど御説明いたしましたように、基本条項はくずれて参っております。すでに原油重油関係につきましては、基本税率に直すのが筋ではないかという気持がもともとあるわけであります。今回表に出ておりますのは、これに石炭対策ということで焦点をしぼってはございますが、赤木的な考え方には、私がただいま申し上げた事実があるのであります。ただこれを課税いたします場合におきまして、水産用の重油にかけるということは影響も大きい。水産用だけでなく、海上用の重油にかけると諸般の影響が大きい。かたがた石炭につきましては、先ほど申し上げましたように困難な事情がある。ねらいといたしましては、さしあたり工合悪いの面はオミットして競合する部面にかけていく、こういう考えでありましたが、ただ提案理由は焦点をごくしぼりまして、石炭と面接競合するB、C重油にかける、こういう考え方になっております。基本的の考え方はそこにあるわけであります。
  73. 松原喜之次

  74. 横路節雄

    横路委員 税関部長にお尋ねしますが、原油に二%の関税をかけた場合に、その製品にどういうように影響するとお考えになっておりますか。これはあなたの所管と思いますから、税関部長にお尋ねいたしますが、二%の関税をかけた場合、その製品がどういうように影響を及ぼしてくるか、あなたの方でいろいろ計算されている数字はあると思いますので、それはさっき御説明はあったかもしれませんが、もう一ぺんやって下さい。
  75. 北島武雄

    北島政府委員 先ほど御説明ございましたように、輸入の重油に対して平均六・五%、それを海上用に影響させないでおけば、陸上用のB、C重油に対して八%の課税になる。重油につきましては、輸入重油と、輸入いたしました原油から精製された重油と、もう一つ国産原油から精製された重油と、この三つがある。この輸入重油に対しましてCIFで六・五%、陸上用のB、C重油をかけると八%ということになり、それと同じような課税を輸入原油から精製した重油にもかけなければならないという考え方もある。そこで計算の根拠といたしましては、輸入原油から精製されましたところのB、C重油で陸上部面に用いられるものに対して、やはり輸入重油として同じくCIF八%程度課税をする。それには海上用に用いられるものに全然影響させないとしたならば、輸入原油の全体に幾らの税金をかけたらいいだろうということを逆算いたしまして二%という数字が出てくる。数字的に申し上げますと、輸入原油の量が昭和三十年度におきまして約八百万キロリッター、この輸入原油の中から精製された重油で陸上部面に使われるもの、これは二百一万四千キロリッター見込まれます。そういたしますと、輸入原油から精製された重油で、陸上部門に用いられるのは二百一万四千キロリッターに対しまして、CIFで八%の課税を一応見込むということにいたしまして、これを輸入原油の全体の量八百万キロリッターで割りますと、一キロリッター当りの関税額が出まして、これを輸入原油のCIFで割りますと二%という数字が出てくる、こういうことに相なります。
  76. 横路節雄

    横路委員 これは鉱山局長仕事になるのだと思いますが、漁船用の重油原油関税をかけても、絶対に値上りを来さないという行政上の処置というのは、先ほどちょっと黒金委員質問に対してお答えがあったのですが、問題の焦点は、これが一番問題だと思うのです。これができるかできないかということが、今度の原油関税重油関税を本委員会で通すか、通さないかという論議の焦点になると思うので、一つの行政上の措置でやれるのだという、その値上りを絶対来たさないという点を一つ具体的にはっきり説明をしてもらいたい。
  77. 川上為治

    ○川上政府委員 先ほどもお話し申し上げましたように、現在原重油につきましては、一般の価格よりも、海上関係については、大体七百円程度安く売るようにさしておるわけであります。その方法としましては、全国のおもなる漁港別のいわゆる標準販売価格というものをきめまして、これを全国の特約店組合の連合会より各漁港別の業者に対して通知をいたしております。  この値段は、先ほど申し上げましたように、北海道から九州の果てに至るまで、漁港別にすべて値段が出ておるわけでございます。この値段でそれぞれその地方の漁港の特約店において販売するように指導をいたしておるわけであります。  もしその販売価格を守らないというような者が出ましたときは、あるいはその需要者の方から訴え出るなり、そういう方法によりまして、苦情処理機関が県にできておりますので、その県の苦情処理機関に申し出ることになっております。この苦情処理機関には、この特約店の組合も入っておりますので、どこどこの店で高く売っている、あるいは非常に売り惜しみをしておるというような問題がありますと、その苦情処理機関で第一線的には処理をするわけであります。もっと安く売るように、あるいは基準価格で販売するようにということを注意して、それで販売させるようにするわけであります。しかしどうしてもこれをなかなか聞かないという場合、あるいはまた量的にこれが相当不足しておるというようなときには、中央の通産省なり、あるいは農林省なりと連絡をとりまして、そうしてその上の元売り業者の方から、この油の数量が足りない場合におきましては、すぐ出荷してやるとか、あるいはまた価格につきましては、どこどこの店がどの元売り業者の関係の者であるということがはっきりわかっておりますので、元売り業者を通しまして、非常にやかましく言うということになるわけでありますが、結局は、元売り業者に対しまして、そういうような特約店をたくさんかかえておる者につきましては、特別な事情がない限りは、この配給に対して協力しないということで、われわれの方としては外貨の削減等によりまして措置を講ずるというような仕組みになっておるわけでございます。そういうような方法でやりますれば、何とかこの価格の維持についても、販売数量についても、やっていけるのではないかと考えておるわけでございます。  これは非常に厳密にいきまして、どうしても価格を安くしなければならぬ、しかもその価格を守らなければならぬということになりますと、結局公定価格制なり、あるいは切符制なり、そういうことになるかと思うのでありますけれども、そういうところまでいかないで、現在の段階におきましては、行政的に何とかやっていけるのではないかというふうに考えておるのであります。
  78. 横路節雄

    横路委員 今の漁港別の販売価格は、だいぶ値段に開きがあるだろうと思うのです。それで大へん恐縮ですが、地域別に、北海道はどう、東北地方はどう、北陸地方はどう、京浜の方はどう、阪神の方はどう、中国の方はどう、四国の方はどう、それから九州の方はどうということを、この点資料をお持ちだと思うので、ぜひ一つここで発表を願いたいと思う。
  79. 川上為治

    ○川上政府委員 四月一日に発表しました価格は、北海道におきましても、いろいろな地区によりまして価格が違っております。たとえば稚内地区においては一万八千二百円、小樽地区においては一万七千二百円ということになっております。青森県におきましては、八戸が一万四千九百円、岩手県の宮古が一万四千五百円、秋田県におきましては、船川が一万五千百円、千葉県におきましては、銚子が一万四千百円、静岡県におきましては、清水が一万四千円、富山県におきましては、新湊が一万五千四百円、あとでこれは詳しい資料を差し上げますが、こういうふうに各地区別によりまして、高いところもあり安いところもあり、一応標準価格がきまっておるわけでございますけれども、高いところは、結局、運賃が非常に高くなっておるということが大きな原因と考えます。
  80. 横路節雄

    横路委員 それでは、たとえば北海道の小樽は一万七千二百円、岩手の宮古は一万四千五百円、約二千七百円違うのですが、この岩手の宮古と小樽との間の二千七百円の違いというのは何で出てきておるのですか。
  81. 川上為治

    ○川上政府委員 これは油をそこまで運びますときに、あるいはばらで持ってきますとか、あるいはまた積みかえの問題とか、輸送賃の問題とか、いろいろな問題がありまして、結局遠いところほど高くなるということになっておりますが、その詳細の資料は私持ってきておりませんので、これは、他日その資料につきましては十分お目にかけたいと考えております。
  82. 横路節雄

    横路委員 鉱山局長にお尋ねしますが、あなたの方では、いわゆる関税をかけた場合に、行政上の措置で高くしなくても済むんだと言う。そうすると、あなたの方で四月一日に発表したこの重油の価格は、これは行政上の措置でお認めになったわけですか、それとも業者の言いなりになっておるのですか、この点どうなんですか。
  83. 川上為治

    ○川上政府委員 これは私の方としまして、業者の方にも十分協力を求めまして、そうしてこれは全国平均で、その前におきましては七百円程度高かったのでありますが、それを七百円程度引き下げまして、そうしてこれを地区別な価格に開いて、こういう価格を作ったわけでございまして、決して業者の言いなりによって価格をきめたわけではございません。
  84. 横路節雄

    横路委員 そうすると、これはあなたの方でお認めになった価格なわけですね。
  85. 川上為治

    ○川上政府委員 当時におきましては、私の方でA重油について認めた価格でございます。
  86. 横路節雄

    横路委員 それでは私は、距離——もちろん積み込み等の関係もございましょうけれども、北海道の小樽を一例にとって一万七千二百円というのが、青森の八戸の一万四千九百円、岩手の宮古の一万四千五百円と、運賃だけの開きでそういうふうになっておるという点は、今までの数字ではちょっと了解できかねますので、その点は次の機会に一つぜひ具体的な資料を出していただきたいと思います。  次に、鉱山局長にお尋ねしますが、水産業界の諸君はこれをこう言うのです。何ぼ行政上の措置でちゃんと値上りしないようにすると政府の方で言っても、石油精製業者の方はなかなかそんなことを聞かないで、ちゃんと値上げをしてくるんだ、こう言うのです。今のあなたのお話しを聞くと、まず漁港別に販売業者がやって、それをあなたの方で行政指導をやって、そしてどうも高いという場合には、県の苦情処理機関があって、それに訴えて出て、それからだんだん寄って、最後には外貨の削減もやるんだ、こういうわけなんですが、この点について、業界の実際に使用する連中は、非常に危惧の念を持っているわけなんです。この点はやはりあなたの方で、本委員会を通してこの疑義を明らかにしなければ、私はこの関税定率の問題はなかなか国民が氷解しないと思うわけです。ですから、ただ委員会で答弁をするというのでなしに、本委員会を通して、やはり非常に関心を寄せている水産業界、とりわけ実際に零細な漁業に従事している諸君にまで値上げを来たさないのだという点を、あなたに細部にわたってここで発表していただかなければならぬと思う。この点、もう一度行政上の指導によってやれるという点——どうも先ほどのお話しではやや抽象的なんです。この点は先ほどの答弁では、あなた方としては行政上の指導として十分値上げを来たさないというわけですが、その点をもう一度お尋ねしたいと思うのです。
  87. 川上為治

    ○川上政府委員 これは行政指導によってやりますことでありますから、私は絶対にそういうことはありませんということは言い切れないと思います。私どもの方としましては、何とか全力を注いでこれが守られるように措置をしたいと考えております。ただ、そういうことが絶対的に一件もないようにするためには、やはり法律的な措置が私は必要ではないかと思います。たとえば切符制でありますとか、あるいはまた公定価格制とかいうような措置が必要ではないかと思うのですが、私どもといたしましては、できる限り行政的な措置でこういうことをやっていきたいと考えております。
  88. 横路節雄

    横路委員 この問題は、鉱山局長に今すぐここで答弁を求めても無理な点もあろうと思いますので、委員長は、できれば理事会等に諮って私はこうしてもらいたい。  それは、漁業協同組合連合会とか、いろいろな水産団体などの実際に使用している諸君に実情を聞いてみる必要があると思うのです。私は行政上の指導といっても不安が多いと思いますので、適当な機会にそれらの人々を参考人としてぜひ本委員会に呼んで、実情を調査の上で、鉱山局長からも詳細な資料を出してもらって、私は質問を継続してやりたいと思います。きょうはいろいろ関係者のこともあるので、この程度で留保しておきます。
  89. 松原喜之次

    松原委員長 暫時休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      ————◇—————    午後零時三十二分開議
  90. 松原喜之次

    松原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案起草の件を議題といたします。
  91. 松原喜之次

    松原委員長 本法律案の起草につきまして、委員長の手元で一応作成いたしました案がありますので、これをお手元に配付いたしておきましたが、この案について何か御発言はありませんか。   〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
  92. 松原喜之次

    松原委員長 別に発言もないようでありますから、お諮りいたします。この起点案を委員会の一応の成案として決定するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  この際申し上げますが、衆議院規則第四十八条の二の規定によりますと「委員会は、予算を伴う法律案提出しようとするときは、その決定前に、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。」ということになっておりますので、政府側において何か御意見があればお述べ願います。藤枝政務次官。
  94. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 ただいま御提案になりました法案によりますと、減税一億三千数百万円に相なりまして、国の税収に相当の影響もございますし、また会期を六月末といたしておりまするこの国会の会期との関係もございまして、非常に政府も取扱いに困るのでございまして、なるべく原案を御賛成いただきたいのでありますが、国会側の御意思が御決定に相なります上は、それに従いまして執行に当りたいと存ずる次第であります。
  95. 松原喜之次

    松原委員長 それではお諮りいたします。この法律案委員会成案として決定し、これを委員会提出法律案といたすに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  なおこの法律案提出手続等につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、これに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  午前中の会議はこの程度として、午後二時まで休憩をいたします。    午後零時三十六分休憩      ————◇—————    午後二時四十七分開議
  98. 松原喜之次

    松原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  砂糖消費税法案物品税法の一部を改正する法律案を一括議題として質疑を続行いたします。加藤君。
  99. 加藤高藏

    ○加藤(高)委員 動議提出いたします。  ただいま一括議題となっております両法律案に対する質疑はこれにて終了し、討論を省略して、直ちに採決に入られんことを望みます。
  100. 松原喜之次

    松原委員長 ただいまの加藤君の動議に御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  これより両法律案を一括して採決いたします。お諮りいたします。両法律案をいずれも原案通り可決するに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よって両法律案はいずれも原案通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました両法律案に対する委員会報告書の作成、提出等手続につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は明後三十日、木曜日午前十時より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十九分散会      ————◇—————