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渡辺政府委員 私も
修正案の問題につきましては、実は
先ほど井上
委員いらっしゃいませんでしたが、横路
委員の御腰間に対しまして、私の考えておることをるる申し上げたわけでありますが、重複して恐縮ですが、一応御
質問ですから申し上げます。
横路
委員の御
質問は、
政府原案で二%下げたところで、一応法人、個人の権衡がとれている、これが
政府の
説明じゃないか。それに対して五%さらに下げる
修正案を
政府はどういうわけで承認したか、こういう御
質問でございました。井上
委員の今の御
質問は、七%下げたところを一体どう思うか。多少御
質問の面は、違いますが、かなり似たところもあろうと思っております。そのときにも申し上げたのですが、これはこの
委員会でもいろいろ御
論議になりましたが、いわゆる中小法人というものを
負担の上で比較するのに、二つの面があると思っております。
一つの面は、いわゆる大法人との比較であります。それはよく議論されておりますのは、大法人の方は、租税特別措置法その他の法令によりまして、いろいろな免税積立金を利用できる。従って実際に
負担している
負担は、表面は四割二分であるが、実際はそこまで
負担しておらぬ。中小法人の方はなかなかその利用ができない。従って額面
通り四割二分
負担している。そこに非常に
負担の不公平があるのじゃないか、従って、中小法人については特別な法人
税率を盛るべきじゃないか、こういう御議論が実はあるわけであります。今度の
修正案は、主としてそういう面を中心にして、五十万円以下の
金額につきましては、三十五という
税率を盛られたというふうに思っております。
もう
一つ中小法人につきましては、個人の事様者というものとの
負担の
均衡があるわけであります。その個人の事業者と、さらに今の
低額所得者という面の
負担の
均衡があるわけでございますが、二万円の
月収の人と中小法人との比較は、これはちょっと比較しにくうございまして、やはりその中間に個人事業者というものを置いて、個人事業者と法人形態の中小法人とが
負担の
均衡を得ているか、さらにその個人事業者と、今井上
委員の御指摘になりました
ような
程度の小額
所得者の
負担は
均衡を得ているかどうか、こういうふうに順繰りにやはり考えていくべきじゃないかと思っております。そこで個人事業者と中小法人との関係におきましては、われわれとしましては、どうも四〇%のままで置く方が、個人の事業者との比較においてはいいじゃないかというふうに思いましたから、一応
政府原案としては提案したわけでございますが、
修正案におきましては、大法人との比較を中心にお考えになって
修正案ができているわけでございまして、これはどちらと
均衡をとっていくべきかというところに問題の中心があるのじゃないか。けさほども
お話しが出ましたが、そうなると、やはり個人事業者と中小法人との間では、これにより中小法人の
負担が安くなりはしないかという問題は確かに残ると思います。ただ問題の中心はどこにあるかといいますと、実は事業税にある
ようでございます。と申しますのは、中小法人の場合でございますと、経営者などが自分で報酬をとる。従って事業税の
課税対象になる収益というのが、いわゆる報酬を引いた分になります。個人の場合でございますと、報酬込みの分が
課税対象になります。もちろん
税率が、法人の場合の事業税は、五十万円以下が十、それからそれをこえる
金額は十二であるのに対して、個人の方は
基礎控除がございますし、さらに
税率も八になっております。そういう点もありまして、いろいろ考慮はしておりまが、まだどうも法人形態をとる方が
税負担が安いという問題は、今度の
修正案の後において残されている問題じゃないか。ただこの問題につきましては、事業税の問題とからみ合っておりますし、全体として将来の問題としてわれわれはさらに検討を重ねるべきものだと、か
ように考えております。