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首藤小
委員 今度の
風倒木は、
被害地が非常に広範であることと、しかも場所が交通不便な深山であること、また量が非常に多いということ、従ってまた時間的な制約もあるというようなことで、幾多の隘路が重なっておりますから、これをどう処分するかということに重大な
関心が払われているわけであります。先般私たちが現場を
調査いたしました結果は、先ほど同僚議員が言われたごとく、
林野庁の非常な熱情を傾けた対策によって、私たちが
予想したよりもはるかに順調な搬出が行われている。私はこの点については非常に
敬意を表しているのでありますが、かような搬出が順調でありますこの現状を見た場合、いよいよ今度は消費をどうするかということにあらゆる
関心が集中せざるを得ないのであります。そこでその消費でありますが、先ほど
建設省の
住宅局長は、主として
公営住宅、あるいはまた地方の公共団体の、これも
公営住宅と思いますが、そういう
方面における
仕様書を
北洋材に変更するということで、むろんこれも当然必要でありますけれ
ども、これらの
公営住宅は、おおむね不燃性の
住宅である。また国家の将来を考えた場合、そういう方向に進むのが私は妥当だと考えますから、それを変更してもらいたいということは申し上げません。しかしその不燃性の建築物における消費量はきわめて少量でありまして、これをもってこの膨大な
風倒木が順調に消化されようということはとうてい考えられないことであります。しかしながら消費の一番大きな対象はやはり
住宅である。さらに輸出である。その
住宅がかような
政府の融資によるところの範囲内にとどめますならば、とうてい私は目的を達せられないと考えておる。そこでこの際ほうっておきますればこれは腐るのであります。この資源を腐らせるというようなことは何としてもこれを防止しなければならぬことは当然であります。従ってそれがためには一般の
民間の
住宅に徹底的にこれを奨励するような
方法を講ずべきじゃないか。御
承知の
通り一般の民家の
住宅は、二十五年以後家賃統制令を撤廃いたしておりますから、
個人の
自分の住いする店舗あるいは
住宅はできる限り
建設いたしておるようでありますけれ
ども、しかし一般のいわゆる昔の貸家業さんの
建設というものはほとんど停止されておると私は思うのであります。私たちは今回この
風倒木を何とかして一般の
住宅建設に充てたい、そうしてそれこそ木造の建築家屋でありますから、それがうまくいけばこの膨大な
風倒木も円滑に消化されるのじゃないかという期待を持つのであります。ところが現在貸屋業者がなぜ家を建てぬかというと、家賃統制令が残っておる。二十五年以後の
建設に対しましては統制令がございませんけれ
ども、それ以前の
建設に対しては厳重な統制令がしかれておる。ところがこの統制令が現実に善意に使われておるかこいうことを見た場合、私はその大部分が悪用されていると申し上げてもいいと思うのであります。すなわちきわめて低廉な家賃で借りた者がまた貸しをする、そしてその借りた入間が家主よりも何倍かの不当な利益を得ておる。そこで家主はりっぱな家を持ちながらあまりにも安い家賃に制約されておるがために、経済ベースに合わない。そこで何とか新しい家を建てたいという強い希望を持ちながら経済ベースに合わないから新しい家を
建設していない。そこに私は一般
民間の
住宅の
建設の進まない一番大きな禍根が存すると思うのであります。
政府の
建設は今年は四十二万戸でございますが、一方において自然廃棄に陥るところの
住宅は、私は少くとも二十万、三十万あると思う。そのような
状態を続けていくならば、三百万の
住宅不足が果していつの日か充足するであろう。しかもその間
住宅に苦しむ方はあらゆる苦労を続けていかなければならぬと思うのであります。何といっても民生の安定は
住宅であります。その
住宅なくして民生の安定を実現し得ないという方があまりにも多いという現実を見た場合、そうしてこれらの貸屋業者がもし家を建てるとしますれば、それは十坪余っていれば十坪の土地に家を建てる、二十坪余っていれば二十坪の土地に家を建てる。すなわちどこでも多少でも土地が余っていればそこに家を建てる。そうして初めてこの不足している
住宅が充足すると思う。しかも業者がその熱意を持っておりながらできないのは不当な家賃統制令が残っておるからで、そこに禍根がありますから、私はこの際かような
風倒木を消化させるためにはこの不当な家賃統制令を撤廃いたし、さらにまた貸家法を根本的に改正いたして、借りた以上はもう借家主の
自分の家みたような権限を取って、どこまでも、貸家主に権限があるという正当な姿にこの
法案を改正して、一般貸家業者が進んで家を
建設し、
日本の
住宅不足をカバーする、そうして大きな
風倒木を
処理することが一番適当だと考えるのでありますが、
建設省ではこれに対してどういうお考えを持っておるか、一応伺っておきたい、かように思うのであります。