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1955-07-04 第22回国会 衆議院 商工委員会木材利用の合理化に関する小委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月四日(月曜日)    午後一時四十一分開議  出席小委員    小委員長 中崎  敏君       齋藤 憲三君    笹本 一雄君       首藤 新八君    山手 滿男君       鹿野 彦吉君    永井勝次郎君       松平 忠久君  出席政府委員         総理府事務官         (経済審議庁調         整部長)    松尾 金藏君  小委員外出席者         議     員 秋田 大助君         議     員 野田 武夫君         議     員 田中 利勝君         大蔵事務官   林  大造君         大蔵事務官   竹内  勉君         文 部 技 官         (管理局教育施         設部計画課長) 中尾 龍彦君         通商産業事務官         (重工業局次         長)      小山 雄二君         通商産業事務         官         (軽工業局建材         課長)     川田 博通君         建 設 技 官         (住宅局建築防         災課長)    村井  進君         建 設 技 官         (営繕局営繕計         画課長)    小林 清周君         参  考  人         (鋼材倶楽部副         理事長)    清水 芳夫君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 七月四日  加藤清二君六月二十三日委員辞任につき、委員  長の指名で小委員に補欠選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  木材代替資源使用促進に関し参考人より意見  聴取  木材利用合理化推進資金等に関する件     —————————————
  2. 中崎敏

    中崎委員長 これより会議を開きます。  木材利用合理化に関し調査を進めます。本日はまず木材代替資源使用促進の問題について、特に耐久土建材料としての鋼材部門から御意見を承わりたいと思います。御出席参考人鋼材倶楽部理事長清水芳夫君でございます。清水参考人には御多用中のところ、本小委員会に御出席下さいまして、厚くお礼を申し上げます。  それでは清水参考人より御意見の開陳をお願いいたします。清水君。
  3. 清水芳夫

    清水参考人 清水でございます。本日は御多用木材利用合理化の件に関しまして、貴重なお時間をさいて業界実情をお聞き取り願う機会を得まして、まことにありがとうございます。  鉄鋼業界といたしましては、一昨年以来木材利用合理化の運動と歩を合せまして、木材を節約する代替物としての鋼材をいかように利用することが最も適当であるかを研究いたしておりました結果、早急に実施し得るものはその実施方策を講ずるために、鋼材倶楽部の中に需要開拓委員会という組織を新たに設けまして、鋭意検討を続けて参った次第でございます。そうして今日まで取り上げて参りましたおもなる問題は、メタルフォーム鋼管足場鋼製什器鋼製魚函軽量鉄骨造不燃建築等でございまして、特にこの量産によりますローコストをねらいましたものについては、鉄骨造組立住宅とか、鉄骨作り学校建築、それからなお中層店舗付住宅ということにつきまして研究を進めておる次第でございます。またこの鉄骨建築と関連いたしまして、ドリヅール等にも若干の投資を行いながら、その実用化推進に努めている次第でございます。  ただいまごく簡単に申し上げました項目につきましてなお御説明を申し上げますと、メタルフォームでございますが、これにつきましてはすでに従来メタルフォーム株式会社がございましたが、これを最近資本金五千万円の新メタルフォーム株式会社吸収改組をいたしまして、このメタルフォーム製造販売買付等の業務を営んでおる次第でございます。その製品製品使用方法につきましては、まだまだ研究の余地が多分にあろうと存ぜられますので、これにつきましては建設業界とも数次会談機会を持って、その欠点を是正しながら使用範囲拡大努力しておるのでございます。  第二に鋼管足場でございますが、これは建設業界からも非常に強い要望もございますが、なおその使用範囲拡大等を考えておりますが、何分にも需要家であります建設業方面資金的な余力がまだ十分でございませんため、大規模製造販売あるいはレンタルサービス等につきましては、まだ確固たる会社を設立いたしますには、勢い供給者側資金を寝かすことが必要となります結果、さしあたってはそう望ましい段階にはまだ入っておりませんが、非常に便宜でございまして、欧米各国におきましてもつとにこれが普及され、木材に代替されておる今日でございますので、何とかして経済的にも有利なこの鋼管足場につきましては、低利長期融資のごあっせんをいただきまして促進させたいと目下努力いたしておりますので、この点についてもよろしくお願い申し上げる次第でございます。  それから鋼製什器でございますが、最近ぼつぼつ巷間にも鋼製什器が相当現われておりますし、また学校用の机、いす等製作等を行いまして、最近では業界といたしましてお茶の水の小学校使用をお願いしておる次第でございます。また通産省工業技術院工業試験所に、学童用の机あるいはいす標準設計研究等を御依頼申し上げまして、推進させている次第でございます。またさらに一歩を進めまして、優秀なる鋼製各メーカーとタイアップいたしまして、場合によっては鉄鋼価格値上りいかんにもかかわらず、原価相当の、これとにらみ合せました範囲内におきまして、価格の安定もはかってこれが普及もはかりたい、こう考えておるのでございます。  次に、これは大きい問題でございますが、御承知の鋼製魚函の問題でございますが、これは毎年二億からの木材の箱が一回きりで使い捨てられておるという実情から見まして、木材に換算しますと大へんな量に上るのでありますが、魚の鮮度を保持しながら衛生的な面からもよい結果を上げております金属製魚函にかえることが最も強く要望されておるところでございます。そこで一昨年来既設の日本魚函サービス株式会社が四万箱のアルミニユームでこしらえました魚函賃貸契約によりまして発足いたしたのでありますが、アルミ函価格の点から見まして不適当であるという結論に達しましたので、鋼製魚函を試作いたしまして、防錆、衝撃、摩擦等試験を行いました結果、アルミ函の三分の一の価格で、ほぼ満足すべき規格のものができることになりましたので、これを四千函製作して本年二月から使用いたしましたところ、企業としての見通しもつきましたので、鉄鋼業界資本を主力とする新会社を設立いたしまして、開発融資、その他長期融資を得まして、差し当り二十万ないし三十万函の鋼製魚函を貸付または販売の形で漁業界に供給する予定計画を進めております。政府当局の御計画によりますと、百万函を鋼製化されると承わっておりますが、その御要望に応ずるためには、低利長期融資を得ることが基本的な条件と考えられますので、何とぞこの点を御含みの上、十分なる御援助をお願いいたしたいと存じます。  最後に総括的に申し上げまして、軽量不燃建築としての鉄骨組み立て建築につきましては、木材利用合理化の面から必要なことはもちろんでありますが、最近のように火災による集団的な悲惨事がしばしば勃発しております現状にかんがみまして、耐震、耐火という点から申しましても、都市不燃化、特に、多くの人が集まります集会場学校病院等はなるべく早急に不燃建築のものにすることが国策としても緊要なことかと考えられます。  従いまして、一般学校病院はもとより、都市地域に公費で建設されます公営住宅あるいは防火地帯建築されます店舗付住宅等は、経費の関係から鉄筋コンクリートでできない向きでも、木造建築に近い価格でできます不燃建築を考えますことが現在の急務であると思います。  そこで建築構造部材規格化量産化いたしますことによりまして、建築単価をなお一層安くしまして、不燃材と申せば、鉄骨造が最もよいと考えられますので、鉄鋼業界といたしましては、種々の犠牲を払いましても社会に奉仕するという精神からその推進努力している次第でございます。現在、鉄骨組み立て住宅といたしましては、建設省ローコスト・ハウスとして取り上げていただき、現に東京都で四戸建二棟の公営住宅を試作することとなりまして、日本鋼管株式会社が施工を請け負いまして、企業化に必要な資料をとりましてこれを検討する段階になっております。  学校建築といたしましては、文部省の御指示をいただきまして、都下目黒区の八雲小学校鉄骨モデルスクール建築に御協力いたしておりますと同時に、業界は独自に文部省の御指導を得まして、八幡製鉄富士製鉄日本鋼管三社の建築関係技術員共同作業によります鉄骨造校舎設計を作成いたしました。  また「鉄骨造校舎について」というパンフレットを作りまして、義務教育完全施設全国協議会及び、全国都市教育長協議会等におきまして御説明をいたし、非常なる反響を沿びておる次第でございます。  このほか、建設省の意図されておりますところにそうべく、中小規模一般及び共同住宅及び店舗の大体三階程度のものを目標として、鋼材の最も適当な断面の研究に着手しております。なお、これは建設省補助金を申請中でございます。  以上申し述べました鉄骨組み立て建築に共通した問題といたしましては、構造部材規格化量産化をはかりますはもちろん、できるだけ加工費を省きまして部材を安くすることを考えております。  現在でもすでに鉄骨組み立て住宅公営住宅単価に近くなって参りましたし、学校建築におきましても、坪当り四万円前後でできる程度にまで低くなって参りましたが、さらに一そう安くできるようコールドフオーミングの研究も別途進めておる次第でございます。  鉄鋼業界といたしましてはあらゆる努力をいたしこの問題を進めております。従来とも関係当局の特別な御指導援助がございまして、非常に工合よく進めさせていただいておりますが、今後とも一つ何分の御指導御鞭撻をお願いする次第でございます。
  4. 中崎敏

    中崎委員長 参考人に対する質疑があればこれを許します。
  5. 松平忠久

    松平委員 清水さんにちょっとお伺いしたいのですが、今お聞きしておりまして、坪当り四万円程度で大体けっこうな話なんですが、一般家屋まで鉄骨もしくは不燃性家屋ということはなかなかむずかしいと思うのです。従って公共の建物ということになりがちになりますが、一体不燃性家屋鉄骨その他の材料を使って作る家屋坪当りコスト、それを下げるのには何をどういうふうにすれば一番いいか、つまり今後どういうところにそれを下げる重点を置いて研究すべきかということをお聞かせ願いたいのです。たとえば先ほど一つ出ましたが、低利長期金融というようなこともありましたし、あるいは税金というようなこともあるかとも思います。あるいはそのほかなお量産というようなこともありましたけれども、一番のポイントとしてどういうことを一体やればいいか、ことにわれわれ政府国会並びに委員会等におきましてはどういうことに努力をすべきだということについて、御意見がありましたら伺わせていただきたいと思います。
  6. 清水芳夫

    清水参考人 われわれ鉄鋼業界といたしましては、みずから鉄鋼価格コストの低下をはかることもちろんでございまするが、同時に、簡単に量的と申し上げましたけれども、何といたしましても今後の鉄鋼需要というものは、従来の速度以上に相当なる需要が起るものとわれわれ確信しておる次第でございます。従いまして生産面から見ましても、われわれの設備の合理化及び更新等によりまして、当然減価に相当期待ができるということはもちろんでございます。これはわれわれ業者自体としての責任でございまするが、同時に先ほど申し上げましたように、御当局におかれましてはいろいろと私たちに御指導を下さいまして、申し上げましたような八雲小学校あるいはその他都市住宅等について御指示なり御協力をいただいておりまするが、これをもっと推進するようにさせていただきまして、たとえば公営住宅金融公庫住宅あるいは日本住宅公団等建築されます住宅鉄筋コンクリートかもしくは木造となっておりますが、これに鉄骨構造のものを大幅に認めていただくと同時に、住宅金融公庫におきましてもいわゆる簡易耐火構造としてお認め願うように御考慮を一つお願いしたい、こう考える次第であります。これにつきましては、建築基準法改正が現在建築学会においても審議されておりまして、ほとんど成案ができておるように伺っておりますが、そうした法制化促進をお願いするというようなこと、あるいは住宅金融公庫法中一定の規格を定められまして、鉄骨組み立て簡易耐火構造としてお取扱い願いたいというようなことも考えておる次第でございます。  それから、われわれ最も関心を持っておりますのは、最近の学校建築に関する補助金でございますが、そのワクといたしましては、現在鉄筋コンクリート木造のみに当てられておりまするが、鉄骨作り学校建築にもそのワクを設定願いたいということも重ねてお願いしたいのでございます。毎年新築されまする木造校舎は、百四十万坪くらいと伺っておりまするが、そのうち、全部でなくても、せめて三割ぐらい計画的に鉄骨作りになるような態勢をとられるように一つ措置を願えれば幸いだと存じます。
  7. 中崎敏

    中崎委員長 他に質疑はありませんか。——清水参考人には御多用中のところ、本委員会のために貴重な御意見を御開陳下さいましてありがとうございました。本問題調査に多大な参考となりましたことを厚く御礼申し上げます。御苦労様でした。  次に木材代替資源使用促進に関し、文部省建設省当局よりそれぞれ現在とりつつある措置及び将来の対策等について説明を求むることにいたします。まず文部省当局より学校営繕について説明を求めます。文部省管理局教育施設部計画課長中尾説明員
  8. 中尾龍彦

    中尾説明員 文部省計画課長中尾でございます。わが国におきます学校建築現状は、大ざっぱに申し上げまして全国学校の九割が木造でございまして、残りの一割が不燃性建物になっております。その数字はただいまお手元に配付いたしました三枚のガリ版刷りに詳しい数字を掲げてございます。そういう現状でございますので、従って学校火災あるいは災害というようなものを年々少からずこうむっております。  なお、終戦後新教育制度になりまして、そのためにいわゆる六・三・三制というものがしかれましたために、学校建設が年々相当多量に行われております。概数で申し上げますと、ただいまもお話がありましたように、公立関係におきましては大体百四十万坪、国立、私立、そういうものまで加えますと、大体百八十万坪というものが年年建設されて参っております。そのうち百六十万坪程度木造でございまして、残り十六万坪が大体不燃性で建っておる現況でございます。これも全体の建設量から見ますと、大体九対一、木造九、不燃性のもの一というような割合でありまして、これをぜひでき得る限り不燃化していきたいと努力しておるのでございますが、何分不燃性建物はその単価が非常に高価のために、現在の乏しい財政のもとでは思うにまかせず、大体今目途として努力しておりますのは一五%を不燃化したいという計画で進んでおります。たとえば本年度の公立学校関係補助金におきましても、一五%を不燃化するという数字で計上されております。なおもう一歩この単価が高いという点を解消すべく、単価引き下げとしまして鉄骨造というようなものを考えまして、現在予算におきましては鉄筋の査定単価が坪五万七千円木造が二万七千円という数字になっておりますが、その中間くらいで不燃性建物ができるように目下建築界の権威の方々と一緒になりまして、そういう構造のものを研究中でございます。以上概略でございますが、文部省関係の御説明を終ります。
  9. 中崎敏

  10. 村井進

    村井説明員 住宅局関係の事項を御説明申し上げたいと思います。公営住宅、新しく設立されます予定公団関係及び公庫関係、この三つが住宅関係といたしましては国の資金を使いまして作る住宅関係でございます。公営につきましては今年度からいわゆるローコストと申しまして、使用資材につきましても多少今までの鉄筋コンクリートより簡易なものを考えまして、これを相当数作ることにいたしました。これによりまして公営住宅におきまする不燃率と申しますのが、昨年まで大体三〇%くらいでありましたのを四〇%くらいに上げて作ることにいたしております。ただ現在の段階におきましては、建築費関係がありまして、公営住宅で今まで作っておりました四階建というような、ああいう規模で作ることはちょっと困難でございますので、以前木造で作っておりました平家のものに振りかえるというような考えで、二階建または平家建不燃構造のものをたくさん作ることになっております。小さなものを作りますことは住宅政策の面から申しますと、いろいろ議論のあるところでございますので、来年以降はもう少し大きなものをこれで作るようにいたして参りたいというふうに考えておる次第でございます。公団関係住宅約二万戸が議決されておりますが、公団が設立されました暁には、この方は全部二万戸を鉄筋コンクリートでやって参りたいというふうに考えて、この方では木造はただいまのところ考えておりません。それから住宅金融公庫関係の方におきましては、昨年度に比べまして、一般住宅におきましては昨年度一八%くらいを不燃造でやっておりましたが、予算的にはとれを二八%まで引上げることをいたしました。産業労働者住宅関係におきましては、昨年まで八〇%やっておりましたのを七三%に実際引下げたのでありますが、厚生省で所管いたしております厚生住宅との関連におきましては、昨年度と大体同じ程度のものが供給できる、かように考えております。その結果昨年度に比べまして公営住宅公団公庫、おのおのの面につきまして、昨年度よりは大体相当数不燃住宅をふやすということをいたした次第でございます。それから防火建築帯制度がございますが、これにつきましては、政府の当初の案におきましては、この促進方法融資に切りかえるということで、住宅金融公庫法の一部改正住宅融資保険法の付則をもって行うようにいたしておったのでありますが、過般の予算修正によりまして、補助金の方も六千万円復活計上されましたので、合わせまして、事業計画としては昨年と同等にいたしておりますが、実態といたしましては昨年よりは多少ふえて参るんではないかというふうに考えております。かようにいたしまして、大体住宅関係におきましてはそれぞれ不燃率を相当引き上げたつもりでございます。  なお建築基準法関係におきまして、不燃建築をできるだけふやすような方法を考えておりますが、まず第一番にわれわれがやりたいと考えておりますのは、大規模建築物、これは現在は純防火地域以外、要するに町のまん中以外におきましては三千平方米ですから、千坪までは木造で認められる、町の中におきましては、純防火地域におきましては、百五十坪までが木造で認められる、それ以上は耐火構造ということになっておるのでありますが、これでは少し飛躍が過ぎるのではないか、もう少し、木造を減らすかわりに、金のかかる耐火構造を減らして、これを不燃造に置きかえていったらどうかというようなことを考え、ただいま建築学会等意見を参照いたしまして成案を進めておる次第でございます。ただ鉄骨造の欠陥と申しますか、欠点といたしましては、場所によりまして非常に腐蝕が早いといったようなことがございますし、一朝火事の場合には、耐火構造に比べますとやや劣るものがあるというようなとがございますので、この点何とかさびにつきましては防錆を考える、あるいは火事の問題につきましては、危険なところについて多少防火的な手法を講ずるといったようなことで補いをつけてやったらどうか、これをあわせて研究いたしております。技術的には大して問題はございませんが、実際の問題といたしまして、経済上の問題あるいは手法問題等が多少ございますので、基準法改正といたしましては、おそらく今年の国会には成案を得て提案するところまでには至らないと思いますが、少くとも次の国会には成案を得て、御審議を願うところまで進みたいというような気持で準備を進めております。ことしの初めの閣議決定になりました点につきましては、今年の予算におきましてできることはできるだけのことをいたしたつもりであります。  なおそのほかに規格建築標準をきめて部材大量生産に移せるような態勢を進めるということがございます。この点につきましてはまず住宅関係から進めて参りたい、特に政府資金を使います住宅から進めていきたいというふうに考えておりまして、今までやりましたものにつきましてただいま実績を収集いたしまして、その中から標準的なものを選んで、さらにこれを検討の上、住宅あるいは国の資金を使う住宅基準といったようななものにまで進みたいと思います。これは内部で目下資料の収集をいたし、研究中でございます。かようにいたしまして住宅局関係では予算関係以外に決定いたしたものはございませんが、着々閣議決定の趣旨に沿いまして計画を進めている次第でございます。
  11. 中崎敏

    中崎委員長 質疑に入る前にきょう政府側からの出席者を申し上げます。経済審議庁調整部長松尾政府委員大蔵省主税局林説明員理材局竹内説明員通産省重工業局次長小山説明員軽工業局建材課長川田説明員建設省建築防災課長村井説明員営繕計画課長小林説明員文部省管理局計画課長中尾説明員、以上であります。  文部省建設省当局に対する質疑があればこれを許します。——この際委員長から建設省の方へ申し上げておきたいのでありますが、ただいま村井説明員の話によりますと、鉄骨建築等についてもいろいろ検討中であるということでありますが、ことに鉄骨火災の場合において多少遺憾な点があるので、この点を検討中だということでありまして、一日も早くこうした問題について研究を進められたいと思うのでありますが、木材建物火災の場合においていかに大きな被害を及ぼし、いかに大きな国家的な損失をもたらしているかということは言うまでもないことでありますので、それに比較してみれば、たとい不十分であるとはいいながら、鉄骨建物の方が万事まさっているということは言えるのでありますから、それらの点も勘案して、拙速とは申しませんが、なるべく一つ早い機会にこれらを具体的施策の面に盛り込まれるように希望しておきたいと思うのです。  次にまた腐蝕の面についても遺憾な点があるということでございますが、これは塗装等を十分にやれば、こうした材質のものは相当恒久性を持った性質のものであると考えますので、塗装業者あるいは塗料業者とも十分に研究を進められて、一日も早くこれは具体的施策の上に反映して、もって一面防火、一面恒久的な建物としての機能を果すことができるようにお願いしておきたいと思います。  さらに通産省の方に対してもお願いしておきますが、こうした問題は同時に——たとえば塗料塗装等の問題についてもそうでありますが、特に一段と熱意を持って取り組まれて、そうして工業技術院とか、工業試験所なども動員してその目的達成のために協力されんことをお願いしておく次第であります。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  12. 中崎敏

    中崎委員長 速記を始めて。ただいま笹本委員から意見がありましたように木材利用合理化促進をするがためには、幾多の隘路あるいは具体的に振興すべき要素等があるのであります。たとえば予算の面からして相当の困難がありますと同時に、金融の面についても大きな隘路等があるのであります。そのほか各機関の連絡等の上においての不合理といいますか、隘路といいますか、そういう問題を中心として、こうすれば推進ができるとか、こうしていきたいというふうな点について一つ忌憚ない御意見を聞いて、お互いが一つそうした隘路を打開すべく積極的に推進していく道を開いていきたいと思います。そういう意味において参考となる意見政府側から開陳していただきたいと思います。
  13. 鹿野彦吉

    ○鹿野小委員 経審の人に聞きたいのだが、今金融の問題について笹本君から話がありましたが、この間まだきまらないような話でありましたが、木材利用合理化に関して経審が資金のわくをどういうふうにその後きめられているか、ちょっと聞かしてほしいと思います。まだ未決定であるのか、いつごろそれを決定するのか。
  14. 中崎敏

    中崎委員長 政府側から順次意見を聞きたいと思います。松尾政府委員
  15. 松尾金藏

    松尾政府委員 前の委員会におきまして御説明いたしたのでありますが、大体開銀資金の運用につきましては、政府側で閣議の了解の形で基本方針を示すことになっているのであります。その基本方針の検討を大体今の進行状況では、ほんとうは六月中にという予定で準備しておったのであります。若干遅れて参りましたが、大体私どもの手元で一応の成案は今できておりまして、両三日中に関係各省と打ち合せをいたしまして、今月早々には関係省の協議を終って正式の決定をいたしたい、こういう進行状況でございます。
  16. 鹿野彦吉

    ○鹿野小委員 内容は話せませんか。
  17. 松尾金藏

    松尾政府委員 御承知のように基本方針におきましては、従来いわゆる特掲とされているそれぞれの部門につきまして、開銀資金が出ることについての説明的な、内容によっては制限的な方針になっているわけであります。本年度も大体去年のいわゆる特掲産業のような考え方で、それぞれの部門の資金の流し方についての考え方を示すのでありますが、大体去年の基本方針の示し方とそう特別に大きな考え方の基本的な変更というものはないつもりであります。内容の具体的なことにつきましては、これから各省と打ち合せをするところでございます。最終的にはもうちょっとのところでございます。
  18. 鹿野彦吉

    ○鹿野小委員 とにかく木材合理化関係につきまして開銀の金融ワクをきめる基本の案を皆さんが練っておられるわけですが、そうした木材合理化関係について具体的な数字はあるいは決定前だから言えないかもわかりませんが、重点的にどの方面をというようなことについて御説明を願いたいと思います。
  19. 松尾金藏

    松尾政府委員 ただいま申し上げましたように、関係各省との打ち合せもこれからでございますので、大体重要ないわゆる特掲産業部門といわれますものは本年度の予算説明書に定められております電力、造船は当然でありますが、そのほかに石炭、鉄鋼以下幾つかの部門が掲げられているわけであります。それらのものを中心として参るのでありますが、そのほかにどの程度のものをいわゆる予定業種として考えるかという点がまだ関係各省との相談がこれからというところであります。木材利用合理化につきましても、御承知のように方針として閣議決定の線を経たはっきりした方針でございますので、何らかの形で開銀資金の運用の基本方針の中にもできるだけはっきりと反映さしたいというように考えております。
  20. 鹿野彦吉

    ○鹿野小委員 木材合理化の問題について今あなたの認識は電力、石炭、鉄鋼というような表現で、なおその他にも重要なことが認識されていると思いますが、私は一応あなた方がこうした問題を討議されるについて、基本的には——先般われわれ商工委員は東京の瓦斯会社建設工事を視察に参りましたが、その当時瓦斯会社説明では、現在の工事のものは五カ年計画で進行中であるけれども、資金の面において、そうした開銀からの援助をほとんどいただいておらない。ところがこの五カ年計画が完了しますと、石炭を合理的に使用することによって、二千五百万石の薪炭材が置きかえられるという大きな役割を果たすわけでございますが、そうしたことにつきまして、私はよくわかりませんが、少くとも東京瓦斯の人々はこのガス事業に対する政府の認識が全然ないと同じであるまいかというような話をされておりました。この問題は、私は北海道の風倒木の問題を視察をしてきましてから、基本的に政府の所信をいろいろただしたいと考えておったわけでありますけれども、ガス企業がただいまのあなたの表現の中に入ってこなかったので、とりあえずとの問題の御研究を経審当局としてするように私から申し上げると同時に、あなたの所信を一応お聞きしたいと思います。
  21. 松尾金藏

    松尾政府委員 ガス事業は、都市ガスの関係木材利用合理化推進方策の中にもはっきりと重要なものとしてうたわれておることは御承知の通りであります。私どもも十分その点は承知いたしておるつもりでございます。昨年度におきましても、金額は、各ガス部門の要求の立場からいえば必ずしも十分ではなかったかもしれませんが、やはり一定の金額、たしか二億程度でなかったかと思いますが、そのくらいの融資は出ておるわけであります。本年度も、これは前回も御説明申し上げましたように、資金に対する要求に対して運用のワクがかなり窮屈でございますので、要求通り出るかどうか、これは非常に問題があると思いますが、しかし資金の運用のワクの許す限りで、ガス事業のみならず木材利用合理化の一環としての重要な産業部門にはできるだけ融資の道がつくようにというふうに十分考えて参りたいと考えております。
  22. 鹿野彦吉

    ○鹿野小委員 なお私は本日結論をあなたに申し上げたくありません。また出た結果について批判もいたしたいと思いますが、ただ問題は、前年度踏襲という小さな、いわゆる官僚のよく考えますこうした点にとらわれることなく、国家の大局から木材利用合理化という線に乗っての各部門の現実的なる役割を十分考えていただいて、今回のこの基本のワクをあなたの方で作成してくれることを希望いたしまして、私は一応打ち切ります。
  23. 松平忠久

    松平委員 関連して質問申し上げたいと思います。先ほどお聞きしていると、来年度のいろいろな資金の配分については、大体ことしとそう多くは変らぬだろうというお話があったわけでございますが、この木材利用のことは本年の一月の閣議で決定したことであります。従って本年度からこれを推進していかなくちゃならぬ。ところが先ほどからのいろいろな説明員の方々の説明を聞いておりましても、ひっきょうこれは資金的な裏づけというものが相当なければ、木材合理化なんというものはできるものじゃない、こういうふうに私は思うのです。あらゆる関連産業にわたって相当思い切った合理化資金なり何なりを政府がめんどう見なければ、木材合理化なんて口でただ言うだけで実行はできないと思うのであります。先ほどの御説明では、同僚議員の御質問にもありましたけれども、若干その点の認識が欠けておるのではないかと私も思う。昨年のものをそのまま踏襲するというだけでは、木材合理化はとてもできるものではないのでありまして、ことしの一月の二十幾日ですかの閣議決定による木材利用合理化ということを考えるならば、それに対する当然のワクを設定してしかるべきである、こういうふうに思うのですが、そういうお考えは今のところはお持ちになっておらないわけですか。この木材合理化関係資金として特別にワクを考えようというような考えになっておらなくて、昨年のものを踏襲していくという経審のお考えなんですか。
  24. 松尾金藏

    松尾政府委員 先ほど御説明いたしましたように、関係各省との話し合いがまだこれからというところでございますので、ここでどのワクをどういうふうにするというようなことを御説明申し上げるわけにはいかないのであります。しかし先ほど申しましたのは、昨年鉄鋼、造船、海運云々というようなふうに、重要な基幹産業部門についてそれぞれの資金融資の方針を示したと同じような体裁の基本方針を現在検討中であるということを御説明したようなわけであります。しかし先ほど申しましたように、木材利用合理化の重要性というものは、十分私どもも承知いたしておるつもりであります。木材利用合理化のために開銀資金がうまく流れるようにというような配分の考慮は、何らかの形でできるだけするようにいたしたいというふうな考えで、基本方針の検討を続けておる次第でございます。
  25. 松平忠久

    松平委員 そういたしますと、関係各省から木材利用合理化のいろいろの資金要望があって、それを経審で取りまとめて、ほかの方との振り合いによってワクをきめる、こういうふうに了承して差しつかえありませんでしょうか。
  26. 松尾金藏

    松尾政府委員 先ほど来御説明しておりますのは、いわゆる基本方針の問題でございまして、ワクを云々ということになりますと、これはもっと詳細な検討が要ると思います。しかしある程度ワクを頭に置きながら、基本方針の検討をしなければならぬわけでありますが、ただいま申し上げましたのは、基本方針の検討について木材利用合理化にも十分配慮して参りたい、こういうつもりで申したのであります。
  27. 松平忠久

    松平委員 重複になるようですが、そういたしますと、木材利用に関しては、関係各省とのいろいろの打ち合せもございましょうけれども、一応こういう木材利用は必要である、閣議決定に基く重要政策の一つであるというわけで、経審自体として、こういう新しい政策に対してはこの程度ウエートを置くべきであるというようなイニシアチブを持って、一応の見通しなりあるいは計画なりはお立てになるわけですか。
  28. 松尾金藏

    松尾政府委員 私どもの立場から申しますと、先ほど申しましたような意味で、できるだけそういう意味の木材利用合理化に開銀資金が流れるような基本方針の考え方をとりたいということで、これから各省に相談するというところでございますから、経審の原案がどうこうということをここで私から御説明するというのは御猶予願いたいと思います。
  29. 松平忠久

    松平委員 それでは経審の原案というものはないのですね。各省のものをまとめてやるわけであって、経審自体の原案というものは別にお持ちにならない。あるいは経審自体が事前に各省との連絡を相当密にされて、木材利用合理化のために本年度は大体どのくらい資金が要るということを見当をつけなければ、大蔵省その他との折衝もできないと思いますが、その辺のところはどういうふうになっておるか、一つお伺いしたいと思います。
  30. 松尾金藏

    松尾政府委員 各省と相談をいたします際には、一応の原案というようなものが相談のベースにはなるわけでありますが、決してこれは経審がその考えをとって、これが経審の案だというような意味のものではなくして、むしろ各省が相談するための一つの試案という程度で出すのであります。経審の案がこの中に入っておるかいなかというようなことは、全体の各省の案がまとまってからのことに御猶予願いたいと思います。
  31. 松平忠久

    松平委員 それではこれはおわかりになるかどうかわかりませんが、今同僚議員からも質問があったわけですが、合理化促進のために、ただいまの御質問ではガスのことがありましたが、そのほかいろいろ鉄骨関係もあるでしょうが、そういう方面で必要であるという資金は、大体本年度幾らぐらい必要としておるのか。それだけでまかなえるまかなえないは別といたしまして、どの程度必要であるかということを経審でおまとめになったものがあると思いますが、本年度はどの程度必要なんです。
  32. 松尾金藏

    松尾政府委員 御承知のように開銀資金は、昨年の資金ワクと総額においては本年度の運用ワクは大差ないようになっておるわけであります。しかし特掲産業の中で特に大きな金額であります電力、海運につきまして、去年よりはおそらく御承知のようなことで、本年度はかなり金額が減って参ります。従いましてその他の特掲産業以外の産業部門にも、去年に比べればある程度若干の余裕が出てくる計算になるわけでありますが、しかし片方本年度の各産業部門の要求数字といいますのは、そういうことを考慮しましても、現在予想される運用のワクに対してかなり大幅な要求金額になっておることは、この前の委員会におきましてもある程度説明をいたしたと思います。従いまして現在私どものところで木材利用関係として要求が出ております金額は——木材利用合現化の範囲も、たとえばガスだとか合板だとかいろいろな関係を入れて参りますと若干狂って参りますけれども、そういうガスというようなものをかりに除いて考えてみますと、十二、三億ぐらいの金額になるように承知いたしております。
  33. 松平忠久

    松平委員 その十二、三億というのは、おもなる内容はどういうものです。
  34. 松尾金藏

    松尾政府委員 各部門は非常にこまかいものが多いのでありますけれども、大きなものとしては、たとえば先ほど申しました合板の関係でありますとか、あるいは広葉樹パルプの関係でありますとか、あるいは建築材料関係でありますとか、その他こまかいものが幾つか要求としては出ております。
  35. 松平忠久

    松平委員 そうすると、ガスはその中に入っていないわけですね。
  36. 松尾金藏

    松尾政府委員 先ほど申しました金額の中にはガスは特別に——これは別に申し上げたつもりであります。
  37. 中崎敏

    中崎委員長 それではさっきの問題に引き続いて政府側からの説明といたしまして、営繕計画課長小林説明員
  38. 小林清周

    小林説明員 小林でございます。私どもの方は建築を発注する側として木材の節約をどういうふうにしているか、簡単に経過報告を申し上げます。  閣議決定の線に沿いまして徹底的に木材を節約するということは私どもは第一義であると考えまして、本年度の官庁の建物は特別の理由のない限り全部耐火構造にいたしまして、特定の二、三各地方から言って参りまして、あまりに小さなものは鉄筋はかんにんしてくれ、増築の分で非常に軽微なものは木造にしてもらいたい、この分は了承いたしましたが、あとは全部耐火構造になりました。なお、国の建物をつかさどるものといたしましては、官庁営繕審議会という官庁営繕法に定められた審議機関がございまして、この席におきましてもこの趣旨をよく伝えまして、ことごとく耐火造に今振りかわっております。  なお、耐火造を分けまして、構造の問題に移りますと、構造でも、現在の耐火造の単価はおおむね五万数千円でございます。木造が三万八千円程度に審議会の勧告単価はなっております。その点が若干開きがございますが、今年度の耐火造につきましては、木造予算でありましても何とかブロックで、あるいは耐火造で半仕上げでも使おうということを決議いたしました。床は何もしないコンクリートの打ちっぱなし、ただくつがひっかかりますから、その上をこてで平らにするという、この程度予算のない分はやっております。それから、たとえば中央官庁におきますビルディング、現在防衛庁の庁舎を作っておりますが、これについてはこの前の御勧告もございまして、鋭意落すように努めまして、まず主体を軽量コンクリートにいたしました。全体の重さをとにかく減らすように努力いたしまして、このために相当の単価が浮いたわけでございます。との種類の大きなビルディングについてはこれは成功であろうと考えております。次に建具関係につきましては、中央地方とも非常に安い建具を最近研究されまして、現在サッシバーというものを——普通サッシで使っておりまして、これは非常に単価が高いものでございますが、これをアングル、山形鋼あるいは板の細いものを使いまして相当安く成果をおさめております。しかしやはりサッシバーを使いました方が非常に便利でございますので、鋼材倶楽部に対しましてはサッシバーをごく安くなるようにお願いし、現在もぜひそういうふうにやって下さるように、機会あるごとに申し上げております。  次に内部の仕上げでございますが、たとえばこの建物でございますと、側が木造等になっております。こういうものは官庁にはもうほとんど使いません。全部防火性の塗料、床はアスタイルというふうなものを使いまして、ほとんど燃えるものはございません。従って木材は使わぬわけでございます。  次に架設の材料について申し上げます。架設は足場と仮ワクと二種類に分れますが、昨年度の建設技術研究補助金をいただきまして研究をしてもらいました結果、非常に研究の成果が上りまして、最近におきましては室内の床を押える足場は、ことごとくパイプの足場を使うようになりました。ただ外側の足場につきましては相当長い必要がございますし、現在のパイプ足場だけでは必ずしも万全の策ではございませんので、技術的にも完全にこれを使えということはできない状況でございます。それから仮ワクの問題につきましては同じく、研究の成果を得まして一部合同庁舎に使いました結果、さびが若干出ます。その点で多少技術的な問題があります。取扱いは木材に比較いたしまして多少工合が悪い、これを使います大工も二、三けがをしたというふうな状況がございまして、その点非常に心配しているのでございます。防衛庁の庁舎にこれを使うために、鉄骨造あるいは木造いずれにても差しつかえないということを仕様書に書きまして、現在請負業者の結果を見ましたところ、木材の仮ワクの方が相当安く現在手に入ります。これを鉄骨に無理にやれということは契約上できませんので、この点は遺憾ながら、私も非常に心苦しいと思っておる次第でございますが、鉄のフォームは使っておりません。  それから本年度におきましては官庁営繕が非常に少くなりまして、住宅その他に非常に資金が要ります関係で、官庁の建物を節約する、そのかわりに官庁の建物の耐用年数を長くいたしますために特別の修繕費というものを計上いたしまして、数倍の効果を上げるように努力し、これは主として木造及び耐火造の古くなったものを補修いたしまして、材料もごくわずかな補修をして耐用年数を長くし、新築の予算を極力節約する、こういうふうな趣旨になっております。大体私どもの経過を御報告申し上げました。
  39. 松平忠久

    松平委員 たとえば防衛庁は坪当り幾らくらいかかって、耐用年数はどのくらいですか。
  40. 小林清周

    小林説明員 防衛庁の建築費でございますね。あれは実はいろいろまざっておりますので、はっきりした数字は今ここでちょっとお答えしにくいのでありますが、大体鉄筋が五万七千円くらいのところへ、高層のために鉄骨を入れております。鉄骨が、三分トンといたしまして約一万五、六千円から二万円の範囲であります。要するに七万七、八千円というので相当安いものであります。たしか七万円程度だと私は記憶いたしております。これは建築費だけで設備は除いております。  耐用年数は耐火構造における問題につきましては大蔵省令で七十年ということが出ておりますが、現在耐用年数が尽きたという耐火構造はまだございません。ただしこの中に入ります窓ワクだとかパイプだとか、こういうものはおおむね二十五年から三十年でまた新しいものに取りかえるということが常識のようでございます。
  41. 中崎敏

    中崎委員長 それでは最後に小委員長から一応政府の方へ申し上げておきたいと思うのであります。  資金に関する問題についても今政府側において最後的な調整の段取りにかかっておられるように承わったのでありますが、ことに木材利用合理化のためには、勢い新しい事業の性質のものが多いような関係上、資金需要も相当あるわけでございますし、ことにその中でも鋼鉄製の什器、あるいは鋼製魚函、あるいはメタルフォーム等ににつきましては、元来これが新しい事業であるということと、中小企業的な性格を持っております関係上、その資金が一ぺんに何億、何十億というようなものであるよりも、むしろそれよりも金額は少いようなものでありますので、こうした金額は少々数をよけいやってもそう荷物が張るというほどでもないし、仕事の新しい分野を開く上において大きな基盤となるものでありますから、できるだけそうした面についても新しい資金需要の配分について御配慮願っておきたいと思うのであります。  それではきょうは一応この程度にとどめておきます。  それでは北海道に対する風倒木の実地調査の点につきまして、先般一応本小委員会においても御決議を願っておったのでありますが、その後日にちもたちましたし、さらに急いで現地を調査しなければ勢い時期を失するおそれもありますので、ここにあらためて本小委員会において北海道の調査を決議いたしまして、これを商工委員会に一度諮って、しかるべく措置をするように申し入れしたいと思いますが、この点御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 中崎敏

    中崎委員長 それではその通り決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後二時五十七分散会