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小林説明員
小林でございます。私どもの方は
建築を発注する側として
木材の節約をどういうふうにしているか、簡単に経過報告を申し上げます。
閣議決定の線に沿いまして徹底的に
木材を節約するということは私どもは第一義であると考えまして、本年度の官庁の
建物は特別の理由のない限り全部
耐火構造にいたしまして、特定の二、三各地方から言って参りまして、あまりに小さなものは鉄筋はかんにんしてくれ、増築の分で非常に軽微なものは
木造にしてもらいたい、この分は了承いたしましたが、あとは全部
耐火構造になりました。なお、国の
建物をつかさどるものといたしましては、
官庁営繕審議会という
官庁営繕法に定められた審議機関がございまして、この席におきましてもこの趣旨をよく伝えまして、ことごとく
耐火造に今振りかわっております。
なお、
耐火造を分けまして、
構造の問題に移りますと、
構造でも、現在の
耐火造の
単価はおおむね五万数千円でございます。
木造が三万八千円
程度に審議会の勧告
単価はなっております。その点が若干開きがございますが、今年度の
耐火造につきましては、
木造の
予算でありましても何とかブロックで、あるいは
耐火造で半仕上げでも使おうということを決議いたしました。床は何もしないコンクリートの打ちっぱなし、ただくつがひっかかりますから、その上をこてで平らにするという、この
程度で
予算のない分はやっております。それから、たとえば中央官庁におきますビルディング、現在防衛庁の庁舎を作っておりますが、これについてはこの前の御勧告もございまして、鋭意落すように努めまして、まず主体を軽量コンクリートにいたしました。全体の重さをとにかく減らすように
努力いたしまして、このために相当の
単価が浮いたわけでございます。との種類の大きなビルディングについてはこれは成功であろうと考えております。次に建具
関係につきましては、中央地方とも非常に安い建具を最近
研究されまして、現在サッシバーというものを
——普通サッシで使っておりまして、これは非常に
単価が高いものでございますが、これをアングル、山形鋼あるいは板の細いものを使いまして相当安く成果をおさめております。しかしやはりサッシバーを使いました方が非常に便利でございますので、
鋼材倶楽部に対しましてはサッシバーをごく安くなるようにお願いし、現在もぜひそういうふうにやって下さるように、
機会あるごとに申し上げております。
次に内部の仕上げでございますが、たとえばこの
建物でございますと、側が
木造等になっております。こういうものは官庁にはもうほとんど使いません。全部
防火性の
塗料、床はアスタイルというふうなものを使いまして、ほとんど燃えるものはございません。従って
木材は使わぬわけでございます。
次に架設の
材料について申し上げます。架設は足場と仮
ワクと二種類に分れますが、昨年度の
建設技術
研究補助金をいただきまして
研究をしてもらいました結果、非常に
研究の成果が上りまして、最近におきましては室内の床を押える足場は、ことごとくパイプの足場を使うようになりました。ただ外側の足場につきましては相当長い必要がございますし、現在のパイプ足場だけでは必ずしも万全の策ではございませんので、技術的にも完全にこれを使えということはできない状況でございます。それから仮
ワクの問題につきましては同じく、
研究の成果を得まして一部合同庁舎に使いました結果、さびが若干出ます。その点で多少技術的な問題があります。取扱いは
木材に比較いたしまして多少工合が悪い、これを使います大工も二、三けがをしたというふうな状況がございまして、その点非常に心配しているのでございます。防衛庁の庁舎にこれを使うために、
鉄骨造あるいは
木造いずれにても差しつかえないということを仕様書に書きまして、現在請負業者の結果を見ましたところ、
木材の仮
ワクの方が相当安く現在手に入ります。これを
鉄骨に無理にやれということは契約上できませんので、この点は遺憾ながら、私も非常に心苦しいと思っておる次第でございますが、鉄のフォームは使っておりません。
それから本年度におきましては
官庁営繕が非常に少くなりまして、
住宅その他に非常に
資金が要ります
関係で、官庁の
建物を節約する、そのかわりに官庁の
建物の耐用年数を長くいたしますために特別の修繕費というものを計上いたしまして、数倍の効果を上げるように
努力し、これは主として
木造及び
耐火造の古くなったものを補修いたしまして、
材料もごくわずかな補修をして耐用年数を長くし、新築の
予算を極力節約する、こういうふうな趣旨になっております。大体私どもの経過を御報告申し上げました。