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1955-05-17 第22回国会 衆議院 商工委員会中小企業に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員
は
昭和
三十年四月二十五日(月曜日)
委員長
の
指名
で次の
通り
選任された。
阿左美廣治
君
小笠
公韶君
菅野和太郎
君
鈴木周次郎
君
中村庸一郎
君 森山 欽司君
内田
常雄
君
鹿野
彦吉君
田中
角榮
君 南
好雄
君
田中
武夫
君
永井勝次郎
君
八木
昇君
菊地養
之輔君
松平
忠久
君 同日
永井勝次郎
君が
委員長
の
指名
で小
委員長
に選任 された。
—————————————
会 議
昭和
三十年五月十七日(火曜日) 午前十時五十三分
開議
出席小委員
小
委員長
永井勝次郎
君
阿左美廣治
君
鈴木周次郎
君
野田
武夫
君
鹿野
彦吉君
田中
角榮
君
田中
武夫
君
八木
昇君
松平
忠久
君
出席政府委員
中小企業庁長官
記内 角一君 小
委員外
の
出席者
議 員
長谷川四郎
君 議 員
淵上房太郎
君 議 員 山手
滿男
君 議 員 小平 久雄君 議 員
加藤
清二君 議 員 櫻井 奎夫君
通商産業事務官
(
中小企業庁
振
興部長
) 秋山
武夫
君
中小企業金融公
庫理事
中野 哲夫君
国民金融公庫
総 裁 櫛田 光男君 参 考 人 (
全国相互銀行
協会常務理事
) 島崎 政男君 参 考 人 (
全国信用保証
協会協議会嘱
託)
木畠
英一君 参 考 人 (
全国信用保証
協会協議会主
事) 松本 英正君 参 考 人 (
商工組合中央
金庫理事
)
加藤
八郎君 専 門 員 越田 清七君
—————————————
五月十日 小
委員小笠公韶君同日
小
委員辞任
につき、その 補欠として
野田武夫
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同月十三日
内田常雄
君及び
南好雄
君同月十二日
委員辞任
に つき、
委員長
の
指名
で小
委員
に補欠選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
中小企業金融
に関する件
—————————————
永井勝次郎
1
○永井小
委員長
それではこれより
会議
を開きます。 まず
中小企業庁長官
より
中小企業対策
についてお話を伺います。
記内角一
2
○
記内政府委員
最近の
中小企業
の現状並びに今後のわれわれの
行政方針
につきまして簡単に御
説明
申し上げたいと思います。 まず最初に最近の
事情
でございますが、御
承知
の
通り
昨年一年はいわゆる
デフレ経済
の
政策
が取り行われたのでございしまして、去年の今ごろは
相当
各
方面
に深刻な影響をもたらしたのでございます。
繊維
、
雑貨等
におきましては、去年の八月ごろからだいぶ調子が回復いたしまして落ちつきを取り戻しました。ずっと好調とまではもちろんいきませんけれども、
デフレ経済下
におきましてまずまずの一応の安定を見に参ったわけでございます。ところが
機械
、
金属関係
におきましては、去年の七月ごろまでは一昨年の
相当
活発な
投資活動
につれましての
事業
の残りがございまして、去年の
前半
におきましては
相当
繁忙
を見ておったのでございますが、八月ごろから
繊維
、
雑貨
とは逆に
注文
が減って参りまして、
相当
苦境に立っております。去年の年末等に際しましては、われわれ一番心配いたしました
業種
はこの
方面
の
業種
であったわけでございます。その後
造船関係
は第十次
計画造船
が決定を見、さらに
輸出造船
が
相当
活発に
注文
がとれ、現在におきましては各
造船所
とも
相当
多額の受注を持っておるという実情でございまして、非常に忙しくなっております。また
自動車工業等
におきましては、去年の
前半
においてある程度の
不況
を伝えられておったのでございますが、その後機種の転換と申しますか、新
製品
の製作に取りかかりましてから去年の秋と申しますか、冬にかかるころから
相当
活発な
生産状況
を示して参りました。こういうふうな
総合機械工業
の
方面
が非常な活発を示して参りました
関係
もあろうかと思うのでありますが、最近では
機械工業方面
もやや小康を得ておるわけでございます。その後におきまして去年の暮れ以来鉄鋼を
中心
といたしまする
金属関係
の
海外
からの引き合いの殺到、それによって
相当
値上りというふうな
関係
もあったかと思うのでありますが、
機械金属方面
も
需要面
において、さしたる衰えも見せないで推移しているように思われる次第でございます。ただその後におきまして、
繊維関係
におきましてはその間におきまして
輸出産業
の
方面
は去年が御
承知
の
通り
当初の
計画
約十三億ドルばかりの
目標
が十六億ドルを越すというふうな活況を呈しました
関係
上、
輸出
に関連いたしまする
産業
は
相当
活発な
事業活動
が行われて参ったのでございます。特に一昨年
輸出
が伸びなかった
雑貨方面
につきましては、去年は
相当
デフレ
の
経済
の中にありましても
好況
を示しておるという
事情
でありまして、この
動き
は今日もなお
相当
続いておるように見受けられるのであります。ただ
繊維産業
におきましては、最近におきまして、特に綿を
中心
にいたしまして
輸出
は
相当
伸びてはおるのでございますが、インドネシアの
輸出制限等
が影響しまして、
相当
のストックをかかえておるというような
関係
もあろうかと思うのでありますけれども、相場がジリ貧を加えて参りまして、綿を
中心
といたしましては今
相当
問題が起りつつあるようにもうかがわれるのでございます。従いまして、
中小企業安定法
の
関係
におきましても、昨年の暮れに
綿織物
、
輸出絹人絹織物
の
設備制限
についての
調整命令
が出まして、それを根城にいたしまして自主的な
操短
をやって参っておるのでございますが、それでも
絹人絹方面
は
輸出
の伸展、ことに
化繊関係
の面が
相当
伸びておる、あるいは去年の今ごろは非常に問題になっておりました
可燃性織物
としての
川俣地方
の
輸出軽目
の
絹織物等
は、非常な
注文
が殺到いたしておりまして、まる一年間非常な
繁忙
を示しておるという
好況
にもあるわけでありますが、
綿織物方面
についてはその
操短制限等
にかかわらず、
相当
下押しをして参っておるという
状況
でございます。従いまして、先般
綿紡績
の
操短
の
勧告
が行われ、これは大
紡績
の
方面
で綿糸の
操短
になったわけでございますが、これと関連いたしまして、大
紡績
の兼営しております織
布部門
におきましても、これを
綿紡
、糸の
操短
と同率の
操短
を実施するということになって参った、この辺は
相当
効果
が上って参るかと
期待
はいたしておるのでございますが、しかしこれにも若干時をかせがなければならぬじゃないかというふうに考えておる次第でございます。そういうふうに現在のところ
事業
の面、販売の面におきましては一応の安定を得ておるのじゃないかというふうに考えられるのでございますが、ただこれを
資金面
に見て参りますと、ごたぶんに漏れずいずれも依然として
資金
が
相当
払底して参っております。一般的には
金融
の
引き締め
もそのまま横ばいの
状況
を続けておる
関係
もあって去年のように
引き締め
一方という状態ではない。その意味においてはある程度緩和されたような気配も見受けられるのであります。
中小企業方面
におきましては、依然として
金融難
は
相当
深刻なところがあるわけであります。また特に
支払い
が長期の手形に片寄って参っております。またいわゆる
下請支払い等
も依然として
相当
芳ばしくないというふうな
状況
がうかがわれるのであります。この
方面
を今後とも注意して参らなければならぬというふうに考えておる次第でございます。こういう客観的な
情勢
を基調といたしまして、われわれといたしましては、お
手元
にお配りいたしておりますような
中小企業対策
を今後とって参りたいというふうに考えておる次第でございます。 以下お
手元
にお配りいたしました
資料
の
中小企業対策
について、簡単でございますので読みながら御
説明
を申し上げまして御
参考
に供したいと思う次第でございます。まずそういうふうな客観的な
情勢
にかんがみて、特に今
年度
は去年のような
金融引き締め一本やり
ではございませんが、
国際収支
の
改善
、
自立経済態勢
の樹立のために、
拡大均衡
を
目標
としながらも
経済
の
基礎
を
強化
充実
することを当面
経済政策
の
基本
といたしております。
中小企業
に対しては、この
基本方針
に沿って
企業自立意欲
の喚起に努めるとともに、
企業
の
経営
の
堅実化
、
合理化
、
近代化
を進め、特に
輸出適格企業
については、個別的、
重点的育成
をはかるとともに、他面
金融情勢
が不当に
中小企業
にしわ寄せられないように努力して参りたい考えでございます。その内容を簡単に申し上げますと、まず第一に
企業
の
組織化
でございまして、従来からいわれております
協同組合
を
中心
といたします
事業活動
を活発にやって参りたい。その第一といたしましては、
共同施設
の利用による
共同活動
を
中心
といたしまして、
組織化
と
組合活動
の
充実
をはかりますために、
共同施設
の設置に対しまして
国庫補助
を引き続き行って参りたいと思います。
予算
の
関係
につきましては
あと
でお配りの
資料
につきまして簡単に申し上げますので、この際は省略させていただきます。第二といたしましては、
組合
の健全な発達をはかりますために、設立の
許可制
の採用、
協同組合
の
自主的指導連絡機関
としての
中央会
の
法制化
というふうな問題につきまして、
協同組合法
の一部
改正
を近く
国会
に提案して
皆様方
の御
審議
を仰ぎたいというふうに考えておる次第でございます。 第二は、今申し上げたように、一応の安定を得ておるようではございますが、何分に本数の多い
中小企業
のことでもあり、激烈な
競争
のさなかに置かれておりますので、いわば慢性的な
不況
にもあるわけでございます。そういう
方面
に対しましての
中小企業
の
安定維持
ということには今後とも大いに努力して参らなければならぬと思うわけでございます。その点につきましては、
中小企業安定法
に基く
調整組合
による
自主的調整
の
強化
を
指導
するとともに、機に応じて新たなる
業種
の
追加指定
、
員外者
の
規制命令
の
発動
を行なっておる次第であります。先ほど申し上げましたように、
綿織物
、
絹人絹織物
につきまして、アウトサイダーを含めまして、
設備
の
制限命令
を出しておるわけであります。また
タオル織物
につきましても、やはり
設備制限命令
を出しております。またマッチにつきましては、昨年以来
設備制限
、
出荷制限命令
を出しております。最近になりまして毛織物について
設備制限命令
をいたしましたし、
輸出染色整理業
につきまして引き渡しの
制限
、一種の
出荷制限
である
調整命令
を出すということを実施いたしておるわけであります。ただ今後の問題といたしましては、これらの慢性的な
不況
の
事情
にもかんがみまして、
中小企業安定法
の一部を
改正
して、あの
発動
の条件をもっと緩和したらどうかという考え方のもとに目下検討をいたしておる次第であります。 第三には、
企業
の
合理化
、
近代化
の問題でございます。
中小企業
の
振興
は非常におくれておるといわれておりまして、これに対しては
中小企業
を
合理化
し、
近代化
し、今の
競争場裏
にたえられ、また
輸出産業
にも寄与し、参加し得ることが大きな
目標
でなければならない。それでなければ積極的な発展はむずかしいと考えられるのでございます。この面につきましても、引き続きこれを実施して参りたいのであります。その第一は
企業診断
の問題であります。各
都道府県
、
五大市等
を
実施機関
として、その
効果
を上げて参っておりますが、これをさらに
強化
拡大するために、引き続き各
府県
に対する
補助金
を
増加
いたして、これの
補助
を実施させて参りたいと考えておる次第であります。特に
零細企業
に対する
指導
、
相談
に当りますために、各
都道府県
あるいは市、
商工会議所等
において、現在六百二十九にのぼる
中小企業相談所
が設置されておりますが、財務、
技術等
の分野の
専門家
による
相談
の
質的向上
をはかる
方針
で
国庫補助
を行う。特に
輸出産業
に
重点
を置きまして、
中小企業
の
設備
の
近代化
を二十九
年度
より引き続き交付して参りたいというふうに考えておるのであります。 次は、
資金対策
についてであります。
中小企業専門金融機関
の
資金源
の
充実
につきましては、
中小企業金融公庫
は二百四、五十億の
貸し出し計画
をもって進み、
国民金融公庫
は四百六十億——去年は四百十二億でしたが、今
年度
は四百六十億を
貸し出し
て参りたい。
商工中金
につきましては、かねて懸案でありました
政府出資
を行いまして、
債券発行
の
基礎
を
充実
いたしまして、今後の
活動
の
資金源
の確保に努めて参りたい。さらに
中小企業金融公庫資金
の運用につきましては、本
年度
から
輸出産業
、
地下資源産業
、新
技術
の
工業化等
の
資金需要
に対しまして、従来の
甲方式
及び
乙方式
に加えまして、直接
貸し出し方式
を実施して参りたいというふうに考えまして、このための機構の
拡充整備等
を行なって、
目下法律
の
改正案
を提案して御
審議
を願っておる次第でございます。
中小企業
に対しまする
信用補完
といたしまして、このように
政府機関
の
充実
をいたしておるのでございますが、その大部分は
基礎
的にはやはり各
金融機関
に積極的に
活動
してもらわなければならないわけであります。そのために
銀行協会等
に随時折衝いたしまして、
貸し出し
の
増加
をはかるように依頼をいたしておるわけでございます。最近これに応じて
東京方面
におきましては、たとえば
銀行
におきまして
中小企業
の
金融相談所
というようなものを各方両に設けて積極的に乗り出す
態勢
な整えておる次第であります。これの
制度
の裏打ちといたしまして、ただいまの
信用補完制度
の
拡充強化
ということか考えておる次第であります。すなわち
中小企業
に対する
信用補完制度
をさらに拡充いたしまして、
一般金融機関
よりの
融資
を円滑にするため、
中小企業信用保険
について、
信用保険
の
填補率
六〇%を七〇%に引き上げ、
融資保険
の
付保
の対象となる
貸付期間
を現在まで六カ月以上でなければ
保険
につけられなかったものを三カ月に引き下げ、
信用保証協会
の行ういわゆる
根保証
を
保険
につけることができるという
方法
で
改善
して参りたい。大体本日の閣議で決定いたしまして、近く
国会
にも提案いたしたいと考えている次第であります。大
企業
の
下請中小企業
に対する
支払い遅延
の
防止
につきましては、
中小企業庁
、公正取引
委員
会共同して実態を調査し、不当なものに対しましては
公取委員会
から
改善勧告等
の
措置
をとっているわけであります。ただこれは
全国各地
に散在いたしております問題でありますだけに、なかなか
効果
を上げがたいのを遺憾に存じている次第であります。われわれといたしましては、各
方面
、たとえば
商工会議所等
とも連絡いたしまして、でき得る限りこの間の
調整
をはかって参りたいと考えております。 第五に、
中小企業
の
輸出振興
につきましては、従来ともやって参っておりましたが、
協同組合
の
共同施設
、
中小企業
の
設備近代化
に対する
補助
、
企業診断
、それから
中小企業金融公庫
の
公庫融資等
につきまして、
輸出産業
に
重点
を置いてやって参りたい。さらに
あと
で
予算
の際にも申し上げますが、
海外競争
の
見本品
の収集、デザインの
研究
、
新規製品
の
試作
、
生産技術
の
向上
のための
研究
及び
海外市場維持
のために本
年度
から新たに
補助金
を交付して参りたい。 税制の
改正
につきましては、
中小企業
に対する
税負担
の
軽減
をはかるため、
専従者
の
控除
は二十九
年度
から拡大いたしておりますが、それをさらに拡張する。また
同族会社
に対する
積立金課税
の
軽減
、
事業税
の
軽減措置
に引き続きまして、さらに本
年度
においては
専従者控除
の引き上げ、
法人税率
は
中小企業
だけではございませんが、これを引き下げる。また
中小企業向け
をねらいまして、
事業税
の
基礎控除
を引き上げる。こういうことによって
中小企業
の
負担
の
軽減
をはかって参りたい。また
一定範囲
の
協同組合
の
内部留保金
に対する
非課税
、従来全部
留保金
に対して
課税
をされておったのでありますが、
経営
の
基礎
を安定せしむるために特殊の
性格
を持った
協同組合
につきましては、四分の一までの
積立金
に対してはこれを
課税
しないとういふうにいたしたい。また
協同組合
の
出資証券
に対する
印紙税
の免除、
調整組合
を
非課税法人
として扱うというようなことを税法上の
措置
として実施して参る
予定
になっております。 最後に
百貨店
問題についてでありますが、昨年末独禁法に基きまして、
特殊指定
を行なって、不公正な取引の取り締りを行なって来ているわけでございます。最近におきましては
商工会議所
を
中心
といたしまして、
百貨店
と
小売商
との
関係
の
調整制度
を実施しようとして、いろいろ
動き
を示しているわけでございます。われわれはその
活動
に
期待
をいたしているわけであります。なお
百貨店法自身
を制定いたしまして、これの
活動
を
制限
するかどうかという面につきましては、各
方面
の
意見
を総合して、目下慎重に検討いたしているわけであります。 以上がわれわれの今後の実施して参りたいと考えております大体の
方法
でございます。 引き続きましてお
手元
にあります
予算
について、ごく概略の御
説明
を申し上げたいと存じます。お
手元
に「
昭和
三十
年度
予算要求
における
中小企業対策費
について」という
資料
がございますが、これは主として
政策費
を
中心
に抜き書きして
皆さん方
の御
参考
にして参りたいと考える次第であります。 第一は
中小企業庁プロパー
の
予算
として
研究
に付されておりますのは、まず第一が
組織強化
、
合理化対策
であります。ここにありますように第一は
共同施設
及び
近代化
、
協同組合
の
共同施設
及び
中小企業自身
の個々の
企業者
の
設備近代化
の
補助金
でございます。昨二十九
年度
は三億でありましたのを三億二千万円、二千万円
増額
ということに相なっております。
中小企業庁自身
の
活動費
であります
企業診断指導費
、これは昨年約四百万円でありましたのを五百四十万円に
増額
いたしております。各
府県
に
中小企業診断指導
の面として
補助金
を交付いたしております額が、昨年は次の
相談所
と合せまして四千万円というふうになっておりましたが、今度は
企業診断
だけで六千七百万円、大体昨年の倍以上になっております。また
相談所
の
補助金
といたしましては去年四千万円のうち八百万円をこの
方面
に活用して参ったのでありますが、ことしは新たな項目として三千百万円、約四倍の
増加
を見ている次第でございます。次に
振興展示会
及び調査、
広報活動費
でありますが、
中小企業
の
輸出振興展示会
は大体去年と同様の五百万円、
水害復旧資金利子補給
、これは去年の引き継ぎでございまして、要求
通り
出ている次第でございます。また
中小企業安定法施行費
、これは
事務費
の問題で大したものはございません。
金融措置
といたしましては、
中小企業金融公庫
に対しまして新たに百十億、昨年は百三十億でありましたが、今
年度
は
財政投融資一般
のワクが大体去年と似たり寄ったりのところに持って参りまして、
輸出入銀行等
が
相当
大幅に
増額
いたし、あるいは
住宅営団
、
住宅公社
というような毛のが
相当
ふえて参っておりますので、一般的には削減されて参っております。しかしこういうふうに約二十億減って参っておりますが、
資金量
が増大しておりますので、
回収金
は去年に比べまして
相当
大幅に
増額
願いました。従いまして
貸し出し
の
計画
としては、中小公庫は二百四十五億、去年は
計画
が二百億、
実績
二百二十六億でございましたが、
実績
に比べましても約二十億の
増加
を見る
予定
にいたしております。
国民金融公庫
につきましては、去年百十一億の
投融資
に対して百五億となっておりまして、約六億の減少と相なっておりますが、
貸し出し予定
といたしましては
回収金
がやはり
増額
したしておりますので、去年の
実績
四百十二億に対しまして、プリントは四百五十六億となっておりますが、四百六十二億で、約五十億ばかり
増加
する
予定
になっております。それから
商工中金
の
出資
は先ほど申し上げた
通り
であります。
信用保険
の
保険契約限度
におきましては去年の五百六十四億に対して六百二十億というふうに
増額
いたしております。以上が
中小企業庁プロパー
の
予算
になっております。 次のページにございますのは
中小企業
の
輸出振興
を
中心
としましての
費用
でございますが、
予算技術
上の建前でこれを
通商局
に計上いたしている分がございます。しかし実質は
中小企業庁
が主としてこれを扱って参るというふうになっております。その第一は先ほど申し上げました
中小企業
の
輸出振興費
の
補助
でございます。まずその第一は
意匠改善費
の
補助
三百万円、
輸出振興技術研究費補助
、これは各種の
製造技術等
の
研究費
の委託もしくは
補助
でございまして、一千万円、三番目が
海外競争見本品蒐集費補助
で、これは
中小企業
と同様な
性格
の
製品
が
海外
で
競争
になっておりますが、他国の
競争品
を買い集めまして、日本の業者の
啓蒙啓発
に資したいという
費用
であります。次は
新規試作奨励費補助
、これは
輸出品
の新
州見本等
の
奨励
で千五百万円、次の
海外市場維持対策補助
、これは主として
海外
におきますたとえば関税の
引上げ阻止等
に使う
費用
といたしまして、
補助金
を五百万円計上いたした次第であります。そのほか、表面的には
中小企業
と銘打っておりませんが、主として
中小企業
に利用されて参りますものが、
絹織物等
の
輸出振興補助
ということで、主としてアメリカをねらっておりますが、
中小企業
の
製品
であります
絹織物
の
輸出振興
ということ、また軽
機械類
、たとえば自転車、カメラ、ミシンというような軽
機械類
のサービス・センターの
補助金
、
農水産物
の
海外共同施設
の
補助金
、
意匠権侵害防止対策費
、農機具及び
包装展示会費
というものがございます。また
技術振興
のものといたしましては、
石炭局
に計上されておりますが、
中小炭鉱
の
技術指導費
、また
産業工芸指導所事業費
、これはほとんど
中小企業
が利用しておるわけであります。また
発明実施化試験費補助
、
外国特許
の
出願補助
ということも同様に
特許庁費
とございますが、
中小企業
を
目標
にして啓蒙いたしている次第であります。以上簡単でございますが、
説明
を終ります。
—————————————
永井勝次郎
3
○永井小
委員長
本日は
中小企業金融
に関し、
説明員
及び
参考人各位
より、御
意見
を伺うことにいたしたいと存じます。
参考人各位
に一言申し上げます。本日は御多用中のところ特に御
出席
下さいましたことを厚くお礼を申し上げます。御
承知
の
通り
、ただいま
政府
は本
年度
の
中小企業
に対する出面の施策を一応決定いたしまして、これらを織り込んだ三十
年度
予算
を本院に提出しておりますので、この機会に、当面の
中小企業金融
の問題について、直接
金融
を担当しておられる
各位
の御
意見
、御
希望等
をお伺いいたしたいと任ずるのであります。なお御
承知
かとも存じますが、ただいま
商工委員会
におきましては、
中小企業金融公庫
に対する
政府出資金
の
増額
をなすため、及び同
金庫
の開銀からの借入金を
政府
の
特別会計
からの
出資金
に振りかえるための
中小企業金融公庫法
の一部を
改正
する
法律案
、及び
商工中金
に対する
政府出資金
の
増額
をなすための
商工組合中央金庫法
の一部を
改正
する
法律案
を
審議
いたしておりますので、これらの
問題点
に対する御
所見等
もあわせてお漏らし願えれば幸甚と存じます。本日は、御
出席
になりました
説明員
、
参考人各位
は、ともに重要な
中小企業
の
専門金融機関
の方々でありますので、それぞれのお立場から忌憚のない御
意見
を御発表願いたいと存じます。なお、御発言の時間は、
制限
をいたすわけではございませんが、大体お一人十分ないし十五分の程度とし、その順序はまことに恐縮でございますが、小
委員長
におまかせを願いたいと存じます。御
意見
御発表の後、小
委員側
から種々御質疑もあろうかと存じますが、あらかじめお含みの上お願いをいたしたいと存じます。それでは
国民金融公庫総裁
櫛田光男君。
櫛田光男
4
○櫛田
説明員
櫛田であります。
国民金融公庫
の現状並びに
昭和
三十
年度
における
計画
等につきまして御
参考
になることを申し上げてみたいと存じます。お
手元
にお配りしてございます
国民金融公庫
の現状という冊子の中に、詳細に本年三月三十一日現在の
状況
が書いてございますが、それを簡単にいたしたものでありますが、一枚刷りで
昭和
二十九
年度
内貸出等
実績
表というのがございます。これを土台にして申し上げてみたいと思います。 ただいま
国民金融公庫
は全国に店を六十持っております。そのほかに代理所といたしまして、
銀行
、相互
銀行
、信用
金庫
、信用
組合
でございますが、六百四十九の代理所を持っております。その店舗におきまして、
昭和
二十九
年度
中に
貸し出し
をした総額は、四百二十億九千九百万円と相なっております。公庫の
貸し出し
は、御案内の
通り
普通貸付と称しますもののほかに災害貸付でありますとか、遺族国債担保貸付、母子家庭貸付、恩給担保貸付、特別小口貸付、更生
資金
貸付等約八種類の貸付をいたしております。その中で何と申しましても
中心
に相なりますのが
中小企業
者に対する
事業
資金
の小口貸付、普通貸付になるわけでありますが、この貸付は
年度
を通じて三百八十億九千百万円の
貸し出し
をいたしました。件数にいたしまして二十二万七千四百七十件と相なります、この貸付は
年度
内申し込み千五十二億ございます。件数にいたしまして四十四万五千九百件、この貸出率は、件数において五一%、金額におきまして三六%に上ったのであります。その他の貸付を合せて全体で三十万件、四百二十億余の
貸し出し
をいたしたということに相なりました。
年度
末の三月三十一日現在におきましては、ただいまごらんに相なっておる
資料
の左下に残高が書いてざいますが、諸貸付の残高が四百三億九千万円、その件数が六十三万二千件くらいと相なっております。その中で普通貸付は件数で三十一万二千件余、金額で三百二十八億円という残高に相なっております。これが現状でございます。そこで今
年度
の
計画
はどうなるかということでございますが、本
年度
は、先ほど長官からお話がございました
通り
、
政府
から二十億円の
出資
、
資金
運用部から八十五億円の借り入れ、合計百五億円の
出資
及び借り入れをなす
予定
を立てております。ただ本
年度
におきまして、
資金
運用部に対しまして過去に借り入れましたものを返済いたします金額が約三十八億円ございますので、差引新規
資金
増加
は六十七億円と相なります。ただ地方
回収金
等が現在のところ三百九十五億円と見込まれますので、合計いたしまして本
年度
におきましては四百六十二億円の
貸し出し
を実行いたすつもりでおります。 ただこの四百六十二億円の内訳を簡単に申し上げますと、普通貸付用として一応三百九十億円、恩給担保貸付といたしまして四十二億円、それから特別小口貸付といたしまして二十四億円、その他六億円という大体の見通しを立てております。でありますので、普通貸付の点から申しますと、二十九
年度
は約三百八十億円の
貸し出し
をいたしたのであります。従いまして三百九十億円という
貸し出し予定
は、大体多少ふえるという見当にしか相ならぬわけでありますが、他方特別小口貸付、これは五万円見当のものを、三カ月ないし六カ月の期間に緊急に必要とするお方々に対してごく簡単な手続をもってお
貸し出し
をしたいというわけで、昨年の五月から始めたものでありましたが、昨年はいろいろな
関係
でそれほど成績が上らなかったのでございますが、本
年度
は一応この点にも
重点
を注ぎまして、二十四億円の
貸し出し
をいたしたい、かように考えております。 三百九十億円の普通貸付をいたしますと、申し込みに対して大体どのくらいの割合になるかと申しますと、申し込みの
状況
は、二十九
年度
は前
年度
に比較いたしまして約二割見当の
増加
をいたしたのでありまして、千五十億余の申し込みでございました。現在の
情勢
から見まして、大体千二、三百億の申し込み需要は確実にあるのではないかと存ぜられますので、かりにそれを
基礎
といたしまして、千三百億と仮定いたしますと、三百九十億の
貸し出し
はちょうど三割ということになります。
貸し出し
率の点からいきますと、二十九
年度
から若干下回るというふうなことになるおそれがございますが、ともかくも昨
年度
よりは何がしかではありますが、
増額
いたしまして、多くの
貸し出し
を実行いたしたいと存じます。 なお店舗でございますが、本
年度
はさらに四カ所の店舗をふやしまして、できる限りこの
方面
の需要の充足に遺憾なき々期したい、かように存じておるような次第でございます。 簡単でございますが、昨
年度
の
実績
と本
年度
の
計画
の大要を御
参考
までに申し上げた次第でございます。
永井勝次郎
5
○永井小
委員長
次は
中小企業金融公庫
理事中野哲夫君。
中野哲夫
6
○中野
説明員
中小企業金融公庫
の主として二十九
年度
の貸付
状況
、三十
年度
の私どもの
計画
及び先ほど
委員長
からお話のございました、ただいま御
審議
中の法案に関連する点について御
説明
申し上げます。 お
手元
に
昭和
二十九
年度
中小企業金融公庫
業務概況という
資料
をお配り申し上げております。これには二十九
年度
の概要と三十
年度
の見通しを簡単に書いております。かなり詳細でございまするので、この中から要点をかいつまんで御
説明
を申し上げたいと思います。ただいまから申し上げます数字等につきましては、末尾についておりまする長い表の第二ページ以下に詳細記載してあるわけでございます。 第一に、
昭和
二十九
年度
におきまする公庫の貸付
状況
は、件数にいたしましてちょうど一万件ございます。金額にいたしまして二百二十七億四千百万円の貸付を決定いたしたのでございます。これを一・四半期別に見ますと、昨年の四月から六月までの第一・四半期が約四十七億、第二・四半期が五十三億と逐次上りまして、十二月歳末を含めまする第三・四半期におきましては、九十億の貸付の伸びを示したのでございます。歳末におきましては各代理店からの
資金需要
が
相当
激しいものがございまして、第四・四半期の
資金
を繰り上げて需要を満たしました。第四・四半期におきましては三十七億でございます。以上四・四半期合計いたしまして、先ほど申し上げました二百二十七億という数字でございます。当初の
計画
は、
政府
の財政
融資
が百三十億、回収見込みが七十億、合計二百億であったのでございますので、
実績
は
計画
を約二十七億上回ったということになります。かように
計画
を上回ることができましたのは、回収見込みよりも二十億ほど回収が
増加
いたしたということでございます。御
承知
の
通り
公庫は一昨年の九月から
事業
々始めたのでございまして、二十八
年度
を入れますると、二十八
年度
においでは約百十二億一千三百万円、件数にいたしまして五千三百件でございますので、二十九
年度
と二十八
年度
二年を累計いたしますと、約三百三十九億五千四百万円、件数にいたしまして一万五千件余りの貸付を行なった次第でございます。この二十九
年度
の二百二十七億のうち、
設備
資金
と運転
資金
に分れるのでございまするが、運転
資金
は約四十六億三千九百万円、二割に該当いたします。昨年の中ごろから
デフレ
の浸透に伴いまして、
設備
資金
の需要もさることながら、長期運転
資金
としての需要が高まりまして、逐月運転
資金
の
貸し出し
が伸びて参っておりまして、年平均においては二割、昨年の第三・四半期においては三割三分程度が運転
資金
に回ったような実情でございます。 それから
業種
別の貸付
状況
を見ますると、これは御
承知
の
通り
、政令で十八の貸付対象が定められておるのでございまするが、そのうち物品製造業が全体の六割を占め、その実額は百三十六億七千万円に相なっております。その他の四割が十七の
業種
に分れておるのでございまするが、その中では物品販光業、運輸
関係
の仕事、医療機関というようなものに対する
融資
が割合に目立っておるような次第でございます。 その次に公庫
資金
を地方別に見ますと、これは全国に本店計算で四百余りの代理店を網羅いたしておりまするので、
都道府県
全体にまんべんなく行き渡っておるのでございまするが、そのうち東京都におきましては約二割に当る四十六億、大阪が約三十億、福岡県が十五億というようなことでございまして、六大
府県
あるいは七大
府県
といわれまする、
中小企業
の多数分布しておりまする地方には、おのずから金額が多く
融資
せられておるというような形に相なっておるのでございます。 以上は一般貸付でございまするが、二十九
年度
においては特別貸付といたしまして、昨年の風水害の復旧の
融資
三億のわくを設けまして、これは原則は一割の金利でございまするが、特に六分五厘の低利をもって貸付を進めて参りました。また昨年閣議決定に基きまして、
中小炭鉱
の優良なものに対して再建整備
資金
をお貸しする、こういうことになりまして、これは原則は一千万円を限度としておるのでございまするが、最高額二千万円までの貸付を認めることにいたしまして、九州、北海道等の優良な
中小炭鉱
の再建をはかって参ったのでございます。そのほか
輸出
絹、人
絹織物
あるいは綿、スフ織機、タオル織幾等の
機械
の更新、
合理化
のためには、特に代理店のわく外捜査をいたしまして、公庫保有額の中から出しましてこれを進めておるわけでございます。先ほど
中小企業庁長官
からお話のありました毛織物の
設備
入れかえ
資金
についても、ことしは
相当
伸びて参るのではないか、かように考えておる次第でございます。 次に新
年度
、
昭和
三十
年度
の
計画
でございます。これはお
手元
の表の短かい
資料
の末尾に書いてあるものでございます。
昭和
三十
年度
におきましては、先ほど長官からお話のありました
政府
の
中小企業
による
輸出
の増進あるいはコストの切り下げのための
合理化
というようなものにより、一層公庫
資金
を役立てるということで努力して参りたいと思っております。 まずその
資金源
でございまするが、ただいま御
審議
中の
予算
案におきましては、公庫に対する
投融資
は百十億、
政府出資
が十五億、預金部の借り入れが九十五億ときめられております。これに対して本
年度
においては公庫の回収予想額が百三十五億と見込んでおりまするので、合計二百四十五億、月平均二十億余りというふうに考えられるのでございます。前
年度
は先ほど申し上げました二百二十七億程度の貸付でございました。 それから第二には、従来は御
承知
の
通り
甲方式
あるいは
乙方式
というような公庫の貸付を急速に進めますために、代理貸し
制度
をとっておったのでございまするが、その後の経緯を考えますると、たとえば鉱山資源の開発をする、あるいは
輸出品
の製造に取りかかる、あるいは新
技術
の工業化をはかるというような見込みのある
企業者
で、従来
銀行
あるいは相互
銀行
等に何ら取引がない、そういうような
企業者
が借り入れの申込みをいたしましても、
銀行
の
方針
、ことに
銀行
のコマーシャル・ベースというようなことからいたしましてなかなか貸付が行われない。そういうものにつきましては、一つ公庫で直接話を聞いて、直接調べ、直接
貸し出し
をするというような道を開いてほしいというような声もございまするので、本
年度
におきましては、きわめて一部ではございまするが、東京本店、大阪支店のほかに札幌、名古屋、福岡に支店を設けまして、今申し上げましたような
産業
政策
上きわめて重要であり、また他の
金融機関
としてはなかなか扱いかねるというような案件を拾いまして、直接の貸付を行って参りたい、かように考えております。また今申し上げましたように、全国で五カ所の本支店を設けまするほか、仙台、金沢、広島、高松のブロック都市に公庫の職員を両三名常駐せしめまして、各地方の業界あるいは県庁、通産局、財務局との連絡あるいは各地の代理店との連絡を密接にいたしますためにこの地方機構を通じて、ただいま申し上げました直接貸しのほかに、
甲方式
の貸付も
乙方式
の貸付も、より迅速な連絡、現地に即したる処理ができると思いますので、かような面を通じましても本
年度
においては公庫の
資金
はより活用されるのではないかということを大きく
期待
いたしておるような
状況
でございます。先ほど申し落しましたが、
乙方式
の貸付も逐次伸びて来ておりますが、二十九
年度
におきましては件数、金額がいささか私どもとしても不本意のような
状況
でございますので、地力機構の整備と相まちまして本
年度
は
乙方式
の貸付の伸張にも努力いたしたい、かように考えております。 ただいま御
審議
願っておりまする
法律案
につきましては、すでに御
承知
のことと思いまするが、今回の
予算
におきまする十五億の
政府出資
と、それから日本開発
銀行
から承継いたしておりまする
産業
投資
特別会計
、つまり復興
金融
金庫
あるいは開発
銀行
プロパーの
中小企業向け
債権、これを引き継いでおりまするが、その引き継ぎの見合いは借り入れに相なっておるのでありますが、それを六十九億ほど
産業
投資
特別会計
からの公庫に対する
出資
にお願いをいたしておるわけであります。 それからもう一つの点は、公庫の代理店に対する送金及び債務者からの元本あるいは利息の公庫に対する送金、この送金
関係
は今まで日銀に公庫口座を持ちまして、日銀の支店網を通じ公庫送金の扱いしかできなかったのでありますが、今回法律
改正
をお願いいたしまして地方等においては郵便振替貯金で公庫の送金ができる、あるいは公庫で指定します
銀行
へ口座を設けそこへの預け入れ、出し入れによって簡便に地方と公庫との送金
関係
を円滑にするということもこれによってはかり得ると思うのでございます。 それから先ほど申し上げました公庫の業務量も非常にふえて参りまして、特に本
年度
は各地において直接貸しを開始する
関係
もございますので、役員の一名の
増加
をお願いいたしたい。以上のような点が主でございまするが、公庫法の
改正
並びに御
審議
の経過におきますいろいろな御
指導
、御鞭撻によりまして、本
年度
もより一層公庫の
融資
を円滑にいたすように努力して参りたい、かように考えております。以上であります。
永井勝次郎
7
○永井小
委員長
次は
全国相互銀行
協会常務理事
島崎政勇君。
島崎政男
8
○島崎
参考
人
全国相互銀行
協会の島崎でございます。相互
銀行
の
状況
につきましては、お
手元
に相互
銀行
概況としまして印刷して差し上げてございますが、これによって大体申し上げたいと思うのであります。 御存じの
通り
相互
銀行
は、
昭和
二十六年十月から無尽会社を解体して発足した
金融機関
でございまして、その後順調な足取りで目的の達成に努力して参りました。そういう意味で、中小
金融機関
としてできるだけその能力を上げたいという各行員の努力によりまして、大体今までは所期の目的々達成いたしまして、お客さんから預かりました掛金、預金も当時と比較しまして二倍強、当時
昭和
二十六年の十月が千二百三十億であったものが、ことしの一月には三千六百十億、この三月末では三千七百四十億という数字であります。そうしてその預かりました金もほとんど大部分を
中小企業
の
金融
面に持っていくというのでございまして、その
貸し出し
もことしの一月では三千二百四十億、ほとんど八九%を
中小企業
の方に振り向けているのであります。ただ昨年来
政府
がとられた
デフレ
の
政策
は
相当
中小企業
者に強く影響いたしまして、昨年中は
資金
も思うように伸びない、同時にこの
貸し出し
についても相互
銀行
自体もある程度警戒もやむを得ない、そういうような
関係
から、昨年は思うような成績を上げることができなかったのであります。しかしながら全体といたしまして昨年中の
状況
は、
中小企業
に対して相互
銀行
の
融資
が三百五十億
増加
、信用
金庫
は二百三十億、地方
銀行
が百十億、都市
銀行
はマイナスの百九十億という数字から見ますと、相互
銀行
は
中小企業
のために非常な努力をしているということが言えるのじゃないか、そうして
参考
のために
中小企業
に対する民間
金融機関
の
融資
の
状況
を申しますると、相互
銀行
が三千百億、信用
金庫
が千六百五十億、地方
銀行
が四千三百九十億、十一大
銀行
が四千三百億、合計一兆三千四百六十億の
資金
を民間が
融資
しているというような
状況
に相なっているのであります。そうして相互
銀行
のこれらに対する
貸し出し
は非常に小さくて、お
手元
に差し上げましたように、
貸し出し
金額別からいきます上もちろん百万円以上の
貸し出し
も
相当
ありますが、平均からいきますると、一件が十七、八万というような少額に相なりまして、これを件数にいたしまして百七十五万件のうちで大体三十万以下が八七・四%、金額にいたしまして三千百十億のうちに三十万未満のものが三八%という
状況
に相なっているのであります。 次にどういう
方面
に相互
銀行
が昨年中において
貸し出し
たかと申しますると、大体製造業が二五%、卸及び小売業が三七%、サービス業が一七%というような
状況
になりまして、相互
銀行
はどうもサービス業に対する
融資
が多いという非難を常に受けるのであります。しかしながらわれわれ相互
銀行
は、
中小企業
の
専門金融機関
である、そういうような観点から、サービス業といえどもそれが民生の安定をはかるという意味からいえば、必ずしもむげにこれを抑制することはできない、もし
金融機関
が全体的に抑制した場合には、一体そういう
方面
の業者はどの
方面
から
金融
を受けるかということもやはり考えなければいかぬではないかというような気持で、われわれ業界は大口のサービス業に対する
融資
はやめる、しかしながら小口のものについてはやむを得ないじゃないかという気がいたしておるのであります。 それから最近ふえましたのは、地方公共団体が
銀行
の方の
引き締め
によりましてだんだんふえてきまして、現在十三億出しておりますが、これは昨年の二十九
年度
に新しくできた現象でありまして、おそらくこの三十
年度
も地方財政がよくなればとにかくも、今
年度
あたりでもある程度
相当
ふえていくのではないかというような気がいたします。 もう一つは相互
銀行
の
貸し出し
の金利でございますが、これもこの中小
金融機関
であると同時に、われわれは大体一万五、六千名が外務員として集金に当っておる、日掛もするし月掛もする、そういう
関係
からコストが高い、それで金利調盤も最高
貸し出し
三銭五厘というようになっております。これらについても
中小企業
者が金利の
負担
に困っておるという意味で、自主的に昨年の秋から金利を、大蔵省の慫慂という意味じゃなくて、
相当
下げて、できるだけ
企業者
の方の
負担
を
軽減
していこうというので、昨年の秋から各行がこの
方面
に思い思いに金利を下げてきたのであります。同時に預金面も
相当
預けておりますので、預金者に対してはできるだけ
支払い
準備を多くするというものと、それから
支払い
準備というばかりじゃなく、万一相互
銀行
が一行でも
経営
にまずいことがあった場合には、これに対してわれわれ相互
銀行
が一丸となって救済の
措置
に出るというような趣旨で、相互
銀行
の方には昨年から相互保証協定というものを一応作りまして、ことしの三月一日から全会員がこれに加盟いたしまして、大体国債あるいは社債を自分の預金の千分の十というような見当で、現在十三億円を幹事
銀行
に預託し、万一の場合はこの
資金
をもって日銀から
融資
を受けて救済の
措置
に出るというような方向で進んでおります。また一面
経営
面も一応現在では各行とも安定した収益を出しておりますが、同時に金利の低下あるいは人件費の低下、こういうような意味で今後の
経営
というものはわれわれとしても決して楽観をいたしておるのではございません。各員が石にかじりついてでも努力して、同時に相互
銀行
の目的というものを十分達していきたいというような気分に燃えておるのであります。簡単でありますが以上で……。
永井勝次郎
9
○永井小
委員長
次に
全国信用保証
協会協議会嘱
託
木畠
英一君。
木畠英一
10
○
木畠
参考
人 時間もございませんので、簡単に述べさしていただきます。
中小企業
の信用を補強いたします
信用保証協会
の立場から、運営上問題となっておりまする一、二の点につきましてお話申し上げたいと思います。 皆様御
承知
の
通り
に、
信用保証協会
は
都道府県
市等の地方公共団体の財政的援助によりまして設立育成されてきたものでございまして、
昭和
三十年の一月末現在におきまする保証
実績
といたしましては、件数におきまして七十二万余件、金額といたしまして二千四億余円と、こういう
実績
を上げておるのでございます。 これによりまして中小
金融難
の打開に寄与し、ひいては地方
産業
の
振興
に寄与して参ったのでございます。 このように一応
実績
は上げて参りましたが、保証協会の運営上、この
事業
の裏づけとなりまする保証基金が現在のところ十分でないのでございまして、しかもこの地方公共団体の財政的援助によって成り立っておりまする協会といたしましては、地方財政が逼迫しました現状におきまして、現在より以上の基金の増強ということが望まれない状態にあるのでございます。つきましても、中小
金融
の問題が単に地方的な問題でなく全国的な重要な問題である点にかんがみまして、地方公共団体と同様に、国家におきましても何らかの形におきまして国家
資金
の導入ということが望ましいと考えておる次第でございます。ただし、国家財政の現状からいたしまして、早急の実現も困難であろうということで、従来
信用保険
の利用によりまして間接に国家
資金
の導入を受けまして、これによって機能の発揮に努めて参ったのでございまするが、何を申しましても、現在の
信用保険
の条件によりましては十分に活用いたすということができないのでございます。この点は先ほど
中小企業庁長官
からありがたいお言葉をちょうだいいたしましたが、
填補率
並びに
信用保険
料率の問題でございますが、全国の保証協会といたしましては、先ほども申しましたように、国家財政
資金
の導入ということが早急に望まれないという
事情
から、
信用保険
の
改善
によりまして、この利用によりまして機能の発揮に努める
方針
でございまするが、今日まで
政府
当局に、
填補率
につきましては現行六〇%を九〇%に引き上げ、
保険
料率につきましては現行二分を年七厘五毛に引き下げていただきたいと、こういう要望をしておる次第でございます。なお、そのほか
保険
につきましては、先ほど長官からもお言葉をちょうだいいたしましたが、
根保証
を
付保
の対象にすること、それから中小公庫並びに
国民金融公庫
の代理貸しを
付保
の対象とすることにつきまして要望しておりますが、長官のお言葉によりましてこれは実現するものであると見られますので、非常に感謝しておる次第でございます。 なお、小口の保証
保険
の
改善
につきましては、
保険
価額を現行十万から二十万に
増額
してほしいということ、それから資本の額を現行五十万から百万に
増額
する、従業員の数を現行五人から十人に引き上げてほしい、こういう要望を出しておる次第でございます。申し上げるまでもなく、小
企業者
は非常に
金融
に困っておる次第でございまして、特に保証
関係
で申し上げますると、全体の七〇%は二十万円以下の保証でございまして、この小口
信用保険
の保証
保険
の
改善
が要望
通り
に実現されるということになりますれば、全円の保証協会にとりましても非常に利益するところが多いのでございまして、これによって機能の発揮ということが考えられるのであります。いろいろと御
事情
もおることと存じまするが、中小
金融
につきましては、この
信用補完
ということが非常に大事な問題と考えておるのでございまして、この
信用補完
の機関でございまする保証協会の今後の
強化
につきまして、格段の御配慮をいただきたいと存じておる次第でございます。簡単でございますが……。
永井勝次郎
11
○永井小
委員長
次に
全国信用保証
協会協議会王事松本英正君。なるべく簡単に一つお願いいたします。
松本英正
12
○松本
参考
人 お
手元
に差し上げてございます保証協会の概況について簡単に御
説明
を申し上げたいと存じます。 現在協会数は五十二ございます。従来佐賀県と長崎県が県自体が損失補償の契約を
金融機関
とされておりました
関係
上、保証協会の設立が延びておりまして、昨年佐賀県、二十九
年度
に長崎県に協会が設立されまして、全国的な組織となった次第でございます。それから保証を行う以上、先ほど
木畠
参考
人から申し上げましたように、保証金が必要でおる。現在保証金の実情はどうであるかと申しますと、いわゆる純財産に当りますところの
基本
財産が三十六億ございます。それからこれはほとんど地方公共団体との損失契約でございますが、損失契約によるものが約四十億、合計七十六億九千四百万円の保証金で保証を行なっている次第でございます。しからばその保証金の出損先はどうなっているかと申しますと、
都道府県
が二十一億八千百万円、市町村が八億円、地方
銀行
が三千八百万円、都市
銀行
が二千九百万円、相互
銀行
が四百七十三万円、信用
金庫
が九百二十六万八千円、信用
組合
が百三十五万円、
政府
関係
金融機関
が百四十七万円、その他の
金融機関
が四十三万円、業者及びその団体が五千七百五十万円というような
状況
で出指をいただいておる次第でございます。
事業
の概要は、これは創業以来の累計でありますが、保証申し込みの総額が二千五百七十一億円、保証承諾の累計が二千四億円、これに対しまして償還額が千充行四十六億円、代位弁済額が三十九億、約四十億円でございます。その代位弁済額三十九億円のうち
回収金
が十九億円、約半分は回収になっておる次第でございます。旧証券の現在額——代位弁済したものの現在額でありますが、二十一億八千八百万円、保証の現在額は三百七十一億五千九百万円ということになっておりまして、保証金の五倍が保証の現在額ということになっております。旧証券の回収
状況
は割合順調に進んでおりまして、約半数が回収になっておるという実情でございます。 簡単でございますが、以上をもって
説明
を終ります。
永井勝次郎
13
○永井小
委員長
次は
商工組合中央
金庫理事
の
加藤
八郎君。
加藤八郎
14
○
加藤
参考
人 それでは私から
商工中金
の
昭和
三十
年度
の
資金
繰りの大体の見込みを申し上げまして、これに関連しますいろいろのお願いをあわせて申し上げたいと存じます。お
手元
に「
商工中金
昭和
三十
年度
資金
繰予想表」という三、四枚のとじたものを差し上げてございますから、それをごらんいただきたいと存じます。 まず三十
年度
中にどんなふうに
資金
が調達できるかという点を書きましたのが左側の「
資金
」という欄でございます。これにございますように、
出資金
といたしまして九億三千四百万円の
増加
を見てございます。これは
あと
でまた申し上げたいと存じますか、
政府
より十億円の
出資
をして下さることに相なりましたので、その十億円を計上いたしますとともに、一方におきまして見返り
資金
から借りました優先
出資
の消却が六千六百万円でございますので、それを差し引いて結局九億三千四百万円の
出資金
の
増加
を見たのでございます。 それから債券の発行によります手取金の
増加
は八十四億と計上いたしました。ここで問題がございますのは、
資金
運用部におきまする債券の引受額でございます。これはまだ決定になっておりませんので、ただ財政
投融資
としての
計画
は昨年よりもさらに減りまして、昨年は百九十億の
金融
債引き受けのワクを設定されましたのが、本年は百七十億と
承知
しておりますが、減額になっておりますので、さらに
金融
債の配分がむずかしくなってくると思いますけれども、その点におきましては、
中小企業
の現状にかんがみまして、
資金
運用部の引受額を減額されることなしにわれわれは
予定
いたしております。そこに書いてございます二十四億をぜひ
資金
運用部から出していただくようにお願い申し上げたいと存ずるのでございます。かつて
昭和
二十八年ころは四十億円の引き受けがございましたし、その前の年も、三十六億円の引き受けがおったのでございますが、昨年から非常に減りまして、二十四億円というような
状況
に相なってきておるのでございます。従いまして三十
年度
の引き受けも、ぜひ二十四億円は確保していただきたい。もしこれがくずれるならば、この債券の全額についても減少を来たすようなことになるのではないかと考えられるのでございます。 その次は指定預金でございますが、二十七億四千万円金額償還に相たるのでございます。これは私どもといたしましては引き揚げられてもいいという意味でここに三角をつけて出したのではございませんで、ただ期限が今年中に参りますので、その期限が来たならば返さなければならぬという意味でここに計上をいたしたのでございます。かつては六十六億程度の指定預金をいただきまして、それが非常に
中小企業
の
金融
に役立っておったのでございますが、昨年の
年度
初めには四十一億ございました。それが逐次引き揚げられまして、現在では二十七億四千万円残っているのでございます。これはぜひ一つ
政府
の方におかれまして全額延期していただくことができまするならば、それだけ
中小企業
に対する
貸し出し
が潤沢になるのでございまして、われわれとしては特にお願い申し上げたいと存ずる次第であります。 それから公金預金の三億円の減少、これは現在いろいろ市町村あるいは県から預託金をいただいているのでございますが、地方財政の逼迫に伴いまして、逐次減少の傾向にございますので、一年間に三億円程度は減少するだろうと見込んだのでございます。 それから一般の預金は大体十一億四千万円程度の
増加
が見られるであろうと考えたのでございます。 それから公庫からの借入金とございますのは、借入金の返済十億円を計上して、ございますが、これは
中小企業金融公庫
の方から現在二十億円を借りております。そのうち十億円はこの八月にお返しいたしまして、
あと
の十億円につきましては、今度法律を
改正
いたされて、これを延ばしていただくという
予定
に相なっておりますので、その返す分の十億円だけをここに減額として書いてございます。 それから日本
銀行
の借入金が十一億ほど
増加
いたします。 結局
年度
内に
貸し出し
が実行できまする金額は七十億円ということに
予定
してあるのでございます。この七十億円というのは、残高において七十億円を
増加
するのでございまして、
貸し出し
と回収との金額を見ますると、その二枚
あと
のページに「
昭和
三十
年度
貸出、回収額予想表」とございますように、年間を通じまして
貸し出し
は千四百二十億円、それから回収が千三百五十億円ということになりまして、結局その差額の七十億だけが
貸し出し
残額として
増加
するということに相なるのであります。 それから有価証券の投資が六億円ということになりまして、このように三十
年度
の
資金
を運用いたしたい、かように考えているのでございます。 先ほど申し上げましたように、指定預金の二十七億というのは、どうしても延ばしていただくことによって
貸し出し
の
増加
もできまするし、また日本
銀行
の借り入れを
年度
末に残すということは、ある程度必要でございましょうけれども、大体日本
銀行
の借り入れは一時的な
資金
不足を補うために貸すというのが原則でございますので、十二月の年末
金融
のときには限度一ぱいまであらゆる手段を講じまして借りて参りますけれども、それが一月、二月というふうに回収になりまして、
年度
を越す場合には、あまりたくさん置かないということが適当であると思いますので、もし指定預金を延ばしていただくということができまするならば、この借り入れの減少ということにも充てられるかと思うのでございます。こんな
状況
でございますが、さらに今回提出されております
法律案
に関連いたしまして、先ほど長官からも御
説明
がございましたように、中金に対しまする
政府出資
を十億円して下さることに相なりましたのでございますが、この点につきまして、われわれから特にお礼も兼ねて申し上げたいと存じますことは、
商工組合中央
金庫
は、
昭和
十一年に発足いたしました当時、その
出資金
は一千万円であったのでございますが、その場合に
政府
が五百万円、
組合
が五百万円ということで半々の引き受けをもってスタートしたのでございます。その後数回増資がございましたが、いずれの場合でも結局半分は
政府
が持ち、半分は
組合
が持つというようなことで、再建整備の直前までは資本金が三千万円でございまして、これがそれぞれ千五百万円ずつになっておったのでございます。これが再建整備の償却によりまして四百二十万円に減資になったのであります。切り捨てまして四百二十万円になったのでございますが、その四百二十万円を、
政府
が二百十万円、
組合
が二百十万円というふうに半分ずつ
出資
を持っておったのでございます。しかるにその後は一切
政府
の
出資
がございませんで、
組合
だけによる
出資
を四回重ねて参りまして、現在
組合
の
出資
が十三億近くなっておるのでございます。しかるに一方
政府
が二百十万円であるというようなことで、非常にけた違いの差が出て参りましたので、各
組合
の総代からも、毎年総代会において熱烈に
政府
の増資を希望されて参ったのでございます。もちろんわれわれ当局者といたしましても、非常にこの点について
政府
にお願いを申し上げておったのでございますが、このたび十億円を
出資
して下さるということになりますると、ほぼ
組合
と
政府
の
出資
の比率が均等になって参りますし、のみならず今後これによりまして、
中小企業
界に対して、
政府
が
商工中金
に対して十億円見て下さったということが、そのこと自体において非常な刺激を与えまして、またその士気を鼓舞することにも相なりまして、われわれとしましてはその
効果
が非常に大きいと考えるのでございます。もちろん
出資
されました直接の理由は、債券の発行が
出資金
の二十倍というふうに法律できまっておりますので、現在の
出資金
では発行限度が行き詰まって参りまするような
状況
になりましたので、それを救うために
政府
におかれて十億を御
出資
下さったことになるのでございますが、さらにそのほかに、先ほども申し上げましたように、各
組合
に対する
政府
の強い気構えをお示しいただいたようなことになりまして、非常に
効果
があると思うのでございます。またこれを契機といたしまして、
組合
上りの増資も、今
年度
はもちろんできませんけれども、来年、再来年というような場合に、また考えていくというふうに考えておる次第でございます。 簡単でございますが、以上をもちまして終ります。
永井勝次郎
15
○永井小
委員長
本日御
出席
を
予定
されておりました志津義雄君より、急病のため
出席
しかれる旨の申し出がありましたので、御了承願いたいと存じます。 以上をもって
説明員
及び
参考
人の陳述を終りました。
説明員
及び
参考
人のただいまの陳述に対してのみ質問を続けたいと思います。質疑の通告がありますから、順次発言を許します。
松平
忠久
君。
松平忠久
16
○
松平
小
委員
ただいまの
中小企業金融
関係
についての御
説明
につきまして、一つ二つ御伺いしたいと思うのであります。先ほどの長官の御
説明
にもありましたが、大体
デフレ
の傾向は、
中小企業
に必ず影響が来る。従ってこの
デフレ
の影響からいかにして守っていくかということを
金融
面で考えなければならぬということを言われておるのであります。そこでただいまの各
金融機関
、中小
金融機関
の御
説明
を伺っておりますと、
資金
の
計画
について
相当
多くの自己
資金
を見込んでおられるように思うのであります。そこで
中小企業
が
金融
的に圧迫を受けてくるということを考えてみますと、結局普通
銀行
の
貸し出し
が
国民金融公庫
なりあるいは
中小企業金融公庫
もしくは
商工中金
等にだんだん肩がわりをしてくる傾向にあると思うのであります。そういった場合においては、おそらく回収率は非常に困難ではないか、こういうふうに思うのであります。そこで第一にお伺いしたいのは、櫛田総裁、それから
中小企業金融公庫
の方にお伺いしたいのでありますが、昨
年度
における回収
状況
並びにこの回収の
方法
といいますか、取り立ての寛厳というか、
相当
無理をしてとっておるように聞いているのですが、一体どういう程度に取り立てをしておったか。中には見込み額よりもよけいに回収があったというような御報告もあったように思うのでありますが、一体今の
中小企業
の
金融
面というものは回収見込み以上に回収できるような
企業
の状態であるかどうか、非常に疑いを持つのであります。従ってまず第一にお伺いしたい点は、昨
年度
における回収
状況
並びに回収の
方法
等についてお伺いをしたいと思います。
櫛田光男
17
○櫛田
説明員
お答え申し上げます。私どもの貸付は、御
承知
のように大体三年平均になっておりまして、月賦でございます。それからきわめて小口でございますので、連月毎月大体二十分の一あるいは二十五分の一ずつの元金の償還お払い込みをいただいておるわけでありますが、非常に小口でありますのと、またお客さんの御協力の
関係
からいって、きわめてお払い込みがいいのであります。これが
国民金融公庫
ができましてから今日まで続いておりますが、ただ一昨年、昨年になりまして、やはり
デフレ
の影響を受けまして、延滞の率が若干ふえてきておりますが、なおそれでも全体の三%程度でございます。これは一にお客さんの大へんな御協力のおかげだと常々感謝いたしておるわけでございます。回収の
方法
につきましては、直接貸し、代理貸しともに、大体半分は直接御約定の日にちに店にお持ち下さいましてお払い込みをいただいております。
あと
の半分くらいは大体郵便の振替送金、振替貯金であります。これが大体でございまして、格別今お話のありました無理をして取り立てておるというふうなことはないと存じておりますが、従来とも変りがたく、ただ先ほど申し上げましたように、延滞率が一昨年は大体二%弱でございましたが、昨
年度
は三%に上ったという程度で、従いましてその延滞分については、二週間なり一月たちますと、はがきで督促を申し上げております。それから多少たちますと、こちらから出向きましていろいろ御
相談
に応ずる、そういうふうな仕方は、六年前に公庫がでまましてからとりました
方法
で、その後別に変っておりません。大体かような
状況
であります。御了承願いたいと思います。
中野哲夫
18
○中野
説明員
中小
金融
公庫の回収は、先ほど申し上げました
通り
前
年度
計画
を上回って、約九十億近くに相なったのでございますが、この
計画
を上回ったという点の御
説明
を申し上げますと、
年度
当初
予算
等の
基礎
にいたします際には、貸付件数あるいは貸付金額、いずれも残高でございますが、それに一定の延滞率の予想をかけるわけでございます。
年度
の始まります前には、やはり
金融機関
の一種でありますので、なるべく手がたくと申しますか、公庫として
計画
を下回らぬように、平たく申しますと
相当
延滞があるのじゃないかというような予想で、計数をかけて七十億なら七十億というようなあれを見るわけでございますが、私の方も金額が平均二百万円余りというような小口でございます。それから原則として
中小企業
者の方の利息あるいは元本の償還が楽なように、月賦償還を原則とする、そのほかに三月償還、三月に一回払うというようなことでございまして、公庫が始まってからの公庫貸付につきましては、比較的回収
状況
か実態的にもいいし、先ほど申し上げました件数よりも少し上回る、こういうようなことから原因しておるのでございます。 第二点は、御
承知
の
通り
公庫貸しは、代理
金融機関
に業務を委託しておりますので、元利の管理、回収はそれぞれの代理店にお願いをいたしておるわけでございまして、直接貸しをいたしました場合のように、的確にその間の手心を把握することはむずかしいのでございますが、一般的に公庫になってから、あるいは一昨年に比べて昨年は公庫が管理、回収を峻厳にいたしたということはないのでございます。公庫の債権のうちでも、開銀から承継しました復興
金融
金庫
時代の債権等につきましては、償還の楽なものはすでに開銀時代にほとんど回収を終りまして、承継いたしましたのはそれぞれの理由によって回収困難なものでございます。これらについては当時の
事情
も御
承知
のようなことでございまして、今後も回収には
相当
苦労いたすかと思いますが、公庫廃止以来は世の中もだんたん安定いたしまして、借りたものは返す、返す見込みのものに貸すというふうな気風のように伺っておりますので、今日までのところさしたる心配はない。また特に峻厳な取り立てをいたすという考え方もございません。承継債権にせよ、公庫債権にせよ、管理の面におきましては
中小企業
者の実態を十分代理店に調べていただきまして、期限の延長あるいは分割を楽にするというようなこと、あるいは損害金の減免をするというようなこと、個々の場合々々に応じて借入人の方とも御
相談
して、適宜の
措置
をとっておるような次第でございます。
松平忠久
19
○
松平
小
委員
ただいまの御
説明
によると、いずれも二行ともにあまり無理をして取り立てるのではないというお話で非常にけっこうなのでありますか、しかし翻って考えてみますと、御
意見
を伺いたいと思いますが、こういう
中小企業
の
金融措置
、すべて
金融
というものに関しては、
計画
以上に回収が非常によろしいということは、どういう意味なのでございましょうか。つまり
金融
的に
相当
緩和されておるというようなことを意味しておるのか。つまりある程度景気が直って、そうしてどんどん借りた金も返せる、そういうことを意味しておるのか、あるいはまた初めからそうではなくて、今
中小企業金融公庫
の方の
説明
のあったごとくに、非常に手がたい貸付を初めからやって、そのために思った以上に回収が早いというのであるか。言いかえれば、つまり
金融
をほしがっておるけれども、ちょっと回収がどうかと思うようなところはなるべく避けて貸せない。そうして回収本位で
金融
をしていくという意味のために早いものか、その辺のところの
皆さん方
の御見解を承わりたいと思うのであります。 重ねて申しますけれども、回収が非常にいいというのは景気が立ち直って来ていいのであるか、あるいは初めからそうではなくして、回収のいいようなところにしか貸さない、こういうために回収がいいのであるか、その辺のところは皆さんほんとうに正直に教えていただきたいと思います。
櫛田光男
20
○櫛田
説明員
ただいまのお尋ねでございますが、回収が
予定
よりよいということは景気が悪くなっていない、よいという証拠なのかという御質問に対しましては、こういうふうにお答えを申し上げたいと思うのであります。先ほど
中小企業
公庫の中野さんからもお話がありましたが、当初回収の
予定
を立てまするときには、私どもはどうしてもやはりプランでありますので、かなり内輪に見積ります。それが一点。それから
国民金融公庫
の場合には、特殊の
事情
がありまして、大体お客様の中で七割見当すでに月賦金をお返しになった方が、あらためてまた新しく
資金
がいるというふうな場合は、その御
相談
に応じておるわけであります。そういったときには残った三割を一応償還に立てまして、つまり十万円御
相談
があったときに今までの残債務が、最初に十万円をお貸しいたしまして、七万円見当すでにお返しになっておる。そこであらためて十万円くらい
資金
がお要り用であるという御
相談
を受けましたときには十万円をお
貸し出し
いたしますが、その節前の貸付の残りの三万円というのを、一応償還の形をとります。新しく十方円の契約をいたしまして、差引七万円のお金を差し上げる、こういうふうにいたしますと、双方の消化が、そのときには金は動かさずして三万円の回収があったということになります。私どもこれを現貸し決済という特別の用語をもって表現いたしておりますが、これが大体の償還の中で六%から七%ございます。そういったところは当初あまり
予定
できませんので、従ってその程度は
実績
と
計画
との間にはっきりと差が出て来ます。かようなことがございます。でありますから私どもの回収の
予定
よりも多かったのは、これは景気と
関係
があるかと言われますと、その間に一対一の
関係
において
関係
があるということは申し上げにくいと思います。むしろ先ほど申し上げましたように、延滞率が一昨年よりも昨年の方が少しではあるがふえて来たという点の方がかんじんなことではないか、ただその延滞率がもっと大きく出るであろうと予想されたにかかわらず、きわめてなお少い程度にとどまっておるという点、これはやはり先ほど申し上げましたように、私どもの返済
方法
がお客さんにとっても返しやすい返済方式だ、またお客さんの方で大へんに御協力願っておるという点にあるのだろうと私は思います。 それから、回収の見込みのないものと申しますか、回収本位で
貸し出し
をするのじゃないかというお尋ねでございます。これはなかなか表現がむずかしいのでありますが、私どもの建前といたしましては、法律の十八条に、独立して
事業
を営む意思を有し、かつ適切なる
事業
計画
を持つもので、しかもなおほかの
金融機関
から
資金
の融通を受けることを困難とするものに貸し出せと書いてございます。そこで私どもは、適切な
事業
計画
であるかどうか、つまりお客さんの御要望になっておるお金で、果してそれを百パーセント活用してお客さんがお見込み
通り
のお仕事ができるかどうか、そこに
重点
を置いて御
相談
に乗っておる、これが私どもの建前でございます。 それからなお私どもの感じといたしましては、先ほど申しましたように、申し込みに対して昨
年度
は三六%の
貸し出し
、かできました。私ども大体平常考えておりまして、申し込みの中で——これは二つに分れるわけてございます。お金があれば、そのお仕事が成り立ち、その
計画
が確かにできるだろうというお客さんと、お金だけではどうにもならないだろうというお客さん、つまりお金のほかに何か別な要素を加えないと、その
事業
をあるいは維持し、あるいは伸ばすということに疑問がある。この二つにカテゴリーが分れるかと存じます。ところで全体の申し込みで三六%にとどまるわけでありますから、
資金
の量からいいましてきわめて手薄であります。またこの
資金
と申しますのは、御
承知
の
通り
政府
から税金の一部を分けていただいておる、かようなお金でありますので、このお金をできるだけ効率的に、あるいは百パーセント御活用できるお客さん、このお金さえあればその仕事が円滑に伸び、あるいは維持できるというお方の御
相談
にまず応じるということにいたさざるを得ませんので、結果が回収の面におきましても、先ほど申し上げましたような
実績
を示すことに反映してくるのだろう、かように存じておるわけでございます。そこらはどうぞよろしく御了承願いたいと思います。
中野哲夫
21
○中野
説明員
公庫の
融資
が元利の回収の確実を第一にしておるのかという御質問でありますが、公庫におきましては、法律の趣旨といたします
中小企業
の
合理化
、維持、発展に役立つということを第一義といたしております。それでは元利の回収の方は二義、三義かと言われますと、今櫛田総裁のお話のように、言葉の解釈によりましてデリケートな点があるのでございますが、一、二の例を申し上げますと、承継債権などにおきましてどうしてもとれないというようなもの、これは客観的に判断いたし、また代理店の
意見
も尊重いたしまして、大蔵省の
銀行
局あるいは会計検査院の個々のケースについての承認を受けまして、いわゆる消却に立てる、簿外債権にやるというようなことをしております。また代理店が元利の延滞に陥って差し押えをする、あるいは競売に付するというようなものも、代理店の一存にまかせずに、案件の内容を付して公庫の
意見
を求めるというふうに
指導
いたしまして、その内容を見てその
企業
を生かすのがいいのか、あるいは一思いに強制執行等をやるのがいいかということを、個々のケースに応じて
中小企業
を生かすという心持で代理店に指令も指示もする、こういうような形でいたしておるのでございます。ただ、今
国民金融公庫総裁
の申されました点と私の方との間の違いをしいて申し上げますれば、私の方は四百余りの代理店にお願いして管理、回収をいたしておりますので、かつ公庫の
甲方式
貸付につきましては、債務者が延滞に陥った場合に、代理店をしてその延滞額の八割を公庫に
支払い
保証するという責任額を
負担
せしめております。また公庫が貸付を決定いたしますいわゆる
乙方式
につきましても、延滞額の三割はその扱った代理店が公庫に対して責任を負う、こういう
制度
の仕組みになっておりますので、かような
支払い
保証の
関係
からいたしまして、多数の代理店の中にはニュアンスとして元利回収の方にも十分注意を払って
貸し出し
をする、あるいは逆に
中小企業
の
振興
ということに比較的
重点
を置いてお貸しになるというようなことで、これは本店で四百余り、その窓口、支店を通じますと、三千ないし三千五百くらいに及ぶと思いますが、それぞれの窓口の扱い者の心持で多少ずつの段階があると思いますが、その点は一定の
中小企業
の育成という
方針
を公庫といたしましてはどこまでも示し、かつその実行をお願いしておりますが、個々の扱いになりますと、多少各代理店の営業
方針
というようなものも加味されるというような点は、直接貸しの場合に比べますと、やはり若干のずれが起ることもあるかと思います。また私どもとしてはさような点もある程度はやむを得ないのではないか、かように考えておる次第であります。
永井勝次郎
22
○永井小
委員長
松平
君、質疑は他にも
相当
ありますし、時間も
相当
経過しておりますから、なるべく簡単に願います。
松平忠久
23
○
松平
小
委員
最後にお伺いしたいと思います。先ほど申したように、申し込みの
増加
が非常にあるようでありますか、大体
中小企業金融公庫
あるいはその他の中小
金融
あるいは一般の
金融
といたしまして、現在の日本の
経済
状況
からいって、申し込み件数の一体どの程度に
金融
業者としては応ずるというのが理想的であるか、これに対する御
意見
を伺いたいと思うのであります。 それからもう一つは
回収金
を
計画
する場合において、これは各
銀行
においてそれを決定するのか、あるいは大蔵省から何らかの指示があるのか、その点についてお伺いいたします。
櫛田光男
24
○櫛田
説明員
申し込みの点につきましては、申し込みの統計を、つまり店に申込書をお出し下すった統計をとっておりますのは、おそらく私のところだけじゃないかと思うのです。ほかの
金融機関
さんのところでは、おそらくそういった手続をとる前にいろいろ内輪の御
相談
がありまして、そこで大体お話がきまってから申し込むというお手続をなさるのじゃないかと思いますので、従いまして私の申し上げますことがほかのお方々とは多少結論は違ってくるのじゃないかと思いますが、
国民金融公庫
だけの感じで申し上げます。 先ほど申し上げましたように、
昭和
二十九
年度
の
実績
におきましては、件数においては約四十四万件の申し込みに対しまして、二十二万件、五〇%の
貸し出し
をいたしました。金額におきましては申し込みの金額は千五十二億ほどございました。それが三百八十億、つまり三六%にとどまったわけであります。私の率直な考えを申しますと、大体金額で言って四割から五割、中をとって四割五分ぐらいになります。その見当をお
貸し出し
ができたらもっとお役に立つのではないか、かように存じて、おりますが、ただいかんせん原資の方が少うございますので、できるだけたくさんの方に苦労を分ち合って、お互いにというふうなつもりで、申し込み金額より多少少な目に少な目にといった傾向が現在ございます。ただ件数においては五割というところまでこぎつけることができましたらせめてもの仕合せと思っておるところでございます。 それから回収の見込みを立てます際に、大蔵省からいろいろな指図があるのじゃないか、これは私ども自分の経験と見込みを立てまして、
予算
を立てます。ただ従来から私どもが
金融機関
といたしまして、かなり内輪に見積りますから、
回収金
も
実績
の方がいつも見込みよりも超過いたしておりますので、そこら辺の見当からもう少し
回収金
があるのではないかというお話を承わることはありますが、
予算
を立てますときには、私どもといたしましてはとにかくほんとうに確実なところ、こういたしませんと最低限度というプランが成り立ちません。そういった見地から、結論的に申し上げますと実は自主的に
回収金
を立てておる、かように申し上げてよろしいと存じます。
永井勝次郎
25
○永井小
委員長
この際議員
長谷川四郎
君及び
加藤
清二君より小
委員外
の発言を求められておりますので、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
永井勝次郎
26
○永井小
委員長
それでは議員
長谷川四郎
君及び
加藤
清二君の発言を許します。
加藤
清二君。
加藤清二
27
○
加藤
清二君 時間が短かいようでございますから、私簡単に要点をかいつまんでお尋ねをしたいと存じます。大体この
金融
につきましては、御
承知
の
通り
デフレ
の陰で一番犠牲を負っているのが
中小企業
でございますが、その犠牲を負っている
中小企業
に対してそれぞれの立場から御熱心に御努力いただいていらっしゃる方々に対しては、まずもってお礼を申し上げなければならぬと思っておるわけなんですけれども、それはそれとして、なお一そう
中小企業
をよりよく救っていただくためにこうあったらどうかという点をお尋ねしたいと存じます。 大体この
金融
の
状況
は、総体をながめてみますと、金のあるところには金が貸されるようでございます。ものを持っているところへは金が貸されるようでございます。これを大きいのと小さいのと比較いたしてみますと、大きい方はより金が借りやすい、小さい方は一そう過酷に金が借りにくい。これが原則のようになっておるようでございますが、たとえて申しますと、同じ資本金を持っておりましても、億以上の資本金を持っているところへは公称資本金以上の金が借りられる。ところが小さい百万、二百万の資本金のところへは、その公称資本金どころか、それ以下しか貸してもらえない。また大きい方は担保の場合ほとんど担保なしで借りられる場合がありますけれども、この
中小企業
が借りようとする場合は、その担保を過酷にとられる。いよいよ引き揚げられる場合も先ほど来お話がありましたが、
政府
の
投融資
で行った大きい金の方は焦げついたものがそのままになっているが、小さい方はぐんぐんと遠慮会釈なく引き揚げられていくということがあり得るようでありますが、第一番に
政府
がサゼスチョンをしたおかげで生じてきた
融資
と申しましょうか、これは
政府
の責任においてぜひめんどうを見るようにしていただきたいと思っております。たとえて申しますと、去年
中小企業安定法
二十九条の
発動
によって職場はきれいな言葉で言うと自戒自粛をした。しかしそのおかげで
機械
屋は売れなくなって困ったということがあったわけでございますが、これにつきましても
政府
側ではずいぶん御援助をいただいたようであります。これは去年だけで終ったわけではない。今年も継続されているわけです。今年になって一そうこのしわが
機械
屋に寄っていくということは目に見えている。かてて加えて毛の二十九条がまた
発動
された。放っておけば先ほどお話のありましたように、タオル
機械
のメーカーのように全部倒れていかなければならない、こういうことです。ところが片や
輸出振興
でどんどん
機械
が売れるように手当ができておればよろしゅうございますけれども、これができていない場合には、どうしても国内の販売を目当てにしなければ生きていかれない、やむなく倒産しなければならない、こういうことでございますので、去年の綿、スフ二十九条の
発動
、かてて加えて今年の五月に発足しました毛の二十九条の
発動
から生じてくる、せめて
機械
設備
の交換、
近代化
に関する
融資
は、
政府
側はこれに対して手当の用意が万全を期せられているのかいないのか。いるとすれば一体どの程度の
計画
があるのか、この点をお尋ねいたしたいのであります。これは
政府
と申しましても大体
中小企業
の
金融
公庫が一番これに近いのではないか、もっとも
商工中金
も
関係
は十二分にありますけれども、この点まず
中小企業
の
金融
公庫の方からお答え願いたい。
中野哲夫
28
○中野
説明員
綿、スフ織機、
輸出
絹、人絹織機及びタオル織機について
中小企業安定法
の
発動
、
設備
の増設
許可制
度の実施に伴いまして、通産省から種々御指示もあり、われわれも各地の席地の
組合
の首脳部等から具体的な実行
計画
簿を伺いまして、昨年秋から公庫といたしましては
設備
の入れかえ、それによって高能率の織機が真に代替するのだ。それによってコストの引き下げが具体的にはかり得るのだという向きに対しては、むしろ喜んで公庫
資金
をお貸しいたしたい、使って、いただきたい、かように考えまして、特に産地
方面
の代理店にはその旨の公庫の
方針
を書面で通牒を差し出して、その取り上げを慫慂いたしているのであります。なお公庫の貸付については、毎四半期一定の
資金
ワクを代理店につけておりますが、今申し上げましたような入れかえ
資金
につきましては、公庫の本部に
資金
のワクを保留しておきまして、いわゆるワク外扱い、自分の示されたワクが足りなくなるのではないかという心配によって、取り上げるべきものも躊躇するということのないようにいたしているわけであります。ただこの公庫の考え方、仕事のやり方につきましては、何分にも東京、大阪にしか店がありませんので、各代理店に十二分の周知徹底がはかられておるかという点になりますると、いささか忸怩たるを得ないというような点があります。毛織物織機につきましても、産地
組合
の首脳部と相はかりまして、これまた今申し上げましたような
融資
方針
で進んでおるのでございます。また各産地に具体的に
資金
を出すという問題につきましては、
組合
融資
が多い
関係
上、随時個々の条件ごとに、公庫一
商工組合中央
金庫
さん、それから産地の
事情
を
説明
を受けますために
組合
等の首脳部の人というような方々と随時打ち合せをいたしまして、代理店を通ずる個々の案件について貸付を進めておるような
状況
でございます。
加藤清二
29
○
加藤
清二君 公庫の本部の方々は
政府
との交渉も密接に行われております
関係
上、この法律の精神というものはよくわきまえていらっしゃる。また代理業務を引き受けていらっしゃる本店の頭取さん級になりますと、これはよう心得ておるようでございます。話し合ってみますと、話がよくわかる。ところが実際に窓口に参りますと、借受人が相手として
相談
をする窓口の係りの人ですが、この人になりますと、この立法の精神はほとんど没却されてしまう。私はその実例をよく知っているのです。まことに遺憾なことだと思う。どういう精神でやっておられるかというと、この母法の精神でなくして、自分の
銀行
が集めた金だと心得違いをして、初めから立場を変えてお話をしていらっしゃる向きが、往々にしてあるどころか、ほとんどそうなんです。こういう点について、周知徹底方を中野理事さんは再三ここで約束をしていらっしゃるわけでございますが、——もっとも範囲の広いことですし数が多いから、そう急にはできないと存じますけれども、ここらあたりで一つ、相互
銀行
さんの代表がいらっしゃるようでございますから、相互
銀行
の協会としては
中小企業金融公庫
の母法の精神、取扱い方等万遺漏なきよう、いかように周知徹底方を期していらっしゃるのか、その点を承わりたい。
島崎政男
30
○島崎
参考
人 お答えいたします。ただいま先生の言われるようなことを私たちもときどき耳にするのであります。そういうわけで各代理所、公庫ともできるだけそういう
方面
について連絡をして、そういう誤解のないように努力しているのでありますが、また一面実際取り扱っている人に言わせると、また多少逆なところがありまして、自分の方の
資金
ならばいいが、これは
政府
の
資金
でおるから、これについては慎重にしなければいけないというような観点から、必要以上に神経をとがらしている点もありやしないかというような気がいたしておるのであります。 それからもう一つはこれをもって——質問以外でございますが、自分の
銀行
の営業
政策
に使おうというところもあるのだということも聞いておりますが、決してそういうことがないようにしなければいけない、こういう点は、私の方では毎月理事会も開いておりますし、この面について各
銀行
がそういうそしりを受けるということはいけない。取引の有無にかかわらず、公庫の
資金
については厳正にやらなければいかぬ。こういう点でよく打ち合せをし、また公庫とも協議して、できるだけその趣旨が徹底するようにしておるのでございます。
加藤清二
31
○
加藤
清二君 それでは重ねてお尋ねいたしますが、
中小企業金融公庫
の金を借りに参ります場合に、一番人気のいいのは
商工中金
のようでございます。
国民金融公庫
は別なケースでございますが、これは国民から非常に歓迎されておるようです。ところが相互
銀行
へ借りに行きました場合の一例を御
参考
に供しますと、かりに百万円の金々借りたいというて相互
銀行
の窓口に参ります。しかもその金は相互
銀行
の金でなくして、今まですでに御
説明
のありました
政府
の金、すなわち
中小企業金融公庫
の金なんです。そうするとどういうことになるかというと、もともとあなたの
銀行
の立場上これはやむを得ぬことと思いますが、
組合
員になってくれとか、仲間に入ってくれという言葉でもって、月々まず十万円くらいずつを預けて取引先になってくれ、こう言われる。これが半年ぐらい続いた後に初めて百万円の許可が出る。ところがこの月々の十万円は一年間続いて行われる。従いまして、なるほど金は百万円借りることはできたけれども、一年後にはすでに百二十万円預けさせられてしまったという例があるのでございます。何だったら名前をあげてもけっこうでございます。そういうことになりますと、先ほど来お話の引き揚げは強要していないと言われておりましても、なお引き揚げ以上のことがすでに完了されておるということでございます。また歩積みと称して、せっかく借りた——これは別口でございますが、百万円借りても手取りは六十万円ぐらいしか渡していただかなくて、金利だけは百万円の金利を払わされるということが常識のようでございます。もっともこれは市中
銀行
も、金額こそ違いますが、同様なケースで行われておるようでございますけれども、こうなりますと、親の心子知らずということになりまして、母法の精神は完全に没却されたといわなければなりません。このような事実を認めるとか認めないとかいうことは討論する必要はないと思います。もしかりに過去にあった、しかし将来はこういうケースがあっていいのか悪いのか、もし悪いとお考えになりますれば、それに対処するところの態度はどうされますか、この点をお尋ねしたいのでございます。
島崎政男
32
○島崎
参考
人 そういうようなことがないようにわれわれは十分注意しておるのでありますが、もしそういう例がありますれば、われわれとしてはあらためて来月の理事会でこれを取り上げまして、そういうようなことがないように、十分周知するように特別に通知をする
予定
にしております。また同時に全部がそうでないと思いまして、実は東京都内の数字を当ってみたのですが、必ずしもそうじゃない。それから相互
銀行
あたりでは、相互
銀行
と取引をしなければ公庫の金を貸さない、こういう非難もありますが、数字を見ましても、必ずしもそうじゃない。ただ多少そういう傾向があるということは、これは私だけじゃなくて、民間
経営
間においてそういうことをすると、公庫さん自体も御迷惑じゃないかという気もしますので、これは十分徹底するように何らかの
措置
をとりたいと考えております。
加藤清二
33
○
加藤
清二君 直接貸しをこの
委員
会で要望されている原因の一つにも、ただいまのようなことがあるわけでございます。そこで支店を設けろとか、あるいは直接貸しをやれとかいう声になって来るわけなのでございます。そこで私は何も相互
銀行
さん総体が悪いとか、市中
銀行
さん総体がなっておらぬというのではございません。数多い中に間々そういう例がございますると、相互
銀行
さん総体が疑われたり、恨まれたり、最後にはそれじゃもうやめてもらおうじゃないかというような言葉まで、時の勢いとして出て来るわけでございます。そこで今後ほんとうに相互
銀行
さんの精神を御発揮なさって、
中小企業
育成のために御努力いただきたいものだと、これはお願いを申し上げるわけでございます。 次にもう一点だけ御質問いたしまするが、先ほど申し上げましたように、同じように
政府
の命令と申しましょうか、
政府
の意向によってどうしても金がいる。ところがその金が今日ないという場合には、これは当然優先して行われなければならないことだと思いますが、こういうケースが十八
業種
以外にもあるわけなのでございます。さしあたって実例を申し上げますると、この市中の映画
関係
の
設備
改善
ということ、これはすでに厚生
委員
会等におきまして、長期にわたって論議がかわされ、決議までされて、当然にすべきである、こういうことで、その指令が出ているわけでございますが、これについてこられる常設館というのは、直接配給を受けているところの、プロダクションの直接息のかかったところ、つまりもうけが確実にあって安定しているというところだけのように感じます。それは大都会に集中されているようでございますが、むしろ
設備
の
改善
を要する小屋というのは、大都会の大きな小屋でなくて、周辺小都市ないしは地方の小都市の小屋こそ、この命令を忠実に実行しなければならない状態に置かれていると存じます。ところがこの業態はフイルムの配給その他の
関係
で非常に制約を受けております
関係
上、急激に自己
資金
をつくるということは困難のようでございます。もうけは微々ではあるけれども、着実味はある。だから返す用意は必ずあるのだけれども、なお悲しいことに、この十八
業種
の中へ入っていないおかげで、せっかく
政府
の恩恵、親心を受けていないという
状況
でございます。これに対してほんとうは
政府
側の意向を先に聞かなければならぬと存じまするが、公庫側として——せっかくいらっしゃるのですし、
政府
は毎日のように会いますので、いずれなんですけれども、公庫側として、現十八
業種
を十九にふやすと、事務の上にあるいは
貸し出し
の上に、非常に支障を来たすのか来たさないのか。話に聞けば、去年よりは今年の取り扱い得る金額の方が多いようでございます。映画館の改修といっても、一年一度に全部するというわけでもなさそうでございます。ふえた金額を全部充てなくても、なお十分まかない切れる金額程度だと存じますが、この点もし十九
業種
にしたとすれば、公庫側としては、事務運営上あるいは
資金
の回転上、何ぞ悪い不都合でも起きますか、起きませんか、その点を承りたいのでございます。
中野哲夫
34
○中野
説明員
難題の御質問でございますが、映画興行の
設備
改善
の公庫
融資
につきましては、改選前の
委員
会で御決議があったことも承わっております。しかしこれは申し上げるまでもなく、政令指定
業種
の問題でございまして、ただいま御質問にもありました
通り
、
政府
でお考え願うことでございます。その後この問題についてどう考えるか、公庫の
方針
というか、考え方を固めるようにというお話も、実はまだ伺っておらぬような
状況
でございます。従いまして公庫の内部では役員間で雑談程度で出ておりますので、私がただいま考えておりますことも、全く個人的な考えを出でません。従って何らオーソリティのある考え方ではありませんが、映画興行につきましても、一般に世間が感ずるような遊興にのみ堕するものではなくて、いろいろ国民の文化的な、あるいは場合によっては教育的な
効果
も
相当
ある。それからまた今度の
融資
の御要望も、映画館を建てるとか、あるいはきれいな客寄せの
設備
をするというようなことでなくて、便所を直すとか、あるいは通風装置をよくするとかいうような、国民衛生上の見地であるというようなことでございまして、さような
設備
が今日特に大都会の映画館においてははなはだおくれておる。これを
改善
すべきであるという御趣旨は、私どももよくわかる。また厚生省
方面
でもさような
指導
をしておられるように伺っておるのでございます。しかしながら、これは公庫の
資金量
が非常に多いというようなことでもありますればまた別といたしまして、また特に本
年度
は前
年度
に比較しまして、若干そういう
融資
源が
増加
はいたしておるのでございますが、先ほど来申し上げましたような、
輸出産業
を
中心
といたしまして、また
設備
合理化
資金
等にできるだけ公庫
資金
が回るようにというようなことを、
貸し出し方式
矛の他を通じまして、いろいろただいま工夫を加えておるような現況からいたしますと、相なるべくは、さような
資金
は従来の
金融機関
で御調達ができるものならさようにお願いする、しばらく公庫
融資
としては差し控えるのが穏当ではないかというような感じもいたしておるのでございます。これは繰り返すようでございますが、大体私の個人的考えでございます。また別の機会に
政府
御当局とも御
相談
いたし、なお
関係
方面
とも御
相談
いたしまして、いずれかの結論をつけたい、かように考えております。
永井勝次郎
35
○永井小
委員長
時間が経過してたいへん恐縮ですが、もう一人質問者が残っておりますから……。阿左美君。
阿左美廣治
36
○阿左美小
委員
この補てん率を六〇%から七〇%に引き上げるという点に対しましては一応私どもも認めますが、私はむしろ
中小企業
に対する
貸し出し
に対しては、これは一〇〇%認むべきである、こういうふうに考えておるのだが、これに対する御見解を中金の
加藤
理事にお伺いいたします。
加藤八郎
37
○
加藤
参考
人 今阿左美さんからお尋ねございました
保険
の
填補率
の問題でございますが、これは法令できまっておる率でございまして、われわれとしては今どうこうということをできるわけじゃございませんが、しかしこれも一般的な、こういう問題についてお前の考えはどうかという御質問だといたしますれば、個人的にどう考えるかという
意見
を簡単に申し上げてみたいと存じます。いろいろ
保険
の場合の実情を考えますると、なるべく安全率を多くするために
保険
の率を大きくして、そうしてその実害を少くするというような点から申しますると、率の多いほど貸す方から申しましても安全なわけでありまして、できればなるべく補てん率を多くするということは非常にけっこうなことだと私は考えております。
阿左美廣治
38
○阿左美小
委員
今日ここにおいでいただいた皆様は、
中小企業
者に対しては最も必要な
金融機関
の皆様であって、最近ではいろいろの隘路も解決されまして、皆様が
金融
業者として非常になれてきた、非常に
貸し出し
がうまくなってきたというようなことは一応現在認めておると思うのであります。ただ私は、この
貸し出し
の利率が非常に高い、ことに中金の貸出率というものがいずれも三銭以上である。これでただいま
保険
保証料まで入れますと、三銭五、六厘につくと思うのです。これではとうてい現在の
中小企業
というものが
資金
の
関係
から立って行かぬと思う。この利率をもう少し引き下げなければならぬ。現在一般市中
銀行
においても、金利を引き下げるというような
情勢
でありますが、中金といたしましては、これに対してどういうお考えを持っておりますか、
加藤
さんにお伺いいたします。
加藤八郎
39
○
加藤
参考
人 ただいまお尋ねございました点につきまして簡単にお答え申し上げます。
商工中金
の金利が一般に比して高いという御指摘の点は、確かに一般の
銀行
あるいは国民公庫、
中小企業金融公庫
のような公庫の
貸し出し
に比しまして高いのでございます。これは今さら申し上げるまでもなく、
資金
のコストが非常に高い、すなわち預金によりまする
資金量
が大部分を占める一般の
銀行
と違いまして、債券の発行によりまする
資金
が六割、七割というような比率を占めておりまする
関係
上、非常に
資金
そのもののコストが高くつくのでございます。従いまして一般の経費、すなわち人件費、物件費というようなものは極力節約いたしまして、そのいわゆる経費率というものを、一般の
銀行
なんかに比べますると、ほとんど半分近いような経費率でやっておるのでございまするが、それにしても
相当
金利が高くなければいわゆる採算がとれないというような実情にあるのでございます。しかし今御指摘のございましたように、
中小企業
界で最も要望されておりますることは、やはり低利の
資金
であるということでございまするので、何とかして現行よりも金利を引き下げたいということにつきまして極力
研究
中でございます。近く結論が出ると思うのでございまするが、最近一般の各
金融機関
とも金利引き下げの方向を示しておられまするので、われわれもその
方法
にのっとりまして極力下げるように目下
研究
中でございます。おそらくそう時間もかからずに結論が出ると思いますが、結論が出ましたならば、その節に御報告申し上げたいと思います。 なお、これに関連して
組合
のいわゆる手数料、中金から
組合
が借り、それを
組合
から
組合
員に転貸される場合に、転貸手数料として
相当
の高い手数料をとっておる
組合
がございまして、そのために結局中金が日歩三銭でお貸しした金も、その
組合
が二銭三銭というような金利をとっておるようなところさえもありまするので、最終的には日歩五銭とかあるいは六銭というような場合もあるのでございます。結局そういう点も金利を高くしておりまする一つの大きな原因でもおりますので、中金自体の金利を引き下げることに努力いたしますとともに、
組合
が転貸手数料としてとります手数料率もこれを下げるように何とか
組合
の方にお願いしたい、かように考えておる次第でございます。
阿左美廣治
40
○阿左美小
委員
結局中金は
資金
コストが高いのだからやむを得ないのだということは、長い間いつもお伺いをしておるのでございますが、これはどういうふうにすればその
資金
コストを下げて一般
金融
並みに貸し出すことができるかということをお考えをいただきたいと思うのでございます。本日いろいろ皆様からお伺いをいたしますと、どうもきわめて要望が少いので、経過の報告にすぎない。経過報告であるというようなことは、はなはだ
期待
がはずれたわけであって、皆様が一つの
金融機関
として、
政府
に非常に要望するところがあるのじゃないか。こういうところがわれわれは困るのだ、こういうことによって金利も高いのだ、これをこういうふうにしてもらいたいというような要望があるのではないかと非常に
期待
をしておったわけなのであります。皆様が御遠慮なすったのか、現在の経過報告にすぎなかったということは、いささか
期待
はずれであった、こういうふうに考えますが、私は、
中小企業
を
中心
とするところの
金融機関
は特に一般の
金融機関
よりもこのコストというようなものは低いのが当然である、そしてまた、
保険
制度
というものがある以上は、やはり百パーセントどうしてもこれは保証するのが当然である、なぜそういうことを皆さんからもおっしゃっていただかないのだ、こういうように考えるわけであります。 いろいろお伺いしたいこともありますが、何せきょうは時間が過ぎましたので、一つお伺いしますが、いかがでしょうか、商手の割引ですが、
相当
小額の金額でありますれば、三銭以上でもこれはある場合にはやむを得ないと私は考えますけれども、何千万というような金になってきますと、これは金利は非常に大きな問題になる。現在商手割引も三銭でやっておる。これだけでも何とか即時引き下げるというようなことはでき得ないでしょうか。
加藤八郎
41
○
加藤
参考
人 商手割引の利率だけでも引き下げできぬかというお話でございますが、これはわれわれの方といたしまして支所長にある一定の権限をまかせて引き下げることを許しておるのでございます。たとえて申しますと、日本
銀行
の再割引額というような手形については二銭五厘まで下げてほしい、その他これに準じてしるしておる点があるのでございますが、現実にそこまでやっているところが少いのではないかというようなうらみもございますので、その点は注意いたしたいと思います。三銭一律にやっているわけではございませんので、割引の場合に安くするというのもございます。ただ店舗長の判断で割合にそういう引き下げをやっている店とやってない店との間に差があるのでございますから、お話のような趣旨をよく体しまして、極力御
期待
に沿うように努力いたしたいと存じます。 なお引き下げにつきまして、
政府
の方にいろいろ
政府
資金
をたくさんお願いするようにしたいという気持も実はございますが、遠慮しているのではないかという阿左美さんからのお話もございますけれども、先ほど申し上げました値下げの
研究
は、われわれ他力本願ではなしに、自力で、できるだけのところをどこまでできるかという
研究
をしているのでございまして、この上
政府
の方におかれましてさらに低利の
資金
でもめんどう見て下さるということに相なりますれば、それだけさらに値下げをする準備をいたしたいと存じます。 簡単でございますが、私の
説明
を終ります。
阿左美廣治
42
○阿左美小
委員
私の質問はこれで終ります。
永井勝次郎
43
○永井小
委員長
本日はこの程度にとどめます。
説明員
、
参考
人の
各位
には御多用のところ、しかも昼食を抜きにいたしまして、長時間にわたり種々貴重なる御
意見
をお述べいただきましたことを恐縮に存じますとともに、心からお礼を申し上げる次第であります。 それでは次会は公報をもってお知らせすることにいたしまして、本日はこの程度にて散会いたします。 午後一時三十四分散会