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齋藤憲三君 とてもきょう一日で質問を終ることはできませんが、なるべく時間を節約して、もう二、三点お許しを願いたいと思います。工業
技術院の中にあります
ところの各試験所、
研究所というもの、これには一億五千万円とか、八千万円とか、二千万円とか、いろいろ
予算がついておりますが、この
予算の使い方に対しては、われわれは非常に重大な関心を持たなければならないと思う。しかしこれは
実態がわからない。だからこれは全部この
予算を認めて適当に御
研究を願うという
態勢に今なっているわけでありますが、私は東
京工業試験所は一回拝見いたしました。
ところが東
京工業試験所の内容を見ますと、その金の使い方というものに対して、これは
日本の最高の科学
技術の観点から適当であるか適当でないかということの批判は別として、非常に重大な
研究が行われている。
ところが工業試験所でもってあれだけの
研究が行われているにかかわらず、その
研究の結果というものはちっとも一般的に行政の面に現われて来ないのじゃないか。ということは、そういうような
国家機関である
ところの工業試験所の
研究と、いわゆる経済自立の行政というものとマッチしていかないのじゃないかというような点がたくさんあると私は思う。こういう
ところにわれわれも将来注意を払っていかなければならぬと思うのでありますが、官庁としてもこういう点を
一つ十分に気をつけてやっていただかなければならぬ。私はそう思って特に
一つ二つの例を取り上げて御質問申し上げてみたいと思うのでありますが、東
京工業試験所に行ったら拘溶性カリの
研究というものがある。元来カリ肥料というものは水の中に入れるというと水に溶解して全部流亡してしまう。わずか植物がこれを吸収するにすぎない。
ところが東
京工業試験所でやっている
ところの拘溶性カリの
研究の
実態を聞きますと、水には溶解しないで枸櫞酸にだけ溶解する
ところのカリ肥料だ。
ところがだんだん植物の
実態というものを
研究して参りますと、植物のいわゆる毛細根、一番細い根っこからは薄い枸櫞酸が出てくるのだ。それでそのまいた
ところの拘溶性カリ、枸櫞酸にだけ溶解する
ところのそのカリ肥料に植物の根っこから出てくる
ところの薄酸い枸櫞酸が及ぶというと適当なだけ溶解するのだ。だから植物が枸櫞酸を出して拘溶性カリを溶解して自分の必要なだけのカリ肥料を吸収する。だからこの肥料をまけば水に溶解しないのだから流亡するおそれもない。最も理想的なカリ肥料である。しかもこのカリ肥料を取る
ところの石英粗面岩というのは、実質的に調べて参るというと、何億トン
日本にあるかわからない。こういうことなんでありますが、これについてどれだけの
予算措置が講ぜられているかということでありますが、ここに私が手に入れましたのには第一次査定額七百五十万円となっております。これは一体どうなっているのですか伺っておきたい。