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加藤清二君 私は
森山委員と正反対の
意見を持っております。と申しますのは
国産車であまりいいものができないから特別な措置を講じたってしようがないだろうというような御
意見は、これは全くの敗戦主義の
意見でありまして、
わが国の
産業の自立計画、自立経済六カ年計画を樹立しておられる民主党の御
政策にもきわめて反する有毒なる御
意見であると思う。私は実際に照らして、部分品を高く売ってもうけるような
外車をどんどん入れることは、百害あって一利なしと考えております。それはトヨペットのごとく、現在
国内の
需要家が非常に喜んで使っている乗用
自動車がおそろしい勢いをもって進歩している事実に対して、だれも目をおおうことはできないだろうと思う。それと関連しまして、どうも
外国崇拝の念を起させるようなヒルマンとか何とかいうような車を部分品を買ってきて
組み立ててのさばらしているというようなことは、もう必要のない時期になっているのじゃないかということが
一つ。それから
日本でそれらの部分品を買ってきて
組み立てることによって、将来たとえばヒルマンとか
ルノーとかいう
外車と同じような車を作ることが、
日本の原料の点、
技術の点等で果してできるかどうかということをまず第一にお尋ねしたい。それについては、私が通産省や何かの大先輩の方たちから聞いているのでは、まだ
日本の鋼が
外国の鋼のような
程度に達していないというようなことで、かなり困難があるということを聞いておるのでありますが、そういうことになりますと、むしろ
日本の実情に合った
——その精巧なる
程度では若干落ちても、安くて大衆向きで、いなかの悪い道でも歩けるような
日本の国情に合ったところの乗用
自動車を
生産奨励するように指導されるのが穏当じゃないか。非常な
程度の高いハイカラな材料を用い、ハイカラな構造であっても、
日本の道路その他の実情に合わないものを奨励することは当を得ていないのじゃないかということを
一つ考えておりますので、少くとも小型
自動車の面においては
国産で間に合わせるというくらいの
国産奨励の考えがあってしかるべきだと思う。外貨事情も決して油断できないので、自立経済六カ年計画というような
考え方から、それを進めていただく御
意思があるかどうか。
次に大型の
乗用車でありますが、大型の
乗用車は
日本の道路に合わないのじゃないか。
日本の道路には大型
自動車がめちゃくちゃに多くなることは大いに通行者が迷惑であり、同時に大型に合うように道をよくしなければならぬので、いろいろな道路を整備しなければならぬということは、地方自治体の財政にも限度があるので、とてもこれは不可能だ。そういうような
意味から、大型
自動車は大いに
抑制して
——特別に富士・箱根とか何とかいう観光地帯はまた別だ。こういうところは
外車でも仕方がないと思う。使うのは
外国人なんだから、喜ばしてうんと金をとったらいい。そういうような
意味からも、私は少くとも小型に関する限りは
国産車で間に合わせる。大型は
需要をできるだけしぼって、ある
程度に限定させる
方向に向けていく、ある
程度は輸入しても仕方がない、こういうふうにかっちり分けたらどうかということを考える。最もけしからぬと思うのは、この小型の
外車を
外国の
会社と提携して部分品を買ってきてやってるやつでありますが、これはさき言ったように、果して
日本でそれと同じようなものができるかどうかというお見込みを聞きたいのが
一つ。
次にそれに対する関税や価格の問題でありますが、どうも完成車で買ってきていた時代よりも、今は部分品を買ってきて
組み立てると、かえって値段が高いという話があるのですが、果してそうであるかどうか。それから税の
関係で、部分品で買ってくると非常に有利で、税法上均衡を失しているという話があが、それに対して御
意見はどうか。
それからその他こういうふうな
乗用車の
生産について、行政指導の
方針を定められる
参考として、全国の使用者の
意見の世論
調査あるいはその
統一団体等から十分に、正式に
意見を聞かれたことがあるのかどうか。こういうことは私は非常に行政の
内容を正確にするために必要だと思うのでありますが、そういう点はどうか。
まずそうした問題から先に御
質問いたします。この
質問は続きますからさよう御
承知願います。