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大堀政府委員 ただいま御指摘がございました
ように、昨年度は
砂糖の
輸入利益は、船舶その他プラントの輸出業者に対して
砂糖の割当をいたしました。これらの
利益が結局業者に還元されおった。それが
一種の輸出助成になりまして、昨年度は一昨年度に比べまして船舶プラントの輸出が非常に伸びまして、この点につきましてはいろいろ御批判もあったのでございますが、こういった方の輸出もその緒についたということは事実であります。しかしながら一方におきまして、ただいま御指摘がございました
ようにIMFその他の
関係からいたしまして、こういった処置をとることが国際
経済の面から見ましても非難を受けて参ります。こういったリンク制はこの際打ち切らざるを得ないという
情勢になりまして、昨年度をもってこの
措置は打ち切ったわけでございます。
もう
一つ問題がありますのは、これは
国内問題でございますが、結局
砂糖の
利益が輸出の両である程度はき出し過ぎになりまして、輸出
価格を不当に下げ過ぎた傾向がある、こういった弊害もあります。ともかくこの両面からいたしまして、リンク制は適当でないということで昨年度打ち切ったわけでございます。私
どもといたしましては、この一年間国際貿易が次第に自由化して参りますので、日本の貿易政策といたしましても、貿易の正常化ということが第一の問題だと
考えます。ただいまのリンク制を打ち切りましたほか、
バナナ等につきましても、
台湾に対します輸出の見返りに外貨割当をしておったのでありますが、これを打ち切りました。特割制度というものもございますが、これも縮小して参りました。バーター制度といった方法がございますが、これもある程度不当に乱用された傾向がございますので、これもきわめて合理的な範囲に縮小いたしました。全体といたしましては正常化の方向に乗せて参ったわけでございます。その結果といたしまして、
砂糖とかこれらの
輸入が制限されまして、
国内価格と
輸入価格との間に非常に開きのあるものにつきましてはそこに当然過当利潤が出る、今まではともかくもリンク制によりましてこの
利益というものは輸出振興のために還元されておったのでございますが、こういった制度を打ち切りました際に、これらの過当利潤が外貨割当の結果一部の企業者に帰属することは適当でないということからこの法案
立案になったわけでございまして、私
どもといたしましてはこういった状態が長く続くことは望ましいこととは
考えておりませんが、逐次日本の外貨保有量がふえて参り、
経済力が上って参りますれば、
砂糖の
輸入につきましてももう少しノーマルな状態になって参り、過当利潤の問題もなくなるわけでおりますが、その際は逐次こういった制度もなくなっていく、この間の処置といたしましてこういった制度をお願いしているわけでございます。
一方、大へんくどくて恐縮でありますが、私
どもの立場からいたしますと、この
輸入利益をただいま御指摘の
ように
産業投資特別会計へ繰り入れまして、正常な輸出のために使って参りたいということで、これがプラントその他の輸出のための輸銀の融資
資金の一部に充当せられるということになるわけであります。私
どもは、本年度は輸銀の
資金は十分に確保いたしまして、直接の助成
措置は講じませんけれ
ども、各国との競争に耐えていくという意味からいいまして、相当長期の貸付を行いませんとプラント輸出が困難でありますので、その意味からいたしまして、輸銀の
資金はぜひ確保して参らぬと、プラントの輸出に対しまして非常な支障を来たすおそれがある、か
ように
考えておりまして、そのためにこれか一部充当せられることに相なっておるわけであります。
なおもう一点補足さしていただきますと、こういった
措置によりましても、過当利潤のありますものが国庫に入るということが行われません場合に、行政
措置としてこれらの
物資の割当
方式について非常にむずかしい問題を生じて参るわけであります。これは行政上私
どもは非常に困難を来たす問題でございまして、その点につきましても
一つ十分御配慮いただきたい、か
ように
考えております。