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加藤(清)
委員 その総合対策でぜひ一つ承わりたいことは、ナイロンが羽がはえて飛びますし、その上これが品薄のおかげでプレミア付で行われておるようでございますが、これの増産計画と申しましようか、これを一つ資料をもって御発表願いたいと存じます。これはきょうでなくてもよろしゅうございます。
それから次に、きょうはもう一点だけで御無礼したいと思いますが、このことが行われますことによって大紡の方は助かりますが、新紡、新々紡は非常な苦境に追い込まれると存じます。それはすでに御承知の
通り新紡、新々紡は、いろいろな面、金融から税制から、すべての点で窮境に追いやられてしまって、倒産していく新紡、新々紡が多いし、系列の中へ入らなければ食っていけない
紡績が出てきておりますが、これに
繊維製品品質表示の追い打ちをかけられますと、さなきだに困っているこの
業界を一そう困らせるという結果になると存じます。これに対する施策をぜひ行なっていただきたいのですが、その一例を御参考に供しますと、こういうことです。大紡の方は外貨の割当の面からいきまして、新紡、新々紡よりも非常に有利に与えられております。新紡、新々紡は不利なるがゆえに非常に条件が悪くて
数量も少く、ワクがかけられております
関係上、ここにやむなくカード下、コーマ落ちの
材料を買って糸を引かなければなりません。毛の方でいけばくず糸を買って糸を引かなければなりません。やがて
材料が足りないので、ここヘ
スフないしはその他の
化学繊維を入れて食い延ばしをしてておるというのが
実情でございます。N紡のように半年間も一年間もの
材料をかかえてぬくぬくとやっているという会社が片方にあるかと思へば、食い延ばし食い延ばしでまぜものをしてやっていかなければならないという会社がここにある。ところがいい
材料を買うときには外貨がストレートにもらえますが、悪い
材料を買うときには、これは優先外貨だの何だのということで、中にいろいろな思惑や何かがあって、すでに
材料を買う外貨が少い上に、これは非常に高価につくという窮境に置かされているのでございます。これらのものがはっきりと
品質を
表示されることによって、
日本人の、先ほど申しましたノスタルジアとプラス・アルファがつきまして、一そうこの
品物が売れ行き不振ということに相なる。
機場の方では新しいいい糸だけが買いたいのだけれ
ども、この糸も買わないと新しいいい糸をくれないから、抱き合せでやむなくこれを買う、これを織らなければならない。この
製品はやがてものが悪くなる。ところが大紡の自家用機だけは純粋ないい糸だけで仕事ができる、こういうことになるわけでございます。これはやがて新紡、新々紡を一そう窮地に追いやる、こういう結果が生じて参るわけでございますが、これは一体どのような処置をおとりになるでございましょうか。この点、新紡、新々紡も人の子でございます。決して大
紡績だけが、
日本の子供ではございません。ぜひ一つここへも救いの手をまずもって伸べていただきたい、こう思うのでございます。