○
佐々木(良)
委員 今
議題になっている
法案とは直接
関係ありませんけれども、御
承知のように総合
開発関係並びに国土
開発関係の小
委員会が開かれることになっておって、三、四回流れております。きょうもこの
委員会のあとで開かれる予定であったそうでありまするけれども、それがまた流れそうな状態になっております。従いましてその
委員会で聞くべき事項だと思いますけれども、お許しを得ましたので、ちょっと時間をかりまして緊急質問の形で御質問申し上げたいと思います。
あるいはこれは
大臣ひょっとしたら御
承知ないかとも思いまするけれども、総合
開発計画の推進ということは重大な問題でありまして、先ほど申し上げました小
委員会におきまして、数次国土総合
開発の推進の問題について論議を重ねておったわけであります。当時の
政府委員あるいは
説明員の方によりますると、私が、総合
開発計画が非常にあちらこちらでそごを来たしておって、そうして国費の乱費を来たす可能性がある、総合
開発計画を立案する
機関はあるけれども、総合
開発計画を
実施する
機関がないので、あちらこちらでその問題があるということを指摘いたしましたところ、まあ今のところやり方は下手ではあるけれども、具体的にはスムーズにいっているという話でありました。ところが
一つの非常に明らかな例を申し上げまして、善処をまずお願いしたいと思います。
それは御
承知だと思いますけれども、関西の熊野川の上流をせきとめて、そうして紀ノ川に水を流して大和平野の農地造成に役立たせるかたわら、その途中で水を利用して発電所を作るという
計画が進行中であることは御存じと思います。特に私この問題について緊急にただしたいことは、この
計画の遂行の過程におきまして、今発電所はできておるけれども、通すべき水が出ないので遊んでおる。その上に地方の行政官庁との
関係で、今いわばにっちもさっちもいかない状態になっておるはずであります。従いましてその善処を特に要望する意味において、緊急質問の形をかりたわけであります。
計画の出発は、御
承知かと思いますけれども、
昭和二十七年の
審議会で決定をいたしまして——これは三百年来の水の係争事件であります。私は国土
開発法を制定いたします際の参議院における
審議の責任者であります。同時にまたその
一つの施行
機関に相なりましたところの電源
開発法を作るときの参議院の責任者でもあります。同時に電源
開発法が施行されまして、そうして一番
最初に
計画実施を進めるために、電源
開発審議会におきまして、電源
開発会社が施行すべきものと決定されまして、今の総合
開発計画の一端が具体的に前進しかけたのは、二十七年の
開発会社が発足すると同時でありまして、私その
関係の非常に濃厚な責任者でもあります。従いまして
法律を
審議した責任と、実際に仕事を進めてきた責任と両方から、今その結果がまことに遺憾な状態になっておりますから、善処をお願いする次第であります。
当時の
計画決定によりますと、三十
年度、つまり今
年度に、
計画した流域
変更を大体完成することを前提といたしております。つまり三十
年度は熊野
川上流を仕切って、そうして逆向きに大和平野に水を流す
計画が成就する年であります。従いましてその
計画の一端を受け継いだところの電源を
開発する方の仕事、つまりそれははっきり申し上げますと、ダムを作る仕事は建設省、これは総合
開発計画の中の熊野川の治水の仕事であるからということで、猿谷というダムでありますけれども、施行責任者は建設省の責任者、それからそのダタムから水をとって隧道を通しまして、天辻隧道という穴をあけて、つまり流域
変更をする隧道を通して紀ノ川に流す、その隧道を作る仕事の一部と、その道中に発電所を作るわけでありますからその発電所を作る仕事、従いまして
計画中の大体発電に関する部分を電源
開発会社、それから水を流したあと、大和平野に次々に水を入れていきまして水路を作る仕事並びに農地造成をする仕事、これが農林省ということに相なっておるわけであります。この中で進行をしておるのが電源
開発会社の電気工事と農地造成の仕事でありまして、大体建設省の仕事が今停滞をしておるというのであります。
従いまして問題の第一点は、今
年度発電所が二つになるわけでありますが、その下の方のものはすでに六月に完成をいたしております。完成をいたしておるのにかかわらず、ダムの建設の
費用はこれが予算の削減右左とかいうことによりまして、今
年度中に完成する見込みがまずほとんどなし、従ってこれを一体どういうふうに調整するかという点、それから第二点は、もう
一つ緊急なのでありますが、ダムから水を引いて発電所を通さなくても——通さなければほんとうの発電所の能力は発揮いたしませんけれども、紀ノ川の自然流量があるわけです。紀ノ川の自然流量だけで、非常に少い発電でありますけれども、発電所の運転は可能なのであります。二、三千キロという小さい発電でありますけれども、これはダムが間に合わなくても、流域
変更をしなくても、現に発電にはなり得る水であります。ところが御
承知のように仕事をするのには水利権の問題が出てくる。その次には大体工事
実施認可という問題が出るわけでありますが、工事
実施認可がまだほんとうは出ていないのです。発電所ができ上る段階になりまして、何とか早く処置しなければならぬということで、電源
開発会社や役所が
関係をいたしまして、今大騒ぎで何とか工事
実施認可をしようという段階であります。
実施認可さえあれば自然流量の二、三千キロの発電所だけは運転でき、発電は開始するのです。ところがこの工事
実施認可をするについて、
関係府県にきわめて大きないろいろな従来の
関係がありまして、こういうことになっておる。つまり熊野川の上の水をとられるためには、和歌山県は——私はこれは直接
関係があるのかどうかという測定で、ちょっと奇異に感じますけれども、
条件といたしまして、熊野川に沿う二級国道があるわけであります、この国道を通らないところが大体十キロばかりのところと九キロばかりのところと二カ所ある、それを通るようにしろ、それが水を上から切られるための補償の一環として要求されているわけです。そこで
実施認可をするためには、管理県である奈良県が利害
関係のある和歌山県と相談して今建設省に話をする段階であるわけでありますが、今言いましたように、和歌山県は今の道をつける約束を遂行しなければ
実施認可を
政府に要請することに反対だということであります。私はその経過は捨ててもいいと思います。このために現にでき上っている発電所が流れている二千キロの水を目の前にしてほっておいて、運転せずにそのままに放置されているわけであります。
計画は先月の末、六月二十五日かに仮通水する予定でありましたけれども、それに間に合うように官庁手続ができなくてそのままの状態で行き悩んでおります。しかしこれは決して役所の手続の問題ではありません。従いましておそらく
大臣は十分御
承知でないと思いますけれども、私は
委員長との
関係におきまして、二つのことをはっきりとお願いいたしたい。
一つはともかくも国費を投じてそういう状態になっているのであるから、電気の所管
大臣であります通産
大臣は、電気の
関係の施設ができ上っておって、そして水が通せなくて発電できない状態にあるわけでありますから、すみやかに
関係の建設
大臣、それから総合
開発計画の
関係でありますならば
審議庁長官、並びに下流の
関係で農林
大臣と直接に
お話し合いを願いまして、そしてすみやかなる解決をお願いいたしたい。現にでき上って水がたれ流しになっているわけでありますが、大体いつ御返事願えるかという点をまずお伺いいたしたい。
二番目には、これと関連いたしまして、この総合
開発計画をめぐりまして、正不正ということではなくて、いろいろな問題があることを私は
承知いたしております。従いまして、
委員長におきましては、今の
大臣の答弁並びにこれと相待ちまして至急にこの
関係の
審議が小
委員会なりあるいはこの
委員会におきましてやれるような
措置をお願いいたしたいのであります。国会の調査権あるいは調査権に類するものというのは、特に国会で作った
法律の施行の状態におきまして、作った当時と非常に違った
実情がある場合には、国会は勇敢に取り上げてその
法律の意図を達成すべきだと思います。そういう意味におきまして、
一つ委員長に最大の善処をお願いいたしたいと思います。