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1955-06-08 第22回国会 衆議院 商工委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月八日(水曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 田中 角榮君    理事 長谷川四郎君 理事 山手 滿男君    理事 内田 常雄君 理事 永井勝次郎君    理事 中崎  敏君       阿左美廣治君    秋田 大助君       大倉 三郎君    小笠 公韶君       笹本 一雄君    鈴木周次郎君       野田 武夫君    神田  博君       小平 久雄君    南  好雄君       片島  港君    櫻井 奎夫君       田中 武夫君    八木  昇君       伊藤卯四郎君    佐々木良作君       松平 忠久君  出席国務大臣         通商産業大臣  石橋 湛山君  出席政府委員         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (軽工業局長) 吉岡千代三君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君         通商産業事務官         (石炭局長)  斎藤 正年君         中小企業庁長官 記内 角一君  委員外出席者         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君         専  門  員 円地与四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ————————————— 六月三日  委員加藤清二辞任につき、その補欠として飛  鳥田一雄君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員飛鳥田一雄辞任につき、その補欠として  加藤清二君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員田中彰治君及び森山欽司辞任につき、そ  の補欠として南條徳男君及び千葉三郎君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 六月三日  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一二三号) 同月四日  石炭鉱業合理化臨時措置法案内閣提出第一一  三号) 同月三日  中小企業振興対策確立に関する請願(中馬辰猪  君紹介)(第一六五六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  小委員会における参考人招致に関する件  石炭鉱業合理化臨時措置法案内閣提出第一一  三号)  重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置  に関する法律案内閣提出第一一四号)  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一二三号)     —————————————
  2. 田中角榮

    田中委員長 これより会議を開きます。  この際連合審査会開会の件についてお諮りをいたします。さきに本委員会は、特殊物資納付金処理特別会計法案について大蔵委員会に、砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置に関する法律案について農林水産委員会に、それぞれ連合審査会開会申し入れを行なったのでありますが、この申し入れに応じ、大蔵委員会特殊物資納付金処理特別会計法案について本委員会連合審査会を開くことを協議決定し、さらに特定の物資輸入に関する臨時措置に関する法律案について、本委員会連合審査会開会申し入れを行なって参ったのであります。この際大蔵委員会農林水産委員会並びに本委員会におのおの付託されている三法律案は、ともに密接な関連を有するものでありますので、三委員会が連合して連合審査会を開会できますよう大蔵農林水産委員会に対しそれぞれ申し入れることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中角榮

    田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。なお各委員会の意思が合致いたしましたならば、各委員長と協議をして日時を決定いたしたいと存じます。御了承願います。
  4. 田中角榮

    田中委員長 この際お諮りをいたします。総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員長伊藤卯四郎君より、総合燃料対策に関し、小委員会において参考人より意見を聴取いたしたいとの申し出があります。小委員長申し出通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中角榮

    田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。なお参考人の選定並びに日時等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田中角榮

    田中委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。
  7. 田中角榮

    田中委員長 本委員会に付託になりました石炭鉱業合理化臨時措置法案重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律案及び中小企業等協同組合注の一部を改正する法律案議題となし、審議に入ります。この際政府よりその趣旨の説明を求めます。石橋通商産業大臣
  8. 石橋湛山

    石橋国務大臣 ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法案につきまして御説明申し上げます。  一昨年来、わが国石炭鉱業は深刻な不況に悩まされておりますことは周知の通りでありまして、この間約二百の休廃止炭鉱と約九万人の炭鉱失業者とが発生したのであります。しかもなおその不況はとどまるところを知らざるありさまであります。わが国石炭鉱業が、このような深刻な不況を招来した原因は多々ございますが、根本的にはわが石炭生産費が高いことにあると申して誤まりがないと存じます。すなち今日のわが国石炭は、採掘条件のわ悪化、能率低下等によりまして、生産費の異常の騰貴を来たし、ここにすなわち割安な重油国炭が大幅に石炭需要分野に進出することになったのであります。従ってわが石炭はこれらの輸入エネルギー源と競争するために企業採算を無視した価格において対抗せざるを得ない情勢に立ち至ったのであります。加えるに昭和二十八年下期以来のわが国経済界の不景気は石炭需要の減退を招来し、いよいよ石炭企業の困難をはなはだしくいたしたのであります。もしこの情勢に対し、今日抜本的対策を講ずることなく、現状のままに推移いたすならば、わが国石炭鉱業は衰滅の一途をたどり、容易ならざる事態を発生する懸念がございます。  ここに、政府といたしましては、わが石炭生産費引き下げ輸入エネルギー源と十分競争し得る石炭価格を合理的に形成せしめるための抜本的対策をとる必要を痛感いたしまして鋭意検討を進めて参ったのでありますが、このたびようやく成案を得るに至りましたので、すなわちここに石炭鉱業合理化臨時措置法案を提出いたし、御審議を仰ぐことにいたした次第であります。  本案の目的は、第一章にその概要を記してあります通り一定計画に基いて縦坑開さく等合理化工事実施し、また坑口開設制限し、非能率炭鉱整理いたす等の方法により、石炭鉱業全体の合理化をはかり、もって国民経済の健全なる発達に寄与することを目的とするものであります。またこの合理化の効果を炭価に反映せしめるための措置としては標準炭価を設定公表いたし、合理化の進捗に応じて逐次これを低下せしめるとともに、一時的な状況によって著しくこれを上回る石炭価格の生じた場合には、価格引き下げの勧告を行う等の手段によってこれを一定水準にとどめようとする次第であります。  第二章には、石炭鉱業合理化計画についての規定を掲げました。ただいま述べました石炭鉱業合理化のための諸施策を総合的に実施するための措置といたしまして、通商産業大臣石炭鉱業合理化基本計画及び石炭鉱業合理化実施計画を策定公表することを定めました。石炭鉱業合理化基本計画は、昭和三十年度から三十四年度までの長期計画でありまして、その定める事項といたしましては、合理化工事概要炭鉱整備計画概要及び合理化目標等であります。  次に石炭鉱業合理化実施計画は、石炭鉱業合理化基本計画実施するための年度別計画であります。なお政府はこの合理化計画達成のために必要なる資金については、その責任としてこれが確保に努めることを規定いたしました。  第三章は、石炭鉱業整備事業団についての規定であります。合理化工事実施は、必然的に炭鉱操業度向上をもたらしますので、これに伴って石炭生産需要に対応した適正規模集約化するため、一面非能率炭鉱整理を行う必要があります。この整理実施機関として石炭鉱業整備事業団設立いたします。この事業団は、合理化計画に定める整備基準に該当する炭鉱採掘権及び鉱業施策をその事業主申し出に応じ買収するのであります。その目標は大体三年間に、年産約三百万トンに相当する炭鉱を買収する予定であります。これに要する資金は約八十億円でありますが、この財源といたしましては、炭鉱事業主から前年中の出炭量に応じて一律に徴収する納付金と、日本開発銀行及び中小企業金融公庫から貸付を受けている炭鉱主から徴収する納付金との二つをもって充てる計画であります。この後者は開発銀行及び中小企業公庫炭鉱向け貸付金の金利を引き下げまして、その引下げ額に相当する金額を徴収するものであります。またこの措置実施によりまして発生する炭鉱離職者に対しましては、事業団から平均賃金の一月分に相当する金額を支払うほか、未払い賃金がある場合には、事業団炭鉱事業主にかわってこれを弁済できる措置を講じました。なおこの合理化計画実施によって生ずる炭鉱離職者に対しては、それ以外の炭鉱失業者とあわせ、特に炭鉱地帯に諸種の事業を起してこれが配置転換を有効に実施する計画であります。  第四章は、坑口開設制限についての規定であります。生産態勢集約化措置をいたしまして、既存能率炭鉱整備を行うほかに、新規に非能率炭鉱の発生することを抑制するために、石炭の掘採を目的とする坑口開設について、許可制をしくことといたしました。この制度によりまして、既存炭鉱合理化をはかるための坑口及び新規炭鉱については、高能率炭鉱坑口以外は坑口開設を許可しないことといたしました。ただし、この措置はその性質上必要最小限期間にとどめるために、特に三年間に限り実施することといたしました。  第五章は、石炭販売価格及び生産数量制限についての規定であります。上述の措置とともに、生産費引き下げ炭価に反映する措置を講ずることが国民経済に寄与するゆえんでありますので、合理化による生産費低下に応じて、毎年通商産業大臣石炭鉱業審議会意見を聞き、標準炭価を決定公表いたします。そしてもし石炭販売価格がこの標準炭価を著しく越える場合には、その引き下げを勧告することにより、炭価合理的引き下げをはかる措置を講ずることといたしました。なおはなはだしい不況に悩んでいる石炭鉱業の現況にかんがみ、炭価標準炭価を著しく下り、合理化計画達成に重大な支障を生ずるような事態に対しましては、通商産業大臣指示により、生産数量及び販売価格制限に関する共同行為実施し得るように独占禁止法例外措置を認めることといたしました。  第六章は、石炭鉱業審議会についての規定であります。通商産業省に石炭鉱業審議会設置し、合理化計画標準炭価坑口開設制限等重要事項につきましては、これに諮問することといたしました。  以上のほかに第七章に、この法律実施上の補完規定とも申すべき雑則を、第八章にこの法律違反行為に対する罰則をそれぞれ規定いたしております。  なお本法はその目的にかんがみ、現在計画されている石炭鉱業合理化達成せられる五年後に廃止いたす所存でありますが、事業団につきましては、その保有する鉱区に関する鉱害賠償処理に相当の期間を要しますので、その処理の終了するまで存続せしめ得るように別に本法廃止法を定めることといたしました。  以上はなはだ簡単でありましたが、この法案構成につきまして御説明申し上げた次第であります。  政府といたしましては、申すまでもなく一切の偏見を排し、公正無私の立場において考慮した結果、この法案こそ現在のわが石炭鉱業及び産業界実態に即し、その健全なる発展をはかるため最も適切の策なりと信じて御審議を願う次第であります。何とぞ各位におかれましても、政府の意の存するところを了とせられ、御協賛を賜わらんことを切に希望してやまない次第であります。  次に重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律案につきまして御説明申し上げます。  わが国におけるエネルギー消費構成は、ここ数年来、石油需要の急激な増大に伴い著しく変化し、石油、特に重油消費の占める割合が相当大きくなって参っております。御承知のように、わが国エネルギー資源賦存状況は、石炭及び水力がその大部分を占め、石油自給度はきわめて小さく、石油需要のわずか数パーセントを満たすにすぎません。従いまして、最近の石油消費著増は、一方においてわが国国際収支上の負担を増大いたしますとともに、他方において国内におけるエネルギー資源、特に石炭その他の燃料資源の合理的な利用を促進する上からも好ましくない結果となっております。  このような傾向は、これをこのまま放置した場合におきましては、生産の上昇及び国民生活水準向上に伴うエネルギー需要増大傾向と相まって、今後ますます激化するものと考えられ、ひいては国民経済の健全な運行に支障を来たすおそれがあると考える次第であります。  このため政府は、さきエネルギー総合対策を樹立し、エネルギー自給度向上及び国際収支の改善の見地から、国内資源の合理的かつ計画的な開発及び各種エネルギー資源合理的使用を促進する方針のもとに、特に重油につきましては、所要立法措置を講じてその消費分野を明確化し、経済上必ずしも重油使用を必要としない部門、特にボイラー部門における重油使用を極力抑制するとともに、他面、農林水産、運輸その他の重油使用を不可欠とする部門に対しては、その供給確保に努めることといたしたのであります。  法案内容につきましては、御審議の途上逐次その詳細を御説明申し上げる所存でございますが、以下その概要を申し述べますならば、第一に、重油使用を不可欠とする特殊な場合を除き、今後重油ボイラー設置及び重油専焼ボイラーへの改造制限することといたしたことであります。また、既設の重油ボイラーにつきましても、重油使用を抑制するため、必要がある場合には、重油使用量を減少し、または重油ボイラー以外のボイラー改造すべきことを指示し得るよう規定を設けるとともに、その改造に要する資金は、政府においてこれが確保に努力することとし、さらに租税特別措置法の一部を改正して、税法上の特例を設け、その改造費用損金処理を認めることといたしたのであります。  次に、重油使用を不可欠とする緊要な用途に対する重油供給確保するための措置といたしましては、重油販売業者等に対し重油の出荷または販売価格に関し必要な指示をなし得る旨を規定しております。なお法案の付則において施行後十年以内に廃止する旨を規定し、これらの措置は、今後エネルギー総合対策実施推進により、良質安価な国内燃料供給確保されるに至る間の臨時措置であることを明らかにいたしました。  以上が、この法律案提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切に希望する次第であります。  次に、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その概要を御説明いたします。  このたびの改正目的は、本法施行後の経験にかんがみまして、組合の組織及び運営合理化並びにその健全な発達をはかろうとするものでありまして、その内容はおおむね次の通りであります。第一は、組合設立について、従来の定款認証制度設立認可制度に改めることであります。これらによって著しく不健全な組合設立を防止し、組合質的向上をはかり、組合事業活発化並びに組合信用向上を期待しようとするものであります。これに伴い、信用協同組合については、後来設立についての定款認証のほかに事業について行政庁認可を必要としていたのでありますが、組合設立認可をもって事業認可にかえることといたしまして、協同組合による金融事業に関する法律所要改正を加えたのであります。  第二は、役員の選挙方法について、従来の無記名投票による方法のほかに、定款の定めるところに従って、指名推選方法もとることができるようにいたし、その方法を簡素化し、組合運営円滑化ならしめようといたしたのであります。  第三は、組合指導連絡団体として、法的根拠に基く中小企業等協同組合中央会を設けさせることとし、共同経営体としての組合運営合理化及び健全化指導に当らせることといたしたのであります。  中央会の構想の概要は、都道府県中央会全国中央会の二種類とし、都道府県中央会は、各都道府県ごとに一個とし、都道府県の地区内に事務所を有する組合をもって構成するものとし、これらの都道府県中央会をもって全国中央会構成することとしているのであります。中央会事業といたしましては、都道府県中央会については、共同経営体としての組合に対し、従来比較的行届かなかったきらいのある設立に当っての指導経理面指導等の個別的、具体的な指導に当らせるとともに、組合に関する調査研究及び情報の提供を行わせることとし、全国中央会については、都道府県中央会事業指導及び連絡に重点を置き、都道府県中央会事業の健全な発展をはからしめるような事業を行わしめることといたしております。  第四は、従来行政庁は、組合から定期的に業務についての報告を受けることができず、組合指導上遺憾な点が多かったので、今後は、定期的に決算関係書類行政庁に提出させることといたし、行政庁組合との関係を緊密化いたしますとともに、組合実態を把握いたしまして、組合指導円滑化をはかろうとするものであります。  第五は、設立認可制度の採用に伴い、行政庁組合に対する監督権を若干強化いたしまして、組合法本来の趣旨を逸脱した組合休眠組合に対する適正な指導監督を行い得ることといたしたのであります。  以上がこのたびのおもなる改正事項でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
  9. 田中角榮

    田中委員長 以上三案に対する質疑は次回の委員会に行うことといたします。次会は明九日午前十時より会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。    午前十時五十七分散会