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首藤委員 関連して……。ただいま同僚
永井委員から、
中小企業に対して核心に触れたきわめて適切な御質問がありました。ところがこれに対する
大臣の御答弁を承わりますると、実際において
実態を把握していないじゃないかという気がいたしますから、私もこれに対して若干
質疑をいたしたいと思います。
今の
中小企業は、ほんとうに重大段階に当面しております。このまま放任しますと、
日本の
中小企業者は、近く全面的に破産
状態に陥ります。これはいまだかつてない重大な段階にまできておると私どもは非常に憂慮いたしておるのであります。従ってこの際何か抜本塞源的な対策を講じて、この危機に直面した
中小企業の安定をはからなければならぬという点に
政府の格段の配慮を願わなければならぬと思います。ところがただいま税制の問題あるいは
金融の問題、私たちは
永井委員の御
質疑に心から共鳴しておるのであります。この点を根本的に解決しなければいかぬと思います。それよりももっと根本的にどうすれば安定するか。まずこの安定に重点を置いた考え方——安定しますれば
金融の問題もあるいは税制の問題もおのずから解決するのであります。ただあまりにも営業自体が不安定、行き詰まっておる。ここにもろもろの問題が派生してくるのでありまして、これは
大臣の言われた、全部が全部安定するようなことは困難である、こう思いますが、しかしその中にもやはり可能な
方法がある。たとえば
輸入品でありますが、
大臣は先ほど適切な
輸入が行われておると言われるが、われわれに言わせれば適切な
輸入が行われていない。これが
日本の
中小企業者を不安定にしている一番大きな原因だと率直に私は申し上げたい。簡単に申し上げれば、
産業別に為替の割当をやっているものは非常な好況です。AA制をとられているものは全部不況であります。これは事実が証明しておる。あなた方がお調べになったらすぐわかることであります。ここにも法案が出ておりますが、要するに砂糖あるいは羊毛あるいはその他皮革等々、
産業別の為替の割当をしておるものはみな需給は調整され、むしろ供給不足です。従ってそういう業界は必要以上に好況を呈しておる。ところが一方AA制によって自由に
輸入のできるものは、どれもこれも供給過剰、そうして業界は混乱いたし、出血販売をいたしておる。そうして輸出もまた出血輸出をしておる。いわゆる悪循環をしておる。そうして出血の販売をするから
金融がますます困難になってくる。困難になってくるからますます生産をふやさなければならない。生産をふやすから
輸入をますますふやさなければならない。そうして貴重な外貨を乱費しているのであります。これが現在
輸入品による
中小業者の不況の最大原因であります、従ってこれを適切に解決しなければ、幾らほかの
方面の対策をやったところで、
中小企業の安定はおそらく百年河清を待つの観があると申し上げても私は過言でないと思います。よって私はこの際幸い
通商局長も見えておられますから、為替の割当に再検討を加えて、過剰生産をやっているものはその為替の割当を減す、あるいはまた
産業別の割当制に直す、そういう適切な
方法を講ずることが一番効果的だと思うのでありますが、これに対してはどういうお考えを持っておるか、この点をまずお伺いしたい。