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中川俊思君 本件はまことに重大な問題でありますが、私はいろいろお尋ねする前に、
座長に
一つお願いがある。ということは、こうした大きな問題が起ったにもかかわりませず、
所管の、担任しておられるところの
大臣が
旅行をしておられるということは
——旅行しておられたことは、前から
旅行しておられたのでありましょうが、こういう問題が起ったなら、直ちにどこからでも飛んで帰って、そうしてこの問題の対策に専念されるということが、私は
所管大臣としてとられる
態度ではないかと思う。どうも
大臣として、そういう職務に怠慢とでも申しまするか、そういうようなことが末端にすべて浸透するのです。それがこういう問題を惹起されたといわれても、私はやむを得ない問題じゃないかと思うのであります。従って、
座長からこの点につきましては、
一つ大臣に警告を発してもらいたいと思う。私は
与党の議員でありますから、
与党から出しておる
大臣に対してこういうことを言うことは、はなはだ不本意でありますが、しかしこの問題は、
与党とか野党とかいう問題ではございません、大きな問題である。しかも、本年のたしか三月でございましたか、北海道の
雪印バターの問題のときにも、すでにこの前兆が現われておる。しかも、今
衛生局長から承わりますと、六月にすでに
岡山県におきましては、この問題についていろいろな障害が現われておったということであります。二カ月間というものが放任されておったその結果がこういうような重大な問題になりまして、ただいま
局長から承わりますと、本日の午前九時現在、
患者が二千二百九十三名、
死亡が二十一名ということでありますが、今朝の
東京タイムズによりますと、二十六日までに
中毒患者がすでに三千名を突破しておる。
死者が三十四名で、なお続出の
模様があるということが報ぜられておるのでございます。いずれが真かは別といたしまして、とにかくこの問題がだんだんと広がっておるということだけは察知できるのであります。
ただいま
局長から、
厚生省のとっておる
態度について、るる拝聴いたしました。
厚生省といたしまして、そういう
態度をおとりになることはけっこうでございますが、もっと徹底した
処置を私なお願いしたいと思うのでございます。これは厳密に申しますれば、
過失致死罪でございます。従って
過失致死罪に対して
厚生省としてどういう
態度をおとりにならんとするか。
さらにまた、この問題の、今
砒素が入っておるとか入ってないとか、あるいは
MFには入っておるが
MLには入ってないとか、いろいろ論議されておるようでございますが、要するにこの
粉乳を使っておるところの
森永製品に対しましては、この問題が判明するまでは、
販売停止の
処置を講じておられると、ただいま
局長は述べておられますが、
販売停止だけでなく、
森永の全
製品に対して、
一つ営業停止を命ずるだけの私は御
処置を願いたいと思うのであります。これをやっていただかないと、
あとから
あとから、またそういうものを作っておるかもしれない、非常な危険な
状態でございますから、こういうふうな問題に対して、一体どういうお
考えを持っておられるのか。ただ、今お述べになりましたような
状態で、それぞれ各
府県からの
報告を聴取して、そうして
医師会と
協力するとか、あるいは各方面と
協力をして予防に努めておられることもけっこうでございますが、それよりか一歩進めて、
販売停止なり
営業停止を即時やっていただきたい、このことを私は強く
要望をいたしたいと思うのであります。
私はかって、この
ドライミルクではございませんでしたが、ほかの問題でも、非常なだらしない
製品がはびこっておるということを聞いたことがございます。しかし、それは確たる証拠を持っておりませんから、私はここでこれを取り上げようとは思っておりませんけれ
ども、しかし、このたびの
森永の
態度を見ましてもどうも
責任をあまり感じていないように私
どもは看取できるのであります。
MLは大丈夫と思うとか、あるいは
微量であるからこの程度のことで人体に危害はさしてないのではないかというような談話も、
森永の
責任者から発表されておるようでございます。そういうような点で、どうも
森永自身が積極的にこの問題に対して
責任をとらなければならぬという
態度が見えていないようでございますから、これらは別といたしまして、とにかく私
どもといたしましては、
食品衛生の面から、
厚生省として重大な関心をお持ちになるのは当然でございますが、ただいま
局長のお述べになりましたような抽象的なことでは、私
どもは承服できないのでございます。どうか百尺竿頭一歩を進めて、この問題の究明できるまでは、ただいま申し上げましたような
即時営業停止を命ずる
処置を講ずる、かような点について
要望するのでありますが、一体現在
局長としては、どういうお
考えを持っておられるのであるか、御所見を承わりたい。