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岡本委員 そのお言葉を承わりまして、今後とも大いに
大臣の御尽力をお願いしたいと思います。ことに少壮気鋭の
大臣でございますので、党内にあ
つて、軍事費に優先して社会保障費を獲得するということのために、党内世論を喚起していただくようにお願いしたいと思います。
次に、結核療養所の運営費の問題でございますが、この運営費の中で、つき添い婦を廃止して、そのつき添い婦のかわりに常勤の労務者を入れるということをこの間の御
説明で承わ
つた。先般来からも、そういう問題が出ておりますので、たくさんの療養所内の患者さん、あるいはつき添い婦から、私
どもの方へ投書が参っております。私、これはもう一応現況を見てみないことには、
お話にならないと思いましたので、この間連休があったのを幸いにいたしまして、療養所を二カ所ほどたずねてみた。見て参りました施設は、大体六百五十人ほどを収容するところの療養所二カ所であります。その結果によりますと、その療養所の看護婦の定員が、大体今の現員でも十分であるとは思えない。大体一カ病棟に五十名ほどの患者さんが収容されておりましたが、その病棟に大体、外科病棟のように手の多くいるところでは七、八人、九人、少いところでありますと五、六名なんです。婦長を交えて五、六名でありますと、実際六名として婦長以下の者は五名になるわけです。その五名の中から一名は週に一回の休暇をと
つて休みます。それからもう一人は準夜勤で、午後五時から十二時までの勤務につくわけです。それから一名は十二時から午前八時までの勤務につくわけです。そうしますと、患者五十名に六名の看護婦が配当してあ
つても、実働の人というのは婦長を加えて三人になるわけです。そうしますと、それでは内科の
手術をしていないような手の比較的少い患者さんといえ
ども、十分なことはできないのです。患者さんには食事も運んでやらなければならないし、あるいは注射もしなければならない、検温もしなければならない、それから安静度一、二度というふうな患者さんであれば、便も取らなければならない、あるいはときには、からだのあかもふいてやらなければならないというふうな非常にたくさんの
仕事があるのでありますけれ
ども、わずか二人や三人の着護婦が何ぼ一生懸命に
働きましても、その人員では十分にや
つていけない。従って内科の患者さんで、現実に喀血をしておる患者さんが、やはり自分で便所に行っておるし、あるいはまた非常に熱があ
つて苦しい、あるいは動くとせきが非常にひどく出て困るというふうな患者さんも、やはり自分で便所へ行っておるというふうなのが療養所の現実です。そういうような欠陥を補うために、つき添い婦というものが重症患者につけられる何があるわけであります。ところが、そのつき添い婦がなくなって、患者二十五名に一人の雑仕婦に入れかえるということです。ところが病院側では、なるほど病院側の
意見としましては、病院の手でもって全部の人を把握して、自分の手で使
つていきたい、こういうふうな
希望がありましたし、なるほど医者として病人の管理をやっていくという点においては、それは便利じゃないかとも思うのであります。しかし実態を
考えていきますときに、二十五名に一人の雑仕婦が配当されましても、それが三交代になりますと、結局七十五名に一人というふうな配当数になるわけであります。従ってそういう
程度では、とても今つき添い婦がついているような看護というものは行き届かない。従って、収容されておる患者さんは、今まで以上の苦痛をしんぼうしなければならないという現象が出てくるということを私は憂えるのです。
さらに、もう
一つ大きな問題となって参りますのは、外科病棟の場合であります。御
承知のように、このごろはどんどん結核の外科療法が行われておりますが、これは胸を十センチ以上大きく切りまして、そして数本肋骨を切
つて胸を広げて、胸の中に手を突つ込んでやるずいぶん荒つぽい
手術であります。そういう
手術をや
つたあと、患者さんにその
模様を聞いてみると、約十日間ぐらいはとても痛むそうです。そうして、まくら元についておりますナース・コールが自分で押せるようになるのが、大体
手術後十日ぐらいです。十日間くらいまくら元のナース・コールが押せない。そういうような
状態になっておる患者さんからつき添い婦をと
つてしまうということは、相当危険を伴う。入院しておる患者さんに会
つていろいろ
お話を聞いてみたのでありますけれ
ども、自分の家族の者につき添いに来てもら
つても何にも役に立たない。自分の母親であるとか、あるいは兄弟であるとかいうような人に来てもら
つても、病院の勝手はわからないし、それだけでなしに、そういうふうな
手術直後の患者さんの扱い方になれておらないから、どうしていいかわからない。こちらがまたものを言おうと思っても、二、三日、数日間というのは、ものを言うのも苦しい。従ってこっちが言わなくても、してほしい人、よくなれた熟練者、つき添い人がいないと困る、こういうふうなことを申している人がある。この話は、私と医者とそれから患者さんと三人でもって——別に、例の患者グループというものがございますね、そういうようなものであるとか、あるいはつき添い婦であるとか、そういう人がそばにお
つての話じゃないですから、患者の
ほんとうの
気持だと思います。そういうふうな話でありまして、また医学
自体も、何かつき添いがないと、外科の胸郭内の開胸術のような
手術は不安で困る。というのは、重体になるとナース・コールを押せなくなるからです。重体になって容態が危険に瀕すれば瀕するほどナース・コールを押す力がなくなるのだから、従って、絶えずそこに一人ついている者がなければ、開胸術というような
手術はどうも不安で困るという
意見もございまして、私はそういう各方面の
人たちのいろいろな
意見を聞きますときに、つき添い婦をなくすことは人道的な問題じゃないか、単に
経費の節減であるとか、あるいは病院の管理運営の面での便不便とかいう問題を乗り越えて、とにかくこういう重症の、ことに
手術後の患者には、つき添い婦をどうしてもつけるようにしてもらわなければいけないと思います。従って、
厚生省の方で今お
考えになっているところのつき添い婦廃止という問題は、思いとどま
つていただく必要があると
考えるのでありますが、
大臣はどういうようにお
考えになりますか、お伺いしたいと思います。