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米田証人 ここに夏休み学習帳
編集実行表というのがあるので、これをごらんいただきながら私御
説明申し上げればわかるのですが、一応ここで
説明を申し上げます。
昭和三十年の夏休み学習帳に例をとって、どのような編さん
活動が行われたかということを御
説明申し上げます。
十一月に、
編集方針、内容、原々稿担当地区、
編集日程等の決定を全道の文教部長
会議で行なっております。この全道の文教部長
会議では、この学習帳編さんの基本的な
方針が討議決定になりますので、この文教部長
会議に出席する各地区、市
支部の文教部長は、あらかじめ流されていた
編集方針等の原案について、各
支部から文教部長を招集して各地区ごとにこの討議が行われます。また、
支部からこの地区の文教部長
会議に出席をして討論をする以前に、各
学校班ごとにその
方針原案について討論を行います。そういうふうにして、
学校班から次々に
支部地区、全道
会議と、その討議を重ねて、全体の意見を持ち寄ってここで決定をするのであります。従って、三十年の「夏休み」については十一月にその
会議を行なっております。それから次に、原原稿担当地区の文教部長
会議、これは地区の
会議です。全道の文教部長
会議で
方針が確定せられますので、その確定した
方針に基いて、今度は地区で文教部長
会議を行うわけです。この場合は十二月に行なっております。そこで、割り当てられた地区は、地区内で原々稿作成上の留意すべき点を検討のために、
教科サークルなどに連絡したり、
会議を開いたり、あるいは各
支部の代表者の
会議を開いたりして、これが仕事の進め方についてこの
会議で民主的に検討をいたします。次に、この地区は、さきに申しました討議の結果によって、直接執筆する
委員だとか、仕事の分担だとか、
日程だとか、細部の計画についてこの際に打ち合わされるものであります。この地区の文教部長
会議は大体小・中別におのおの十名であります。次は、原々稿の作成、
地区支部内における割当決定のための町村文教部長
会議が同じく十二月に、その後に開かれます。ここでは、原々稿の作成担当は小
学校、
中学校を合せて十地区であります。そこで、一地区は平均四つの
教科を担当して研究することになります。本年度の
夏休み帳の例をとりますと、四
教科で、十地区が担当し、それが二十五カ町村、これは一地区の平均ですが、人数にすると、この町村文教部長
会議で決定をして
活動をする者は、延べにして大体千五百人になります。大体一・五日くらいの
会議をやっておりますので、延べ千五百人が
活動することになります。次に、執筆者による資料収集、学力検査の検討という仕事があります。執筆者は
最後に直接執筆する人ですが、地区ごとに四
教科で四人であります。この四人の力ではとうてい地区内の学力の
実情だとか、全道的な資料の検討だとか、さらに全道教研大会の
結論などの検討は十分に行うことが不可能でありますので、そこに多くの
教職員が動員せられて組織的にこれらの執筆
委員の仕事を助ける
活動が行われるわけです。その仕事に動員される者は、
教科別四人で、十地区、一地区二十五町村でありますので、千人の五日——この仕事は大体一人平均五日を要する仕事であるということで、延べにして五千人の動員が行われるということであります。その次は第一回の執筆者
会議、これは小
学校、
中学校各一日でありますが、おのおの三十名集まります。地区内の多くの人々の協力によって集められた諸資料といろいろな意見をここに代表して携えて集まるわけですが、
編集方針あるいは
編集の企画等を話し合いをして確認し、低学年、
中学年、高学年の部会に分れて役割りを定め、その
日程をきめます。次は執筆者による原々稿の執筆でありますが、これは今まで積み重ねてきた仕事を
最後に集約する役ですが、一人が約一週間カン詰でこの執筆作業に当ります。さらに、第二回の執筆者
会議が小
学校、
中学校別に行われます。これは大体通例二泊三日の泊りがけで、おのおの小・中別に約三十名集まって、ここでいよいよ
最後の検討を加えて原々稿が作り上げられるわけです。この原々稿というのは、ここに私持ってきておりますけれども、こういうものが、
最後にこの
会議で作り上げられる。
最後は、この仕上げた原々稿を各地区に発送いたします。そうして地区ではこれをリプリントしたりして
支部に送ります。そうして
支部はまた
支部の
責任で
学校班に戻す。そうしてこれが再び本部の方に返ってくるときには、全部付せんがついて、各
学校の討議の
結論がそれぞれ意見となってつけ加えられて、これがさらに
支部、地区、全道
会議と、逆にこの原々稿が批判されて返ってくる。これが原々稿の発送と原々稿の審査検討の問題であります。
そこで、十地区で作られた原々稿は、地域的片寄りがあるのではないか、あるいは町村の
教育計画とはなはだしいずれを生じていないか、また、この中に盛られた、問題に取り上げられたものに不適当なものはないかということが主として詳細に検討せられます。大体これらの検討の会は集団的に平均二回くらいの会合を持って
結論を出します。この原々稿の検討審査に動員される人員は、ただいま申し上げましたように三千余りの学生班が一道におりますので、組織的にこれで討議が行われますから、八千七百人が、この原々稿審査の
会議に直接加わっている結果になっております。
それから次に、全道
編集協議会というのがあります。これは原々稿について全
教職員の意見が、まっかになって付せんがついて上ってきたものを、最終的に討論をして、こrの取捨選択を行うわけです。そうして、その結果、原々稿とはさらに校正された別の原稿がここに発生するわけです。その完成した原稿を評論社に渡して
発行していただくわけです。
そういう経過になってきております。