○佐々木(秀)
委員 聞いたことがないと言われれば、それ以上ついても仕方がありませんが、あなたは、
日本書籍の
編集顧問をやり、しかもその
編集のことについては大した
仕事もやらなかった。そして月に一万円のいわゆる手当をもらっておる。
昭和二十七年に
日本書籍が
福島に
駐在員を置いた。
駐在員を置くということは、やはり
販売の拡張でございます。その
販売の拡張をする
今泉という人をあなたがお世話した。そうしてその人に対するいわゆるお手伝いをしたような御
証言をいただきました。
助言することもこれはお手伝いです。そうすれば勢い
採択方面にあなたが陰に陽にお手伝いしたということは当然じゃないですか。それは決して悪いことじゃないですよ。あなたはしいてこの
採択面に対しては全然関知しない関知しないと言っておりますが、私がもし
日本書籍のいわゆる顧問であり、一カ月一万円でも五千円でも手当をいただいておれば、その
会社のために尽すということは、これは社会の通例であります。ことさらに、そのことに対して、私は手伝いしない、何を売ろうが売るまいがそれは
会社の勝手だというような態度でおられたかどうかということは、私は疑いを持たざるを得ません。
そういう点から
一つ承わりたいのは、この
採択の数字であります。あなたが
日本書籍の顧問をやられた、そうして今度三社にきめた各
会社の
採択部分が
福島ではどうなっておるかという数字であります。あなたのもとにまだ資料がないということでございましたが、
昭和二十八年、二十九年、三十年というように三年にわたる統計がございます。中学の分を申し上げますと、
日本書籍は
昭和二十八年には四万一千五百八十五冊、
昭和二十九年には四万六百七十冊、それが
昭和三十年になりまして十二万四千百二十八冊、大体
昭和二十八年から三倍の売り上げになっております。一方、東京書籍が、
昭和二十八年には十五万三千六百七十八冊、
昭和二十九年は十四万七百四十四冊、三十年になって九万六千三百二十九冊、他の
会社はみな少くなっております。しかるに、あなたが顧問をしております
日本書籍は約三倍以上になっております。こういうことは、数字が現わすように、あなたないし
日本書籍の
駐在員を初めとしての
販売の拡張というものは
福島では非常な勢力を得てきた、こういうふうに私は見るのであります。こういうように
日本書籍が三倍以上の成績を一、二年のうちにあげてきたこの事実は、どういう点が原因でございましょうか。書籍がよかったからでしょうか、それとも、
採択部面に非常な活動があったのでしょうか、宣伝がよろしかったのでしょうか、先生方に理解させる点が十分であったのでございましょうか、この数字に基くあなたの感想を承わりたいと思います。