○佐々木(秀)
委員 料理屋とか旅館とか、さような場所においてやることもあると言いますが、大体そういうところだけでやったのじゃないですか。ここに全国から投書がたくさん来ている。これは全部読むわけには参りませんが、
先ほど神田
委員からも御
証言を求められておられましたので、その中の
一つだけでも読んでみますが、これは仙台市のある
小学校の教員です。ちゃんとその
学校の名前も書いてありますし、それから
先生の名前も書いてあります。匿名によってよこしたものじゃございません。そういう投書がたくさん来ているのです。あなたの
会社のことについても来ておりますが、これが事実かどうか承わりたいと思います。「
教科書のことがいろいろと問題となっているが、仙台市でも来年の
教科書選定
採択決定にあたって、われわれ
現場の
小学校教員として全く困ったことになってしまいました。それは
小学校の
算数の
教科書についてですが、私の
学校では昨年の
展示会で
研究の結果G社の
教科書がよいという結論が出て新一年生用から
採択することに決定して今年から使いはじめています。これから二年、三年……と高学年に使っていく
指導計画をたてて進めていましたところ、今年は市の選定
委員会で今まで高学年用として残っていた一社」——T社というのはあなたのところの
会社です。「T社の
教科書を来年の
教科書として全学年使うように決められてしまいました。これは
現場のわれわれ教員の代表がきめたことですから、われわれはこの決定に従わなければなりませんが、ここに問題があり不合理があるのは、私の
学校だけでなく当市における大部分の
学校が昨年の
展示会で
研究討議の結果低学年からG社の
教科書を使うことを
希望して決定し、一年だけを今年から使いはじめた
学校と、二年までの
学校、三年まで使いはじめた
学校と、
学校によって違いますが、市内の二〇校位の
学校が今年から使いはじめて順次高学年に及ぶ
指導計画をたててやりはじめていたわけです。ところが、今年の決定は、今まで高学年に残っており次第に少くなって行くことになっていたT社の
教科書一本に統一するようにわれわれ
現場教員の意志を全く無視して決められてしまいました。これは一体どういうことなのでしょうか。昨年の
展示会で仙台市
小学校算数の
教科書として決定して今年から使いはじめたものを、一
年間も使ってみないうちに、使いはじめたばかりですぐ又すっかりかえてしまうようなことをしてもよいものでしょうか。もっとも慎重に
研究されるべき
教科書の
採択がこのようにして決められてよいでしょうか。これについてわれわれのような下端の
小学校教員でもいろいろなことをきいて知っており、全く義憤を感じております。当市にはT社の仙台工場があり、T社のY社長」−Y社長というと、あなたの
会社の山田社長です。「Y社長は当市の出身で当市のK
小学校はY社長の母校です。Y社長が本社の
社員をいつも三、四名連れて度々当市にやって来ていることは誰でも知っています。相当なお金がバラまかれ、流されていることも知っています。或は寄附という名目でしょうが、又
展示会前の四月、五月には市内一流料亭東洋館で校長、教頭、教主任級(
研究会の幹部)を次々に招待して豪勢な宴会がしばしば開かれた事も事実であり、みんなが知っています。又今年の四月まで全国
小学校々長会の副会長であり、宮城県仙台市
小学校長会長であったY氏が退職と同時にT社の
編集顧問という名目で高給をもってT社にかかえられ、このY氏が従来のT社の
駐在員とともに特別な動き方をしていることも知っています。今年から使いはじめているG社の
教科書が特に悪いのなら仕方がありませんが、
現場で今年から使いはじめてこれから
研究していこうというところを、僅か一年も使用しないのにやめてしまうし、T社の
教科書に統一するというのですから、こんな無茶なことはありません。こんなことがあってよいものでしょうか。全く不合理極りないけしからぬことです。われわれ純粋な
現場の
教師は困惑しています。」、その他いろいろ書いてあります。これは、仙台から、
学校の名前までちゃんと書いて、匿名ではございませんから、こういう事実をあなたから御
証言いただいて、そして、もし食い違う点があれば、あとでまた
証人として聞いてもよろしいとわれわれは考えております。また、これは淡路島の方だと思いますが、一行か二行だけ読みます。「これは淡路島で起ったことですが、今年の二月の末の日曜日のことだったと思います。
東京から
教科書会社の重役が来て
洲本市の
鍋藤旅館に校長
先生や
先生方を四十名位集めて芸者連をはべらせ呑めや歌えか大さわぎでした。
東京の
教科書会社は
東京書籍という
会社で、重役は弥永氏ということもわかりました。そして、酒宴の席が終ると帰りの旅費と称して
先生方一人当り五千円ずつ渡したこともわかりました。」、こういうのもあります。それから、これは群馬県であります。「実は六月十四日夜桐生市駅前のある旅館で
東京書籍という
会社の相沢という人と、もう一人か人が来て桐生の社会科の
先生たち十名位を招待して、(
先生の名前は西小の新井、西沢
先生外)」——ちゃんと名前も書いてあります。「芸者十数名をあげてどんちゃん騒ぎをやったと聞きました。なお、その時多額の金銭までもらったということです。これは完全なる饗応買収です。」、読み上げれば、全国から教員の名前、
学校の名前まではっきり入れて、こういうことを言うてきているのです。そうすると、あなた方の今までなさった
証言の中の
研究会あるいは
講習会というものは、ただ単なるカモフラージュするための、世間に通りのいい名前でもって招待をして、そして旅費と称して旅費以上の金を預けて
採択をやっていただく、たくさんの本を売ることに
努力したのじゃないでしょうか。私たちはそういうこと以外に解釈できないのです。このように、全国からみな来ているのです。しかも名前をあげて事実と称して来ているのです。おもしろ半分によこしている投書ではないと私
どもは考えておるのでありますが、それでもなおかつあなた方はほんとうに
先生方の
意見を聞くためにお集まりを願っているのだということを言い切ることができますかどうか、それをはっきりとお答え願いたいと思います。