○高津
委員 一冊の地図帳の中に三カ所もある。日本は講和条約の第二条C項において、戦争によって奪ったところの権利、権原及び請求権を放棄するということをサンフランシスコの講和条約で吉田さんが気前よく向うへやったんですよ。そうして、ヤルタ協定その他で、それはソ連のものであるということにソ連もちゃんと
考えておるし、各国もそれを文書にはしないが了承しておるわけです。それを、日本がちょうど日ソ交渉をするときに当って、本年から、すなわち三十一年度の
教科書から北緯五十度の線に日本と国境線をわざわざ作って、南は色まで変えておる。こういうようなことをやれば、これでも腹を立てないのか、これでもかこれでもかというように向うを刺激することになるのでありますが、そこまで文部省が色を変えよと言ったのか、他の
会社は、国境線が明確なだけで色を変えるまでには至っていない、国境線をはっきりつけておるのにとどまるのですが、あなたの
会社は色までつけて、日ソ交渉やソ連との間が悪くなるようにやっている。無人の島である小さな竹島でさえ大問題になるのに、あのやかましいソ連に対して、勝手に日本からこの樺太のまん中に線を入れて、全部小学生、中学生に読ませるということになれば、非常な外交問題になると思います。これは、外務大臣の
意見を聞かねばならぬし、最後に文部大臣を呼んでちゃんと
意見を聞こうと思いますが、そういうような日ソの国交が円滑性を欠くようなことを、二葉の人が文部省にこびて
——文部省は色までは言っていないのではないかと思いますが、あなたはわからないと言われるから、どうか
委員長は、文書をもって、
編集者がどういう口頭指令を与えられたのであるか、本
委員会に対して回答をとっていただきたいと思います。これだけを
委員長にお願いをして、私の質問は終ります。