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中川(董)
政府委員 仙台市における事案につきましては、ただいま御発言がありました
通り、前会におきましては参考人等の供述を
中心にしての御審議がございました。参考人出席のもう
一つ前の
委員会におきましても、仙台の問題につきましていろいろ御
事情を拝聴いたしましたので、そのときもお答え申しました
通り、
全国の
事件を私
ども根こそぎ知っておるわけではございませんので、本件事案の様子等につきまして詳細調査いたしたいと自分たち考えまして、私
どもの方の職員を仙台市に派遣いたしまして、仙台における四月三十日施行されました
市長選挙に関連する
選挙運動、ことにそれに伴う
選挙事務関係の関連捜査等、こういった問題につきましていろいろ現地について調べさすようにいたしたのであります。調査員が帰って参りましてその調査員の復命を私
ども聴取いたしましたので、その復命を
中心にし、その後また仙台の
警察当局が本件事案の真相発見のために努力している現状等を、今後の
事件の捜査の進展ということのために秘密の点は若干ごかんべん願いたいと思いますが、それ以外の点につきましては御報告申し上げたいと思うのであります。
まず、問題は数点ございまして、各項目にわたりますが、大分けして申しますと、
投票所の投票開票事務等に関連し、また票の勘定その他に関連して、投票増減のことがあったかなかったか、こういうことが第一点であります。第二の点は、関係者のうちで暴行を受けた者がある
——これは主として刑法犯になろうかと思いますが、刑法犯の暴行等の
犯罪があったかどうか、こういう問題が第二点でございます。第三点は、当該
選挙運動期間中に
文書等が
頒布されて、その
文書等が
公職選挙法に触れる
行為等があったかどうか、こういう三つに大分けすることができるのでなかろうかと思うのであります。
まず、第一点の投票増減等につきましては、かねがね当
委員会におきましても相当御研究でございますし、いろいろこの前の参考人のお話も私拝聴しておったのでございますが、仙台の
警察におきましては、
投票所内部のできごとでありましたので、そういった
事情を発見することが比較的おそくなっております。発見いたしましたのは、あそこの地元の新聞に、こういう投票の勘定違いがある、こういうことが掲載されましたので、これは何かおかしいことがあったのでなかろうかと一応推理いたしまして、いろいろ各方面に
事情を聴取しております。この投薬用紙はどこで製作されたものであろうか、どういう方法で入手されたものであろうか、開票当時においてはどういう人たちが立ち会っておられたか、開票後投票がどういうふうに運ばれていったものであるか、その後現在民事手続で民事裁判所で検証等が行われておりますが、その結果はどうなっておるか、こういう点を
中心に調べております。ことに、当
委員会で御発言がございまして、書き面しがあった、一応投票用紙には甲という人物を書いておきながら、それを消して乙という人物を書いておる、こういう点があったという点も明らかになりましたので、書き直しについて
犯罪ありやなしや、こういう点を現在慎重に捜査しております。ところが、書き直しがあるかどうかという問題になりますと、筆跡鑑定とかそういう科学的な方法を用いなければなりませんので、そういう方法を用いまして、本件投票、開票関係事務その他に関連して
公職選挙法に触れる
行為があったかどうかということを、現在仙台の
警察では、発見が少しおそくなった点は確かにあるのでございますが、その後当
委員会におきましても有力な資料をいただきましたので、現在仙台地力
検察庁と十分な連絡のもとに鋭意この真相の究明に努力しております。
内容が、そういう筆跡鑑定の問題にからみ、あるいは
投票所内部の問題にからみ、相当多面にわたっておりますので、相当慎重な調査を遂げて、われわれ
犯罪関係としては、何のそれがしがこういう
犯罪をしたという被疑者を割り出さなければ捜査はできませんので、その被疑者を割り出すということ、また被疑者があるかないか、ほんとうの書き損じなりやいなや、それとも悪意をもって書いたものであるかいなやという点は、筆跡鑑定その他科学的方法を基礎にいたしまして捜査する、こういう態度を地元
警察ではとっております。
第二点の暴行にかかる問題でございますが、本年四月二十日午後二時三十分ごろ、仙台市内にブラザー軒という料亭があるようでございますが、そこにおきまして
候補者の
運動員であられます半沢正二郎氏が反対派の
運動員らしい者から暴行を加えられた、こういう要点を地元仙台
警察署で聞知いたしました。直ちに地元
警察署におきましてはそのブラザー軒について調査いたしたのであります。ところが、暴行があったということがはっきりいたしませんので、翌日係員は、一応被害者と考えられる半沢正二郎氏にお目にかかりまして、その間の状況を詳細に聴取いたしております。そうすると、そのときの半沢さんが調査員におっしゃる要点は、ここの診療所の会合がありまして、若干酒などが出た、それで自分のかつての同僚との間に、自分は早く帰ろうとするのを、いやもっとおってくれやというて引きとめるという工作が行われた、そのために酔余の結果引きとめるというようなことがあったけれ
ども、暴行等のことはなかった、こういう供述がありましたので、仙台の
警察は暴行ということが立件できないと考えておったのでございます。私
どもの調査員は、それがほんとうに半沢さんがおっしゃる
通りであれば問題はないのでありますが、半沢さんがまた何者かの脅迫等を受けてそういうことを言っておられるのじゃなかろうかということも一応考えられましたので、詳細いろんな点を関係者について調査して参ったのでございますが、現在までのところ、その酔余の結果引きとめられた人物は、何か伝うるところ兄弟の関係にありまして、二郎さんと五郎さんという兄弟の二人があるのでありますが、その五郎さんと二郎さんの人違いというようなことに関連して、相当うわさも広がっておるという
事情等もありましたような状況でございます。そして半沢さんに繰り返し私の方の調査員が調べましたところ、現在口分は暴行を受けたことはない、ことに
警察がこの
事件をうやむやにしておるとは思わぬ、こういうふうな供述をしておるのでございますが、一応現在の調査はそういう状況でございますけれ
ども、さらに捜査を続けまして、何者かによってこの半沢さんが事実と異なる供述をなさっていらっしゃるとすれば、またそういった点も大いに内偵する必要が認められますので、そういった点をいろいろ現存調査中でございます。まことに恐縮でございますが、皆さんにおかれましてさらにこういった暴行があったという資料等が今後入手されました場合におきましては、
警察の調査に御協力願えれば幸いだ、こう思っておるのであります。皆さんの御協力を仰ぐとともに、
警察におきましても、さらにこの事実の真相が半沢さんのおっしゃる
通りであるかどうか、こういう点はさらに捜査を続行する考えでございます。
それから、その次に、
文書関係でございますが、
文書関係につきましては、当
委員会にも御呈示がありまして、赤で云々とかいろいろ二、三の文献を私も拝見いたしましたので、それに基きまして調査をいたしております。ことに飛行機の問題等につきましても十分調査をいたしておるのでございますが、ただ、御指摘になりました
文書は確かに仙台市に出ておるような状況であったようでございますので、そういったものをだれが
頒布したか、こういう点を現在非常に周密に調査内偵を行なっておるのであります。ただ、飛行機の点でございますが、飛行機の目撃者等につきまして、いろいろ各方面を今四方八方手を尽して調べておるのでございますが、そういうことを目撃した者があるという話を聞知した方は相当に多いのでございますが、現実に飛行機を見たという人間はまだ発見できないのであります。一応私が見たという方がいらっしゃいまして、その方にお尋ねいたしましたところ、だんだん
事情を聞いて参りますと、自分は自分が見たのでない、他の人が見たということを自分が聞いた、こういうような供述でありましたので、ほんとうに見た人たちを探すべく努力しておる次第でございます。他面、当日四月二十八日、二十九日前後に飛行機があの方面を航空したかどうかということを捜査するということも可能でありますので、航空の調査監督機関である逓信官署等につきましても調査いたしましたところ、逓信官智の調査によれば、当日仙台上空をこういう
選挙文書を持って航空したものはないような状況でございます。従って逓信官署に対する手続を経ずして、何者かが仙台の上空を飛んだということも考えられるわけでありますが、そういった意は、目撃者を発見し、いろいろな点を総合し内偵を進めて参りたい、こういうふうに地元の
警察では努力をいたしておるのでございます。仙台におきましては、そういうふうに、伝聞と申しますか、比較的伝聞で御存じの方が多いのでありますが、現実に見たという人が発見しがたくて、現在捜査上非常に弱っておるのでございますが、そういったところの目撃者ないしはその被疑者の割り出しに今後とも大いに努力する、こういう態勢を続けておりますので、その捜査を進捗せしめたい、こう思っておるのでありますが、
警察におきましても大いに捜査に努力いたしますけれ
ども、その目撃者その他関係者の方の御協力をお願いして、事案の真相の発見に努めて参りたい、こう考えておる次第でございます。