○森(三)
委員 中川さんにお尋ねいたしますが、あなたはこの
事件を知っておって
答弁しておるのですか、ただ、知らずに、私らが今ここで
質問をしたので、立ち上って、これは大へんだ、何でもいいから
地元の
警察が
過失がないということで
答弁しようと思って
答弁しておるのか、それをまず聞きたいと思っております。この
事件を知っておって
答弁しておるとすれば、あなた自身非常に大きな
過失を犯しておる。知らないで
答弁しておるとすれば、
仙台の
警察をかばい過ぎる余り、当
委員会をまことにあなたは軽視したと言わざるを得ない。あなたの責任は重大だと思うのです。
そこで、私はさらにあなたに対してお尋ねいたしますが、この
事件というものは、もう五月十四日に、
証拠保全の結果、同地裁の手で
投票用紙、
投票、
開票録などの点検が行われていたが、一カ月ぶりで終了したというのです。そうしてこの
証拠調べで、一束五十票であるべき束にひどい
過不足があり、市選管が決定した
投票総数を上回る
幽霊票が三十二票も出てきた。その上に
投票用紙の包みの封印が破られていたこともわかり、
選挙の
開票係に疑惑が持たれるに至った。しかも私が先ほど言った束の数もみなはっきりわかっておるのです。従って、あなたが裁判の
進行を待ってとかなんとかと言うこと自体は詭弁であるし、ちゃんと票数も、たれに何票あって、全体の
有効投票が幾ら、
無効投票が幾ら、束の
過不足は幾らかということは、はっきり
選挙部長にもわかっておるようです。発表にもなっておる。ですから、先月五月十四日に終了したのであるから、その翌日からでも
警察は活動して差しつかえない
状態に入っておるのですよ。それを現在までやらないということは、これは怠慢というばかりでなく、深く
事情を話せば、すなわち
当選した
岡崎栄松という人は前の
仙台市長です。よくあることですが、やはり長い間やっており、四年間もやっておれば、
警察署長と酒を飲むこともある。
警察の連中にも、
選挙が近づきますと、寒けいこをやれば金一封と酒を出すとか、剣道の大会があればお祝いを出すとか、
市長が行って激励の辞やあるいは訓示をやったり、
選挙が近づくと
市長さんでも一生懸命
選挙運動をやるのです。
警察に対しても御奉公しているのです。
警察の心理としても、やはり現職の
市長を勝たそうという頭がある。だから、
選挙になっても、現職の
市長の方には肩を持ってなるべく手を入れない、そうしてその
反対のやつをたたくということもやりますし、それから市の
選挙管理委員会というものも、
開票の場合にはやはり現職の
市長の方に肩を持つ場合が多い。これは市の
選挙管理委員会ですから、給料はすべて市選管として市の
会議を通して払うわけであります。結局、
事件の内容を裏から申せば、現職の
市長さんを
当選さそうという思惑によってやられたことはもうはっきりしておる。だから、あなたは
事件の
真相もまだお知りになっていないわけですから、あなたが今後公平な
警察の手でもってこの
事件を
調べるならば、はっきりと多くの
事件があがってくる。そうして、私はさらに
言葉を続けて申したいのですが、ここに
一つの殺人
事件があったとするならば、
警察はとんでもない大騒ぎをします。そうしてこれが自殺か他殺か、かりに自殺であっても、どうも他殺くさいと思えば全力を尽して
捜査する。ところが、こういう
市長選挙というようなものは、言いかえれば、これはあなた方どう思っておるか知らぬけれ
ども、
選挙なんというものは殺人犯の何十倍大きいかわからない。ここへ出てきておるところの同志諸君は、
ほんとうに命がけの戦いをして出てきておる人たちですよ。
ほんとうに場合によっては殺されるような命がけのことをみなやってきておる代議士諸君だ。
市長についても、先ほど来
兼子部長が言うように、六万何千票という票をお互いに取って戦っておる
選挙です。このような重大な
選挙によって、わずか十票や二十票でも当落が決定するのです。私が先ほど申し上げましたように、
佐竹晴記君は過去において二十三票の差で
当選しておる。そのほか、名前は忘れましたが、たった二票でもって当落の決定がついた衆議院の
選挙区もあります。そういうことをわれわれ
考えますと、実にはだにあわの生ずる思いをするのです。こういう重大な
事件を
警察が手をつけないでおいて、ポスターを公共物に張ったから、これは
選挙違反だといって、運動員を引っぱっていって豚箱にぶち込んだり、わずかの
事件で
学校の女の
先生を留置場に入れたり、このような行き過ぎをやる。このような重大な案件については、現職の
市長とは
警察署長もじっこんであるし、たびたびいろいろの場合に寄付な
どももらっておるから、まず今の
岡崎市長を
当選さそうという魂胆でやったこの市の
選挙管理委員会の不正に対して
警察が職権を行使しないことは、これは
一つの消極的な
警察の職務乱用罪です。こういうことを、あなた方が、実際に
仙台の
警察がやっていることは適当だと言うに至っては、私は重大な問題だと思うのです。ここにおられる各代議士諸君もみなさっきからあぜんとしておる。われわれは、きびしい
選挙によって
当選をしてきておるところの、
選挙場裏の戦いを実験している者であります。従って、もし
自分の
選挙にこういうようなことがあったら、
ほんとうにわれわれは命をかけて守らなければならぬと思うのです。人ごとではありません。あなたは今私がお尋ねしたところのこの
事件を知っておって
答弁しておるのかどうかということ、それからあなたがこうした
事件についてどういうような
考えを持っておるかということを御
答弁願いたい。