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1955-07-12 第22回国会 衆議院 建設委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十二日(火曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 内海 安吉君    理事 荻野 豊平君 理事 高木 松吉君    理事 逢澤  寛君 理事 西村 力弥君       伊東 隆治君    薩摩 雄次君       中村 寅太君    廣瀬 正雄君       松澤 雄藏君    二階堂 進君       有馬 輝武君    井手 以誠君       小松  幹君    三鍋 義三君  出席国務大臣         建 設 大 臣 竹山祐太郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 原  純夫君         建 設 技 官         (河川局長)  米田 正文君  委員外出席者         議     員 今村  等君         建設事務官         (河川局次長) 植田 俊雄君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 七月十一日  委員井手以誠君辞任につき、その補欠として  安平鹿一君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員安平鹿一辞任につき、その補欠として井  手以誠君議長指名委員に選任された。     ————————————— 七月九日  米軍射撃等による水害防止対策確立に関する請  願(内田常雄紹介)(第三七五〇号)  朝比奈川災害復旧工事施行に関する請願(松尾  トシ子君紹介)(第三八三四号)  戸沢村の水害復旧対策確立に関する請願松澤  雄藏君紹介)(第三八三五号)  安楽城村水害復旧対策確立に関する請願(松  澤雄藏紹介)(第三八三六号)  鮭川村の水害復旧対策確立に関する請願松澤  雄藏君紹介)(第三八三七号)  最上町の水害復旧対策確立に関する請願松澤  雄藏君紹介)(第三八三八号)  雲仙観光道路有料道路に採択の請願石橋政  嗣君紹介)(第三八四〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部  を改正する法律案内閣提出第一四四号)     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長 これより会議を開きます。  公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案議題といたします。本案につきましては、さきに竹山大臣より提案理由説明を聴取いたしたのでありますが、本日はまず逐条説明を聴取した後に、質疑に入りたいと存じます。米田政府委員
  3. 米田正文

    米田政府委員 先般大臣から提案理由説明がございました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に説明を申し上げたいと思います。  第二条第四項中「第四条」を「第四条及び第四条の二」に改めましたのは、第四条の二の規定新設に伴い、字句整理を行なったものであります。  第三条中「第四条」を「第四条、第四条の二」に改めましたのは、同じく第四条の二の規定新設に伴い、字句整理を行なったものであります。  第四条第一項第一号中「本条」を「本条及び第八条の二」に改めましたのは、第八条の二の規定新設に伴い、字句整理を行なったものであります。  第四条の二の規定新設いたしましたのは、連年災害をこうむる地方公共団体について、その施行する公共土木施設災害復旧事業に対する高率国庫負担の道を開いたものであります。現行法におきましては公共土木施設に関する災害復旧事業費につき、地方公共団体財政力に適応して国がその一部を負担する趣旨のもとに、各地方公共団体ごとに毎年一月から十二月までに公共土木施設について発生した災害復旧事業費総額と、当該地方公共団体におけるその年の四月一日の属する会計年度標準税収入とを比較し、標準税収入の二分の一までの額については三分の二、標準税収入の二分の一をこえ工倍に達するまでの額については四分の三、標準税収入の二倍をこえる額については四分の四を逓次に乗じた額の合計額と、当該災害復旧事業費総額との比をもって、その地方公共団体のその年の災害復旧事業費に対する国庫負担率として国庫負担額を算定いたしております。しかしながら台風、豪雨等による災害をしばしばこうむった地方公共団体または大規模災害を受けた地方公共団体は、災害のため財政上はなはだしい窮迫状態に陥り、ひいては災害復旧事業の進捗に著しい支障を来たし、これがため放置される被害個所が次の災害を招く原因ともなって、いわゆる災害の悪循環の現象さえ生じてきているのであります。このような事態の発生を防止して災害復旧の促進をはかるため、本条におきましては、地方公共団体における公共土木施設災害復旧事業費に対する国庫負担率を算定する場合には、その年の災害復旧事業費と、その年の四月一日の属する会計年度当該地方公共団体標準税収入とを対比する前に、過去二年の災害復旧事業費とその年の災害復旧事業費とを合算した額と、過去二年度標準税収入とその標準税収入と合算した額とを比較し、前者が後者を超過する場合には、その地方公共団体連年災害該当団体として、その年の災害復旧事業費につきその年度標準税収入の二分の一までの額については三分の二、標準税収入の二分の一をこえ標準収入に達するまでの額については四分の三、標準税収入をこえる額については四分の四を逓次に乗じた額の合計額当該災害復旧事業費総額とを比較して、国庫負担率を算定することとしたのであります。本条規定により連年相当な規模災害をこうむる地方公共団体はもとより、昭和二十八年の如き異常大災害に遭遇した地方公共団体に対しても、現行法に比較して有利な国の負担決定することとなるわけであります。  第五条中「前条」を「第四条(前条規定により読み替えて適用する場合を含む。以下同じ)」に改めましたのは、第四条の二の新設に伴い、字句整理を行なったものであります。  第八条の二は、緊要な災害復旧事業に対する政府財政措置に関する規定でございます。災害復旧事業を促進することの重要性につきましては、今さら申し上げるまでもないことでありますが、現実事態においてはこれがとかく遅延し、多くの仕越工事を生ずる等、各方面に著しい支障を与えているのでありまして、これがためには種々の改善措置が必要と考えられるのでありますが、なかんずく必要なのは予算に関する措置でありますから、今回本条新設によりまして、緊要な災害復旧事業基準を政令で定め、その基準に該当するものにつきましては、地方公共団体においてこれを災害の発生した年の四月一日の属する年度から三ヵ年以内に完了しようとする場合には、国もまた財政の許す範囲内において、これに対する国庫負担金の交付につき必要な措置を講ずるものであることを明らかにして、地方公共団体またはその機関が迅速かつ計画的に工事を進め得る道を開き、災害復旧事業全体の推進をはかることといたしたのであります。  以上が本案内容でございますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御議決あらんことを切望する次第であります。
  4. 内海安吉

    内海委員長 これより質疑に入ります。順次これを許します。西村力弥君。
  5. 西村力弥

    西村(力)委員 このごろだいぶ新聞の面をにぎわしている補助金予算執行適正化法案の問題でありますが、本日の閣議では、最後的に建設大臣の意思がいれられないで、やはり罰則適用の方向に決定になったかどうか、お聞かせ願いたい。
  6. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 補助金適正化の問題については、お話通りいろいろ意見がありましたが、今閣議におきましては、当初の原案を修正いたしました案で、一応政府提出をするということに決定をいたしました。
  7. 西村力弥

    西村(力)委員 補助金執行がときどき誤まってやられておるということは、会計検査院もこれを摘発し、また大臣も本委員会において遺憾なことであると、御自身お認めになっていらっしゃいます。しかるにかかわらず、これを適正執行するための法的措置に対しまして、反対をせられておる大臣の所見をわれわれにもお聞かせ願いたいと思います。
  8. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 私はあの法案そのものを頭から否定をしておったのではありません。前内閣のときに出しました法案をそのまま出そうという話が内々ありましたときに、私は政治責任からいって、補助金適正適正という問題は、もらったものだけを罰するということではすべての解決策ではない。従ってそういう法案を出す前に、政府はみずからの権限とみずからの責任において、そういう不適正を起さないような処置を、万全の対策を講ずべきだ、その上で悪いものを罰するということならいいけれども、ただ補助金の不適正ということを会計検査院からいわれたといって、それをただ法律国民厳罰に処するということだけでは、政治責任を果したとは思えない。簡単に申せば私はそういう主張で、まず法案提出する前に、政府はこれに臨む態度考えろということを申して、それに基いて建設省補助金適正化に対して、建設省としてとるべき態度、方策をきめまして、これを閣議提出をいたしまして、了承を得たわけであります。それは多分この前御参考に差し上げたと思いますが、要するにわれわれは不適正になる原因の中には、政府また地方公共団体やり方に対して、いろいろ反省をすべきことがあるし、事務的にいえば検査その他に十分でなかったということを反省して、これを一つ最大限度にやろう、同時に間違ったケースが起った場合には、行政処置として返還を命ずるということは当然のことでありますから、そういう処置を励行する。なおそれでも悪いものがあるならば、会計検査院法に基いて告発をしたらよろしい。それをどんどんやってもらいたい。積極的にわれわれはそれを期待する。そうして現在の刑法その他の罰則に基いてやったらいいじゃないかということが前提でありまして、それに応じて適正化法案一つ検討してもらいたいということを申しておったわけで、私の方はそういう処置をいたしたわけであります。この間参議院決算委員会に呼ばれまして、数時間主として社会党の方々といろいろ論議をいたしました。人の省のこともいろいろいわれましたが、人の省のことは私は関知せないところで、建設省に関する限りは、確かに数年前にはいろいろ会計検査院から指摘されたことはあります。それに対する行政処置は講じておりますが、少くも三十七年以来一般案件については、一般補助事業については、実はもうありません。二十八年の百五十一件というものは、全部災害であります。しかもその災害の四百五十一件のうち、二百八十件というものは何であるかというと、当然負担すべき自己負担が十分でなかったということでありまして、残りの百七十件というものが、その他のいろいろな理由によって、会計検査院から指摘をされておるという事実を、私はこの間も申し上げて、悪いというけれども検査院から指摘されたものはすべて厳罰に処さなければならぬような、いわゆる詐欺的行為をしたものかどうかということについては、内容的検討をしてもらいたい。少くもこの二百八十件というものの中には、もちろん多少の悪意があったものはあるかもしれませんけれども、要するに今日地方財政が窮乏してきて、災害復旧はやらねばならぬ、しかし法律や県のいう通りもらっただけの補助金で、あとは規則通り負担しろといっても十分になかった。仕事はやったろうけれども、金の面において十分に、満足に経理がしてなかったということで、これが指摘をされておるという事実、——私は弁護をするのじゃないけれども、われわれはこの事実というものを軽く無視して、それを刑罰に処することによって解決をしようということはどうかと思うということも、率直に申したわけであります。従ってこれは、半分は行政処置の方にもっと親切さと、また政府みずから考えなければならぬ点は、予算が足りなくて地方に押しつけておいて、負担が十分にできなかったから、それは刑罰に処するというような考え方は、果して政治として正しいかどうか、私は厳罰主義もある意味においてはけっこうだけれども政治貧困ではないかと思うということを述べたのでありますが、社会党の諸君も同感の意を表してくれた面もあったのでありまして、私の率直な心境は、政府責任をもっと痛感して役所全体が、中央官庁ばかりではなく、地方も含んで一そうそういう面においてほんとうに事態解決をして、国民の納得のいくようにしていくという責任を果す反面、また中には悪いのもないじゃないのですから、それを適正にするための法的処置最小限度においてやるということが、最も望ましいことではないかというふうに主張をして参ったわけでありまして、本日の閣議においては大した論議はいたしませんでしたけれども、そういうことで私は最終的に若干修正をされました原案閣議決定了承いたしたといういきさつであります。
  9. 西村力弥

    西村(力)委員 大臣地方自治団体というか、地方団体側だけを罰するということは、片手落ちだという認識に立たれておる、その考え方には私たちも非常に賛成を覚えるものでございます。しからば一体政府側責任的な措置としまして検査を励行する、あるいは特別法を作らないでも行政措置なり、あるいは最後会計検査院法に基く処置なりをやる、この点だけではどうもせっかくの大臣のお考えも、十分に政府側立場に立つ反省とは言えない、こう思うのでございますが、最後政治貧困であり、予算措置の不十分、ここに政府責任を見出されておることは、まことにけっこうであると思うのでございますが、しからば本日の閣議でさしたる議論もなくこの法律が通ったということは、やはり今大臣が仰せられたように、地方財政貧困に追いやる、あるいは復旧事業そのほかの公共事業予算的な裏づけが不十分だ、そういう自覚の上に立って将来においてはこの点を改善する、改善してなおかつ不正ある場合にはこの罰則を断固として適用するのだ、こういう閣僚全体の了解に立ってこういうことになったのかどうか、それを伺いたい。
  10. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 お話通りでありましてその点においては大蔵大臣からお話のような趣旨の発言がありましたので、私も了承をいたしたわけであります。
  11. 井手以誠

    井手委員 関連して。ただいま西村委員から質問されております補助金等予算執行に関する適正化法律案について、私は大臣鞭撻する機会がなくて今日に至って、すでに閣議了承されたことを私は非常に残念に存じております。去る前内閣のときの提案の際には、私も法律案審議未了の急先鋒を勤めた一人であります。おそらくこういった法律案は再び出てこまいという期待を持っておりましたところ、またもや大蔵省から提案されようとしておる。これを建設大臣行政措置でやり得ることであるということで承知されておるということを新聞で承わりました。内閣にも骨のある、話のわかる大臣もおられるものだと、私は一度は衷心敬意を表しておったのであります。ところが今承わりますと了承したということでございます。腰砕けの国務大臣、私ははなはだ残念に、遺憾に存ずる次第であります。何ゆえに了承されたのか。大臣もおっしゃっておる通り不正使用ということについては、これは大蔵省なりあるいは主管省の監督不行き届きである。自分の悪いことを、監督の行き届かないことをたなに上げて、地方ばかり責めようとする態度——なるほど山口県の出雲村、八坂村の、そういう問題のあったものに対してはびしびしやらなくちゃならぬことは当りまえでありますが、それもやはり主管省の監督不行き届きである。それにもかかわらずこういう法律案を出して、地方公共団体を取り締ろうとい、この態度は、かねがね大蔵省がわれわれ国権最高機関である国会に対して、予算の都合によるとか、予算権が云々とか、そういったことで迫ってくる、あるいは各省に対して、その上にあるかのごとき態度をもって圧力を加える——しかも、もしこの法案が通ったらどうなるてございましょう。ますます各省への圧迫が加わってくることは火を見るよりも明らかでございます。おそらくそういう気持はないかしれませんけれども大蔵省自身に、国権最後機関などという陰謀があると私どもが疑ってもいたし方がないと思う。大臣がお考えになっておる通り、これは出す必要はないのです。自分たちがりっぱに、厳重に監督していけば、こういうことは起らぬはずである。それをたなに上げて、その不正使用について地方公共団体だけを取り締ろうとする、こういう法律案に対して、私どもはまっこうから反対をいたします。私は、閣議決定の前にあなたにお会いして支持鞭撻するつもりでありましたけれども、すでに事おくれました。はなはだ残念でございます。法律案が出た上は、あらためて別の機会に私は自分主張を申し上げたいと存じておりますが、この際は、すでに決定されたものであるから、ここに遺憾の意を表明しておきます。しかし、出たといえども原案を固執する、主張する当局立場に立っても、そこには緩急ということもあるのでありましょう。ぜひとも通さねばならないという法律案と、すべては国会にまかせようという立場と、二つあるでございましょう。その点を大臣一つよくかみ分けられて、適当に措置されんことを切にお願い申し上げる次第であります。実はこの法律案に対しては、もっといろいろと申し上げたいのでございますが、議題ではございませんので、私はこの点だけ、遺憾の意だけ表しておく次第であります。
  12. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 答弁ではありませんが、私実は参議院決算委員会における空気から見て、岡沢社会党はむしろ早く出せという御要求だと誤解しておりまして、今井出さんの非常に良識ある御主張を伺って、私も安心をいたしたと言っては語弊がありますが、深く感謝をいたすわけ、でございます。しかし御鞭撻をいただいて、私が何か腰くだけのような感じをお持ち下すって恐縮に存じます。結果的にはそうかもしれませんけれども、私としては一応政府の内部にも、また官僚全体に対しても反省を求める意味において、今日まで主張もし、建設省は率先してこれを実践するということに申してきて、また大蔵省にも、この現実に起ってきた事態というものの認識を確認をさせるべく努力をいたして、今日大蔵大臣はそれに対するはっきりした態度を申しておりましたから、私も了承をいたしたと同時に、法令的にも、きょうも法制局長官に再度の発育をしておきましたが、事刑罰に関する限りは、いやしくも政治的とか、懲罰的とか、刑法そのものはそうかもしれぬけれども、どこから見ても最も筋の通ったものでなければならぬ、私は専門家じゃないけれども、そういう点において最後のだめを押しておくということを申しておきました。実は私は、今お話がありましたが、法務当局との間にいろいろ話をいたしましたのは、刑法でどうしても処罰ができないというのかどうかという点などについて、大分質問をいたしておきました。その点が、人によれば刑法で十分だと言うし、人によればどうも刑法ではできない、こう言うし、法律のことはよくわかりませんが、若干でもそういう疑問があるということが明らかになりましたものですから、特別立法をするということの建前も、内容の程度は別問題として、了承をいたしたようなわけで、大へん御鞭撻をいただいて恐縮に存じますが、今日の段階、今後の処置については、よろしく御趣旨をくんで努力をいたしたいと思います。
  13. 西村力弥

    西村(力)委員 私も井手君と同じように、政府が当然なすべきことを怠っておって、そうしてだんびらでおどかすというやり方には、とても賛成できずにおったわけなんでございます。幸い御努力によって、今後こういう災害復旧なりあるいは防災措置なりについての政府の方針が、大蔵大臣一言によって前進したかのごとくなっておるようでございますが、一体政府はいかなる——いつの内閣でもそうですが、大蔵大臣一言によって左右されるような工合な運営だけに終始しておるかのごとき印象を受けることを、苦々して思っておる次第なんです。  それはそれとしまして、かりに災害復旧にとりますと、現在本年度予算全部を執行し、施行しましても、二十五年度災害も完成ができない、かような工合になっておる。そうしますと二十五年災以降の、二十九年災までずっと残っておるわけでございまするが、これを完全に原形復旧の状況に持っていくには、どのくらいの予算を必要としておるのか。これは今までも御答弁があったかもしれませんが、私まだ今知りませんので、河川局長でけっこうでございますから、御答弁願います。
  14. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 内容はまた御説明申し上げてよろしゅうございますが、本年度の分を含んで千億ということに——これはいろいろいきさつがありましたのを、建設省大蔵省とがすべて現地の調査を基礎にしまして、具体的に協定をいたした額が千億、そのうちことしの予算でこれだけ美行するわけでございます。
  15. 西村力弥

    西村(力)委員 そうしますと、この千億をどういう計画で復旧せられようとするか。大蔵大臣の言明によって前進したとすれば、どこまで持っていかれる計画をお持ちでございますか、ちょっと伺います。
  16. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 大体今度の法律趣旨から考えましても、来年度から三ヵ年間にこれを——もっとできれば早いほどいいのでありますが、今の情勢をもとにして考えますと、三年間で片つけてしまいたい、かように考えております。
  17. 西村力弥

    西村(力)委員 三年間というのは二十九年災まででございますか。
  18. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 さようでございます。この一千億の残りを片づけてしまいたいと考えております。
  19. 西村力弥

    西村(力)委員 きのうでしたか、おとといでしたか、河川局長は二十八年災まで三カ年でやる、こういう御計画のごとくでございましたが、そうすると一年だけ前進したことに相なるわけでございますね。
  20. 米田正文

    米田政府委員 私の申し上げた趣旨も、残事業一千億を来年度以降三ヵ年で完成したいという趣旨で申し上げたつもりですが、もし間違いだったら、私の考えておることと言ったことがちょっと違ったのじゃないかと思います。
  21. 内海安吉

    内海委員長 これはちょっと——私も聞いておりましたが、一千億でしたかね、一千億を昭和三十一年度から三ヵ年の間に、必ずそれによって二十八年災をやってしまう、こういうふうに答弁されたように私聞いておるのです。
  22. 西村力弥

    西村(力)委員 そうですか、それは私の聞き違いでございましたので、その点はあしからず……。  それで公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法というものを見ますと、その定義のところ、第二条でございましたか、原形復旧にとどめるという工合になっておりますが、せっかく防災措置もやっておりますので、災害で痛めつけられたところは、事前に防災措置をやられるべきが当然だということを考えてみますと、原形復旧だけでは不十分だということに相なるわけでございます。それに今受けた災害のような強さの天災が襲ってきましもびくともしないという工合に、原形復旧以上の復旧措置考えるべきが至当ではないかと思うのです。これを原形復旧にとどめなければならないという理由は、技術的なものであるか、予算的なものか、その理由についてお聞かせを願いたい。われわれとしては原形復旧以上の措置は当然なさるべきことであると考えておるのでありますが、その点についての御見解を承わりたい。
  23. 米田正文

    米田政府委員 この法律ができた当時から、災害復旧の原則を原形に復旧するということに置いておるのであります。これはいろいろな趣旨から出ておると思いますが、やはり一番主要な理由としては、財政的な理由が最も重要な理由としてあげられると思います。ただ私どもとしては災害を復旧したものが、すぐ再度災害を受けるということは、国費の乱費であり、不効率使用であるという見地から、先年この法律を改正したときにも、第二条にございますように原形を復旧することが不適当な場合には、これにかわる必要な施設をしてよろしいというように第二条三項でうたっております。現在でも完全な原形復旧をする金額と、この第三項によって査定をいたしました全額との間には相当な開きがあるので、御趣旨のような点は再度の災害防止という見地から、私ども現実に相当盛り込んで運営いたしておるのでございます。
  24. 西村力弥

    西村(力)委員 このたび山形の水害をずっと視察して参ったのでありますが、災害を復旧したところがまたやられたというところは橋一ヵ所くらいしか見て参りませんが、これはしょっちゅう落ちている橋を、いつまで橋脚の間隔が狭い木橋で復旧しておるものだから、何べんでも流される、こういう状態を見て参ったのであります。そのほかに、たとえば堤防のくずれたところを築いた、ところが築いたところが竹と木をつないだようになっているから、その接触点からまた破れている。これでは原形復旧ができて安全だとは絶対に言えない。その場所が最も脆弱になっておるから、そこからどんどん破られておる。これはたくさんその現地を見て参ったのであります。こういところから申しましても、原形復旧にとどめるのは、いかに予算的な立場からいいましても、全く経済的に合わない話ではないか。これはやはり再度の被害というものに対する防護措置まで含めた復旧をやらなければ、大事な国家資金がいたずらに流出するのではないかということを現地について見た感想から切に感ずるのです。この点に対して何らか前進させる方策は、大臣考えございませんか。
  25. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 御趣旨はまことに私もそう考えたのであります。なお努力はいたすつもりでありますが、何を申しましても、今申し上げたように一千億の借金がありまして、この借りを先に返すことの方に追われておるのが事実率直な現状でありますので、やり方等について可能な範囲において、今の御趣旨のようにやって参りたい、そういう気持の現われとして、関連災害事業の補助金というものをことしの予算において明確にいたしまして、できるだけその欠陥を補って参りたいと考えております。
  26. 西村力弥

    西村(力)委員 今度の法律改正は前進であると思いまして、われわれはまことに喜んでおるのでございますが、ただ予算の範囲内という工合になりますと、緊急を要する事業に指定になったところは、高率なものがいくでありましょう。それから連年災害をこうむった地方はやはり高率なものがいくでしよう。そういうことになると、限定された予算内において他の復旧事業やなんかに、相当しわ寄せがくるのではないだろうか。これはやはりそういう点にしわ寄せをさせないで、しかも連年災害地方あるいは緊急指定で、三、五、二なら三、五、二の復旧を完全になし遂げるためには、復旧予算においてプラスしなければならぬ。そうでなければ、ばかのところが非常に窮屈な状態になり、ネコもしゃくしも緊急指定にしてもらおうということになるでしょう。こういうことも考えられますので、予算のワク内というところには今後今申したように現在の法律でやって、必要な資金以上にこの法律が保護する部面は総予算にプラスしていく目当てがなければ、一方がよくなれば一方が苦しまざるを得ないという結果になるのではないか。せっかくこの法難を作っても、国全体の立場国民全体の立場からいきまして、賛成できない部面が相当出てくるのではないかと考えますが、この点について大臣の御見解を伺いたいと思います。
  27. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 第一点の連年災害の分につきましては、これは長い間の懸案でありますから、これによって災害の実質的な国庫負担がふえるということは、大蔵省も当然了承の上政府の意見が一致して、この原案を出しておるわけであります。連年災害の分を認めたから、ほかの方が削られるというようなことはいささかも考えておりませんので、その点は御心配ないと思います。  第二の三年間の継続的な考え方でいくという行き方は、これは三年間のワクに入っておるところは補助率がよくなり、他は悪くなるという関係でないことは御承知の通りであります。要するに、財政の許す範囲内ということは、役所のきまり文句でありまして、言っても言わぬでもいいようでありますけれども法律上はそう書いておくのが妥当でありますから書いておりますが、要するに災害の基本的な方針というものは、三年間の予算を約束をしていくということで、みなそれぞれ安心をして仕事がやれるという趣旨でありますから、これをきめたからといって他を圧迫するということは全然予想もしておりませんし、大蔵当局もそういう考えはないわけでありますから、どうか御安心を願いたいと思います。
  28. 西村力弥

    西村(力)委員 第一点の、大蔵省がこの法案に賛成せられて十分認めたというのはけっこうでございますが、第二点の影響がないということは、私はそうは考えられない。なぜかと申しますと、今まで三、五、二の復旧という工合に申して参りましたが、三、五、二の復旧が確実にできたならば、あまり文句も出ないはずだろうと思う。ところが現実的に三、五、二の復旧はできていない。いかに大きな二十八年災害をこうむって困っておる地方においても、三、五、二の復旧はほとんどできていないというのが現状ではないだろうか。それを三、五、二を確実に裏づけをするというならば、やはり少し影響してくるのではないか。きめられた総予算外のワク内において、一方に三、五、二を確実に裏づけするならば、今以上にそれにプラスしていかなければならないということになるのではないだろうか、こういう見方をせざるを得ないわけなんでございますが、もう一度お尋ねいたします。
  29. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 実は今お話のこの三、五、二というのが問題でありまして、いろいろ国会で何度も議論になりましたけれども、率直に申せば建設省の希望的な比率であって、大蔵省がこれに拘束をされるということは、国会からいじめられるから返事をするものの、案は予算的、法律的には何も根拠がないわけでありますから、そこでそのときの財政の都合で引き延ばされるということが従来あり得たわけで、そういうことは今お互いにそうやったときは楽でありますけれども、あと千億も借金が残ってしまえば、これは大蔵省も公認した借金でありますから、いずれ払わなければならぬ、ただ先へ持ち込むというだけでありますから、そういうことは今度お互いに慎しもうじゃないかというのが、政府の一致した見解でありまして、そういうことを今度法律で明確に国会で約束をするわけでありますから、そういうことを前提にして予算の編成をやっていく根拠が明瞭になって、予算の編成をしていくわけであります。災害予算というものが政府予算の何割でなければならぬという、これまた法律上、財政上の根拠も何もないわけでございますから、根拠がないと建設省主張も、大蔵省内部における主計局の主張も、やはり弱くなりますが、今度は法律でちゃんとワクがきまってしまっておって、機械的に出るわけでありますから、そういう意味で私はこの政府の合意の上で提出した法案によって、他を圧迫するということは毛頭考えておらぬつもりでありますし、運営においてはさようなことは全然起らないと考えております。
  30. 西村力弥

    西村(力)委員 三、五、二というのは何も根拠のないことでございまするが、三年間という工合にこの改正法律ははっきりしておりまするので、やはり今までのような工合にずるずるべったりということではおさまらないではないかということになるので、そこにやはり災害復旧予算というものに対しては、また一段と予算の裏づけに努力をせなければならぬ。それを努力しないために現在まで進行したような状態、営々としてやってなさっているでしょうけれども、千億の借金も出てきたような、こういうような状態に考え方が定着されるならば、やはり法律によって、こっちの方は緊急必要な事業については三年間の予算を全部つけなければならぬが、こっちの方は削るということになるのではないかということとともに、この法律ができたことによって大蔵省検査というものは非常に過酷というか、技術者の技術的な見解を越えて、大蔵省検査が過酷なものになってくるのではないだろうか、そういう口実を大蔵省側に与えるということを非常におそれるのです。大蔵省としては金の番でございますから、そういうきつい立場をとるのは当然でございますけれども、われわれとしてはその専門家の意見を越えて大蔵省が出てくるということは、これは決して正しいことではない、かように考えるのであります。そこに不正とか放漫とかいうことがあれば、それはきっちり締めることもいいでしょうけれども、専門的見解に基いてやることに対して、それを越えた立場をとるということは非常に危険を覚えるのです。今申したような工合に、三年間の復旧のために確実に財源をつけなければならぬというので、一方にしわ尋せにならないためには、やはりそのためからも復旧予算を増額するという努力がなされなければならないのではないかという私の見解、またこの法律ができることによって、なお一そう大蔵省側の災害復旧に対する正しい線を越えた介入というものが行われるのではないだろうかという、私の懸念に対する大臣の御答弁を願いたいと思います。
  31. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 今の御心配は、気持ではよく私も了承いたしますが、前段のほかを圧迫するであろうということは、これは予算編成の場合の問題でありまして、少くも今まで行政的に努力をいたして確保してきたものの中で、連年災害と三年間の予算は、法律政府みずから出して確保をして参ろうという決意を示した意味においても、災害予算の確保は一そう安定をして参るものと、私もそういう覚悟でおりますが、今後とも、この法律政府がみずから出した責任において、御心配のようなことはないと私は申し上げていささかも差しつかえない。それから御心配の、それと逆に大蔵省が査定を厳重にしはしないかということも、これもお気持はよくわかりまずけれど、これは良識を持つ大蔵省がそういうことをことさらやろうとは、私は少しも考えておりません。しかし今日一方において問題になっておりますように、災害の問題はいろいろ問題になることが多いのでありますから、これは建設省といわず大蔵省といわず、あとで迷惑をかけぬようにあらかじめの査定において正確を期しておくということが、双方のためでもあろうと思いますから、そういう意味においては私はぜひ望みたいと思っておりますが、何もそのために査定を厳重にして災害予算を切り詰めるなんということは、私はあり得ないと確信をいたしております。
  32. 西村力弥

    西村(力)委員 大体わかりましたが、この法律改正の八条の二に、三年間で復旧するというようなことですが、二十九年災までは、来年から三ヵ年間に復旧するというのですから、そういうお気持を附則の中にうたっていって、がっちりとそこに一つのワクをはめるということを私たちはやりたい。二十九年災までには八条の二を全面的に適用するというようなことですが、こういう方向をとって二十九年災まで完全になし遂げるといったそのお気持を、法律的なものまでにして確保したいという気持を持つのですが、これに対しましてそれがいけないというならば、その理由一つ聞かしてもらいたい。気持としては二十九年災まで三十一年度以降三ヵ年でこれを完全になし遂げるというのでございますから、それをなお確実ならしめる方法というものは、そういうことを法律的に打ち込むことによって一そう的確なものになり、大へん好都合ではないだろうかと考えておる私の考え方に対する大臣の見解を一つ伺いたい。
  33. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 御趣旨はよく理解されますけれども法律できめることでありますから、今後のことを法難で規制していくということにはまた約束ができますし、はっきりやって参れると思いますが、過去の分についてさかのぼってこの法律で規制していくということは、法律の建前からいってもどうかというふうに考えますので、さようなことは今日まで考えておらなかったわけでありますが、できた過去の災害をできるだけ早く解決をしたいということについては、決して熱意を持たぬわけでありませんが、法律で縛ってしまうという趣旨については、なお検討の余地があろうかと考えております。
  34. 西村力弥

    西村(力)委員 検討の余地がある、それは私もその通りと思うのです。私もまた検討しなければならぬと思っているのですが、しからばとにかく二十九年度災までを完全に三カ年でやるのだということ、これを今までのような工合に言うことは言うけれども、実際はずるずるべったりで、やってみると二十五年度災も完全に復旧ができない。こういうことでございまして、熱意を信じ、その誠意だけを信じてもどうにもならない、こういうあせりを感ずるのであります。災害の防止をやらないで、一体いつまで敗戦の状態を放置しておくのか、民生安定はどこから基礎づけていくのか、こういうようなことを考えるときに、ただ熱意とか、誠意とかだけを信じておったのではどうにもならぬ。中国の今までの建設状況は、きょう、きのうの新聞を見ると、中国の五ヵ年計画予算を見ますと、いかに国土建設に重点を指向しているか、あるいは教育に、重点を指向しているかということがはっきりわかる。脈脈たる民族の興隆気分のあるところには、一つの結集された民族の意思というものが現われてきつつあるのではないか。その政治体制のよしあしはともかくとして、そういうことを考える。だからやはりその熱意を熟慮として信じたいのでございますけれども、ほんとうに何らかの形でもって、断固としてやり抜く方向にやり抜かなければならぬのじゃないか、そういう考えを持たざるを得ない。大臣におかれましても、その決意のほどをなお一層固められんことを切に希望してやまないのであります。  次に関連して、直接関係はございませんが、河川局長にお尋ねしたいのは、きのうの新聞によると、関西電力の宇治川トンネルで十四人ばかり人を失っておる。一般鉱山は鉱山監督局ですか、ああいうところで保安上の監督が厳重に行われておる。しかるに発電事業というと、昔の監獄部屋のような気分の労働状況が行われておるのではないか。どこの発電所の工事でも一人や二人殺さないところはない。この点は直接にはあなたの方の関係ではなく、労働省の安全課あたりの監督下にあるのであろうと思うのでございますが、発電事業としましても、もう少し労務管理に重点を置かなければならぬのじゃないか、こう思う。私の方の発電事業においても、完成だ、完成だとちょうちん行列をやっている陰には、やはり一人の労務溝が坑道の土砂の中に埋まってしまって、おそらく永久に浮かん、でこないだろうというような工合に放置されておる。あるいは水のために流されて下流に行ったのかもしれませんが、一般の観測は崩壊された土砂の中に埋まって、そのままにされておる、こういうことがいわれておる。発電事業というはなばなしい事業の陰に、労務管理というものがあまりにも放置せられておるのではないだろうか、こういう考えを持たざるを得ないのです。この点については一つ労働省側とも緊密な連絡をとって、監督を厳重にしてもらいたいと思う。それとともに発電関係における今からさかのぼる三年くらいの間の人命にかかわる事故の例を、ずっと計数的に資料として私に見せていただきたい、かような希望を申し上げます。
  35. 米田正文

    米田政府委員 ただいまお話がございましたダム工事現場における災害については、私どもも大へん遺憾なことだと思います。最近の例をとりましても、秋葉ダムの問題があり、あるいは物部川の長瀬ダム、あるいは大分県の芹川ダムというように、各所で事故が続出をいたしておるような現状であります。われわれといたしましては、ダム現場においては大量の火薬を取り扱い、その大量の火薬を取り扱うことが特にその災害原因でもありますので、それを厳正にいたすために、関係の地方建設局あるいは都道府県の現場に対しては、火薬の取り扱いについて特に厳重な管理をするように通産をいたしております。のみならずそのつど警告をして、その改善に努めております。今度の宇治川の工事については、直接私どもの方の関連でないのでありますが、全体の工事管理という面からは、私どもの方からもよく注意をいたしたいと思います。われわれ研究いたしておりますが、その原因は、どうも普ほど火薬の取扱いが厳重に行われておらないところにあるように思います。そこで一般の火薬取り扱いの訓練を特にやる必要があるということを痛感いたしておりますので、そういう面を中心にして改善をいたしたいという方針で、現場には厳重な督促をいたしておるような次第でございます。
  36. 内海安吉

  37. 井手以誠

    井手委員 災害復旧について大臣に少々お尋ねいたしたいのでありますが幸い災害査定についての一番の実力者である原さんもお見えになっておりますので 一つお聞きをいたしたいと思います。先刻西村委員の質問に対して、建設大臣は、三、五、二は何も約束したものではないとおっしゃいましたが、これは御記憶違いではないかと思うのです。このことはもう通り相場あります。なるほど法律のどの条項にもございませんけれども、これは政府から約束されたことでございます。二十八年度災害については、十月の国会において、時の緒方副総理からはっきり三、五、二で復旧を完了いたしますということを約束されております。そのときに原さんもおいでになったと思います。副総理が約束されたのだから、建設省は知らない、大蔵省は知らないということはあり得ない。その点は肝に銘じて今から実行していただきたい。大蔵省の原さんは困ったことだとお考えになるかもしれませんが、それは約束であります。国民に対する公約でございます。三、五、二はあくまで貫いていただきたい。西村一員もお尋ねいたしましたが、幸いに予算の許す限りにおいて、今後緊要な災害復旧の事業について三ヵ年でおやりになるそうであります。実はこの緊要であるとか、あるいは予算の範囲内でやるということは、なかなかくせ者でありまして、期待に反するものがないかということを今から心配いたしておりますが、せっかく三ヵ年で緊要なものをやろうとおっしゃるならば、三、五、二を二十八年度災害については当然適用すべきである。なるほど法律は前にさかのぼることは至難でありましょうけれども、現に起きておる災害は、約束に反して復旧がおくれておる。これについては当然さかのぼるべきであると私は思う。不遡及の原則が適用されないというものとは性質が違う。前内閣当時起きた災害だから、今の内閣は知らぬとはおっしゃらないでございましょう。私どもは修正の用意はいたしておりますけれども、この際せっかくそこまで熱意がありますならば、あのひどかった二十八年度災害、あるいはその他の今度の災害について、緊要なものについてはこの法事の精神に準じてやるということを御言明願いたい。そうでなくては、真に災害復旧に対する熱意があるとは残念ながら受け取りがたいのであります。ここで私は多くを申し上げようとは思いません。あとで私はいろいろな数字を申し上げますけれども、まだ四割にも達しない二十八年の大きな災害、その穴があいたままになっておる。これを一体どうしようとお考えになっておりますか。一昨日でしたか、昨日でしたか、河川局長は今後三ヵ年でやるとおっしゃいましたが、そうなりますと二十八年災害は六ヵ年かかりますよ。ことしは財政の都合で延びたけれども、来年ぐらいには完成してもらえるだろうという期待はやはり持っておる。それに対して六ヵ年もかかるということでは、関係者は納得いたしません。この際誠意ある建設大臣の言明がほしいのであります。
  38. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 先ほども申し上げました中で、三、五、二を私は否定をいたしたつもりではないので、その点は了承いただいておると思いますが、政治的には確かにわれわれも引き続いて責任を感じております。何分これは法律的な根拠がきまっておらぬものですから、財政が苦しくなるとつい延ばせるだけ延ばすというような事態が、過去において続いて参ったということは、今さら言いわけを申すつもりもありません。そういうことを今後いたさぬつもりで、今度の改正法案を出した次第でありますので、そういう趣旨から申せば、過去の残事業をすみやかに処理をいたしたいということにおいては、井手委員のおっしゃる通り考えております。そういう意味河川局長も申しておりますように、今後残りは三年間に仕上げたい。三年間に仕上げるということは、二十八年度のを六ヵ年引き延ばすという気持ではなくて、一つできるだけ早く片づけるという意味で申しておるつもりでありますので、この点は過去の分とこれからの分とは、なるほどやってやれぬことはないと思いますけれども、組み立て方が違っておりますので、法律的に、また行政的にはこれからの分をきちっとしていくということをまず前提にして、過失の分は今申すように、すみやかに一つ努力して片づけるということを申しておるわけでありますから、これは一つ御信頼をいただいて、今後必ずそういうふうにやるように努力をいたしますからそういう意味で御了承をいただければ幸いと思います。
  39. 井手以誠

    井手委員 ただいまおっしゃいましたように、これ以上は信頼の問題でありまして、あなたがいかにここで言明なさっても、予算編成でくずれるのと同じでございますので、あなたの政治に信頼をいたします。しかしけさ閣議了承されたように、適正化法律案に対して腰砕けのようなことでは困りますから、念のために大臣は腰砕けにならないように注文をいたしておく次第であります。  そこで原さんにもあわせて御答弁を願いたいのであります。この際大臣も多分御存じではありましょうけれども一つお聞きになって御答弁が願いたい。二十八年度災害について、大蔵省は昨年の予算委員金において、二十九年度予算をもって二十八年災害の六割を復旧する、こういうことを説明した。またことしの予算委員会では、二十年度予算をもって六割五分を復旧すると言明されました。一年間にたった五分しか進行していないですね。ところが実際問題としては、地方におきましては府県の工事は大体三割五、六分、町村の工事は二割七分、八分でございます。十の工事の中で府県は三つの工事と半分ばかりが進められておる。町村では三つまででき上っていないというのが実情であります。大蔵省は二十八年の災害の当初に、千五百六十五億の国庫負担か言明された。それが昨年は千百七十億に削られ、ことしはまた千五百数十億に復活されておる。そのことの当否は、今日は長くなりますから申し上げません。あなたの方の数字もぐるぐる回っておる。建設省においても同じ出あります。昨年の二月私どもに出されました予算によりますと、二十八年度災害工事総額は一千八十三億だと私ともに説明されておる。ところが二、三日前出された資料に、よりますと九百二十億であります。なぜそんなに国会に出された説明が食い違っておるか。私はここ数日の間関係者府県の人々にいろいろ聞いたのですが、現地においては本省の勝手に査定されたものと食い違っておる。たとえば佐賀県におきまして建設関係の国庫補助の総額が三十五億になっておるものを、建設省の一律査定によりますと三十一億に減らされておる。ところが実際指令されたものによりますと二十八億になっておる。聞いてみますと、本省と各府県との間には話し合いがついていないそうであります。もし本省の言うがごとくするならば、十ある災害復旧工事の中に二つくらいは残されてしまう、復旧ができないということになる。そういうことでほんとうに災害の復旧ができますか。毎年災害復旧の費用が変ってくる。大臣、この点よくお考え願いたいと思う。査定のことについてはあとでお尋ねいたしますけれども災害復旧の金額が毎年毎年変ってくる。これはどうしたことでございましょう。しかも主管省であるあなたの方のお考えと、被害を受けた府県の金額と違っておる。これで災害復旧ができますか。石の控えが現場では四十五センチ要るものを、あなたの方では勝手に三十五センチに削られておる。これは会計検査院から要求されたと聞いておりますが、現場から——否定は査定してけっこうです。それは現実に査定してけっこうです。それを積み上げてこそ災害復旧総額ではありませんか。それを本省においては一割五分とか二割とか切って、この標準によって災害復旧の数字を合せろと指令をなされておる。この災害復旧に対する根本的な態度について、今後いかになされるおつもりか、二十八年度災害については特にどういう態度で今後望まれるつもりであるか、大蔵省とあなたの方は大体話し合いがついたように聞いております。あなたの方がだいぶ押されみで、従来請負の金額の比率でるとか、あるいは不正使用の事実であるとか、いろいろななことをデータとして机上で査定されておる。それをしぶしぶあなたの方は承知なさったのでしょうが、しかししぶしぶ承知なさっても、現場ではその金額では復旧はできませんよ。おそらくこれは今後折衝につれて、地方では非常に困った問題になるでありましょう。そうであるから私は特に質問を申し上げる。建設省はどういう方針で復旧なさるつもりでありますか。そういうふうに勝手に査定なされておる。実際はいかに厳重にやりましても、百万円でできる工事を八十万円ではできるはずはありまん。どうぞ、その点についての明確なる御方針が承わりたいのであります。
  40. 原純夫

    ○原政府委員 二十八年災の査定につきまして、長い間いろいろ未確定の状態が続きまして御迷惑をおかけしたことを、まずおわび申し上げます。ただその気持はわれわれ決して小さな、けちな気持でなくて、御存じの通り一方では二十八年災は前古未曾有の大災害でありましたし、またたださえその前からいわゆる不正便乗というようなものが多かった。それがこういう際に一そうこわいというようなことから、二十九年度予算でわれわれが考えました線は、今から考えますと確かにきつ過ぎて、今回建設省の相当広範な実地調査の結果を織り込みまして、建設省の改められた数字で予算を組んでおるわけでありますけれども、従いまして数、字が何回も変ったということについては、非常に恐縮に存じますけれども、千何百億あるいは二千億に達するという、国なり地方公共団体の債務なりというものを実際に確定し、それを経理していきますについては、しかも一方で御存じの通りいろいろな不正あるいは不当なことがあるという事態におきましては、いましばらくこれはごかんべん願わなくちゃいかぬのじゃないか。決してわれわれ変な、単に締めるというような考えではなくて、国土がしっかりと復旧いたしますように、そのために必要な金はつけるという気持でおりますけれども、遺憾ながら不正便乗もあるし、こう申すと少しお耳にさらるかもしれませんが、私どもの目から見ますと、先ほども私参りましたときにお話が出ておったようでありますが、いわゆる超過工事の程度につきましては相当関心を持っております。いろいろ歩いてみまして、非常にりっぱな河川護岸等が、多くの場合に、つまり小さいどころでりっぱ過ぎるような、と申しては失礼でありますが、そういう状態が見られる。またそれが、どうも聞いてみますと、あまり上流の方で水をしゃっしゃっと流すものだから、下流の力がもう勘え得ないというようなことにもなってくるということで、この辺はわれわれ根本的に問題があると思いまして、不正不当を排除するほか、超過工事についても厳正なる線というものをおきめ願わなければならぬという、ようなことも考えております。いろいろ国土の復旧をいたしますについて相当金がかかる、一方治山治水の金も出すわけでありますが、災害復旧においても同時に、おっしゃる通り、超過工事と申しますか、関連工事と申しますか、そういうことはあり得るというようなことでございますが、それらを通じて率直に言えば、戦後の非常な混乱、財政、会計経理の面における混乱のみならず、特に災害補助金等、につきましては一そうそれがひどいというようなこと、それがだんだん落ちついてくる過程で、ここ一両年、こういうふうに非常にごたごたいたしておりますが、その間私ども建設省に対しましては非常にめんどうなことをお願いしておるわけでありますが、建設省も快くやっていただいて、まあ口幅ったいかもしれませんが、災害復旧関係は非常にがっちりした基礎に固められつつあるというふうに思っておりますので、その間何度か行ったり来たりするという点、非常に見苦しいとは存じますが、そういう強い——何と申しますか、行政部内でまじめに問題を取り上げて、正しく解決していこうという努力で、現実の混乱のゆえに若干行ったり来たりが出るというふうに御了解いただいて、大きな目で、一つわれわれの考えておりますやり方を御叱正いただいて、いい方向に持って行っていただきたい。今回お願い申し上げております法案につきましても、長い間一緒に研究いたしまして、われわれとしては特に相当積極的にいろいろ御協力申し上げておるつもりなんで、全然他意がございませんので、間違った点はだんだん直して参りますが、どうかその点は一つ了承いただきたいたと思います。
  41. 井手以誠

    井手委員 原次長は何時までよろしゅうございますか。
  42. 内海安吉

    内海委員長 あと十五分ばかりありますから……。
  43. 井手以誠

    井手委員 きょうはしっかりあなたの方に申し上げたいのです。少しくらいは延ばしていただきたい。——なかなかきょうは御丁寧な答弁で……。  私が大蔵省に申し上げたいのは、災害復旧に対する態度でございます。予算を、なるほど国民の血税を適正にやるという考えには、これは私も同感でございます。先ほどあなたがおっしゃったように、行き過ぎが非常に多いので、あなた自身が今度は二十八年災害についてはお感えになっておるので、心中じくじくたるものがあろうと私は思う。一ヵ年の間に何百億もの査定をするような行き方、私は卒直に申しますならば、大蔵省の人が九州なんかの災害常襲地帯に何年か住まれて、被害を受けられたらおわかりになるだろうと思う。私は特に申し上げたいことは、災害復旧に対する根本的な態度——今あなたがおっしゃった行政部内に関する問題と、被害地の国民に対するものと、混同されておるということでございます。部内で折衝されることは、幾ら折衝されてもかまいません。私どもも多くは申しません。私どもは出たものに対しで、これを審議し、検討するのでありますから、部内においては幾ら折衝されてもかまいません。ところがそのことが国民に悪い影響を及ぼしておる。  そこで私は先に進んで、建設省のことはあとでお尋ねいたしますが、査定の問題でございます。査定のことはあなたにさっきから何回か申し上げました。最初に緊急査定、これはおそらくあなたの方の出先と建設省が共同でなさるでありましよう。その次には本査定、これも共同でなさるでありましょう。さらにこの査定を経たものに対して、仁政管理庁の監査がある。会計検査院検査がある。これでもなお削らねばならぬということで、再査定が行われる。初め百万円できまった工事が、次々に九十万円、八十万円、七十万円と減らされていく。これを受ける方の都道府県の関係者や被害者はどうなりますか。査定を厳重にされることについては、私どもは何とも申ません。当然であります。私どもはあなた方が計画されておる適正化法律案に対して、反対でございます。この法律こそ、先刻も建設省に申し上げましたが、行政官庁の不行き届きを天下暴露するものであると私は考えておるのであります。もし真に査定の必要があるならば、何ゆえに建設省と一体となって、一回で査定を終らないのか。次次に査定に参られて、あなたの方は参考までとこうおっしゃるでしょうが、現地に対しては、査定の金額を示されておる。会計検査院にしてもあなたの方にしても、もし調査されるならば、その調査をされてきたことをまとめて、主管省たる建設省に申し出ることが正しいことであって、あなた方が直接府県や市町村あるいは関係者にこれを示達する権限はないと私は考えておる。この際私がはっきりさせておきたいことは、今後の災害においては査定を二本でやってもらいたい。いかに厳重にされてもけっこうでございます。現地の者もさように申しております。決して甘い査定をしてもらおうとは希望いたしておりません。ただ次々に各方面から災害査定を行われることが、一番迷惑でございます。私はこの点については何回もほかの委員会で申し上げておりますが、もう査定や監査の一本化ということについての成案ができておると存じますので、この機会に承わろうと思います。この点については特に建設大臣とあなたとから御答弁願いたい。  重ねて申し上げます。緊急査定もそれは必要でございましょう。本査定も必要でございましょう。しかしこういう事柄について、別個に査定したり監査するということでなくして、一回限りで終ってもらいたい。これはあとでお尋ねいたしますけれども、そのために地方では事務費がなくなってしまっておる。監査、検査、緊急査定、本査定とこうやられるものだから、人件費においてもうたくなってしまっておるのであります。地方では困っておる。その点についての両者からの明確なる御答弁を特に申上げたい。
  44. 原純夫

    ○原政府委員 御要望の節はよくわかります。そういう方向に持って参りたいと思っております。大蔵省が出先を動かします場合にも、所管省の査定に立ち会せていただくという格好でやっておるので、大蔵省としては特にそういうような意味において気をつけておるつもりであります。ただ何分にも現在といいますか、従来のような実情でありますと、実際に検査院が調べ、行政管理庁が調べる、どうもやむを得ない。これはやはりだんだんの問題であろうと思います。得に二十八年災のようなものは、最近において前例のないような大災害でありまして、各省の査定陣も、そういう大きな査定事務を短期間にこなすというまでには、とてもできないのであります。たしか二十八年までの査定事務は、三割か四割だったと思いますが、それでやっておられたのが、二十八年災で災害が非常に多かった上に、いろいろと世間の非難がありますので、実地査定を原則にしようというようなところまで考えたのでありますが、常識的に考えましても、非常に少数の人員をもって例のない大災害を、二十九年度予算を作成するまでにこなしてしまうということは、とてもできないことであろうと私ども考えるわけであります。その後のいわゆる再査定というようなことまで、当初の査定が一応法律的には主管大臣の査定になっておるわけでありますが、それの見直し——単に意地の悪いような意味での見直しではなく、やはりほんとうに事実を確定するためには、常識的にいってもあの程度の大災害であれば二度の見面し、場合によっては三度の見直しということも要るのではなかろうか。またそういう事態でありますので、前々からいろいろ不正不当のことが御承知の通り現に出ておりますので、検査院や行政管理庁あたりが心配するのも無理からぬことかと思います。先ほど申しましたように、だんだん主官庁での仕事がしっかりいたし、それをやる機構が整備していくにつれて、おっしゃるような方向になって参る——もちろんそういうのが常態であり、そういう方向にわれわれ努力いたす考えでおりますが、段階の問題で、ある段階においては仕方がないと思います。現に二十九年災のような、通常よりも比較的少いという年においては、非常にそういう面でスムーズに行っておるというように考えておる次第でございます。実際の客観的な事情を考えながら、そういう方向に持って参るということであろうと考えております。
  45. 井手以誠

    井手委員 大蔵省がどうして主管省ある建設省の査定に、信用が置けないかという問題です。もし置けないならば、大蔵省自身主管省になったらどうです。なお今後も第二、第三の見直しがあり得るようなお言葉がありましたが、建設省というりっぱな主管省がありながら、大蔵省の出先の人が現地に行って査定される。これは建設省から見れば考えられないことであります。自分の家族にもひとしい災害地について、各方面から寄ってたかっていろいろなことを言われる。私はそれを見過ごす建設省責任者もかいしょうがないものだと思う。どうです原さん、今後建設省の査定というものに信頼はできませんか。もしそれがあなたの方で必要であるというならば、別個に調査されて、一般にも迷惑を及ぼさずに調査をされて、その結果を建設省に注意されるという方向に向われてはどうでありますか。あなたの方にそうりっぱな技術者を持っておられるとは考えられません。また同じようなことをやるのだから、調査する必要もないと思う。もう少しすっきりした——国は一本でございます。災害復旧をするものもこれまた一本でございます。それを各方面から寄ってたかって調査をされ、査定をされる、こんな迷惑な話はないのであります。今後注意は注意として部内でやってもらって、査定その他については建設省を信頼していく、こういう方向にできませんか、重ねてお尋ねいたします。
  46. 原純夫

    ○原政府委員 建設省の査定については、われわれ心から敬意を払っております。これは決してうわべだけのことではなくて、非常に長い伝統と、りっぱな知識経験を持たれて、しっかりした仕事をやっておられると思います。ただ、ただいま申し上げておりますように、はっきり申せば、戦後こういう財政面の規律が全般に相当ゆるんでおりまして、不正不当の要求が多いということも事実であります。そうして災、害直後の非常に緊迫した空気の中で査定される場合には、いかに優秀な人がやりましても、問題が起るということは、あけすけに申しまして私はあろうかと思います。かつ、ただいまの法律には超過工事をどの程度査定できるかという限界が、きわめて抽象的に書いてありますために、この辺に至りましては、われわれ財政を持ちます身として、相当多くものを申し上げなければならないと思います。先ほど申した非常にりっぱな護岸が、小さな河川の支流においてできてしまうというようなことは、われわれやはり国費が惜しいと思います。そういうような意味で意見を申させていただくということはやはり必要なのではなかろうか。実際二十八年災でわれわれも非常に勉強させられましたし、建設省との間にも具体的な事例についていろいろ議論もさしていただき、そういう面もだんだんと両省の間が合いつつあることは事実でありますが、やはりただいま申しました通り、段階的な問題で、だいぶわれわれも勉強さしていただいたので、おっしゃるような方向にだんだん持っていくと申しますか、相当急速になり得るとは思いますが、一切それだけでといいますには、規律の問題、それからただいま申しましたような超過工事あたりについて、まだまだ実地についていろいろと意見を申し上げるようなこともお許しいただかないと、財政全般の中における災害費のバランスというようなものについて相当大きなポイントがありますので、だんだんとおっしゃるような方向に参らなければいかぬと思います。だんだんということで一つ了承を願いたいと思います。
  47. 井手以誠

    井手委員 原さんは建設省をほめておっても、まだ信頼なさらぬようです。矛盾撞着もはなはだしいと思います。明日もいらっしゃるそうですから明日お伺いいたしますけれども、内輪の建設省との相談は相談でけっこうでございますが、あなたの出先が復旧工事について指示なさるのは越権だと思う。この点だけはやめていただきたい。あれはやり過ぎだ。自分の調査によるとあの工事は超過工事でいけないとか、そういうことを調査してきて建設省に、こういうわけだからどうか、こういうようになさるのが当りまえでしょう。それをあなた方の出先が一つ一つ工事について文句を言われる、百万円の工事を九十万円だ、八十万円だとおっしゃっておる、これだけはやめてもらいたい。そういうことはいたしませんということをはっきり言明してもらいたい。
  48. 原純夫

    ○原政府委員 もちろんおっしゃる通り指示はいたすべきではないと思います。いよいよという場合には、財政法でありましたか、会計法でありましたか、四十六条というのがありまして、そういうような力がないとは申しませんけれども、今やっているのはそういうのじゃなくて、打ち合せていただいておるだけでありますから、その仕事の範囲においては指示をいたすということはいたしておらないつもりであります。ありますればどうぞ後ほどでもおっしゃっていただき、また建設省あたりからも、そういうことがありましたらよく伺って、そういうことのないように指図をいたしたいと思います。
  49. 井手以誠

    井手委員 大蔵省に対しましては、お急ぎのようでございますからこれでやめます。あすまたやりますが……。
  50. 内海安吉

    内海委員長 井出さん、今建設大臣からあなたに答弁しようということになっておるのですが、先ほどからだいぶたまったようでありますから……。
  51. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 いろいろ御意見よく了承いたしました。過去のことは過去のことといたしまして、これから一つ大蔵省との連携は一そう緊密にして、必要以上の御迷惑をかけないように努力をいたしたいと考えております。
  52. 内海安吉

    内海委員長 本案に関しまする残余の質疑は次会に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。  なお明十三日午前十時より開きますから、どうぞそのおつもりで御参集を願います。    午後零時二十一分散会