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1955-07-07 第22回国会 衆議院 建設委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月七日(木曜日)     午前十一時九分開議  出席委員    委員長 内海 安吉君    理事 荻野 豊平君 理事 高木 松吉君    理事 逢澤  寛君 理事 瀬戸山三男君    理事 西村 力弥君       伊東 隆治君    大高  康君       志賀健次郎君    松澤 雄藏君       大島 秀一君    仲川房次郎君       二階堂 進君    有馬 輝武君       井手 以誠君    小松  幹君       三鍋 義三君    山田 長司君       今村  等君    中島  巖君       松尾トシ子君  出席国務大臣         建 設 大 臣 竹山祐太郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (理財局長)  阪田 泰三君         建 設 技 官         (河川局長)  米田 正文君  委員外主席者         大蔵事務官         (主計官)   鹿町 義夫君         大蔵事務官         (理財局地方資         金課長)    牧野 誠一君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      藤村 重任君         建設事務官         (河川局次長) 植田 俊雄君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 七月七日  委員安平鹿一君及び松本七郎君辞任につき、そ  の補欠として井手以誠君及び今村等君が議長の  指名で委員に選任された。     ————————————— 七月六日  道路財源確立等に関する請願池田清志君紹  介)(第三六〇五号)  昭和二十八年度災害復旧費国庫補助増額に関す  る請願楢橋渡君紹介)(第三六〇六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  東北地方及び北海道における豪雨災害復旧に  関する件     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長 これより会議を開きます。  東北地方及び北海道における豪雨災害復旧に関しまして調査を進めます。すなわち、派遣委員荻野豊平君の報告に対する政府答弁並びに所見につきましては昨日これを聴取したのでありますが、本日はまず二階堂委員及び西村委員質問に対する政府答弁を求めます。米田政府委員
  3. 米田正文

    米田政府委員 昨日お尋ねのありました東北地方災害視察の結果の御意見についてお答えを申し上げます。建設省といたしましては、中小河川災外対策につきまして、大河川との間に特段の差別をつけておるという意味ではございません。これは河川改修順序といたしまして、河川計画の重点をまず直轄河川に置きまして、直轄河川のいわゆる幹になる部分の事業を促進して、それに続く支川を順次進めていくという方針をとっております。要するに河川は、両軸河川中小河川及び普通河川から一つ水系が成り立っておりますので、総合的な河川計価をまず立てまして、その仕事の順序としては直轄河川区域から進むということ、それから、いろいろな事情がありますから一慨には申し上げられませんけれども、できれば河川下流から工事を進めていくという方途をとっておるのでございます。  次の御質問の、北上川水系五つダム建設することになって、おるが、この五つだけで水害対策治水対策が万全なりやということでございますが、御承知通り北上川総合開発地域であり、かつ北上川自身河川計画総合開発の線から決定をいたしておるのでございますが、概略を申し上げますと、一ノ関の近くの、北上川が宮城県に流れ込む間の狭窄部上流に狐禅寺というところがございますが、ここの従来の実績を調査した上で決定をいたしておる計画洪水量を、九千立方メートル毎秒と計算をいたしております。その九千立方メートルのうち、ダムで二千立方メートルを上流で貯溜することにいたしまして、そのほか七百を途中の遊水池で遊水作用をさせまして、要するに九千の計画洪水量を六千三百にして下流に流すというのを、あの北上用計画の恨幹にいたしております。この五つダムが全部できて、二千立方メートルの洪水量を低減することになるのでございますが、ただいま申し上げますように、上流についてはやはり依然として六千三百の洪水量を持つものでございますから、この水量はほかの川ですと相当大きい水量でございます。利根川も、明治の初めに始めたころには、五千五百立方メートルの水で計画立てたのでございますから、それに比較してそれよりも大きい水量でございますので、相当な川幅、堤防の大きさ、高さを必要とするものであります。従いまして川の改修ダムと同時にやるべき必要があると思うのでございますが、この河川計画遂行には莫大な経費を要するので、それに比べまして今日の工程が遅々として進んでおらないという指摘も受けましたが、この点私どももまことに遺憾に存じておりますので、できるだけ促准をいたすような努力をいたしたいと考えております。  それから第三点は、和賀川筋東北電気製鉄会社が設置をいたしておる石羽根発電所ダム操作が悪かったために、下流水害を生じておるという御意見でございますが、これは各地にそういう問題が提起されておりますので、岩手県、新潟県等の調査をいたすために各現地係官派遣いたしておりまして、その詳細の報告を待って御報告をいたしたいのでございますが、これは調査いたしますと、その堰堤の中に流れ込んだ水の量と吐き出した水の量が記録的にわかっているのでございますから、このダムがどういう程度に悪影響を及ぼしたかという判定ができるのでございます。その上で詳しくお答えいたしたいのですが、要するに発電だけのダムの場合には、どうも洪水調節能力がないために、ゲート操作を誤まって、一時人工洪水を起すという例が今までもありましたので、もしそういう誤まりがありとすれば会社側責任でございまして、そういう場合には補償問題等も起きてくるかと思いますが、それらの判定はよほど慎重を要しますので、私どもとしてはよく調査した上でお答え申し上げたいと思います。私どもがこれを監督いたしておる筋合いを申し上げますと、知事としてはその会社水利権を許可いたしますときにいろいな制限をつけており、その中に洪水時の処置についての制限をつけております。そしてそういう民間のダムができ上りますと、そのときはダム操作規定ダムゲートのあけ締めをする規定でございますが、そういうダム操作規定というものをこしらえて、それを認可して、その通りに実施させることになっておりますから、その操作規定通りにやれば問題は起きないような措置をしているのでございます。この操作が果して規定通りやられたかどうかということが問題になると思います。ただなお研究を要することは、そのときに計画をした洪水量より非常に大きい、予想もできなかったような水が来たかどうかという問題がありまして、もし予想もできなかったような水が来たというような場合には、また特別な考え方をいたさなければならぬと思いますが、普通予想される程度洪水の場合には、操作規定によって監督いたして参れると思うのであります。大体以上であります。  次に西村委員の御質問でございますが、これは第三点の今の二階堂委員へのお答えでかえさしていただきます。
  4. 西村力弥

    西村(力)委員 かえさしていただきますと言いますが、実際私の聞いているところでは、建設省管理しているダムにおいても、そもそもは洪水調節という趣旨でやられているが、建設省がやりましても、水を満水しておけば発電量がそれだけ出るために、管理規定通りに行われないではないか、そのためにこの間の五月下旬の大雨の際に、そのダム洪水一つの原因を作ったのではないかという地元側意見相当ある。それを建設省がやっておるのだから、無条件に信じて可なり、こうも言えないのではないかというのが地元民の意向です。だから今の答弁だけでは私としては満足できない。またダム管理河川管理というのはちょっと違っておるものですから、そこの関係とか、あるいは気象観測との連絡、それから雨龍川下流民に対する連絡、そういうものに対しても相当綿密な、周到なる計画が今後立てられなければならないのではないか、こういう立場から関連して質問をいたす次第であります。その点、具体的に建設的な立場でもって調査した結果、その管理者においては管理規定をただ順法しただけであって、そのことによっては被害は出なかったのだ、むしろ大水を調整したのだというはっきりとした結論があれば、地元民も納得するであろうと思います。地元民としましては科学的な考え方は何もできないので、現実被害の出たことがあのダムのせいであろうとすぐこう言うのですから、その声を一概に押えることなく、こうこういうことでこうなったのだ、これは最大の調節努力をしたのだけれどもこうなったのだという、はっきりとした責任ある結論をもって当っていただきたいと思います。
  5. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 昨日は、せっかくおいでいただきました視察報告を本会議のために伺うことができませんで、まことに失礼であると同時に、私も申しわけなく遺憾に考えております。河川局長から直ちにその要点は聴取をいたしまして、なおたまたま二階堂委員にもお目にかかりまして、今お話ダムの問題については、私も前から河川局長に、新聞記事等を通じて、日本中にダムをやっております関係から、特に注意をしなければならぬというふうに申しておったのでありますが、御注意を受けまして、一そう私もその感を深くいたしました。先般お供をいたしました者は防災の方の係の者で、ダム専門家ではありませんから、昨日お話を伺うと同時に、直ちにダム専門係官現地派遣をいたしまして、今西村委員の御指摘のような建設省所管のものはもちろん、その他のダムにつきましてもこの際精密に調査をいたしまして、建設省所管のものに対する善後処置はもちろんでありますが、招来にわたって再びかようなことの起りませんように、いろいろ処置をいたさなければならぬと思いますが、さような前提としてまず第一に調査をするということで派遣をいたしたようなわけでありますので、今御指摘のような問題につきましては、係官が帰りました上で正確な調査を基礎にしてまた御報告を申し上げ、その上でまた一つ意見をお聞かせ願いたい、かように考えて、私はきわめてこのことは重大視をいたしております。たまたま起りましたのは、ダムに関しては、今秋の耳に入っておりますのは北海道岩手新潟の一ダムであります。いずれもよかったというものと、悪かったというものといろいろありますけれども、さような情報だけではいけませんから、北海道の方は昨日朝二名、これはダムのためというよりも水害全体に対する調査連絡に、飛行機できのう六時に立たせましたから、それについても、特にダム調査はするようにということの連絡を、あとから追っかけて注意をいたしておるようなわけでありますので、両方合せてできるだけ早い機会に御報告いたしたい。なお今河川局長から申し上げました答弁は、私から申し上げたと同様の責任を持って申し上げた次第でありますので、御了承いただきたいと思います。
  6. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 今ダム操作による被害といいますか、それについて建設大臣から重要な御発言があって、これはけっこうだと思います。私もけさの新聞北海道石狩水系雨龍ダムですか、これで相当問題になっておるのでありますが、北海道電力ですか、それから北海道庁、政府というか、建設省通産省所管だと思いますが、それに対しても損害の賠償を四億くらい請求する、こういう問題が起きておるようであります。これは今当局にどういう状況かということを聞いてもわかりにくいと思いますから、よく調べられて御報告願いますが、私がここでお尋ねしておきたいのは、今盛んにダムを作っておるわけですが、特に一番問題になっておるのは、さっき河川局長から言われたように電気オンリーのダムが、地方の住民との摩擦が一番多い。そういうことでこういう事件が起ると、河水の調節やら、あるいは水利のための発電その他のダムを作るのに非常に支障を来たす、いろいろな不安のために将来に非常に支障を来たすのではないかという心配をするのです。そこでこれは直接これとは関係ないかもしれませんが、ダムを作るとか、あるいはその他の河川改修などでいわゆる補償の問題が常に起っているわけでありますが、この補償については基準をきめた一つ立法措置をしなければならぬということで、前から相当研究されて、ある程度準備されておったこともあるのでありますが、まだそれが具体化されておりません。これは建設省通産省とか、また農林省とか、そういう役所関係でいろいろ意見がまちまちで、固まってこないわけです。そうこうしておるうちに、こういういろいろな問題が起ってくる。今まで論ぜられておりましたのは、新たにダムその他の建設をする場合の補償の問題でありましたが、私どもは従来からこうやって建設された後のダム関係しての補償の問題についても、ある程度基準をきめて立法的に方法を講じておかないと——これは北電地元関係ですが、私の方の大淀川でも毎年紛争を来たしておるわけです。それでこう言っては失礼ですが、やはりお百姓が深刻な打撃を受けておって、一家離散して食うに困るという結果になって、何とかそれに対して損害補償ということにしておりますけれども、実際問題としては非常に弱い。また今の電力会社は非常に強くて、昔の役所のような感じのところもあります。そういうことで非常に深刻な紛争になっておって、これがなかなか解決できないという状態です。ですから私どもは、これは専門家研究を必要とすると思いますが、ダムその他のものを新たに作るときの補償と同時に、作ったあとの自然の状況の変化などでこういう災害が起るのですから、それについてもある程度基準をきめた立法措置がなければならない。今もその運動がさらに起っておりますが、これは政府の部内の各官庁の意見の相違もあるかもしれませんが、最大公約数をとって立法措置をしておかなければいけないのではないか。特にダムは、だんだんできていきますから、非常にその必要を感じておるのですが、それについてこの際大臣の御意見を承わっておきたいと思います。
  7. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 前に例にお引きになりました北海道のことから申し上げます。これは私も新聞記事を見ると同時に河川局長にすぐ調査を命じたのでありますが、今までにわかっておるところでは、御指摘ダムの一番奥は電力会社ダムであり、その下に農林省が作ったでき立てダムがありまして、でき立てのためにこれのいわゆる操作管理建前を確立しておらぬ節がありまして、そういうときにたまたま起ったために今御指摘のような問題が起っておるようであります。そんな関係でありますが、治水立場から建設省としては責任感じておりますので、直ちに調査を命じておるようなわけであります。  そこで今回こういう各所ダムに対する問題は、私も瀬戸山委員と同様の予感を持ちましたのは、全国でダムをこれからもちろんやらなければなりませんのに、このようなことが各所で起ったということは、これはたまたま起ったのではない、将来これに対する処置を十分検討いたしたいという意味で、先ほど申し上げたようなわけであります。しかし今度の例から見ましても、建設省の当然の責任であるダム、また通産省ダムと言ってはおかしいのでありますが、電力専門ダム、それから農林省ダムと言ってはおかしいのですが、もっぱら農業のために作ったダムというようなものが、いろいろな形において現われて参っておりますから、これは私だけの感じでありますが、やはり一貫した建前をもっと確立いたさなければならぬということを痛感いたしております。そういう意味で実は調査を命じておるようなわけであります。同時に今御指摘補償立法措置は、前国会以来本委員会の御要請であり、ことに委員長からは御熱心なたびたびの請求を実は受けておるわけでありますが、決して私自身横着をかまえておるわけではありませんけれども、率直に申しますと、瀬戸山委員の御指摘のようにダムに対する補償立法措置をやろうといたしますと、電力立場における通産省立場と、農民を背景とした農林省立場と、建設省といっては語弊があるかもしれませんが、建設省立場考えて参ります補償のやり方といいますか、方法論の内部に入りますと、今日完全にこの三省の考え方というものは一致いたしません。何とかしなければならぬということはだれも一致しておりますけれども、具体的な限度、方法になりますとこれは一致いたしません。そこでこれは内輪のことを率直に申し上げるわけで、建設省だけの法案を出すことも不可能ではありませんけれども、これまた政府の不一致を現わすようなことになりまして、私としては何とか政府部内の見解を早く統一した案を、あるいは御審議の過程において不満足な点が出てきましょうとも、一応政府のまとまった案を出すことがわれわれの責任考えて、今日努力を続けておるようなわけでありまして、できるだけ早い機会に私もこれの処理をいたしたい、かように考えておりますが、目下の状況はさような事態であります。同町にこれは、これからダムを作り、また作りつつあるダム補償の問題でありますが、今御指摘のように九州の轟ダムも、私も拝見をした際に、典型的な事後の補償の問題の大きな例でありますが、そういうことと今回のこととをあわせ考えますと、これも瀬戸山委員お話通り、共通の何らかの処置をとることが適当ではないか。しかしまた私には具体的な対策をはっきり申し上げる段階には至っておりません。そうしなければならぬであろうという考えだけは今抱いて、調査をしておるようなわけでありますので、できるだけ早い機会にわれわれもこの対策考えたい、また御意見を十分お聞かせ願いたいと思っております。
  8. 内海安吉

    内海委員長 それではただいまより水害根本対策につきまして竹山建設大臣所見を聴取いたしまして、しかる後に質疑を行いたいと存じます。竹山建設大臣
  9. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 前会の御質問に対する答弁の補足ということになろうかと思いますが、治山治水の問題につきましては、根本は前内閣においてお立てをいただきました十カ年計画というものをわれわれは踏襲をいたしまして、これをすみやかにまた完全に遂行するように最善の努力をいたしたいというのが考えの基本でございます。なおそれに伴う災等対策ということにつきましては、いろいろ問題はありますけれども、結局は予算処理を、現実には国家財政と遊離しては考えられませんから、それを現実に即して、しこうして地方期待に沿うようにいたしていく、その災害対策処理方法といたしまして、一つは今回御審議をいただいておりますところの国庫負担法の改正を企図したわけであります。これのねらいは、連年災害について前国会以来本委員会の御要求が強くありましたのに対しての、政府として責任を持って、遂行のできる解決案であります。  それは要するに従来の方式もとにいたしまして、標準税収入というものを一つの柱として、それに今回連年災害に対しては全額国庫負担の適用の範囲を拡大して、これで地方財政に一歩前進をして対応して参ろう。もう一つは、私が前にも申し上げましたように、単年度予算制度のために、全体の公共土木事業などの効率を非常に阻害しておると私は考えておりましたので、今年度予算編成当初から、何度か継続費予算制度をとりたいという努力を続けて参りまして、一般の河川等につきましては、とりあえず直轄河川からでも継続費予算制度に入りたいということで、事務当局にその準備にかからせたのであります。これは御承知通り戦前にありまして、戦後になくなった制度でありますが、これを復活しようとするのには、ただ机の上で寄せて予算ができるというわけには参りません。一木々々の河川について、将来にわたっての計画があるわけではありますけれども、それを一そう精密に予算化したものを、きちっと国会で全部の御承認をいただくわけでありますから、あとで手直しをするというような不見識なことはできません。一年一年ならその状況に応じて多少の変更も可能でありますが、継続費を一度に国会で御承認をいただく以上は、技術的にも将来の見通しを一そうはっきり立てて、継続的に合うように綿密な予算立て直さなければなりません。そういう技術的な問題は、われわれしろうとが考えておりますよりも非常に大へんな作業でありまして、実は一カ月も二カ月もかかってやらせたのでありますけれども、これは大蔵省の査定とかなかなか大事業でありまして、やりかけてはみたものの、実は予算編成の最後のときまでに間に合いませんでした。このために予算をおくらせるわけにも参りませんですから、残念ながら今度の予算には実現をいたしませんでしたけれども、来年度予算にはどうしても建設省としては、この方式一つ推進をいたして参りたい。一方同じような考え方災害費予算につきましても、地方立場からいいますと、一時やかましく論ぜられました三・五・二の比率による災害復旧というようなことも、国民の側からいえば、国会論議を通じて、三・五・二がもう既定の、法律できめられたもののように考えておりますけれども、率直に申せばこれは政治的な論議といいますか、国会の中では通用しますけれども現実には大蔵省予算には何らその通り拘束されて予算化しておりません。そういう結果、その年の財政事情等からだんだん時日が延びまして、今度の予算ではようやく二十五年度災害が片づくというようなところまできておるようなわけでありますから、過去の問題の始末はもとより大きい問題でありますが、今後起るであろう災害対策に対してはこの際一線を画して、今後はある意味においてはそういうだらしない結果にならないように、国家財政のワクも限りはありますけれども、同じやるにしてもはっきりと、地元の諸君にも国家予算的に、法律的に約束をしてかかりますならば、今地方で迷惑をしております仕越し工事等、緊急やむを得ずやって借金をしたが、あと予算がそれを合理的に追っかけたいというようなことで、双方でなすり合いみたいなことになってしまっておりますが、これらの問題も、三年間の継続費予算建前を、しっかり政府地方とが信頼し合ったもと予算化していくことになりますれば、あとでこういうごてごてもなくなることでありましょうし、また個々の事業遂行する上におきましても、明年度以降三年間の予算の見当がはっきりいたしておりますならば、それに応じて地方は緩急よろしきを得て、復旧も進められるであろうというようなことで、急激な予算増額ということは、努力はいたしますが、十分の御期待に沿い得ないかもしれぬけれども、許される財源を最も有効に使うためには、どうしてもこの制度をとることが必要であろう。幸いにして大蔵当局も積極的にこれを支持してくれておりますので、今回は政府の原案といたしまして、災害費の三年計画というものを御審議議をいただいておるようなわけであります。まだいろいろ御指摘をいただく点はないとは私も思っておりませんけれども、まず政府の確信を持って遂行できる処置といたしまして、この二つの点を災害予算に対して新しくとることにいたしたようなわけであります。これらをもちまして今後の災害対策遂行いたして参りたい。いろいろ申し足らぬ点があるかもしれませんが、今考えております予算を中心としてのわれわれの考えを申し上げれば、以上のようなわけであります。
  10. 内海安吉

    内海委員長 これより質疑に入ります。  昨日御要求のありました一萬田大蔵大臣は、大蔵委員会出席のために当委員会にはお見えになりませんが、阪田理財局長、牧町地方資金課長鹿野主計官、三名の方が見えております。通告順によりこれを許します。二階堂進君。
  11. 二階堂進

    二階堂委員 大蔵大臣が本委員会にお見えになっておりませんので、私の質問は明日か明後日かの委員会にその大半を譲りたいと思っておりますが、ただ大蔵省局の方も見えておられますので、二、三の点につきましてお伺いをいたしてみたいと思っております。他の同僚委員からもいろいろ質問があると思っておりますし、時間の関係もありますので、ただ要点のみを本日は申し上げまして、お答えを願いたいと思っております。  まず第一は、私は大蔵大臣に対して自分の見解を述べて、所信をお伺いするのが適当かと思っておりますが、ただ建設大臣から災害対策あるいは治水対策根本方針についてお述べになりましたので、ちょっと私の意見を述べてみたいと思っております。  次々に起りまする災害等を考えてみますと、これは最近の災害の特徴と申しますか、非常に多量の雨が一時に降ってきておる。従って川にはんらんする量というものは、一挙に相当量増水してくるということからも、各地にいまだかつてないような被害が起っておることは当然でありましょう。しかしながらやはり今日のごとく災害によって各地の貴重なる山が荒され、あるいは道路が決壊し、河川がはんらんし、農地が荒されるというような現象が次々に起って、国民全体が非常な心配をいたしておるこの最大の原因は、何と申しましても治水治山の対策が不完全である、災害復旧が遅々として進まないというところに、根本の原因があるのではないかと私は考えております。私はきのうも申し上げたのでありますが、政府は経済六カ年計画立てて、そうしてわが国の経済の地固めをしようということで、いろいろ産業経済全般にわたっての施策を発表せられておるわけでありまするが、しかしながらその反面何十倍という、平均にいたししますると災害によって失うわが国の国土、耕土というものは、二十数百億ないし三千億になんなんといたしております。幾ら政府が経済の地固めをするとかいろいろなことを申しておりましても、その反面貴重なる国土がこのような状態で荒されておっては、どうして日本の経済の復興——特に貴重なる山林、食糧増産に関係ある耕地というものが荒されていっております。いかに政府が食糧増炭の日給計画立ててやっておられましても、このように国土が荒れてしまっては、どうして経済の地固めができるかということを私は常々心配をいたしておるのであります。このことは大蔵大臣あるいは関係大臣が特に今後この国土保全の対策治山治水対策考える上におきまして、十分一つ考えていただかなければならない点ではないかと考えております。建設省におかれましては治水治山の対策、あるいは農林省におきましては農地保全の対策、食糧増産の対策というものを極力協議されてお立てになりましても、詰まるところは大蔵省の資金計画であります。大蔵大臣は私がたびたび申し上げておりますように、このような治水治山対策というものにもっと誠意を持ち、熱意を持たなければ、われわれが憂えておるような心配いうものは、決して消えるわけではないということを私は憂えておるわけであります。政府が出しました本年度の当初予算を見ましても、災害復旧等の費用というものが前年度に比べまして大へんな削減をされておることは、建設大臣みずからも御承知通りであります。食糧増産費にしてもその通りであります。このような状態であっては、幾らわれわれが声を大きくしてこの委員会におきまして災害復旧を早くやれとか、あるいは補助金を早くやれとか、つなぎ資金を早く、やれとかということを申しましても、何ら効果がないということを私は憂えておりますので、今後の治水治山対策につきましては一段と、私が今申し上げましたようなこの気持をは十分におくみ取りになりまして、そうして大蔵省当局に対しましても大臣に対しましても、強くこの要望を伝えていただきまして、われわれの心配しておることが幾分なりともなくなるように、減少するように努力をしていただきたいということを私は御要望申し上げておく次第であります。なおこのことにつきまして、大蔵大臣がお見えになりましてから詳細にわたって私の意見も申し述べて、考え方を変えていただきたいと思います。来年度予算編成も、大蔵省当局としては着手しておるというようなことも私は新聞で見ております。そういうような大切なときでありますので、国土が荒されておりますこの災いを一つ契機といたしまして、国民が心配のないような国土保全の対策考えていただきたい。もとより国家財政の窮乏いたしておりますときであります。無理なことは申し上げません。しかしながら治水治山の事業対策費等が終戦以来初めて減額になったということは、われわれとして断じて許すことができないことではないかと考えるがゆえに、このような意見を申し述べておく次第であります。  次に、先ほど瀬戸山委員からもダムの問題につきましていろいろな御意見がありました。私も現地視察して参りまして、石羽根ダムを値接見まして非常に心配になりましたので、きのうその点を委員会におきまして河川局長質問いたしたわけでありますが、今日大臣からもいろいろな意見をお伺いいたしましたが、さらにこの問題につきましては調査報告等ができ上りましたならば、われわれの手元にも一つ報告をしていただきたい。  さらにまた私はお願いをいたしておきたいのでありまするが、現在全国に自家発電等を目的とするダムが一体何個所、どこに何個所あるのか、そうしてそれが建設された年月はいつなのかということの資料を提出していただきたい。同時に農林省が農業用のダム建設いたしておるわけであります。この農業川の大小のダムが全国に一体何個所あるか、それが建設された月日はいつか、これは管轄は違うかもしれませんが、できましたならばあわせてこの資料も一つ御提出を願いたい。  それから瀬戸山委員も触れられましたが、補償の問題であります。私が見ました石羽根ダムの直接すぐ下にあります農家から、実際の被害報告が来ております。これはほんの部分的な報告でありますが、この被害の数字をここで御報告申し上げてもいいと思っております。そのダムのじき近くに農家があるわけでありますが、今回その石羽根ダムを急にあけたということを地元の付近の人が言っておりました。これはまた調査に入りますれば明らかになると思っておりますから、このことはここでは申しませんが、ダムが大体二つありまして、上のダムをあけて急に増水してきた、従って下のダムが危険に瀕したというので、また次のダムを一挙にあけたというような事態が起ったやに考えられます。そこで多量の水が一挙にふき出したわけであります。従って今までに昭和二十二年ないし、二十三年あるいは二十五年に多量の雨が向うでも降って、洪水があったように伺っておりますが、そのときには全然被害がなかったはずであります。その個所が今回の人工洪水と申しますか、そういうことによって非常な被害を農地あるいは人家が受けておる。さらにまた一挙にたくさんの水が急激に出ましたために、川の流れが下流において相当違った方に流れてきておる。堤防なんかを無視して、堤防を越えて、本流に沿わないで畑の中を川が自由奔放に荒れ回っておるという現象があります。これらの被害を総合いたしますと、莫大な被害になると思います。この被害損害補償については、先ほど河川局長は、人工洪水による被害ということが明らかになれば、当然会社責任であるというようなことをここで申されておりますが、一体このような被害かあった場合に——瀬戸山委員からは立法措置をどうしてもしなければならないという御意見もありました。これはなかなかむずかしい問題であることも大臣の御答弁によってわかりますが、しかしこれは何らかの立法措置を講じてもらわなければ困る問題であると思う。この補償要求する場合に、責任の所在が一向明らかでないような気がする。先ほど大臣も申されましたごとく、あるダム通産省関係があり、あるダム農林省関係があり、あるダムは個人と関係がある、こういうような責任の所在が明らかでないところに、私は補償の問題を考える際に困難が起るのではないかと思う。ダム建設管理行政と申しますか、こういうものをどうしても一本化する必要があるのではないかと考えております。今回見て参りまして——農業用のダムは私どもは見て参りません。しかしながら農業用水に使っておりまする水の取り入れ口の前後が、中小河川に取りつけたところ、あるいは北上川の本流に取りつけたところ、そういうところがほとんどといっていいくらい決壊をいたしております。私は技術屋でありませんからわかりませんけれども、そういう用水路を作っておるがために果してそういう決壊が起ったのか、あるいはその他のいろいろな川の客観情勢、いろいろな他の条件によってそういう決壊が生じたのか。これはよく研究してみなければわからない問題であるかと考えられまするけれども、しかしとにもかくにも見て参りましたところでは、そういうような個所が非常に多い。多いということが事実といたしますれば、何かそこに私はそのダム建設あるいは用水路の建設について欠陥があるのではないか、こういうふうに考えざるを得ないのであります。自家発電ダムの問題にいたしましても、北海道においてそういう例が起った、あるいは昨年でありまするか、大分にもそういう事件が起ったということを聞いております。こういうようなことを考えてみますと、どうしても私はダム建設あるいは管理と申しますか、そういうものの行政を一体にまとめるべきである。建設についての行政を一本にまとめてやるとすれば、あくまでも建設省がこれを管理するということが当然ではないかと考えているのであります。そういうところが一本にまとまって参りますと、私はある程度この補償の請求をする対象、責任の所在というものも明らかになる、こういうふうにも考えるわけでありますが、この点について将来こういうようなダム建設行政あるいはこの管理行政と申しますか——いろいろなむずかしいこともあるかもわかりませんけれども、私は今後の治山治水対策の上において、これを一本化することが必要ではないかと考えまするが、この点について一つ大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  12. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 昨日二階堂委員の非常な適切な御注意をいただきましたので、先ほども申すようにさっそく現地に専門の係官派遣して詳細に調査をいたし、その上でまたいろいろ私の考え方を申し述べることが——事があまりにも広範重大でありますから、今日の段階で軽率に意見を申し上げることはいかがかと考えますので、ある程度根本にわたる問題についてはお許しをいただきたいと思いますが、感じといたしましては、二階堂委員の御指摘通り、私もたまたま起りました事態が、いろいろな形のものがあったという事実は、これはいかんとも否定をするわけにいかない事実でありますから、これは一つ何らかの方法を速急に検討いたしまして、かようなことでいわゆる制度上等において少しでも遺憾の点があったといたしますならば、これは政府全体としてもまことに申しわけないことであります。技術的に欠けるところがあったとするならば、これは技術の面において相互に技術の検討、交流をいたして、さようなことのないようにいたさなければなりません。事の原因、結果をよく探究をいたしまして、それに対応するような処置をとりたい、今日においてはかように考えておる次第であります。
  13. 二階堂進

    二階堂委員 私は事実をもってそう感じますので、今ここでその事実に基いて、私の意見を申し上げているのでありますので、このことは理屈ではなくして、どうかそういうふうに一つやっていただきたい。そういうことが私は政治じゃないかと考えております。建設大臣は非常な政治力を持っておられる方でありますので、一つその政治力を大きく生かして、少くとも何らかの方法で、この一元行政と申しまするか、そういうことを一つ取りきめていただきたいと考えております。  さらに小さなことにわたりますが、この石羽根ダム被害というものは、これは御調査の結果、明らかに人工洪水の結果だということがわかりましたならば、その付近の農家あるいは農民の被害というものに対する補償の問題が、当然起ってくると思っております。私どもが参りましたときも、その付近の農家が補償会社の方に要求したところが、会社はそんなことは知らぬ、こういうことを言っておったそうであります。もしそういうふうに明らかに人工洪水ダム操作を間違ったとかいろいろなことで、そういう事態が起ったということが明らかになった場合には、その農民の補償というものは当然会社が——建設省とも話し合いがあるかもしれませんが、私はなすべきものではないかと考えておりますが、そういった場合に何十軒かあるその農民の人たちが会社に交渉して、それができない場合、一体建設省としてはおれはそれを知らぬ、それは会社のやったことだから会社に行け、こういうふうに突っぱねて果していいものかどうか。これは将来にもこういう事態が起ると思っておりますから、そのことについて大臣は一体どういうふうにお考えになるか。これは会社被害を受けた農民との問題になりますけれども、そうかといって、これはやはり建設省当局にもある程度関係のある問題であると考えますので、そういうような場合が具体的に明らかになった場合に、一体これらの補償をどういうふうにされる御用意があるか。全然私たちは関係しないものだ、こういうふうに突っぱねられたら、農民こそ迷惑だと思いますが、この点についてもし御意見を承わることができれば幸いだと思います。
  14. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 率直に申し上げまして、何ら責任を回避するつもりはありません。しかしながらものの順序というものもありますし、よく事態に即応して考えなければなりません。一応水利権を認可をいたした者は知事でありますので、知事は認可に当りましてそれ相当のことを考えてやったことだと思いますし、さようなことを基礎にいたしまして起った事態に対応する問題というものが、おのずからまた現われて参りましょう。従って私は決して責任を回避する気持はありませんから、地方庁その他関係の機関とよく連絡をとりまして、努力をいたし、今二階堂委員のおっしゃるように、将来にわたって好ましい解決ができますように、私も協力を惜しむものではないことを申し上げておきます。
  15. 二階堂進

    二階堂委員 時間もありませんので、この程度にしておきますが、先ほど河川局長意見でありましたが一河川改修計画もやはり部分的には変えていかなければならぬような事態も起っておるのではないかという御意見もあったのであります。私はこれは当然のことだと思っております。最近の水害の特徴は、繰り返して申し上げますが、一挙に多量の雨が降っております。従って川のはんらんする勢いも、従来の考え方とは変ってきている、こういうのが最近の特徴であるというふうに考えられるのであります。従ってこの付近は五十ミリとか百ミリくらいの雨が最高だと考えておったところに、二百ミリも四百ミリも七百ミリもの雨が降ってくることがたびたびであるわけであります。従って百二十ミリぐらいの洪水を最高限度に考え立てられた築堤等の計画も、ある程度変えていかなければならないのではないかというふうに考えるわけであります。先ほど大臣は、十カ年計画立てて各種対策をやっておる、こういうような御方針を承わったのでありますが、再検討を要することも多々あるのではなかろうかと考えておりますが、この点について大臣はいかようなお考えを持っておられるか、伺いたいと思います。
  16. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 私は、技術的な計画はいろいろな情勢に応じて、ほかの政治的、経済的理由等で、努めて変更しないという、技術を尊重する見地で、前内閣の立てた十カ年計画を踏襲するという考え方に立っておるわけでありますので、私としては、当時立てられた技術的な計画は十分検討されたものであって、これをその後のことでやたらに変えていくことはいかがかと考えておりますけれども、今二階堂委員の御指摘のように、ダムができたとか、いろいろその後の情勢の変化等に応じて具体的な改修計画を変えていくということは、従来とてもやっておることだと思いますので、その点で御意見のように、今後実施に当る方面につきましては十分よく考えて参るつもりであります。
  17. 二階堂進

    二階堂委員 もう一点河川局長にお伺いして、さらに私はつなぎ融資の問題について大蔵当局質問いたしたいのでありますが、河川局長にお伺いしたい点は、今回秋田あるいは山形それから新潟を見て歩いたのでありますが、私が見ましたのは堤防の決壊した個所についてでありますが、その個所はすべてといってよいくらい、堤防が砂とこぶし大より少々大きな石でもって築かれております。その表面になる、草と芝生を植えるようなところにわずか土が盛られておる。これは決壊した個所全部がそうである、私の見た限りにおきましてはそういう印象を強くいたしたのであります。しかも川の曲り目、コーナーのところがほとんど全部やられている。これは一挙にたくさんの水が集まり、流れの急な川がほとんどであります。そういうような関係からこわれたものと思っておりますが、その堤防の中を見て、ああいうような堤防の作り方であるならば、水の急激な流れに非常に弱いのではないか。砂とか石がほとんどでありますが、これはどういうわけでそういうものでもってああいう堤防を築かれたのか。付近に黒い土かないとか——私は技術屋でありませんのでよくわかりませんが、私が見て率直に受けた感じは、ああいう堤防であるならば、一挙に水が流れてくれば、当然こわれてしまうのではないかというような印象を深くいたしたのでありますが、河川局長は技術的な立場からどういうふうにお考えになっておるか。われわれの南九州の堤防は、黒土とか粘土質のいい土がほとんど大部分であります。ところがあっちは、川の砂利とか石をもって堤防が作られておるというような印象を受けております。この点について技術的にも相当考えなければならない点があるのではないかという印象を深くいたしました。繰り返して申し上げますが、私は技術屋でありません。従ってこういうことを申し上げると笑われるかもわかりませんけれども、率直に受けた感じでありますので、この点について技術的な立場から局長の見解を伺っておきたいと思います。
  18. 米田正文

    米田政府委員 ごらんになりました地域は、おそらく相当古い堤防ではなかったかと思います。私どもが現在とっております北上川改修計画については、土堤、土で作ります堤防を原則にいたしております。しかし場所によりましては、土でやることが非常に工費が高くなる場合があります。砂利、砂ならば現地ですぐ間に合い、非常に安いという場合には、その砂利、砂を使って、そのかわりに護岸と申しましてコンクリートあるいは石等を使うのですが、そういうもので堤防を巻いた方が、いい土を持ってくるよりも安くできる、しかも強さは同じであるという場合がたくさんございます。従って主として工費の問題でございますが、工費が不十分な昔の時代に作ったもの等は、そういう将来護岸をやるという場所をまだ護岸しないで、あるいは水制等も同時に施行しなければならぬものをやらないで、ただ単に今のお話のように砂利、砂でやっておる堤防は、今日まだ全国あっちこっちに私どももよく見かけるのであります。しかしこれは逐次そういう護岸で強化していくという措置をどうしてもとらなければならぬものでございます。そうしないと非常に弱いもので、もちろん工費の点から、護岸を安く仕上げようとするために、ただ土砂の上に土を置いて、その土に芝をつけて、芝で持たせるという一番簡易な方法はございます。しかしこれは一番弱い方法であって、丈夫な土と同じ強さを持たせるためには、コンクリートの護岸の施行という段階までいかなければならぬものだと思います。  それから湾曲部がやられておるというお話は、多くの場合そうでございまして、これは洪水時の水勢の一番当る場所でございまして、水が方向を変える場所でございますから、堤防の受ける水の力が一番強いところでございますので、こういうところは護岸、水制、そういうものを施行することによって水に抵抗していく、水の勢いを弱めるというような方法をとらなければならぬところでございます。そういう点が全国各地にまだ非常にできておらない状態でございまして、将来はそういうところにまで改修工事が完成をしていくということが、必要ではなかろうかと思います。そういう砂利、砂の非常に弱い堤防については応急の措置をやって、少くとも今できているものは、こわれないようにしていくという措置をとることが必要だと私ども考えております。
  19. 二階堂進

    二階堂委員 その他橋梁等の流失したこと等も、いろいろ承わっておきたいと思うのでありますが、これは道路局長がいつか来られたときに、一つ意見を承わってみたいと思っております。  次に、時間もありませんので、大蔵省の理財局の方でだれかお見えになっておりますれば、つなぎ融資等の問題についてちょっとお伺いをしてみたいと思っておりますが、災害が起ったところの人たちは、みな災害復旧を急ぐのは当然であります。農民の方、あるいは付近の人たちが、総出でもって荒れたところにかますに砂を入れて、驚くような復旧工事をやっております。実際現場に行ってみた者でなければ、洪水を受けたところの農民あるいは住民が、どのくらい血の出るような苦しみをもって、そうして朝早くから夜おそくまで復旧工事をいたしておるかということはわからないわけであります。私は九州でありますが、九州は毎年々々災害を受けております。その都度自分の費用から、何千円も何万円も貧しい農家が出して、この災害復旧を急いでおります。その人たちが口々に言う言葉は、早く金を出してくれ、できるならば全額国庫負担にしてくれという要求を、どこへ行っても申していることは事実であります。しかしながらすべてそういうような条件をのむということは、国家財政立場からしてとうてい不可能であります。そこでやはり災害に見舞われたところの人たちが切実に要求しておる問題は、何としてでも早くこのつなぎ融資を出してもらいたい。つなぎ融資の時期がおくれて参りますと、その効果が半減することは常識でもわかる通りであります。ほんとうに立ち上って、これから自分たちの農地を復旧し、あるいは道路を復旧しようというような熱意のあるところにつなぎ融資を出してもらうことこそ、復旧工事が促進される大きな原因だと考えております。しかしながらこの災害に対するつなぎ融資を、町村から県を通り、県から建設省あるいは大蔵省に書類が届くというのにも、なかなか手間取ることは事実であります。たくさんの被害の個所を調べて、そうしてまことに緻密なる計画書を出していかなければ、大蔵当局は受け付けない。これは金を出す方といたしましては当然のことでありましょう。町村の役場等の吏員あるいは土木関係等に関係しておる人たちは、むずかしい書類を早急に作るということはできないと思いますが、そういうような書類を一生懸命作って出して、それが悪いということでまた作り直すというようなことが再三あるわけであります。そういうような書類が整って、大蔵省の手元に建設当局から届きましても、つなぎ融資が出るという段取りになりますのは、私の知る限りにおいては、少くとも一カ月ないし二カ月、あるいは、三カ月かかる。さらにまたほんとうに予備費等が出て、仕事ができるという段に至りますまでには、査定が五カ月も六カ月もかかる。そういうことは災害を受けたところは痛切に身をもって体験して、このことは何とかして解決していただかなければならないということを、強く考えておることは当然であります。このつなぎ融資の問題でありまするが、詳しい理屈は申し上げませんが、しかし東北三県を見ても、北海道を見ても、あるいは南九州の災害を見ましても、何とかしてつなぎ融資を早く出してくれという書類が、当局を通じて大蔵省の理財局でありまするか、大臣のところにも届いておるはずであります。この書類が届きました際に、何とかして早くつなぎ融資を出してその要望にこたえるようにしていただきたい。手元に東北三県のつなぎ融資の要求も来ておるかと思うのですから、私は三県だけのことについてお伺いをするわけですが、一体どの程度のつなぎ融資の申し込みがあなたの手元に来ておるか、それがいつ来ておるか、そうしてそのつなぎ融資をいつ出して下さる見込みがあるか。このつなぎ融資の出し方がおくれると、先ほど申し上げましたごとく、その効果というものは地元復旧意欲と申しますか、それに影響があると私は考えるのでお伺いをするわけでありますが、これは資金運用部資金等の関係等もありまして、そう一言われてもなかなかきょう、あした出すわけにはいかぬということを、その都度申されるわけであります。その苦しい事情はわかります。しかしながら、東北三県の総額を見てみましても、何十億という被害を受けている、その何十億の何分の一、何十分の一かに相当するような金でありますので、何らかの形で早急にこの金を出していただく方法があるのではないかと私は思う。何べん来ても、何十ぺん頭を下げても金が出ない。一カ月、二カ月たってようやく金が出るというようなことであっては、私は非常に遺憾千万だと考えるのであります。当局の方々の手元に書類が一来ていると思っておりますが、一体その総額はどのくらいになっているか。大体いつごろどの程度出していただく見込みがあるか。これは大臣の認可も要るわけでしょうから、あなたの方で、いて、幾らということを、ここで明言ができないかもわかりません。しかしながら、地元の人たちはそれが今一つのたよりであります。ですからそういう地元のこの災害を受けた人たちの気持を十分考えていただきまして、何らか大臣同士の話し合いとかいろいろなことで早急に——大体の見込み額は、十五億の災害のあったところに二徳、そのくらいの金であろうかと思っておりますが、その程度の金は何とかして出して、災害復旧を急いでやっていただくということが、私はきわめて大切だと考えております。これは大蔵省当局立場から申し上げますならば、いろいろな事情もありましょうが、何とかそのような措置を早急に講じていただきたいが、この点についてどういうふうにお考えになっておりますか。
  20. 阪田泰三

    阪田政府委員 災害のつなぎ融資につきましては、これは補助金が正式に出て、災害復旧工事に着手できますまでには、急ぎましてもかなりひまがかかりますので、毎年つなぎ融資等をいたしているわけであります。本年度の災害等につきましても、現在大蔵省の方といたしましては、地元の財務局、こういうところと連絡をとりまして様子を見ております。それから建設省農林省等、関係各省からも資料をいただきつつあります。ただいまお尋ねの各県のつなぎ融資の申請ということにつきましては、これは私どもの方にはまだ正式に、つなぎ融資がどれだけ要るという申請は来ておりません。ただ財務局の方に電話で問い合せたところによりますと、東北の二、三県から出たというようなことも聞きました。金額の方は、秋田県で五億三千七百万、岩手県で七千五百万、そういった要求が出ているそうであります。これは財務局を通してその様子を大体調べてもらっておりますので、様子がわかりますれば、できるだけ急いで出すようにいたしたいと思っております。
  21. 二階堂進

    二階堂委員 建設省の方にはその書類が参っておりますか。
  22. 米田正文

    米田政府委員 県からのあっせん要望として、建設省に秋田県から書類が参っております。
  23. 二階堂進

    二階堂委員 そうすると、まだ二県は届いていないということになるわけですね。(「山形県はきょう出すよ。」と呼ぶ者あり)山形県はきょうお出しになるということです。手元に書類が届くのにも、これは相当な時間がかかることは申し上げるまでもありません。また資料の整理等にも時間がかかる。そこで理財局の方にそれが届いて、そしていろいろ資金調達をお考えになって、五億の要求に対して一億くらい出すとかいうようなことになると思っております。従来の経験から申すと、何十億という災害があって、つなぎ融資が十億の申し込みがあっても、わずか一億ぐらいしか出さない、そういうことに結果が相なるかと思っておりますが、そういうことであっては私はまことに遺憾だと思っております。その資金のやりくり上いろいろ問題があるでしょう。しかしこれは大体何十億というぐらい、何億というぐらいの資金は出せる、どうしても出さなければならぬと思うわけであります。事務的に書類がどうだとか、こうだとかいうことは、一応どうしてもこれは御検討する必要がおりましょうが、事は急でありますので、何とか一つこれは方法を講じて、そうして一つ早く金を出してもらうというふうに結局お願いいたしたいのであります。書類が届きましてから、やれ書類が不備だとか、やれどうだとか、町村が赤字だとか、お前のところは借金をしょっているから金を貸すことができぬということをよく言われるのでありますが、私ども地元から陳情に来られました人にやかましく言われる。しかられる。そういうことがあるから私はここで苦言を申し上げているのであります。こういうふうに災害が次々に起って参りますと、これは大へんな問題になると思っております。そういうことがないように、一つあなたの方へ地元の事務局の方から報告があるもののみをやるということでなく、あなたの方から直接、これはもうどうしても出さなければならない金があるから、どういうふうになっているかということを催促して、督励してやっていただくぐらいの大蔵省も気力を持っていただきたい、こういうふうに考えるわけであります。金を出される方だから、やはりきんちゃくを締めて金を出さぬようにする。地元の方は少しでも金をよけいにもらうことに一生懸命になる。これは心理状態から考えて当然のことであります。その辺の調整を一つあなたの方でもよく考えていただきたいと思うのでありますが、とにもかくにも災害地に私は大蔵大臣も一ぺん行っていただきたいと思います。私はいつも災害の中に暮している男ですから、こういうことを申し上げておるのであります。こういうことでは非常に困るのですから、あなたの方におかれてもそういうことを一つ考え下さいまして、出すべき金はあなたの腹で出していただきたい。これは私の心からのお願いであります。  さらにまたお伺いいたしておきたいと思いますが、北九州における六月の災害、このつなぎ融資があなたの方に来ておると思いますが、佐賀県五千百万円、長崎県二千八百万円、あるいは鹿児島、それからまた北海道の冬季何とかという、私は名前は忘れましたが、そのつなぎ融資も三月でありましたか、四月にあなたの方の手元に来ておるだろうと私は思います。そのつなぎ融資がいまだに出ていないというようなことを私は承わっておりますが、一体これはほんとうですか。
  24. 阪田泰三

    阪田政府委員 ただいまお尋ねの北海道のことですが、これは融雪の災害の問題であると思いますけれども、それから佐賀県の水害でございます。その関係は、その当時そういう性質のものにつきましてのお話は、県の方から伺ったことがございます。これは直接おいでになって伺ったことがございました。その関係のつなぎ融資の申請は、現在まで出ておりません。そこで総体の災害、それに対する緊急に復旧を要するために必要な金、その他の資金はどの程度になるかという問題につきましては、こういう意味合いで私どもの方では見当がつかないわけであります。現在までに申請が出ていない、こういう状況でありますから御了承を願いたいと思います。  それから先ほどお話がございました災害つなぎ融資がおくれるという問題でありますが、これは私どもの方でも、どうしても緊急に必要なこういう資金は、緊急に出すということが大事でございますから、もちろんそのつもりで急速に処置するようにいたしたいと考えておりまして、ただいまお話がありましたような書類の不備であるとかというような問題につきましては、これは別段きまった様式があるわけでもございませんし、またこういう災害の緊急の際でありますから、書類の不備とかそういう点で非常に遅延いたすということはないと思います。やはりこの災害関係は実態が問題でございまして、御承知と思いますが、二十八年度の災害当時ころにありましては、大体被害報告額から非常にラフに計算をしまして、緊急に必要なる工事の所要額というものは、被害額その他から大体推算いたしておったのであります。そこで最後に補助が正式にきまりましたときに、そういうつなぎ融資が出し過ぎであった、あるいはつなぎ融資を出しましてから以後数カ月たって行ってみましても、まだこの資金がそのままになっておりまして、銀行に預けてあった、そういうことを会計検査院から指摘されたというようなこともございまして、私どもといたしましては、もちろん資金は間に合うように早く出したいと思いますが、実態をはっきりさせたい。書類がどうのこうのということではなくて、ほんとうに緊急に必要とする金が、しかもそれも借り入れに待たなければならないものがどの程度あるか、こういうことにつきましてある程度検討をいたしました上で出したいと考えておりますので、その点は私どもの力の立場からいたしましても、ある程度のことは考えなければなりませんので、その辺は一つ御了承を願いたいと考えております。  なお赤字団体につきまして、赤字だから出さぬとかいうようなお話もございましたが、赤字団体につきましては、これは赤字の整理というような問題がありますので、一般の財政調整資金の融資とか、いろいろ事業資金を融資いたします場合には、いろいろそういう状態も考慮いたしまして、起債を決定いたしておりますが、災害の、ことにこういう緊急なつなぎ融資という場合には、これは全く赤字であるということでほっておくわけにもいきません。赤字団体だからつなぎ融資をしぼる、押えるということはいたさないつもりでありますし、そういう方針でやっておりますので、この点を御了承を願いたいと思います。
  25. 二階堂進

    二階堂委員 ただいま理財局長は非常にわかりのいい話をしていただきましたが、実際にはそうなかなか簡単にいっていない。今申しましたようなことは、直接行った人たちから聞いて私に言った言葉でありますから、そういうことはやっておらぬと局長は言われましても、どこかからそういう話が出てきておって、そうして私の方へそういう言葉が伝わってきておるのであります。なおかつ実態を明らかにする必要があると言われる。これは金を出される方ですから当然でありましょう。しかしながらその実態を非常にこまかく明らかにするのを待って金を出すということになりますと、また時間的にもかかるということを私は申し上げたわけであります。これは事務的な立場から考えられるあなたかの見解と、困っておる農民を政治的に一日も早く何とかしたいという私どもの気持とは、食い違っております。何とかして困っておる人たちを政治的に一日も早く安心させてやりたい、そのためには少々ぐらいなことはどうでもいいじゃないかという気持で、私ども当局お話を申し上げておるわけでありますから、そういうような気持を十分一つくんで善処していただきたいと考えるわけであります。  なお佐賀、長崎等のことにつきましては、あなたのお手元に書類が来ていないということでありますので、私はもう一ぺんよく調べた上で、一つまたあなたに御答弁を願わなければならぬかと思っておりますが、数字的に佐賀県が五千百万円、長崎県が二千八百万円、あるいは北海道が一億一千万円、新潟が一億六千万円、会計が幾らということは私はよく存じませんが、そういうことが数字的に明らかになっておる。それがあなたの方に行っていないという話があるものですから、私はお尋ねしておるわけであります。それが今までに出ていない。三月、四月に申し込んだ融資がいまだにあなたの方へ出てきていない。六月の北九州の豪雨の災害について融資の申し込みがあったのに、いまだに出ていないという数字的な根拠まで私は調べてお尋ねしておるのであります。あなたの方では話は聞いておるけれども、書類が出ていないということでございますか。そのことをもう一ぺん確かめた上でお願い申し上げます。  さらにもう一点お伺いをいたしたいのでありますが、とにもかくにもこれは東北三県だけのことでございますが、また北九州、南九州等の融資も申し入れておると私は思っております。東北三県でも、つなぎ融質を三県会計いたしまして、とにかく金額において数億というものが、あなたの方に申し入れがあるのではないかと私は思っております。かりに数億という数字があなたの方で実態が明らかになった場合、一体どの程度のつなぎ融資を当局としてはとりあえず一、二週間のうちに出すことができる見通しがあるか。これは見通しですよ。まだ見通しですから、はっきりしたことは言えないかもしれません。しかしながら、これはよけいなことですが、とにかく五億なら五億とした場合に、東北三県だけで一億ぐらいやって、それでがまんしてくれということになったが、三千万円しか回ってこないということでは、何もできないと思う。私が大体受けた印象では、数億以上の申し入れがあると見ております。これは資金の関係等も、いろいろありましょうが、当局としては金がないからこれは一億でがまんせよ、こう言われればそれまででありますが、しかしながらそういうような場合があったとしましても、何かほかの方法で金を出す方法がないものかどうか。私はその点を一つお伺いをしておきたいのであります。大体どの程度のお金が出せるとあなたは見ておられるのでありますか。大体数億ぐらい出た場合はどのくらい、そうしてどの程度の時間がかかり、あるいはもしそれが出ない場合に、何かほかに金を出すという方法があるかどうか。財務局やあるいは主計局ともいろいろ御関係がございましょうから、そのことについてあなたのはっきりした態度をお伺いいたしておきたいと思います。
  26. 阪田泰三

    阪田政府委員 つなぎ融資にどの程度出せるかというお話でございますが、大体資金運用部の資金状況から申しますと、実はあまりよくないわけであります。お聞き及びかと思いますが、郵便貯金等の増加の傾向等もよくありませんので、大体資金運用部はいつでも現金と短期の債券を合せまして百億くらいは手元に持っておるようにいたしておるわけでありますが、現在それを割っているような状況であります。そういうわけで手元の資金の余裕はございませんが、しかしただいまお話しになりましたような東北三県の災害のつなぎ融資、これを出す程度のものば資金繰り上不可能、金がないから出せない、こういうようなことはないと思います。大体どの程度出せるか、あるいはどの程度出すべきものか、まだ見当がつきませんので、この点はどうも申しかねるわけでありますが、資金繰りの方からこれを削る、金がないから必要なものを出さない、こういうふうには考えておりません。参りました申請をよく検討いたしまして、出せるべきものは至急に出したいと思います。
  27. 二階堂進

    二階堂委員 よくわかりましたが、数億くらいの金でありますから、そうあなたの方で、しぼってこれを半分にしろとか、三分の一にしろとかいうようなことは考えていないというふうに今の御答弁で了承するわけでありますが、どうかそういうふうにやっていただきたいと思います。  その他いろいろなことをお伺いいたしたいのでありますが、いろいろほかの委員質問がありますので、一応この程度にいたしまして、その他の大きな問題につきましては、大蔵大臣に来ていただきまして質問をいたしてみたいと思っております。その点は保留しておきたいと思います。
  28. 松澤雄藏

    ○松澤委員 理財局長に今の問題に関連して端的に御質問をいたしたいと思います。理屈は抜きますからあしからず。あなたは先ほど、書類は整理しなくてもよろしい、非常に緊急であるから、つなぎ融資の場合は必ずしも書類は完全でなくてもよろしい、ただし実態をつかまえていなければだめだ、こういうふうなお話でしたが、書類が完全に整備されなくとも、実態が備わっているかいないかはどこで御判断なさるのですか。
  29. 阪田泰三

    阪田政府委員 これは災害の実態を調査いたしますのに、災害が非常に各方面にわたっておりますとむずかしいわけであります。それで先ほどもちょっと申し上げましたが、二十八年度、これは災害が非常に多かったかげんもありますが、被害報告というものをたよりにいたしまして、それから非常にラフな推定をいたしまして、この程度の資金が緊急必要であろうということで出したわけであります。その結果があまり適当でない場合も相当ありましたので、昨年度はある程度建設省の方にもお願いし、また財務局の方もこれに協力いたしまして、全体調べるというわけにはいきませんが、今までに主要な個所を抜いて見まして、それによりまして大体、どの程度緊急に必要な復旧工事があるかということを見てもらいまして、それと県の方の申請とを対照いたしまして、どの程度の額が必要であるかということを判断いたすようにいたしておったのであります。ただ昨年度そういう方式でやりましたが、必ずしも十分な心証を得るといいますか、調べができたとは言えないのでございます。多少遅延したような点もあったと思いますが、本年はそういうことでありますので、どういう方式になりますか、財務局、財務部とも打ち合せまして、なるべく早く見てもらいまして、申請書に対してどの程度の実態があったかということを心証を得て査定額といいますか、所要額というものをきめる、こういうふうにいたしたいと思っております。
  30. 松澤雄藏

    ○松澤委員 ただいまのお話ですと、あなたの方でも見ていられるというようなお話もございますが、半面、今のお話の中には建設省というようなこともあったのです。建設省もあなたの方も国家の官庁においては変りはない。今まではおもに建設省からの申請を土台にしてやって参ったのではないのですか、その点はどうですか。
  31. 阪田泰三

    阪田政府委員 これは、一昨年は大体先ほど申し上げましたように被害報告というものをたよりにやりまして、直接建設省の御意見を伺いまして、それによりましてやったということはございませんが、昨年やりましたときには、これは建設省に御意見を伺い、こちらの方でも一応審査をいたしまして、その上で決定をいたしました。本年度といたしましては、私どもの方で直接急いでやりますし、建設省の方の御意向も十分承わって処理いたしたいと思います。
  32. 松澤雄藏

    ○松澤委員 よく意味がわかりましたが、そうしますと、非常にむずかしい問題だろうと思います。結論としてそういうふうな申請書類が参りまして、一方建設省からも参ると思うのですが、参った場合に、あなたの方としては、普通どれくらいの期間のうちにこれを査定しますか。
  33. 阪田泰三

    阪田政府委員 普通どのくらいということは、ちょっと御返事に困るわけでありますが、実際財務局、財務部等でかなり確信の持てる調べができまして、この程度はどうしても必要だという面が出て参りますれば、これは何日と申さずにすぐにでもきめられるようなものであります。手続としてはきわめて簡単であります。従いまして、私どもの本質で資金を出す手続が何日かかるというようなことではなくして、やはり実地の状況をどういうふうに判定するか、この方がむしろひまがかかり、問題なのであります。その点がはっきりいたせば、手続的には私の方ではできるだけ早く、どのようにも処置できると思います。
  34. 松澤雄藏

    ○松澤委員 そうなると結局、書類はとにかく、規格がないというお話です。あなたの方でも認定ということになるのですが、認定ということはなかなかむずかしい。従って何日かかるかということも非常に困難であるというお答えのようでありました。もしもそうであるならば、あなたの方で、つなぎ融資の関係で急ぐのですから、規格をきめ書類の提出をさせるようにし、あるいはあなたと同じような立場にあられる政府部内における建設省意見を最大限に尊重して、そうしてやっていくことにならなければならないというふうな気がするのでありますが、この点は一体どうなんですか。それとも二重にあなたの方でも現地を見なければならない、その実態を握るということについてどのように考えておられるのか、もう一ぺん聞きたい。
  35. 阪田泰三

    阪田政府委員 先ほど申しましたように、いろいろ従来の例から言いまして、御説のようになかなかむずかしい仕事でございます。いろいろやってみたわけでありますが、やはりこれは急ぐことでありますから、私の方の出先にも実地を見てもらい、建設省の方でも被害調査をやっていただいて、いろいろな補助金の査定も引き続きおやりになるわけですから、その方の資料といいますか、それに基く御意見も十分に尊重いたしましてきめていく、こういう建前で進むのが一番早くできるのじゃないかというように現在としては考えております。
  36. 松澤雄藏

    ○松澤委員 あなたの出先の方にやらせておるというが、あなたの出先の方はほとんど来ないのですよ。査定のときには御一緒になるが、現在災害をこうむっておるときには、建設省のように飛び回ってさっそく来るというようなことがないのですよ。これは査定の場合と違って、緊急の場合はおのずから話が違うと思う。あなたは間違ってお考えになっておるのじゃないかと思いますが、どうですか。
  37. 阪田泰三

    阪田政府委員 大蔵省の出先に調査いたさせます場合には、私どもの方のこういうつなぎ融資の査定の参考にする、あるいは災害復旧土木事業の補助の査定の参考にする。従って災害の最中といいますか、災害地に参りまして、被害全体を見るというような調査はいたしておらないわけであります。その後の状況、ことに復旧事業がどのくらい必要になってくるか、こういう点を見ておるわけであります。御説のように、確かに災害調査には私どもの方の出先は参らぬであろうと思います。
  38. 松澤雄藏

    ○松澤委員 そうしますと、災害状況を見ないで復旧の方だけ云々というお話ですが、あなたの方では緊急融資、すなわちつなぎ融資というものは、どういうところに使うかということをお考えになっておられるのですか。
  39. 阪田泰三

    阪田政府委員 災害つなぎ融資の関係は、災害復旧上緊急にしなければならないのでありますが、御承知のように補助事業の査定というものを待って着手しておったのでは、これは時期を失する。こういう関係からそういうものにつきましても事前につなぎ的に融資をする。災害復旧土木事業のつなぎの融資である、そういうものを目途にいたしております。災害救助とかそういった範疇に属するものにつきましては、これは災害融資の対象にしていない。これは災害救助法その他に基く予算処置を至急にやる、こういうことで処理いたしております。
  40. 西村力弥

    西村(力)委員 時間もあれですから簡単にお尋ねしますが、まず第一に二階堂委員質問されたことについて関連した質問をちょっとしたいのですが、発電ダムは、発電専門の場合、そのダムを守るために下流農民の被害考えずに放流した、その責任の所在というようなことについていろいろ大臣考えられておるようでございますが、一体にこういう問題は、どうも農民側が圧迫されておるような工合に思われてならないわけなんです。こういうダムではなく、一般の産業工場、そういうところにおいても工場の汚水を流したりあるいはさまざまのことで、下流の農民に被害を与えておるが、政府側の方針としてはこの産業を育成する、擁護をするという立場が優先するように思われてならない。こういうものも含めてやはり政府全体として、この原始産業に従事しているような農民の立場を守るという政策を立てていく必要があるのじゃないか。どうもやはり現在の日本の行き方として、通産省のその立場というものは、政府側において優先するような——優先するというと語弊があるようですが、そういう考えが勝っておるように思えてならないのですが、これは建設大臣も国務大臣として総合的な立場に立って考えていただきたいと思うのですが、御見解はいかがでございますか。
  41. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 いろいろまだ検討を要する問題があるということは率直に私も感じますが、今までの個々の問題は、それぞれ建設に当ってのいろいろ取りきめをもとにしてやってきたことだと思いますから、一応筋を立ててやったものと理解をいたしておりますけれども、なお今後の問題についてはよく検討してみたいと思います。
  42. 西村力弥

    西村(力)委員 寺田博士でしたか、天災は忘れたころにくる、こう言われましたが、このごろは忘れないうちに次から次へとやってきて、私どもがいただいておる資料でも、今年の一月から東北風浪災害、融雪災害、四月中句災害、五月下旬の災害、六月上、中旬の災害、それに北海道災害、またきょうあたりは北九州に豪雨警報があるというようなことも私は聞いておる、こういう工合に次から次へと災害がわれわれの上に襲ってきておるわけなんですが、これははっきりと天災ではない、人災だといわれておる通りのことであって、この災害というものに対する政府側の考え方というものは、やはり政府責任である、政治全体の責任だ、こうも一言いたいところでしょうけれども、その中心はやはり政府側の責任である、こういう立場に立って考えていただかなければならぬじゃないか、かように思うわけなんです。そういう立場に立って考えていけば、いろいろな問題に対する積極性も出るではないか、かように思うわけです。それでこのたびいろいろ視察して考えられる点は、第一番にには東北地方はほとんど防災対策においては投げ捨てられておるということなんです。全く原始のままに放縦されておる。東北地方は単作中心の県でありまして、日本の資本主義形成の過程から言いましても非常におくれておる。農民あるいは住民は純朴そのものだ。こういうようなところから投げ捨てられてきておるのではないかと思えるのですが、全く私も初めて見まして、その放置されておる状況には驚いた次第でございます。大臣は東北の方がそういう施策に一歩おくれておる現状というものを、ぜひ認めてもらいたいと思うが、いかがでございますか。
  43. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 必ずしも東北ばかりではない。九州に行きましても、ずいぶん原始河川はありますので、全体的に責任を痛感いたしておるような次第であります。
  44. 西村力弥

    西村(力)委員 それではぜひ大臣に一ぺん東北に御足労を願わなければならないと思うのです。確かにひどいですよ。そうしてひどいということを認めて下さるようにお願いしたいのですが、次に申したいのは、やはりこうした災害が起きて、その復旧については資金をもう少し効率的に使うという考慮が必要ではないか。今の短期融資についてもああだこうだと言っておるよりも、相当決断をもってやれば、その資金効率も非常に高いではないか。私そこに写真を張ったのですが、荒沢というダムを作るために、そこの住民は去年全部移ったのです。それは赤川という湿潤地帯を干拓して移ったのです。故郷を泣きの涙で別れてきて、新しい希望を無理にそこに築いていこう、こういってやったのですが、それらの希望を築こうとして、国が京田川という川を直轄河川にして、最上川の水が逆流しないように堤防を作ることになって、作ったのですが、もう少しのところで、資金不足から堤防が完全にできない。この資金不足のために堤防が連続していないところの切れ口から決壊しまして、その干拓地帯に逆流した。それで発電で追いやられて、新しくそこに居をかまえて、自分たちの歴史を築いていこうとした連中が、完全に希望を失ってぼう然としておる。こういう点なんかも非常に資金の効率的な利用ということにおいても、遺憾しごくでないかと思うのです。その住民たちは私たちには切々と訴えておった。また県側としましても、住民に納得してもらって無理に来てもらって、希望を持たれるように最善の努力をしてきた。京田川堤防工事がわずかのところで切れておるために、こういう悲惨下が起きておる。こういうことはまことに資金の非効率的な利用であって、まことに残念しごくであると思うのです。これは大蔵省側においても十分に考えてもらわねばならぬと思う。また今度出されておる河川災害復旧国庫負担法にしましても、それはどこまでも原形復旧だ、こういう原則をあくまでも譲らないように考えていらっしゃるようであるが、こういうようなことも決して効率的な利用ではないではないか、こういう工合に考えられる。今回の視察の結果からいいましても、そういうことを痛切に感じておるのでございますが、大臣はこの点いかがにお考えになり、将来の方針というものはどういう工合に立てていららしゃるか、御答弁を願いたい。
  45. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 私も京田川の問題は最初から話を注意して参っておりまして、仕事の面で予算不足等のために、思わざる被害が起ったというようなことについては、非常に責任感じておりまして、特に調査を命じておるような次第であります。できましたことでありますから、事後の処理につきましては最善の努力をいたしたいというつもりで、目下努力をいたしておるわけであります。  なお資金効率を上げるということにつきましては、御説の通りわれわれも今後いろいろな角度から努力をして参りたい。今度の法案の改正も、そういう趣旨の一つの現われと私は考えておる次第であります。
  46. 阪田泰三

    阪田政府委員 ただいま仰せのように、つなぎ資金にいたしましても、いろいろ災害土木に対する起債等につきましては、これを重点的に、適切につけていく、それはお説の通り全く必要なことだと思うのであります。十分そういうように努力したいと思います。
  47. 西村力弥

    西村(力)委員 それから大臣にお尋ねしたいのは、このような工合に災害が頻発して参りますと、これから年を越すまでには、まだ頭を痛くしなければならぬときがたくさん出てくるのではないか。そうしますと、一体この八十億の予備費というのは、これで越せるかどうか、それは将来の問題でございまするから、大臣も的確なことは言えないでしょうけれども、おそらく今までの累年災害を思うときに、とうていこれでは越し得ないだろうと思う。今資料としてちょうだいしましたものをざっと累計しましても、北海道災害まで入れて、災害総額が九十五億円になっておる。これはまるのままお金が出るわけでもないでしょうけれども、八十億では乗し切れない状態になるのではないだろうか、かように考えられるわけなんです。そういう見通しというか、そういうことに対して今大臣はどんなことを苦慮なさっていらっしゃるか、お聞かせ願いたい。
  48. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 ごく端的に申すと、このごろ頻発しておるようでありますけれども、今までのところ、前年に比べますと、被害額はまだ幸いにして低いのでありますから、そういう事態から考えまして、今後のことは全く予想がつきませんが、予備費の性格、災害予算の従来のやり方から申して、早く出すということには努力をいたさなければなりませんけれども、私は目下のところ今の予備費をもって処理し得るものだ、こう考えて進んでいるような次第でありまして、非常事態が起りますれば、そのときにまたあらためて対処していくということで、目下のところはさようなことの心配は実はいたしておらぬようなわけであります。
  49. 内海安吉

    内海委員長 西村君、林野庁の指導部長が来ておられますから……。
  50. 西村力弥

    西村(力)委員 林野庁の方がせっかくいらっしゃいましたので、林野庁は、根本の治山治水対策としてどういう年次計画を持っていらっしゃるか。災害が頻発しておることについても、林野庁としては十分に一つ研究を持っていらっしゃるだろう、こう思うのです。日本の森林資源が年々どれだけ消費されていく、そうしてそれに対して何ぼずつ植林、造林をやっていく、そういうことによって何カ年間に国土を緑化し、旧の緑の日本に復旧することができる、こういう計画をはっきり持っていらっしゃるだろうと思うのですが、その点どういう計画を持っていらっしゃるか、お聞きしたいわけなんです。概略でけっこうでございまして、詳しいことは、資料を整備できますならば、資料を提出願いたい、かように思うわけです。
  51. 藤村重任

    ○藤村説明員 林野庁といたしまして、治山治水を目的といたしまして、特に山の方、そのうちでも水源地帯に対するいろいろな対策は、計画的にこれを一応確立いたしております。御承知のように、戦時中あるいは戦後の伐採も、相当過伐というような現象をたどって参りましたので、一方では木材の需要に対する要求が非常に強い。片一方ではある程度これを保持し、あるいは造成をするというようなことも努力いたしておりますが、また現在のところ木材の要求は、なかなか正常な伐採だけでまかなうというような状態ではございません。従って速急に造成をいたしまして、できるだけ木材の需要の要求を満たすような状態にこれを持っていき、かつこの森林が治山治水の方向から見て十分機能を発揮できるというようなことを念願しまして計画立てております。一つは、非常に薄くなっております山林の状態を、早く戦前の状態に穴埋めをするということと、だんだん伐採が外山に大きな負担をかけておりますので、それをできるだけ緑を厚くするというような維持の方策というのが一つございます。これは造林対策といたしまして、現在人工造林が、全部の山林の面積からいいますと約二一、二%になっておりますが、これがだんだん若くなる、あるいは縮小するということになりますと、水害の危険も増大いたしますので、できるだけ国の援助等を加えまして造成をする。それで現在立てております目標は、この二一%程度の人工造林率を、今後十カ年くらいの目標で少くとも一二〇%くらいに引き上げていきたい。そういたしまして、伐採の方も、非常に若いものはある程度切ることを控えていただくというような、計画に基く抑制を協力していただたくように森林所有者の方に働きかけまして、そうして維持をはかっていくというのが一つであります。なお特に水源地帯におきましては、現在の森林の状態を破壊する行為をある程度防止する必要がございますので、これは森林法に基きまして保安林にこれを編入して、こういう制限の手段をもちましてこれを維持していく。現在保安林は約二百五十万町歩ございますけれども、これが大よそでいいまして森林の約一割でございます。これを少くとも一三%くらいに上げまして、特に重要な河川上流の水源地帯にこれを確保していくというようなことであります。それで特に重要な水源地帯の中で、現在も無立木地があったりしてはいけませんので、水源地帯の造林については特に高率の補助をいたしてもらいまして、そうして水源地帯の森林の維持をはかっていく、これが水源の造成事業でございます。なお公有林あるいは公有の保安林に対しまして、国が直接みずから造林をしていくという官行造林の方法も、これに合せて水源地帯の森林の維持、造成に努めていく。かような森林の造成並びに維持、確保の方法立てております。なお現在山地におきましては、国有、民有を通じまして四十五万町歩ほどの山くずれ、その他の荒廃地がございますが、これをできるだけ早く修復したいというので、治山事業計画を実施いたしております。土砂を出し、下流の水の力を増大するという危険をこれによってできるだけ防いでいく、そうして建設省でおやりになっております砂防、あるいは河川工事の負担をできるだけ山でこれを少くしていくことができれば、流域全部として非常に効果的ではないかというようなことで、よりより連絡をとりながら林野庁としても計画的に実施しておる次第でございます。概略でございますが……。
  52. 内海安吉

    内海委員長 災害に対する本日の質疑はこの程度といたしまして、明八日午前十時より引き続き会議を開き、質疑を続行することといたします。  昨日の委員会におきまして、委員派遣の件は委員長に一任と決定したのでありますが、人員は大高康君、仲川房次郎君、三鍋義三君、松尾トシ子君の四名、派遣の期間は四日間、なお航空機を利用することとなっておりますので、御了承を願います。  なお、公共土木施設災害復旧事業国庫負担法の一部を改正する法律案の逐条説明につきましては、明日質疑終了後において、米田河川局長より聴取することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二分散会