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石野久男君
建設行政に関して、特に建築の問題で
大臣にお尋ねいたします。これは建築許可をするに当って、各所に起きております建築用地上にある借家権を持っておる者と建築主との係争の問題に
関連してでございますが、東京都の昭和二十九年十二月二十八日付で出しております千二百三十八号の許可になる建築の問題であります。この件は、その用地内に約二十軒ほどの借家住まいをしておる方がおる、その人
たちはみなそれぞれ営業をしております。こういう用地に対して、その建築主は、かねてから敷地千坪、総建坪にしまして約五千五百坪にわたるところの建築の許可願いを出しておったのでございます。しかし、その敷地内における入居者との間の係争が十分にまだ解決しない間、昨年の十二月二十八日に都がそれに対して許可を与えました。そのときに、都の方では、その入居者と建築主との間における係争があることを承知しておりましたから、その問題について、建築主にいろいろと注意を与えた。ところが建築主の方からは、大丈夫だからというので、一応念書を入れて建築の許可をした、こういうふうに言われております。ところが、この件がいまだに、その二十数軒のうち、七、八軒は一応立ちのきの問題は片づいたのでありますけれ
ども、現在まだ十三軒の者がいろいろ問題の解決はしないまま、建築が着々として進んでおるというような
事情になっておるわけであります。この問題についても、
法律上の問題は一応ここでは抜きにいたしまして、建築監督行政土の問題として、
大臣にお尋ねいたしたいのでございますけれ
ども、現にその敷地内におけるところの建て家に人が住んでおるということがわかっており、しかもまた、建築が開始されるときに、十分立ちのきの問題の解決をしないということがわかりつつ、その許可を与えることがよいのであるかどうかという問題が
一つあるのです。これは建築行政上、非常に重大な問題だと思うのです。この点について、一応私は
大臣にお尋ねするのです。当時、都の建築局では、そういう問題があるから念書を入れておる。ところがその念書は、都の心配した
通り、やはり建築主の言うようにはなっていないわけであります。そういう
事情の中で建築が遊んでいく場合には、やはりこれは一応これを許可しまた認可をした都の
立場からして、建築問題は一応中止させて、これらの係争問題を解決するように
努力させるべきではないか、これがやはり建築行政上非常に大事なものではないかというふうに私は
考えるのです。大体最近においては、大きな資本が建築をします場合には、その中にこういう問題がある。庶民階層は大資本に圧せられて、いろいろこういう苦痛を各所で起しておるのでございます。本件は、しかも東京都の中央に属する築地の地域に起きておる問題でございまして、その名称については、私はここでは控えますが、とにかくこういう問題はきわめて重大だと思いますので、私は現にそういう人が居住しておる場所を敷地用地として認可することがよいのであるかどうか、こういうふうに与えられた許可は、一応取消すとかなんか善後
措置をなさるように行政
措置がなされて、そうして現に住んでおる人々のいろいろな問題点を解決することに善意な
努力をしてやることが妥当なのではなかろうか、そういうことはできないのかどうかという問題について、
一つ大臣からこの際所見を承わっておきたいと思います。