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1955-05-16 第22回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月十六日(月曜日)     午前十一時四分開議  出席委員    委員長 内海 安吉君    理事 高木 松吉君 理事 山口 好一君    理事 逢澤  寛君 理事 瀬戸山三男君    理事 松尾トシ子君       荻野 豊平君    廣瀬 正雄君       荒舩清十郎君    久野 忠治君       二階堂 進君    有馬 輝武君       小松  幹君    三鍋 義三君       山田 長司君    今村  等君  出席国務大臣         建 設 大 臣 竹山祐太郎君  出席政府委員         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奧野 誠亮君         建設政務次官  今井  耕君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         大蔵事務官         (主税局税制第         二課長)    塩崎  潤君         建設事務官         (住宅局住宅企         画課長)    南部 哲也君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 五月十三日  委員足鹿覺君辞任につき、その補欠として有馬  輝武君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 五月十二日  国設住宅法案田中一君外一名提出参法第五  号)(予)  日本分譲住宅公社法案田中一君外一名提出、  参法第六号)(予)  日本分譲住宅公社法施行法案田中一君外一名  提出参法第七号)(予) 同月十三日  県道伊集院鹿児島線宮田通り踏切人道こ  線橋架設請願有馬輝武紹介)(第六一八  号)  災害復旧促進に関する請願有馬輝武紹介)  (第六一九号)  車両制限令制定反対に関する請願唐澤俊樹君  紹介)(第六五八号)  建築基準法の一部改正に関する請願二階堂進  君外一名紹介)(第六六一号)  信濃川水系砂防工事促進に関する請願唐澤俊  樹君紹介)(第六六二号)  府県道薮原高山線及び松本高山線の一部を国道  に編入の請願唐澤俊樹紹介)(第六六三  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申入れに関する件  建設行政に関する件     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長 これより会議を開きます。  道路に関する件につきまして調査を進めます。  この際お諮りいたしますが、去る十二日、地方道路税法案及び地方道路譲与税法案が内閣より提出され、大蔵委員会及び地方行政委員会にそれぞれ付託されました。以上の両案につきましては、当委員会におきまして去る十六国会審議いたしました道路整備費財源等に関する臨時措置法と非常な関係を有する法案でありますので、先ほど理事会におきましても御相談願ったのでありますが、大蔵委員会地方行政委員会にそれぞれ連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内海安吉

    内海委員長 御異議なしと認めまして、さように決します。     —————————————
  4. 内海安吉

    内海委員長 それでは調査に入ります。発言の通告があります。順次これを許します。二階堂進君。
  5. 二階堂進

    二階堂委員 私は道路に関する点につきまして質問をいたしたいのでありますが、その前に、お許しを得まして六月の暫定予算につきまして、建設大臣がお見えになっておれば、大臣に直接お伺いをいたしたいのでありますが、大臣が御都合が悪いそうでございますので、政務次官と、それから当局の方が見えておられますから、ちょっとお伺いをいたし、かつまた、希望を強く申し述べておきたいと存ずる次第であります。  実は、ずっと前の委員会におきまして、四、五月の暫定予算提出されましたときに、建設大臣に対しましても註文をいたしておったことがあります。それは四、五月の暫定予算におきましては、いろいろ特殊な事情からいたしまして、東北冷害地帯予算というものを相当大きく見て計上されておったのでありますが、そのとき私は、南九州あるいは九州全体の地域的な特殊な事情もいろいろありますので、次の暫定予算答を御編成なさる場合には、特に台風度の強い、雨量度の強い九州地方事情も御勘案いただきまして、重点的な予算外編成をしていただきたい。そうでなければ、大へん台風時期等も近づいて参っておりますので、被害が大きいということを申し上げておいたのであります。六月の暫定予算が、すでに閣議決定をしておるということを承わっておるのでありますが、この六月の暫定予算編成内容につきまして、特に建設関係において、どういうような考慮が払われておるのかということを、政務次官にお尋ねいたしておきたいと思います。
  6. 内海安吉

    内海委員長 二階堂さん、ただいま石破官房長からお話があって、暫定予算編成についての参考資料は、政務次官のお手元にまだ出しておらない。ところで、御答弁はどうかと思いますから、石破官房長より御答弁したいとこういうのですが、いかがでしょう。
  7. 二階堂進

    二階堂委員 よろしゅうございます。
  8. 石破二朗

    石破政府委員 六月暫定予算につきましては、近く国会に提案いたしまして、御審議いただく予定になっております。そのうち建設省所管予算の数字につきましては、その機会を得まして、当委員会にも御説明申し上げたいと存じておりますが、六月暫定予算編成の方針と申しますか、要領につきまして一応御説明させていただきたいと思います。  まず公共事業費でございますが、四、五両月分としてさきに御決定になりました暫定予算も含めまして、一般公共事業費は、原則として約四カ月分要求いたしたいと考えております。ただし、北海道その他若干の寒冷地につきましては、冬期の関係上六カ月分要求いたしたい、かように考えております、災害復旧費につきましては、四、五両月分にすでに計上になりました分を含めましてでございますが、全国平均約六カ月分要求いたすつもりでおります。住宅事業費につきましては、一般公共事業費並みに行いたい。それから住宅金融公庫の分につきましても、住宅対策費と同様、公共事業費並み予算要求をいたしたい、かように考えております。つまり、そういう経費につきましては、原則として四カ月分、それから寒冷地につきましては六カ月分災害全国一率に約六カ月分、こういうつもりでおります。ただし、住宅関係経費につきましては、住宅公団によります分とか、住宅金融公庫が扱う予定になっております建築等の分は、六月暫定予算には要求いたさないつもりでおります。それから、その他事務的経費につきましては、原則として一カ月分要求することにいたしておりますけれども事務的経費のうちでも、たとえて申しますと、産業開発地域に要する経費につきましては、半年の要求をいたし、あるいは道路調査費につきましては、今の原則よりか若干よけい要求いたすとかいたしております。それから官庁営繕並びに道路特別会計のいわゆる有料道路経費、これらにつきましても、一率的な原則によりませんで、個々の実情に応じて仕事に差しつかえない程度の予算要求をいたしたい、かように考えております。  そこで二階堂委員のお尋ねになりました、当委員会において大臣に御要求があり、大臣が善処いたしますと御答弁いたしておりました件でございますが、先ほども申し上げました通り寒冷地に六カ月分予算を組みましたのは、御承知通り十二月ごろ以降は工事ができない、こういう地方に対して特別の配慮をいたしておるのでありまして、その他の地方の分といたしましては、予算としては特に災害が多いからというような意味をもちましては、特別の配慮はいたしておりません。ただ、先ほども御説明いたしました通り、六月までの所要経費として合計四カ月分予算要求いたしております。従いまして、予算の実行に当りましては二階堂委員の御要望趣旨に沿うように、今後上司ともよく相談いたしまして、なるべく御要望に沿うように善処いたしたい、かように考えております。
  9. 二階堂進

    二階堂委員 ただいま官房長の御説明によりまして、大体私ども考えておりますようなことが考慮されて内容が盛られておるというふうに、私は一応了解はいたしたのでありますが、この際私は、特にここで当局の方に希望申し上げるわけでありますが、九州地方における特殊な事情も、十分おわかりになっておられるとは存じますが、私が考えております特殊な事情というものが、具体的に、どういうことになっておるのかということをさらに申し上げまして、予算実施配分等について、御考慮いただきたいと考えておるわけでありますので、私の考えを申し上げてみたいと思うのであります。  御承知通りに、全国を六つの地方建設局に分けて管理いたしておるわけでありますが、九州地方は大へん災害に見舞われるところでございます。昭和十七年から二十六年までの間、大体十カ年間の台風通過度数を計算いたしてみましても、六十八回というような台風九州を襲っております。中でもルースとかデラ台風といったような大きな台風が、昭和二十年から二十九年の間に十一度も上陸いたしておるのであります。従いまして、これが非常な災害を与えておったことは、私が御説明申し上げるまでもないのであります。  このように災害を受けておる九州地方、特に南九州地方実情を、さらに具体的に申し上げてみますならば、人口密度地建別にいろいろ申し上げてみますと、九州地方関東地方あるいは近畿地方、さような地方比較してみましても、一平方キロにつきまして関東地方が九百三十四人、近畿地方は千二百九十八人、九州地方は八百五十六人、こういうふうな密度になっておりまして、全国平均が七百十七人でございます。この人口密度から申しましても、関東地方九州地方とは、そう大差のないような密度に相なっております。また河川一キロ当り関係人数割関東地方九州地方比較してみますと、関東地方は一キロにつきまして千六百人、九州地方は千五百人になっております。全国平均が千二百人、この河川一キロ当り関係人数比較から見ましても、九州地方関東地方とは大差のないような実情に相なっております。  このような人口密度関係あるいは河川一キロ当り関係人数等からいたしましても、関東近畿というようなところと九州地方とは、そう大差がないわけでございます。このようなところに、台風回数だけは豪雨を伴った台風が非常にたくさん来ておるわけであります。従って、被害の総額というものも、相当莫大な費用に上るわけであります。  これを大体昭和二十五年ごろからの河川改修考えてみますと、河川改修費が、大体一キロ当りにつきまして関東地方におきましては百十四万余円ということに相なっております。九州地建関係にお営ましては、一キロ当り七十八万余田ということになっております。この莫大なる損害を受けまする九州地方改修費が、関東地方等比較いたしましても、一キロ当り改修費というものが少くなってきておる。このことは九州地方における住民の受益に相当な差があるということが、私どもの方から申し上げますれば、証明されることと私は考えております。  このような地方建設局別に見ました災害についての改修予算全体を、さらに詳しく比較をいたしてみますと、河川改修東北関東中部近畿中国九州、このように地域別昭和二十六年度以来二十八年度までの予算配分等比較してみますと、全体の河川改修費に対しまして、関東地建関係昭和二十六年におきましては三一・五%、東北が二一%、それから中部地方は一三・二%近畿地方七・九%、中国四国地方は一五%、九州地方は一一・二%に相なっております。昭和二十七年度は、東北地方が一六%、関東地方が三一・八%、中部地方が一五・五%、近畿地方が九%、中国四国地方が一五%、九州地方が一三・七%。それから二十八年度は、少しこまかくなりますが、東北地方が一五・四%、関東地方が三三・五%、中部地方が一五・九%、近畿地方が九・七%、中国四国地方が一三・八%、九州地方が一一・七%、大体こういうような地建別予算配分になっているように私は承わっておるのであります。  この配分から申しますと、九州が特にいろいろな事情があるから予算配分を多くしてもらわなければならぬ。私は何も特別に九州だけのことを要望して申し上げておるのではありませんが、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、人口密度とか、河川の一キロ当り関係人口の数とか、あるいは一キロ当り改修費比較というようなこと等を勘案してみました場合にも、九州地方に対する予算配分は、ほかの地建関係に比べてやや少いのではないか。関東地方とかいろいろな地方にも、大きな川がございますし、いろいろ特殊な事情もございましょう。私は、こまかいことについてはあまりよく存じておりませんけれども、しかしながら、東北地方予算配分等九州とを比較してみた場合に、九州関係が、毎年台風においても雨量においても非常に回数が多いし、従って災害も多いという実情から考えて、少いのではないかというように私は考えざるを得ないのであります。特に九州において、直轄河川が十三河川ですかありますが、この予算が、大体利根川一本の予算の三分の一ぐらいにしかなっていないというような実情考えてみますと、九州地方に対する予算配分というものを、当局におかれましても、どうしてももう少し御考慮していただかなければならぬのではないか、私はこういうふうに強く感ずるわけであります。台風とか豪雨が多いとか、あるいは特に土壌がシラスとかボラとかいいまして、雨に非常にこわれやすい特殊な土壌を持っておる地域でございますので、そういうことからいたしますならば、どうしてもこの際予算配分等についても格別の御配慮をいただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  いろいろこまかいことにつきましては、さらに御説明を申し上げなければならぬと思いますが、当局におかれましては、さようなことも十分知っておられると私は考えますので、以上申し上げまして、特にそういう事情を御勘案下さいまして、暫定予算実施配分につきましても、十分御配慮を願いたい。もうすでにこの前も、九州地方に大きな豪雨が襲来いたしております。五月、六月から十月の間は、台風がいつ来るかもしれないというようなことで、地方における農民等も戦々きょうきょうとしておるような状態が毎年あるわけでありますから、そういうような事情も特に御勘案下さいまして、十分の御配慮をいただきたい、こういうふうに当局にもお願いを申し上げておきます。
  10. 今井耕

    今井政府委員 ただいま災害復旧改修費の点につきまして、いろいろ御意見を拝聴したわけです。よく検討いたしまして、できるだけ御期待に沿うように努力したいと思っております。
  11. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 関連して。別の機会にと思っておりましたが、今そういうことが出ましたので、一つだけ官房長に聞いておきたいと思います。  官房長御存じ通り災害の非常に頻発する地域台風の多い地域累年災害地域については、大蔵省自身公共木土施設災害復旧卒業費国庫負担法の一部を改正して、そういう累年災害地域については特別の考慮を払うようにいたしたい、こういうことを的の委員会で言明しておりますから、建設省としてどういう考えをこれに対して持っておられるかということを、解散前の国会の当委員会で私が建設大臣にお尋ねしたときに、建設大臣は、大蔵省とよく打ち合せをしてそういう方向に進みたい、こういう趣旨答弁をされたのです。今日それがどういうふうな状況になっておるか、それに対してどういうお考えがあるかを、この際聞いておきたいと思います。
  12. 石破二朗

    石破政府委員 災害が年々襲来する地方財政負担関係は、現行法によると、その年の災害多寡によって国の負担率が違うことになっておるが、年々災害で財政的に非常に窮迫しておる地方負担ということを特別に考えないと非常に困るという御趣旨の点につきましては、建設省大蔵省、運輸省、農林省とも今せっかく折衡中でございます。ただこの問題は、技術的に非常にめんどうな点をいろいろ含んでおります。過去の災害をどの程度取り入れるかというような点につきましても、いろいろ意見があります。われわれといたしましては、国庫負担法改正を今国会にぜひ提案いたしたいというようなつもりで目下準備中でございます。成案を得次第、御審議をいただきたいと思います。
  13. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 そういうふうに研究してもらって、今国会中に提案したいという準備を進めておられることは非常に感謝いたしますが、大体いつごろまでに提案の運びになるか。それが非常におくれてくるということになれば、私どもは私どもの方で準備を進めなくちゃならぬ立場にありますので、大体の見当をお示し願いたいと思います。
  14. 石破二朗

    石破政府委員 会期中には十分御審議がいただけることを目途に準備をいたしておりますが、ただいつということは、まだ今日申し上げる段階に至っておりません。
  15. 内海安吉

    内海委員長 二階堂さん、質問はないですか。
  16. 二階堂進

    二階堂委員 私は、道路とかその他建設省関係全体の予算、あるいは住宅等につきまして、たくさん質問をいたすことが残っております。しかし建設大臣大蔵大臣がお見えにならなければ、また同じことを繰り返していかなければならないということも考えられますので、大臣がお見えになったときに質問をいたしたい、そういうふうにお願いいたします。
  17. 内海安吉

  18. 小松幹

    小松委員 関連にもなりますが、今災害関係の問題が出ましたから、その点について申し上げておきます。先般私が大臣に、災害地、特に九州関係災害の多いところには、特殊負担率の問題を考えることはないのかという質問をしたときに、そういうことは考えていないという答弁があったのですが、ただいまの官房長の言では——官房長ちょっと聞いてて下さい。
  19. 石破二朗

    石破政府委員 先ほどちょっと私語いたしておりまして、御質問趣旨をよく聞き取れませんので、おそれ入りますが、あるいは的はずれの御答弁になるかもしれませんけれども、一応御答弁させていただきます。  先ほど瀬戸山委員の御質問に対しましてお答えいたしましたのは、かねてから申し上げておりました連年災害に襲われる地方は、その国庫負担分現行法のままで参りますと、その年々の発生災害多寡によって国庫負担の率を変えるということだけしか考えていないのでございます。それでは毎年災害に襲われる地方と、ただ一回どかっと大きなのに襲われる地方と、非常に不公平になるのではないかという点が問題になって、連年災害については現行法では足らぬ点があると思いますので、その辺の改正案準備いたしておるという趣旨のことを申し上げた次第でございます。
  20. 小松幹

    小松委員 ただいまの御意見は、大臣の御意見と少しズレがあるのだが、その御意見官房長独自の今の見解か、あるいは部内の事務当局の御見解か。
  21. 内海安吉

    内海委員長 官房長はわかっておって答弁しているのですか。ズレがあるの、ちぐはぐだのというのは、質問趣旨がわからぬからだと思います。小松さん、そういう事情ですから、もう一度……。
  22. 小松幹

    小松委員 それでは希望によって二度の質問をいたします。先般の委員会において、大臣に私は災害問題について質問をした節に、特殊な災害地に対して累年そういう結果を招来しておるところに、過年度災害を回復するための特殊ないわゆる負担率の改変というものを考えていないのかという質問に対して、大臣は今のところそういうことを考えていない、こういう答弁をしたわけであります。それで、さよう官房長意見を聞けば、そういうことも考えておるということなので、どちらがほんとうかということを私は質問したのです。
  23. 石破二朗

    石破政府委員 大臣がそういう答弁をいたしたことにつきましては、よく確かめてみないと、私から何とも申し上げかねますけれども、ただいま瀬戸山委員にお答えいたしましたような趣旨のことにつきましては、私一存でやっておることではありませんで、大臣ともよく連絡をとり、指示を受けながら研究いたしておりますが、ただ最終的に、はっきりそうするのだ、これはしないのだという結論は、まだ達しておる事態ではございません。
  24. 小松幹

    小松委員 災害問題は、特に災害地を関西に見て、関東にもありますけれども九州方面は非常にそういう率が多いのです。しかも直轄河川というよりも中小河川被害が、土壌関係にもよると思いますが、非常に多い。そのために何らかの負担率措置を特別に考慮しなければならないということは、これはお考えだと思いますが、先ほど瀬戸山委員意見もありましたように、これはまずその趣旨事務当局のからも大臣に申して、積極的に、しかも早くこのことを具体化していただきたい。今のようなことでは、私は積極性が出ていないと思う。そういうことを考えておるというようなことでは、もうおそいと思う。すでに災害地であり、しかもその過年度災害をたくさん持っておる地方の団体なり、あるいは当局者なりあるいは住民なりは、あげて災害復旧に懸命に努めておるわけでありますから、こういうことは、やはり積極的に建設省で取り上げられることを私は望むものであります。  それについて、予算を見ますと、道路関係について、災害復旧という意味のものがきわめて盛られていないように考えます。災害防除費というものは組んであるが、積極的な道路災害防止というものは、ごくわずかしか見てないように考えますが、その点の御説明を少しく承わりたい。
  25. 石破二朗

    石破政府委員 災害復旧予算組み方でございますけれども、これは災害を受けて復旧しなければならない工作物は、河川道路都市関係施設、いろいろ分れておるわけでございますけれども河川の分は道路の分とは一括いたしまして、公共土木施設災害復旧費として組んでおるような次第でございます。道路河川と別に区分いたしておりませんが、決して道路の方の災害復旧をおろそかにいたしておるわけではございません。
  26. 小松幹

    小松委員 昭和三十年度建設省予算関係内訳書を見てみても、災害関係河川災害都市災害と二つが大きく出て、道路災害というものはどこにも出ていないが、その点を説明していただきたいと思います。あるいはどこかにあるのかもしれませんが、そのいわゆる範囲というものは、どういう範囲をとっておるのか。
  27. 石破二朗

    石破政府委員 道路災害復旧に要する経費は、河川災害の中に一括して全部含まれております。
  28. 小松幹

    小松委員 河川道路と同じに見るという見方もあるのかもしれませんが、河川災害の中に道路災害を入れるという論拠を一つ承わりたい。
  29. 石破二朗

    石破政府委員 これは御指摘の通り河川分道路分を分けて計上するのが、あるいは本筋かもしれませんけれども、御承知通り建設省におきましては、河川道路災害復旧は、一括いたしまして河川局で処理いたしておりますような関係もあり、従来からこういう組み方をいたしておるような次第でございます。
  30. 小松幹

    小松委員 従来からそういう組み方をしておる慣習だということならば、それでもやむを得ないけれども、私は果してそういう道路災害に対する考え方がいいのか悪いのかということを、さらにこれは一つの理想として聞かねばならぬが、そういうことはどういうような考え方を持っておるのか。
  31. 石破二朗

    石破政府委員 この点につきましては、決して道路を軽く見ておるというようなわけでは毛頭ありませんが、御懸念通り河川局に興いておきますことは、道路関係災害復旧がどうしてもおろそかになりはせぬかというような点も実は私どもといたしましても心配にならぬわけではございません。また道路専門家がやりませんと、どうしても間違いなど起りやすいというような懸念もあるわけでございます。従ってこの取扱いにつきましては、予算は一括して組み、また所管も河川局の所管に一括してはおりますけれども災害が起りました際の査定に当りましては、道路局からも専門の査定官が加わりまして、一緒に査定しておるような状況でございますし、道路の改良工事と関連のあるような災害復旧につきましては、道路局とも連絡をいたしているような次第であります。もちろん、そうはいたしましても、河川局の防災課の中には、道路のわかる技術家も入れているような次第でございます。しかし、御指摘のような点につきましては、今後ともよく注意いたしまして、道路災害復旧が、その他の河川災害復旧等に比べて軽く扱われるとか、あるいは道路の改良工専との関連が、そごを来たさないようにいたすとかいう点につきましては、今後とも十分注意して参りたいと存じます。
  32. 三鍋義三

    ○三鍋委員 関連して官房長にお聞きしたいと思います。この予算書は、私たちもいただいておるのでありますが、これは幾ら見ても、実態がなかなかわからないのです。せめて査定の明細書——これは実に膨大なものだと思いますが、各党に一部くらいずつ提出いただけないものかどうか、その点をお聞きしたい。
  33. 石破二朗

    石破政府委員 都道府県の申請から査定までの経緯の一覧表のようなものを、全国について作って差し上げれば、一番よくおわかりと思います。しかし、よく相談してみないとわかりませんが、全国というのは、どうも大へんなことと思います。従いまして、お許しいただけますならば、どこか任意の地方のものでも差し上げることにすればと考えております。
  34. 小松幹

    小松委員 官房長意見意見として聞いておきますけれども、私は災害関係で、河川災害の中に道路災害を一緒に含めて予算査定をし、あるいは予算要求をするということは、そもそも道路災害というようなものに対しては、軽視しておるという見方を持つのです。特に災害は、河川のはんらんに基くわけでございますけれども、やはり道路道路災害としてはっきり災害があるわけです。都市災害を出して、河川災害を出して、しかも道路災害河川に含めておるという災害の出し方というのは、やはり技術的にも考慮を要する面があるのじゃないか。同時に、その考え方そのものが、道路災害というものを重要視していない——まあ私の極論になるかもしれませんが、あながちこれは私の極論じゃないと思う。そういう見解を私は持っておるので、この点については自後考えておいていただきたいのでございます。  次に、整備五カ年計画を出しておるが、それに伴う予算措置として、ガソリン税を十六国会において道路に全額使用するという決議を見ながら、その後、十九国会では交付税を三分の一取ったり、今度はいよいよ四千円の地方道路税を作りかけておりますが、私はこういう観点において、事なかれ主義というか、大蔵省考えに、建設省関係が引かれているんじゃないかという考えを持つわけであります。これについて建設省は、こういう道路整備計画に対して、一体どういう考え方を持っておるか、はっきり聞きたいのです。そのときそのつど、大蔵省の査定なり、あるいは地方財政の赤字がどうだということによって、主体的なものが抜けて、そのときそのときでやられておるということは、道路行政上はなはだおもしろくない。同時に、その一キロリットル単位に対する四千円の額というのは、一体どこから引っぱり出してきたのか、これについてもお伺いしたい。
  35. 富樫凱一

    ○富樫(凱)政府委員 道路整備につきましては、五カ年計画を立てまして、それによって実施いたしております。道路整備に関しましては、この五カ年計画を金科玉条と私どもは心得ておるのでございますが、せっかく立てました五カ年計画が、言われるように税率が変って参りまして、五カ年計画にそこを来たす結果になりはしないかという心配は、私どもも持っております。しかし国全般の財政の面から、三十年度以降は二万一千円というふうにきめられたわけでございますので、私どもといたしましては、ガソリンの消費量の伸び、それから物価の値下り、あるいは工法を経済的にするというようなことから、できるだけこの五カ年計画は、さきにきめられたように実施いたしたいと考えておるのでございます。二万一千円というのは、昭和二十八年度までは二万一千円の税率でございました。二十九年から二千円上りまして一万三千円になったわけでございますが、もともと二万一千円というガソリン税でもありましたので、その辺が四千円をはじき出すはっきりした理由はないと思いますが、そういう気持から一万一千円がきまり、従って四千円がきまったのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  36. 内海安吉

    内海委員長 今奧野税務部長が見えておられるの、だが、この二千円という開きについての立法の精神については、奧野氏は詳しい立案者でもあられるようだから、この際奧野税務部長の説明を聞いたらどうかと思います。
  37. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 御承知のように、道路整備費等の財源に関する臨時措置法国会において制定されました当時におきまする揮発油税の税率は、一キロリットルについて二万一千円であったわけでございます。その後、道路整備五カ年計画の進められるにつれまして、地方道路事業に関しまする負担の増大してくるというふうな関係等もございまして、一昨年内閣に設けられました税制調査会におきまして、さらに揮発油税の税率を引き上げて地方の財源に充ててはというふうな答申がなされたわけであります。そこで、昨年当時の政府におきまして、揮発油税一万二千円を二万三千円に二千円引き上げたわけであります。同時に、揮発油税収入の三分の一を揮発油譲与税として、五カ年計画の裏になります地方負担なり、あるいは五カ年計画の中に取り上げられません道路の改築修繕等の費用等をも考えまして、地方に対しまする目的財源として付与しよう、こう考えたわけでございます。しかしながら、当委員会その他からいろいろ御意見がございまして、その結果三分の一に当りまする揮発油税の収入のうちで、引き上げられました三十円に相当いたしまする三十一億円分については、全く自由な地方道路財源に充てるけれども、一キロリットル当り一万一千円に含まれておりまする四十八億円につきましては、やはり五カ年計画と同じような形で地方に使わせる、こういう立法になったことも御承知通りでございます。しかしながら、その後さらに国税地方税を通じまして、必要なところについては減税をし、さらに必要なところにつきましては若干税負担をよけい持ってもらいたいというような考え方もございましたし、また揮発油税の税率につきましての世界的な傾向その他等もございまして、結局道路五カ年計画の進行等に伴います地方負担の裏も考え、揮発油税の税率を二千円引き上げる、二千円引き上げた分は今申し上げましたような事情から地方団体の道路財源に充てていく、こういうふうな形になって、今回の政府提案になって参ったわけであります。なお、地方道路税法案は、大蔵省で立案されまして、それを配分する方の地方道路譲与税の方は自治庁で立案いたしておるわけでございますので、地方道路税に関します問題は大蔵省で、地方道路譲与税に関します問題は自治庁で御答弁申し上げるのが、一番適当ではないかというふうに考えております。
  38. 小松幹

    小松委員 統制問題で一つ聞きたいのですが、あなたはガソリンに関する税金を引き上げるという見解を表明され、建設大臣の方は、先般ガソリンの税金を引き下げるということを言われたわけですが、どちらがほんとうであるか、その点を一つお聞きしたい。
  39. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 その点は、この前申し上げましたように、いわゆるガソリン税と称するものは二千円引き下げたわけであります。そうして今説明のありましたように、地方道路税としてガソリンから取る分を、大蔵省が提案しております地方道路税において、ガソリン税から引き下げました二千円のほかに、さらに二千円を増徴いたして四千円の地方道路税とし、それを今自治庁の説明のように、地方道路の譲与税として地方に出すということにいたしたわけであります。
  40. 小松幹

    小松委員 ガソリンにおける世界的情勢によって二千円引き上げたから、二千円と二千円で四千円になった。そのいわゆる世界的な経済情勢によってガソリンに関する税金を二千円引き上げねばならなかった理由を、一つ説明願いたいと思います。
  41. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 世界的な理由からということは、情勢の判断の一つであったろうと思いますが、やはり日本は、日本の情勢をもとにして政府としてはきめましたようなわけで、先般も申し上げましたように、政府が直接道路に使います金としては、昨年度同様一万一千円としまして、地方に昨年譲与をいたしました二千円を、名称を変えて地方道路税といたしましたほかに、三千円を増額いたしましたのは、やはり道路の改良をすみやかにやりたいということが前提であると同町に、一方においては、地方負担地方財政の非常な困難な情勢から、なかなかその要請にこたえきれませんから、そこをやはり地方の財政の実質的な中身をふやすという意味において二千円の増額をする、その二千円の増額を判断のもととして、やはり世界の情勢といいますか、一般の例としてこの程度は決して極端じゃない、またこの程度かけることは国内経済から見ても不当ではない、いろいろな方面から判断をいたしたものであります。
  42. 久野忠治

    ○久野委員 議事進行で。先回の当委員会におきましても、私たちは再三当委員会大蔵大臣の出席を要求いたしております。それはどういうことかと申しますと、ただいま論議されておりますガソリン税の問題にいたしましても、大蔵省、自治庁あるいは建設省、それぞれ関係のある問題でありますので、これを掘り下げていろいろ質疑をしなければ、問題点が明らかになって参りません。特に住宅の問題などは、一萬田大蔵大臣が本会議の席上で、しかも堂々と施政方針の演説の中で主張しておられる事柄でございますので、これらの問題をも含めて、大蔵大臣の出席を当委員会要求いたしております。ところが、予算委員会が忙しいとか、いろいろ籍口して、今もって出席がないようでありますが、このような政府の怠慢の態度でありますならば、私たちは住宅に関する住宅公団法案審議、あるいはその他の道路に関しまする法案審議当りましても、重大な壁に突き当るであろうと私は思います。もちろん、これは予算関係のある法案でございますから、政府側といたしましては、ただいま審議の促進をはかろうとしておられるのでございましょうけれども、われわれといたしましては、こういう政府側の怠惜の態度では、この審議に応ずるわけには参りません。建設大臣は、まことに御熱心であって、連日御出席を願って、いろいろ孤軍奮闘なさっておられますが、きょうは建設大臣一人だけでは、私たちはその答弁に満足するわけにいかない。あくまでも委員長におかれましては、大蔵大臣あるいは自治庁長官の当委員会への出席を強く政府側に要求していただきたい。そうして、その出席がなければ、われわれとしては審議に応ずるわけには参りません。こういうことを委員長にあらためて申し上げる次第でございます。
  43. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 まことにごもっともであります。実はこの間、私に御要求があったわけではありませんが、私も内閣の一員として、皆さんの御要求をごもっともと存じますので、大蔵大臣にはよく申してあります。大体予算委員会の方も第五陣に入りつつあるような状況でありますので、私もできるだけ早い機会に——実はおくれておりました法案も、ちょうど明日の閣議で住宅及び道路法案決定をいたして、直ちに提案をいたしたいと考えておりますので、その提案を見ました上は、今御要求通り大蔵大臣、自治庁長官の出席を求めて、同時に説明、御審議を願うようにいたしたいと思いますので、どうぞ御了承いただきたいと思います。
  44. 内海安吉

    内海委員長 ただいま大臣からも弁明がありましたが、私の方でもできるだけすみやかに両大臣の出席を求めて、この法案審議を進めたいと思いますから、御了承願いたいと思います。
  45. 久野忠治

    ○久野委員 万一われわれの要望が受け入れられぬということでありますならば、当委員会審議を中止せざるを得ない、それもやむを得ないと思います。それをお含みの上、強く政府側に御要望をお願いしたい。
  46. 内海安吉

    内海委員長 わかりました。
  47. 小松幹

    小松委員 大臣の出席という条件をつけて、多くは質問をいたしませんが、先ほど疑問になっている点で、奧野政府委員ですか、二千円のはじき出しということが不明でございます。あなたの言葉を聞けば、世情界勢に基いて二千円を上げたんだという、その三千円がわからないのですから、大臣からでなくて、説明して下さい。
  48. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 世界的の傾向で引き上げたんだというふうな端的な申し上げ方はしていないのでありますけれども地方道路税法案大蔵省の方で立案しておりますし、大蔵省の方から主税川の税制課長が参っておられるようでありますから、そちらの方から御答弁願うようにいたしたいと思います。
  49. 小松幹

    小松委員 それじゃわからない。私は一番先に四千円というものを聞いた。この二千円は、一万一千円と一万三千円で差額が二千円だから、それは一応過去の歴史の上からわかるが、あとの三千円は、結局終局的にはガソリンにかける税金が二万五千円になるので、実質的に二千円上るわけです。建設大臣は、ガソリン税としては下げたんだというが、実質では上っておる。その二千円というものの釈明を私は求めておるのです。その釈明の機会に、あなたは三千円の前の二千円は、しごく歴史的な過程で納得させるような形だったが、あとの二千円、一万三千円を一万五千円に引き上げたその二千円の説明が、きわめてあいまいであって、何がゆえにそういう数字が出てきて税金が上るのか、こういうことがはっきりしない。
  50. 塩崎潤

    ○塩崎説明員 奧野部長にかわりまして、共同で提案いたしております大蔵省といたしまして、揮発油税の税率の算出の根拠を御答弁申し上げます。  四千円のうちの二千円は、ただいま奧野部長の申されましたように、昭和二十九年度の税制調査会の答申におきますところの税率の引き上げによる分でございます。このときには、御承知のように道路五カ年計画の臨時措置法が出まして、国の予算が揮発油税と大体一致することになったのでありますが、それに伴って地方負担がふえる。それに対して、どういうふうに考えて参るかということにつきまして、地方に対しまして二千円の揮発油税を与えるのだというつもりで、税制調査会は答申したわけでございます。それが譲与税にかわりまして、去年提案申し上げ、今年は廃案になったのでありますが、ともかく下積みの三千円分につきましては、そういう沿革的な理由があるわけでございます。  もう一つ、今度行いました二千円につきましては、私どもはこんなような気持から増税いたしました。揮発油税は、昭和二十六年でございましたか減税いたしたことがございます。その前の税負担は約一万七千円であったわけでありますが、こんなような負担まで耐えられるような面があるんじゃなかろうかというのが第一点、これは各国との税負担比較いたしましても必ずしも高くない、こういうふうに私ども考えております。ここに具体的な数字は持っておりますが、この数字は毎年国会に出しておりますので、この機会には申し上げなくてもいいかと思いますが、一万七千円にいたしましても、外国と比較いたしましても相当安いというような気持を持っております。  しかし、もう一つども考えなければならぬ点は、揮発油だけ裸視いたしますと、よく言われる点でございますが、軽油とのバランスが非常に悪くなる。そういたしますと、揮発油だけの増税というのは簡単にはできないんじゃないか。ことに大幅な引き上げになりますとそのバランスは悪くなる、こういうことを考えましたものでございまするから、若干これは腰だめというそしりはあるかもわかりませんが、大体三千円ぐらいの引き上げが適当ではなかろうか、かように考えました。  もう一つは、地方財政の現状を考えました。ことに道路費の負担額、揮発油の消費数量がふえますことによりまして、地方負担がふえる。これらを考えまして、まず二千円程度の税の引き上げが至当ではないか、かように考えまして、四千円の地方道路税の御提案を申し上げた次第でございます。
  51. 小松幹

    小松委員 以前ガソリンに関する税金というのは、私は関税があったと思うのです。ところが、関税を撤廃して今日に及んでおるのですが、この関税を撤廃して国内のガソリン税に比重をかけていくということは、国内道路の利用者に対して過重負担になっておる。そうして輸入によってもうけるところの貿易業者に対しては、裸で入れておるという格好になるわけです。この点、道路利用者の立場からするならば、ただ一方的に国内需要者のガソリン税にかけられていくことが、はたしていいのかどうか、この点、大蔵省のガソリン全般に対する、重油全般に対する見解を承わりたい。
  52. 塩崎潤

    ○塩崎説明員 関税の問題は、私の所管ではございませんけれども、私の知る限りで申し上げますと、揮発油に対しまして、関税は現在かかっております。揮発油の形で輸入されますと、一〇%だと思いましたが、一〇%の関税はかかっておると思います。ただ一年限りの臨時措置といたしまして、原油の形で輸入されますと、原油に対しましては関税は現在のところ免除されておるわけであります。これは原油から揮発油、燈油、軽油、重油等、こういうものができるわけでございますが、原油に対して課税いたしますと、重油までに影響いたす、あるいは軽油にも影響する、こういうような見地から毎年、一年限りでございますが、毎年々々関税を負けておるわけでございまして、本来ならば、原油に対しても課税すべきものであろうと考えておりますけれども、諸般の事情でそういうふうになっておりません。おそらくごく最近の機会に、BC重油に対しまする関税を新しく課税するという形で、燃料対策としての関税政策は出るんじゃなかろうかと、かように考えております。
  53. 小松幹

    小松委員 やはり私は二千円の説明がはっきりわからない、納得できない。ただガソリンだけでもって、大蔵省がガソリン税を二千円上げるというような形で、果して小手先の技術でこういうものが解決できるかどうか。私が突っ込んで質問すれば、私は何々セクションだからそれ以上のことはできない、こういう答弁になってしまうけれども、それもやむを得ないでしょう。しかしながら、私はただいたずらにガソリン税を引き上げ、ガソリンの名目的な税金でなくて、実質的なガソリンに負担する税金が二千円上った。その論拠というものが、やはり重油全般に対する、燃料対策全般に対する一つ見解から生まれてこなければ、関税なり、あるいはそうしたものの観点から二千円というものが生まれて来なければ、ただいたずらに二千円というのを突っ込み相場ではね上げたという以外にないわけです。これより以上私は聞き取れなかった。果して経済振興六カ年計画を出しておる政府が、いい加減に二千円を出して、世界情勢からこのくらいがいいだろう、そういう経済政策があったものかどうかということに対して、私は少からず疑問を持つわけであります。この点は、あなたにはこれ以上突っ込んで聞いても仕方がないから、さらに私は今後大蔵大臣にも聞きたいと思いますが、いま少し三千円の説明を明確にしていただきたい。それでなくては、単にこのくらいが適当だろうという二千円では、われわれとしては承服できないのであります。ここは大蔵委員会でないから、直接の税金の問題では察議はしないとしても、やはり地方道路税として、はっきり目的税をとる以上は、やはり四千円というものが出ておるのですから、この四千円の中の二千円のはね上げは、きわめて合理的な説明ができない限りは承服ができないわけです。
  54. 塩崎潤

    ○塩崎説明員 間接税、特に消費税と申しますか、消費税の負担はどの程度にきめるか、なかなか私ども何年間税金をやっておりますが、非常にむずかしい問題でございまして、御満足のいくような御答弁ができるかどうか疑問に思っておりますけれども、私どもは絶えず外国との比較、それからその物と他の競争物資との比較、これらをやっております。しかし根本は、何といっても沿革的な過去の税率が相当支配して参る、こういう点だけはひとつ御了承願いたい。かように考えております。揮発油税は、初めて昭和二十四年から課税いたしましたときは、小売価格の一〇〇%、この程度の負担ならば、外国とのバランスはとれるんじゃなかろうかということで、新しく二十四年から課税したわけでございます。そのときの一〇〇%を現在に直してみますと、キロリットル当り一万七千円、その後だんだん中身が上って参りまして、一〇〇%ではもう少し高くなるわけであります。これから見て至当ではなかろうか。現在では税抜き小売価格に対しましては五二%程度になっております。これをただいま、これは外国だから日本との比較にならぬという御見解もあるかもわかりませんが、一応外国と比較いたしまして申し上げますと、英国は税抜き小花価格に対しまして一六三%、現在日本の一リットルの値段は、税込みで三十八円でございます。ロンドンでは四十四円八十一銭くらいのガソリンを消費しておる。これがフランスに参りますと五十六円くらいで、税抜き小売価格に対しまして一二五%くらいの負担をいたしておるわけです。その他ヨーロッパはこんなような非常に高い負担でございます。ただアメリカ、これは目的税的に最も使われ、アメリカだけが日本より相当低いようでございますが、消費量が非常に厖大なのでございます。これを参考えに申し上げますと、一リットル二十八円三十九銭で、負担割は大体三〇%、こんなふうになっておりますが、今度増税いたしますと、日本の方は大体六〇%くらいになる。アメリカの倍くらいというようなところでも、過去の、今申し上げました一万七千円の税負担、それから消費税の方に若干重点を置くというふうなこと、それから地方財政の、ことに地方道路の費用にかかります負担考えますと、まずこの程度の増税は許されるのではなかろうか。かように考えまして、種々意見はあるわけでございますが、これらを考えまして二千円の引き上げを御提案申し上げた次第でございます。
  55. 小松幹

    小松委員 では、建設大臣にお伺いいたしますが、今事務当局は、計数的あるいは世界情勢からきて、ガソリン税はまだ上げてもいいという数的根拠をあげて説明された。大臣はガソリン税を下げるとおっしゃる。これはどういう見解のもとにそういうことになるのか。国民をごまかそうとする意思か、あるいは国民に相済まぬと思うから、ガソリン税を利用者に対して引下げねばならぬという熱意から下げたのか、その辺、はっきり聞きたい。
  56. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 今、大蔵当局説明いたしておりますのは、ガソリンに対する課税を申しておると、私も理解して聞いておりましたが、ガソリン税としては、前回も私の申したように、一万三千円を一万一千円に引き下げまして、二千月分地方道路税に持っていく、一千円分を増額したということでありますから、ガソリン対象の税金は一万五千円であります。その一万五千円を、今いろいろ数字についてあげて答弁をしておったと理解しておりますから、私は決してごまかすようなつもりで申しておるわけではございません。なお税金の問題は、私が河川も申し上げるよりも、今大蔵大蔵が参りますから、どうか大蔵大臣からお聞き取りをいただきたい。
  57. 小松幹

    小松委員 幾ら言ってもごまかしとごまかしでないとの水かけ論になりますから、これ以上大臣質問したってしょうがないけれども、私は、大臣もおそらくそうであろうと思うが、建設大臣になれば、セクショナリズムにとらわれるわけでもないけれども、所管の災害対策なりあるいは道路整備なりには、日夜を分たぬ努力と、予算を獲得したいという気持はあると思う。ところが事務当局の方から世界情勢を持ってきたり、いろいろなゼスチュアや国民をごまかす戦術が生まれてきて、わざわざ十六国会において整備五カ年計画に基く道路整備に関する財源の臨時立法をなしながら、今日これを破棄したような、わけのわからぬような格好にして突き出しておるのは、いささかやり方が積極的でない。悪く言うのもおこがましいが、きわめて大臣が積極的でないと評さなければ、しょうがないと思うのです。ほんとうに五カ年計画と取り組んで全面的にやろうという熱意ならば、私は、そういうことに関するまでもなく、堂々と一万五千円を出して、そっくりそのまま道路整備にぶち込んでいくだけの熱意が盛らるべきだと思う。それは前内閣のあとを受けたからといって言いのがれるかもしれませんが、あるいは地方からいろいろ申請してくるのにおぶさってやっておるきわめてお座なりな予算編成を見るにつけても、今後の大臣の熱意というものがどの辺にあるか聞きたいのです。
  58. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 熱意においては欠くるつもりはありませんが、見解と御主張にはいろいろありましょうから……。ただ私の考えは、道路を早く整備するということにかけては、決して熱意は欠けておらぬつもりでありますが、何しろ地方財政の現状が御承知のような状態でありますから、計画を政府だけの予算でもって押しつけて参りましても、これを裏づけするところの地方財政が事欠けておりましては、結局仕事は進まないし、また県民、国民が御迷惑をすると考えますから、将来地方財政が建てれれば、またそのときの情勢でありますが、当面の問題といたしましては、政府もできるだけやる、同時に、これを裏打ちするところの地方財政をあわせて考えていくということをいたさなければならぬと与えまして、今回は一万一千円の分が前年度よりも実質的に増徴になりますから、その分とその裏打ちをなす分、七十二億の地方道路税と、両々相待ってやりますことによって、昨年よりも一歩前進をした道路行政、道路改修が行われるつもりでありまして、大いに道路に熱意をかけておるつもりであります。もちろん今後とも一瞬努力をいたすつもりであります。
  59. 小松幹

    小松委員 大臣に最後に、地方財政の貧困に伴って交付税等を考えておる。私はそういう考え方ば同じなんですけれども、技術的に見て、負担区分というものを臨時に改変をしていくということによってこれを補う方法はないか、その見解をお伺いしたい。たとえば交付税の形あるいは地方道路税の形で交付するということでなくて、いわゆる負担率を二分の一というようなのだ四分の三というような形で中央がうんと負担して、整備を積極的にこっちから乗り出してやる。イニシアを建設省がとる。今はイニシアを向うがとって、それにこっちが追いを打っていくという形になっておりますが、そのことをお伺いしたい。
  60. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 実にお話の点につきましても、今回の予算考えたわけでありまして、国道につきましては、従来三分の二でありましたものを四分の三に、それからその次の段階のものを二分の一を三分の二というように、全部今回負担率を引き上げております。大体それによって地方の財政的に負担が軽くなる分が、約六十億くらいになるつもりでありまして、それに今回の七十二億のこの地方道路税を合せますと、百三十億近いものが今回の道路の関連において地方財政の負担を軽くしております。なおその上のことは、御提案を申した際に詳しく申し上げるつもりでありますが、直轄の分担金についても、別の考慮をいたすというようなことにいたしまして、この際としては、何としても地方財政の非常な困窮の度に対応する施策は、今小松委員のお話の通り最大限度考えたい。しかし、これ以上補助率を上げますと、まるで全額国庫負担ということになって、道路行政の基本を変えていかなければならぬ、また前に御決定をいただいた道路の五カ年計画の基本線がくずれて参りますので、これはこの程度が精一ばいのものと与えております。
  61. 小松幹

    小松委員 それでは大蔵大臣も来るそうでありますから、道路問題については、これで一応質問を打ち切って、最後に二つだけ別な問題、一つは、高速度自動車の地方道路の問題について、産業振興上、来年からどういう計画でやるか、本日は時間がないから詳しくは述べられぬと思いますが、一応お聞きしたいのであります。  もう一つは、最近濃縮ウラニウムの輸入の問題等で騒いでおります。これは電源開発、総合開発との関連もあると思うが、私の見解では、日本のいわゆる主体的な産業を発展させるという立場からすれば、研究はいいとしても、原子動力によって日本の産業を開発するということは、水力利用の問題とからまってくると思う。そのことについて、やはり水力を中心にして採算を合せていくか、将来の日本の産業のポイントを水力電気に置くかという問題もあると思うのです。私はこの委員会で、いわゆる動力資源の問題と今後の日本の開発計画という問題について質問を展開したい、かように考えますので、大臣としましても、この問題は、期日を非常に云々されておりますだけに、どこの委員会でどういう論議がされるのかわからない、ただ最近盛んにこの問題が論ぜられておりますが、この問題を建設面として、動力計画として考えてみたい。それについて、いつか機会を作って本格的な論議を進めてみたいと思いますので、それに対して大臣考えも承わりたい。
  62. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 高速道路、中央道路、いろいろ言われておりますが、要するに、この内容にはいろいろありますけれども、そういう従来論議せられた道路の計画につきましては、御承知のように予算にも若干計上いたしてありますように、引き続いて調査は進めております。なお前回も申しましたが、従来も考えられておりました外資の問題は、これにはどうしてもある程度考えるべき問題だとも思っておりますので、それについてとりあえず将来の一つの布石といたしまして、先般アメリカの技術者とわれわれの方の技術者との共同調査を、まず手初めとして名古屋−大阪間において行いまして、これもまだ引き続いていたしておりまして、結論はまだ出ておりませんが、そういう準備をいろいろな角度から着々進めております。これは将来の道路の問題はもちろん、またある意味においては労働対策という問題等、いろいろな角度から必要を痛感いたしておりますから、できるだけ早い機会に実現のできますように、努力をいたして参りたいと思っております。  それから、今の濃縮ウラニウムの問題は、きょうも閣僚懇談会で話が出まして、これはアメリカの国会関係からいたしまして、日本の政府の態度をどうしても今月中に大体決定いたしませんと、今年度の問題になりません。今年度といいますか、アメリカの六月までの国会の問題にいたしませんと一年おくれますので、政府としては内容を慎重に検討いたしました上で、だれでも理解のつく条件であるならば、これを受け入れるべきであるという気持で、それぞれ今関係各省において——これは主として経済審議庁が当面の折衝の相手になっておりますから、高碕国務大臣の手元で進めて参りたい。大体今月中には政府の態度を決定いたしたいと考えております。  それから同時に、進んで原子力発電のお話だと思いますが、このことはたまたま電源開発審議会でも、第一、現在の計画及びこの次の水力発電の計画を進めて参りますと、非常に高いコストの発電になってくる、そうすると一体そういう高い水力電気で日本の産業を維持することが適当であろうかどうかという問題になる、そういう発言もありました。私も聞いておりまして、それには一体原子力発電を並行してどう研究しておるのかという発言もしたくらいでありますが、実際の問題といたしまして、原子力発電を何年度からやる、それが日本の発電の全体にどう及んでくるかというところまでは、政府内部においてもまだ決定をいたしておりません。おりませんけれども、その後佐々木君が御承知のように原子力について海外の調査に参りましたこと等から、漸次いろいろな角度から検討をいたしておることは事実でありますが、今御希望もありましたから、むしろ素人の私が申し上げるよりも、いずれ高碕国務大臣なり経済審議庁の担当の者をお呼び下すって、この問題に対する御意見、御質疑をいただければ適当ではないかと考えております。
  63. 小松幹

    小松委員 それに対して、だれもがわかっていないという現状でございましょうが、ウラニウム資源というのは、日本にないわけであります。ないものを相手にして、日本の将来百年の動力計画をどのように立てるかという考え方と、あるところの水力資源——今大臣は、コストは水力動力の方が高いと考えておると言われますけれども、私に言わすれば、水力発電の方がコストは低いという考え方、また将来の日本の自主性というか、手前でその材料を得られるかという基本的な考え方からすれば、相当問題があるのじゃないか。他人のふんどしで相撲をとる計画を、国家百年の計に立てて急ぐことが大事なのか、日本の将来百年も二百年も貯蔵しあるところの資源を、百パーセントに利用していく計画の方がいいのじゃないかという問題もあると思う。この問題について、建設省関係はどういう考え方を持つか。単に経済審議庁なりあるいは通産省なりが、そのときの政治情勢なり経済情勢あるいはコストという問題だけで取り扱われることがいいのか、やはり真剣に考えねばならぬと私は思いますので、この点については建設省の方も動力資源の問題に限ってけっこうでございますから、お考えおきを願いたい。
  64. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 何か私の申し上げたことで、誤解があるといけませんから、なお補足をさせていただきますが、私は決して原子力発電が水力よりも安いという意味で申したわけではありませんし、現実に今当分原子力発電の方が安くなるのだということはあり得ないことでありますが、水力発電について、御承知通りの日本の国情でありますから、最大限度の発電をするということに、今後努力を続けることは当然なことであります。そのことについて、私は何ら今の御意見に矛盾した考え方を持っておるつもりはありません。ただ問題になりますのは、だんだんに残っていき、最後になるに従って、非常にコストの高い水力が残されていくということになるものですから、電源開発審議会としては、それらについていろいろな検討の意見が出ておるというだけのことでありまして、これは別に御心配をおかけする問題ではないと思います。同時に、原子力発電は、もとより今御意見通りでありますが、世界情勢というものも、一応目をつぶるわけには参りませんので、テレビと同じように、原子力発電が何年か後には世界の常識になるかもしれません。そういうことを、われわれは水力だけで行くのだから、原子力発電はほったらかしておいていいということも許されませんことですから、それはそれとして研究をいたさなければならぬということを申し上げたわけでありますので、誤解のないようにお願いいたします。
  65. 小松幹

    小松委員 時間もありませんから、これで質問を打ち切ります。
  66. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 大蔵省の方でも自治庁の方でもけっこうですが、先ほど来問題になっておりました地方道路税法案地方道路譲与税法案に関連して伺いたい。  まず、自治庁の奧野さんに、いわゆる揮発油税は、あなたがさっきお話になりましたように、昭和二十九年度から非常にもみにもんだ問題の法律であります。そこでお尋ねしておきたいのは、今度のこの地方道路譲与税は、譲与を受けた地方道路の費用に充てなくちゃならない、こういうふうになっており出すが、その使い方と申しますか、やり方は、どういうふうに考えておられますか。
  67. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 法文通りに、道路に関する費用に充てればよろしいのでありまして、道路整備五カ年計画に指定されました国庫負担金を更けて行います仕事の裏財源に充ててもよろしければ、あるいは五カ年計画の中に取り入れられません都道府県道その他の道路に充てられても差しつかえないというふうに考えておるわけであります。
  68. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私はあまりこまかいこともめんどうくさくなったので、できるだけやりませんが、一昨年でありますか、道路整備費財源等に関する臨時措置法を作りまして、二十九年度の予算編成のときに非常な論争が行われた。そのとき、これは主として大蔵省であったと思いますが、それがひいては自治庁に及びまして、この揮発油税の一部を何とかして地方の財政に回したい。地方財源は、御承知のようになかなか楽というよりも、苦しいのでありますから、その方向に回したいという意図のもとに一案を出されて、非常に紛糾をして、そうしてあなたのさっきおっしゃったように、そのうちの四十八億は道路のひもつきにするんだ、ほかの三十一億は地方財政の何かの足しにするんだということで、一応落ちついたのです。最初の出だしは、これを道路の費用に使うという考えはなかった。ところが問題になったので、今のような小分けをして、三省の協定までしてできたことはあなた御存じの通りです。そこで、今度は地方財政地方財政と建設大臣も言われるのですが、道路の費用に使わなくちゃならない、その使い道はついては、どういうふうに使うかはっきりしないような、今の道路に使うということでありさえすればよろしい、こういうお話であった。一体こういうことは、今さら申し上げるまでもなく、いやというほど御存じなんですけれども、この道路整備費財源等に関する臨時措置法を作って、この揮発油税というものをとにかく道路に回して道路の整備を早くはかりたい。これが日本の残業、経済の基本的な産業であるから、国家財政全体については相当苦痛があるかもしれないけれども、しかしある程度の苦痛は忍んでも、そういうことをしなければ、日本の再建の基礎は成り立たないから、こういうことをやろうということで、これは両院とも満場一致で通過した法律です。それに昭和三十九年度ではああいう法律が出て問題になった。そこで今度は、地方道路譲与税は全部を道路に使うんだ——これはどういうふうに使われますか、ほんとうのあなた方のねらいは、地方財政の何かの足しにしたいというお考えがあるんじゃないのですか、どうですか、もう少し突っ込んでお話を聞きたい。
  69. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 率直にお答えをいたしたいと思います。建設委員会におきまして、一昨年でありましたか、道路整備費財源等に関する臨時措置法の立案にかかっておられました当時から、国の道路予算の財源は確保されるけれども、それに伴って道路事業がだんだんふえてきた場合に、裏づけの地方負担額をどうやって確保していったらいいか、こういう心配を自治庁としては持っておったわけであります。当時から、できますことなら、やはりその裏財源を同時に解決していただけないものだろうか、こういう気持は持っておったわけであります。たまたま、いろいろないきさつから、昨年揮発油税収入の三分の一をもって揮発油譲与税にし、それを道路財源に充てるんだ、こういう案を政府として持ったわけでありましたけれども、結果から見まして、われわれといたしましても、せっかく苦心して道路整備費財源等に関する臨時措置法をお作りになった精神に抵触した部分がある、多少行き過ぎであったということを感じたわけであります。その結果、いろいろな経過を経まして、御指摘のようなことになったわけであります。さらに今日になってみますと、依然として裏財源をどうやって確保していくかということが解決されておりませんし、同時にまた、地方財政が全体として非常に苦しいわけでありますので、いかに国の方で補助予算を増額されましても、必ずしもその事業が完遂されていくことにならないのじゃないか。やはり裏財源というものを同時に措置できるようにしていかなければ、かりにそちらに充てるということが予想されたものであったにしても、地方財政が苦しくなっていきますれば、それだけの財源が他に流用されていくおそれもあるわけであります。そうしますと、一面には地方財政は苦しいし、他面には国の大きな政策として、財政がいかにあろうと、道路だけは積極的に整備していくんだという方針が打ち出されていく。それですから、やはり地方道路財源として相当のものを地方に提供すれば、国のそれだけの財源がその裏財源に関する限りは確保されることになりましょうし、同時にまた、地方財政が苦しいから起るおそれのある混乱も、防止できるのではなかろうか、両方の目的を果すことが可能になるのではなかろうか、こういう考えを持ったわけであります。
  70. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 あなたがそういうふうに地方財政のことを御心配下さるのは、当然であるというよりは、非常にありがたいことで、そうなくてはならないことと思います。そこで私がこの際、この金は道路に使わなくてはならないとしてありますが、どういうふうに使うんですかということをお尋ねしたのは、それがためです。あげ足をとるわけでもなんでもない、お互いに道路を作らなくてはならないが、それならば財政をどうするかということをいろいろ研究、心配しておるから、お尋ねするのです。今、この地方道路譲与税は、いわゆる五カ年計画の方に回してもいいし、あるいはそれと関係のない地方のいろいろな道路の費用に回してもいいんだ、こういうお話があるから聞くのですが、それならば、今あなたのおっしゃった趣旨には、必ずしも適合しないような気が私はするのです。そこで、昭和三十年度の道路整備五カ年計画による地方財政の負担は百四十四億というふうに算出されております。自治庁の考え方としては、地方負担すべき割合の百四十四億三千六百万というものを、どういうふうに考えておられますか。
  71. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 従来からも、その地方負担分につきましては地方債を許可いたしましたり、あるいはまた地方団体の一般財源、すなわち地方税収入でありましたり、地方交付税収入でありましたものが充てられて参ってきておるわけであります。昭和三十年度におきましても、大体同じ程度の地方債を道路に関して予定をいたしておりますし、さらにまた地方団体に与えます財源につきましては、地方道路譲与税に関する限りは、必ず道路に充てなければならない、こういうふうな形に持っていかなければならないというふうにしているわけであります。
  72. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 それはその通りに違いないのです。それは地方の一般財源であり、起債である。それはそうですが、そうしなければ、どこかからか金を出さなければならない。私がお尋ねしたいのは、今度の地方道路譲与税、七十二億か七十四億になると思うのですが、それとこの百四十四億負担とはどういう関係になりますか、こういうことなんです。それから、もしかりにこの百四十四億の建設省の定数が正しいとすれば、七十二億か七十四億をこれの裏づけにするのかどうか。もう一つ道路については非常に熱意があるように、どなたもおっしゃるし、足らないところは、地方財政は困るんだから、あなたは必ず地方の起債を何%くらいつけるのかどうかという一応の計画はどうしていらっしゃいますかということを、お尋ねしておきます。
  73. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 昨年充てました地方債の総額は、八十九億七千六百万円になっているようであります。もしこれに今回の地方道路譲与税七十二億をプラスしますと、御指摘の数字を上回るようであります。しかし、先ほども申し上げましたように、地方道路譲与税の方は、道路整備五カ年計画に取り上げられました道路の裏財源、要するに地方負担分に充てなければならないという、固定した考え方を持っていないのであります。もちろん、それにも充てられましょうが、五カ年計画に取り入れられません都道府県道もあるわけでございますので、それらにも大いに充当されればよろしいのではないか、こういう考え方を持っておるわけでございまして、特別な指定はいたさない。広く道路に充てる方針だ、道路に充てなければならない。こういう考え方を持っておるわけであります。
  74. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 それでは、あなたの方では地方財政計画を立てられておるようでありますが、この道路整備五カ年計画に対する地方財政は、どういうふうに考えられておりますか。起債などもいろいろこまかく検討されておるようでありますが、ただ一般公共事業ということでなしに、道路については五カ年計画がきまっておるのですから、地方の財政はこのくらいになる、そのうち今の七十二億はどういうふうに使うかわからぬが、とにかく道路に使いさえすればいいということで財政計画が立っておるのですかどうですか、それを一つ
  75. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 地方財政計画を立てます場合には、公共事業の分量の中に、道路整備五カ年計画分をみな盛り込んでいるわけであります。その裏財源といたしましては、先ほど申し上げましたいろいろな財源を予定しておりまして、特に道路整備五カ年計画だけの事業についての差引計算はいたしておりません。しかし、しいて差引計算いたすといたしますならば、今私が申し上げたような姿になるわけであります。ただ、都道府県と五大市の道路費だけを考えましても、その地方負担額だけで二百五十億内外に及ぶだろうというふうに見ているわけであります。五カ年計画だけではございませんで、それ以外の単独事業の分もございますので、かなり大きな額に上るだろうというふうに予想しております。
  76. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 一般公共事業費道路費も加えて地方財政計画を立てた、それは最初はそうしなければならないと思う。しかし、それは積算されてそうなっていると思うのです。道路整備五カ年計画だけについてのそういう案を作っておられるかどうか私は知りませんが、しかし、いろいろな積算からそうなってくるのだと思うのです。そこで、それにもかかわらず、たとえば道路整備五カ年計画三十年度地方負担額百四十四億という計算が出た。そうしてガソリン税についてはああいうふうないきさつがあって、今度は少くとも七十二億ぐらいはそっちに回そうという計画をされている。しかしそれは道路に使わなければならないという一応の条文ができている。それがどこに当るかわからないでおるというところに——わからないというと非常におかしいけれども、必ずしもそれに行くかどうかということはわからないとおっしゃるから、そうすると起債額は幾らという計算が出てこないのじゃないかと思うのです。そうすると、この道路整備五カ年計画は、財政的にはできるかできないかわからない計画、そうなるのですか。
  77. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 先ほど申し上げましたように、道路に対しまする地方負担額に充当いたしますために、地方道路譲与税も予定いたしておりますし、地方債も予定しているわけであります。これらを全部道路財源に充てましても、なお相当額の財源不足が出て参るわけであります。そういうものは、昭和三十年度におきましても依然として一般財源から盛り出してもらわなければならない、かように考えるわけであります。ただ道路全体の中で、どれから手をつけていいかというふうな問題になりました場合には、当然道路整備五カ年計画の道路が重要視されなければならないでしょうし、従ってまだ地方債を道路財源に充てさせます場合にも、こちらに優先して充てさせるように持っていかなければならないだろう、かように考えるわけであります。
  78. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 道路局長にちょっとお尋ねしておきますが、今の地方自治庁のお考えのようなことで、あなたの方で立てておられる道路整備五カ年計画が、昭和三十年度において、財政計画とにらみ合せて、それが実行できるという御確信がございますか。
  79. 富樫凱一

    ○富樫(凱)政府委員 五カ年計画の三十年度の地方負担は、今言われますように百四十四億であります。それに対して立てられました地方財政計画としましては、その負担分を上回るだけは財源としてあるわけでございますので、五カ年計画の遂行には支障はないというふうに考えております。
  80. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 地方負担分を上回る財源というと、どれとどれですか。
  81. 富樫凱一

    ○富樫(凱)政府委員 起債で約九十億ほどのものがございます。それから、地方道路譲与税で七十二、三億はあります。これだけにしましても地方負担は上回る勘定になりますので、その辺から、財源としては、負担をこえてあるというふうに考えておるのであります。
  82. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 地方自治庁にお尋ねいたしますが、八十九億というのは、それは起債のワクをきめておられるのですか。
  83. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 八十九億七千六百万円というのが、昭和二十九年度の道路に充てました地方債でありまして、昭和三十年度はまだ正確にきまっておりませんが、若干これより上回ったところできまるのじゃないかというふうに予想をいたしておるわけであります。
  84. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 そういうことであれば、先ほどのことを繰り返すようでありますが、昨年は、四十八億というのはああいうふうにごたごたしたひもつきでやるのだということで、そうして道路を整備するということになったのでありますが、今年は、七十二億というものはふわっとしておって、別にそんなことをせぬでもうまくいくというお話しなんですか。
  85. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 その点私から申し上げる方がよいと思います。前回も申し上げましたように、昨年度の三十一億に当る分が今度の七十二億でありますから、これは、今両事務当局が申しておりますように、道路費に使うということで、起債財源、交付税財源、交付金財源及び地方道路税というものを合せますれば、道路の五カ年計画以外の分についても十分やり得るということでありますが、事業の執行上は、もちろん起債の問題等もありますから、両政府当局が十分連絡をし合いましてやれば、この点は昨年以上に何ら問題はない、かように考えております。
  86. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 大蔵省の税制課長にお尋ねしておきますが、先ほど小松委員からお話が出たようでありますが、地方道路税法案というものを出された本心を、一つ承わっておきたいと思います。
  87. 塩崎潤

    ○塩崎説明員 ただいま何回も申し上げたつもりでございますけれども、まず第一に揮発油税の負担が第一、それから第二は地方財政、ことに地方道路費の負担の増加、これらを考えまして提案いたした次第でございます。
  88. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 それが本心ですかな。そこで、先ほど問題になったのですが、揮発油税の税率を引き下げる要があるからこの法律を出した、こうなっている。なるほど、これは揮発油税じゃございません、道路税ですから、先ほど小松君も言われましたが、揮発油税の税率を引き下げる必要がある、これが一つの提案理由になっているのです。私どもは、なるほど揮発油税という名前がついておらぬでも、揮発油から取る税は揮発油税だと思っておる。それがさらに増徴されて、両方では一万五千円になっている。そこでほんとうの気持を聞きたいというのは、皮肉で言うのでもなんでもないのです。揮発油税の税率を引き下げる要があるからこの地方道路税法を出すのだと、ここにちゃんと印刷してある。同じ揮発油税から、さらに二千円ふやして、一万一千円プラス四千円で、一万五千円、揮発油から税金をとるようになっておる。なるほどあなた方の名称では、四千円は道路税だから、あなた方のお考えでは揮発油税でないかもしれないけれども、われわれ国民から見ると、揮発油に税金をかけたら、これは揮発油税だと思っておる。名前が違うから揮発油税とは違うのだというようなことで、こういう法律をお出しになるのは何か、ほんとの気持を聞きたいというのは、それなんです。
  89. 塩崎潤

    ○塩崎説明員 先ほど来、揮発油税の下積み部分になっておる二千円の御説明のところで触れたつもりでございますけれども、一昨年でございましたか、一昨年の秋ごろの税制調査会の気持も、おそらくそうだったと思うのでありますが、二万一千円で道路はお願いしたいということででき上っておる。それをこえる部分については地方に目的税としてやる、こういうわけでスタートしたわけでございます。昨年度、本来ならば私どももそういう考え方でスタートすべきではなかったろうかと、今反省しておるわけでありますが、その当時といたしましては、その譲与税の使途が出ましたので、二千円の国税の揮発油税の面について御提案申し上げたのであります。本来ならば今年みたいな状態でございますれば、二千円は地方道路税としておそらく提案したのではなかろうかと、かように考えております。そういたしますと、今度の一万一千円というものは、昨年度の考え方を敷衍して作ったような気持を持っておるわけでありまして、この道路税は揮発油税を引き上げるために作った気持は毛頭ないのであります。
  90. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 そういうことを聞いておるつもりじゃございません。これは私の聞き方が悪かったかもしれませんが、あなたは、そういうことをおっしゃると、それでは将来絶対揮発油税は一万一千円以下に下げられないということになりますよ。道路整備費財源等に関する臨時措置法ができたときに、その当時一万一千円であった税率が、それから上げても、別に取るのだからかまわない、だからこれに抵触しない、こういうお話ならば、将来絶対この法律がなくなるまでは、一万一千円は国民のために少し多いから一万円あるいは八千円にしようということもできないというお考えになるおそれがある。あなたはそういうお考え答弁されたんじゃない、何もこれと関連がないのだとおっしゃるつもりで言っておると思うから、私はそれは責めないけれども、そういうことを言われると、もしそれをたてに取って、この法律に抵触するかどうか、あなた、ほんとうにこれは国民のために八千円がいい、あるいは一万円がいいというふうに考えられて、そういう法案を出されたときに、そう言われたらどうしますか。そういうことを聞いておるのではない。これと関係がないというお考えがあるかどうかというのは、これは私どもがこういう法律を作ったときに、何も一万一千円だからというのでこの法律を作ったのではありません。先ほども申しましたように、揮発油税というものは、相当国家財政の中でも重要な、特に大蔵省としてはこれは虎の子みたいな税源なんです。しかし、それでもこの国家財政の苦しいときだけれども、日本の道路というものが世界的に悪い、それが輸送機関あるいは輸送上、ガソリンの消費量あるいはタイヤのいたみ方、それが日本全国の産業経済に非常な重大な損害を及ぼしておるから、この際一つ思い切って、少くともガソリンに関係があるからガソリン税をもっと増徴してもいい。もっと増徴しても、この際道路の整備をしようというのが相一致して、先ほども申し上げましたように、衆参両院一言の異論がなくて通した。大蔵省だけは異論があった。これはつけ加えておきますが、そういうことでできた法律だから、何も一万一千円を予想しておるのではありません。ただ、たまたまその法律ができたときに一万一千円だ。その後あるいは税率をふやしてもよろしい、消費量がふえれば税率を下げてもいい。日本の道路の整備の状況から言うと、一万一千円にこだわって、私どもがこれと関係があるとかないとかいうのじゃない。そういうことはよく考えてもらわないと、あなたは非常に困ることになる。一万一千円はその当時の通りになっておりますから、そんなことをわれわれは問題にしておるのではない。ただ道路の整備ということについて、日本の政府、特に大蔵省が関心がないと言うと、あなたはけしからぬことを言うとお考えになるかしれませんけれども、少くとも今までの財政計画から言うと、ほとんど関心がないと言われても仕方がない状態であったから、この際われわれ国民の代表として、国会できめましょうということできめたのがこの法律です。これは御存じだと思うのです。そこでまた、今度この地方道路税という同じガソリンにかけた税金を持ってこられたから、何かそこに本心があるんじゃないか、こういうのです。私が想像するところによると、あなたは今一万一千円とおっしゃったけれども、この臨時措置法ではその第三条に、揮発油税の税収入に相当する額と書いてあるから、今度は地方道路税だからあなたの今の一万一千円と同じようなことで、これは揮発油税じゃありませんから、この法律にはこれは関係がないという、これは大蔵省の皆さんがお考えなさった非常にいい知患だと私は想像しておる、そうじゃありませんか。
  91. 塩崎潤

    ○塩崎説明員 何回も申し上げましたように、昨年度そういう建設省との話も一致し、各方面の御意見が一致すれば、おそらく三千円の昨年の揮発油税の増税は、地方税として、私どもの言っておるのは、地方税に渡すというような意図だったと思うのでありますが、そういう意味で、地方道路税部分と考えておるわけでございます。今回の引き下げも、そういう意味の引き下げと申しますか、調整と申しますか、訂正と申しますか、そういうようなつもりで御提案申し上げておるつもりでありまして、揮発油税の税率を特に引き下げるというような、実質的に揮発油税を引き下げる、あるいは道路整備の五カ年計画に影響するような引き下げをする、こういう意味ではないわけでございます。
  92. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私の問いが悪いのでありましょう、御理解がついておらないと思います。私はあなた方これをつくられたから、いいとか悪いとかいうことを特別に言うのじゃないのです。これは国家財政上、地方の財政も考えなくちゃなりませんから、いかに道路を作りたい作りたいと言っても、それは金がかかる仕事です。国はこれだけ出すから、お前たちもこれだけ出せと言われても、出せないことも多いだろうし、それも考えていかなければこれは整備ができません。お考えなさることはいいのですが、同じ揮発油税というものから税金を取って、そうして地方道路税というものを出された。その前に歴史的に非常に問題になっておったこの道路整備費財源等に関する臨時措置法というものがあるのです。ですから、これに何も関係がないようにして出されたところに、あなた方の技術がこまかいと言えばそれまででありますが、それならば、なぜこの臨時措置法改正して、一本にして揮発油税として出されなかったかということです。今あなたのところにも来ているでありましょう、この地方道路税で揮発油税を上げたということで、全国から反対運動が来ておりはしませんか。聞いておられなければ、あるいは私の間違いかもしれませんが、そういうことをされるから反対運動が出てくる。もしこの道路関係した臨時措置法というものを、どうしてもこうしなければならぬということであるならば、これを改正されたのならば、いわゆる揮発油業者たちがあれほどの反対運動は起さない。それを何か揮発油だけの関係者を集めて、そしてお前たちも地方の財源のために加勢しなければならぬぞというようなこういう新しい法律を持ってこられたから、そうなった。これを地方財政の関係上、道路地方財政も考えてやらなければならぬというお考えがあるならば、この臨時措置法をなぜ改正されないかということです。国会でこういうのができておるのですから、これを簡単に改正すれば何でもない。ただ、これは私の想像かもしれませんが、これは非常に問題になった法律だから、またこれにさわるような法律を作ったらやかましかろうというようなお考えだったかどうかわかりませんが、そういうような考えで、もし揮発油税ということにすればこれに触れるから地方道路税、これは名前が違うんだ。そういう非常に知恵のあるようなことをなさると、われわれもこの道路整備費財源等に関する臨時措置法の第三条の揮発油税という名前を省きます。揮発油より取る税金としたらどうなさいます。どうしても道路を整備するというなら、そうしなければならない。揮発油税という名前だったら、対象が一緒ですから、こういうような抜け道がある。揮発油から取る税収入、こういうように二、三の文字を改正したら——これはわれわれの力でできるのですから、そうしたらどうなさる。ほんとうに国家財政全般を考えるならば、そういういろいろなことを考えなくたって、真に日本の財政はこういうふうになっておる、地方財政はこうだ、だからこういうふうに改正しよう。あるいは先ほど小松さんからも建設大臣に対して言われましたけれども、ほんとうに道路をやろうという決心があるなら、ガソリン税を一万何千円にしてもいいでしょう。五カ年計画、五カ年計画と言っておりますけれども、五カ年計画でも今の日本の道路は整備されない計画になっているのです。これはできるならば二年でも三年でも早くしなければならない。五カ年計画なんというものは、金が足らぬから非常になまぬるい。これをやりましても、日本の道路は七〇%しかできないのです。そういうところへ、五カ年計画をまた縮めるような——縮めるのでなくて、実施できないようなこういう措置をして、そうして道路に熱心であるなどということは、おくびにも人の前では言えないはずです。もし、それほど道路が日本のために必要であって、そしてほんとうに熱意があるというなら、かりに揮発油税を一万五千円に上げてもいいです。そして地方財政が困るというなら、今度も多少国の補助率を上げましたけれども、国道は全部国でやっていいのです。それが、国道という名前で今まで地方に半分負担させておる。そういうことでは、国道の整備はできるものじゃない。今度三分の二を四分の三にしたから、まずいいようなものでありますが、たとえば、さっき大臣もおっしゃったように、実際に仕事をするときにはガソリン税で全部仕事をして、あとで返してもらう、これも一歩前進でありましょう。国道、国道というなら国が全部——国道は国の幹線でありますから、そんなものを地方負担させるという考えそのものが間違いであります。地方道、地方道といいますけれども、これは全部国の道路であります。一日も早く日本の基礎の道路を完成しようという熱意があるなら、四分の三でも何ぼでも負担してやる、道路というものは、でき上ったらもう金は要らぬのですから、そのくらいの熱意が私はほしいのです。大臣もたびたび熱意があるようにおっしゃいますけれども、それなら、こういうふうなこそくな手段をとらないで、地方負担が足らないからこういう法律を出しますというのでなく、同じ金であれば、もっと金を出して、国道は少くとも国費をもって全部やってしまう、重要な地方道でも四分の三くらい金を出して早く完成する、そうして小さな問題でありますが、タイヤの消耗、ガソリンの消費の問題、輸送能力の低下等、一日早くこれが改良されれば、一日早く日本の財産がふえるというふうになぜお考えなさらないか、建設大臣のお気持を伺います。
  93. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 まことにごもっともな御意見でありまして、われわれもさように考えて参りたいと思いましたが、今年の予算の段階といたしましては、率直に前からも申し上げておりますように、中央、地方をあわせて考えて、しかも、できるだけ早く五カ年計画を進めるという意味合いから、一万一千円と四千円の地方道路税で参ることが、まずこの際としては一歩前進である。もちろん、御意見のように、これで十分とは考えておりません。なお急激な変化ということはどうかと思いますから、漸次できる限りすみやかに五カ年計画を促進するという線で努力いたしますことについては、御意見に何ら違った点はございません。
  94. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私は、この問題では、もうこれ以上申し上げませんが、自治庁の方と大蔵省の方、これは皆さんに文句を言うのではないのです。こういうふうにあなた方に日本全体のことを考えて非常に熱心にやってもらっているのです。ガソリン税をある程度引き上げなくてはならない、そしてなるほどこういう法律がある、しかしそれでは実際逆用に困るのですから、そういうようなときには、ざっくばらんにこの法律を改正してくれとか、あるいは揮発油税でこういうようにするというふうにされる方が、非常にやりいいのではないかと思う。この法律が出たので、今度二十一日に大会があるようでありますが、またガソリン税の値上げ反対の運動が盛んになってくる。ガソリン税については、前から引き下げてくれという運動があったのだけれども、そう言わないで、道路がよくなればガソリンの消費量が減るじゃないか、それからタイヤの損耗も少くなる、それが業者にもいいかもしれぬが、日本の国民のためにもいいのだということでおさまってきた。かりにこれを二千円上げても、これは業者が負担するのではなく、国民全体が間接に負担するのです。そういうふうにして早く整備したいというのが、われわれの気持でありますから、そんなことは何も心配することはない。そして地方財政も考える。それじゃ困るからというようなときには、ざっくばらんに話してもらいたい。国会できめたことを、たとえば知恵比べということで、あなた方は揮発油税だから、われわれの方は道路税というような、非常に知恵のあるようなことをされますと、われわれも知恵を出して、さっき申し上げたように三文字くらい変えて、これを揮発油から取る税収入ということにすれば、何もこういう法律はできなくなるのですよ。そういう御心配は要りませんから、もう少し政治をするときは、かけ引きなしにざっくばらんにやってもらいたいということを、私はあなたたちにお願いします。
  95. 内海安吉

    内海委員長 委員諸君にお諮りいたしますが、大蔵大臣が十二時半以降に出席されることになっておりましたけれども、実は予算に対する質疑がまだ継続されておりますので、のっぴきならず今日は来ることができないような状態になっております。私は責任を持って一両日の間に大蔵大臣の出席を求めることに努力いたします。本日はこの程度にいたしましてあらためて大蔵大臣の出席を求めて質疑を続行することにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時九分散会