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瀬戸山委員 私は、
質問とまではいかないかもしれませんが、
人格識見ともに私
どもの非常に尊敬いたしております
竹山建設大臣でありますので、
建設行政については非常に御
期待を申し上げておるのであります。
ただいま
建設行政の大体について御
構想を承わり、私
どもが常日ごろ
考えておることとほぼお
考えが一致しておるという
気持がして、敬意を表しておるのであります。まだ
予算を編成される途中にありますので、こまかい問題をここでとやかくお尋ねするのでありませんが、ただ一兆円
予算のわく内で三十年度の本
予算を作ろうという
政府のお
考えのようでありますので、今日まで
大臣その他から
お話になっておりますことが、うまく一兆円
予算の中であんばいができるかどうかということについて、私と
毛利当に疑念を持っておるのであります。そこで
政治全般につきましては、
日本の
現状から申し上げて、申すまでもなく非常にむずかしいのでありますけれ
ども、特に
建設行政の
部面においては、
道路にいたしましても、
治山治水の
関係、
住宅、
都市建設、これが
中心だと思いますが、いずれも兄たりがたし弟たりがたしというくらいに、今の
日本の
現状ではきわめて重要な問題ばかりであると思っております。そこで、
先ほどお話を承わって、大体同じことでありますが、まず第一番に
道路の問題は、数年来われわれの
委員会でも非常に重視いたしまして、
先ほどお話になりましたように、画期的な
方法をとらなければ、ただ
大蔵省のそろ
ばん玉だけで
道路行政を
考えるということだけでは、いつまでたっても非常におくれておるといわれております
日本の
道路の
新築改良が、非常に速度がおそい、それが国の
経済再建に非常な
支障を来しておる。そういうことで、
道路整備費の
財源に関する
臨時措置法というものを非常な
摩擦を冒して作ったのであります。これは
揮発油税の金額を
道路に投じて、早く
道路の
改修なり鋪装を完成しなければ、すべての
産業経済の
がんになっておる、こういうことから来ておるのであります。ところが、これらについても、今日でもまだ
法律や
予算が出ませんからわかりませんけれ
ども、相当の
異論と申しますか、
財政上の異なった
主張が行われておる、こういうふうに私
どもは見ておるのであります。しかし、
財政の
バランスだけでなく、やはりこういうものは、あくまでも特別の
方法をもって、
道路は永久なものでおりますから、早くこれを完成して、
経済の
基礎を早く確立しなければならない、これが
政治の大きな行き方であると、こう
考えております。でありますから、
建設大臣に、まず第一に、
先ほどお触れになりましたけれ
ども、念のために聞いておきますが、この
主張をあくまでも
建設大臣は堅持して行かれるか。
財政の
都合もありますけれ
ども、
財政の
都合は知りながら、あえて
——先ほども申し上げましたように、非常なる
摩擦を冒してでき上りました
議員立法であります。
衆参両院全会一致をもって通った
議員立法でありますから、この線はあくまでも堅持し、しかもできることならば、これにさらにプラス・
アルファーをつけるというような勢いで、
道路の
整備に当られるお
考えがあるかどうかということが第一であります。
それから第二でありますが、これは
治山治水と申しますか、
大臣も御
承知の
通りに、
日本の
経済の根本を破壊しておるものは、
治山治水が行き届いておらない。言いかえますと、
災害のために少くとも二千億ないし三千億の年年の損害をこうむっておる。これは
日本の
経済と申しますか、
国民生活の安定上一番大きな
がんである、こういうふうに私
どもは
考えて、微力ながら今日まで
努力して来ておりますけれ
ども、なかなか
財政の
都合上思うように行かないことは、これはまたどなたも御
承知の
通りであります。
中心になっております
河川改修、
災害復旧についても、今日までより以上の御
努力を願わなくては、ただ
財政の
バランスだけを
考えておりましたのでは、損をする方が多い。今の
治山治水事業では、せっかくほかの
部面で
努力をしましたものがこの方で欠損を来たすということは、重大な問題であろうと
考えております。
先ほど特に
河川改修−直轄でありましょうが、
継続費の
構想を示されましたが、これについては、私
個人としては
同感であります。そういうことでぜひ進んでいたでくお
考えがあるかどうかということと、
災害復旧については、本来ならば二年ぐらいでやりたいのはやまやまでありますけれ
ども、しかし、できない相談でありますので、今日まで数年間それに手は届かないといいながら、御
承知のように三・五・二の割合で、三年間で
災害復旧を成しよう、こういう大きな原則を一応
政府の
国会においても認めて、来ておるわけでありますが、やはり
大臣も同じような
考えで
努力をしていただけるかどうか。
それから次に、
住宅の問題については、こまかに御
説明を願ってありがとうございましたが、少くとも三十年度でも四十二万戸の
住宅を建てて、十年間のうちには、まず
住宅についてはそう心配せぬでもいいというところまで持って行きたいというのが、
民主党または
民主党政府の大きな
主張であります。これについては、われわれも
同感でありますし、
国民ひとしく大きな
期待を持っておるわけであります。そこで一月二十二日でありましたか、前の
内閣のときの
大蔵大臣の
財政演説にも、このことがほかの
部面よりもやや詳細に述べられておる。
大蔵大度、
財政当局がそういうふうにおっしゃっておるのでありますから、
建設大臣としては非常にやりやすいのじゃないかと、私はよけいなことでありますけれ
ども、
考えるわけであります。金を出してやるから建てろ、建てたいのはやまやまでありましょうから、これは
先ほどお話になりましたが、その線を必ず
実行に移されるお
考えがあるかどうか。これを
実行に移されるについては、私今計算を持っておりませんから、どのくらいの金がかかるかということについて申し上げることはできませんけれ
ども、相当
尨大なる経費が要ることは常識上わかっておるのであります。そこで私が心配いたしますのは、
住宅を建てて
国民生活の安定をはかるということは、
先ほども申し上げましたように、
国民の非常に待望しておるところでありますから、けっこうでありますが、そのために
道路であるとか
治山治水の問題が、ゆるがせにされるようなことがあっては一大事であると思いますので、その点の
調整についても御
意見をさらに承わっておきたいのであります。
もう
一つは、
都市建設の問題であります。と申しますのは、御
承知のように、
戦災復興がある程度進捗いたしておりますが、まだまだ御
承知のように相当残っておる面があるので、あります。これも
都市行政と申しますか、ひいてはやはり
産業、
経済、民生の安定の上に、相当重大なる
支障を来しておることは
御存じの
通りであります。ところが、終戦後今日まで約十年になります。もう
戦災復興事業というものは、何かよけいな
仕事をしておるように感じられないとも限らない。そういうことは、あの戦争のために大
災害をこうむって今日まで苦心惨たんして来ておる
都市行政について、これは相済まないのじゃないかと私
どもは
考えておりますので、これについてのさらに一段の御
意見を伺っておきたいというのと、
戦災復興計画をたびたび改訂いたしまして、本来ならば
都市行政上に、
戦災復興と同時に、
都市の
区画整理と申しますか、
復興事業が完成しなければならないのにかかわらず、
財政の
都合によりまして、そういうところを省いておるところが各
戦災と市にあるわけであります。これをそのままにしておいたのでは
片ちんばな
都市計画になって、将来に禍根を残すような状態になっておることは、
建設大臣も静岡県下の
都市を見られてよく
御存じのはずでありますが、これもこの際
戦災復興のほんとうの
計画にマッチさせてやらなくちゃならないということで、昨年度から一応この
仕事にかかっておるわけであります。ところがこういう問題を非常に軽視する向きもありますので、これについての
建設大臣のお
考えを承わっておきたい。どうしてもやっていかなければ、せっかくの
都市計画、
戦災復興計画が
片ちんばなことになってしまいまして、将来これをやるということは
国民に非常な迷惑を及ぼす、こういうことになりはしないかと思いますので、私
どもは今日までこれに従事してきておりました
関係上、お尋ねをいたしておくわけであります。
こまかい問題がたくさんあると思いますけれ
ども、
予算編成でありますから
大臣のお
気持を聞いて、その
大臣のお
気持を三十年度
予算に盛り込んでもらわなければ、ここで幾らいい御
意見を承わりましても結果が現われませんので、きょうはそういう点をさらに、蛇足のようでありますけれ
ども大臣の御
見解を承わって、
予算編成についてどういうお
気持でいかれるかということを、この際承わっておきたいと思います。