運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1955-06-28 第22回国会 衆議院 決算委員会 第22号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十年六月二十八日(火曜日) 午前十時三十二分
開議
出席委員
委員長
上林與市郎
君
理事
赤澤
正道君
理事
椎名悦三郎
君
理事
徳安
實藏
君
理事
山田
長司
君
理事
吉田
賢一君 有田 喜一君 床次 徳二君 本名 武君 横井 太郎君 生田 宏一君 關谷 勝利君 三鍋 義三君
出席政府委員
防衛政務次官
田中
久雄君
防衛庁参事官
(
経理局長
)
石原
周夫君
防衛庁参事官
(
装備局長
)
久保
龜夫君
建 設 技 官 (
営繕局長
)
木村
惠一君
委員外
の
出席者
防衛庁課長
(
経理局監査課
長)
小笠原喜郎
君
会計検査院事務
官 (
検査
第二局 長)
上村
照昌
君 専 門 員
大久保忠文
君 専 門 員 岡林 清英君 ————————————— 本日の
会議
に付した
案件
昭和
二十八
年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
二十八
年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
二十八
年度
政府関係機関決算報告書
—————————————
上林與市郎
1
○
上林委員長
これより
会議
を開きます。 本日は
昭和
二十八
年度
決算
中
保安庁所管
について
審査
を進めます。それでは
昭和
二十八
年度
決算検査報告
四九ページより八八ページに至る
報告番号
一八ないし四七を
一括議題
とし、そのうち
審査
の促進のため
報告番号
二三ないし二五、二九、三四、三九、四三及び四四について重点的に
説明
を求めます。
上村検査
第二部長。
上村照昌
2
○
上村会計検査院説明員
二十八
年度
の
保安庁関係
の
検査報告
について御
説明
いたします。二十八
年度
の
保安庁関係
の
検査
の結果
不当事項
として
検査報告
に掲記しました
事項
は三十件で、
批難金額
にいたしまして八億五千五百余万円になっております。そのうち
工事
に関するものが六件で
物件
の
調達
に関するものが二十四件になっております。 まず
工事
について申しますと、その掲載いたしました
内容
は、
工事
の
監督
、
検収
が当を得なかったため、完成していないのに
工事費
の全額を支払ったり、あるいは
工事
の
計画
なり
設計
が当を得なかったため不経済となっている
事態等
でありまして、まず
報告番号
の二三号について御
説明
いたしますと、
関東地方建設局
で二十九年の三月の
年度
末に
株式会社安藤組外
十三名に
保安隊
三
宿施設
の
工事
を六億六千九百余万円で請け負わせまして、二億六千七百余万円の
前金払い
をしたものでありますが、その
施設
の
予定敷地
は
緑地地区
に指定されておりまして、また
耕作権
の補償問題が未解決の状態であります。従って着工の時期の見通しも十分でなかったと認められますのに、
予算
の消化を急ぐため
多額
の
前金払い
をしたものと認められる
事態
でございます。 次は
物件
の
調達
についてでございますが、
保安庁
におきましては相当
多額
の
物件
の
調達
をされておりますので、
検査
の重点をここに置いて
価格
、品質、
規格等
について
調査
いたしました結果、さきに申しましたように、
不当事項
として二十四件を報告することになったのであります。今後
防衛庁
においてその
原因等
を究明し、その
対策
を立てられ、
不当事項
の再発を防止されることを期待しておるわけであります。 まず
最初
は
価格
の
決定
についてでございますが、
物件
の
購入価格
は、御
承知
のように
予定価格
を立て、その範囲で
決定
するものでありまして、
保安庁
におきます
購入事例
を見ますと、特に
随意契約
の場合、
購入価格
が
予定価格
と同額または似通っておる
事例
が多い
実情
でありますから、
予定価格
の適否が
契約価格
に影響するものと思われるのでございますが、比較的大口のものにつきまして、
業者側
の見積りをそのまま採用し、
予定価格
を
算定
し、これに基いて
契約
をせられておるため、
価格
が必ずしも妥当と思われない
事例
があるわけでございます。
価格
の点につきまして五七ページの二四号の
ジープ
の
購入
について御
説明
申し上げます。これは
倉敷フレザー・モーター株式会社
から
ジープ
四千七百四十二画を三回にわたりまして、四十四億二千七百余万円で
購入
したものであります。これは米国の
ウイリス・オーヴァランド自動車会社製
の
ジープ組立用完成部品
を輸入しまして、これを新
三菱重工業株式会社
で組み立てたものを
購入
したものであります。便宜この問題の
結論
から申しますと、
本件
は外国から輸入するものでございまして、
外貨
を
使用
するものでありますが、
予定価格
に見積った
外貨
の額と、実際
使用
した
外貨
に
輸入税
の差額を加えましたものとを比較してみると、その間に
円貨
で二億八千九百余万円
実績
の方が少くなっておる
実情
であります。これは物価の
変動
による点もありましょうが、
予定価格
の
検討
が十分でなかったことによるものと考えておるのであります。すなわち
最初予定価格
を作られる場合に、
外貨
を必要とする
部分
については、ウイ
リス会社
の
極東支配人
の
説明
によって一両
当り
千三百一十一ドルと
決定
されたのでありますが、その中に
改装費
として二百四十八ドル、
円貨
に換算しますと約九万円になりますが、二百四十八ドルが積算されております。ところが
改装費
とは何かと申しますと、当
会社
の
一般販売品
の電装が六ボルトでありますが、しかし
保安庁
の
納入規格
は十二ボルトとなっておる
関係
上、十二ボルトに改装する
経費
でありますが、これは
一般
の例から申しますと、その
改装費
は一台
当り
三万円から四万円
程度
であるというふうに認められますのに、先ほど申し上げましたように約九万円と倍に積算がなっておるのでありまして、この点について
調査
が十分でなかったと考えるわけであります。また
ジープ
は三回に
購入
したものでありまして、第一回に
十分調査
ができなかったといたしましても、その後の
契約
の場合、
最初
の
実績
を
調査
し、その後の
契約
の
参考
にすることが必要であると考えるのでありますが、この点についても
調査
が十分でなかったと考えるわけであります。すなわち
海上運賃
を一両
当り
第一回分は六十一ドル、第二回分は五十ドル、第三回分は四十ドルとして
予定価格
を作っておられますが、名古屋港着の
キュービックトン当り
三十一ドル余ということになっておるものでありまして、第一回は一両
当り
がどれだけの容積か不明であったといたしましても、第二回目の
契約
のときには、第一回分の
船積み関係書類等
で
調査
いたしますれば、一両
当り
が〇・九四
キュービックトン
であるということはわかったはずでありますから、一両
当り
三十ドルを見込めば足りたものだと思いますのに、先ほど申し上げましたように
多額
の
経費
が積算してあったわけでございます。要しまするのに、このように
多額
、
多量
の
物件
を
購入
する場合に、
事前
及び
事後
においての
価格
の
検討
が十分でなかったというふうに考えるわけでございます。 次は六二ページの二五号でございます。これはいすず
自動車株式会社
から
購入
した
自動車
についてでありまして、問題が二つに分れております。第一は六輪
駆動修理車等
四百十三両を
予定価格
とほぼ
同一
の十億八千三百余万円で
購入
したものでございますが、
本件車両
には
パワーティクオフ類
の
装置
がないものでありますが、
本件購入
より先、同
会社
から
購入
した。
パツーテイクオフ類
の
装置
のある
車両
と
予定価格
を
同一
にいたしまして、一両
当り
を百六十七万九千余円としておるのでありますが、両者とも
予定価格
の算出の
内訳
が実はないのでありまして、私の方としても、十分な
検討
ができないのでありますが、
付属品
のあるものとないものとは、
価格差
を設けることが実は常識だと考えておるわけでございますが、その点についての
考慮
が十分でなかったというふうに考えるわけでございまして、その結果約千三百余万円が高価に積算されておると考えるわけであります。 第二点は、
大輪駆動修理車
百九十両を
購入
するに
当り
まして、
仕様書
にない
電動力入力コード
の
価格
約二百四十万円を積算して、ずさんな
予定価格
を立てられた次第でございます。 次は
不急物品
を
購入
した
案件
でございますが、そのおもな
原因
は、
調達
が、
米軍
に範をとった
編成装備表
の
装備定数
によって、資材を充当することとなっておりますが、これらが
部隊
の現況に必ずしもマッチしないものがあったり、または
部隊等
の
実情
を
把握
しないで、
調達
が行われることがおもな
原因
でありまして、これらに対しましては、
調達
の
基本
となるべきものを十分
検討
されるとともに、
実情
に即する
物資
の
調達
が望ましいと考えるわけでございます。 まず
最初
に七〇ページ二九号から御
説明
いたします。これは
有線作業車
六両を、
既存車両
の
更新用
として千七百余万円で
購入
されたものでありますが、どういうわけで
購入
することになったかと申しますと、
編成装備表
に三個
中隊編成
の
方面通信大隊
及び
通信構成大隊
の分といたしまして、一個
中隊当り
九両としまして、五十四両、それに
通信大隊
の四両、これに予備二両ということで、計六十両となっておりまして、それに対して二十七
年度
までに六十両を
購入
した。従ってそれに対して
更新用
として
本件
六両を
購入
することになったのでございます。しかし実際の
部隊
の
編成
は、
通信大隊
は
編成装備表
にありますように、三個
中隊
ではなく、二個
中隊編成
となっておりますので、
所要数量
はこれによって計算いたしますと、五十一両で足りることになっておりまして、前
年度
までの六十両の
購入
で、
更新用
も含めて十分であったと考えられますのに、この点について十分の
検討
がなく、
実情
に遊離した
購入
がなされたものと考えるわけでございます。 次に七三ページ、三四号でございます。
乾電池
の
購入
でございます。これは新規の
調達
で、
所要量
の
計算資料
がないので、大体六カ月分の
予定
ということで、五万個を五千二百万円で
購入
したものでございますが、その後の
実績
から見ますと、一年分に相当するものでありまして、多数の
使用不能品
が出ており、判明しておるものだけでも、千六百四十八個、約百七十万円のものが廃棄
処分
せられておるのであります。御
承知
の
通り乾電池
は
減耗率
の高いもので、製造後約三カ月で二五%、六カ月で四四%それぞれ減耗するものでありますから、一時に
多量
の
購入
は差し控えるべきであったと思うのでありますが、その点に対する
考慮
が十分でなかったと考えるわけでございます。 次は
規格
の
決定
の点でございますが、これらは
米軍規格
をいたずらにまねたり、
実情
に即した
検討
が十分でなかったことから起った
事態
でございます。 まず
最初
に、七八ページの三九号の
車両無線機
に
不用
の
コンバーター
を含めて
購入
したものであります。
車両無線機セット
九百三台を十一億七千三百余万円で
購入
しておられますが、その
セット
のうちの二十四ボルトの
コンバーター
約六千万円は
購入
する必要がなかったと考えるわけであります。
コンバーター
と申しますと、
低圧電源
を
高圧電源
に変える
発電発動機
でありますが、
本件購入無線機
は、
トラック
に搭載するものでありまして、
トラック
の
電源
が十二ボルトでありますから、それに合った十二ボルトの
コンバーター
だけで十分で、二十四ボルトのものは必要でなかったと考えるわけでございます。
防衛庁
は
特車
と
共同作戦
の場合を考えて二十四ボルトの分も
購入
したというのでございますが、もしそうだとしますと、
本件購入
の
無線機
と二十四ボルトの
コンバーター
を、
トラック
から
特車
に移しかえて
使用
することになりますが、もしそのようなことをするのでありますと、
戦車
の数は
トラック
の数よりも少いわけでございまして、
戦車
にだけ特に二十四ボルトの
コンバーター
を
購入
して、
トラック
の
無線機
だけを
特車
に持ってくる、こういうことにしますれば、二十四ボルトの
コンバーター
を買う
数量
も少くて済んだと考えられます。しかし無理に
トラック
から
特車
に移して使うということを考えませんでも、
特車
には本来搭載しておる
無線機
がありまして、その
周波数
と
本件無線機
の
周波数
とが合っておる
部分
がありますので、その点通信可能でありますから、二十四ボルトの
コンバーター
を余分に買う必要はなかった、かように考えるわけでございます。 次は八一ページ四三号でございます。
かや
の
寸法
が過大であったのでございます。
本件購入
の
かや
の
寸法
は、
野外
で二人で一張
使用
できる大きいものでありまして、四万六千九百帳を七千四百余万円で
購入
されたものでありますが、前
年度
までに
同一
の大きい
寸法
のものを
購入
されておるものでありまして、これを
本件購入分
と合せますと十六万帳になっておりまして、
室内
においてもこの大きい二人用のものを一人で
使用
しておる
実情
でございます。すでに前
年度
までに
購入
されたもので、
野外用
のものは、
人員
その他から見て十分でありますので、本
年度
の
購入
の分は、
室内
で一人が一帳
使用
する小型のものにいたしますれば、約二千九百余万円が節減できたというふうに考えるわけでございます。 次は四四号でございます。これは
マットレス
二万六千三百枚を五千余万円で
購入
しておられますが、その
マットレス
の中
詰め
は
黒綿
ということになっておりますが、特に
黒綿
とする必要はなかったと思われるものでありまして、
海上自衛隊
と同じように、
ワラ詰め
のものを
購入
すれば、約二千百万円が節減できたというふうに考えるわけでございます。
最後
に
検収
に関する
事項
でございますが、
検収
で不当と認めたのは二件でありまして、これらは
抜き取り検査方法
が適当でなかったり、
物資
の
組成材料
の
検査
が十分に行われていなかったために生じた
事項
でございます。なおその他の点については御
質問等
によってお答えいたします。
上林與市郎
3
○
上林委員長
ただいまの
会計検査院
の
説明
に対して、
防衛庁当局
において
補足説明
があればこれを許します。
石原経理局長
。
石原周夫
4
○
石原
(周)
政府委員
昭和
二十八
年度
の
会計検査院
の
決算検査報告
に対しまする
補足説明
を申し上げます前に、大体二十八
年度
の
決算
が
保安庁
はどういうふうになっておったかということを
最初
に申し上げます。
昭和
二十八
年度
の
保安庁費
は総額六百十一億一千万円でありまして、これに
昭和
二十七
年度
からの
繰り越し
二百八十九億四千九百万円を加えますと、
予算
現額は合計いたしまして九百億五千九百万円であります。これに対しましてその
執行状況
を見ますと、
昭和
二十八
年度
の
歳出
の
支出済み額
が六百二十八億五千八百万円でありまして、翌二十九
年度
に二百五十七億一千五百万円を
繰り越し
まして、十四億八千五百万円を
不用
といたしたわけでございます。翌
年度
の
繰り越し
二百五十七億円につきまして、この
内容
を見ますと、
契約済み
のものが百十四億六千九百万円、
契約未済
のものが百四十二億四千六百万円でありまして、これを
項別
に申し上げますと、
保安庁費
の項が百二十四億円、
保安庁施設費
の項が百二十八億円、
安全保障諸費
の項が四億七千万円というふうに相なっておるわけであります。
保安庁費
の
繰り越し
を生じました
理由
は、
物品
の
規格
、
仕様
の
決定
、
原価計算
などの
発注手続
に意外の
日子
を要しましたために、
機材費
におきまして
繰り越し
をいたしましたものが百十九億円、
保安庁施設費
の方の
繰り越し
といたしましては、主として
用地取得
のために
日子
を要しましたことに基きまして、
施設整備費
の方におきまして九十一億円の
繰り越し
、
船舶
の
基本設計
の
遅延
に基きまして、
船舶建造費
の
繰り越し
が三十五億円、大体その
三つ
が大きなものであります。
不用額
を生じましたのは、主として
欠員
に基きまして
人件費
の
不用
が十億四百万円、この
欠員
に伴います食費が二億円、これが主たる
不用
の
内訳
であります。 次に
会計検査院
の
決算検査報告
にございます
批難事項
について申し上げますと、問題となりました件数は二十六件でございますが、このうち
予定価格
あるいは
契約価格
の
算定
が当を得なかったものが五件、
不要不急物品
の
購入
または
工事
の
施工
が不適当であったものが十件、
仕様
、
規格
の不適切であったものが八件、
工事物品
の
監督検収
の不十分であったものが三件ということに相なっておるわけであります。大体どういうわけでそういうような
事故
を生じたかということについて、ただいま
会計検査院
の方から御
説明
があったわけでありますが、まず第一に
予定価格
あるいは
契約価格
の
算定
が当を得なかったものといいますのは、大体におきまして
一つ
は
輸入品
につきまして国外の事情、
価格関係資料
、そういうものの入手が困難である、そういうことに基きまして
事故
を生じましたものが二件であります。先ほど
会計検査院
の方から御
説明
がありました
ジープ
の件、
番号
で申しますと二四、及び二七のタイヤ取りはずし器という、これも
輸入品
でありますが、その二件であります。 それからもう
一つ
は
予算
の
成立
が二十八
年度
は御
承知
のように
遅延
をいたしまして、
暫定予算
で三カ月間を泳いだわけでありますが、本
予算
の
成立
が
遅延
いたしましたということも
一つ
の
理由
でありますが、
契約
が
年度
の後半に集中をいたしまして、加うるに人手が不十分でありましたために、
事前事後
に
検討
が不十分で、そのために
事故
を生じましたものが三件、二十五番の
車両付属設備
、二十六番の
予定価格
を後に至りまして引き上げましたこと及び
索引力
が合っていない、それから二十八番の
鉄帽代
であります。 それから第二番目の
不要不急物品
の
購入
あるいは
工事
の不適当な
施工
をいたしたものというのが十件でありますが、これは主たる
理由
をなしますものは、
装備品
の従来におきます
使用実績
が少くて技術上
米軍
の
装備定数
、
使用実績
を
基準
といたしまして
調達
をせざるを得なかったというのが
事故
の
原因
であります。これは二十九番、三十番、三十一番、三十三番、三十四番、三十五番、大体以上六件でありますが、同じような
原因
から生じたものであります。 次に
部隊
などの
編成組織
が変更いたしましたために
施設等内部
におきます
装置
との
関係
が不工合になったというのが二件ございまして、三十六番、
馬力測定装置
は
不急処分
、三十七番の
火器修理器具
、これも
施設
と
内容
になります
設備
との
関係
で食い違いを生じた、こういうわけであります。 第三番目には単純なと申しますか、
調達
上におきまして
注意
が
不足
をいたしました十九番の井戸の掘さくの
関係
と三十二番の
絡車関係
。三番目に
仕様
、
規格
が不適切であったということが八件ございまして、これは
装備品
に要求せられております性能とその素材でありますとか、出力、
寸法
、
装置
というようなものの間に十分な
実績
あるいは
使用
上の
検討
というものが不十分でありました、そのために
仕様
、
規格
が不適切であった。これは八件ございまして、三十八番ないし四十五番でございます。
最後
に
監督
、
検収
の不十分、これは
一つ
は
人員
が
不足
であった、あるいは科学的な
検討
の
不足
ということのために
監督
並びに
検収
が不十分であった、これは十八番と四十六番、四十七番の三件であります。 以上のような
原因
によりまして生じた
事故
は二十六件の多きに達しておるわけであります。 これに対しまして、こういうような
事態
を生じましたことは
防衛庁
といたしまして、はなはだ遺憾に存ずるわけでありますが、問題は今日までにおきましてどういうような
対策
を講じ、あるいは今後におきましてどういうようなことを考えるかということに相なるかと思います。この点につきましては、以上のような
事故
を生じました
原因
というものを一応申し上げたわけでありますが、くくりまして
三つ
ほどに考えをいたしておるわけであります。 第一の
装備品
の
整備
の
基準
でありまする
編成装備表
というものが、どうも
使用
の
現実
あるいは
実績
まだ不十分であるというような点もございまして、
検討
に不十分な点がある。またこれと関連いたしますが、
装備品
の
使用
の実際におきまするところの
把握
が不十分であるというようなことがございますので、これをどうするかという点、もう
一つ
は
原価計算
及び
仕様
、
規格
につきましての
事前事後
の
検討
が不十分でありまする点、第三は
物品
の
検収
、
工事
の
監督
に不十分であり、かつ科学的な点が欠けている、こういうことであります。 第一の
編成装備表
あるいは
実績
の
把握
の点につきましては、
防衛庁
といたしましても従来からときどき
検討
いたしまして、ある
程度
まで
使用
の
現実
に合うような
努力
をして参ったのでありますが、根本的な
検討
をいたしますために二十九年の秋から部内におきまして
装備計画
の
委員会
というものを設けまして、
編成装備表
というものの
実情
に合うような
検討
を六つの分科に分けましてやっておるわけであります。すでにその中で
結論
を得ましたものにつきましては、一部
実施
に移しておるわけであります。なお
装備品
の
使用
の
現状把握
の点におきましては、
在庫状況
の
把握
であるとか、あるいは
現実
に
使用
いたすことによりまする
消耗度
の
測定
というようなことにつきましても意を用いまして、
実態把握
の
強化
をやっておるわけであります。 第二の
事前事後
の
検討
の不十分という点は、
結論
いたしますれば、
人間
の量的、質的な
充実
ということに相なるかと思うのでありますが、まず第一段に
機構
の
整備
といたしまして、御
承知
のように二十九年の七月から各幕僚監部の
調達機構
を一元化いたしまして、
調達実施本部
ということにいたしました。これは現在
調達実施本部
におきまする一元的な
調達
をやっておるわけであります。これに加えまして
専門職員
の
充実
を行いまして、主として制服の
職員
を平服の
職員
に切りかえまして、専門的な
人間
が多くこれに当るということの
努力
をやっております。その
他人員
の
訓練教育
の点につきましては、
業務学校
におきまして
昭和
二十八
年度
以来大体延べ千人、二十九年、三十年におきましても約七百人ぐらいの
研修
と申しまするか講習を行いまして、そういうような
人たち
の
訓練
の
程度
を高めておる。
輸入品
につきましては、通産省との
連絡
あるいはその他各省との
連絡
の点もございまするが、特に
海外価格
の
変動
を予想せられるものにつきしては、
価格
の
変動
に対しまする
弾力条項
を設けまして、今回御
指摘
になりました事実のような
事故
が生じますることの予防をしておるわけであります。 第三の
研修
あるいは
監督
の
強化
でありまするが、これは
一つ
は
人員
の問題でありまするとともに、また物的な
設備
の
充実
でもありまするので、
調達実施本部
におきまする
検査陣
の拡充あるいは科学的な
基準
で
検査
を励行するということに
努力
をしておるわけであります。 なお各
批難事項
に関連をいたしまする
責任者
の
処分
といたしましては、この御
指摘
の各件に対しまして、減給一名、戒告十名、訓戒二十四名、
注意
十名、なお一件だけ
事故発生
の
原因
につきまして科学的な
検討
を続けておりますので——四十六番の
関係
につきましてなお
処分
を保留しておるものがありまするが、その他につきましては今申し上げましたような
処分
をいたしておる次第であります。これ以外は御
質問
に応じましてお答えいたします。
上林與市郎
5
○
上林委員長
それでは
会計検査院
の重点的な
説明並び
に
防衛庁当局
の
補足説明
が終りました。
質疑
の通告がありますので順次これを許します。なお
参考
までに
政府側
の
出席者
を申し上げますと、
田中政務次官
、
石原経理局長
、
久保装備局長
、
小笠原監査課長
、
建設省
からは
木村営繕局長
、
会計検査院
からは
上村検査
第二
局長
でございます。それでは
吉田委員
。
吉田賢一
6
○
吉田
(賢)
委員
本日は
防衛庁
の
関係
の主として
検査院
の
批難事項
を中心に
質疑
を進めてみたいと思います。 第一には
報告番号
二三、五六ページ、東京都世田谷区
保安隊
三
宿施設A地区
の
建設
の問題であります。それで伺いたいのですが、
当該工事建設
につきましての
予算
の
内容
、それからこの
予算
の
執行者
は
建設省
であるのか
防衛庁
、当時の
保安庁
であるのか、その点について伺っておきます。
石原周夫
7
○
石原
(周)
政府委員
予算
の
数字
は今すぐ見まして申し上げまするが、
工事
は
建設省
に
支出委任
をいたしまして、
建設省
の方で
現実
の
契約関係
あるいは
支出
の
関係
をやっておるわけであります。この三宿の
関係
の
予算
の
数字
でありまするが
A地区
の病院、
B地区
の研究所、
C地区
の
衛生学校
、それに関連いたしまする電気その他の
設備工事
、それを合せまして六億六千九百四十四万一千円に相なっております。
吉田賢一
8
○
吉田
(賢)
委員
この
予算
は何
年度
の
予算
であるのか、これによりますと五一ページの劈頭には二十七
年度
の
予算
のごとく記載されてありまするが、さらに詳細御
説明
願いたい。
石原周夫
9
○
石原
(周)
政府委員
この会計は二十八
年度
の
予算
だったと思います。
吉田賢一
10
○
吉田
(賢)
委員
ただいまの御
説明
によると、
防衛庁
予算
でとって、それを
建設省
に
支出委任
をし、
契約
あるいは
支出
の行為はすべて
建設省
の方でやる。そういたしますると、
本件
の用地の取得については
建設省
、
防衛庁
のどちらの責任になりますか。
石原周夫
11
○
石原
(周)
政府委員
用地の取得、従いましてこれに関連するいろいろな補償、そういうようなところまでは
防衛庁
になりますが、
建設省
にお願いいたしておりますのは、その用地の上に具体的な営繕
工事
をいたす事柄であります。
吉田賢一
12
○
吉田
(賢)
委員
建設省
は何に基きましてやるか、その法律の根拠、それから
防衛庁
は何局においてこの
用地取得
をするのでありますか。まず
建設省
からお答え願います。
木村惠一
13
○
木村
政府委員
一般
的法律の根拠は、
建設省
設置法第三条の第二十六項の「国費の支弁に属する建物の営繕」その下にカッコしてただし書きがありまして、「に関する事務を行うこと。」とありまして、これによりまして
防衛庁
支出
による
工事
をやっております。しかしただし書きの中に「
防衛庁
の特殊な建物の営繕」これは除くことになっております。
昭和
二十七年の三月に
保安庁
ができましたときに、そのときの閣議の了解がございまして、
保安庁
の
建設
、建築
工事
のうち、特殊のものを除いては
建設省
が担当する、そういう了解
事項
がございます。それに基いてやっておるのでございます。
吉田賢一
14
○
吉田
(賢)
委員
防衛庁
はいかがですか。
石原周夫
15
○
石原
(周)
政府委員
防衛庁
の方は、
防衛庁
法の第五条におきまして、
防衛庁
の権限というものがございますが、その三項に「所掌事務の遂行に直接必要な庁舎、営舎、演習場等の
施設
を設置し、及び管理すること。」とございまして、これは各省設置法の例文だと思いますが、これに基きましてみずから
工事
をいたすこともできますし、先ほど
建設省
側からお話がございましたいわゆる営繕等に関しまする閣議了解というものがございまして、それに基きまして、一部の事務を
建設省
にお願いを申し上げておるのであります。
吉田賢一
16
○
吉田
(賢)
委員
ただいま
会計検査院
の御
説明
によって大体事実は明らかでありますとともに、
防衛庁
からこれに対する弁明書が出ておりますが、この弁明書も
会計検査院
指摘
の通りであるというふうに肯定せられておるのであります。 そこで伺いたいのでありますが、この事実の記載によりますと、二十九年の三月二十五日及び三十一日に
契約
をして、即日着工するという約束である。それから請負代金総計は六億六千九百四十四万円余り、これは
建設省
の
契約
事項
に属するものと考えられます。 〔
委員長
退席、椎名(悦)
委員長
代理着席〕 一方、
予定
の敷地は東京都の特別都市
計画
の緑地帯の地域である、耕作地については離作補償問題が未解決である、こういうことになっておる。そしてなお
契約
の当時、つまり二十九年三月当時におきましては着工期日の見通しのつかぬ
実情
にある、こういうことになっておりますが、一体
建設省
建設
局はこのような土地の
実情
については
防衛庁
がそれぞれなすところにまかすのではあろうけれども、
現実
に
予算
執行、また
契約
の実行の監視の重要な責任があるのでありますが、このような
実情
をどうしてあなた方では
把握
することができなかったのであろうか、この点をまず聞いておきたい。
木村惠一
17
○
木村
政府委員
お答え申し上げます。御
質問
の点、私の方といたしましてもまことに遺憾に存ずるわけでございますが、先ほども
経理局長
の方から御
説明
がありましたように、用地の取得については
防衛庁
側で責任を持って解決をする、そういう御趣旨をわれわれは一応全面的に信頼したわけであります。しかしこの問題は非常にむずかしい問題でないかということも当初考えないわけではないのでございます。それで
工事
の依頼がありましたときから続けましてこの問題について
防衛庁
側と常に懇談しておりますが、そのたびにこの問題は早期に責任を持って解決する、緑地解除の件も、これはむずかしい点もあるけれども、何とか早くやってしまおう、自分の方は責任を持ってやるからという再三のそういうお見通しのもとで、私の方もそれに同調したわけでございます。 もう
一つ
の大きな
理由
と申しますのは、御
承知
のようにこれだけ大きな
工事
になりますと、相当長い工期もかかる、そうしますと、事実
工事
を
契約
いたしましても、
契約
直後にその敷地において
工事
の着工ということが起きないのでございます。つまり一カ月とか一カ月半くらいは必ず準備期間というものがございまして、請負業者が材料の収集とかいろいろの手当とか、そういうもので、必ず一カ月またはそれ以上の長い期間がかかる、そういう期間に土地の問題が解決すれば
工事
の促進には非常に有利じゃないか、そういうふうにわれわれは考えました次第でございまして、用地の問題につきましては常々われわれは
防衛庁
の方と密接な
関係
を持って進んだのでございますけれども、何分結果的にははなはだまずい見通しを立てたこと、これははなはだ申訳ないというふうにわれわれは考えております。
吉田賢一
18
○
吉田
(賢)
委員
防衛庁
に伺いますが、ただいまの答弁によりますと、
防衛庁
がこの用地問題については責任を持って早期解決をするということを明らかにして、その上で
建設省
は二億六千七百万円を
現実
に
支出
するに至った
事態
が明らかでありますが、
現実
の経過にかんがみますと、二十九年九月にはなお着工に至らず、こういうことになっております。言いかえますと、六カ月間はなお着工に至らない
実情
でありますが、何ゆえそういうような、事実そのようにならぬことを責任を持って
建設省
の方へ言うのでありますか、こういうことにつきまして、もっとあなたの方では
用地取得
について周密な
調査
検討
あるいは確信を持った上で、
建設省
との間に
連絡
をするのが至当でないかと私は思うのであります。善意に解するといたしましても、これは私は非常に大きなあやまちを犯しているのでないかと思うのだが、その点についてはどうお考えになりますか。
石原周夫
19
○
石原
(周)
政府委員
ただいま
吉田委員
の御
指摘
に相なりましたような結果を生じましたことは、はなはだ遺憾に存ずるのであります。ただ
防衛庁
側といたしまして、何ゆえに
建設省
側に対してわれわれの方で用地の問題を解決するからということを申しましたかということの経緯について申し上げます。 この土地は昔の駒沢練兵場の土地であるのでありますが、接収になっておりまして、接収解除を受けまして、その接収解除後においてわれわれの方で中央病院以下この
施設
を作ることにいたしたのでございます。ところが二つの問題がございまして、
一つ
は接収期間中と申しますか、あるいは接収以前にもなっておるようでありますが、ここに耕作者がおりまして、この耕作者をどういうふうにして立ちのかせるかという点、それが一点、もう
一つ
はただいまの緑地指定の問題、この二点であります。前段の耕作者の立ちのきの問題につきましては、相当の長い期間をかけまして、私どもの方あるいは関東財務局というようなところでいろいろ耕作者と話をいたしまして、三月の十五日をもって離農承諾を得たわけであります。普通の場合におきまして、耕作者の離農承諾を得ますと、それとともに着工いたすことができますので、まず離作の
関係
からいたしますれば、三月十五日という時期をもちまして一応
工事
が可能な状態になったわけであります。ただ耕作者は家屋を持っておりまして、この家屋の移転の
関係
がおくれたのでありますが、これは広い場所にごく狭い
部分
あるわけでありますから、
工事
そのものがスタートするのには差しつかえない状態にございました。そこで第二の緑地の方の問題でございますが、これは東京都の都市
計画
審議会の議を経ませんと解除ができない性質のものであります。ただこの事柄につきましては、ここの緑地指定を解除してもらいますかわりに、旧参謀本部跡の緑地指定でよかろうという事務当局同士の話がずっと前からございまして、これは
建設省
の
計画
局の方と相談をいたしまして、実際問題としては差しつかえはなかろうということを思っておったのであります。これは野実ふたをあけて
計画
審議会を開きましても、この土地に学校あるいはその他の工業
施設
をどうするかという点に議論がありまして、緑地指定の解除自身につきましては、事実ほとんど議論がなかったわけであります。そこで都の都市
計画
局とわれわれの方と相談をいたしましたところでは、これはおそらく都市
計画
審議会を開けば、実際的には異論がないから解決をするであろうというようなことを考えておったのであります。ただ
一つ
見落しておりましたことは、
計画
審議会に
委員
の改選があるということになっておりまして、例年四月早々には都市
計画
審議会を開いてくれまして、そこで議決をしてもらうということであったものでありますから、先ほど
建設省
の方からお話がございましたように、一カ月あるいは少々の余裕を見て、その間にいろいろな資材の手当をいたすというようなことをしますれば、大体緑地の解除には実際的は問題がないから解決はつくだろうという見通しであったのであります。ところが
委員
の改選がありまして、この改選のために、新しい
委員会
の
成立
するのが八月になりました。そこでは今申し上げましたような緑地指定という問題は出なかったのでありますが、学校をどうするか、あるいは住宅の用地をどうするかというような、この緑地指定解除に関連をした議論にだいぶ時間をとったものでありますから、結局三回の議を経まして、九月になりましてやっと御
決定
を願ったということになりましたので、
会計検査院
の御
指摘
のような
遅延
を生じたのであります。これは今申し上げましたような経緯の話でありますが、そこら辺の十分な見通し、あるいは
検討
をやらなかったという点につきましておわびを申し上げます。
吉田賢一
20
○
吉田
(賢)
委員
ただいま伺いました問題、耕作者の立ちのき問題、家屋移転の問題、緑地指定解除の問題、都市
計画
審議会の経緯等々、これは単純な弁解にすぎません。いずれにいたしましても、そういうような手続が完了いたしまして初めて
予算
支出
をする段階にいくのが当然だろうと思う。事務当局等との話し合いをし、あるいは離農承諾を得たから
工事
ができるであろうというようなお考え方、こういうこともいずれも事ここに至りました重大な
原因
をなしていると思うのであります。そこで私がこの問題について考えまする
一つ
の点は、
建設省
と
防衛庁
との
関係
におきまして、この重要な
予算
の執行、事業の執行の上において、もっと緊密な
連絡
をとって責任のある話し合いなり、協議なり、その他交渉をするということについて、非常に欠くるところがあるんじゃないだろうか、制度的にも欠くるんじゃないだろうかと思いますのが
一つ
。なぜならば、これは二億六千七百万円の支払いをしておりますけれども、結果的に見ましてこの金は、国のためには要らざる金を他人に数カ月間支払ったことになるわけであります。どういう経緯があるといたしましても、二億六千七百万円の金を払わなくてもいいのじゃないか、こういうふうにわれわれは考えられるのであります。いずれも手続が完了いたしまして、その上で支払うということにするのが一番正しい、また相当なやり方でないか。これが
一つ
と、いま一点は、三月の末に
契約
をして直ちに金を支払っておるという点であります。これは二十八
年度
の
予算
とは言いながら、
予算
であるならば、これはおそらく
繰り越し
明許に属するものであろうと思いますから、急いで
予算
消化をするというようなやり方は、これまた官庁会計の
一つ
の盲点が現われているんじゃないかと思うんであります。後者につきましては
一つ
の推定になっての
検査院
の判断でありますけれども、そういうふうに思われても弁解しにくい事案じゃないかと思うのであります。この二つの問題につきまして、この種の事件が続出することがないようにすることが、最も重要な
結論
的な点でないかと思うのでありますが、これにつきまして両
責任者
の御答弁を願います。 なおこれは
建設省
といたしましても、
防衛庁
といたしましても、
建設
事業というものは
予算
上莫大な比率を占めておるのでございますし、また
防衛庁
自身にいたしましても、北海道の場合には北海道の開発庁へ事業を委託し
予算
の執行をまかすというような
関係
にもなりまするので、かたがたこれは
防衛庁
の
建設
事業の将来の
基本
的な問題にかかるものであろうと思います。でありますので、
一つ
これは
経理局長
並びに大臣にかわりまして次官から、こういう点につきましては深甚の
考慮
をして何らかの
対策
に出て——一々の問題を
指摘
することはきょうはいたしませんけれども、やはりこれらは根本的に
検討
する価値が十分にあると思いまするので、所信を伺っておきたいと思うのであります。
田中久雄
21
○
田中
(久)
政府委員
先ほど来の御
指摘
の要点は、まことに
防衛庁
といたしまして手落ちでございました。この点につきましては、その後いろいろ制度、
人員
の改正を待ちまして着々と改善をいたしておりますが、なおこの点につきましてさらに部内で一そうの
検討
を加えまして、再びこういうことのないよう期したいと存じます。
石原周夫
22
○
石原
(周)
政府委員
吉田委員
の、どこか制度的に欠陥があるのではないかというお話でございますが、この点につきましては、私どもの方の
予算
を
建設省
あるいは北海道開発庁というものに
支出委任
をいたしまして、こちらの方の
工事
をお願いいたしておるわけでありますので、その間の
連絡
関係
、そのところに不備があって
事故
を生ずるのではないかという御
指摘
だろうと思います。その点は理論的にと申しまするか、抽象的に申しますれば、一省の中で直接やります場合と、大臣を異にいたしまする省との間の
連絡
を生じます場合との間に差を生ずるということはあり得ると存じまするが、他面、先ほど
建設省
側のお話もございました、営繕というものをできるだけ統一をして参ろうというまた
一つ
の方針もございますので、そういうような二省の間にわたるような
連絡
関係
を必要とする
支出委任
の
関係
、こういうような
関係
を考え直すということよりは、やはり現在のままでできるだけその間の
連絡
を緊密にいたしまして
事故
の生じないようにいたす方が、全体の政策といたしましてはとらざるを得ない点じゃないかと存じます。 第二点の
年度
末に
支出
をいたしました点につきましては、これは非常に長い間の懸案でございましたので、お話のようにすっかり議決を経ましてからやるのが筋道ではございますが、何分にも長い間の懸案がやっと片づくところに参りましたので、多少そこら辺のところで山をかけると申しますか、ある事柄の落ちつきます瞬間というものと、丁半準備の時間というものを大体相殺するという考えでやりましたわけであります。こういうような
事態
になりましてまことに申しわけございません。今後はこういうようないわばプラスとマイナスと両方にらみ合せてやるというやり方をいたしませんで、できるだけ健実なやり方にいたしたいと存じます。
三鍋義三
23
○三鍋
委員
関連して。現に二十九年九月当時に至っても着工に至らなかった状況ですが、その後どういう工合にこれが運ばれておりますか。
石原周夫
24
○
石原
(周)
政府委員
十月の六日に着手をいたしております。
吉田賢一
25
○
吉田
(賢)
委員
今の
最後
の点でもう一点念のために聞いておきますが、結局これはあとから見ますると、国は要らない金を二億六千七百七十万円余りを六カ月間無利息で寝して損したというような見方もできるんですが、これは
経理局長
、どうですか。
石原周夫
26
○
石原
(周)
政府委員
無利息で寝かしたという点につきましての、この前払金の
関係
をどういうふうに処置せられたかは、これは
建設省
側ならお答え願った方がよろしいかと思うのでありますが、これは、それがあるから前払金を週早に払うことが何らかの意味を持つということを決して申すわけではございませんけれども、請負業者の側におきましても保険にかかっておるようでありますし、保険料というようなものを見ますると、この利子分が多きになっているという
事態
でもないようでございます。この点は
建設省
側の方で事実の扱いをしていらっしゃいますので、その方からお答え申し上げた方がいいかと思いますが、いずれにいたしましても、払うべからざるものを過早に払ったということは明らかに事実でありまして、まことに遺憾に存じております。
吉田賢一
27
○
吉田
(賢)
委員
その問題はそれでよろしい。 次は
番号
二四号、五七ページの
ジープ
の
購入
問題であります。これについて伺います。まず
倉敷フレザー・モーター株式会社
、こういうのが
購入
の
会社
であります。この
会社
に問題があるように考えられるのであります。これも
検査院
御
説明
のごとくに、やはり二億八千四百万円余り国は相当にあらざる代金を支払っておった、こういう事案でございます。そこで聞きまするが、この倉敷
会社
というのは資産、信用、
防衛庁
との
関係
がどういうような
会社
にあるのか、それを伺います。
久保龜夫
28
○
久保
政府委員
お答えいたします。ただいまの倉敷フレーザー・モーター
会社
につきまして申し上げますと、この
会社
に二十七年の六月二十四日に創立された
会社
でありまして、
会社
の目的は
自動車
の輸出入及び販売業、資本金は創立当初五百万円、二十八年の一月に二千万円に増資いたしております。それから二十九年の一月に三千万円に増資いたしております。そういう
会社
でありまして、これはウイルス製
ジープ
の販売
会社
でありますウイルス・オーヴァランド・エクスポート・コーポレーション、これから日本における販売権について二十六年十月ころからお話がありまして、倉敷レーヨン株式
会社
がその直接の折衝に
当り
ました。その話がつきましたところでこの
倉敷フレザー・モーター株式会社
を作りまして、
現実
には販売権はこの
会社
が譲り受けたわけでございます。
防衛庁
との
関係
というお話でございましたが、
防衛庁
と特に
関係
ということはございませんが、私どもといたしましては、
ジープ
を正式にどういうものを使うかということにつきましては、二十六年以来研究いたしておりまして、あるいは国産単等ともいろいろと比較
検討
し、実用試験等もいたしまして、このウイルス製を使うことが妥当であるということで、二十七年の四月ごろに正式に
結論
を得たわけであります。そしてたまたまそういうふうに販売権を持っております倉敷フレザーから
購入
するということに相なったわけでございます。
吉田賢一
29
○
吉田
(賢)
委員
どうもこの
会社
は、今の御
説明
によりますと、アメリカのウイルス
会社
から
ジープ
などを
購入
するために創立したかのような感じすら受けるのでございます。これはいずれにしても大して問題ないかもしれませんが、要するところ資産、信用等におきまして、第三者はとにかくといたしまして、当該
会社
のそれはいまだ十分に信頼が置き得ないもののような感じを受けます。そこで
契約
の段に入りますが、この五八ページの見積りの
内容
に記載されております
仕様
追加、いわゆる
改装費
の問題であります。この
改装費
につきましてここに第一の問題があるようでございまするが、この電装部品等に関するもので、どの
程度
の改装か私は存じませんけれども、この点につきましては、今のあなたの御
説明
によると、ウイ
リス会社
の車を入れることが適当であるというふうに、いろいろと
調査
研究の結果
結論
を得たということでありますが、しからばこの
改装費
の
内容
などについても、当初において相当研究さるべきではなかったかと思うのでありますが、この点についての研究は全く抜かっておッたようにあとから考えられますが、その点はどうですか、
内容
等について十分に
検討
せられたかどうか。
久保龜夫
30
○
久保
政府委員
先ほど申し上げました、
ジープ
をどういうものを採用するかという点の
検討
につきましては、二十六年以来、たとえば富士すそ野の悪路、難路等で、このウイリスの
ジープ
と、それから日産トヨタで作っておりました
ジープ
と比べまして、あるいは登坂力を調べるとか、その他いろいろ性能の点を吟味いたしたわけであります。その結果性能がよいということ、あるいはアメリカ側から貸与を受けております
ジープ
との交換性等、詳しく、申し上げますと
理由
はいろいろございますが、要するに採用することに
決定
をいたしたのでございますが、ただいまお話ございました改装、十二ボルトの電圧に改装いたしました点は、実はアメリカ側で大量に作っておりますのは六ボルトでございます。私ども
ジープ
を将来使っていきますにつきましては、どうしても
一般
車両
、大型
車両
と同様の無線器材を積みたいということで、十二ボルトでないと
無線機
の
一般
共通
使用
ができないものですから、ぜひとも十二ボルトにしたい。ところがアメリカで量産いたしましたのは六ボルトでありまして、どうしてもその間
仕様
の追加と申しますか、
価格
の
変動
が起って参るということで、当方とし実は先ほどの比較
検討
の際にそういった点まで突っ込んでおりませんで、また突っ込むような比較もいたしておりませんで、 〔椎名(悦)
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 向う側の
仕様
追加による価額の増加というものを向う側の意見を聞きまして、向う側としても、当時大量に作っておりましたのは六ボルトでありまして、果して大量生産に移して幾らでできるかということの資料を向うでどの
程度
まで
検討
したか、私どもそこまで突っ込んでおりませんが、
結論
としてどうしてもこれだけ要るということで、二百二十九ドルというものを
改装費
として、結果としては認めた次第でございます。
吉田賢一
31
○
吉田
(賢)
委員
それは
最初
はそうであるといたしましても、
契約
したのは第一回が二十八年一月、二回目が二月、三回目が十一月とこういうことになっておるわけでありますから、従って二回目、三回目では相当に日時も経過いたしておりますので、従って何ほど部品の
価格差
があるか、あるいはまた改装の
内容
についての知識等につきましても、あなたの方としては十分につかみ取ることができたのではないかと思うのでありますが、この点も
検査院
も
指摘
しておられるようでありますが、われわれしろうとが考えましても、器械はともかくいたしまして、約十一カ月も経過した第三回目ということにもなりますれば、当然に十分の知識、経験を積んでおられるべきではないであろうか、こう思うのであります。そこでこれにつきましては、非常な手落ちがあったことは、弁解されても仕方がないでしょう。 ところで、同時に
外貨
の
使用
状況についてでありますが、これとても、やはり輸入申告の状況について十分に御
調査
になり、あるいは通産省の
外貨
の係、あるいは大蔵省の
関係
等、こういう方面についても、すぐに電話一本ででもこの辺は明らかになるべき事案でないだろうかと思うのでありますけれども、これもどうも漫然と経過してしまって、いたずらに倉敷
会社
をして莫大な利益を得させておったことに一応なっております。これにつきましても、あるいはふなれであったということに御
説明
になるかもしれません、経験を積んでいなかったという御
説明
があるのかも存じませんけれども、官庁会計の
一つ
の盲点かもしれませんが、損益を真剣に考えて取り組むという態度が欠けるのではないだろうかと思うのであります。もしあなた自身の損益に帰するということでありましたならば、何億円というような損になるような問題でありますので、それは血眼になりまして
外貨
の使い方、
内容
等々につきましても、
事前
調査
をしておられたであろう、もしくは途中の
調査
をしておられただろうと思うのです。その辺がやはり
防衛庁
の
物件
購入
における共通した盲点と申すべきでないかと私は思うのでありますが、その辺について、これも全部あなたの方は弁明書において容認しておられるのでございますけれども、なぜこれをしなかったかということを私はいま一応あなたにはっきりと聞いておかなければならぬと思うのであります。
久保龜夫
32
○
久保
政府委員
ただいまおっしゃいましたように、突っ込み方が足りなかったと申しますが、そういう点については、私どもはまことに遺憾に存じております。しいて当時の状況を申し上げさせていただきますならば……。
吉田賢一
33
○
吉田
(賢)
委員
いろいろ伺いたいことがほかにありますから、詳しいことはいいです。
久保龜夫
34
○
久保
政府委員
それでは簡単に申し上げます。第二回の場合は、たとえば第一回の分が六十馬力であるのを七十馬力に引き上げました。あるいは順次国産
部分
をふやしていく、つまり輸入
価格
の分が低減していくというようないろいろ複雑な事情がありまして、前の分の輸入申告、インヴオイスを見るということも、必ずしもこれの比較対照は非常に困難であります。もちろん十分に吟味すれば不可能であったと申すわけではございませんが、この点に突っ込み方が足りなかったことは今申し上げた通りでございまして、非常に
仕様
が変りましたので、向う側の新しい値段を聞きまして、これを
参考
にいたしまして第二次の
予定価格
を作りました。それから第三次の
契約
につきましては、二十八年の八月の中ごろに第二次分の
最後
の船積みがございました。各船積みごとに仕切りをいたしておりまして、そのときのインヴォイスを実は基礎にいたしたわけでございます。それが十一月に
契約
いたしましたときには、事実はなおさらに値下りがあったということでありまして、そこまで見届ければこれも不可能ではなかったのでありますが、そのころにはもう
契約
事務はほとんど終了の段階でありまして、結果的に見ますと、八月のインヴォイスでは時期は早過ぎたということになったわけであります。いずれにしても、突っ込み方が十分でなかったということについては申訳ないと存じております。
吉田賢一
35
○
吉田
(賢)
委員
それは結果から見ますと、あなたの方では
検査院
から
注意
を受けて、前記いろいろな
契約
の
予定価格
よりも、第二回分については二十九年三月に八千八百万円を減額し、三回分については同十一月に五千五亜二十八万円を減額しておる、こういうことになっております。そういたしますと、これだけで一億四千万円余り減額したことになります。これを結果から見まするというと、この倉敷
会社
というものは、どうやらこれは初の
防衛庁
との取引であるらしい。これで、労務その他倉敷
会社
のいろいろな経営上の事業管理など、あるいはまた資金の消費その他でさほど大きな経営上の損失があったものと思われません。しかるに現地におきまして一億四千万円も値引きをしている。そういたしますと、これは、変な言葉で申せば、ぬれ手でアワのつかみ取りで、
防衛庁
に
ジープ
の
購入
を仲立ちしたばかりに何億円もうけるということに一応はなっておったのではないでしょうか。たとえば倉敷
会社
の手数料といたしまして第一回分は二万ドルでありますか、それから第二回分は四万一千ドル、第三回分は二万七千ドル、こういうような莫大な手数料は当然見積りの中に入れるわけであります。でありまするので、こういうようにトンネル
会社
のような、パイプのような役割をした仲立ち
会社
が何億円ももうけるというような、そういうむちゃな利益を与えるようなことが、政府の物の
購入
におきまして許さるべきことであるのであろうか。一億数千万円が減額したということは驚くべきことであって、実に残念なことなんであります。こういうような相手方と商取引をするというようなことは、
防衛庁
といたしましては乱暴しごくでないかとさえ私は感ずるのでありますが、そういうふうにお考えになりませんか。
久保龜夫
36
○
久保
政府委員
ただいまおっしゃいましたような
事態
は確かにあるのでございまして、私どもといたしましては、
会計検査院
の
指摘
も受けまして、とにかくあやまちは早く改めなければならないということで
会社
側といろいろ折衝をいたしました。ただ、当時の輸入
関係
の
契約
につきましては、天災地変は別といたしまして、特に
価格
の
変動
による
契約価格
の改訂という条項はうたっておらなかったわけでありまして、
会社
側から申しますと、
価格
の改訂ということは新たな合意を要するという理屈であります。私どもといたしましてはよく
事態
を
説明
しまして、
会社
側もこの
事態
を了承しました。ただ現金八千八百万円と減額をきめ、また第三回分五千万円ときめましたのは、
会社
といろいろ交渉いたしましたあげく、第二回分につきましては
契約価格
の八%上下は、これは経営上の、商売上のリスクとして考える、この八%の幅をとった残りは全部お納めいたします。それから第三回分につきましては、二回目のことでありますので、その幅を五%にいたしまして、五%以上のものは返納させる、減額するというような話し合いを、
会社
との話し合いの結果きめたようなわけであります。ただ
会社
側といたしましては、これは
会社
内部の問題でございますが、これの下請をいたしております新三菱が国産分につきましてかなり赤字が出ている。これは私ども確認をしたわけではございませんが、そういったようなことで、そういったような面のカバーも相当しなければならぬというようなことも一応申しております。 それからもう
一つ
、これは筋道としては全然別でございますが、第二回分につきまして納期の
遅延
がございまして、これに対して約三千二百万円の延滞保証金をとっております。これはもちろんこの問題と無
関係
に
契約
上当然の債務でございますが、この三千二百万円も実際は新三菱の負担になるわけでありますが、実際問題としては倉敷フレザーと適当にその損失を配分しておる、かように聞いております。 もう
一つ
、このような
会社
を相手にすることはいいと思うかというお尋ねでございましたが、私ども当初ウイリス製の
ジープ
を採用することときめまして、当時
最初
に申し上げましたように倉敷フレザーが輸入並びに販売の実際の権利を持っておりましたわけで、これが新三菱に下請させるというような形でありましたので、採用する以上はこれを
契約
するよりほかにいたし方がなかったわけでありますが、この倉敷フレザーは昨年の五月に解散いたしました。これは当時倉敷レーヨンの資本が大
部分
でございますが、むしろ実体の製作者であります新三菱の方に移しました。と申しますのは、おととしの九月にやっと新三菱の技術援助
契約
が外資
委員会
で承認いたされました。それ以後三菱を主体にいたしまして、倉敷
会社
は解散いたしまして、菱科
自動車
と申しまして、三菱の資本を中心とする単なる販売
会社
にかわって今日に至っております。
吉田賢一
37
○
吉田
(賢)
委員
私の疑問に思いますのは、この
会社
が二十七年に
成立
して五百万円の資本だった、翌年二千万円になり、その縦年三千万円の資本に増加されておる。新しくできた資本金五百万円の
会社
で、どれほど
人間
を使っておったか存じませんが、要するに自分はほとんど店頭でトンネルの仲立ちをしただけではないかと思うのです。組み立てば新三菱がやっておる。そして部品の製造はアメリカのウイ
リス会社
がやっておる。海上の運送は別の
会社
がするでありましょう。といたしますと、ほとんど現品の顔を見ることなく、手をこまねいて商売をしているのじゃないかと思うのであります。それが
防衛庁
との間に四十四億二千七百万円の納入の
契約
をして数億円もうかるというような、こんなぼろい商売があるかと思うのです。そこであなたに念のために伺っておきますが、一体
防衛庁
というのは、たとえばこの場合八%とおっしゃっておるけれども、四十四億円の八%というのは少しぼろ過ぎるのじゃないであろうか、何の危険が内在するか今つまびらかにいたしませんけれども、私どもはもっと減額して、そして相当な利益を押えて、そして国の
支出
をできるだけ制約していくという態勢が必要でないだろうかと思うのであります。どっちにいたしましても、あとで減額した一億四千万円というものは、余分なものをこの倉敷
会社
へ与えようとしたことが取り戻されたことになっておりますが、いずれにしましても何億円というのでしょう。あとで減額いたしましたのは八千八百万円と五千五百万円で、約一億四千万円ですね。何億というこんな大きな利益というものは、五、六千万円の資本で十年以上も経験を積んだ輸出入
会社
においてもなかなか得られる利益ではないのであります。ことに二十八年から九年にかけてということになりましたならば、貿易の景気は非常に悪い、貿易
会社
は続々と倒産するときであったはずであります。こういうときに
防衛庁
と取引
契約
をすると、こういうようなトンネル仲立ち
会社
で何億円ももうかるということは、私はこれはやはりどうかしておると思います。どうしてもこういう問題については根本的に厳格に反省をいたしまして、将来これが再び繰り返すことのないようにすることはもちろんのこと、こういうような方式は根本から再
検討
いたしまして、一体
防衛庁
は何ほどの利潤を納入の商人に与えることが妥当であるか、相手はどのような経営の管理費を
支出
しておるのであるか、このようなことを綿密に
検討
する態度をもって
物品
を
購入
するのでなければいけぬと思う。あとに続出してきます数十の項目につきまして、これもおそらく九牛の一毛にすぎないのではないかと思います。こういう点から見ましても、これを
一つ
のよい例といたしまして、この種の問題は
一つ
抜本的に
検討
してみるということが必要でないかと思うのであります。次官の御答弁を伺います。これは実は長官から聞かなければならぬ問題として私は考えておったのでありますけれども、この問題は容易ならぬ問題を内在いたしておりますので、ぜひあなたは長官にかわって責任のある御答弁を願いたい。
田中久雄
38
○
田中
(久)
政府委員
先ほど来、るる拝聴いたしまして、御
指摘
の点につきましては十分な
検討
を加え、なお他にも九牛の一毛にすぎぬではないかという御
注意
もございましたから、よくその他の面も
調査
をいたしまして、将来そういう形態の
会社
が
防衛庁
の
物品
購入
に不当な利益を得ることが再びないように十分
注意
をいたして、御期待に沿うことにいたしたいと存じます。
吉田賢一
39
○
吉田
(賢)
委員
私も今の
整備
局長
御自身の誠意のある態度なりあるいは誠実な御態度はよくわかるのでありますけれども、ともかく背負い切れぬほどの
予算
を背負わされて、そして
物品
の
購入
なんかで湯水のように金が使われているのじゃないかと国民に与える印象というものは、実にこれは悪いことであります。そういうことを考えますと、これは峻厳な態度をもってこの種の事案に対処するということが、
防衛庁
のこの種の問題を絶滅するところのただ
一つ
与えられた手である、こういうように考えますので、私は今のような御
質問
をしたわけであります。 そこで次に少し問題を転じまして、きょうのなまの問題を
一つ
伺いたいのでありますが、これは先般も朝日新聞に六月四日付で書かれておった事件であります。これは「ストック十年分」というような見出しがついておるのでございます。資料を
防衛庁
からいただいておりますので、これに基いて一、二お伺いしてみたいと思うのであります。 ここにも衣料
関係
のものが、
かや
の問題が出てきたり、あるいは
マットレス
の中
詰め
の問題が出てきたりいたしております。こういうような繊維
関係
の問題も、
防衛庁
といたしましてはずいぶんと重大な費目になっておるものと思われます。そこで伺いたいのでありますが、本年の二月八日以降五月十七日に至りまするまで、
防衛庁
はアメリカから原反冬地の生地九十八万一千余ヤール、冬の上衣が三十四万着、冬のズボンが三十五万二千着、帽子が三十四万九千個、これだけを受け入れております。これは全くあるものの上へ余分に受け入れたということに形はなっておる。しかもこれにもかかわらず
防衛庁
といたしましてはさらに
購入
をいたしております。
購入
する金もふんだんにあるから
購入
なさるのか知りませんけれども、外国からこうやってくれるものがあるのならば、
購入
なんか差し控えて少し
予算
を節約せられてはいかがか、こう思うのであります。あなたの方の御
説明
によると、何か昨年の十月ごろに情報が入っておるようなことであります。今の服地等を
防衛庁
は無償でアメリカからもらったことが事実あるのかないのか、それにもかかわらずこれらに該当するものもしくは類似するものを
購入
した事実があるのかないのか、まずこの点を
一つ
明らかにしておきたい。
久保龜夫
40
○
久保
政府委員
お答えいたします。ただいまおっしゃいました資料にございますように、制服としてでき上ったもの新旧合せて三十五万着、生地合せて約百万ヤール、本年の二月から五月にかけて確かにアメリカ側から受領いたしました。それから昨年の十月から十一月にかけて約七万着の冬の制服を
調達
いたしております。これにつきましては差し上げました資料にも書いてございますように、昨年の夏ごろから、初め向うの制式が変るので有償で渡してもいいというようなお話がちょっと出まして、有償では問題にならないといっておりましたところが、九月、十月ごろにかけて無償で渡してもいいというような話がぼつぼつ出てきまして、ただ
米軍
との
関係
を申しますと、向うもワシントンとの
連絡
もこれありで、そういうような話が出ましてもなかなか正式にきまるのはいつもおくれるというか、場合によっては立ち消えになるような場合もなきにしもあらずでありまして、ことに火砲等の
装備品
でもありませんし、その辺のところをいろいろ情報を判断しておった次第でありますが、その辺も容易につかめない、しかも
数量
もどういうものが来るかということもはっきりしないようであります。どうしてもただいま申し上げました七万着は、十月から十一月にかけて入って参ります新隊員、あるいは
欠員
補充、それから三十
年度
当初の
欠員
補充等、その他いろいろ考えあわせまして、やはり
調達
しておかないと必要の場合に事欠くのではないか、こういう判断のもとに
調達
いたしたわけであります。
吉田賢一
41
○
吉田
(賢)
委員
あなたの方で発注したのはそうすると冬服七万着、
現実
に手持ちしておりますものは冬の制服は何着あったのでありますか。
久保龜夫
42
○
久保
政府委員
ただいまお尋ねの手持ちと申しますと、当時九月ごろというふうに伺ってよろしゅうございますか。
吉田賢一
43
○
吉田
(賢)
委員
九月ないし十二月。
久保龜夫
44
○
久保
政府委員
九月末に新品が上着、ズボンで多少違いますが、約二万七千着、それから古品が約一万五千となっております。
吉田賢一
45
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと、本年に入りましてはどうですか。
久保龜夫
46
○
久保
政府委員
前
年度
末でございますか。
吉田賢一
47
○
吉田
(賢)
委員
それでは、昨年の十月−十二月、本年一月、そのころには何ほど手持ちがありましたか。
久保龜夫
48
○
久保
政府委員
ただいまわかっております前
年度
末、すなわち本年三月末の
数字
を申し上げますと、新品が約五万五千着、それから古品が一万着強となっております。
吉田賢一
49
○
吉田
(賢)
委員
そういたしますと、もしアメリカから三十余万着、原反が約百万ヤール、こういうものが来たりしならば、あなたの方の七万着の発注は必要がなかったという勘定になるのですが、どうですか。
久保龜夫
50
○
久保
政府委員
もしかりにアメリカ から参りますものが、早ければことしの五、六月、おそくとも十月ごろに完全に仕立て直しができまして間に合うということでありますれば、あるいはそのうち若干は
調達
しなくても間に合ったと思われるのですが、ただどういう
規格
のものが来るか、新旧どうであるか、あるいは仕立て直しなりにどのくらいかかるか、あるいは昨
年度
の分は、本年六月末までが大体こちらへ供与する期限でありますから、最悪の場合を考えますと十月にも間に合わないのじゃないか、こういうふうに判断をしたわけであります。
吉田賢一
51
○
吉田
(賢)
委員
防衛庁
では二十九
年度
の
予算
として、被服費は冬の制服あるいは生地などで一体何ほど分の
予算
があったのですか。
石原周夫
52
○
石原
(周)
政府委員
個人被服の数といたしましては、更新分といたしまして三万三千三百三十着、増員分といたしまして三万六千六百七十着であります。
吉田賢一
53
○
吉田
(賢)
委員
そういたしますと、アメリカから贈与を受けたものが五月、六月ごろまでに確実に来ておりましたならば、発注することも必要がなかったというふうに私は了解するのでありますが、この七万着というのは大体何ほどの代金になるのでありましょうか。
石原周夫
54
○
石原
(周)
政府委員
総計いたしまして三億一千五百万円であります。
吉田賢一
55
○
吉田
(賢)
委員
昨年の九月の中旬に服が三十五万着、それから服地が古万ヤール、その他キャップ三十五万個ほどのものがアメリカから無償でもらえる情報が入っておったような六月十七日付のあなたの方の資料の御
説明
であります。そこで去年の九月にアメリカから入りました情報の
内容
でありますが、これは簡単なものであろうと思いますから、その文書はどういう文章になっておるのでありますか。
久保龜夫
56
○
久保
政府委員
これは私どものところへは参っておりませんで、
米軍
部内でそういう話があるという予報があった、
米軍
部内で、司令部と補給処との間でそういう話があるということを私どもは間接に聞いたということであります。
吉田賢一
57
○
吉田
(賢)
委員
そうではなしに、日本の内地にあるアメリカの軍の所有の余剰の原反、服等の
物件
を九月の上旬にすでにアメリカの顧問団あてに庫出しするような指示があって、その指示の趣旨が直ちに
防衛庁
の方へ伝達された、こういうのが真相じゃないですか。
久保龜夫
58
○
久保
政府委員
繰り返すようで恐縮でございますが、向うの部内の文書はあるようでありますが、それを私ども伝え聞いておりますわけで、こちらに伝達は受けておりません。
吉田賢一
59
○
吉田
(賢)
委員
それは正規の伝達もしくは通報でないかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、責任のある顧問団の要請によって、顧問団あてで庫出の
内容
までもはっきりした文書が、文書そのものとしてあなたの方へ正規に渡ったかどうかこれは別といたしまして、入手したのは単なる道ばたの話とか立ち話じゃなしに、文書の
内容
もあなたの方は確認されておるのじゃないですか。これをはっきりしておいて下さい。別にそれを私今追及するという意思はないのでありますけれども、事柄の経過といたしましては、明確にしておいた方がいいと思います。
久保龜夫
60
○
久保
政府委員
内容
については大体
承知
いたしております。ただここで申し上げておきたいのは、
米軍
とのいろいろな引き渡しの情報等は、これは顧問団自身が、これは単なる情報である、伝達の場合でも単なる情報である、きまるのは現物が
現実
に来てからでないとわからぬ、あるいは庫出をしてから初めて確定をするのだというような場合が非常に多うございまして、この場合も、釜山の補給処がその後火災が出るとかいったようなことで、向うのインフォーメーションも聞く人によって違うというような
事態
もあったようであります。
吉田賢一
61
○
吉田
(賢)
委員
あなたの方はやはり
米軍
との接触はずいぶんあり、従って顧問団、顧問との接触もずいぶんあるわけであるから、絶えざる情報の入手というものは正確にするということが事業の重要な部門を占めているとわれわれも
承知
しておるのであります。従ってこれは普通の単なる新聞情報とか立ち話で聞いたとか、そういうものでなくして、これらの情報というものは、相当行政上の価値があるものとして、お互いに意識して行政をやっていかれるというのは、あなたの方だけでなしに、その他
調達
庁にいたしましても、みな同様であります。でありますので、その点はこれは無価値のもののようなお考え方は、もってのほかだと思います。そこで、三億数千万円の金の使途の関連においてでありますが、もしその情報について、さらに的確にこれを
把握
するという手続をとっておられましたならば、三億数千万円の発注、
支出
はしなくて済んだのじゃないであろうか、そのために現にこれらの今入庫しておりまするあなたの方の手持ちの原反の百万ヤールにいたしましても、これは大へんなものであります。冬の上着の三十四万着にいたしましても、大へんなものであります。やはりこういうものを有効に使うということをすることによって、国の
予算
を幾ら組んでおっても、そういう意味において
予算
の
不用
が生じましたならば、私どもは双手をあげて、実際絶讃しますよ。これを倉にほうり込んでおいて、三億数千万の
予算
を使ってしまうというやり方は、これはやはりお考え願わなければいかぬ大事な問題であります。でありますので、この点はやはり最近の大きな
一つ
の手落ちじゃないかと思います。これは何年使えるのか存じません、兵隊さんがたくさんにふえるのか減るのかは存じませんけれども、いずれにいたしましても、百万ヤールの冬服の生地が倉庫に寝ておるというようなことで、それでなお数億円の被服費の
予算
を使うというような
防衛庁
の
予算
執行というものは、私は正気のさたとは思えぬのであります。でありますので、こういうことにつきましては、何とか処置してもらわなければならぬと思うのでありますが、これでもやはり本
年度
も何ほど組んでおられるのか知りませんが、被服費が相当これまた
繰り越し
明許で
予算
が
編成
されておるようでありますが、
石原
局長
どうですか、ことしの
予算
は使わずにいく、そういう
一つ
の腹でおやりになれませんか。
石原周夫
62
○
石原
(周)
政府委員
三十
年度
予算
につきましては、本年の
予算
の
編成
がおくれました
関係
上、先ほどのような
事態
が明らかになりましたので、冬服の分は今度はございません。なおついでに申し上げておきますが、二十九
年度
からは被服費の
繰り越し
はございません。
吉田賢一
63
○
吉田
(賢)
委員
冬服の
予算
をとっておらぬということであるならば、これはまことに殊勝なる話でありまして、その点は私も愉快に感じますが、しかしいずれにいたしましても、この莫大なアメリカの贈与
物件
に前後いたしまして大きな金を使ったということにつきましては、これはやはり見のがすことのできない
防衛庁
の
予算
の乱脈ぶりじゃないかと思われます。
委員長
、もう少しよろしゅうございますか。
上林與市郎
64
○
上林委員長
できるならば次にしてもらいたいのですが……。
吉田賢一
65
○
吉田
(賢)
委員
それでは少し飛ばして申し上げます。まず四四に飛びますけれども、八二ベージの四四の
マットレス
の中
詰め
が綿を使っておった、こういうことであります。これまたたいへんな問題なのです。実にぜいたく三昧と申さなければなりません。現に海軍の方はわらを
詰め
ております。あるいは昔の軍隊のみならずいなかにおきましては今日でもふとんの中にわらを入れています。わらは衛生上実によろしいのであります。また経済的に安いのであります。こういうものをほんとうにお使いになっておりましたら、私はここにおいても二千万の節約ができたということを考えるのがあります。どうしてこんな不経済なことをおやりになるのだろう。どうして
海上自衛隊
と同調していくように
保安庁
第一幕僚監部はおやりにならなかったのであろうか。これはとても大胆なやり方でないかと思うのであります。こういうことを
事前
にもっとしっかりつかんで阻止するという方法はなかったのでありましょうか。
石原周夫
66
○
石原
(周)
政府委員
マットレス
に中綿を
使用
いたしましたのは予備隊以来のことでございまして。海上警備隊の方は発足が違うものでありますから、
保安庁
に一緒になりましてからも多少その点行き方の違う点がある。御
指摘
のように綿の方がわらよりだいぶ高いのであります。そこで
会計検査院
の御
指摘
もあり、私どもの方でも現在
検討
いたしておりまするが、主として今まで、わらの方が安いのに中綿を利用いたしておりましたのは、御
承知
のように二段ベッドにいたしておりますので、わらでありますと上から非常に下にほこりが落ちるという
関係
がございまして、
使用
上困る点がありはせぬだろうかという点であります。寝台が一段でございますとそういう点がないのであります。そのほか保管の面積の問題でありますとか、消毒の問題でありますとか、湿気の問題でありますとか、いろいろな点をただいま
検討
いたしております。ただ最近ではそこら辺のところを
経費
の点と比較いたしましてどういうふうにいたすか、
検査院
の御
指摘
もあり、国費の節約にもなると思いますので、至急に
結論
を得るようにいたしまして、今後の態度を決したいと思っております。
吉田賢一
67
○
吉田
(賢)
委員
海上自衛隊
におきましてはわらを
使用
し、陸上自衛隊におきましては、警察予備隊当時から綿を
使用
しておる、いまだ統一ならず今日研究して早急に
結論
を出す、こんな間の抜けたことで生きた行政はできませんよ。こんなばらばらなことで生きた行政はできませんよ。これは靴とげたと右左にはいて、いずれにするか今きめておりますといって走っておるのと同じことです。そんなだらしのない行政はありません。
石原周夫
68
○
石原
(周)
政府委員
私は不正確なことを申し上げまいと思っていいかげんなことを申し上げたのでありますが、
規格
をもうきめたそうでございます。従いまして早急に
決定
すると申し上げましたのは少し間違いでありまして、すでにわらにいたすことにいたしまして、最近におきまして決裁済みでございまして、今
年度
からは陸の分につきましてもわらを
使用
いたすように相なっております。
吉田賢一
69
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと本
年度
はわらを使うのですね。——それではよろしゅうございます。 それから三五以下ずっと三五、三六、三七、三八、三九など一連の問題でありまするが、たとえば三五におきまして、救急用の歯科医療の、これはそれぞれの器具のようでありますが、こういうものは不急品であって、どうもそのままに捨てられておるらしい。また三六におきましても、これは同じく第一幕僚監部の方でありまするが、航空発動機用の
馬力測定装置
につきまして、これも六百万円以上のものを
購入
いたしまして、二十九年の末にはなお梱包のまま倉庫に捨ててほうってあります。三七におきましても、やはり鍛造熱処理器具の一組が、これも百八十万円の物が
購入
せられて、そして建物もないので、梱包のまま捨ててほうってあります。三四も、第一幕僚監部で、これも使えない物を一時に
多量
に買いまして、金額におきまして五千二百万円買っておる。三二におきましても、必要でなかった物を、金額において六十七万円余り買っておる。これら一連のものは不急不要の物であります。こういうような不急不要の物を
購入
するというのは、一体これはほかすほど金が
防衛庁
はある、そういう感じが
支出
官や——あるいは
支出
官はそうでないかしれませんけれども、
価格
を認定し、あるいは必要であるやいなやを判断する部局の役
人たち
が、そういうふうにお考えになっておるのではないだろうか、何ゆえにもっと適切に、必要であるか、必要量であるか、適当なものであるか、あるいは
使用
ができるかいなやというような各般の条件を十分厳密に、すみやかに
検討
をいたしました上で発注する、こういうふうになぜしないのであろうか、こういうことを私はほんとうに不思議にたえぬのであります。これは
会計検査院
も万能じゃありませんし、
人間
に限りがあるのだから、きわめられないので、一々
当り
ましたらおそらく何倍、何十倍になるのじゃないかとさえ想像をたくましゅうするのであります。どうしてこういうふうになるのでありますか。これは総括をいたしまして
経理局長
ははっきりしておいていただきたい。
石原周夫
70
○
石原
(周)
政府委員
先ほど冒頭に申し上げましたように、ただいま
吉田委員
の御
指摘
にかかります諸項は、大体二つほどの
理由
によるかと思います。これは
検査院
からも御
指摘
を受けているごとく、
一つ
は
装備品
に関します
使用実績
が少いものでございまするから、事実上
米軍
の
装備定数
というものを基礎にいたしまして
編成装備表
というものができておる。この点でただいま御
指摘
の二九から三五までのものは、大体その
原因
に基くものであるかと思われます。それから三六、三七の御
指摘
があったようでありますが、これはいささかその趣きを異にいたしまして、
部隊
の
編成
、
施設
の完成というようなことと内部の
装備品
との関連が食い違いができておる、こういうことかと思われます。前者の方につきましては、何分にもまだ
装備品
の
使用実績
などにつきましての
実情
が十分に出ておりません。従いまして、現状におきましてやるということになりますと、ある
程度
まで
米軍
の
使用実績
というものを
基準
にいたす、あるいはアメリカの
装備定数
というものを
基準
にいたすという考え方になります。これは冒頭に申し上げましたように、今急速に
委員会
を作りまして、根本的な
検討
をいたしておるわけでございます。第二段の
施設
との食い違いが出て参りましたのは、これは御
承知
の通り、
繰り越し
でもごらん願いますように、
施設
の
関係
は
用地取得
の
関係
で、いろいろ
施設
置個所が変りましたり、模様が変りましたりいたします。そのために、
装備品
を作るのに時間がかかりますので、その両者をにらみ合せまして、大体いつごろにはこういうところに落ちつくであろうということをやってみますと、
施設
の方ではなかなかそういうふうには時間的に参らぬということがございまして、こういうような食い違いが出て参ります。ここら辺のところは、
繰り越し
の不消化、あるいは
繰り越し
の生じないようにできるだけいたすというところから、こういうような
施設
と、その内部におきます
設備
の食い違いというものを今後極力減らして参りたいと思っております。
吉田賢一
71
○
吉田
(賢)
委員
あなたは
委員会
を作ってこれらの問題の根絶を期するような、非常に確信あるようなお話でありますが、由来どこの省庁におきましても、問題が起ればいろいろな
委員会
ができるのですけれども、そう簡単にいかないのであります。でありますので、これは私は尋ねないけれども、
原因
は千姿万態であります。しかしながら共通しておりますものは、やはり少数の
委員会
なんかで解決できる問題じゃないのでありまして、これは考え方といたしましては、
防衛庁
全体に関する大きな問題でありますし、のみならず、一々の問題について掘り下げていくならば、これは抜本的な解決の道はどこにあるかということはわかるのであります。でありますので、あなたが今そうおっしゃいましたならば、その
委員会
が
防衛庁
の
予算
の執行につきまして、こういうだらしないことをなからしめるというほんとうの責任を負うのかどうか知りたいと思うので、これは適当な折に、この二十八
年度
の
決算
が
審査
終了に至りますまでに、
防衛庁
の長官といたしまして、ぜひ
委員会
活動の
実績
を当
委員会
に報告してもらうようにお願いを申しておきます。これは次官から適当に長官に御伝達を願いたいと思います。
田中久雄
72
○
田中
(久)
政府委員
ただいまの御要望につきまして、また本日の審議の
実情
その他もあわせて長官に報告をいたします。お説の通り、本
決算
審査
の終了前に何分の御報告を長官よりいたすことにいたします。
上林與市郎
73
○
上林委員長
三鍋
委員
から関連の発言の申し出がありますので、これを許します。三鍋君。
三鍋義三
74
○三鍋
委員
防衛庁
の経理状況を、先ほどから
吉田委員
の御
質問
による答弁を通じてみましても、単にこれは
防衛庁
関係
だけでありませんけれども、特に
防衛庁
の問題につきまして、何か道楽むすこが親から金をたんまりせしめて、その使い道に困って、どうしてこれを使おうか、こういうことに苦心して、非常にむだ使いされているといった感じを強く受けるのでございますが、先ほど
吉田委員
から被服の
購入
のルーズな点に関して
質問
があったのでございますが、
最後
に今
年度
にその
予算
を見る必要がないじゃないかという
質問
に対して
経理局長
は、三十
年度
にはその
予算
を見ておりません、こうはっきりおっしゃったと思うのです。これは間違いないですか。
石原周夫
75
○
石原
(周)
政府委員
間違いありません。
三鍋義三
76
○三鍋
委員
そうするとおかしいですね。あなたの方からお出しになった資料に、三十
年度
には二十三億七千四百七万四千円という被服費を見てあるのですが、これはどういうのですか。
石原周夫
77
○
石原
(周)
政府委員
御
指摘
のように、二十三億七千四百万円というものはございます。これは冬服以外の個人被服がございますので、冬服以外の個人被服あるいはその他の
部隊
被服、個人装具というものが入りまして今の金額に相なるのであります。 なお立ちましたついでに恐縮ですがちょっと申し上げておきますけれども、私先ほど
委員会
のことを申し上げたのでありますが、何かそれで非常に簡単に早く装備表というものが適実な改正ができるような印象を与えるような申し方をもしいたしましたならば、それはそう簡単なものでないということは私どもも考えておりますので、これは相当時間をかけてやるつもりでおります。そのことをちょっと申し上げておきます。
三鍋義三
78
○三鍋
委員
そうするとこれは冬服の
予算
はとらなかったということですか。
石原周夫
79
○
石原
(周)
政府委員
さようでございます。
上林與市郎
80
○
上林委員長
他に御
質疑
はございませんか。——他に御
質疑
がなければ本日の
保安庁所管
に関する
質疑
はこの
程度
にとどめ、次会の開会日時は公報をもってお知らせすることといたします。 これにて散会いたします。 午後零時三十一分散会