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1955-06-02 第22回国会 衆議院 決算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二日(木曜日)     午前十一時二十分開議  出席委員    委員長 上林與市郎君    理事 椎名悦三郎君 理事 山本 正一君    理事 徳安 實藏君 理事 山中 貞則君    理事 山田 長司君 理事 吉田 賢一君       生田 宏一君    本名  武君       横井 太郎君    片島  港君       三鍋 義三君    細田 綱吉君  出席政府委員         大蔵事務官         (管財局長)  窪谷 直光君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      柳沢 英蔵君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第一課長)  天野 四郎君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  辻  克蔵君         会計検査院事務         総長      池田  直君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      保岡  豊君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ――――――――――――― 六月一日  昭和二十八年度一般会計予備費使用  総調書(その2)  昭和二十八年度一般会計災害対策予  備費使用調書(その2)  昭和二十八年度特別会計予備費使用  総調書(その2)  昭和二十八年度特別会計予算総則第  十条に基く使用調書  昭和二十九年度一般会計予備費使用  総調書  昭和二十九年度特別会計予備費使用  総調書  昭和二十九年度特別会計予算総則第  八条に基く使用調書  昭和二十九年度特別会計予算総則第  九条に基く使用調書       (承諾を  昭和二十九年度一般会計国庫債務負 求めるの  担行為総調書           件) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和二十八年度国有財産無償貸付状況計算書     ―――――――――――――
  2. 上林與市郎

    上林委員長 これより会議を開きます。  本日は前会に引続き、昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書、同国有財産無償貸付状況計算書一括議題とし、質疑を続行いたします。質疑の通告がありますので、これを許します。吉田賢一君。
  3. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いわゆる国有財産法による国有財産の現状についてなお一、二お尋ねしたいので彫ります。これは私ども重点的に考えまして、国の所有に属する旧軍用財産のうちおもなる不動産施設について、特にその管理状況あるいは転用とか、売り払いとか、貸付等に関しまして一応の実情が知りたいのでありますが、しかし物件広汎多岐にわたりますのと、また今申しましたような各内容あるいは利用の姿などは相当広汎にわたりますので、短時間の質疑応答ではとうてい尽すことができません。そこで私は総括的に原則論的な点をお尋ねすることにとどめたいと思います。また個々の問題につきましては別の機会に論及することができますので、さようにいたしたいと思います。  つきましては、大蔵省当局にこの旧軍用財産であります、現に国の所有に属するものの不動産及び施設のおもなものについて、できましたら簡潔にどこそこにどういうものがある、どのくらいな価格のものである、それは取得時期の価格でもよし、あるいは時価でもよろしいから、そこを明白にして御説明を願いたいと思います。
  4. 窪谷直光

    窪谷政府委員 旧軍用財産は、御承知のように全国に多方面に散在いたしておったのでありますが、その中で大体まとまって相当大きな施設があったのかあるのでございまして、その代表的なものは横須賀、呉、佐世保、舞鶴というような軍港市でございまして、これらの重港市にありました旧軍用財産の一部は、御承知のように駐留軍使用いたしております。日本政府駐留軍に対して提供をいたすということになっております。それ以外のところの施設につきましては、旧軍港市転換法という法律がございまして、その法律に基きました審議会がございます。その審議会利用方法等を諮りました上でそれぞれ転活用をはかっておる状態でございます。  なお軍港市以外の陸上の施設等につきまして、昔の軍用施設は今日までに、たとえば製鉄業でございますとか、あるいはまた車両の製造業でございますとかというふうな、その施設を使うにふさわしい業種にそれぞれ処分をいたして参ったのでありますが、ただいま残っております大きな施設と申しますと、燃料廠関係施設が大きいのでございます。これは御承知のように四日市徳山岩国というふうに相なっております。徳山につきましては、これはほとんど土地だけでございますが、岩国四日市につきましては若干の施設がまだ残っておるわけであります。  そのほかに火薬製造設備でございますが、これも数カ所残っておりまして、一つは川越市の郊外に元陸軍の火薬製造施設がございます。それから群馬県の岩鼻に同様に火薬製造施設がございまして、その一部は現在は民間で使います火薬製造をやっておる部分がございますが、なお未利用のところがございます。それから西の方に参りますと、京都府の宇治にやはり火薬製造いたしましたものの一部が残っております。これも昔の宇治火薬製造施設の中を防衛庁が使っております。それから京都大学その他のところを使っておるのがございますが、火薬製造の本体に属する部分がなお未利用状態で残っておるのであります。  それから、さらにやや趣きを変えましたものといたしましては、豊川に海軍の機銃の製造所がございましたが、これの一部は国鉄が利用いたしておりまして、一部は防衛庁利用いたしておりますが、なお相当の施設が未利用状態で残っておるのであります。大体現在未利用状態で残っております大きなものはそういうものでございます。  なおこの未利用のものの評価が幾らになるかというふうなことにつきましては、そういうような概算的なものをやってみたものもございますし、また、まだそういうふうな作業まで手がついていないのもございまして、全国的にどの程度の価格になるかというふうなことにつきましては、目下のところ数字を持ち合せておらないような状況でございますので、御了承賜わりたいと存ずる次第であります。概略そういうふうになっております。
  5. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは、ただいまの御説明を補足しまして完全にするために、大蔵省からは、今のような御趣旨を中心にしまして資料として本委員会提出されんことをお願いを申し上げたいと思います。  次にただいまの御説明につきまして、会計検査院の方におきましても、国の財産あり方として、かねて検査はしておられるものと思いますので、これまた広汎に詳細にわたっては要りませんから、要点だけを簡潔に御説明を願いたいと思います。
  6. 保岡豊

    保岡会計検査院説明員 ただいま大蔵省の方から御説明になりましたような資料を私の方ではいただきまして、その資料に基きまして検査いたしておる次第でございます。まず処分をいたしましたもの、決算いたしましたものから始めまして、検査いたします。また処分しない、管理している状態のものでも検査いたします。それにおきまして、土地でありますれば、貸す契約もしないのに不法に入っておるというようなことも調べておりますし、台帳にはあるけれどもちっとも見ていない、実際にそれを確認していないというようなものもあります。そういうものを、全部はできませんけれども、おもなものについてできるだけ時間の許す限りやっておるということであります。大体そういう処分管理の面をおもにやっておりまして、私の方の検査の結果、集計的なもの、全体的なものは私の力でまとめるということはちょっとむずかしいので、台帳なんかから出していただくために、資料といたしましては大蔵省資料を元にして、その上で検査をする。また台帳に載っかっていないものでも、検査のときに見つかったものは、まだ引き継いでいないものでも台帳に上げるべきではないか、こういうことでまた台帳に上げていただくことにしております。元の資料といたしましては大蔵省資料を元にして検査しておる状態でございます。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は今の中身を御説明願いたいと思う。そういう理由はもういいのであります。それで今あなたの方として呉とか横須賀とか佐世保とかをおあげになりましたが、こういうことにつきまして、管財局長資料が手元にありませんのではっきりしたことをお述べができないのでありますから、これを補足する意味においてあなたの方で述べていただきたい、こういうことを尋ねたいわけであります。
  8. 保岡豊

    保岡会計検査院説明員 その内容につきましては、今私その記憶もありませんし、資料も持っておりませんので、管財局長より余分にはちょっと申し上げかねるのであります。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 通産省はどなたが見えていますか。
  10. 上林與市郎

    上林委員長 鉱山局長が出席しております。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 鉱山局長なら燃料関係だけにとどまりますので、全体が把握できないようでありますが、やむを得ません。  それでは鉱山局長に伺いますが、たとえば新聞紙等によって伝えられるところによりますと、四日市燃料廠跡処理問題、あるいは徳山燃料廠跡処理問題等につきましては、たとえば池田通産大臣がやめるときにはある方針が示されてやめられる、次に出た大臣になるとまた方針が変る、こういうふうなことも新聞紙で伝わっておったのでありますが、一体燃料廠跡処理というようなことにつきましては、これはやはり国の財産処理でありまするから、究極は大蔵大臣であろうと思うのでありますが、通産大臣が事実上実権を持っておるような感を社会に対し国民に対して与えておるのでありまして、ただ大蔵省は帳面を持っておるだけであるのではないか、こういうふうな印象すら与えておるのでございます。そこで聞きたい点は、通産省といたしましては、通産行政見地からこれらの利用等についてもいろいろお考えになっておるのだろうと思うのでありますが、たとえば四日市に限定いたしますと、まず四日市燃料廠跡利用問題につきまして、あなたの方は適当な案を作って大蔵省と協議するということにでもなるのであろうか。あるいは業界からの要望等もあって、大蔵省にかかわらず別個の個所で別個団体等によって案が作られるということであるのか。あるいは諮問機関というようなものでも設けておるのかどうか。旧軍港市転換法ですか、こういうものについてはこれは適用されないかもしれませんが、とにかく社会通産省が引き回しておるような感をどうしても与えておりますから、四日市燃料廠跡鉱山局通産行政上どういうふうに利用せんとしておるのか、どこでこれをきめるのか、この辺につきまして一つ説明を願いたいと思います。
  12. 川上為治

    川上政府委員 最終的な決定はやはり大蔵省においてきめることでありますが、通産省としては、燃料政策あるいは産業政策、そういう全体の考え方から通産省としての意見を立てまして、そうして大蔵省相談をいたしまして、最後的には大蔵省の方で払い下げをするということになっておりますから、別に通産省が勝手にこれをきめるわけではないわけでございます。その点御了承願いたいと思うのであります。  四日市の問題につきましても、通産省の案というのが大体できておりますけれども、この案につきましては十分大蔵省にも相談をいたしまして、最後的には先ほど申し上げましたように大蔵省の力で決定をし、払い下げをすることになると思うのであります。もちろんその間におきまして、政府部内におきまして、あるいは閣議なりその他の面におきましていろいろ検討されまして、最後的な決定がなされるものと考えております。先ほど申し上げましたように、通産省としましては、通産省自体としていろいろ検討をいたしまして、燃料政策あるいは産業政策上のいろいろの見地から案を作りまして、大蔵省相談をすることにいたすわけであります。  それから現在通産省に何か諮問機関というようなものがあるかというお話でありますが、二、三年前にやはり四日市の問題でいろいろこれを相談するために諮問機関を作りまして、そうしてその諮問機関に対しましていろいろ相談したことがありますが、その後その諮問機関はなくなりまして、現在のところば別に諮問機関を作っておりません。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私ども考えるところによりますと、これはやはり重要な国有財産でありますから、大蔵省がこれを使用しあるいは処分する案を立てて、それぞれ通産省なり厚生省なりと相談するというのがものの順序ではなかろうか。頭から通産省で何か委員会を作ったり諮問機関をかって作っておったというようなことは、むしろ行政機構の運用から見たら逆のことになるのじゃないだろうか、こう思うのであります。なるほどそれは重要な通産行政上、燃料行政上の対象物件としてお考えになっている場合には、当然そうかもしれません。しかし何も現にあそこで燃料をどうしているわけでもなんでもないのです。だからこれを抜いて言えば、建前としては大蔵省管財局考えるべきでないだろうか。大蔵省管財局は、ほかから言ってきた場合に、それならそれをどうしようというふうにお考えになって、万事受動的なんたが、もっと能動的に、自己の管理しておる財産を何に利用するかということで、積極的に今後は通産省に働きかけるというような、そういうことが事の順序じゃないだろうふ。ここに私は一つの欠陥があるのじゃないか、こう思うのであります。その点については管財局長はどうお考えになりましょうか。
  14. 窪谷直光

    窪谷政府委員 大蔵省といたしましては、もちろんこういうふうな国有財産処分決定につきましては、最終的に決定の職責を持っておることは当然でございますが、こういうふうな大きな施設になりまして、通帳行政の基本に関係をいたすような問題につきましては、十分に通産当局意見を尊重しました上で処理をすることが適当であろうということから、やや外部からごらんになりますと、受け身のような感じをお受けになるのかと存ずるのでありますが、それ以外の施設等につきましては、場合によりましては大蔵省の方から、積極的に大蔵省としてはこういうふうにするのが適当だと思うがどうだろうかというふうな相談をかけることもあるのでございます。これは事柄が通産行政に非常に重要に、密接に関係しておるかどうかというふうなことから、その辺の両省の間の扱い方が必ずしも画一的ではないというふうな実情であるのでございます。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 旧軍用国有財産の問題につきましては、これはずいぶんと考え方によりましても、また財産利用対象として見ましても、評価の点から見ましても、まことに市大対象としてわれわれは考えておるのでございまするが、これは大蔵省所管事項会計検査院報告もございまするし、また処分されました旧軍用地についても、すでに他の資料もきておりまするので、私はこの点は保留いたしまして、別の機会質疑をすることにいたしたいと存じます。  ただこの機会に、私は質疑でなくて一言意見を述べさせていただきたいと思うのでありますが、大蔵省管財局管理なさる国有財産というものは、これは非常に重大なものでございます。とりわけ旧軍用財産は、最も重視すべきものでございまするし、特におもな不動産とか施設転用とか売却貸付等管理に関する問題につきましては、これはなお今日十分に手を入れて、あるいは議論を尽して検討しなければならぬ問題も幾多残されておると私どもは思うのでございます。四日市燃料廠のごときも、これは古い貨幣価値にいたしましても、当時二億数千万円かけて建設したということは、われわれ何年も前から聞いておるのでございます。こういうようなものが戦災を受けまして、多く破砕されておるとは言いながらも、しかしながらこういう膨大な財産転活用問題ということになりますと、これはあるいは管財局一局だけでは、とても背負い切れぬほどの問題があるのではないかとさえ感じているのでございます。そういうわけでございますので、数年来四日市燃料廠跡利用問題もいろいろと世上議論があり、また問題を起しておりましたごとくに、私どもば今後この重要な財産管理の完璧を期するということは、国有財産を国が管理する上におきまして特に重視したい、こう思うのであります。国有財産増減等についての審議を、きょうは終る御予定に理事会ではなっておりますので、この機会に私はぜひとも、こういうような重要な財産につきましては、あるいは行政機構を充実し、あるいは足らざるところあればこれを完備し、その他いろいろと適切な方法をとりまして、要するところ、これらの重要な財産の国の管理の適切を期するという、そういう方向に向って遺憾ない措置をとってもらわねばならぬ、こう思うので、この機会に一言発言させていただいた次第でございます。
  16. 山中貞則

    山中委員 ただいまの吉田委員要望に対しまして、私は全面的に同感の意を表明する次第でございます。今日までのわれわれが昭和二十八年度決算審議の過程において、国有財産処理あるいは管理利用等考え方あるいは方式等について、いろいろ遺憾の点あるいは妥当ならざる点等を指摘いたしましたのも、要は吉田委員発言のような立場に立ってでございます。従ってここに昭和二十八年度国有財産決算審議を終るに当りまして、ただいまの吉田委員の御発言のごとく、できますならばわれわれ全員の意思をもって、その主管省あるいは政府が、国有財産管理利用処分等については、最も良心的に、かつ細心なる努力を払われますように、この際厳重に要望いたしたいと存じます。従って委員長においては、私のこの動議に対する各委員賛成を得られましたならば、委員長が本会議において報告されます際に、決算委員会の本問題に対する考え方を、はっきりと国民の前に明らかにされまして、それによって、政府が正しいあり方において今後運営されますようお願いいたす次第でございます。
  17. 上林與市郎

    上林委員長 それでは、ただいまの古田委員の御意見、それに山中委員の御発言趣旨を本会議における委員長報告に盛って御報告することに、御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 上林與市郎

    上林委員長 それでは、さよう取り計らうことに決しました。
  19. 山田長司

    山田委員 念のため管財局資料提出を要請したいと思います。先ほど吉田委員資料提出方を依頼したようですが、さらに私からもお願い申し上げたいと思います。主たる国有財産の旧軍関係不動産及び施設転用あるいは貸付売却、これの総括目録を、一つ委員会提出されんことを望むわけです。どうぞお願いします。
  20. 上林與市郎

    上林委員長 今の資料の要求をお願いします。  以上で右両件に対する質疑は終了いたしました。  これより討論に入る順序でございますが、先ほどの理事会の申し合せにより、討論はこれを省略することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認め、討論は省略いたします。  これより昭和二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書昭和二十八年度国有財産無償貸付状況計算書の両件を一括して採決いたします。両件はいずれも是認すべきものと議決するに賛成の諸君の起立を願います。   〔総員起立
  22. 上林與市郎

    上林委員長 起立総員。よって両件は全会一致をもっていずれも是認すべきものと決しました。  なお右案件についての委員会報告書の作成につきましては、先例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会