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細迫委員 アジア局長にちょっとお願いしますが、あしたでもよいから御調査を願うような結果になりはしないかと思うので、きょうちょっと一言申しておきます。それは沖繩の漁民が的確に
台湾のジャンクと思われるものの乗員に二人殺されて四人拉致せられておるのでありますが、それは第三清徳丸の問題であります。これは事態を
説明するかわりにこの琉球
政府立法院が一九五五年三月五日に決議しておる決議がありますから、ちょっと
説明がわりにこの決議を読みます。
質問の要点は
台湾政府なるものが
日本国民の安全についてそう誠実に関心を持っておってくれればいいのだが、それにいささか疑いがありはしないかという疑問を持ちながらの
質問なのです。それでは
考えなければならぬではないかということに
関係するわけなのです。「第三清徳丸射殺事件の調査要望決議」「一九五五年三月五日琉球
政府立法院」あて先は「国際連合、国際人権連盟、
日本国政府、琉球列島米
国民政長官、同副長官」となっております。「去る三月二日午後二時ごろ、琉球列島魚釣島付近東経百二十三度十三分北緯二十五度四十八分の地点で、沖繩佐敷村馬天区四班当間政庸所有の漁船第三清徳丸(十五トン)が、青天白日旗(
中華民国政府国旗)を掲げたジャンク船二隻に襲われて、乗組員九人のうち二人が射殺され、四人が行方不明になったという事件について、危難を冒して帰還を全うし得た三人の乗組員(氏名略)等の談話として伝えられるところを総合してみるに、本事件が単なる海賊行為であるかあるいは国府軍の所為であるのかその真相を明らかにすることは困難のようである。もちろん
アメリカ民
政府並びに行政当局においても、いち早くこれが究明に乗り出され、近くその真相発表もなされることと思われるのではあるが、本件が琉球の領海内で敢行された点と、琉球住民の生命、身体、
財産に加えられた重大なる侵害であることにかんがみ、これを放任しておくわけにはいかない。われわれはことに行方不明になった三人の同胞がすみやかに救助されるとともに、わが領海内における航海の安全が確保され、住民の不安が取り除かれることを念願するものである。琉球
政府立法院はこの事件の真相の正確なる調査と、行方不明になった第三清徳丸乗組員の救助を決議をもって要望いたします。」これが大体事件の内容であります。言うまでもなく琉球人民は国籍
日本にあり、そうしてそれに対する行政権などは
アメリカに移っておりますが、琉球人民の生命安全を保護する責任なり、
権利なりは当然
日本政府にも私はあると思うのであります。この事件について何らか
政府に報告が入っておるか、これに対して何らか処置をとられたか、いまだしでありますならば御調査の上御報告が願いたい、こう思うのです。