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松本(七)
委員 外務大臣の多年の経験をこういうときに十分生かしていただくことはけっこうですから、私
どもそれを
期待いたすわけなんですが、ただ経験だけではないかぬ。今日、御
承知のように
ソビエトと
日本は戦争をやって、そして戦争状態が続いておるのです。それを
鳩山総理大臣は早くやめた方がよろしいという大きな観点から、ああいう
日ソの
交渉ということを打ち出された。それに対して
ソビエトの方でも、そうだ、自分の方も
一つ平和確立に努力しよう、こういう態度に出てきたのですから、当然これは常識からいってもほんとうに
誠意を
向うに示すためには
向うの希望するところで、
モスクワがいいというなら手みやげでも持って
モスクワに出かける、
東京がいいというなら万端整えてお待ちするからどうぞおいで下さい、こういう態度に出るのが私は
誠意の披瀝になるのではないかと思うわけです。しかしこれは今詳しく経過その他を申し上げる時間もございませんから申し上げませんけれ
ども、そういう点から私は
総理大臣のお
考えをお伺いしたかったわけであります。しかしこれは
考え方の違いとしてこれ以上追及するのは、今後の
交渉にも差しさわりがあるでありましょうから多くは申し上げません。ただ私は
総理大臣に
一つぜひ具体的な問題としてお伺いしておきたいのは、実は二月の九日に
——たしか九日だったと思います。九日ごろの
ソビエト同盟最高
会議におきまして、
ソビエト同盟最高
会議は列国の国会間の
関係を樹立して国
会議員を交換することは有意義である、それは友好
関係と
協力の発展に役立つものである、こういうディクラレーション、宣言を発しておるのであります。これに基いて現に今インドと
ソビエトとの間に国
会議員の交換についての
話し合いが進められておるわけでございます。そこで私
どもも今日
日本はこういう友好
関係、講和
条約でも結ぼう、日
ソ交渉が始まろうという大事なときですから、そういうことを円満に
促進する意味からでも、これは
国民のあらゆる面における交流、友好
関係の
促進の努力をすべきではなかろうか。ただスポーツその他文化
関係でやることもけっこうでございましょう。この前は学術
会議の
代表団もすでに行った。これは非常にいいことでございますが、こういうときですから、せっかく
ソビエトの最高
会議でそういう適切な決議をしておるのですから、
日本の国
会議員も
一つ代表を派遣したらどうだろうか、そういうことを実はこの前の外務
委員会の
理事会で私は御提案申し上げたわけでございます。これは
政府が直接
関係あることじゃございませんけれ
ども、まだその結論は
——自由党の方は総務会でこれは反対にきまったそうでございますが、その
理由はまだよく伺っておりませんけれ
ども、おそらく民主党それからその他の政党は、反対どころではない、賛成するだろうと思います。そうなれば国会の
意思として交換することにきまるだろうと思いますが、そういう場合、せっかく国会で何らかの決議をした、ところが
政府はいろいろなことでもって十分な
協力が得られないというようなことになりますると、
日本の国会の権威ばかりではなく、
日本全体の信用にもかかわるような事態が起るわけであります。現に外国では、
日本では何か国会できめてそれがいろいろな都合で実現できないというようなことがあまりに多過ぎる、こういうことをよく言われるのですが、これは
国内の問題でも私は同じだろうと思う。何か決議をやったが
政府の都合でさっぱり実行できない。議員は議員でいろいろな
——あるいは選挙中に政党が公約を出し過ぎる、この跡始末に困るというようなことは、よほどこれから
考えなければならぬ。ましてやこれが外国に対する場合にはよほど慎重に
考えていかなければならぬことだと思います。従いまして私
どもはこの問題を今後具体的に推し進めていくにつきましても、やはりそういうことに対して国
会議員の
鳩山総理大臣、また
総理としての
鳩山さんがそういうことは非常にけっこうだと思われるかどうか、またけっこうだと思われるならば、そういうことがいよいよ実現する場合に、この国会の
代表が
ソビエトに行く方はまだといたしまして、今度は
向うから議員団がこちらに来るということになりますから、そういう場合にはいろいろな公式の手続その他万事について、公式、非公式にできるだけの御
協力を
お願いしたいと思うのでございますが、それはできますかどうか、この際にお伺いしておきたいと思います。