○高岡
委員 いろいろ話が出ておるので重複をいたしますから、ほんの要点だけ
一つお聞きします。
先ほどからアジア・アフリカ
会議には平和五原則が議題になるということでありますが、一応皆さん
お尋ねなっておりますが、これはコロンボ・グループでアジア
会議の議題をきめるということから、そういう推測が行われておるのでありましょうけれ
ども、必ずしも平和五原則が議題に上るとも
考えられないかと思うのであります。
先ほど外務大臣は平和五原則は非常に言葉がりっぱで云々とおっしゃったのでありますが、この平和五原則はネール氏がガンジーの思想を受け継いでおるということも御存じでありましょうし、またネール氏その者の人となりも研究なさっておりましょうし、また周恩来と
会談をしました当時の、いろいろの発表の言葉も一応研究なさっていらっしゃいましょうし、いろいろなことで平和五原則についての私の
考え方を今ここに述べようとは思いません。いたずらに時間がかかりますからそれは省略いたしますけれ
ども、
日本として、このアジア・アフリカ
会議に提案する何か議題をお持ちであるのかどうか、もしもおありとすれば、少くとも今日の国の機構上、国会、少くとも外務
委員会にその議題を明示されます御
意思があるのかどうか、そういう
機会がありますれば、その際そういった問題について少くとも外務
委員会において、十分審議すべきものだ、かように
考えております。
なお時間がございませんので、続けてみな
お尋ねする要点だけを申し上げます。この
会議には
会議そのものと同時にとでもいいましょうか。俗に言う別な休憩時間とでもいいましょうか、ベランダでトウいすに寄りかかっておるときのような、そういうときに、私は賠償問題は十分ここで
話し合いができるのではないかと
考えるのであります。しかもその賠償問題につきましては、私は多少見解を異にするのでありますが、これは初めから額をきめてかかるということは、
外交上
外務大臣はその道の練達堪能な人でありますから大丈夫でございましょうが、額を先にきめるということは下の下策であって、
向うのまず言い分を聞くとでもいいましょうか、そういうことのアウトラインを十分につかんだ上で、それを
日本がやることにおいて、
日本がみずからそこに計算すべきものでありまして、たとえていえば、
向うで土地改良を必要とする場合には、
向うのいわゆる計算でやるべきか、またこれを
日本が受け取ったような格好で
日本がするかということにおいて、ここに非常に金額の上において相違が出てくる。そういう面でいろいろと数字的には相違が出るのでありますから、その点初めから金額で
交渉するということは、最も下策ではないかという感じがするのであります。
しかももう
一つ会議の中に
考えなくてはいけないことは、これは全然別個の問題でございますけれ
ども、御
承知のように、日印
平和条約が結ばれましたが、これには在インドの資産の
返還があります。この
返還の金額は、私の聞いておりますところでは、約九十億円あるという話でありますが、このうちの二割の二十億円程度は、ネールさんの
希望で、これを
日本とインドとの文化親善のために使いたい。一口に申し上げますれば、
日本において使うべき約十億近い金額の中で、日印会館というようなものを作って、そこでインドの研修生その他のいろいろのあっせんをする、ないしは
日本が
向うでいろいろな施設を作りたいというようなことを聞いておるのでありますけれ
ども、これらの問題から
考えまして、私は今後こういう諸国に対して文化使節のようなものを派遣するとか、文化協定のようなものを作りまして、実際
日本がアジアに重点を置いているということを形の上で示すのは、このアジア・アフリカ
会議がその最もいい
機会だ、かように
考えているのであります。イギリスにおいては御
承知のようにブリティッシュ・カウンシルのような大規模な行き方で行っておりますし、また
アメリカはアジアに対してFOAその他いろいろのことで力を入れております。今日
日本としてはただ単に口先だけのような感じがしますが、これらについての外相の御
意見を
一つお示しいただきたい。