○木村(文)
委員 ただいま受田さんから引揚げ集団住宅の問題につきましては十分御
質疑があり、また
政府当局からも、ことに
政務次官からほんとうに誠心を込めての御答弁がございまして、私了承するにやぶさかではございません。しかしながら、念のために二、三、いわばだめを押しておきたいと思うのであります。
先ほど大村
説明員から御
説明がございましたが、北海道だけことしやったということについては、私も先ほどの
質問者同様不満でございます。それは、予算は一兆円のワク内における操作でありまするので、
政府の大
方針を曲げるということは私は忍びがたいところもあると思いますので、了承はいたしますが、もしかりに北海道が寒冷地帯であるということによって北海道の住宅をやったとするならば、私は青森県でありますが、また青森県のみならず、雪国は一連の関連性を持つものだと
考えます。従いまして、この理由は、またある程度同じものではないかと
考えます。また、そうでなく、北海道は特異な災害だとか、あるいは無理して北海道にやったとか、収容させたとかいうような理由があるとすれば、これまた各県ともいろいろの無理なりあるいはつらい収容の仕方をしただろうと
考えます。従いまして腐朽度の問題は腐朽度の問題だと思う。御
承知の
通りこの集団収容施設はおおむね兵舎を改修したものが多いのであります。私の体験からするならば、実に私は
厚生省を責めたい一人であります。なぜかというと、私自身青森県の団体長でありまして、受託施設をさせられたわけであります。その跡始末のためにどれだけ苦労したかわからぬのであります。こういうことを
考えますと、今その施設がどうなっておるかというと、先ごろも行って見て参りましたが、実にみじめさを
通り越したもので、先ほどの
中山先生その他の
委員の方々からじゅんじゅんと申し上げた
通りでございます。従って、大蔵省当局に、特に
質問よりもその決意なり
方針を新たにしてもらいたいという見地から申し上げる。というのは、いろいろの施策があるでありましょうが、大方金の使い方の面において犠牲になっているのは社会保障政策の面で、これが大てい投げられるおそれが多い。これは中央
政府だけじゃない。地方においてもそれが見られるところです。そこで私は強調したいのでありますが、私、与党としてこういったことを申し上げるのは、
あとで
委員長にしかられるかもしれませんけれ
ども、私は、社会事業に二十余年間身を挺した者として、切々の訴えをしたい。それで、農林水産
委員会から、重要な愛知用水の問題がかかっておるにもかかわらず、実は出て参ったようなわけでございます。その点の決意を新たにできるかどうかということは、これはもう論じなくても尽きていると私は思いますが、
政務次官も割合に長く在職していますから、相当やれると私は思う。ですから、あなた方は特に決意せられて、その決意のほどをここに表明してもらいたい。大村
説明員は、長い間、この社会保障制度のために、おそらく大蔵省内においてもずいぶんつらい目にあわされているだろうと思う。ことにまた
課長でもないし、つらい
立場に置かれていて御同情申し上げるところであります。しかしながら、その役目を通して職を賭して戦うだけの決意があれば、道おのずから開けるかもしれません。その決意ありやいなやを両氏に私はお尋ね申し上げたい。
それからもう
一つ、住宅
課長は主管
課長でありますから、この住宅問題はあなたに実に大きな
責任があると思う。かつて、私は、今ここへ
速記録を持ってきていませんけれ
ども、たしか昨年の十二月の二、三日から十二日までの間において、この
委員会で
質問をいたしたはずでありますが、根本的にこの佳名の
方針を改めなければならぬと私は
主張して、そのことは援護局長にも私は十分申し上げた。申し上げたが、その結果が現われない。ですから、私は、その点についてあなたがどういう決心を持っているか、お尋ねしたいのであります。
それは、建設省が今所管事項として住宅の問題について大きな力を持っているやに私は見られてならない。かつて、私
ども役人時代は、これは別にその系統だから私は
厚生省につくわけじゃないのですけれ
ども、
厚生省の社会局がこれを担当しておった。昔と今とは違うといえばそれまでの話でありますけれ
ども、社会政策の一端であるその住宅、しかも今日終戦後すでに十年、この間
引揚者が帰って参りまして住宅難に襲われている今日、これ以上の大きな社会政策というものはないと思う。かつてそういう時代でないときでさえも、
厚生省がこれを担当しておった。ましてその社会保障政策的な面がさらに増大された今日において、
厚生省が弱腰になって住宅政策に当っておるとすれば、私はまことに遺憾でありますから、その点の
調整をどういう工合に両省がやっているかということ、そしてどれだけの
主張を
厚生省がこの住宅政策の七においてしているかという、
一つの例でもいいからあげて、その実績を示していただきたいと思います。
第四点は、この収容施設の補修の問題について、これは
政務次官初め各
関係政府委員、
説明員の方々にお尋ねしたいのでありますが、私は、この住宅のことが心配になりましたので、農林水産
委員会においてもこのことは申し上げました。台風十五号によってわれわれの調べたところによりますと、北海道だけにおいて風倒木が約五千万石に上っておるのであります。これを処理するにまことに苦慮しているのでありますし、またその実績は遅々として今上らない。そこで私は、農林水産
委員会においてこういうことを林政部長に
質問した。この風倒木五千万石の処理は何年間にできるのかという
質問に対して、林政部長が、三年でやってお目にかけます。そこで私は重ねて
質問いたしまして、三年間でできると思うか、私はできないと思う。その間におそらく腐るだろうということを申し上げた。そこで、その一端として、この住宅難に襲われている今日、収容施設のごときはまさに腐朽して、雨が漏るのじゃない、降っているというような先ほどの言葉の
通りでございますので、これに
政府が、横の行政的な連絡をとられて、そして無償で、この施設のために各府県に割り当てて、これを運搬あるいは処置するくらいの経費さえあれば、あの地方公共団体が非常に困っている今日でありますから、無償で配ることによって、きわめて少い補修費でこれが補修できるということを私は
主張いたしまして、その善処方を要望したのでございます。そこで私は、当
委員会におきまして、
政務次官に要望し、そしてその決意を伺いたい。それは、私が農林水産
委員会において
発言いたしましたし、またその言質もありますから、よく林野庁と横の連絡をとられまして、そしてこの補修の目的にかなうような何らかの、風倒木を利用したところの住宅面における
方法を講じていただきたい。その御決意があるかどうか、
一つ伺いたいのが第四点。
最後に、第五点として、先ほどから全国の収容施設の問題が論ぜられておりますが、限られた
政府の予算、しかも、ことしは査定されて、大なたをふるわれて、二億七千万円のものが一億そこそこになった。実に遺憾なことであります。そういうような現状でありますから、これの運営がまたおのずと必要になってくると私は思う。そこで私は、温かいところの方々にはまことにお気の毒でございますが、せめて、そのワク内において、冬に困る——先ほどから同僚
委員の方々が、言をきわめて、雪ざらしになっている人のこれからの越冬のことを説かれたのでありますが、それに対処するために、重点的に、これが腐朽の
状態とそれから気候の面を勘案いたしまして、施策を講ずるような交付の査定の仕方をとっていただけないものかどうかということを、私はお尋ね申し上げたいのであります。
以上であります。