運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-06-28 第22回国会 衆議院 運輸委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十八日(火曜日)     午後二時十二分開議  出席委員    委員長 原 健三郎君    理事 有田 喜一君 理事 臼井 莊一君    理事 木村 俊夫君 理事 青野 武一君    理事 中居英太郎君       上林榮吉君    中嶋 太郎君       濱野 清吾君    堀内 一雄君       伊藤 郷一君    關谷 勝利君       徳安 實藏君    栗原 俊夫君       山口丈太郎君    池田 禎治君       竹谷源太郎君    小山  亮君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 三木 武夫君  出席政府委員         運輸政務次官  河野 金昇君         運輸事務官         (自動車局         長)      眞田  登君         運輸事務官         (自動車局業務         部長)     岡本  悟君  委員外出席者         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 六月二十四日  大森駅西側のガード拡張に関する請願松岡駒  吉君紹介)(第二五四七号)  三尾大島灯台設置に関する請願有田喜一君  紹介)(第二五四八号)  杞柳並びに杞柳製品鉄道等級運賃引下げに関  する請願有田喜一紹介)(第二五四九号)  大糸線全通促進に関する請願原茂紹介)(  第二五五〇号)  甲府、長野間の電化促進に関する請願松平忠  久君紹介)(第二五五一号)  同(原茂紹介)(第二五五二号)  同(小坂善太郎紹介)(第二五五三号)  国鉄川崎駅改築に関する請願野田武夫君紹  介)(第二六〇六号) 同月二十七日  戦傷病者国鉄無賃乗車復活に関する請願(周  東英雄紹介)(第二七二二号)  宮田、原町両駅間等鉄道敷設請願淵上房  太郎紹介)(第二七二三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  自動車損害賠償保障法案内閣提出第八六号)  タクシー料金問題に関する件     —————————————
  2. 原健三郎

    原委員長 これより運輸委員会を開会いたします。  最初に陸運、特に自動車行政に関し調査を進めます。質疑を許します。徳安實藏君。
  3. 徳安實藏

    徳安委員 ハイヤータクシーのことに対して運輸大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、かってトヨペット、プリンスの料金値下げ問題に対しまして、いろいろ質疑が行われたときに、この程度の値下げならば妥当だ、こういう御見解でありました。さらにまたこれと均衡を保つために、他の業者から申請のある場合には、やはり均衡を維持するためにも、これを許可する方針だということも明らかにされたのであります。これはまさに当然のことだと思います。しかるにその後の経過を見ますると、まことに不愉快な、実力行使というようなことも行われ、それに対して法をかたく守れという世論も起きて参りました。これに対しまして運輸大臣がいろいろと処置をされたことについても、私どももこれを了承いたしておるのでありますが、しかし依然としてこの調整について明朗になっていないように考えますので、その後の経過一つ運輸大臣から御説明をいただきたいと思います。もしじんぜんこのままで放任されておりますならば、あるいはまた再びああした醜い実力行使が起らないとも限らないと思います。かようなことは健全な業界発達のためにも決して好ましいことではありません。うわさによりますと、運輸大臣はずいぶん努力されておりますが、相手方が豪の者で、ときどき背負い投げを食わしたり、背信を行なって、約束したことも実行しないというようなことから、非常に運輸大臣も御苦労なさっておるというように聞いております。私どもも決して一方にこう、一方にこうというような、そういう考え方で申しておるのではありません。業界の健全な発達をこいねがう反面において、こうした行政事務ができるだけスムーズに、摩擦なく行われることを期待するがゆえに申し上げるのであります。こうした点について、その後の経過並びに見通しを一応運輸大臣から承わりたいと思います。
  4. 三木武夫

    三木国務大臣 ハイヤータクシーダンピング事件で、非常に御迷惑をかけて恐縮に考えておるのでございますが、現在トヨペットの新車を八十円に値上げをするということで、業者はちょうどよく意見が一致してこれでおさまるわけであります。またいろいろな営業成績から見ましても、現在のところではそれが妥当であるということが常識的な判断でございます。それで先般国産乗用車協会東京乗用自動車協会自動車運営会、これが主たる団体でございます。この代表者運輸省大臣室においで願って、そのときには松原あるいは永山両議員もお立ち会いを願いまして、至急申請書を出す。徳安さん御承知のように、運輸大臣がこうせよという権限を持っていないものですから、申請を待たなければならぬ、そういう点で至急に出すということでございましたが、あまりにもおくれておるので、昨日私は督促をしたわけであります。これでみなが、協会がおさまるというのに、どうも約束の日にちと違うのではないかと督促をいたしましたところ、国産自動車協会は昨夜決定をいたしました。東京乗用車協会自動車運営会——正式の名前東京旅客自動車運営会は、午後一時から三時までの間にきめて、直ちに申請をするということでございますから、きょう中に問題は片づくと思って——これは見通しの問題で、どういう変化が起るかもしれませんが、大体きょう中に片づくということでございますので、この問題は解決するものと思います。運輸大臣微力のために長い間御迷惑をかけて恐縮に考えております。
  5. 徳安實藏

    徳安委員 大臣も、大臣になられたうれしさの余りだったでしょう。七十円に下げられたということは一大失策だったと思うのです。他の均衡を見ずにこれだけを−暫定というのであったのでありますから、多く責めることはないと思いますけれども、少くとも他に影響を及ぼすものなら、全部の均衡を保つような料金決定せられて、それが非常に大きな影響を他に及ぼすようであるならば、御再考なさるべきであったと思いますのに、第一回の認可をされたということはあやまちであったと思いますが、しかしそれをすでに実質上認められて、これを八十円にして均衡を保たして、業会の健全な発達をこいねがおうという努力を払われたことに対しては、私どもはさすがに三木運輸大臣は偉いと考えておるのであります。しかるにそれが一月たっても二月たっても——世間では三木運輸大臣は実に勇猛果敢、ぱちぱち仕事をされる人だと考えておったし、またそう見ておったが、この問題に限って何べんだまされても、どうも腹も立たぬのか、大臣としてはそんなに短気を起してはいかぬと思って胸を押えてあるのかもしれませんが、とにかく隠忍自重しておられる結果、運輸省運輸大臣というものの権威と申しますか、秩序維持の上において、非常に遺憾な点が生ずるのではなかろうか、これを周囲の者が非常に憂えておるようであります。そこでもしこういう問題が妥当公正に解決せられませんならば、法の盲点があるのですが、この法の盲点は、おそらくは三木運輸大臣責任ではありません。ですからこの盲点を一挙に解決して、この法の力で、もうどうしても言うことをきかないばか者には、どうしてもこの法で向わなくちゃならないと私ども考えておるのでありますが、それに対しても運輸省の方では、いまだこれを提案されるようなお気持もなさそうに見受けるのでありますが、こういう問題はきょう限りではないと思います。先ほどお話のように、申請主義であって、値上げせよというようなことはこっちは言えないのだと、しかしほんとうに正しい行政、正しい賃率を定める上においては、でこぼこを調整される場合もありましょうし、あるいはむちゃなものを安くしろと言われる場合もありましょうし、間違って、あやまちのために下げたものは時によれば値上げしなければ調整のとれないものもあると思います。そういう場合に運輸省は手をあげてどうにもしようがないのだという今の法ではいけないのですが、そういう点に対して断固たる決意運輸大臣お持ちでございましょうか、あるいは運輸省みずからこの盲点を直すための法案をお出しになる考えがあるか、この問題は別として一つ御所信を伺いたいと思います。
  6. 三木武夫

    三木国務大臣 徳安さんの御指摘のように、私と業者の間で約束したことがだいぶ時間が延びておって、運輸大臣権威と申しますか、そういう点にはどうも非常に遺憾な点が多いのでございますが、私はできればこういう問題は業者の自主的な解決をやりたい、これはあまり法律の上において強制するよりも、自主的にできればいいという、これは私の人間性としての人のよさがあるかもしれませんが、そういうふうに考えておったのでございます。しかしおのずからそれには限度があるわけでございまして、この問題が円満に今明日のうちに片づくことになっておりますから、これはけっこうなことでございますが、将来の問題としては徳安さんの御指摘のような、そういう必要もあろかと思っておりますが、もう会期わずかに数日でございますから、今国会には政府の提案の法律案としてこういうのを出すのも……(「一ヵ月延長しますよ」と呼ぶ者あり)これはまだきまっておりませんから、そういうことで、今のところはこれは政府の案としては考えていないのでございます。確かに御指摘のようなこともこれは検討しなければならぬかと、こう考えております。
  7. 徳安實藏

    徳安委員 ただいま大臣からお話のように、きょうあるいは明日に解決いたせば、まことにけっこうだと思います。しかし過去のいきさつから考えますと、どうひねくれ、どう変ってこないとも限らないと私は思う。ですから、もしきょう明日にでも何らかそれがごたごたして豹変するようなことがありましたら、法の盲点をただすような法律の一ヵ条ぐらいは、みんなが考えればわけのないことです。運輸大臣がこうしたいと思っても全然手がつけられないような今の行き方は、ほんとうに私ども考えつかなかった。こういう問題にぶつかって初めてこれは悪かった、なぜこんな盲点を見のがしておったかということを考える次第でありますから、もしこの問題がすぐ片づきそうな形跡でございましても、明日でも政府の方で出されなければ、われわれ議員立法でもけっこうでございますが、一日、二日でもほんの一ヵ条ぐらい入れることは大してことではありませんから早くやって、そういう無謀な、大臣の言うことも聞かなければ、社会常識にも反するような人々は法の力で押えて、そうして調整を保ち、業界の健全なる発達を期待する、こういうことに決意をされるように、もう一ぺん運輸大臣決意を承わりたいと思います。
  8. 三木武夫

    三木国務大臣 この問題は、私は解決を円満にしたいという方針でやっておるものでございます。解決するものと思っておりますが、どうしても解決しないような場合には、当運輸委員会の方々の御協力お願いいたさなければならぬような場合も、もしそういうことがありますれば、よろしくお願いをいたしたい。これは一応の混乱でありますが、おのずから限度があるものですから、じんぜんとただ日を待つというわけにもいきませんから、そういう場合にはどうか当委員会でよろしく御協力を賜わりたいとお願いをいたします。
  9. 徳安實藏

    徳安委員 今大臣限度ということは、私は今日限度に達しておると思いますが、いかがでございましょう。
  10. 三木武夫

    三木国務大臣 これはもう今日片づくと、今もその代表者がやって参りまして、そういうことを私に言ったので、今日中に片づくと思いますので、この問題は、そういう今の御指摘のようなことと切り離して解決ができるのだと思うのでございますが、将来のためにそういうこともこれは検討しなければならぬ。しかしこれが私たち見通しと違って、どうしても解決ができないというような場合には、徳安さんの御指摘のようなことも当然に考えなければならぬ。決して限度をいつまでもいつまでもという限度とは考えておりません。一つその場合にはよろしくお願いをいたします。
  11. 徳安實藏

    徳安委員 では、どうせ長いことはない、明日のことですから、明日まで運輸大臣の手腕と御努力を期待いたしまして、一応私の質問はこれで打ち切ります。
  12. 原健三郎

  13. 池田禎治

    池田(禎)委員 この際運輸大臣に私は別にくどくど申しませんが、従来のあなたの政治的な発言というものは、善意に解されてきておったが、今日われわれは善意にとれなくなった。そこであなたはその期日をこの委員会に明示されなければ、私どもは正直に言うと、信用ならぬということになってくる。そこで公式にできぬというなら、そのできざることをわれわれに納得させる表現がありますかどうか。たとえばこの委員会が妥当なりといってきめたことについて、あなたは、今日この委員会ですみやかな処置をとるということを、どういう形で各委員に納得させるか、それを表明願いたい。
  14. 三木武夫

    三木国務大臣 池田委員は、今徳安さんに対する私のお答えのときにおいでになったかどうか知りませんが、これは三つの大きな団体の中で、一つは昨夜きめたのです。もうあと二つが、一時から三時までにはきめられるということでございますので、きょう私は解決するものと、こう考えておるのでございます。それがもし解決しないで、まただらだらと延びる場合には、これに対して何らかの方法考えなければなりませんので、これは運輸委員会に御報告もいたしましたり、またその御意見も聞きまして、その意見を尊重して処置をとりたい、こういう決意でございます。
  15. 池田禎治

    池田(禎)委員 何らかの形で処置をしなければならぬということは、本委員会がきめたこと、ないし従来大臣が非公式に申されたことを直ちに実行に移すという意思なりと、われわれさようにとってよろしいでしょうか、その辺はいかがですか。
  16. 三木武夫

    三木国務大臣 私は今発言に対して注意をしておりますのは、きょう解決をするということでございますから、できればこういう問題のごときは、業界が自主的にきめる方が好ましいと私は思うのであります。しかしそれがどうしてもできなくて、それがために混乱が起るという場合には、これは何らかやはり運輸大臣権限を持たなければならぬと思うのであります。しかしその権限をいつでも行使するというのではなくして、これは自主的にきめるという建前で、しかしどうしても自主的に解決をできないという場合に、これは権限を持っておらないと、混乱が起った場合になかなか処置ができませんから、そういう点、この問題はきょう解決するでしょうから、これとは切り離して私の方も検討を加えますし、運輸委員会としてもいろいろお考えを願いたい、こう思うのでございます。
  17. 池田禎治

    池田(禎)委員 あなたの話は、どうもいつの場合も柔軟性を持っておるのですが、要するに本日中に解決するものというのは、あなたは確信をもって言い得るのでしょうか、そのことを私はお伺いいたします。
  18. 三木武夫

    三木国務大臣 これはわざわざ運輸省解決をした者が報告に来まして、その残りの二団体も一時から三時までの間には解決するということを、自動車局長のところへ報告がございしたので、これはもう絶対に間違いがないかと言って念を押されますと、これは相手のあることでございますが、代表者が出て参りましてそうやると言うのでありますから、しかもこれはいろいろ動きを見ておりますと、それを決定しようという客観的な空気が起っておるようでございますから、まずこの代表者の言をただいまのところは信頼して解決するもの、こう私は考えておるのでございます。
  19. 池田禎治

    池田(禎)委員 この委員会でこういう問題を取り上げることは実に困ります。しかし事態がここまで紛糾して参りますならば、やはりこの混乱をどういう形において終息させるか。しなければならぬことは起きておる現実の姿でございます。そこで実は今までは大臣のお考えなり方針を、自分にまかしてもらいたいという、そのあなたの相当の期間というものが、今日までたっておるのです。もとよりそれには理由があるでしょう。けれども今日の事態に参りますならば、相手がありますなどとあなたが言うならば、その相手に対してあなたはやはりそれだけの責任をもって解決するという衝に当られなかったことは、公式に申しますならばわれわれとしては責めなければならぬ。そこで片づかなければ、私は運輸大臣権限を持っておる限りにおいては、最善を尽すということを今日あなたに言明をしていただきたい。ただしあなたがそういうような言明をしないで、私としては十分の誠意をもって解決するものなりという自身を持っておる。それならそれで私はけっこうです。何も私ども大臣の言質をとって得々とするものでないです。しかしながら事態があすといい、あさってといって延びたということは、これはやはりどうしても安堵感が出てこない、こういうことなんです。だから本来ならばあなたがここで運輸大臣である三木武夫おまかせを願いたいと言明をされたら、私どもはそれでたくさんだ。少くともそのことはいかがでしょう。
  20. 三木武夫

    三木国務大臣 運輸大臣三木おまかせを願いたい、こう考えます。
  21. 原健三郎

  22. 上林山榮吉

    上林委員 本問題に関連して国会及び当委員会権威のために、委員長質問をいたしたいと存じます。それはどういう点であるかと申しますと、どの団体であったかはっきり記憶をいたしませんが、問題になった団体から、現職の国会議員諸君に対して顧問になってもらいたいという郵便物が届いた。それに対して顧問を承諾した者およそ七十数名であったかと思いますが、こういう事実があったかなかったか。委員長として承知しておるか。もし承知していないとするならば、私はこういう不正な競争が行われた問題に関連して、しかもその団体顧問に就任するということは、それぞれの御意見はあろうと思いますけれども、適切でないと考えますので、この問題をお尋ねいたしたわけでありますが、委員長の率直な答弁を願いたいと思います。
  23. 原健三郎

    原委員長 上林山君にお答えしますが、私はいかなる団体から当委員会委員顧問就任を慫慂せられたか、またどなたが入っておるか、全然知りません。事実調べたこともありません。それで上林山君に調べる参考にお尋ねいたしたいが、いかなる団体からそういう申し込みがあったか、お知りでしたらお教えを願いたいのであります。
  24. 上林山榮吉

    上林委員 その記録は持っておりますが、ここに持ち合せておりません。なおまたその会社に対してどれくらいの人が顧問を承諾したかという電話をかけたのでありますが、七十数名の者がすでに承諾をしておりますという返事でございましたので、委員長が必要でありますならば資料を提供したいと思いますから、一つ厳格に御調査を願いたいと思います。
  25. 原健三郎

    原委員長 あとでその会社名前をお教え願いたいと思います。
  26. 中居英太郎

    中居委員 関連して。先ほど徳安さん、池田さんからの質問に対しまして、大臣から非常に誠意のある答弁がございました。私はこれ以上お伺いするのもどうかと思いますが、ただ大臣の御答弁の中で、今日までの経過から考えまして、ちょっと私一まつの不安を禁ずることができないのであります。と申しますのは、大臣は今明日じゅうに解決の機運にあるのだ、こう申されております。しかしながらこの問題の解決は、その所属団体がこぞって料金申請書提出したときをもって、あるいはまたこれを認可したときをもって解決をした、こういうふうに私ども考えておるわけでありますが、そういう点まで大臣は確約をとられたのですか。今明日じゅうに申請書を出すということ。
  27. 三木武夫

    三木国務大臣 私のところへ参りました代表者はもう一ぺん固めて——それは国産自動車協会壽原という代表者が参りまして、もう固めて一ぺんに出すから、それはきょうにも出すような話でありました。それからほかの人たちもこれは決定をなせばその決定——きょうが最後の総会でありますから、きめれば直ちに出すもので、きめてからまたそれを時間を引き延ばすということは、今までと違ってないと思います。
  28. 中居英太郎

    中居委員 きめるというのはきょうですか。
  29. 三木武夫

    三木国務大臣 きょうです。
  30. 中居英太郎

    中居委員 きょうきめて、今明日じゅうに申請書を出すということですか。
  31. 三木武夫

    三木国務大臣 私はそういうふうに考えております。きめておいて申請書提出はずっとあとである、そういうことは筋道が通らないことでありますので、今明日じゅうに申請書提出されるもの、こう考えております。
  32. 中居英太郎

    中居委員 大体大臣の御答弁で了解ができたようにも考えますが、先ほど池田さんからも徳安さんからも質問があったのでありますけれども、もしもじんぜんなおかつ日を送るような場合には大臣はどうなさるのだ、こういう質問に対しまして、私はそのときには責任をもって、道路運送法の改正というようなことを言外に言われたようでありますが、しかしながら今道路運送法をたとえば国会に出したといたしましても、これが国会を通過いたしまして、大臣権限業務改善命令を行なって、これを強硬に実施さすというまでには、相当日時を要すると思うのであります。従いまして私が大臣に念を押しておきたいことは、もしもこのような最後段階に至りまして、なおかつ向うが申請書提出をおくらせるというような事態になったならば、どういう処置をとるか。大臣が先ほど言われましたような業務改善命令というようなことでは、やはりこの問題は依然として一ヵ月ないし二ヵ月間の日にちを要するのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、大臣最後決意とか断固たる処置とかいう具体的な方法を伺いたいと思うわけであります。
  33. 三木武夫

    三木国務大臣 きょうじゅうに片づくという予定でありますから、私がそういう円満に解決する事態を前にして、いろいろなことを申し上げることは適当でないと思っておるのでございまして、今後またこういう状態が長く続くということの事態に持ち込まないように、責任ある処置をとるということで、一つおまかせを願いたいと思うのであります。
  34. 中居英太郎

    中居委員 これ以上聞くのはどうかと思いますが、この問題は本来ならばすでに四月十九日、運輸省が新料金を認可したときに解決ができた問題だと私は思っております。ところが今日まで実に七十日間も八十日間も解決するようなきざしを見せながらも、じんぜん日を送っておる。こういう過去のいきさつを見まして、今日に至ってまでなおかつ大臣がそのようなまかせてもらいたいとか、あるいはこの期に及んでそういうことまで言いたくないというようなことを言われるのは、大臣はこの問題解決責任を回避しようとしておる気持があるのではないか、こういう疑念さえも持たざるを得ないのです。運輸省が四月十九日に認可いたしました新料金というのは、四月一日の当委員会において委員が全員了承しておる。委員会が了承し、そして運輸省が妥当なりとして認可したものが、七十日間も八十日間も実施できない。こういう過去の経緯を見ます場合に、もっと大臣日時を限りまして、そうしてなおかつ向うが申請書を出さなかったような場合にはこうするのだというようなことを、もっとはっきり言っていい段階ではないか、こう考えておるわけであります。これらの点について重ねてお伺いいたします。
  35. 三木武夫

    三木国務大臣 御指摘のように、確かに問題の解決はもっと早くできる、また向うもそう約束したのであります。ところがこういうように延びてしまったのです。しかしきょう解決するという予定でありますが、これが解決できないで長期にわたり、そうしてまたいろいろ理由を言って延ばすということになりますれば、やはり何らかの処置を講じなければならぬと思っております。責任を回避する意味ではございません。大体これは東京陸運局でやる仕事を、私のところで解決をはかるためにやっておるのでありますから、十分責任を感じてやっておるのでありますが、自動車のいろいろな団体が分れておりまして対立がある、こういうことが問題の解決を非常にむずかしくするのであります。そういう事情も御了察を賜わりたいと思います。しかし今回の場合は、またしばらくお待ちを願いたいというようなことで、当面を糊塗する気持は絶対にないということを御信用願いたいのでございます。
  36. 中居英太郎

    中居委員 大臣のただいまの説明を了承いたしまして、今明日私は静観いたしたいと思いますので、以上で質問を終ります。     —————————————
  37. 原健三郎

    原委員長 次に自動車損害賠償法案を議題といたします。小山亮君。
  38. 小山亮

    ○小山(亮)委員 私は提案になっております自動車損害賠償保障法案について、一、二質問したいと思います。  この法案をお出しになった政府の意図というものは、ただいたずらに自動車業者に、損害を与えた人にその損害を賠償させるということが本旨ではないと思う。この法案を出すことによって、自動車事故をできるだけ少くしようということに一つのねらいがある。もう一つは、政府が提唱するところの一種の社会政策としてこれをやろう、こういう考えでお出しになったのではないかと思うが、運輸大臣の御意見を承わりたい。
  39. 三木武夫

    三木国務大臣 私はこの法律案は、直接事故の防止を目的にした法律案とは言えないと思います。やはり小山委員指摘のように、社会政策的な意味を持った法案であることは間違いないと思うのです。直接これによって事故が防止できるかということになりますと、そういうことをこの立法が目的としたということを申し上げることはできないと思っおります。
  40. 小山亮

    ○小山(亮)委員 そうしますと、政府は現在の自動車のあり方をそのままにしておいて、ただけがをしたとか、あるいはそれによって損害を受けた人だけを保障する、こういう意味でありますか。私はそうではないと思う。こういうことをやることによって、間接に損害を少くしょうというねらいではなかったら、ただけがした人だけを保障するということであっては、全く意味がないと思うのです。この点もう一度伺いたい。
  41. 三木武夫

    三木国務大臣 この立法が直接に事故防止の法律案とは思いませんが、しかし間接には、これは強制保険になっておりますから、事故がなければ保険金の報奨制とか、保険金の支払いに対しても特典があるわけでございますから、事故を起さないことによって特典を得られるという意味において、間接の事故防止ということは考えられると思うのであります。しかしこの法律によって事故が直接に防止されるというよりかは、間接的なものだと私は考えておるのでございます。
  42. 小山亮

    ○小山(亮)委員 この問題をめぐって、反対の議論が非常に起きております。というのは、御承知のように大会社はともかくとして、小さな自動車の経営者が損害賠償の支出をするために、また過重の負担をしなければならぬということが起って参りますが、この点は私は考えられる点だと思うのです。そうでなくてすら、今のように非常に激しい競争をしなければやっていけない状態でありますから、これをやれば自動車業者はさらに圧迫されてくると思う。そういう意味からいって私はほんとうに災害をなくするには、運輸省でもっと積極的な方法がありはしないか、もっとやるべき手をどんどん実行されたらどうかと思うのです。第一に事故の起りますのは、言うまでもなく過度のスピードを出した場合には、必ず事故が起ると見なければならぬ。それから故障の事故を見ますと、非常に泥酔しておるような運転手が操縦をする場合に必ず事故が起る。もう一つは過度に疲労をして判断力がないというような場合に、間々見ますが、電柱にたたきつけて車体がぐしゃぐしゃになっておるようなのがあります。これは夜明けごろにそういう事故が起る、こういうようなことを見まして、私はこういう点について運輸省は何とか手を打つお考えはございませんか。
  43. 三木武夫

    三木国務大臣 現在交通事故が頻発する状態にかんがみまして、内閣に交通事故防止対策本部——これは小山さん御承知のように、スピードの問題になってきたりいたしますと、警視庁が関係したりいろいろ関連性がございますから、内閣に交通事故防止対策本部を設けて、これでいろいろな措置を講じていこうということになっておるわけでございます。この防止対策本部でいろいろな案が出ておるわけでございますが、その中には今申されたようなスピードの問題も取り上げられております。こういうことで都市の交通が今後輻湊してくる状態にかんがみて、その防止対策を、一運輸省のみならず内閣の問題として取り上げて、事故防止の施策を強化していきたいということでございます。
  44. 小山亮

    ○小山(亮)委員 それは急に今考えつかれておやりになるのですか。それを実行されるのはいつですか。
  45. 三木武夫

    三木国務大臣 これは解決のできる問題は着々と実行いたしております。詳細なお答えは自動車局長からいたします。
  46. 小山亮

    ○小山(亮)委員 私の記憶によりますと、運転手が過度に疲労するということは、二十時間勤務というようなことをやれば、だれだって疲労するにきっております。大体人間の勤務時間というものは、労働基準法によってきめられておりますが、そういうような基準法によるところの労働時間というようなものを確立することは、すでに前にお約束になっておいでになるのではないでしょうか。少くとも今年の三月ごろから実行するということになっておるのではないでしょうか。お答え願いたい。
  47. 眞田登

    ○眞田政府委員 基準法関係の適用は、一応適用除外になっておりましたのが、昨年全部について適用になるということになったのでございますが、その実行につきましては、各地区によっていろいろと事情が異なるため、各地区の労働基準局とその地区の事業者たちがいろいろ話し合いまして、それを実行に移すのにどういった方法でやるかということで、相談をしておるわけでありまして、一ぺんにやれなければ、毎年三分の一なら三分の一ずつでも片づけていこう、こういうふうなことで、その相談は相当前から始めております。ただ実際には、たとえば東京地区なんかでは、通勤の関係とか休養施設の関係等で、早急実施しても実際には休養にならないとか何かで、そういった休養施設その他を十分一緒に考えてもらいたい、こういったことでそういう要望が強いようでございます。
  48. 小山亮

    ○小山(亮)委員 そうすると、東京はいつからそういうことを実施になるのですか。
  49. 眞田登

    ○眞田政府委員 実行に入りますのは、十月一日から入っていきたい、全部ではございませんが、部分的に入っていきたい、こういうことごでざいます。
  50. 小山亮

    ○小山(亮)委員 十月一日までにはどんな事故が起きても差しつかえない、見のがしていく、こういうことなんですか。十月一日までにこれがために非常な損害が起った場合には、これは運輸省責任であるということになりますか。できるものはすぐおやりになったらどうなんですか。すでに前におやりにならなければならぬはずなんです。
  51. 眞田登

    ○眞田政府委員 これは責任のがれのようなことを申し上げて申しわけないのですが、実際の労働関係についての直接の監督は、労働省、それから労働基準局でやっておりまして、運輸省は自分の関係の事業についての話のときに立ち会いで参りまして、いろいろと意見を述べる、こういう状態でございまして、決して十月一日までに事故が起ってもいいというような、そういう考え方ではございませんので、実施していくのに、一番事業者にとっても、実際に仕事しておる方にとっても都合のいい方法でやろうということで、相談し合っておるのでございます。
  52. 小山亮

    ○小山(亮)委員 運輸省はこの考え方があるのだが、各省といろいろな関連があって、協議の上やらなければならぬから、なかなかできない、こういうふうに受け取れます。そうすると、反対している省があるのですか。どの省とどの省がこれに反対しておるかということを、明確に示していただきたい。
  53. 眞田登

    ○眞田政府委員 反対している省はございません。実行の問題として実際にやっていくのに、いろいろとやり方の問題として、実施期日がそういうふうに延びているということでございます。
  54. 小山亮

    ○小山(亮)委員 これはだれが反対をしているのですか。
  55. 眞田登

    ○眞田政府委員 すぐ実施しますには、いろいろと今申しましたように、休養施設の問題とか、そういったものについて十分にできていない。そうしますと、実際には勤務をあけて帰ろうと思っても、交通機関がない時間に帰るようなことになっても困りますし、またそこで泊るにしても、休養施設がないと一晩中起きておるというふうな格好になって困る。そういうふうなものについてのいろいろなことを考えましてやるようにということで、事業者の方々と労働基準局の方々との御相談なんでございます。
  56. 原健三郎

    原委員長 大臣がお急ぎのようでありますから、大臣に対する質問を先にやってください。濱野清吾君。
  57. 濱野清吾

    ○濱野委員 非常に簡単ですが、事は重大です。大臣自動車行政はそろそろエキスパートになった時期だと思いますから、お尋ねするのでありますが、過般のタクシーの問題を初め、自動車行政について今日のごとき質疑応答が行われる原因が、一体根本的にはどこにあるかということは、事務当局としても相当御研究になったろうと思うし、また運輸大臣としても考えるところがあったろうと存じます。そこで私は過般の運輸委員会でも申し上げたのでありますが、大臣はそのときにおいでになりませんでしたから、政務次官だけには申し上げておいたのでありますが、日本の輸送行政、特に自動車輸送行政は、確かに法の一部の欠陥もあるけれども、これは法の運用に正鵠を得ていない点が多々ある。ことに今日の混乱は、ひとりタクシー業ばかりではなしに、一般貨物輸送も、あるいは基幹輸送も、その他通運事業における自動車の輸送等においても、確かに輸送秩序を乱す不安が大きく浮び上ってきておる。これを根本的に是正するためにはどういう措置をとったらいいかということを、私どもも研究しておるのですが、帰するところは、この行政の面において道路運送法の適正なる運営を誤まっておったというところに原因があるのではないか。ことに道路運送法の第六条第二項、この点につきまして正鵠を得ていなかった面が非常に多いのではないか。すなわち供給輸送力と輸送需要量とがアンバランスになっておったために、その結果として混乱が出てきておるのではないか。そこでそういう観点に立って私は考えておるのでありますが、今後の自動車の免許とかあるいは増車という問題については、この六条の解釈適用において、十分各陸運局等においては慎重な態度をとるべきでないか。もっと率直に言うならば、東京地区、大阪地区等においては、ねしろしばらくこの点、増車、新設免許というようなことについては、許さぬという方向をとらなければ、輸送秩序の維持などということはから念仏に終るのではないか、こういうふうに実は考えておるわけであります。私が例示したのは東京、大阪等でありまして、他の地区、他の陸運局において一律に申し上げるのではございません。少くとも業者の専門的見地から見ても、役所のすべての書類、統計等を見ましても、これは確かな事実であります。そこでこの混乱を来たさせ、このトラブルを引き起しながら、この委員会まで持ち込んで解決をしなければならぬ今日まで追い詰めて、なお今までのような道路運送法第六条の運営をやっておるとすれば、将来さらに一段と大きな混乱がくるであろうと考えておるわけであります。私は過般観光バスの増車を、東京陸運局では中止しておるような話を聞いております。これは当然に陸運局が道路運送法第六条その他の条章によって、適正なる行政措置をとったことと思って、実は敬意を表しておる。しかしながら一般地場輸送とか、あるいは基幹輸送とか、その他の輸送関係の自動車増車認可等におきましては、そのまま放任しておる。またタクシー等におきましても、その憂いなしとはしない、そういうふうなやり方で、そうして混乱した跡始末のみに熱中することは、いかにも賢明な策ではない。いかにも法治国家として法律の適用を誤まって、愚劣な行政が行われつつ、損耗されておるというようなことを重ねてしておるというような結果になるのでありますが、これは局長において、あるいは大臣もこの程度のことはおわかりでありましょうから、一つ大きな問題で、重大な問題でありますので、はっきりしたお答えをこの委員会で賜わるならば、私は非常に業界においても幸いであると考えておるわけであります。
  58. 三木武夫

    三木国務大臣 今濱野委員指摘のことは第六条二項、免許基準の問題だと思います。これはやはりことに東京、大阪のような地域は、非常な慎重を期さなければならぬ。次々に業者に免許を与えて、そうしてそれがために混乱が起るようなことは非常に慎しまなければならぬことで、特にこういう点は厳重に陸運局の方としまして公正な取扱いをいたすように、十分な注意を払いますことを申し上げたいと思います。
  59. 濱野清吾

    ○濱野委員 ただいまのお答えは免許に関連したことだけでございますが、増車におきましては、局長はその線に沿うて行政措置をとるというお考えでありましょうか、その点についてお伺いいたしたいと存じます。
  60. 眞田登

    ○眞田政府委員 新規免許も、増車につきましても、同じ考え方でやって参りたいと存じております。
  61. 濱野清吾

    ○濱野委員 大体この声明を聞いて、漸次わが国の輸送秩序、ことに自動車事業の輸送秩序は維持できると思います。もし大臣並びに局長の言明ができないならば、これは今の輸送秩序を乱す違法行為につきましては、先般次官並びに局長の御言明のようでありますが、法の適用をして厳重なる取締りを要求いたしますから、あらかじめお含みを願いたいと存じます。
  62. 原健三郎

    原委員長 もう本会議も開かれます。から、本日はこの程度にして、次会は明日一時から開会いたします。  これにて散会いたします。    午後三時二分散会