○若松参考人 ただいまの青野さんの御質問はだいぶ多岐にわたっているようですから、私の頭に記憶していることから順次
お話しします。
飛行館を貸しておりますのは、ただいまおっしゃるように富士銀行、それから大部分は航空関係の人、それからNHK等で、ホールは、あとからまた申し上げますが、中川というのが借りております。それでこれを貸しておることは——大体あそこでは何も事業をやっておらぬという
お話ですが、私
どもとしてはある程度やっておるつもりなんです。それで、それについての資金というものは、政府からいただく補助があるわけじゃなし、結局あそこの貸金の上りでもってやっておるということは事実です。それで、それでもまだ足らぬものですから、これも御承知かと思いますが、
郷古さんが資金を募集して、政府からいずれ予算が許されるときには補助があるだろう、それまでのつなぎということでやっておるわけです。それでただいま申しましたように、貸しておる
ところの施設は大体さようなことです。
それから飛行館ホールの問題ですが、あれは初め協会で何か催しとか、あるいは航空関係の
人たちの何かの会合などに使おうと思ったのです。
ところがそういうふうなことで使うことはごくまれなんです。それで、あれは
相当大きなものですから、あけておくのはまことにもったいないというようなことから、一昨年の春ごろに、ちょうどNHKがスタジオがないから貸してくれという申し込みをしてきて、月四十万円でこれを貸したわけです。
ところが昨年の三月に、NHKはほかに自分のスタジオができたから、これはいらぬといって返してよこした。実はそのときには、われわれ
理事者としては非常に弱ったのです。と申しますのは、適当な借主がないし、困りまして、みんなで手分けしまして八方、それぞれの関係といいますか、そういう方面をやっておる
人たちに話をしてみたのですが、いずれもあそこはきたならしい、それから小さい、帯に短かしたすきに長しというようなことで、適当な借手がないわけです。それでもうしようがないから、一時また閉鎖しようかと思ったことがあるのです。
ところへただいまの借主が貸してくれというようなことで、これは詳しく申しますと、五十万円ということを話しましたが、向うもそれではとてもやれないからというようなことで、現在一カ月四十七万五千円です。
ところがこの人は、自分が借りて、一カ月とかあるいは一週間とかホールを貸すわけですね。そうして日本舞踊その他をやろうということがその男の計画だつた訳です。
ところがその後のデフレのためでしょう。さっぱり——私
ども実は経営にタッチしないことにしたのです。ですけれ
ども、われわれ入口その他で見ていますと、どうも入りが悪いようなんですな。それでも今日までに百七、八十万の金は入っております。
それからもう
一つは、さっきそれをさっぱり督促しないという
お話ですが、これは非常に督促しておるのです。さっきおっしゃったように、現在三百万円たまっておるのです。それでこれはいかぬというので、事務の方のその係の者がやっておりましたけれ
ども、らちがあきませんので、この三月ごろでしたか、私みずから彼の方と折衝をして、払うようにやかましく申しました。しかしそれでもどうも、金がないというようなこと、また事実見ていますと入りが悪い。それから新劇とかなんとかという金の入らぬものでやっておるわけなんです。ですから結局——それでも私が催促しましてから一度、KRに一カ月足らず貸したときに、KRに貸したから金が入ったというので、向うのKRの約手か何かで、三月以後三十二万円持ってきております。ですから、その例から見ましても、督促しておらぬというようなことは絶対にないのです。もううるさいくらい督促しておるわけです。しかしながら三百万円たまつた。向うは払えぬ——向うも今金融方面をあれしたり、適当な借主を探すのに狂奔しておるようです。しかし私はもしこれができなければ、契約解除というような手を打つよりほかないかとも思つております。しかしまたこれができますれば、あるいは家賃をさらに——何かだんだん聞きますと、実際いって四十七万五千円は高いらしいのです。それですから、向うでも昨年十一月ごろ引き下げてくれと言ってきましたけれ
ども、私
どもはやはり家賃で貸したのだから、お前の方の経営でどれだけもうけようとそれは知らぬ、そのかわりまずくて損をしようとそんなことは知らぬ、約束した家賃は払えということで、今日でもやはり四十七万五千円の計算でやっておるわけです。しかしながらだんだん聞きますと、実際に四十七万五千円ではやれないというのは、私
ども方々当ってみますと、一般にそういうことらしいのです。それですから、彼の方でもし適当な、ある程度のまとまった金を入れてくれれば、あるいは条件も今後さらに下げなければならぬかと思っております。といって継続するか——継続という意味はこういうことになるのですね。打ち切って契約を解除してしまえば、これは差し押えとか何とかいう手はありまするが、実際問題としてなかなか金が入らない。それよりも、だますようにして金を取り上げようというような
考え方なんです。しかしそれでもできなければ、これはやむを得ぬから契約解除ということになる。これも早晩この線をいずれかに決定しなければなるまいか、こう思っております。
それからもう
一つ、われわれが経営にタッチしないといいますのは、どうも興行界の連中というのは、大ていわれわれしろうとの者には歯が立たぬのです。それですからまた協会の人的素材から申してもむずかしい。それならばいっそ公正に家賃でいって、経営にはこちらは全然タッチしないという方針で、この方針は実は私たちは今日でも変っておらぬのです。これは私のみならず、協会の執行部としても変っておりません。大体参考人として事実を
お話しをするとこんなものです。まだほかにございますか。