○高瀬
政府委員 先ほど
正木さんから、ただいまは中居君から
お話がありましたが、実は労働省といたしましては大体失業対策費百六十八億の
予算を計上いたしました当時、その当時はいわゆる石炭
合理化に関する臨時措置
法案が、一体確実に
政府から提出されるかどうか、不明確であったのであります。従ってわれわれとしては労働省の失業対策の百六十八億の中には、石炭
合理化に伴う臨時措置
法案の結果として現われる失業対策については、
予算に計上することができなかったわけであります。その大体の
予算の編成が終了いたしましてから、通産省が新たにこの石炭
合理化に関する臨時措置
法案を今国会に提出することが明瞭になりました。そこでわれわれとしては労働省として取った
予算のワク内において、この失業対策を講ずるほかはないということで、特別失業対策事業費といたしまして第四・四半期に約二億、一日四千二百人程度、それから川崎線の建設は、この継続費としては約二十四億程度かかるのでありますが、本
年度分として二億四千八百万円程度の失業対策費の計上が必要である。そうでなければ、せっかく石炭
合理化に関する臨時措置
法案を
政府が提出して、石炭のいわゆる基幹産業の振興をはかろうと思っても、それこそ社会党の諸君も失業対策に対する線でなければ、おそらくこの
法案が日の目を見ることはなかなかむずかしかろう、こういうことで私
どもは日夜党とも折衝いたし、労働
大臣もこの点に関して非常に心労しておったのであります。ところが最近の
自由党と
民主党の
予算折衝において、五億の鉄道建設費というものが計上されておる。もちろん先ほど
正木君の言われましたように、失業対策のためにいわゆる鉄道建設費を労働省が使って、それによって失業対策ができるというようなことは非常に一方的な見解である、これはごもっともであります。しかしながら御承知のように北九州の炭鉱地帯でおそらくあの
法案が
通りますと、約六万人の失業者が出るだろうとわれわれ予想しておるわけであります。従って一般の失業対策費はもちろん、この方面に
使用すると同時に、特殊なこの石炭
合理化に伴う輸送の増強、あるいはそれによる単価の低減、その他失業対策という意味も含めて、ちょうどあの筑豊炭田の中心におりますところの川崎線を建設して輸送の増強をはかり、石炭事業の振興並びに失業対策のためにこれを使いたいという熱意から、実は突如としてこの五億の鉄道建設費が計上された。なるほど理屈から言うと二十三線の予定線に全部その五億を使うのが当然であろうと私は考えますが、この際やはりこの特別な意味を持っております川崎線の建設というもの、特に炭鉱地帯のまん中にあって、失業対策に非常に貢献ができる、この川崎線の建設について何とか一つこの五億の中で、せめて本
年度は五千万円でも入れてやっていけないかという要望を実は出したのであります。それはおそらく社会党の方々も失業対策という観点からは賛成でございましょう、こういう金の回し方は
反対だと言われるかもわかりませんが、私
どもとしてはこの五億は何とかそういうふうに使って、この際石炭
合理化を促進したい、こういう熱意で実は公式に党とも交渉しておるのであります。
予算面に、今度の
修正に、この五億の
内容を、四億五千万円はこう使い、五千万円はこう使えということを明示することはなかなかむずかしいでありましょうけれ
ども、われわれ実はそれまで希望しておる。その前に約五億程度の増額も要求した。ただ要求してそれが乗らなかったことは、労働省がだらしがないからだと言われればそれまででありますが、突如としてこの五億が乗る以上は、われわれとしてはむしろそういうふうな政治的意味に、全部を失業対策のみに使ってほしいと気持を持っておる。おそらくこの点は社会党の諸君も
反対されない、こういうような意味で私
どもは実は考えておるわけですから、その点一つ誤解のないようにお願いします。