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1954-12-20 第21回国会 参議院 文部委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十二月二十日(月曜日)    午後零時二分開会   —————————————    委員の異動 十二月十八日委員松原一彦君及び雨森 常夫君辞任につき、その補欠として、 鶴見祐輔君及び小林英三君を議長にお いて指名した。 本日委員鶴見祐輔君、伊能芳雄君、白 井勇君、安部キミ子君及び小笠原二三 男君辞任につき、その補欠として、松 原一彦君、大谷贇雄君重政庸徳君、 森崎隆君及び久保等君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀  末治君    理事            竹下 豐次君    委員            青柳 秀夫君            大谷 贇雄君            重政 庸徳君            加賀山之雄君            久保  等君            森崎  隆君            矢嶋 三義君            松原 一彦君   政府委員    内閣官房長官 井上 卓一君    厚生政務次官  中川 俊思君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    文部省管理局長 近藤 直人君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育文化及び学術に関する調査の  件  (教職員期末手当等に関する件)  (炭鉱地帯及び冷水害被災地におけ  る学童問題に関する件)   —————————————
  2. 堀末治

    委員長堀末治君) それではこれから文部委員会を開会いたします。  教育文化及び学術に関する調査を議題といたします。本日は教職員期末手当並びに炭鉱地帯及び冷水害被災地における学童問題について御審議を願うことになつておりますが、この際お諮りいたしたいことがございます。  先ず教育に関する公務員の年末手当支給に関する決議案についてお諮りをいたします。  決議案を朗読いたします。  教育関係する公務員の年末手当支給に関する決議(案)  教育公務員給与の実体にかんがみ、国・地方を問わず、教育関係する公務員の年末手当支給については、一般国家公務員公共企業体関係職員との均衝を保ちうるよう、政府は、適切な措置を講ずべきである。  右決議する。   昭和二十九年十二月二十日  以上を本委員会決議として政府に出したいと思いますが、これに対して何か討論等がございましたら御発言をお願いいたします。
  3. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この問題については先日来当委員会審議した案件でございますので、討論を省略して直ちに採決に入られるよう提案いたします。
  4. 堀末治

    委員長堀末治君) 只今矢嶋委員から討論を省略して直ちに採決に入るという提案がございましたが、そう取計つて異議ございませんか。
  5. 堀末治

    委員長堀末治君) 御異議ないものと認めます。  それでは採決に入ります。只今朗読いたしました決議案について御異議ございませんか。
  6. 堀末治

    委員長堀末治君) 御異議ないものと認め、本決議案決定することといたします。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 只今決議されました教育関係する公務員の年末手当支給に関する案件について先日来当委員会関係政府委員質疑を続けて参つたわけでございますが、未だに不明確な点がございます。更に只今委員会決議をなされたわけでありまして、この決議に対する政府側所見も承わらなけれぱなりません。ところが只今文部大臣政務次官並びに直接関係政府委員が本委員会出席してないというのは非常に遺憾に思います。従つて私は次の事項について後刻答弁されることを要求いたします。  それは閣僚懇談会国家公務員に対しては超過勤務手当の操上支給という形で年末手当給与改善を図るということが決定されたと伝えられ、又この点については本委員会大臣から答弁されております。その際に大臣が当委員会で確言されましたように、又本委員会決議内容にもありますように、教育公務員即ち国、公立を含むところの教育公務員一般国家公務員とを差別を付けないということに相成りますれば、国立学校教官には超過勤務手当がございませんので、閣僚懇談会決定の線ではその実施にやや技術的に苦労されるかと思います。それを如何ようにして国家公務員である国立学校教官一般国家公務員との差等を付けないように閣僚懇談会決定されたか、この一点と、それから次に先般問題になりましたように地方公務員である教育公務員はこれ又超過勤務というものがございません。又地方公共団体は財源的にも最近苦慮をされております。一方本朝の新聞の伝えるところによると、地方公務員については日直宿直手当が予算化されておるので、この日直宿直手当を繰上げて取りあえず年末手当給与改善を図る、こういうことが伝えられておりますが、そうした場合に日宿直手当、これは義務教育費国庫負担法対象となつているのでありますが、如何なる財源的考慮を払われる考えであるか、この点を答弁を求めたいと思います。  他に伺う点もありますが、先ず内容的にその二点と、それから最近伝えられているのは、すでに政府当局としては最終決定されたのかどうか、されていなかつたならばいつ最終決定がされるのか。更にその最終決定された内容如何ようにして全国の都道府県にこれを徹底させようとされておられるのか、その事務推進の技術的な面を内容と合せ、以上三点を後刻答弁されるように要求いたします。  それから最後に委員長に対しましては本委員会のこの決議がなされましたので、早急に政府関係方面に本委員会意思を通達して、この決議内容が実現されるように格段の御配慮をお願いたしたいと思います。
  8. 堀末治

    委員長堀末治君) 承知いたしました。  矢嶋君にお尋ねいたしますが、今の御質問の数点は今近藤管理局長から答弁を聞かなくてもいいのですか。
  9. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 近藤管理局長所管外答弁できないと思いますので、答弁できるかたから……。
  10. 竹下豐次

    竹下豐次君 委員長ちよつと速記をとめて下さい。
  11. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記をとめて。    午後零時九分速記中止    ——————————    午後零時三十一分速記開始
  12. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記を起して。  次に委員長発議として困窮児童生徒救済に関する決議案決定を願いたいと思いますが、先ず案を申上げます。    困窮児童生徒救済に関する決議案   昭和二十九年度の冷水害等による被災地ならびに中小炭鉱地帯における児童生徒窮状は、歳末に当り真に見るに忍びざるものがあり、これが教育上に及ぼす影響もまた頗る甚大である。  これら児童生徒に対し、特に、学校給食実施し、学用品支給する等、救済の手をのべることは極めて緊要である。  よつて委員会は、政府がその実施につき、急速に適当な措置を講ずべきことを要望する。 右決議する。  昭和二十九年十二月二十日        参議院文部委員会  こういうのでございます。これも前の決議案と同様に本委員会決議といたしまして、政府に差出したい、かように思うのであります。
  13. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この問題については臨時国会以前から本委員会としては重大関心を払つて調査して参つた案件でございますし、先日その後の経過並びに処置については本委員会質疑も行われたことでございますし、格別質疑或いは討論がなければ、これで質疑討論を省略して、直ちに採決せられんことの議事進行の動議を提出いたします。
  14. 松原一彦

    松原一彦君 私はこの趣旨には何も異存はありませんけれども炭鉱が不況になつたからというて、そこを指定し、冷水害地が困つておるからというて、そこの子供だけを取上げるといつたふうなものの考え方は、私は妥当でないと思つておる者です。というのは、これの対象となるのは今のケヤ物資等における特別の給食のほうは結構ですが、一般保護法からいうと、ちやんと保護法には原則があるのでありますから、医療保護にしても教育保護にしてもあるのであります。ここにあるようなことは行政運営の面で当然厚生省文部省がやらなければならんもので、行政に親切を欠くというて、こういうことを立法府のほうから突込まれるというふうにも見られる。又一面から言うと、行政府を信頼せずして、ことごと立法府が何か指図をすると見られて、私はこういうことは面白くないと思うのです。できる限りまあこんな小言を言われんように、行政府のほうにおきましては親切に一つつて欲しい。一々それ炭鉱地帯を調べて、こうしろ、水害地を調べろと言われんように、文部省厚生省は本当に身を挺して親切に当つて頂きたいということを熱望する。行政立法府が立入るということは極力避けたいと私は思うのです。そういう意味から、考え方について若干の私にはかねて疑義もありますけれども、今日これをば御決議になることについては異議ありません。どうぞ当局矢嶋氏が常に言わるるごとく、こちらが調べてあるにもかかわらず、なお且つそれほどに文部省などが実地について調べなかつたという先般のあの実証的な御意見などは御尤もだと思うのです。どうぞ一つ手落ちのないように親切にやつて頂きたいということを希望して賛成いたします。
  15. 堀末治

    委員長堀末治君) 他に御発言ございませんでしよぅか。それじや他に御発言がございませんければ、只今通り決定いたして差支えございませんか。
  16. 堀末治

    委員長堀末治君) それじやさように決定いたします。  幸い厚生政務次官から発言を求められておりますので発言を許します。
  17. 中川俊思

    政府委員中川俊思君) 本日は大臣出席いたしまして御決議の御趣旨に対する意思開陣がある予定でありましたが、只今丁度旅行中でございますので、甚だ僣越でありますが、私が代つてちよつと厚生省といたしましての御決議趣旨に対する意思を申上げたいと思います。  只今決議になりました困窮児童生徒救済に関する点は誠に御尤もでございまして、この点につきましては従来とも文部省連絡をいたしまして、生活保護法に基く教育扶助の適用やケア物資配付等をやつて参つたのであります。只今松原さんからも御指摘がございましたが、私どもも従来痛感いたしておりましたことは、どうも行政機関国会決議に副うような、只今お話がありました親切な、誠意のある行動が実際に現われていなかつた、こういうようなことは私どもも多年経験をいたして参つておるところでございます。幸いにいたしまして、我々といたしましては今後そういうことのないように国会の御決議を飽くまでも十分に尊重して、そうしてただ委員会の席上尤もらしい趣旨を述べるだけでなく、委員会の御決議を十分尊重して実施の面に移そう、こういうことに全力を傾倒いたしたいと考えておりますから、特に余計なことでございましたが、申添えまして御了承を頂きたいと思います。
  18. 松原一彦

    松原一彦君 中川政務次官に伺いますが、この決議案学童に及ぼす影響でありますけれども、先般来新聞に伝うるところによると、東京の学童のうちの貧しいものの最近受ける苦労というものは非常な大きなものがあるようでありまして、例えば四人の子供が親に因果を含められて毒を飲んで死んでおる。遺書まで書いて死んでいる。又四人の子供を置き去りにした母親が今二人も現われておる。水害地も、冷害地も、或いは炭鉱地も困るところであろうが、大都市における下層の困窮層の苦痛は、私は言語に絶するものがあるのではないかと思う。一方に非常に華美な大百貨店等が足踏みもできないほどの人を集める半面に、さような深刻な失業者、貧乏人が現われておる。今日の政治の中心は申すまでもなく失業をなくし、貧乏をなくすることでなければならない。これは小細工ではとても救い切れないものがある。一々小細工しておつたのではやり切れない。そういう面から、学童という問題ではなくして救貧、或いは失業対策等が大幅に拡げられて、それが政治の最も重大なる眼目となるべきであろうと思うのであります。幸いここに学童に及ぼす影響についての決議案を取上げて今中川政務次官から御同感の御意思の発表がありましたが、更にこれを大きく拡大しての厚生省の今後の御任務につきまして、私は今の御所見通りに大いに力を入れてもらいたいということをば希望を申述べて本案に賛成いたすものでございます。
  19. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 簡単に若干伺いたいと思います。  先ず第一番に幸いに厚生政務次官官房長官並びに文部省近藤管理局長当事者おいでになつておりますので、先ず簡単なことを伺いますが、皆さんがたで昨晩NHK福岡中小炭鉱地帯窮迫状況放送された、あれをお聞きになられたかたがおりますかどうか。
  20. 中川俊思

    政府委員中川俊思君) ちよつと聞きました。
  21. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはそれだけを私は聞いておきますが、そこで先ずお忙がしいでしようから官房長官にお伺いいたします。実はこの問題は我が国重要産業の中で最も深刻、窮迫化した中小石炭業界の問題だと、こういう立場から私どもこの解決というものは文部省一省だけの問題ではない。これは根本的には通産省であり、厚生省文部省とそれぞれ関係行政府が緊密な連絡のもとに計画的にして総合的な政策を以て対処しなければ、一片の弥瀧策解決できる問題ではない。こういう実態の把握をしたわけなんです。で、先国会の始まる前に福岡、佐賀、長崎の教育長をここに御出席願つて、そして参考の意見を聴取した。その深刻さに委員は今更のごとく驚いた次第であります。その当時各省関係官出席願つていろいろ質したわけですが、そのときに私はこういうことを申しました。それはこういうふうに各省関係のある問題は、ややともすると各省はそれぞれ思い思いの考えのもとに処置されるので、その総合的統一性が失われて、問題が深刻なだけに解決できん場合がある。従つてここに国家行政組織法に基くものでなくて、実質的な関係各省行政連絡機関として、吉田内閣時代によく設けられました対策協議会のようなものを、内閣審議室主管のもとにおいて強力なる行政を推進してはどうか。こういうことを私は質したわけなんです。そのときに文部大臣は、当時の文部大臣でありますが、その必要性を感ずる。従つて自分閣議においてそういう主張をするということを文部大臣答弁したわけです。ところが通産省担当官は、現在でも連絡をとつてつているから、今後もそうするから、格別それほどしなくても解決できると思う。極力各省連絡をとつて努力する。こういうことを私に答弁した。そこで昨日私は文部省管理局長にその後一体何回協議会が開かれたか。そして又如何なることが協議され、どういう解決がなされたかということを質しましたところが、一回も開かれていない。更に吉田内閣時代に、アメリカから来るところの余剰農産物は優先的にデフレ政策のもとに困窮している中小炭鉱地帯にこれを供与するということを方針としているということを答弁された。そこで私はその後この問題がどういうふうに進んでいるか、責任ある窓口に直接当つてみたいと思いまして、管理局長に、一体この余剰農産物政府側窓口はどこだ、アメリカと交渉する窓口はどこか、それを聞いたところ、まだきまつていない、わからない。それで今日まで答弁をすることを要請しておつたから、いずれ管理局長から責任ある答弁ができると思うのですが、そういう状況では私は深刻化した中小炭鉱問題は解決できないと思うのです。従つて私は、今日官房長官にお出ましを願つたことは、過去一カ月の実責を見てもわかりますように、各告の連絡というものは十分に行つていないのです。従つて行政というものが適時的確に打たれていないわけです。こういうときこそ私は各省連絡を緊密にして、総合的な対策を立てるという意味からも、別に国家行政組織法に基く必要はないでしよう。吉田内閣がやつたことでも、良いことは真似ていいのですから、対策協議会のようなものを、内閣審議室主管の下に置いて、そうして強力なる行政を推進することは大事だと考えるのですが、この点について、どういうふうにお考えになつているか。それを先ず伺いたいと思います。
  22. 井上卓一

    政府委員井上卓一君) 私井上と申します。極めて不慣れでございますので、これからよろしくお願いいたします。  只今矢嶋委員殿から剴切なる、而もうがつたところの肯綮に中るべき多くの御示唆を受けて、本当に感謝いたします。確かに多くの行政におきましてはなかなか一種の何と申しますか、派閥と申しますか、いろいろな関係がありまして、良いことは自分で取ろうと言い、悪いことは逃げるというのが、私ども見ておつて多くの官庁の通弊だと思います。只今お話のごとく、これは本当に真から十分に研究し、検討して、そうして各位の熱心なるところの行政の下にやつて行きたいと思います。私まだこの点につきまして、これというところの所見も持つておりませんから、御趣旨のほどは十二分に傾聴いたしまして、上司とも十分に相談いたしまして、御期待に副うべく万全の施策を立てたいと思います。ありがとうございました。
  23. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官に要望いたしておきますが、早急にこの件について閣議で協議され、例えば中小炭鉱危機打開対策協議会というようなものを設けて頂きたい。若しこの結論が出ましたら、政府としてはかくかくで設けるとか、かくかくで設けないという方針にきまつたということを、委員長を通じて御返答願いたいということを要望いたしておきます。
  24. 井上卓一

    政府委員井上卓一君) よく了承いたしました。
  25. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に伺いたいのは、吉田内閣当時、この余剰農産物折衝に当りました愛知通産相も、当時の大達文部大臣に特に要請いたしまして、是非ともこの余剰農産物参つたならば、一刻も早く中小炭鉱地帯児童に、優先的に供与いたしたいということを申しておりました。そうして、これは恐らく一月には着荷する予定だというので、これは全く千秋の思いで関係者は待つていることだと思います。そこで伺いますが、どなたからでもよろしうございますが、やがて来るであろう余剰農産物は、中小炭鉱地帯学童に、優先的に供与するという前内閣方針は踏襲されるかどうか。この一点と、それからこの際に適切でありますから、文部省管理局長から伺いますが、私が先週質問いたしました一体余剰農産物に関する我が国政府窓ロはどこか、どこに聞けば、一体どういう内容のものがいつ頃来るであろうというような、そういう情勢を我々は知ることができるのか、その点答弁を求めます。
  26. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 第一点の余剰農産物が前内閣におきまして決定されたのでありますが、今後これをどういうふうに新内閣におきまして処理されるかどうかにつきましては、私まだ伺つておりませんので、その点に関しましては何とも答弁いたしかねると思います。  それから第二点の余剰農産物事務的折衝統一窓口ということでございますが、これにつきまして私先般経済審議庁ということをたしか申上げたかと思つておりますが、その後調査いたしました結果、外務省経済局がこの衝に当るということでございます。
  27. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 近藤局長、私ね、あなたは一生懸命努められているし、とやかく申上げることは情としては忍びないのですけれども併しなんでしよう、それだけの問題が起つているのに、大臣が迭つた真先大臣を捉えて、この問題はこうこうこうなんだ、大臣真先閣議一つ内閣方針通り余剰農産物が着いたら直ちにこれを優先的に供与するということを閣議で確認しておいて頂きたいと、こういうふうにあなたから出なければ、これは前の内閣はこうだつたが、今度の内閣はどうかまだ知りませんでは、而も二、三日前の質問ではこの交渉の窓口経済審議庁と言つたが、調べてみたところが外務省経済局つたということでは、近藤さん私は情としては忍びないが、こんなことで勤まりますか。夕べラジオをお聴きになりましたか。放送するときには若干脚色するかも知れませんが、併しラジオというものは芝居みたいに脚色できるわけではない。私あのNHK放送を聴きましたが、涙が出ましたよ。私はいろいろ実情を聞いているけれども、四人の子供を人に預けて、お母さん特飲街に売られているじやありませんか。特飲街に働いているお母さん子供に会いたい、一刻も早く足を洗いたいということも昨日の電波に乗つて来たじやありませんか。或いは昨日の女の先生放送を聴きましたか。子供が弁当を持つて来ない。家庭訪問をして、学校に出て来て下さい、何とか若干は給食するからと、こういうように誘えば、昼飯はともかく、朝飯さえも食べさせることができない。朝飯も食べさせないで子供学校にやることはできませんと父兄から言われて、先生としてはどうも手が出ないということを放送されていたじやありませんか。深刻なんですよこの問題は。国会議事堂なんかに入つていてはわかる事柄じやないのですよ。それを当該局長がそういうような答弁では実際涙が出ると思うのだ。しつかりしてもらいたい。  もう一つあなたに伺いますが、私は先週、年末に子供学用品一部でもいいし或いは餅一つでもいいから与える方法はないか。これは勿論慈善団体等でやつているけれども、そういう慈善団体だけに任すべき問題ではないと思う。それは都市におつて非常に働いて生活を維持している人と、或いは中には政策のためにつぶれる人もありましようし、或いは十分勤勉に働かざるがためにそういう環境に落ちて行く人もあるでありましよう。併し中小炭鉱地帯の集団的に窮迫しているああいう国民は完全に政策によつてもたらざれたところの現象なんです。従つてこの年末年始子供に人並みに正月喜びを味わわせるために、何か緊急的な臨時的措置として考え余地はないか。恒久的ならばこれは予算も要るけれども、お正月の臨時的な措置として、ああいう窮迫した国民に、国の有難さを、同胞愛というものを政策の面で味わわせるためには、大した金も要らないだろう、従つて何とかそういう考慮余地はないか、そういう考えはないか。文部大臣出席されておりませんから、あなたから私の質問趣旨大臣に伝えて頂きたい、そういうことをあなたに要望し、その答弁を本日求めておつたわけですが、文部大臣に伝えて頂いたかどうか。又本日文部大臣がここにおいでになれば直接伺うのでありますが、おいでになつていないから、あなたを通じて文部大臣はどういうふうに言われたか、それを承わると共に、そのあとで私はこの点については厚生政務次官にも伺いたいと思います。と申すことは、我々何もラジオを聴かなくても状況はつぶさに承知しているわけですが、夕べラジオを聴いても、正月のお餅なんか全然考えていない、こういうことを放送されていましたが、正月なつたらお餅が頂けるだろうということを考えるまでに行かない。ともかく生きるか死ぬかという状況になつているわけですね。福岡県だけでも約一万の児童生徒正月に餅ももらえないという状況、それほどにあの地帯の川は窮迫している。又これは奥さんを特飲街に沈めるというのは並並ならん事態ですよ。従つて私はこの年末年始に当つて、何か臨時的な措置によつて子供にあまりひがみを起させないで正月喜びをささやかでも味わわせるような緊急的な措置をとられる方針はないか、ということを伺つているわけです。
  28. 堀末治

    委員長堀末治君) ちよつとあなたに申上げますが、中川政務次官は一時から衆議院の委員会に出なければならないというのですが、若しも何なら中川政務次官のほうの御答弁を頂いて、皆さんにお差支えがなければ、その答弁だけで政務次官は退席させて頂きたいというのですが、如何でしよう。
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は差支えありません。
  30. 中川俊思

    政府委員中川俊思君) 只今の問題は非常な深刻な問題でございまして、私も実は昨晩帰りましたら、丁度そのラジオがありまして、終り頃ちよつと聴いただけでございますが、自分の可愛い子供を預けておいて特飲街に売られてしまつたというようなことを聴いて、実は私も非常に痛切にその窮状に対しましては考えるところがあつたのです。私は六カ年間ほど議員生活をしておりますけれども、その間終始一貫実は厚生委員を勤めさせて頂いております。と申しますのは、私自身が非常な貧乏人の子供でございまして、今日の一般の中小企業初め農村であるとか或いは只今御指摘のような各層におけるところの苦痛という状況は、私自身実は身を以て体験して来ているのであります。そういうような意味から、就任早々でございますので、具体的な問題につきましては、只今当局の係官からいろいろな問題を聴取いたしている最中でございます。従つて只今こういう問題に対してどうするのか、そういう具体的の御質問に対する答弁は、私は今無責任に実はするべきでないと思いまするし、又正直に申上げますと、具体案を持つておりません。併し御趣旨の点は十分拝聴いたしまして、御趣旨に副うように最善の努力を尽したいということを申上げるよりないのであります。御了承願いたいと思います。
  31. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 管理局長答弁はあとにして、この問題について副長官、何か御所見つたら承わつておきたいと思います。それ以外に私副長官には質疑がございません。
  32. 井上卓一

    政府委員井上卓一君) 私今中川厚生政務次官のほうから御答弁があつたわけでございますが、私もこれにつきまして、まだこれこれということも申すこともできません。私も非常にこの問題に対し、どうかしたいと考えまするし、御質問趣旨を検討して、十二分に御趣旨に副うようにいたしたいと思います。本日はこれだけしか申上げることがありません。
  33. 近藤直人

    説明員近藤直人君) 矢嶋委員の御要望の点につきまして大臣にお諮りいたしました。大臣に私直接ではございませんが、大臣、次官ともこの問題に非常に関心を持たれておりまして、何とか手段を尽したい、併しながらまあやり得る方法といたしましては、私から先刻申上げました学佼における給食を無償で来年一月これを継続するという点が取りあえずきまつておりまするので、その以外につきまして、例えて申しますれば、学用品を配給するというようなことにつきましては、至急私どものほうで只今検討することになつておりますので、できるだけ御趣旨の線に沿つて努力いたしたいということが上司の御意見でございます。一応お伝え申上げます。
  34. 堀末治

    委員長堀末治君) ちよつと速記とめて。
  35. 堀末治

    委員長堀末治君) それじや速記を起して。  先ほど御決定になりました決議案の二件の取扱いでございますが、政府に対する伝達その他の点は一切委員長に御一任願いたいと存じますが……。
  36. 堀末治

    委員長堀末治君) それではさように決定いたします。
  37. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先ほど本委員会決議されました教育に関する公務員の年末手当支給に関する決議、これに関連いたしまして、先刻私は三点について質疑することを保留いたした次第でございます。その当時も現在も文部省政府委員出席されておりませんので、この席上で答弁を求めることができません。なお本日は諸種の事情で委員会継続も困難な状況でございますので、先ほどの懇談会のときの委員長の御意見を尊重いたしまして、私は先刻質問いたしました三件について早急に書面を以て委員長を通じて回答されれば、委員会はこれを以て散会することに異議ございません。なおその際はその書面によつて回答の説明ができる文部の関係員が委員長のところに回答するよう、細かいようでございますが、念のために申述べておきます。
  38. 堀末治

    委員長堀末治君) 承知いたしました。さようなことに取計いいたします。  それでは本日はこれで委員会を散会いたします。    午後一時九分散会