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1954-12-17 第21回国会 参議院 文部委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十二月十七日(金曜日)    午後二時五分開会   —————————————   委員の異動 十二月十五日委員永井純一郎辞任に つき、その補欠として、山口重彦君を 議長において指名した。 本日委員吉田萬次君、大野木秀次朗 君、大谷贇雄君小林英三君及び松野 鶴平辞任につき、その補欠として、 白井勇君、伊能芳雄君、雨森常夫君、 榊原亨君及び青柳秀夫君を議長におい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀  末治君    理事            竹下 豐次君           小笠原二三男君    委員            雨森 常夫君            青柳 秀夫君            伊能 芳雄君            榊原  亨君            岡  三郎君            矢嶋 三義君            松原 一彦君   国務大臣    文 部 大 臣 安藤 正純君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工楽 英司君   説明員    文部省初等中等    教育局長    緒方 信一君    文部省管理局長 近藤 直人君   厚生省社会局長  安田  巌君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育文化及び学術に関する調査の件  (義務教員費国庫負担法及び教職  員の期末手当に関する件)  (北九州等炭鉱地帯及び北海道等  の冷害による被災地における学童問  題に関する件)   —————————————
  2. 堀末治

    委員長堀末治君) これから委員会を開催することにいたします。  先ず第一に教育文化及び学術に関する調査を議題といたします。前回に引続いて義務教育費国庫負担法及び教職員期末手当等について御質疑を願います。
  3. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先日の委員会の終了後理事会が開かれて次のことが決定いたしました。私は書面による委員長への回答を本日の午後五時という期限付要望したわけでありますが、文部委員会の運営の都合上午後一時に文部委員会を開会することにするので、委員長は私が五時と要求した回答政府側に一時までに出せるように極力要請するということを理事会決定されるのを私は脇で聞いておつたわけでございますが、その後それはどういうふうになっておるか、今回答を求めることはできるのかどうか、その辺先ず委員長に伺い、緒方局長に伺いたいと思います。
  4. 堀末治

    委員長堀末治君) それはそのときそういう話でした。併し最初にその話を本日の午後五時までに求めるということは当委員会を開くということになっておらないときにきめたことだと思うのであります。従ってその後になって要するに今日それじややる、やらんといういろいろ話があった結果、岡委員の仲裁でそれじや十七日午後一時から開いたらどうかと、こういうことでございましたから、それじやそういうことにしようということで、そのことを要するに文部省並びにそれぞれ関係方面に通告をしておいたわけであります。従って要するに私は当然午後一時から開かれるということになれば、それまでにそれに対して回答はなされなきゃならないものだと、私はかように存じましたから、あえて一時までということを強く要求はいたしません。今日は大臣も出られることでありますから、当然その返事は預かれるものと私は、かように存じておるわけであります。
  5. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 一昨日の委員会矢嶋委員から政令百六号につきましての報告の件がございましたから、その後関係省庁の間で検討を続けて参りましたし、現に続けておりまするが、まだにわかに結論を出す段階に至りません。なお今後来年の予算編成とも関連いたしまして検討を続けて行きたいと存じますので、その点ご了承願いたいと思います。
  6. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私が要請したのは本日の五時までに書面を以て委員長を通じて御回答を願いたいということを要望してありますので、午後五時になればできるというわけですが、どうですか。
  7. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 午後五時までにその結論を出すということは非常に困難でございまして、書面で御回答申上げることはこれは不可能だと存じます。今後とも私ども続いて関係各省庁の間で検討を続けて行きたいと存じますので、その点ご了承願いたいと思います。
  8. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 委員委員長を通じて要望するときには、その要望趣旨をしつかり聞いて頂きたいと思います。私は結論報告しろということを要望いたしておりません。政令廃止の問題、それから政令適用のために窮迫している都道府県に対するところの緊急措置、もう一つ期末手当の問題、以上三点について文部省を中心に関係各省間で至急にその解決かた努力協議をし、如何なる協議がしてこういう結論になつたという報告になり、又は結論がでなかったならば、かくかくの経過を辿って現在どういう段階にあり、将来の見通しはどうだという意味におけるところの回答をして頂きたい。答弁をして頂きたいということを要望してあるわけでございますから、あらゆる場合を考えても、私の要望した書面による答弁はなされないという場合はあり得ないわけですね。あなたがたがお聞き取りが不十分だったと思います。それは速記に明確に残つております。従って私が要望申上げた通り答弁書面によって至急にして頂きたいと思います。
  9. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 私その一昨日の御要望につきまして若干聞き取り疎漏であったように存じます。ただ御承知のように、この問題は非常に複雑な問題でございまして、百六号の改正の問題にいたしましても、或いはそのほかの問題にいたしましても非常に複雑な問題でございますので、いろいろと交渉をして、そうして結論を出しませんと、それについて協議経過ということは非常にこれは御報告申上げることは困難だと思います。その点は一つ御了承頂けないかと存ずるわけでありますが、只今の問題の実質的な検討につきましては、これは十分努力をしたいと存じます。
  10. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は満足することができません。あなたの答弁されるところの脳裏には、政令百六号だけしか入っていないと私は判断します。政令百六号もそうであるし、更に当時一部大臣答弁いたしましたが、期末手当の問題についても同様に答弁を求めているわけです。私の要望はとうに入れられているわけですから、至急にそのようにして頂きたいと思います。で、或いは私がこれから若干委員長許可を得まして質疑をいたしますが、その質疑によって満されるような場合がありましたならば、或いはその書面にによる答弁を撤回することもでき得るかとも思います。そのためにはやはりこの前の質疑との関係上、大蔵自治省庁関係者並びに文部大臣出席を必要といたします。今出席があるまでに時間の空白がありますので、緒方局長に関する限りにおいて答弁を求めたい点について委員長許可があれば若干質疑いたします。
  11. 堀末治

    委員長堀末治君) 差支ありません。
  12. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 緒方局長に伺いますが、政令百六号、これは文部省立場においては望ましい政令とお考えになつているのか、それとも文部省としてはこれを廃止して頂きたいという立場に立たれておられるのか伺います。
  13. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 法律趣旨が実支出額の二分の一を負担するという原則は確立しておりますし、その例外規定として但書によつて政令ができるわけであります。従いまして法律趣旨原則から申しますと、但書がないというほうがいいと存じます。伴しながら法律におきまして、特別な場合には政令最高限度をきめることができるのでございますので、政令そのものが、政令がその本質であるものに違反しておると、こういうことにはならんと思います。私ども考えておりますことは、二十九年度から地方税制財政が改革されまして、そのためにこの政令適用が非常に広くなるということであれば、この際検討する必要があると、こう考えますが、伴しそ政令そのものを撤廃してしまうという点につきましては若干文部省といたしましても疑義を持つておる次第でございます。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部当局答弁としては私は納得しかねるものがある。局長は法三百三号並びにこの法が成立した当時の附帯決議十分御存じのことと私は考えます。最後に「但し、特別の事情があるときは、各都道府県ごと国庫負担額最高限度政令で定めることができる。」この但書法律の中に入れるときに当時自治庁大蔵省文部省とは随分熾烈なる討論をやられた結果こういうものが出て来ているわけですね。従つて文部省立場としてはこの義務教育国庫負担法の当時の法案の提案理由から考えましても、政令を出す場合は極く極くの場合に限る。ただ窓口を開けてあるだけであつて、実際上はこういう政令適用されないほうがよろしいのだという文部省態度は私は明確だと思うのですが、重ねて伺いますが、如何なのでございますか。
  15. 緒方信一

    説明員緒方信一君) それは法律ができました当時、或いは政令を作りました当時の意見はいろいろ各省から出し合つて伺うことができたと思いますが、各省協議をいたしましてこういう政令ができたのでございまするし、できました政令につきましては文部省としても責任があると考えます。その意見はいろいろございますけれども政府としての立場において文部省としての見解只今申上げたようなことでございます。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政令廃止文部省はしないというわけですか。政令はこしらえなきやならんという義務規定じやないですね。かくかくの場合にできるというこなんですね。政令が出ることは文部省立場においては望ましいのですか、望ましくないのですか。
  17. 緒方信一

    説明員緒方信一君) かくかくの場合にできるという規定でございます。勿論その通りでございます。特別な事情のあるときという、その特別な事情の、まあ判断であろうと存じますけれども、これが私先ほど申し上げましたように、非常に広く該当して行くということになりますと、これは政令を作つたときの趣旨に若干反して来る、かように考えますので、この度少し殖える見込みがございますから、その点を検討しておるわけでございます。ただこれを全面的に撤廃してしまつて、如何なる富祐県についても特別の事情でないという点を申上げておきたいと思います。
  18. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は、文部省当該局長としてもあなたの答弁には、当時私はこの法律文部委員会で審議したものですが、当時の大臣提案理由並びに衆参の文部委員会附帯決議の線からいうと非常に不満足です。大蔵省とあなたは非常に討論し、協議しておる間に非常に大蔵省主計当局のお考えが入り込んで来て、どうも文部省の一貫した、今まで堅持されて参つた態度がやや動揺しておるやに推察できる点私は遺憾に存じます。一応あなたの御見解でございますから、それはその程度伺つて、次に伺いますが、だとすればあなたは、政令があることはいたし方ない、ただ政令内容如何による。現在の政令百六号というのが立法精神と合せ考えるときに内容が妥当ではない。従つてこの検討をやらなければならない、こういう立場をあなたはとられておる、こういうふうに私は推測されるのでありますが、そうでございますか。
  19. 緒方信一

    説明員緒方信一君) さようでございます。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 然らば文部省事務当局としては、鳩山内閣ができる前から、少なくとも来年度の予算編成時期に入つたこの頃でございますから、大蔵事務当局文部省一つ見解を持つて種々協議検討されておられたと思うのです。その後鳩山内閣が誕生して参つたわけですが、それにしても現在事務当局では一つ見解を持ち交渉を続けられていると思うのです。特に私は本日の午後五時までに各省間で協議して書面を以て御回答願いたいというまで御要望申上げたのですから、そういうことが行われていると思うのですが、先ほど大前提としてあなたがお認めになつた文部省立場から、文部省はこの政令内容の再検討をどういう角度からしようというのか、如何ようにしようというのか。又そうすれば何とか第一線教育支障なくて済むという立場に立たれているのか、その態度一つお伺いしたい。
  21. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 御承知のように、先ほども申上げましたが、二十九年度から地方税制財政の改革がございまして、その結果これは年度が経過いたしまして確定いたしませんとわかりませんが、現在の見通しでは政令該当する府県が昨年よりも殖える見込みでございます。その殖える数は先日来申上げておりますように、私ども見込みといたしましては五直くらい殖えまして十一県くらいになるのではないかと、こう考えております。そこで先ほどから御意見もございますように、特別な場合に政令最高限度を定めるという規定でございますから、その該当が殖えるということになりますと、その特別な場合ということにつきまして若干検討する必要があるということでありますが、法律趣旨実質の二分の一負担ということでございますので、成るべくその趣旨を実現されるように考えて行きたいと、こう考え検討いたしておるわけであります。
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私はこの前申上げましたように、この方の立法精神附帯決議からいつて政令廃止すべきである。そうすることによつて教育地方分権、それから住民によつて公選された教育委員諸君によつて自主性あるその地域の教育が行われる、こう私は固く信じているものである。伴しあなたは政令該当県が広くなるのは法の精神に背くようだから、本当に特別の事情という立場から該当県をあなたの考え方で適正にしなければならんと、こういう立場をとらえているようですが、文部省考え方としてはこの法三百三号の精神に副つた妥当な政令だというふうにお考えになつていらつしやいますか。
  23. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 私が申上げましたのは、必ずしもその政令にひつかかる県の数ということじやないのです。数が殖えるから検討するということは申上げましたけれども、それをどの程度に減らすということじやございませんので、方法論はいろいろあると思いますけれども実質の二分の一負担という法の精神を成るべく生かすように、その方向に近づきたい、こういうことでございます。従って、政令にひつかかる県の数を幾らにするという目標を的確にきめているとか、まあそいうことじやございません。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはわかっているのです。伴し実質的に考えたらそうなって来るのですね。で、あなたが言うように、何でしよう、法の精神もそうでありますが、実績の二分の一を飽くまで確保したいというわけですね。それは法の精神です。ところが、あなたの説明を以てしても、十一府県にこの政令適用されるという。即ち十一府県瓦つて実績の二分の一が確保されないということは、これはあなたみずから認められているところのこの法の精神に反するものだし、又あなたの希望と格段に離れているようなんですね。従って、特別の事情があるときには云々というのだから、やはりあなた方としては、目安として全国四十六都道府県給与水準財政状態は大体把握されているのだから、私は政令を認めないのだが、あなたは認めるという立場にたつておられる。認めるという立場に立たれるならば、まあどの程度ならば妥当だと、文部省としても何とか呑めるというお考えが当然私はあつて然るべきだと思う。それがないはずはないと思う。それを伺つているのです。
  25. 緒方信一

    説明員緒方信一君) それはもう成るべく政令該当する県が少くなることが私どもといたしましては法の精神からいって望ましい。これはまあ当然だと思います。伴しながら、これは国の財政のこととすぐ関連して来る問題でございますので、それと睨み合せを十分見通しをつけませんと、その点はっきり申上げかねる点だと思います。それからもう一つは、いろいろとまあ法律趣旨を実現するためにも政令該当する県を少くして行くという方法も私はあると存じます。でありますので、大蔵省とも今折衝の段階でございまして、いずれの方法をとるかということはこれからだんだん具体化いたして来ると思います。いろいろ交渉はしておりますけれども先ほど申上げましたようにまだここで申上げるほどの結論に達していない、こういう段階でございます。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 所管局長に私要望いたしたい点は、あなたは教育を守るという立場からこれにウエイトを置いてお考えになればいいのですよ。勿論国家公務員であるから国全般財政ということもそれはお考えにならなくてはなるまいが、その比重というものは軽くて然るべきですよ。これは全般的なものについては大蔵省はありましようし、又国務大臣である文部大臣がそういう政治的配慮はなされるでしよう。所管局長であるあなたとしては、教育を守るためにはこの政令はどうしなくちやならんかという点に少くとも九〇%、九〇数%というものをそれにウエイトを置いて、そうして問題を考えられ、それに対処すると、そういうことによって初めて私は政府部内の関係各省との話も順調に進んで教育が守られ、振興すると思うのです。ところが、先ほどから局長の御所見を承わつておりますと、余りにも政治的配慮が高過ぎて、大蔵省主計局長答弁を求めているかの感がある点は、私が文部省初中局長としては足らざるものがあるのじゃないかと非常に私は遺憾に感じますので、今後責任当局第一線に立っている局長としては、もう少し教育を守るという立場から固い決意の下に断乎として主張を通すように善処を願いたいと思うのです。で、只今大蔵事務当局と盛んに交渉中だと言いますが、明るい方向に進んでいるのですかどうですか。それから又結論というものはいつ出る見通しで話を進めておられるのか、その点を伺います。
  27. 緒方信一

    説明員緒方信一君) これは先ほども申しましたように、来年度の予算編成とも関連する問題でございますので、なかなかこれは結論を出すということはそう早急には参らんと思います。私どもは成るべく早く出したいのでございますが、伴しいろいろ事務的な関係からいたしましても、そう早急に出るということは困難じゃないかと考えております。まだそういうことでございますので、明るいかどうかという点でございますが、これは私でもの努力が貫徹するように努力をして行きたいと思います。この見通しにつきましても、今果してここで直ぐ私ども要望なり要求なりが、直ぐ通るということの段階になっておるということは申上げ兼ねます。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたに、もう一回伺つて次大臣に伺いますが、内閣が迭りまして一応反故になつたのでしようが、文部省できまつた来年度の予算要求案はあったわけです。吉田内閣時代にこしらえた来年度の概算要求を作る場合は、今変つているかも知れませんが、その当時の文部省態度政令百六号については如何様つたのか、これは過去の問題であるから明確に答弁して頂きたい。
  29. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 概算要求いたしました際の考え方としましては、政令該当県としてはいわゆる不交付団体だけに限る、こういう考え方要求をいたしております。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そいうことは政令の第一条の後段削除、こういう考えだということですね。
  31. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 予算としては只今申しましたように東京、大阪、不交付団体だけということでありますので、それが予算的にそうなりますならば、当然政令後段は削除され得るものだと思います。
  32. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣に伺いますが、大臣が先日ここで教育に対する大臣としての御信念の一端を披瀝されたわけですが、当時その発言に対する質疑は私ども保留いたしまして、当面緊急な案件について大臣に質問もし、又要望申上げたわけです。その一つとしては、この地方財政窮迫下政令百六号のもたらすところ教職員昇給昇格、更にこの年末手当至急等にも支障を来たすに至っておる。これは閣議決定で出されるところの政令であるから行政的措置によってこの政令を一日も早く撤廃することが義務教育国庫負担法母法精神に副うものであるから、さように御努力願いたいということを要望いたしましたところ、大臣は重大な問題だと考えるから慎重協議をして善処するということを御答弁されたのでございます。その後御検討の結果、大臣は現在如何様にこれをされようとお考えになっておられるか、その点伺いたいと思います。
  33. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 政令百六号につきましては、この間御答弁をいたしました通りであります。つまりこれは私は実はこう考えておるのですが、根本的に言いますと、こういうものはないほうがいいと思う。伴しながらいろいろな事情があり財政関係事情等があつて、すぐそれじや根本的に還元して撤廃してしまうとも、どうもすぐ即決もできませんから、殊に私は新任早々でまだ数日も出でないのですから軽率なことをやつてはいけないから、よく事務当局等に聞いたり検討したりいたしまして、そうしてそういう検討、審議の期間を成るたけ早くして処置をきめたいと思います。ですから今日は撤廃するとかしないとかまでの結論を申上げることができないのを遺憾とするのであります。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この問題について大臣自治庁長官或いは大蔵大臣とお話合いになられましたかどうですか、その点を伺いたい。
  35. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 個人的には一、二話を取交わしました。伴しながら公式に、正式に閣議の席上で問題にはまだいたしません。こっちの肚がきまりませんから。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣がこの自治庁長官或いは大蔵大臣に個人的に話された。一方大臣の御所見としては基本的にこういう政令にないに越したことはないという考えである、こういうことも承わつたわけですが、大臣のその基本的にないほうがよろしいという大臣のこのお考えを貫徹する立場から考えた場合に、大蔵大臣並びに自治庁長官所見はあなたのお考えを貫徹できるように大臣は判断されましたかどうですか。その点見通しについて伺いたいと思います。
  37. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) そこまでここで言つてしまうのは少しまだ早いかと思うのです。それで、もうちつと進んでからにお話ししたい。これも勿論非常に重大な根本的問題なんですが、それよりは御承知通り、今当面の給与の問題をどうかしなければなりませんから、下手まごつくと文部省のほうは取残されるような危険が相当あることを看取しまして非常に心配しておるのです。そういうことは許せないことだ、文部省が取残され、落伍してしまうことは許せないことと私は思つておりますから、本当のことを言うと、そのほうへ力を入れておるのです。
  38. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その大臣のお気持並びに態度は諒といたします。それではその当面の最も重大な給与の問題と先般御回答をお願いしておいた問題について伺います。年末手当の問題でございますが、文部大臣としては一般公務員教育公務員とには、これらの給与については差別をつけない、継子扱いはしない、一視同仁で行くという基本的態度は堅持されておられますかどうか、その点先ず伺いたいと思います。
  39. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 勿論堅持しております。その決心に基いてそこに差別待遇があつてはならない。殊に教員は最も重大な職務使命を持つておる、目立たないが、これほど実は私は国家の再建について重大なる使命を担つておるものはないと思うのです。これは根本問題だと思いますから、そういう重大な使命を持たれておる人であり、面してその教員は経済的には皆恵まれておらないという事情があるのだから、何とかせめてこの年末の給与などについては差別待遇などをここにつけてはいけないという固い決心を持つてつております。伴しながら周囲の事情は最も不利な状態におかれているのですね、それは御承知のように。何とか不利を克服、打破してやつて行かなくちやいけないと、こういうので、一生懸命にやつているのですよ実は。
  40. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは具体的に伺いますが、昨日来大臣いろいろと努力されていることは私も承知いたしております。本日午前中閣議が持たれたようでございますが、当然この閣議協議事項に、この年末手当の問題は上つたものと考えております。本日の閣議では如何様決定がなされたのか、その状況を承わりたいと思います。
  41. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 閣議のことは実は申上げて……、私はもう隠したり何かすることは大嫌いなのだから言いたいのですが、閣議のことは決して洩らさないと、こういう申合せになつておりますし、言つていいことはスポークスマンとして官房長官がやることになつておる、こういう約束になつておりますから、実は遺憾ながら申上げられません。伴しながらそういう原則ではあるが、それじや余りにうま味のないことだから、まあ少し言つておこうと思います。
  42. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう官房長官が新聞で言つていますから大丈夫です。
  43. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 新聞で言つておることは、これは新聞は報道機関で耳をそばだてるが、これは閣僚として余り出過ぎたことをしていけないと思つておりますが、まあ少し言いますと、閣議で非常に出たのですよ、今日は長い閣議になりました。その長い閣議はほかのこともありましたが、最も長い時間を費したのは給与問題なのです。伴し給与問題にそんなに長い時間を費し、そうしてその閣僚がそれぞれの知恵をしぼり、熱意を傾倒したのですが、なかなか話がむずかしい段階にあるのです。殊に私と西田自治庁長官は同じような立場に立ちまして、非常に協調をいたしました。というのは、ほかの役所と違つて行政措置でプラス・アルフアを生み出すといつても、文部省としてはそういうことはないのですからね種が。だからそんなことをして昨年並みにやるといえば置いて行かれてしまうのですよ。それから行政措置といつても種がないということなのだから、ほかよりは非常に不利なんですよ。不利だから仕方がないとは私には思い切れないのですよ。私の心境を言つてもいいのだが、それじやどうするのだ、どこまでも一つやろう、大蔵大臣と取組んでもやろうというところなんです。伴し結論は得ませんでしたが、それで心境はないのじやないのですよ。進んで行く段取りは今日の閣議できめました。今でもすでにかかつておるでしよう、ですから、そういうことを経て、それでもきまりがつかなければ、私は大蔵大臣と直接談判を試みるつもりです。今日もやつたのです大蔵大臣と。ところがそういうことばかりもやつておられないし、そういう閣議の席でそういうふうになつちや困るから、まあ一つあとで個々に折衝をしようということになつたわけなんです。だけれども、その前に、もう少しやるべき途があるからそれをやつて、そこでうまくきまりがつけばいいんですよ、つかなければどうしても大臣大臣とでやるよりしようがないから、私は大蔵大臣のところに持込むつもりです。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その文部大臣の信念については、私は敬意を表します。で、従来人を教育する教育関係者はいつも差別扱いを受けて取残されて来た、今大臣が述べられた通りなんですね。昨年もそうだつたのです。で、先般の大臣の挨拶から本年こそは絶対に差別をつけないように文部大臣つて頂きたい。ついてはあなたが吉田総理に辞職を要望したがなかなかその通りにならなかつたから、あなたの信念の下に御承知のような行動をとられたとか、或いはビキニの補償問題について吉田内閣国務大臣であつたあなたがとられたときのああいう意気込みでこの問題を是非とも処理して頂きたい、この処理ができなかつた安藤国務大臣でもやはりこれは同じじやないか、民主党内閣になつたつて、自由党内閣と同じじやないかと、こういうことになると、あなたの株も下りますので、一つ安藤国務大臣にも是非一つこれは解決して頂きたいと思います。  そこで質問があるのですが、閣議では公労協関係は一・二五プラス・アルフア、そのアルフアというのは、各行政官庁において法律予算の枠内で、行政措置でできる最大限のものをすることを容認、黙認する、こういう決定だということを私は先ほど承わつたのですが、その通りでしよう。
  45. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 先ずほぼその通りです。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 間違いない、その通りです。そこでそれを前提として伺うのでありますが、そうしますと、あなたの所管下の国家公務員と地方公務員を考えた場合に、文部省はあなたが認められる通りに事業費も何も持たないわけです。だから農林省、建設省、通産省あるいは郵政、電通というような調子には参りません本省自体も。ましてや大学は国家公務員の方がいらつしやるわけですが、超勤なんかというのは、大学の教授諸君にはないわけなんですから、だからさなきだにその大学の教授は冷遇されておる、どうにもならんわけですね。このためには何かここに措置をしなければならぬ、これが一つの問題、それからあなたと西田国務大臣が肝胆相照らしたというのは、高等学校以下の地方公務員である教育公務員ですね。この地方財政は御承知通りでありますが、この切抜け策としては、当面地方公務員は国家公務員に準じて公労法を適用して、公労協の職員と同一扱いをすべきだ、これが一つと、それからそれに必要な財政措置は短期融資等によつて処置をするのが適当である、それ以外に方法がない、こういう意見が活発に閣議において出され、その検討をなされているということを私は承つているのでございますが、その見通しは如何ですか。
  47. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) それはあなたのお聞きしたところが全然違つてもいませんが、あなたの今おつしやつたことが全部当つてもいません。活発な意見の交換があつて、どうかしなければならぬということのために熱意を傾倒し、知恵をしぼつたことは事実ですよ。その方法としては、自分の役所のことに皆んな第一に責任を持つておるものですから、それに一生懸命なんです。ですから文部省のことは無論その事情もそうよくわかりませんし、だからそこまでは皆な行かないが、皆な自分自身のことは熱心なんで、私は文部省のことを取扱つているのだから、自分の見地に立つて骨を折つたのです。伴しそれで結論は出なかつたのであるが、いろいろな問題として今融資のことをおつしやいましたが、融資のことは、実は私もちよつと言い出したのです。伴しそれを全般の閣議にかけて、それじやそうきめようとかきめないとか、どうしようというところまでは行かなかつた。ただその話は出しておきました。だから私は最後になれば個人交渉でそれもやつてみるつもりです。伴しその他の何か方法が見出され得ればそれは無論いいのですけれども。で、その間そういうことの知恵をしぼつたり、いろいろな案を出す、そこに又一つ段階を経ることにしたのですよ今日は。その段階に今かかつておるというわけです。それから成るたけこれは早くきめようと思いますから、時を選ばずそういう段階を今経つつあるわけです。その段階は、今日から今夜或いは明日の朝ぐらいまでにやつちまうだろうと思うのです。そうすると今度、それでうまく行けば結構ですよ。うまく行かん場合には、どうしてもこれはこつちがやらなければならんです。今まででもやつているのですよ。いるのだけれども、それ以外に一つ段階を、霞をかけたようなことを言つておるが、或る段階一つお察しを願いたいのだが、或る段階事情に詳しい人にやつてもらつているのですよ。そういうわけなんです。
  48. 岡三郎

    ○岡三郎君 ちよつと関連質問。文部大臣が、教職員が一番危い、取残された立場にあるのだと、これは一体どういうところからこういうことになつて来ておるのかということをお考えになりましたでしようか。つまり組閣するときに、文部省の文教政策、文教というものは重要なところだから閣僚においても相当な人を置かなかればならんという声が出たということを新聞でも承わつておるわけなんです。問題は、口を開けば教職というものは人を造るので重要だと、こう言つておきながら、事実その待遇の場合において一番取残されて行く、重要なものが取残されておる。これは一体どこに欠陥があるか。これは三百代言を政治家が言つておるという問題になると思うのです具体的に言えば。それを文部大臣がやつておる場合に、閣議の席でほかの閣僚が簡単に承知しないで銘々のことをやつておることはわかるけれども鳩山内閣教職員に対してほかの公務員と同じようにやろうというくらいなことを一括閣議決定できない、余計やれというのではない、同じくらいにやれということをきめられんということは、私は不思議に思うのだが、文部大臣、その欠陥はどこにあるかということをお聞かせ願いたい。
  49. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) それはこの間も申上げましたように、常に私が感じておるのですが、あなたがたも御同感だろうが、教育というものが、文政というものが他の行政に対して比重が軽いのですよ。軽いというのは、頭の中にそれだけ閑却というか、もつと目先のことに、政治は目先そこへ出た現実からやつて行くのだから、それもやむを得ませんが、伴し現実というものを生み出すのは根底から出ておるのだから、その根底を培養しておるのが教育なんで、人間のすべてのそれを運営しておるその本をこしらえるのが教育なんだから、教育というものは実に閑却できないのですよ。そこまでは、やはり現実のほうが先で、それに捉われますから、自然閑却されやすいのです。伴し、それではいけないから、それを守つて行くのが文政当局だとだと思うのですよ。我々はそういうところに置かれているのだから、私は平生からそういうふうに思つておりますから、何も朝と野とを問わず、教育の比重を高めるということを先ず第一に総括的に言えばやりたいと思います。その中にも先ず出て来るのは、予算の問題です。教員給与の問題でも、ほかが出てこつちだけ落つこつてしまうというようなことでは、比重が軽いも重いも、まるで離れさせているようなものだから、そういうことでは済まされないと、そういう決心を持つてどこまでもやるつもりなんです。伴し、余りここで立派な口をききましても、その結果が非常に不利な状態になつておるから落着くところはよくわかりませんが、全然それが取りはずされるようなことでは、どうも鳩山内閣の値打はなくなりますね。それから又、私が文部大臣としてもどうも非常に満足ができないと思いますね。
  50. 岡三郎

    ○岡三郎君 満足できないなんて文部大臣が言つていたのでは、私は駄目だと思う。これは一番正直にやつている者が馬鹿をみるということでは政治はいかんと思う。これは鳩山さんの政治責任だと思う。今のところは、全国の団体とか言わんで、教員諸君はまだこの年末を職場で毎晩七時頃までやつておる。私は現実を見ておりますが、といつて、ストライキも何もやつていないでじつとしておる人を、おとなしくしていると、今年は教員団体がストライキなんかやつているけれども、それも必要があるからやつたのでしようが、結局おとなしくしておればみてやらないし、騒げば教員のくせに何たることかと、こういうようなことでは、要は政治というものが私は民衆に反映せんと思う。そういう点で、困つたということではなくて、安藤国務大臣にここで一つ断固として、教職員は他の公務員と共に多くやるべきだけれども財政上そうも行かんから少くても同額にやるということを私は固く決心しておるという言葉を聞きたいと思う。それでなかつたら、これから文教を指導される安藤さんが、やむを得ないときには先生はやはり少くなつてしまうのだということでは、どうも納得ができないが、その点どうでしようか。
  51. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 決心は、あなたの要求通り決心を持つております。ただ私としては固い決心が、いろいろな不利な事情、周囲、環境すべて不利な中にあるのだから、私の決心通りに実現ができるかできないかということを憂えているのですから、それをお話したのです。私としてはどこまでもやります。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今の岡委員の質問と私の質問、同一な質問ですが、先刻の閣議安藤国務大臣は、一般公務員教育の公務員と差等をつくるべきでないと、同一扱いをすべきだということをあなたが力説されて、それに関する限りは他の閣僚諸君もそれは同等に扱うべきだということについて別に異議がなくて、さらば具体的にはどうするかというので、先ほどあなたが言つたように、或る段階に今進みつつあると、こういうふうに私は了承しておるわけです。私も今日はこれで大臣に対する質問を終りますが、他の委員の質問が終りましたら、早急に今の段階の前進方にお骨折り頂きたいし、いずれ後刻お伺いに参りたいと思いますので、一つ今後とも早急にこの問題解決のために御協力願いたいと思う。
  53. 岡三郎

    ○岡三郎君 ちよつと事務当局に聞きたいのですがね。
  54. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) さつき閣議で声を励ましてやつたのですよ。励声疾呼したのですよ。皆も無論それに対して反対はないですよ。だけれども、そこでこの問題だけ一つやろうというところには行かなかつたのです。というのは、ほかの問題もそこで幾らやつてもきまりがつかないのですから、そこでその中間段階というものの過程を経ることにしたのです。それが一つのやはり進展だと思いますから、ですから無論できる限り努力をいたします。  それから岡さんの質問だが、閣僚が一体教育の重大性を認識し、又新内閣使命からいつてもそんなことは一致できまりそうなものだと、私はきまるだろうと思つておりますよ。又きまらせなければいけませんよほかの閣僚に。ただ閣僚はその問題は今日でお終いではないのですから、この次の閣議、或いはもつと早くすれば臨時閣議でも開いて、もう一遍かけなければ結末がつかないのですから、そこへ行けばきつときまります。又きまらせます。
  55. 岡三郎

    ○岡三郎君 是非きめさしてもらいたい。
  56. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) きまらせます。
  57. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 文部大臣からは繩々御意見を承わつたので、そういう御決意であれば、事務当局としてもいろいろな場合を想定して作業が進められておると思うので、前にどなたかが聞いておつたらもう結構ですが、聞いておらないとするならば御答弁願いたい。直轄学校関係では、今言われている国家公務員一・二五の支給は当然あり得るが、これにプラス・アルフアといわれるものが若しあつて一・三となつた場合にはどれだけの予算が必要か、或いは国鉄等が妥結した公共企業体関係のそれ、一・三五ということになれば、直轄学校としてはどれだけの金を必要とするか、又文部省の希望としてはその場合にはその財源としてはどういうものを一応今の場合、あとでどう始末するかは別として、今の場合どういう財政的なやり繰りをすれば可能であると希望を持つておられるか、想定されている場合についてお答え願いたいと思います。次には、地方公務員、高等学校、義務教育小中学校、これ全体についても同様、一・三、一・三五の場合どれだけの財源を必要とするか、それは将来において義務教育費半額国庫負担法ですか、それによつて二分の一を見られるような形で行くのか、或いは全体として融資ということで地方財源に将来はしつかりしたことをやつてもらうというふうに行くのか、この点の具体的なお答えがなければ文部大臣がしつかりやるといつておるようなことは空念仏だと聞くよりほかない、これは委員会でそういうことは言い得ない、言う筋のものではない、この場合には計算はどうなるかということは御答弁願わなければならない。
  58. 緒方信一

    説明員緒方信一君) 今のお尋ねのうち、若しも一・三五になつた従つて〇・一上げたという場合に幾らぐらいの金額が必要であるか、この点でありますが、国立学校につきましては一億二千万、それから公立学校につきましては義務教育については九億二千万くらいになります。それからその他の学校につきましては一億八千万くらいに概算でございますが、相成るかと考えております。それから更にお話になりました財源措置をどうするかということは、これはなかなかむずかしいのでありますが、まだ明確にお答え申上げることはむずかしいと思います。
  59. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 文部省側として今主張しておられるのでしようこれだけの金額は欲しいものだというふうに。ですから、少くとも直轄学校については文部省自身として考えられる点があつて、こうやればなし得るのだという原案がなければその主張が何ら裏付けがないので、ただ一萬田大蔵大臣にまさか政界の大先輩である大臣が、ただ出せ出せという子供みたいな交渉をするわけはない、ですから文部省側として、できるならば望ましい形はこういうふうにすればこうなるのだという原案はあるでしよう、お示し願いたい。それによつては我々の委員会としても文部大臣に御協力申上げたい。どういうことを考えておられるか、地方側に対しては文部省としては強制力はない、けれどもそういう温かい心やりでこうも措置したいというやはり一つの原案がなければ先輩政治家としてですね、後輩の一萬田さんにお前出せ、ちよつと出しておけというようなわけには行くものじやない、従つてその構想についても御発表願いたい。
  60. 緒方信一

    説明員緒方信一君) お説の通りでありますが、まだこれは事務的にこれからいろいろと交渉をしなければならん段階でございますので、今いろいろ研究いたしております。ただここで私こうするということをお答え申上げる段階ではございません。
  61. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は再三さつきから申上げておる通り、いろいろ考えられるものがあるだろうから、客観的にこうなればこうなる、こうなればこうなる、このことは相手のあることだからどうなるかわかりませんという答弁で私は結構なんです。あなたがたの考えを聞いておるんです。国会に対してどうのこうのということはないはずなんです。何も今更文部省としての考え方が国会に、この委員会に言えないという筋のものではないと私は考える、どうですか。
  62. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) ちよつと私からお答えします。細かいことは事務の当局に調べてもらい、やつておりますが、荒筋を言うと、私の考えではどうしても計算してこれだけの数字が要る。それは財源がないのですから、どこかひねり出すよりしようがない、それはあなたがおつしやつたように、それをやはりこちらが苦心しておるのですが、それをここで大ぴらに言えないということは、委員のかたばかりでもありませんし、いろいろ折衝をする段取りに余り全部はつきりしてしまわないほうがやりやすいという便宜があるものですから、そこは一つ御賢察を願いたいのです。伴しちよつと荒筋を言いますと、その財源を出すといえば予備金の支出を第一にするか、それができなければ預金部資金ですね、そういうものからやるか、伴しそれができなければ融資の手段でもとるよりしようがない、こういうふうに考えてだんだんとその道をとりつつある次第でありますから、まあ荒つぽいお答えですが、御了承を願います。
  63. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 抽象的に私お尋ねします。国立学校につきましては、一般公務員考えられておるような超勤の一時前払いとかいうようなこともあり得ない。そういう財源はない、従つてこれは新たに財源的なものを認めてもらうという方法で進むのでありますか、この点だけは、これもお答えがないということはないと思う。
  64. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 新たな財源を案出しろというのですか。
  65. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 融資も何も直轄学校はないのですから、国自身の問題ですから。
  66. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 新たな財源を、それが財源がすぐ出て来れば何も心配は要らないのですよ。なかなかないからどうするか。而もそれは時間的の問題で焦眉の急務なんですから、いろいろな立法をしていても間に合いますまい。だから今すぐ間に合せなければならんことで、とにかく来年からはこういう考えもあるのですよ。一体超過勤務の各省でやるところの行政措置ですね、つまり具体的に言えば、超過勤務の繰上げですか、そういうふうにしてやるということも、これもこの今年の年末の当面の急務がしまつてしまつたら、これは再検討する必要があると私は思うのです。それは果して今がその極めて適当な措置かどうかも一遍検討しなければいけないですよ。而もそれは間に合わない、そんなことをいつていても、それで今当面にどうするかということを主として考えておりますから……。
  67. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は実はしつこいようですが、もつともつと聞きたい、結局そういうことになると我々が、国会が承認しておる予算文部省関係予算であろうが或いは全体として留保せられておる予備、文部省関係予算であろうが或いは全体として留保せられておる予備費であろうが、これらを如何様に流用し或いは支出をするかというようなことは、我々に直接関係がある、我々はそれをどうするかについては知る権利がある、そういう建前ではしつこくお尋ねもしたいところですけれども、まあ事務当局としてお答えしたくないということであれば、一生懸命努力になるという前提なんですから、これ以上はお尋ねをしないで、文部大臣の政治力に期待するわけですが、ただ結果としてものになつた場合にでも、仮に文部大臣がおつしやるような融資というような措置で、地方公務員である教職員関係に一時的な措置をしたいということになつた場合でも、ただ金が出るのだ、借りにお出でなさいということだけでは、今の地方財政の実情或いは自治庁等から各種の勧告等によつて地方自治体の理事者としてはなかなかおいそれと動かない、或いは時期を逸すると今各府県で開かれている県会、これは終つてしまいます。そうすると県会の議決もない予算外の支出というような形にもなりますが、知事の専決処分になる、そうなればなおこれは来年度の選挙その他の問題を控えておる地方公共団体としては、なかなか機敏に自発的な意思をもつて国のそういう温かい思いやりというものを実現するということには困難がある。従つて仮に融資という問題がきまつたにした場合でも、地方にそういうふうに実現させるような指導と助言というものは、文部大臣だけではこれは十全なものではない、どうしても自治庁関係と共に地方公共団体にその趣旨が徹底するようにお取扱いを願わなければならんと思うのですが、文部大臣に対してはこの点は当然のことと、御同感だろうと思うので、強く希望しまして、お答えはまあ望みませんけれども、是非そういうことをお取計らい願います。
  68. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) 別に答弁要求をなさらなければ結構ですが、あなたが今おつしやつたように考えております。考えておつて、すでに私は、例えば融資なり、仮にですよ、仮の問題ですけれども、仮に融資といつても、自治庁長官のほうに廻しても、だまつておると、そういうこともないだろうが、或る場合には、余りやらないという例もあるのです。こつちの要求しておる教職員に、そんなことあつてはならないから、厳重にそういうことをされないように、文部大臣は言うまでもなく、あなたもおつしやつたように、自治庁長官と両方の責任においてうまく行くようにしたいという準備を持つておりますから。
  69. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや結構です。
  70. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) そのつもりでいて頂きたいと思います。
  71. 岡三郎

    ○岡三郎君 結局大臣、今さつきの言葉で、もう終りますが、今日やつて明日相談して、遅くとも明後日頃にはおきまりになるというお話しですか、そういうふうに読んでもよろしうございますか。
  72. 安藤正純

    国務大臣安藤正純君) そう早ければそう行きたいのですが、少くとも今日、明日、だめなら明後日ですが、私はまあこれをどういうふうにしておるかわかりませんが、そんなに延ばせないですから、これは遅くとも、どんなに遅くとも、この次の定例閣議までにはきめてしまわなければならんと思つております。
  73. 堀末治

    委員長堀末治君) それでは本件に対しての御質疑はこの程度にいたしまして、次の議題に移つて差支えございませんか。
  74. 堀末治

    委員長堀末治君) それではそういうことにいたします。   —————————————
  75. 堀末治

    委員長堀末治君) 次に北九州等炭鉱地帯北海道等冷水害による被災地における学童問題について御質疑をお願いいたします。  ちよつと速記とめて。
  76. 堀末治

    委員長堀末治君) それじや速記を起して。
  77. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私冷水害の被災地或いは北九州における炭鉱地区におけるいろいろな生活保護関係で困つておる事態については国会でも問題として再三、十九臨時国会でも予算委員会等で問題になつてつたのですが、それの政府考えておられた各種の対策がどういうふうに実施されつつあるのか現状について承わりたい趣旨なんですが、その前に文部省としてはこういう、私只今挙げたような地域における学童の関係者がどういう実態に立つているか、資料をお取寄せになつておられましたら御発表願いたいと思います。
  78. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 中小炭鉱の不況をめぐります関係児童の困窮の程度につきましては、文部省といたしましても調査をいたしまして只今調査報告書を持合しておりませんが、相当数の学童或いは欠食しておる、或いは又長期欠席をしておる或いは又学校給食を実施しておるところにおきましては給食費が払えないというような現状につきまして調査いたしまして甚だ同情に堪えないのでございます。そこでなお文部省調査のほかに関係府県から、これは主としてその地区の教育組合の調査でございますが、その資料も私ども頂戴しておりますので、或いは又府県教育委員会のほうからも資料を頂いておりますので、それらによりまして何らかこれは措置しなければならんという考えを以ちまして御承知と思いますが、十月の七日に通を関係教育委員会に発しまして、最近の経済不況に伴う困窮者の児童に対する措置を指示したわけであります。その要旨は御承知と思いますが、生活保護法によつて現在援助を受けておりまする家庭の児童につきましては教育扶助というものがございまして、それによつて援助を受けるということはこれは当然でございますが、なおまだ教育扶助の趣旨が徹底しておらないという向きがございますので、それらにつきまして十分関係教育委員会は生活保護法による教育扶助の趣旨の徹底について努力してもらいたいという点が第一点でございます。  それから第二点といたしまして生活保護法の適用資格がその家庭につきましてはないけれども、そこの児童が学校給食費の負担ができないというような場合におきましては、生活保護法の規定によりまして、十条但書によりましてその児童に対して教育扶助を支給するという措置もあるから、この点につきまして十分調査の上措置してもらいたいという趣旨でございます。  それから最後に学校給食を実施しておりまする学校の学童につきましては、只今申しました生活保護法による教育扶助の規定があるわけでありますが、学校給食を実施しておらない学校の児童につきましては、これは欠食という現象となつて現れるわけでありますが、これらの欠食児童がありますることは甚だ遺憾でありまするので、これを今後なくすために速かに学校給食を実施してもらいたいという趣旨がその三であります。それがために文部省といたしましては学校給食施設設備の補助金を特にこの地方に対しまして重点を置きまして配分するということがその第四でございます。只今まで、主といたしまして長崎、福岡、佐賀地区の炭鉱でございますが、これに対しまして施設設備の補助金といたしまして特に重点的に約六百万円余りの施設設備の補助金を配布いたしましてそれぞれ措置をしておりますが、要するに十月の通牒はかような趣旨のものでございます。  それから一方北海道地区の冷害地におきます学童に対する対策でございますが、これにつきましては昨年の冷害に引続きまして本年も冷害を受けました。非常に気の毒でありますが、昨年の冷害の際におきまして、ユニセフ、国際連合の児童救済緊急基金です。ユニセフの援助によりましてミルクの無償配給をいたしましたのでございますが、それが本年の十一月で期限が切れるのでございます。ところが今回又再び冷害がありまして、従来冷害を受けた地区に更に重ねて冷害を受けたという所もございます。又新たに冷害を受けた地区もございますので、それらを伴せ考えまして従来のユニセフ・ミルクの支給を受けておつた地区の学童につきましては、これを更に本年の十二月一ぱいに延長するという措置をとりました。それから新たに今回の冷害によつてつた学童に対しましては、更に追加いたしまして、これに数にいたしまして約三万七千人の学童になりますが、これに対しましては、別に追加いたしまして、これも本年の十二月まで学校給食用ミルクの無償配布の措置をいたしまして、一応只今までさような措置をとつてつております。
  79. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その十月の通牒については前から何度もそれは国会でも問題になつたわけで、その通牒の欠点は財政的な裏付けがそれにあるかどうかという問題が種々論議されたところなんです。で、文部省としてもその通牒を出した以後の実施の経過についてはいろいろ把握されておる点があろうと思いますから、簡単にお尋ねしておきたい。  先ず炭鉱地区なんですが、学校の給食施設の扶助というものを六百万出したということですが、六百万は小学校何校或いは中学校もやるとするなら中学校何校に対して出したもので一校平均幾らの金が出たということになつていますか。
  80. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) お答えいたします。学校給食の施設設備の補助金は本年御承知通り約五千万円を認められまして、その配分に当りまして特にこの炭鉱地区並びに先ほど申し落しましたが、北海道の地区も入つておりますが、これに対しまして特に重点的に配布いたしましたのでございます。学校数にいたしまして二十八校ぐらいに当ります。金額は先ほど申上げました通り、約六百万程度でございます。なおこの細かい指令につきましては只今更に厳査をいたしまして遺憾のないようにいたしたいと思つております。
  81. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 六百万の二十八校というと、一校当り大体二十万弱でありますね。この金が出て学校給食施設が一応できれば、該地域の学校給食関係は大体全地域の学校に瓦つて実施されている、そういうふうに把握していますか。それでもなお且つ何%の学校が或いは該地域の児童数から言えば何%の児童生徒に対して学校給食が行われているのですか。
  82. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 只今申上げました学校数並びに補助金額はこれは問題になつておりまする中小炭鉱の所在する地区に重点をおきまして、取りあえずそこに配分したわけでございますので……。
  83. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の質問に応えてもらえばいいので、もう簡単なんですから計数を挙げて応えて下さい。
  84. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 例えて申しますれば、福岡県で十二校でございますが、そのほかにこれは中小炭鉱の人のためにこれは割当てたのでございますので、福岡全体といたしましてはこれがすでに給食を、殊に福岡県におきましては約九〇%も実施しておりますので、恐らくこの福岡県につきましては相当百%に近い給食が行われるものと想像されますが、例えばその次に佐賀県でございますが、佐賀県につきましてはこれは非常に給食の実施率が低いのであります。殆んど自力で給食を行なつておらないというような状況でありますので、そこでただ今日まで行われております佐賀県の給食は、昨年の水害によりましてユニセル・ミルクの援助を受けて無償でやつておる県でありますので、従つて今日佐賀県に中小炭鉱の救済のためにその児童に出す給食施設は僅か二校でありますが、これによつて佐賀県の給食率のどの程度に当りまするか、これは極めてパーセンテイジは低いものだと思いますが、要するに只今申上げました数字は中小炭鉱の不況のために困つておる児童の救済を目途として配分をいたしたものでございますので、給食全体の普及率の上から、どのパーサンテイジになるかという点につきましては、なおこれは調査いたしませんとはつきりいたしませんが、そういう意味におきましてはパーセンテイジは極く僅かなものだと思つております。
  85. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私お尋ねしていることに明確にお答えになれるような材料を文部省ではお待ち合わせないようですが、十月の通牒以降それがどう実施されているか、或いはどういう結果になつているか、統計的なものがないということは私の不満とするところであります。今佐賀県二校の給食施設補助金を出したと言いますが、それによつて佐賀県の不況炭鉱地帯の学校の給食は百%実施されておりますかおりませんか。
  86. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 佐賀県につきましては、佐賀県の教育委員会のほうと打合せいたしまして資料を取寄せておりますが、いろいろな関係からなかなか佐賀県のほうでは、実際上給食を実施するというような確たる資料が得られませんので、恐らくこの二校でもつて今回の中小炭鉱の不況の救済には、それは勿論十分ではないのですけれども、或る程度満足し得る、かように考えております。
  87. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 満足ですが。
  88. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 或る程度充足できるものだと思つております。実際問題といたしまして、佐賀県ではなかなか資料の整備が十分でないようでありますので、これは個々に教育委員会と当つておりませんので、この点は一つ御了承頂きたいと思います。
  89. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 佐賀県の委員会における十月の発表によると、欠食児童生徒数は四千七百二十名、この地域において、それが二校の給食施設が完備したからということで満足なわけはない。そういう楽観的なことは私言えないんじやないかと思うが、まあこれは意見ですからこれ以上あなたには申上げません。  では次に教育扶助の関係でお尋ねしますが、教育扶助を仮に長崎、佐賀、福岡三県、これの各学校で適用されるよう通牒を出したということですが、もう二ヵ月になつております。その結果教育扶助の適用を受けしむるに至つた児童生徒数は三県において何名ですか。
  90. 安田巌

    説明員(安田巌君) 生活保護の中で、教育扶助のお話でございますけれども、この場合に問題になりますのは、先ほどもお話あありましたところの欠食児童の問題でございます。ところが生活扶助費の中には、子供がおりました場合の昼食の費用というものが入つておりますから、そこで学校が給食をおやりになつておるところには学校給食ができますけれども、そうでない場合には学校給食ということが教育扶助がないわけでございます。今まで私どものほうで調べましたのでは、先ほど文部省のほうからお答えがありましたけれども、福岡その他で若干おやりになつておるようでありますが、佐賀その他ではどうも学校給食がうまく行つてないというようなことで、実際に学校給食の教育扶助を出すということが非常に少いように思います。お尋ねのこの前の通牒を出してから何県が教育扶助を受けたかという数字は、まだ私どものほうへ届いておりません。
  91. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 文部省のほう、どうですか。
  92. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 私のほうはまだ数字を取寄せておりません。
  93. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで学校給食関係教育扶助は、実際上完璧に行われておるとは、あなたのほうでは予想しておるわけですか。
  94. 安田巌

    説明員(安田巌君) 生活保護といいますのは、これはすでに御承知でございましようけれども、一人々々の世帯の実情を調べまして、そうしてそこの家が何人世帯で、男女別年令構成がどういうふうになつておるから幾らの費用が要る、それに対しまして資産調査をいたしますというとどれだけの収入がある、それならばこれは生活扶助をやるか或いはやらないか、或いはどれだけの足し前を出せばいいのかと、まあこういう計算をするわけでございます。そこで私どもといたしましては、平素からそういうふうな世帯があります場合には民生委員或いは福祉事務所のケース・ワーカーがこういつたような者がないかどうかということをいつも注意していなければならんわけでございまして、これは炭鉱の問題にいたしましても、火事があつた場合にいたしましても同様な見地から取扱わなければならん、炭鉱の災害だから特別にこういうふうにしてやれとか、或医は冷害であるから特にこの点を緩めてこうしろいうことは実は言えないわけでございます。そういう意味から実は九州の炭鉱の問題につきましても、従来からしばしばそういつた場合の注意を促しておりますし、それから九月になりましても、そういつたようなことが遺憾のないようにということで実は申しておるわけであります。私どもはそういう点で、そう私は殊に実施機関が地元の市でありますとか或いは県でございますとか、むしろ私どもがそういうものをやつちやいかんと申しましても向うが実情を見るに見かねということになりますというと、やるような場合のほうがむしろ多いような傾向がございますので、適正な運営ということをいつもやかましく申しておるわけでございます。そういうわけで先般も私どものほうの担当の課長が福岡に参りまして、丁度九州の課長のブロック会議をいたしました席上でいろいろその話をいたしたのでございますが、福岡におきましては、もう一度一つ炭鉱地帯の各世帯の一斉調査をやる、そうして漏れがあるかないかということを民生委員と福祉事務所のケース・ワーカーが共同して実はもう一度調査をやり直しておるわけです。そういうことを聞きましたので、佐賀、長崎におきましても、もう一度それをやつてみろという指示をいたしておりますので、一応私どもといたしましては遺憾のない措置がとれるものだというふうに考えております。
  95. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私のお尋ねしているのは、学校給食を実施しておるところでないと教育扶助の適用は実際上あり得ないということですから文部省のほうに聞いているのです。通牒を出した後、学校給食をやつている学校の児童、生徒で、この教育扶助の適用を受けた人数は幾らか。
  96. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 通牒を出した後の教育扶助の適用を受けた人数でございますから。それにつきましてはまだ調査をしておりませんので至急報告を取りたいと思います。ただ私のほうで調査いたしました今年の九月現在の数字でございますが、炭鉱地帯におきまする学校給食の実施状況を申上げますと、現在北海道を入れまして、北海道、山口、福岡、佐賀、長崎の現在学校給食の対象児童数は二十一万ございます。現在これは学校給食を行なっておるところでございます。そのうち生活保護法の適用児童数は現在、これは二十九年九月現在でございますが、現在生活保護法の適用を受けておりますのが、そのうち学童につきまして五千八百八十名、それから学校給食をまだ行なっておらない地区の児童数でございますが、これは約十六万四千人、そのうち昼食の欠食者、学校給食を行なっておらんところは欠食児童が多く出るわけでございますが、この欠食児童数が五千百八十九名、これは二十九年の九月現在の調査でございますが、従って私どもの通牒を出しました十月以降につきましてどの程度これが殖えておりまするか、その点、至急調査をいたしたいと思います。
  97. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると十月に通牒は出した、六百万の学校給食施設の補助を出した、が伴し、それは佐賀県においては二校だけということで、中小炭鉱の全体についてどれだけの学校給食が行われ、今日においてどれだけの欠食児童がまだおるのかどうかは不明である、確かめておらない、或いはこの教育扶助を受けるようになっておるか、なお欠食児童がどれだけ残つておるかということについても調査はできておらない、その点だけは事実として明らかである。又この点は改めて別にお尋ねいたしますが、厚生省のほうのおかたに生活保護のほうの関係でお尋ねしますが、この中小炭鉱、主として中小炭鉱三県についてお尋ねしますが、確かに生活保護の適用について、その緩急自在よろしきを得るように勝手な取扱いをするようにはできない、これは重々承知しておりますが、不況に伴うこの転落しておる家庭というものは殖えておるわけなんで、杓子定規で生活保護法の適用をして行く場合には殖えて来るのは当然だと見るのが至当だと思うのです。それでこれは何月と何月を比較するということも到底できないことでしようが、前年度と少くとも対比して最近どれだけ生活保護法の適用を受けておる受給者が殖えたか、この点をお示し願いたい。
  98. 安田巌

    説明員(安田巌君) この炭鉱地帯だけを選り出した数字というものは今ここにございませんけれども、一般的に申しまして、全国的な統計といたしましては二十九年の七月が一番新しいのでございますが、生活扶助を受けておりますところの人員は百六十四万五千四百八十九人でございます。二十八年の同期が百六十八万六千七十三人でございますから、若干の約四万人ぐらいが減っておるのが実情でございます。
  99. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは前自由党内閣で草葉厚生大臣が再三言明しておるところによると、生活保護法によって救済するという途については今後徹底して、その趣旨を徹底せしめて、そうして国庫における負担は義務的な負担なのだから、自動的に国が面倒を見る、地方には心配をかけないのだとまで言っておる。にもかかわらず、この中小炭鉱地域について生活保護法の適用の実態がどう推移しておるかという現状の把握がないということはどういうことですか。前自由党内閣はいい加減な抽象的な観念に基いてだけものを言っておつたのですか。そういうことであれば、この関係において生活保護の費用がどれだけ殖え、国としての負担分はどれだけになるというような目安の出ないことはそれは当然のことだ、どうして当事者であるあなたのほうにそういう資料を用意せられておらんのですか。
  100. 安田巌

    説明員(安田巌君) 大体こういった統計が集まりますのはなかなか時間がかかるということでございますが、私どもといたしましては、とにかく福祉事務所も信頼いたしておりますし、実施にそういうふうに転落をいたした者につきましては遺憾のない措置がとり得るというふうに実は考えておるわけでございます。それから昨年と今年に比べて人数が減ったということも、単純に人数が減つたから運営がうまく行ってないのじゃないかということでなくて、やはりこれにはいろいろ理由として推測されるものがございまして、例えば軍人恩給等の裁定が進んだとか或いは又保護資金の貸付が円滑に行なっておるとか、まあそういうことによりまして、それだけの人数の減少があるわけでございます。
  101. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう抽象的なことで、或いは推定で具体的な緊急な対策というものができますか。例えば、じやああなたにお尋ねしますが、十九国会における予算委員会で草葉厚生大臣は、これは生活保護には直接関係ありませんが、生活保護或いは教育扶助による給食の徹底ということを今後も一層やつて行くという言明をしたあとで、こういうのに関連いたしまして、近くケア物資を大体一世帯に十三乃至十四ポンド程度或いは米なりバーターなりチーズなりラードなり、その他牛肉の缶詰等をできるならば年内に、主として炭鉱地帯の福岡、佐賀、長崎……、困窮世帯でございますから、生活保護の関係とは別に約一万六、七千世帯に出して配給いたしたいと考えております、と答弁しておるのです。生活保護法の適用とは別に、その関係とは別にこの三県に一万六、七千世帯に対して配給したいというのです。一万六、七千という世帯がどういう根拠に基づいてこれは出て来たのですか。
  102. 安田巌

    説明員(安田巌君) これはケアの物資を日本で分けたいというお話がありまして、どういうふうに分けるかということにつきまして私どもが相談を受けたわけでございます。で、私どもは炭鉱の生活困窮世帯にそれを分けたらよかろうというふうにいろいろ意見を申し、なおこの三県についてはこういう数字を取つたわけでございますが、その数字は現に生活保護を受けておりますものと、それからそのほか受けてはいないけれども生活に困窮しておる世帯というものを加えた数字を出してもらつたのが一万六千六百三十五世帯でございます。それに対してこういったような好意ある援助物資がついたのでございますので、これを分けようという数字が先ほど草葉大臣が述べられた数字でございます。
  103. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると一万六、七千世帯のち、現在生活保護の適用を受けている世帯は幾らですか。
  104. 安田巌

    説明員(安田巌君) これは只今資料を持合しておりません。
  105. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その他の生活困窮者という基準は、どこでどういう基準を定めたのですか。
  106. 安田巌

    説明員(安田巌君) 繰返して申しますけれども、この炭鉱の不況に対しまして生活保護法として特別な対策をとるということはできないのでございます。結局そういつた事態が起ります場合に、生活保護法の適用が漏れのないように適正な運用をする以外に私どもとしては方法がございません。そういう意味におきまして、しばしば私どもは主管課長なり或いは部長なりが現地に行きまして、そういつたようなことを示しているわけでございます。そうして又今度の三県におきまして一斉調査をやるということも、数字が欲しいのではなくて、具体的にそういう世帯の訪問活動をいたしますことによりまして漏れがないようにということをやる以外に方法はございません。先ほど申しましたように、炭鉱の不況であるからこういう手を打とう、或いは冷害であるからこういう手を打とう、或いは火災があるからこういう手を打とうということはできないのでございまして、教育扶助につきましては、例えば欠食児童の問題がありましても、いろいろ実情を調べますと多種多様にございます。例えばその家庭が生活扶助を受けておる、そうして子供が給食の施設のある学校に行つておるという場合には当然給食の教育扶助を必ずやつております。伴し学校に弁当が持つて行けないという家庭でも、実は生活扶助を受けておる場合もあるのでございます。これは一月に例えば五人世帯で七千円なら七千円という額をやりましても、その世帯主なり或いはその他が、これは余りいい例ではございませんけれども、前の晩に酒を飲んでしまつて米が買えないとか、或いは前の晩に米を食つてしまつたから、翌日欠食したというようなこともございます。具体的に一つ一つ私は事情が違うのではないかと思つております。なお困窮世帯を如何なる基準で選んだかということでございますけれども、これは私どもはケア物資という生活保護法の適用の問題とは別で、外国の好意によりまして、少しでも困つた人に上げたいという趣旨でございますから、それほど私は厳格な基準を出したのではなくて、生活保護を受けておる家庭及びそれに準ずる困つた家庭という程度の実は分類をいたしまして照会をいたした次第でございます。
  107. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あなたの今までおつしやつたことは私にもわかる、同じ生活保護法の適用を受けておる家庭でも、それはさまざまな実情にあることは私たちの近所においても現に見て知つております。だからそういうことは私は聞いておるのじやない、具体的に厚生省或いは文部省が、この炭鉱不況地帯について現に起つておる問題について、どういう対策を立て、どう実施しておるか、そういう点を明確に当面の責任である関係省が把握しておるかどうかということを聞いておる。ところが一つ二つの例についていろいろのことは言うけれども、どういう実情になつておるからどういう手を打つのだ、生活保護の関係ではこうなつておるからこうするのだということを、何ら資料として統計的にも数字的にも示されない、こういうことでは当該地域の住民にしましても、我々又再三今日までこの点を要望して来た者にとつても遺憾に堪えない、全力を挙げてやつておるならやつておるという裏付になるような幾多の資料なり統計なりが我我の前に堂々と示されて、その点はこう解決して来た、この点はこういうふうに好転して来ておるという御報告があつて然るべきだ、それがないのが遺憾なんです。ただ生活保護法の適用を歪曲してまで適用させろとは誰も言つていない。けれどもこういうふうに困つて来れば、転落して来る失業者諸君というものもあるのですから、生活保護の客観的な適用を受ける者も殖えるのじやないか、殖えておるならその実情はどうかといつてもその資料はない。而も我々の陳情を受けたところによりますと、関係市町村長は生活保護法の適用を受けさせるにしても、町村自体の負担もある。今抱え込んでおるもの以上に殖やせないというような実情で困り抜いている。国の援助が欲しいということを言つて来ておる。この点については厚生省としてはどういうふうに把握しておられますか。地方財政はそういうものについてまだまだ出し得るとお考えになつておられますか。相当の不況にあるということはお認めになつておられますか、認めておるとすれば、どういうふうに具体的にこれを処置しようとしておりますか。十九国会における生活保護関係の費用が殖えたという点もありますが、この内容としてこの地域のほうに或る種の金が重点的に流されるというような方法も研究しておられますか。
  108. 安田巌

    説明員(安田巌君) この生活保護費の負担の割合は国が八割と、それから県及び市でございます。つまり県知事が実施の責任者になつておる。市におきましては市長が実施の責任者になつておる。この二つが二割の負担をいたしておるわけであります。県も、或いは市も地方財政の窮迫の折から、その二割の負担ができないからやらないということになりますと、それに対する措置といたしましては、法律を変えまして、負担区分を変えるほかないのでございますけれども、私はまだ国が八割を出すけれども二割は出せない、而も若し真に困窮しておる自分の所の県民まり市民を前にして、二割は出せないから放つておくのだというほど私は困窮はしていないのではないかという感じでございますけれども、若しそれでも出せないということでございましたならば、将来の問題といたしましては、こういつた負担区分というものをどうするか、或いは又負担区分を変えるのでなくて、地方財政をどうするかという問題になるのじやないかと思つております。
  109. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでこの間の補正予算に出ておる金がもう配分についてはどういうふうになつているのですか。
  110. 安田巌

    説明員(安田巌君) この間補正予算でお認めを願いました生活保護費は七十億でございますから、三百五十四億の金が生活保護費として年度末までに使えるわけでございます。ただ現在までに二百五十七億ばかり府県及び市に出しておりますが、そのほか本日の、多分私、判をつきましたので決裁になつたと思つておりますけれども、明年の一月分までのものを今日実は送るつもりでございまして、この三十三億五千万円を合せますというと、二百九十一億三千万円というものが地方に送られまして、明年の一月分まではそれでやれるという計算になつております。伴しこれは繰返して申しますれども、この七十億の内訳にいたしましても、或いは従来の当初予算と今回の七十億を加えました総額にいたしましても、教育扶助でありますとか、或いは生活扶助というものは、これは単なる中の見積り予算の項目のようなものでありまして、府県におきまして実際に要る費用のほうに廻すことは、これはできます。私のほうでもその措置はできるわけでございます。現在のところは国の予算のほうは先般の七十億の補正予算を計上して頂きましたところによつて、年度内はまずまずいいのじやないか、こういうふうに思つております。
  111. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではまあ厚生省のほうから片付けておきたいのですが、さつき話をしましたケア物資ですね、できれば年内にということでしたが、もう手配は済んでおりますかどうか。
  112. 安田巌

    説明員(安田巌君) これは大臣がお話になりましたときに、そういうふうな話でございまして、向うのほうを積み出したというような話でございましたけれども、実は私まだ着いたということを確かめておりません。帰りまして、どのくらい延びますかということを、一つ確かめてみたいと思います。
  113. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、前内閣の厚生大臣の言っていることは結局ちやらんぽらんな、いい加減なことを言っておつたことで、ちつとも具体性がない。この緊急なる対策、緊急なる措置ということにはならん。重ねて申しますが、遺憾でありますが、伴し今は民主党の内閣なんで、あなたたちとしては同じ立場にあつても、内閣が迭つておるのですから、又新内閣の施策として、どういうふうにせらるるのか、お尋ねをしたいのですが、これは大臣の公約でもありますから、着き次第、ケア物資等は現地に速かに送つて配給できるように万全の措置をとって頂くように強く希望しておきます。  文部省のほうの関係に移りますが、先ほどの続きですが、北海道の冷害地についてはミルクの学校給食に対する無償配給をしておる。本年度の分については引続いて来年に瓦つてつて行くということでございますから、あなたのほうに北海道の学校関係、児童生徒の関係の冷害による影響はどうであったかという資料がまとまつておりますか。
  114. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 昨年の冷害によりまして……、
  115. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや今年のことですよ。
  116. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) いや、昨年から続いておりますので、話の都合上昨年から申上げますが、今年の冷災害によりまして被災いたしました児童数が十六万七千名で、続いて昨年から引続きましてユニセフ・ミルクを受けております児童数は十三万名、従いまして三万七千名が今年新たに殖えたわけであります。それによりまして、先ほど申上げました通り、本年の十二月までユニセフ・ミルクを追加するという措置をとつてございます。但し三万七千名の地区は本年新たに殖えた冷害地区でございます。ところが昨年冷害を受けた地区で本年も又冷害を受けた地区もございますので、従って救済を要する児童数はダブつておるわけでございますが、それが三万七千名のほかにプラス・アルファがダブつておるわけであります。それで私どもは大体資料を取寄せておりますけれども、なかなかはっきりした資料は得られませんので、大体二万名くらい殖えておるんじゃないか、まあそんな見当を立てております。従って北海道の分とそれから話は前後いたしますが、先ほど申上げました九州の中小炭鉱地区の困窮した児童というものに対しまして、とにかく本年の十二月まではいずれにしろユニセフ・ミルクの配給によって或る程度充足されておる、と申しますのは、多少ユニセフ・ミルクに余裕がございますので、まあそういうことのやり繰りと申しますか、それによって何とか本年中はやつて行けそうな様子でございますので、問題は来年以降どうするかという問題になろうかと思います。これにつきまして、実は前大臣も大変心配されておりますし、又安藤大臣も非常に心配されております。御相談申上げました結果、御承知の今回余剰物資が千五百万ドル参ります。この中に小麦とミルクと綿花がございますので、この詳細につきましては今後向うのアメリカ当局と話合いをしなければなりませんが、いずれにしろミルクがありますことは確実でありますので、これを見合いいたしまして、とりあえず手持のもので立替えまして、急を要しますので、そういう方法によりまして、来年一月以降これを引続き支給することは実は只今検討中でございます。来年何月までこれを続けられますか、まだ検討中でございますが、取りあえず一月分だけでも至急手配をいたしたい、実はかように考えております。
  117. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ミルクのことはよくわかりました。私ミルクのことを聞いておるのじゃない。北海道の冷害による児童、生徒に与えている影響について御調査になっておるかと聞いておるのです。十六万なにがしが被災児童である。そのことはわかりました。そのうち生活保護の適用を受けている家庭の児童数は何人であるか、教育扶助を受けておる者は何名であるか、欠食児童、生徒数は現況において、ミルク以外の欠食ですよ、これは幾らか、御調査になっておるならお知らせを願いたい。
  118. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 先ほど二十九年度九月現在でもって全体の総計を申上げましたが、内訳で申上げますと、北海道につきましては、現在学校給食の対象児童数が三万二千名、そのうち生活保護法の適用児童数が四百六十一名、それから学校給食を現在実施しておりません児童が二万六千名、そのうち給食を欠食しております児童が六十五名というのが只今の私ども調査でございます。
  119. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 衣料のほうは間に合つているのですか。この寒さに向つてですね。
  120. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 衣料のほうにつきましては、まだ調査しておりません。それから先ほど私申上げました数字は、これは北海道の炭鉱地区の数字でございます。
  121. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私冷害の関係を聞いているのです。
  122. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 冷害関係につきましては、まだ資料は全部整つておりません。只今調査中でございます。
  123. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 確かに調査中ですか。照会しておりますか。
  124. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 調査中でございます。最近も管理局のものが北海道に参りまして、もうすぐ帰ると思います。調査中でございます。
  125. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私どうも質問したくなくなりました。どうもこれだけ国会関係委員会等でいろいろ問題にもし、或いは予算審議に当つても大きな問題として質疑の行われて来ている問題を、具体的な措置、実際的な対策というものについて、十分把な握がないように思われる。私は当委員会としても、この問題は重要な問題として考えなければならんのですから、いつまでも委員会は開けない。何かやつぱり文部省或いは厚生省、御苦労でも本当に恵まれないこういう地域の児童、生徒並びにその家族に対して、緊急な対策をもっととり得るような科学的な資料を以て、しつかりした対策を立て、実施してもらいたいということで、何らかこれは要望する必要があると私考えますが、ちょっとその点で速記をとめて頂きたい。
  126. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記をとめて。
  127. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記を起して。
  128. 安田巌

    説明員(安田巌君) 先ほど小笠原委員の御質問の中に、ケア物資の日本到着がはっきりしないじゃないかというお話がありまして、大臣が申しましたときには、実は十二、三日頃に着く予定でありましたが、これは向うのそういうふうな電報であったのでありますが、今照会いたしましたら、昨日十六日ケア本部から、ケア団体及びカトリツク救済奉仕団に、ケア物資の到着は二十日になる旨の入電があったのであります。総領は十九万ケース、一ケース当りバター一ポンド、チーズ二ポンド、ラード一ポンド、綿実油一ポンド四分の三、隠元豆の缶詰一ポンド、牛缶一ポンド、米六ポンド、計十三ポンド四分の三。一ケースが大体一世帯に行くということであります。着きましたならば、これは私どものほうが直接やるわけではありませんが、できるだけ早く現地に送つて頂くように手配いたしたいと思います。
  129. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この問題に関してのやや根本的な問題の解決策として、先ほど私は文部大臣に代る官房副長官に簡単に質問したいと思って、委員会出席要求したのでありますが、如何でありましようか。
  130. 堀末治

    委員長堀末治君) 今要求したのですが、官房長官は今総理大臣と何かのことで打合せ中でちょっと手がすかないと、官房副長官はちょっと所在が見当らないで今探しておるというわけなんです。それから今小高政務次官は来るという通知がありましたけれども、まだ見えておりません。そういうことでございます。
  131. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは早く来るように言って下さい。
  132. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記とめて。
  133. 堀末治

    委員長堀末治君) 速記を起して。
  134. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官並びに文部政務次官が出席される前に近藤局長に一、二伺います。本国会が開会される前に、即ち閉会中の委員会が開かれた当時、この問題を論じたときに、各省で中小炭鉱の困窮事態の解決のために十分連絡協議をとつて善処するということを本委員会で確約されて帰られておるわけですが、その後どういう協議がどの程度なされ、あの問題を解決された如何なる部分があるか。それを御答弁願いたい。
  135. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 私も只今矢嶋委員のお話は承わつております。その際経済審議庁が中心になって関係省と随時事務的な連絡をとつておるというお話を私は伺つたのでありますが、改めて中央対策本部というようなものを作つてやるというふうには実は承知しておりませんので、文部省といたしましてそういう関係の会合には今日まで参加いたしておりませんが、伴しながら私どもといたしましては、学童のためにはいろいろ調査をし研究を続けて参っております。
  136. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはあなたのところは研究して努力しているということは承知しておる。さっきのお話で明確である。私の伺つているのはそういう点でなくて、あのときあなたは出席されておる。それで一体行政府部内で何回協議が開かれ、どういう問題が協議され、そしてどういう問題が解決されたか。それを具体的に承わりたいと申しておるのです。ただあなたがたは委員会においでになって、努力します。かくかくであります。大丈夫であります。責任を持ってやります。そんなことを答弁されるだけですが、その結果は一体どうなっているかということを次の委員会において確かめるのは当然であつて答弁しっ放しということは私は許さないのです。従って具体的に伺つているわけです。私は委員会でいつもその態度で来ている。前の委員会のあなたがたの答弁と、その後如何なる措置をされたか、必ず私は反問して来ている。従ってあなたがこの委員会に出る以上は、矢嶋からこういう質問が出るだろうと心がけて出ておいでになつただろうと思う。それでなければ極めてあなたは不用意だと思う。それで私は具体的に伺つておきたい。一遍もやつてないでしよう。
  137. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 私はそういう会合には参りませんので、詳細承知いたしておりませんが、何と申しましても通産省並びに労働省がこれは中心であると思いますので、そういう方面と連絡いたしまして御質問の点を確かめて行きたいと思っております。
  138. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私はそういうことを伺つているのじゃないのです。そういうような責任官庁があるならば、その中心的な責任官庁から、そういう協議を連絡を受けたか受けないか、出たか出ないか、出たならば何遍出たか、そうして、どういう内容のことをやつたか、その成果如何、これを開いているのです。だからそういう会合に一遍も招致されなかった、一回も会合がなかったらなかったと、こう明確に答弁願いたい。
  139. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 文部省に関する限りそのような御案内を受けたことはございません。
  140. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この前も申しましたように予算的措置もそうであります。根本には政策の問題があるのだけれども、行政も極めて漫々的で不徹底なんですよ。だから私はこの前の委員会では或る提案をし、その見解も質した。当時おいでになっておつた各省関係官は御承知通り答弁しておられる、非常に私は不満に思います。従ってこういうことを予想したから、私は文部大臣並びに政務次官、内閣官房副長官の出席を求めているわけなんです。それは明確になつたからもう一点伺います。  先般余剰農産物が来るからこれは全面的に中小炭鉱地帯に優先的に給与したいということを言明されたわけですが、その後到着するところの内容、期日、それは明確になつたかどうか。それからそれに伴うところの配分計画等、すでに作業を開始されたかどうか、それとも先般の委員会であなたがたが答弁された当時と現在とは、その情報の入手は何ら進展していないかどうか、その点を伺いたいと思います。
  141. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 余剰農産物のうち千五百万ドルがこれは贈与になりまして、学校給食等に充当されるわけでございます。で、その内容はこれは更に関係省並びにアメリカ側と打合せをすることになりますので、確定的ではございませんが、我々の希望といたしましては一応、小麦と脱脂ミルクと綿花というふうに承知いたしております。そのうち綿花には約三百万ドル、小麦と脱脂ミルクにつきましては千二百万ドルを希望しておるわけであります。で、今後これらの点につきまして折衝を開始するわけでありますが、これも無償でもらうわけでありますが、これも無償でもらうわけでありますので、そこで只今御質問になりました中小炭鉱並びに冷害地の児童の救済のためにこの一部を割いて充当するということは、これはそういう切なる希望がありますので、是非そういうふうに考えたいと思っております。只今とにかく緊急を要するものであります。これらの物資は大体来年になりませんと参らないわけであります。その前に協定につきましても恐らく来年になろうかと思っております。従ってこの中小炭鉱のためには早急間に合いませんので、取りあえず手持の分を、これを振替えまして、先ほど私申上げました通り緊急に炭鉱地区に配布したいと、かように申上げたわけでございます。
  142. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 余剰農産物給与に関しての話合いはこの前の委員会から現在は少しも情勢は進んでいないと思うのです。答弁でそう私はとれるのですが、この折衝の窓口はどこですか、それから私は少しも進んでいないと思うのですが、如何でしょうか。
  143. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 関係省の間ではいろいろ話合いはしております。ただ何と申しましてもアメリカ側との話合いになりませんと本格的になりませんので、新聞紙上で私ども承知しておりますのはFOAの東京事務所長のマイヤーというのが十五日にアメリカを立ちまして二十三日にこちらに到着する予定でございます。それで実際の話合いを二十七日から開始するというふうに承知しております。その前に日本側としまして一応の対案を作らなければならんというので関係省の農林省、大蔵省、外務省のほうとも事務的には話を進めております。
  144. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 向う側の交渉の窓口はわかりましたが、我が国の交渉の窓口はどこですか。
  145. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 大体経済審議庁が中心になろうと思います。
  146. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 と思いますのでなくて、その窓口は確定しているのではないのですか。
  147. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) まだ確たることにはなっていないかと思っておりますけれども、一応そういう話を伺つておりますが、まだその点はっきりいたしておりません。
  148. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 だから少しも話は進んでいないというのですね、閉会中も委員会をやつて、本日まで政府はどこが窓口で交渉するなどということは決定してはいいじゃないですか、あなたのほうでそれを催促して早くきめてくれと言わなければ問題は少しも推進するということになりませんよ、局長どうです、明日でも決定するように努力しませんか。
  149. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 先ほど申上げました通り関係省の間ではたびたび連絡はしておりますが、私ども一応外務省を窓口として話合うつもりでおります従来はそういうことで話をしておりますので。伴しながら聞くところによりますと経済審議庁が今度は中心の窓口になっているという話もございますので、その点まだはつきりしておりませんが、伴しながら日本側の打合会はしばしばいたしております。
  150. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は立法府の一員として承わりたいのは、窓口はどこになるという考えもありますが、というようなことでは満足できない、どこが窓口で矢嶋、聞きたいならそこで聞けばこういうことは責任つて答弁し、事態がわかりますというところをこちらは知りたいのですよ。この問題は今窮迫しておる中小炭鉱地帯の学校給食の問題には極めて関係深い問題なんです。だから確定次第我が国の交渉の窓口はどこになる、それでそこに問合せれば一切責任ある答弁はできるからということを矢嶋至急に御教示願いたい、よろしうございますね。
  151. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 承知いたしました。
  152. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 局長にお伺いしておきたい点はもう一点ですが、それは大臣が来ないからあなたに簡単に一つだけ承わつて終りますが、文部省として年末年始を控えて、今のデフレ政策の結果、非常に困窮しておる生徒児童に対してお正月の楽しさを少しでも味わわせるという立場から、何か臨時的な措置をとるように文部省として主張し、努力する考えはないかどうか、その考えは、たとえささやかであろうとも、例えば天野文部大臣のときにそのよしあしは別として、児童が就学年令に達して小学校の一年に上つて来るそのときに、お父さん、お母さんが納めた税金で、皆さんおめでとう、というお祝いの意味で、ささやかであるが算数、国語の教科書を無償でお祝いに差上げるのだ、こういうことを天野文部大臣当時述べられたことがありますが、気持はこれに通じた形で子供に、少くとも学校に行つておる生徒児童だけでも他の裕福な家庭の子供に対して特別ひがみを感じない、ひがみ心をおこさないようにお正月の楽しさというものを味わわせるという意味で、何らか応急臨時的な措置をとるように文部省として政府部内において努力する、あなたのほうでそういうことを大臣に進言するというお考えはないかどうか、やろうと思つたら簡単にできます。予算費というのもあるのですね、金額だつて臨時的なものですから、継続的なものでないから微々たるものです。それは幾ら財政の窮迫しておる現在といえども決意さえすれば私は簡単にできる問題だと思うのですが、所管局長として大臣にそういうことを進言するお心持はないかどうか、それを承わりたいと思います。
  153. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 私の所管でもないと思うのですけれども、これはやはり初等中等局の関係だと思いますけれども、俄かに私どもここで御答弁申上げることもできませんけれども
  154. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 正月饅頭三つやつてもあなたの所管ですよ。
  155. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 併しながら矢嶋委員のお話は十分大臣にお伝え申上げます。
  156. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣に訴えた結果、大臣はどういう見解を表明し、結果はどうなつたかということを月曜日の委員会に承わりますから、是非ともあなたの御所見大臣に訴えておいて頂きたいと思います。質問を終ります。
  157. 堀末治

    委員長堀末治君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十八分散会