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説明員(清井正君) この北洋の許可の問題につきましては、先ほ
ども申上げました
通り、第一年日は本当の試験操業ということで、これはむしろ業界のかたは進んで行くことを欲せられなか
つたのでありますが、特に慫慂して行
つて頂いたのであります。試験操業の時代が二年続きまして、第三年目は本格的な操業を始めたのであります。引続いて今度は第四回目になるのでありますが、先ほど来
お話のありました
通り、八方塞がりと申しては語弊がありますが、
相当障害の多い
遠洋漁業の中で、北洋
漁業は堅実に発展をしておりますので、非常に業界の北洋
漁業の鮭鱒に対する出漁希望は多いわけでございます。
只今私のところに参
つておりますものも
相当ございます。東のべーリング海はもとより、カムチヤッカ
方面につきましても今度出漁したいという希望があるのでございます。カムチヤッカ
方面につきましては、対ソ
関係等がございまして、昨年も実は非常な希望があ
つたのでありますが、これはもう少しということで実は私
どもは許可をいたさなか
つたのであります。本年はもういいだろうということで、
相当の船団で出漁いたしたいという希望が出て参
つております。
相当数両方合せて出ておるのであります。そこでこれに対して如何なる
措置をとるかということでありますが、これは私
どもといたしましても、たびたび御
説明申上げる機会があり、又皆様御承知の
通りでありますが、まあ漁区は或る
程度ございましても、実際の魚道というものが或る
程度きま
つておりますから、そこに流綱操業をいたしまするわけでありますから、
相当の漁場の混乱が起きることも
考えなければなりませんので、やはりそうい
つた面からの統制と申しますか、秩序維持という観点から、そう何でもかんでも無制限に殖やすということにはならないのでございます。併し、これは
相当数の独航船を殖やし得るという確信は持
つております。昨年は百六十隻の独航船と四十ぱい
程度の
調査船が出たのであります。総計二百隻
程度の船が操業いたしたのでありますが、本年は更にこれに、
相当数と申しますか、とにかく
相当数の独航船の増加を見るという
考え方を持
つております。
但し、これがどの
程度殖やし得るかということにつきましては、目下実は検討いたしておるところであります。そこで、そうい
つた場合に、それでは母船側のほうの希望者をどうするかということであります。御承知の
通り、母船と独航船とは共同出願、共同許可という
関係にな
つておりまして、本当に魚をとるのは独航船であります。
従つて、漁獲量をうんと殖やすためには、独航船が殖えればいいわけであります。併し、そこにも母船とマッチしなければならん経営上の問題がございます。母船の量と申しますか、母船の経営規模と申しますか、大きさですね、それとそれに附属する独航船の数というものが、その母船が或いは缶詰め罐詰ラインを持
つておるとか、或いは冷凍の施設しかないというようなことによりましても違いますし、まあいろいろな観点からいたしまして、非常にその辺にむずかしい問題があるわけであります。そういうように
相当数殖やし得る独航船というものに対して、非常に多数の希望がある母船の出漁希望というものが、どういうふうにこれがマッチするものであるかということについて、
相当そこに
考えなければならん点があるのであります。殊に昨年の許可につきましては、御承知の
通り、実は競争形式をとりまして、最低十四ぱいの独航船をつけて出漁した母船が二つあ
つたわけでございます。まあ多少無理であ
つたかも知れませんが、とにかく出漁をいたしたようなわけでありますが、そういうようなことがありますので、そうい
つたような或る
程度の手直しを実際上見なけれぱならんという点も
考えられます。いろいろな点を十分
考えますが、特に実績船団はパイオニヤ的なことから出ておるのであるから、これは是非とも実績者としては大いに優先的に
考えてもらいたいということを熱望しておられますし、新らしく入られるかたは、とにかく北洋海面というものは非常によい漁場だし、而も又これが少数の者に独占されるということにな
つては困るから、とにかく希望者をどんどん認めてもらいたいということを熱望いたしております。又私
どもといたしましては、やはりこれは独航船との契約の問題であります。御承知の
通り、これは舷側による売魚契約をや
つておりますから、そういうような形で、やはり母船側を認める場合にも、独航船に対して或る
程度迷惑をかけないような経當規模でなけれぱならんし、その他の条件も揃
つていなければならんということでございます。そういうような条件を睨み合せて、即ち或る
程度殖やし得る独航船と、母船の多数の希望者の中のいろいろな御主張と、それから今のような母船希望者の中の本当の能力があるかどうかという問題、今
お話のありました英国と提携して漁をするというようなことも、
水産庁と申しますか、
政府が非常に許可母船をしめておるからその落ちこぼれが損をするというようなことを一部の者が出すのでありますが、果してどうかわかりませんけれ
ども、そうい
つたような事情も我々といたしましては虚心坦懐に
考えなければならないのでございます。いずれにいたしましても、これを殖やすとか殖やさんとかいうことは、
ちよつと今私が申上げるのはいささか早過ぎるわけでございまして、私が申したことによ
つて影響が及ぼしても如何かと思いますので、この点は私としては、どうするかということについては決して今はつきり申上げる
段階ではございませんのでありますが、とにかくそうい
つたようないろいうな条件を勘案いたしまして、この問題につきましては十分いろいろな角度から検討を重ねまして、これは成るべく早くきめませんというと、業界のかたもお困りになるのでありますから、そういうようなことで検討を進めておる撮中であります。