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1954-12-13 第21回国会 参議院 議院運営委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十二月十三日(月曜日)    午前十一時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            伊能繁次郎君            加賀山之雄君            矢嶋 三義君            寺本 広作君    委員            大谷 贇雄君            剱木 亨弘君            榊原  亨君            松岡 平市君            横川 信夫君            横山 フク君            上林 忠次君            三浦 義男君            鈴木  一君   委員外議員            東   隆君            千田  正君   —————————————    議長      河井 彌八君   —————————————   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡辺  猛君   説明員    内閣官房長官  根本龍太郎君   —————————————   本日の会議に付した事件国家公務員給与問題等に関する調  査承認要求の件 ○郵政事業運営実情に関する調査承  認要求の件 ○電気通信事業運営状況に関する調査  承認要求の件 ○電波行政に関する調査承認要求の件 ○国家財政経理及び国有財産管理  に関する調査承認要求の件 ○内閣議案提出予定等に関する件   —————————————
  2. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 会議を開きす。  調査承認要求に関する件。
  3. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) お手許に配付いたしました表によりまして、人事委員会国家公務員給与問題等に関する調査。  郵政委員会郵政事業運営実情に関する調査。  電気通信委員会電気通信事業運営状況に関する調査電波行政に関する調査。  決算委員会国家財政経理及び国有財産管理に関する調査。  右の申出がありました。念のために申上げますが、期間今期国会開会中でありまして、費用はいずれも計上してございません。以上。
  4. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 以上の通り認むるに異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さよう決します。   —————————————
  6. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 根本官房長官から発言を求められております。官房長官
  7. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) このたび鳩山内閣が組閣されまして、不肖私が官房長官を拝命いたしました。甚だ不徳菲才でございまするが、皆様方の理解ある御指導と御援助によりまして任務を遂行したいと存ずる次第でございます。  実は早速皆様にお会いしまして御挨拶かたがたお願いすべきところ、新店なものでございまして、毎日事務、政務に追われて今日まで遅れたことを恐縮に存じます。よろしくどうぞ御指導のほどをお願い申上げます。
  8. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 鳩山内閣組閣早々で、いろいろとり込んでいると思いますが、官房長官出席でございますので、とりあえず二、三点伺つておきたいと思います。  先ず伺いたい点は、私どもこのたび誕生しました鳩山内閣は、いずれ近い将来に総選挙を通じて主権者である国民総意に訴えるべきものと、こう考えているわけでございますが、その点について官房長官如何ようにお考えになつていらつしやるか先ず伺いたいと思います。
  9. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 只今の御質問についてお答え申上げます。  一昨日、政府声明で明かにいたしましたように、御指摘通り鳩山民主党内閣成立経緯から申しまして、選挙を通じて国民の信頼を得て出たものではございません。その意味におきまして鳩山総理も速かに信を国民に問い、その信託を得て政権を樹立し政策を実行する。こういう態度を持つておるのであります。併し今、年末年始を控えまして、政治的な或いは行政的な混迷を避けるべきである。この観点からいたしまして、現在成立しておる法律或いは予算範囲内において政策を着実に実施して参り、諸法案或いは議案の整備ができた上に、明春休会明け国会において政府所信並びにそれを裏付けする予算案、これはホール・ピクチャーになりますか、或いは大綱だけになるか、これはもう少し政治情勢並びに準備都合がございますが、これによつて国会に提出し御審議を願う、その過程において速かなる解散をいたし、国民に信を問いたい、こういうような考えをもつている次第でございます。
  10. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政府声明並びに只今官房長官の御答弁でも明確であるように、鳩山内閣選挙管理事務内閣である。そういうふうに性格づけることができると思うのでありますが、従つて選挙のトンネルを通す前には、事務内閣でございますから、法案並びに予算案等は提出されないであろうと私ども考えているわけでございますが、もう一回伺います。  この昭和二十九年度中に、もう少し明確に言うならば、自然休会国会が入る前に、何か国会に対して政府から提案される御予定があるかないかということと、早期解散を標傍されているわけでありますが、休会明け国会において法律案並びに予算案というものを国会に出されるお考えであるかどうか、その点、もう一回明確にお伺いしたい。現在の所信を伺つておきます。
  11. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 第一の問題についてでございますが、自然休会前に政府法案を出す準備はいたしておりません。  休会明けになりまして法案並びに予算案を出すかどうかという第二の点でございますが、これは憲法上或いは法律上、選挙管理内閣であるとか何とかいうことはない問題でございまして、いやしくも国政を担当する限りにおいては、通常国会である限りにおいては、施政方針並びに予算案を出す義務があると考えております。併しそれが現実状況政治情勢から見てなし得ないかも知れません。従いましてこれは予算案を出さないとか一切の法律案を出さないというようなことは今明言できない状態であります。
  12. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 国会運営とも関係がありますので伺つておきますが、早期解散をやる場合、憲法のよりどころを何条に求めようとされているか。更に私具体的に伺いたい点は、選挙を有利に闘うという立場から、政府の最も都合のいいようなときに抜打ち解散をやるというようなことは起り得るのかどうか。私は内閣成立経緯から言つて、そういう抜打ち解散というようなものは信義上からも全然考えられない問題だと思つておりますが、念のため伺つておきます。
  13. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 御指摘通り、我々は前吉田内閣の退陣を求めたゆえんのものは、政策の批判も勿論ございますが、政策以前の問題として民主主義ルールを確立しなければならない。こういう観点で我々は批判しておつたのでございます。従いまして御指摘通り我々は抜打ち解散ということは全然考えておりません。  従つて六十九条でやるかどうかという問題でございますが、六十九条ということになりますれば、不信任案が出されたときと、それから信任案が破れた場合と、この二つを規定しておりますが、今度の政治情勢から見ますれば、六十九条によつてやるということは、これは非常に困難じやなかろうか、いわゆる不信任案を出してやるということもどうか。結局今までの経緯から鑑みまして、憲法上規定してはおりませんけれども、衆議院において解散決議案が上程されたというような場合も考えられるのじやないか。我々は決して単に自分の党の党利党略によつて抜打ち解散などはせずに、国民の輿論であり、又国会においても最近における放送討論会その他我々が各党の首脳部のかたがたと相談しまするというと、自由党においても速かに解散すべきである、社会党両派はもとよりそれを諒としている。我が党もそういうふうに考えておりまするので、そのときは民主主義による何と申しましようか、公明なる手続或いは経過を経て、解散をやりたい。かように考えております。  そのときはもとより手続上は憲法第七条に基いて内閣の助言と承認によつて天皇解散されることになりますから、そのような手続考えられるのじやないか。かように考えております。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に承わりたい点は、本院の運営とも関係いたしますので参考に伺いますが、政府は一月再開国会をいつ頃を希望されておられるか、又総理が何らかの挨拶を国会でなさんとするならば、いつ頃を希望されているかということを、国会自主性を持つてきめますけれども、一応官房長官のお考えを承わつておきたいと思います。
  15. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 政府といたしましては、御指摘通り、いつ休会明け国会をやるかどうかをきめることは、希望といたしましては、やはり長年の慣例に従いまして一月の二十日まで自然休会になつておるようでございまするので、大体従来の慣行に従つて二十一日に開かれるように国会で取計われるのじやないかと想像しております。従いましてそれを目途としておりまするが、その再開された成るべく早く時期に、政府所信国会を通じて国民に表明する義務がある。かように考えておる次第でございます。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政府としては現在のところ、一月再開国会までは、国会の壇上を通じて所信を表明する御予定はないと、こういうふうに了承してよろしうございますか。
  17. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) よろしうございます。
  18. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 只今再開期日とも関連するのでありますが、伺いたい点は、年が明けますというと政治上いろいろの問題が起つて来るわけでございまして、具体的には地方選挙等も、春早々行われる予定になつておりますが、現在政府としては、仮りにこの総選挙が行われる場合に、その総選挙地方選挙との期日関係ですね、前後関係ですね、そういうものはどういうふうにお考えになつていらつしやるのか。
  19. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは総選挙地方選挙がかち合いますというと、非常にこれは混乱というか、混迷に近い状況になるのじやないか。政府も困るし地方も困る、国民も困るという意味において、政府といたしましては地方選挙前に総選挙が完了しておることが行政上望ましいと、かような考えをもつておる次第でございます。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 新聞の伝えるところによると、自治庁選挙部では地方選挙期日等についてやや具体的に検討されているように新聞紙上を通じて承わつているわけでありますが、今のところ政府としては、地方選挙の時期というものを如何よう国会特例法等によつて諮ろうとお考えになつておるのか。
  21. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 現在のところ、これは自治庁長官の意見もありましようが、政府としてはまだ具体的にいつのときに総選挙をやるか、或いは地方選挙をいつにするかということは、現在早々でございまするので、その具体的な検討にまで至つていないわけでございます。
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その検討はいつ頃終了いたしますか。
  23. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これはいつ頃ということも、まだ正直に申しまして考えておりませんが、これは少くとも年内においては、少くとも地方選挙状況或いはその事務的な問題、それから現在の新らしい公職選挙法に基くところの準備等もございましようから、その点は自治庁の方面の事務的な準備、或いは又一面におきましては国会におきましても、財源の問題とか何かがございましようが、そういうもの等も勘案いたしまして最も合理的な、そうして不正の行われない、そうして最も国民主権を発動するに都合のいいという条件等も勘案してやらなければならんと考えております。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政府国民に対して早期解散ということを約束しているわけでありますが、そうなりますと、解散から四十日以内に総選挙を行わなければならない。それから選挙運動期間は二十五日、更に総選挙後三十日以内に国会を召集しなければならない。それと地方選挙。それと昭和二十九年の会計年度は三月三十一日で終る。こういう数字的な立場から考えた場合に、官房長官の先ほどの御説明では、一月早々再開国会においてまあ確定的ではないけれども政府の施策を織り込んだところの予算案云々という構想が述べられたわけでございますが、仮りにその予算考える場合、それはあなたの内閣の性格は、我々は選挙管理内閣だと、こういうふうに考えておりますし、又国会総意に問わなければならんということは、みずから認められているわけですね。そういう立場と合せて考えた場合に、この予算案というものは鳩山内閣が、日本民主党選挙において勝利を博して引続き政権を担当する立場からの向う一カ年間を見通したところの予算案であるのか、或いは先ほど私が数字的に解散から国会召集までのいろいろな要素から考えた場合に、或いは四月五月の暫定的な予算となるのか。そういう点については、これは早期解散国民に約束しているだけに、当面最も態度を決定しなければならん重要な問題であるとは考えるのでございますが、閣議においてどういう検討がなされ、現在のところどういうお考えであるか。その点を承わつておきたいと思います。
  25. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 御指摘通り、これは従来の国会運営の実績から鑑みまして、いわゆるホール・ピクチャー予算案を出しまして、これを短期間にやるということは、事実上これは不可能だと考えております。併し政府といたしましては、いわゆる政治常識上、選挙管理内閣と言われましても、通常国会において予算を出さなければならないというような責任も感じておるわけでありますので、そこで実情におきましては、施政方針演説予算大綱を、これはいつでございましたか、片山内閣のときもそういうことがございましたし、吉田内閣にもそういうことがあつたのでございますが、それによつて施政方針とその骨格を示し、ホール・ピクチャー予算案は出し得ないというような状況になるのではないかという検討もございます。併しこれは未だ閣議で正式に取上げて決定しておることではございませんので、一応の見通しというか、今御指摘通りの、地方選挙その他の観点から、そういうふうな私どもの一応の現在の見通しでございます。従いましてそういう場合におきましては、御指摘通り、総選挙が行われて、新内閣ができて行くまでの間に、やはり相当ゆとりを持つて行かないというと、行政上の又空白も出ることをこれは恐れるわけでございます。そういう状況考えますれば、この場合においては、明年度暫定予算を編成する、これだけは是非とも国会審議を経て成立しておかなければいけないのではないか。こういうふうな考えでございます。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は内閣成立過程考え、更に民主政治ルール、それから先ほどから私が申上げた現実面、あらゆる角度から考えたときに、早期解散ということを言われておりますが、早いほどこれは国のためになるのじやないか。こういうふうに私は考えておりますが、官房長官の御所見は如何ですか。
  27. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは御指摘通りでございますが、又、先ほど具体的に御指摘のあつたように、そういう場合においても、やはり暫定予算とか何とかというものは、最後の場合に考えなければならないのじやないか、従つてそうした政治行政空白をなからしめて、そうして公明なる選挙をやり得るというような立場考えなければならないと考えておる次第であります。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう一、二点お伺いいたしたいと思います。只今所見は、官房長官所見として承わつておきます。その中で、行政空白があつてはならないということ、これは御尤もだと思うのです。そこで私は伺いたいのは、何といつても総選挙が緊迫しているということになると、ややともすると、政府選挙対策に腐心するという事態が起りかねないとも限らないと思います。特に私は、行政空白というものが起つて来やないかということを心配するものであります。まあ御承知のように寒さを控えて災害復旧の問題、年末中小企業金融の問題、それから炭鉱の苦境に対するところの問題、現在非常に政治問題にもなつておりますところの公労協並びに公務員期末手当の問題、これらの問題は、私は新内閣行政力を以て早急に処理されなくちやならん、決して選挙対策に腐心してこういうものを疎かにすることがあつてはならないと思いますが、この点については如何ように対処されつつあるか、伺つておきたい。
  29. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 御指摘通りでございます。特に期末を控えまして、官公労の問題は現実の問題として起つておりますので、すでに一昨日以来閣僚懇談会を開ままして、これは大蔵労働、農林、郵政、通産、その他関係各省閣僚懇談会を開いて、極力これの円満なる解決に努めつつある。なお、又、金融措置、これらの面は、御承知のように現在の予算関係なく、これが政策としてやり得ることでありますので、これは新大蔵大臣とポリシー・ボードその他の関係において、速かにこれに対する対策を講じたい。かように考えております。  又、今の官公労の問題になりますれば、これは御承知のように予算が問題になります。従つてこの予算の問題につきましては、どうにも手がつけられませんので、予算範囲内において行政措置でなし得る限界において、積極的にこの問題を解決したい。かように考えておる次第であります。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に伺つておきたい点は、只今のやや内容に入りますが、ついででありますから伺つておきたい点は、公労協に関しては、閣議において一つの線が出た。この公労協と全官公との権衡の問題、これは当面非常に年末を控えて重要な問題であることだと思つているんですが、これについては、行政の枠内で云々と言われておりますが、如何ようにこれは処理されようとしているかということと、それからもう一つは、これで最後でありますが、今後組閣早々鳩山首相が明るいガラス張りの政治というので声明を出され、いろいろ具体的な発表をされている点、その点に関する限りは、私は結構だと思いますが、ここでそれと関連して官房長官おいでなつたから一つ伺いたい点は、最近の内閣で、大臣がよく民間会社その他の役員を兼職をするわけですね。この大臣兼職が先般の疑獄事件でもいろいろ問題となり、一つ疑獄の起る要因にもなつている場合があつたわけです。で、この国会においては大臣兼職は、法の示す通りに、総理大臣はこれを厳重に審査して、許可を得ずに兼職をすべきでない。従つてこれはどうしても時の政府がやらなければ、国会において兼職禁止の立法をやろうという、こういう動きすら前国会あたりにあつたことは御承知通りであります。昨日あたり政府いろいろ発表を見て、この大臣兼職禁止発表がなかつたということを私は怪訝に思つたわけですが、そういう話が出なかつたかどうか。今度の内閣はこれに如何なる態度を以て臨まれようとしているか。折角あなたがおいでなつたし、昨日のもろもろの発表を見て、私ちよつと不思議に思つておりましたから、ついでに今伺つたわけです。
  31. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 先の御質問公労協と全官公のバランスの問題でございます。これは本日、実は全官公事務長が参りまして、申入れがありましたので、明日私はこの代表と懇談して、よく話を聞いて、然る上措置して行かなければならないと考えております。いつもこれは毎年の実は恒例の問題でございまして、どうしても事業官庁が実質上若干プラス・アルフアーが出て来る。それから一般の非現業のほうは、どうしても予算その他の関係で出て来れないということで、併しこれはいずれの官庁も、全部平等画一にやるということはできないでしようから、その間行政官庁におきましては、これは今私が一つ構想を持つておるわけでもございませんが、前においては、例の超勤手当繰上支給を行う……    〔委員長退席理事加賀山之雄君着席〕 こういうような方法で一応やつて参りたいと、かように考えておりますので、新手の政策というものがなかなかみつからないのではないか、こういうふうに考えますが、併し十分にこの点は検討して進めたい。それにつきましては吉田内閣もあとで作りましたようですが、こういう重要な問題でありますので、官制ではございませんけれども、担当の大臣をおきまして、単に労働省ばかりということにせずにやつたほうがいいのではないかと、私現在個人の、官房長官個人というのはおかしいが、まだ関係閣議も持てず、そうしたほうがよいのではないかという考え方であります。  それからいわゆる綱紀の粛正、それから自粛生活という点の御指摘でありますが、実は大臣兼職の問題でございまするが、これは公共関係兼職と、団体兼職と、営利事業兼職は、おのずから差別をつけなければならんじやないかと考えております。これについてはもう少し……。
  32. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 営利でございますね、これは昨日の発表と一緒に発表して、大臣は全部辞任すべきじやないかと、これをお伺いしたいと思います。
  33. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは、或る大臣がこういう発言をいたしました。それは団体関係、会長とか、何とかやつておるかたが大臣になると、何でもみんな今までやつた職業をやめなければならんのかという、こういう質問がございました。それに対して事務当局は、それはそうではない。総理大臣許可がありますれば、できるということの問題でありまして、深刻にそのあとまだいつておりません。併し御指摘の点はこれは十分に我々は考えなければならんと思つております。アメリカにおきましても御承知のように、特に政府関係の、或いは政府資金関係するところの営利会社の重役となるということは好ましくないということで、これはやめておるわけであります。これは私個人としては十分に考えるべき問題だと思いますので、これは検討してみたいと考えております。あなたの御指摘の点は、私は最も妥当なものとこう思いますが、これは官房長官がそうせいといつたりなんかする筋合ではございませんので、十分その趣旨を以て我々は進みたいと考えております。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 本日の私の質問は、以上で終ります。
  35. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 只今矢嶋委員からお尋ねした点、並びに根本官房長官からお答えになつた点を判断いたしますと、年内には政府としては国会において何らの意思表示をされないやに伺つたのでありますが、最前来、御両所の質疑を拝聴しておりますると、来春早早の政治情勢並びに国会運営については、官房長官御自身明確な見通しがまだない。具体的な明確な見通しがつかん。勿論新内閣であるから、予算は出すべきである。又政府所信を表明したい。併し政府情勢によつては、それが困難にならないとも限らんことが予想されるというお話もございましたので、さような情勢から行き、又民主党内閣民主主義基本原則を貫いて行きたいという御声明もありましたし、官房長官みずから民主主義ルールにのせて政治をやつて行きたいというお話もあつた点から私ども考えて、又、来年度早々政治情勢から判断して、いろいろな困難な事情が予想されるならば、少くともこの年内において、任期中に政府として一応総理大臣が新内閣所信国会を通じて国民に御発表になられるのが、本当に国会を尊重した、議会政治民主主義基本である議会政治の精神にも合致するのではないかと思いますが、その点については御意思がないやに伺つたのですが、重ねて明確にお尋ねをし、更に私どもとしては、そういうことがあるべきだと考えて希望している次第でございますが、その点如何でございましようか。
  36. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) お答え申上げます。  私が先ほどお答えいたしましたのは、休会明け国会において、政治情勢からして所信も表明しなければ、予算大綱も何もやらずに、すぐに解散に持つて行くというような情勢判断は私は申上げていないのであります。当然我々は、休会明け国会において政府所信説明し、更にそれを裏書する具体的な方策を、この場合細部の予算は恐らく事実上できないからして、予算大綱としてこれを申上げるということが必要だと思います。  更に又、先ほど矢嶋さんから御指摘がありましたごとくに、そういう場合において解散ということになりますれば、次の選挙の結果、どういうふうな政界の分野になるか、従つてそのために、次期内閣ができるまでにやはり若干の時日があるということも考えておかなければならない。そうしますれば、三十年度予算空白になつてしまう。そういう点から考えますれば、少くともそういう場合においては、暫定予算は、これは各党派とよく話合いの上でこれは通過せしめて頂いて、然るのちでなければいけないと考えておるわけであります。その意味におきまして、我々が政府所信も何も示さずにやるということは考えておりません。  なお又、いやしくも国会を通じて、殊にいろいろと政府所信を示すということになりますれば、単なる抽象的なことではいけない。それではどういうふうにするか。そのためには予算の問題の裏付となるものが要るわけだ。こういうふうに言われて、これは無意味な論争になる虞れがある。なお又現実におきましては、前国会におきまして補正予算なり、本年中になすべき立法措置は、一応これは吉田内閣においてなされた、そういうものを、全部ひつくり返してやろうということになりますれば、先ほど御指摘なつたように、国民の信託を受けてやつたものでないから、それはいけないという、いろいろのこういう政治論が出て参りまするので、我々といたしましては、抽象的だと言われるかも知れませんが、そのために昨日政府声明を出しまして政府所信を明らかにした。こういう状況であります。
  37. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 只今お話を伺いますると、来年度は、来年早々には希望としては、昭和三十年度の予算を出したい。併し政治情勢によつて解散を控えて出せない場合においては、せめて暫定予算を出さなければならん。暫定予算ということになると、恐らく私は政府方針その他を盛り込み得ないような四月、五月程度の純粋の、純行政予算程度に過ぎない。その点を恐らく官房長官考えになつておられるとすると、政府所信声明というごときものは、予算を一応明らかにした裏付のあるものでなければ、軽卒な総理大臣並びに政府所信声明はできないというお話がありましたが、今の情勢では、恐らく昭和三十年度の予算大綱というものは、国会において、この解散を予想された状況において出すことが困難であろうということは、どなたもおわかりだろうと思う。そうすると政府所信声明自体も、私は必ずしも予算の裏付のあるものがなされるとは限らない。かように考えるわけであります。然らば年内にその点について大綱なりとも、大した違いはないものと私には思われる。あなたの御説明からも、その点が今明らかにそういうようなことが予想されるというお話が裏に滲み出ているような感じがしますので、我々は年内においてそういう問題について、政府所信を表明される意向はないかということを先般来要求しているわけです。
  38. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 私、繰返して申上げるようでございまするが、明年休会明けの冒頭において、政府所信予算大綱の裏付によつて我々は申上げる。こういうことでございます。御承知のように予算編成は、あなたも御承知のように数字的に大変なものでございまして、而もこれは印刷その他の経費だけで五千万円かかるそうでございます。そうして款項目ずつとやつて行かなければなりません。併し政策の根本は、そこまで細かくやらなくても、予算大綱というものでわかります。曾つてもその意味において政治混迷があつた当時、或いは進駐軍との関係において、予算大綱において政府手続をし、それを了承しておいて、やがて事務的な数字が出たときにすべてやつた。こういう経緯もありますので、私は、今御指摘のような大綱と申しましても、四、五枚の紙にペラペラと数字を羅列したというだけでは、これは予算大綱ということになりませんので、やはり実のあるものをやるためには明年まで、こういう意味におきまして、今日直ちに所信声明するということは、質問の場合に、具体的な措置がないとか、これはただ抽象的だとか何とか言われたのでは、折角の国会において、むしろ空転した論争だけになつて政府の意図もはつきりわからなければ、又国会自身も、空虚な論争をしているということは、国会のためにも面白くない。こう思いますので、やはり万全の態勢をとつて、そして現在の政治情勢下において与えられた条件下における最も国民の信を受け、又民主主義ルールによつて政治の常道を歩むというようにしたいのが念願でございます。
  39. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 私が重ねて御質問しました趣旨は、率直に申しますと総理大臣声明は、御指摘通り極めて抽象的なもので、政府声明はありました。併しながら各大臣は、すでに重大な具体的な政策を表明しておられる。外務大臣にしましても、農林大臣にしましても、その他具体的なすでに大きな問題について、新聞発表と言いますか、或いはいずれにしましても、大臣としての所信新聞を通じて明らかにしておる。その中には従来民主党、若しくはそれ以前の改進党時代の基本的な方針と背馳した方針声明しておる。そういうことになると、新内閣考え方というものが、少くとも我々国会議員についてはよくわからない。そういう点について、我々疑問を持つておりますので、でき得れば、そういつた各大臣の持つておられる方針、それが而も従来の民主党の基本的な考え方とは違うというような問題について疑問を持つているものですから、成るべく早い機会に政府のお考えを聞きたいというのが私の希望なんです。
  40. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) あれは、声明とか何とかいうものは、これはどの内閣ができましても、社会部記者とかその他のかたがたといろいろとお話になる。そうするとどうしても、ついいろいろと自分のまだコンクリートになつていないものであつても、こうもしたい、或いはああもしたいという、あれは抱負の一端であろうと存じます。従いましてこれは本来ならば、或いは閣議にかけ或いは又省議にかかつて、そうして行くべき声明なり、各省の何かというものが出るのでなければならないが、今御指摘になつたのは、むしろ、入閣或いは台閣ができた場合の感想についての記事が多かつたと思いまするので、その点はそういうふうに御了承頂きたいと思う次第でございます。これはどの内閣でも同じような状況だと思いますので……。
  41. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官にはつきり申上げておきたい。そして要望しておきたいのですが、私は鳩山内閣が、或いは閣僚の皆さんが、一つ方針というものを述べられることは、選挙を通して主権者国民総意に訴えるときに必要なのであつて、そういう方針を述べられたならば、私は早急に解散、総選挙というものがなくつちやならんと思うのです。私は民主党の成立過程、更に組閣の過程等を考えるときに、一つ方針、或いはこれを大風呂敷と評する人もあるかもしれないけれども、そういうものを拡げて、いつまでも主権者国民総意に訴える機会を持たないということは、それは許されないことだと思いますので、解散、総選挙の時期と睨み合せて、そうして方針発表し、又喋べるなら喋べるというように心掛けて頂きたいということを要望しておきます。  それから、先ほど官房長官みずから、早期解散を認め、又自由党さんから、各政党会派とも早期解散があるべきであるという主張であります。それから又官房長官は、抜打ち解散はやらないということも先ほど表明されたわけでありますが、そこでこれは暫定予算にしてもその厚薄大小はありましよう。政策というものはどうしても入つて来ると思うのです。従つて私は暫定予算も、総選挙後に早急に組まるべきである。これは私の私見、そういう見解を持つております。  そこで地方選挙の時期と合せ考えるならば、政府みずから認めているように、早期に解散をやれば可能なんです。計算してみると可能であります。早期に解散をやれば、四月の予算空白にしないで、而も地方選挙はやれるということは可能であります。従つて国会は自主的に或いは一月十日頃再開するようなことになるかもしれません。今までの例は、大体一月二十日頃に再開されておるようでありますが、そういう諸情勢考えた場合に、一月十日頃再開されるようなことになるかもしれない。そうして早期解散が行われることは、先ほど私も申上げた、政府もお認めになつたように、これは国家のためになると、こう考えておりますので、いつ国会が再開されようが、あなたのほうとしては政府として十分応じられるように万般の心の用意を整えておいて頂きたいということを特に強く要望しておきます。
  42. 加賀山之雄

    理事加賀山之雄君) ほかに官房長官に対して何かございませんか。  それじや私から、一つフランクにお尋ねするのですが、丁度予算編成期に入りますから、政府としては最悪の場合暫定予算といわれますが、勿論本予算を組む準備はちよつとできない。初めからこれは暫定予算で行くことについて行政各省との関係、その点は如何ですか。
  43. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは、選挙の結果を見なければなりません。我我は引続き総選挙の後鳩山内閣を組織するという気持でございますから、又現在憲法上も、政府通常国会において予算を編成し、これを上程する義務がありますので、これは政府の責任において予算の編成は急がなければならない。併しそうは言いましても、現実政治情勢その他からすれば、これは実質上は困難でありましよう。従つてその場合においては暫定予算というものを考えるというように、これは二つのことを熱心にやらなければならない。事態がどう転換しましても、政府政府としての責任を果し得る措置を講じたいと思います。かように考えます。
  44. 加賀山之雄

    理事加賀山之雄君) それでは今のお話ですと、本予算暫定予算と二つ、どつちに行つてもいいように準備をされるという意味でございますか。
  45. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 現在のところは、そうでございましよう。暫定予算は、御承知のようにこれはそうむずかしいものでございませんで、事務的に簡単にできる問題でございまするので、その点は、早急にやつて行けると思います。
  46. 加賀山之雄

    理事加賀山之雄君) もう一つ伺いたいのは、勿論本年度の予算なり法律範囲内で行政事務をやつて行くのが、今のところの政府の役目だと思いますが、本年度の予算について、更に補正予算考えられるのですが、その御意思はありませんか。
  47. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 現在のところは、そういう考えはございません。    〔理事加賀山之雄君退席、委員長着席〕
  48. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) ほかに御質問ございませんか。  御質問も終つたようでありますから、それではどうも有難うございました。  休憩いたします。    午後零時四十五分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた〕