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1954-12-16 第21回国会 衆議院 労働委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年十二月十六日(木曜日) 午後二時二十二分
開議
出席委員
委員長
葉梨新五郎
君
理事
池田 清君
理事
大橋
武夫君
理事
持永
義夫
君
理事
稻葉 修君
理事
多
賀谷真稔
君 倉石 忠雄君
鈴木
正文君
田中伊
三次君
三浦寅之助
君
山村
新
治郎
君 黒澤 幸一君
島上善五郎
君 田中織之進君 日野 吉夫君
前田榮
之助君 中原 健次君
出席国務大臣
労 働 大 臣
千葉
三郎君
委員外
の
出席者
労働政務次官
志賀健次郎
君
労働事務官
(
労政局長
) 中西 實君
労働基準監督官
(
労働基準局
長) 亀井 光君
労働事務官
(
職業安定局
長) 江下 孝君 専 門 員
濱口金一郎
君
—————————————
十二月十三日
委員佐藤榮作
君
辞任
につき、その
補欠
として葉
梨新五郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十六日
委員篠田弘作
君、
赤松勇
君及び
大西正道
君
辞任
につき、その
補欠
として
増田甲子
七君、田中織 之進君及び
前田榮
之助君が
議長
の
氏名
で
委員
に 選任された。 同 日
委員前田榮
之助君
辞任
につき、その
補欠
として
田中幾三郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十一日
委員長赤松勇
君が
委員長
を
辞任
した。 同月十三日
葉梨新五郎
君が
議長
の
氏名
で
委員長
に選任され た。 同月十六日
理事
多
賀谷真稔
君
委員辞任
につき、その
補欠
と して同君が
理事
に当選した。
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
理事
の互選
失業対策
、
労使関係
及び
労働基準
に関する件
—————————————
葉梨新五郎
1
○
葉梨委員長
これより
会議
を開きます。 一言ご
あいさつ
を申し上げます。
わが国再建
の途上におきまして、最も重要なる役割を果します労働問題につきましてこの
労働委員会
の
委員長
に御推挙をこうむりましたことは、私といたしまして、まことに身に余る光栄でございます。しかしながら、何分にも
各位
の
練達堪能
の御
支持
、御
協力
を得るにあらずんば、この任を果し得ないのでありまして、どうか私のような未熟な者でございますが、
皆さん先輩各位
の御
協力
を得まして、大過なくこの任を果したいと存じております。 どうぞ何分にもよろしく御
協力
、御支援のほどをお願いいたします。(
拍手
)
—————————————
葉梨新五郎
2
○
葉梨委員長
この際
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。去る六日、
理事
の多
賀谷真稔
君が一旦
委員
を
辞任
されまして、
理事
が一名欠員とな
つて
おりますので、
理事
の
補欠選任
を行わなければなりませんが、これは前例により、
選挙
の手続を省略しまして
委員長
より
指名
いたしたいと存じますが御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
葉梨新五郎
3
○
葉梨委員長
御
異議
なしと認めます。 それでは
理事
に多
賀谷真稔
君を
指名
いたします。
—————————————
葉梨新五郎
4
○
葉梨委員長
これより
失業対策
、
労使関係
及び
労働基準
に関する件について
調査
を進めて参りたいと思います。 まず
千葉労働大臣
より
発言
を求められておりますので、これを許可いたします。
千葉労働大臣
。
千葉三郎
5
○
千葉国務大臣
このたび、はからずも
労働行政
を担当することに相なりましたが、私はこうした
方面
につきましては、まことに未熟、経験の至らないものでございまして、今後皆様のようなこの道のエキスパートに御
支持
を得なければなりません。そうした
意味
におきまして、今後の御
指導
をお願い申し上げるとともに、この
労働行政
の重要さをこの上にも御認識いただきまして、こうした問題がレールに乗
つて
行くように、この上の御
協力
をお願い申し上げたいと思います。つきましては、この際私の
所信
の一端を申し上げたいと思います。
独立
後第三年を迎えて、なお困難な
経済情勢
のもとにある
わが国
にとりまして、すみやかに
経済
の
自立
を達成し
産業
の
興隆
をはかり、真に
独立
の実をあげることは、全
国民
のひとしく待望するところであります。 この目標の達成をはかるため
政府
は、
自由企業
の原則を認めながら、長期の見通しを持つ総合的な
経済計画
によ
つて生産能率
の
向上
をはかり、コストを低下し、も
つて
貿易を
増進
し、
国際収支
を改善して、
経済再建
のための
基盤
を培養するため、各般の
施策
を講じて参る
所存
でありますが、
労働行政
の面におきましては、
生産
の
基盤
をなす平和にして安定した
労使関係
を確立し、
労使
相
協力
して
わが国経済
の
興隆
を達成する
態勢
を確立することが、最も重要な課題であると
考え
るのであります。 そのためには、
労働組合運動
を正常化し、その健全な発達をはかるべきはもとよりでありますが、それと同時に、
労使双方
が
労使
間の問題はすべて
話合い
によ
つて
自主的に解決するという
基本態勢
を樹立することが根本であると
考え
ます。
労働者
といい、
使用者
というも、何れもともに
社会
の
一員
であります。互いに相手方を白眼視し、これを敵呼ばわりするがごとき
態度
は、もとより論外でありまして、
労使双方
が
経営
の内部における
自己
の
職分
と責任を自覚し、友愛の精神と相互の
信頼関係
の上に立
つて
協力
して行くならば、必ずや
生産性
の
向上
を通じて
企業
の繁栄、
従つて労働者
の
生活条件
の
向上
をもたらし、ひいては
わが国経済
の
再建
と
国民
生活
安定のために
寄与
するところ大であるのであります。 このような
態勢
の樹立のためには、平素より
労使協議会等
の
労使
間の
話合い
の制度を設けておくこともきわめて有効でありましようし、また
労使
間において、
話合い
によ
つて
は解決が困難である場合には、進んで問題を公正な第三者の調停、仲裁に付し、その結論に対しては、
双方
ができる限りこれを尊重して問題を解決することが望ましいのでありまして、私は、
労使
が従来の行きがかりにとらわれることなく、このようなよき慣行を確立されることを強く期待するものであります。 ことに
労働者
の
協力
によ
つて生産
が増大し
利潤
が
向上
した場合には、その
寄与
に応じて
労働者
に報償を与え、その
利益
に均霑させることは、
労働者
の
労働意欲
を
向上
させるためにも、また
労使
の
信頼関係
を進めるためにも、
検討
を要することではないかと
考え
ますので、このような問題についても、今後十分研究をいたしたいと
考え
ます。 私は、元来労働問題は、
経済
問題の一環として総合的に解決されなければならないとの信念を持
つて
おります。
従つて
、
労働政策
も
政府
の他の諸
施策
と表裏一体とな
つて
樹立運営されることが必要と
考え
ますので、今後閣内におきましても、他の
閣僚
と常時緊密に協議いたしまして、私の
所信
を
十分政府
の諸
政策
に反映せしめたい
所存
であります。同時に、
労使関係者
に対しても、
わが国経済
の
実情
を常に御認識の上、
国民
の
一員
としての良識をも
つて
労使
間の問題を解決されることを切に望むものであります。 さらにまた、
経済
の
自立再建
のためには、
労働生産性
を
向上
することがぜひとも必要でありますので、
労使関係
の安定、
労使協力態勢
の確立と相ま
つて
、
技能者
の養成、
職業補導
の充実により
労働者
の
技術水準
を
向上
し、他面
労働者
の
福祉
の
増進
と
生活条件
の確保によ
つて
、
労働意欲
の
増進
をはか
つて
参りたいと存じます。 特に現在の
住宅事情
にかんがみ、
労働者住宅
を整備することは現下の急務であると
考え
ますので、
建設省当局
と
連絡
を密にして、現
内閣
の
一つ
の大きな
政策
として
住宅建設
の促進をはかるとともに、
社会保険積立金
の
運用
による
労働者住宅
その他の
労働福祉施設
の拡充をぜひとも実現させたい
所存
であります。 また
労働基準法
につきましては、
わが国
の
実情
から見て
検討
を要する面があると
考え
ておりますが、特にその規定が、大
企業
、
中小企業
の区別なく一律に定められているため、
中小企業
にと
つて
、その
企業
の実態より見て厳に失すると思われる点が見受けられるのであります。これらの点については、
中小企業育成
の見地より、その
実情
を十分
検討
し、かつ
国際立法例
をも勘案しつつ、その改正を慎重に研究してみたいと
考え
ます。 次に失業問題につきましては、今年初頭以来、
デフレ経済
の
深刻化
に伴いまして、
企業
の整理、倒産によ
つて
離職する者が多数に上り、これに対して新たな
雇用
はかえ
つて
減少しているため、
失業者
が例年の数を大幅に上まわ
つて
増加いたしておりますことは、まことに憂慮にたえないところであります。これらの
失業者
につきましては、本格的には
経済
の基礎を固め、その上に立
つて
経済規模
の
拡大均衡
をはかり、
産業活動
の活発化によ
つて
これを吸収して行くべきものであり、
政府
においても、総合的な
経済計画
のもとに
産業雇用
を逐次増大して参る
所存
でありますが、それまでの間すでに発生した
失業者
に対しては、早急にその
救済策
を講じなければならないのであります。明年三月までの
対策
としては、
失業対策事業国庫補助額
を新たに八億五千万円追加してその活用をはかるとともに、九億六千万円の
国庫補助
により、
道路建設等
の
緊急就労対策事業
を、
失業情勢
に応じ重点的に実施する予定であります。これらの
事業
に加えるに、
鉱害復旧事業
の繰上げ施行、
炭鉱地帯
における
河川改修等
の実施により、本年度内の
失業者救済
に遺憾なきを期する
所存
であります。 さらに将来の問題としては、従来のような臨時応急的な
事業
のみでなく、
国土建設事業
や
公共事業
との間に
総合的計画
を立て、
住宅
や
道路建設等
を主眼として、
失業者
に建設的な仕事を与えることに
努力
したいと
考え
ます。 また
新規大学卒業者
を初めとする
知識層
の
失業者
に対しては、国及び
主要都道府県
に
学生就職対策本部
を設置して、
雇用
の勧奨と
就職
のあつせんを活発に行うとともに、官公庁における
調査事務
、その他これらの人々に適応した
事業
への
就職
をはかるなど、特段の措置を講じたいと存じます。 なお、
デフレ
の影響により、最近増大しつつある賃金不払い問題については、
労働省
としては第一線の
労働基準局
を中心に、不払いの解消に努めるほか、
経済関係各省
と緊密な
連絡
のもとに年末金融の
円滑化
に
努力
中でありますが、特に
労働金庫
の年末
資金
につきましては、今回
資金運用部資金
より、四億円を
都道府県
を通じて
労働金庫
に融資することといたしたのであります。 以上、
所管行政
について所懐を申し述べたのでありますが、私は今後
労使
を初め広く各
方面
の御
意見
を率直に聞き、
労働行政
の円滑な運営を期するため、あらゆる
努力
を傾けて行きたいと存じておりますので、何とぞ御
協力
のほどをお願い申し上げる次第であります。(
拍手
)
葉梨新五郎
6
○
葉梨委員長
それでは、ただいまの
労働大臣
の御
発言
に対しまして、質疑の通告がございます。順次これを許可いたします。
持永義夫
君。
持永義夫
7
○
持永委員
ただいま
千葉
新
労働大臣
の
政策
を拝聴いたしたのでありますが、ただいま
お話
になりましたことは、いずれも、
労働省
として従来から
考え
られてお
つた政策
でありまして、特に新味を
感じ
ません。中には、わが
党内閣
の時分に樹立した
政策
を踏襲されておるものもあるのであります。もとより、
労働政策
にそう目新しいような奇抜な
政策
があるとはわれわれは
考え
られないのであります。
従つて
、ここに盛られておる各種の
政策
は、
広汎多岐
にわた
つて
おりまして、いずれも適切なるものでありますが、ただ問題は、これをいかにして実行するかということが肝要であります。どうか新
労働大臣
におかれましては、これらの重要なる問題を
一つ
でも
二つ
でも、一刻も早く実現されることに
努力
されるべくお願い申し上げたいのでございます。 本日は、野党の各党の
相談
によりまして、あまり
政策
について論議することは、いわゆる
選挙対策
と
誤解
されるおそれがあるから避けようという
相談
でありますから、私は
政策
につきましては、あまり深入りをいたしません。ところが、残念なことには、すでに私の
承知
しておるところでは、新
労働大臣
が二十九年十二月十三日の読売
新聞
に、新
大臣
としての
構想
を発表されております。これを拝読いたしますと、ただいま演説された内容と大体一致いたしておるのでありますが、私がまじめに
考え
て最も不満に思います点を特に一点だけ
大臣
に
お尋ね
しておきたい、こう
考え
るのであります。
新聞
の
報道
が事実であるかどうかということは、私も何ら保証は得ておりませんが、おそらく
大臣
の
お話
によ
つて
掲載されたものと思う。あるいは
社会党
の
諸君
は、御賛成の点を表せられるかもしれませんが、その中でこういうことを言
つて
おられるのであります。「いままでの
自由党
のやり方は、めんどうくさいから取締まれ、あるいは弾圧しろという捨てばち的なところが多々ありましたね、実際に。
政治
をよくしてそうして
生活
の安定をはかるという根本的なものを忘れてしま
つて
いる。」この一句であります。私は議員として、短かい期間でありますが当初から
労働委員会
に関与しまして、ずつと
労働省
の
労働政策
を
承知
いたしておりますが、少くとも、私がまじめな、
党派的根性
を捨てた
立場
から批判をいたしますならば、今までの
労働政策
に、こういうような
労働省
が直接取締まるとか、あるいは弾圧するとかいうような
政策
は、全然なか
つた
と私は確信をしております。こういうことを言うのは、おそらく最近の
ピケ
に関する
労働次官
の
通牒
あるいは官公労その他の
公共企業体
の
労働組合
の
方々
が、法の限界を越えて
労働運動
をされておるということに対する
小坂労働大臣
の注意、これらを総合して、
大臣
がこういうことを言われたと思いますが、私はこれは
千葉労働大臣
のために非常に惜しむのであります。今日までの
労働政策
は、御
承知
のように、従来の改進党また今日の
民主党
大体相提携して立てて来たのであります。われわれは
保守党員
でありますけれども、できるだけ
労働政策
について関心を
持ち
、また熱意を持
つて
や
つて
来たのであります。これは当時の改進党の
諸君
もよく御
承知
である。ここにおられる
山村
新
治郎
君も、よく御
承知
でありましよう。そういう
政策
を実行したにかかわらず、こういうことを言われるということは、はなはだ私は遺憾に思いますが、どういう
意味
でこういうことを言われたのか、あるいはまた、今後今までの
ピケ問題等
に対する
労働次官通牒
を変更されるような
考え
をお
持ち
であるかどうか、一点だけお聞きしておきたいと思います。
千葉三郎
8
○
千葉国務大臣
私の談話が非常に御迷惑にな
つて
申訳ないのでありますが、従来の
自由党
とわれわれ
民主党内閣
の違いは、
自由党
の
経済政策
は、最近はいざ知らず、
自由放任経済
をも
つて
大体の基調とせられたことは事実であります。そこでわれわれといたしましては、
経済自立
を進めて参るために、そこに広義の
計画経済
を樹立したい、この目的で進んで参りました。
従つて
また私がここで今日申し上げたことも、きわめて抽象的な問題でありますが、今までの
考え方
によりまして、もう少し具体的に太い線を出しまして、総花的ではなく、
二つ三つ
の大きな問題を取上げてそれを実現したい、そういうふうに
考え
ております。そこで、この
自由放任
というその都度その都度の
政策
が、それを指摘したために、あるいはそうしたように誤
つて
伝えられたこともあると思いますが、今の
ピケ
・ラインの問題にいたしましても、
自由党
当時の
次官通達
につきましては、
民主党
におきましても
支持
しておるのであります。今後私は決してこれをかえようという
考え
はございません。あれは当然のことであります。そこで、ただそうしたようなときに、あるいは
警察力
を使うとかなんとかいうようなことはなるべく避けまして——それが違法でない限りにおきましては、
警察力
の
介入
を避けて参りたいというふうに
考え
ております。そういうことでありまして、言葉の表現につきまして、あるいは誤りがあ
つた
かもしれませんが、それだけのことであることを御了承願いたいと思います。
大橋武夫
9
○
大橋
(武)
委員
関連して。ただいま
労働大臣
は、違法でない限り
警察力
を使わないのだ、それが
民主党
の新しい
労働政策
である、この点において
自由党
の
取締り一点張り
と違う、こう言われましたが、
一体自由党内閣
が、いつ適法な正しい
労働運動
に
警察力
を
介入
しろというようなことを申したか、
はつきりお答え
を願いたいと思います。
千葉三郎
10
○
千葉国務大臣
いつというようなことにつきましては、その
新聞記事
でも御
承知
のように、
はつ
きりしておりません。そうしたような
誤解
を生ずるごとき
報道
のあ
つた
ことは、私は十分認めておるのであります。(「具体的に言
つて
くれ」と呼ぶ者あり)具体的にいつというようなことではございません。ただそれを、たとえば
警察介入
の時期あるいは方法その他について遺憾の点があ
つた
ということを申し上げたのであります。
大橋武夫
11
○
大橋
(武)
委員
そういたしますと、
民主党内閣
とされましては、たとえば東証のストであるとか、あるいは
近江絹糸
の
問題等
についての
警察力
の
介入
ということは不適当であ
つた
、こういう御趣旨でございますか。
千葉三郎
12
○
千葉国務大臣
これらの問題につきましては、
実情
に応じて十分
考え
なくちやならぬのでありますが、私はあの
近江絹糸
の当時の問題についてそれを
言つたの
ではございません。
大橋武夫
13
○
大橋
(武)
委員
それでは何について
言つたの
ですか。
千葉三郎
14
○
千葉国務大臣
東京証券取引所
その他におきまして少し早過ぎるとか、そういうような点については、私は
誤解
を生じておると思います。
大橋武夫
15
○
大橋
(武)
委員
あなたは、一体何を証拠に、
自由党
の
政策
が
取締り一点ばり
だ
つた
ということを言われたのですか、その点を
はつ
きりさせたいというのが
持永委員
の
質問
であ
つた
。これに対して、あなたは何ら具体的なものはない、ただ漠然とそういうことを
感じ
たからそういうことを
言つたの
だ、こういう
お答え
ですか。
千葉三郎
16
○
千葉国務大臣
先ほどから
お答え
しております
通り
に、全体を通じましてわれわれとしては
話合い
を十分して、
話合い
がつかず、また違法であ
つた
ときにはあらためて
警察力
ということを言うのでありますが、その
話合い
が十分つくかつかないかという認定の問題で、そして出したことは私はあると
考え
ます。
大橋武夫
17
○
大橋
(武)
委員
では、ひとつ
はつ
きり伺いたいのですが、労働問題に関連して、
自由党内閣
の時代に
警察
が入
つた
、そして現在
起訴
にな
つて
いまだ裁判に至らておらない
事件
が相当多数あります。あなたは
政府
として、これらの
事件
について、不当と認めたものについて
控訴権
を放棄されるという
考え
があるのですか。
閣僚
として、労働問題についてこの点で
起訴
をしておる、これは間違いであるから、
民主党
としてはこの
事件
は検事に
指示
をして
控訴
を取下げさせる、それだけのお
考え
があ
つて
言われるのであるか、それとも、ただ漠然と言われておるのであるかどうか、この点をひとつ
はつ
きりしておいていただきたい。
千葉三郎
18
○
千葉国務大臣
それは
事態
を十分
検討
してからでないと申し上げられません。
大橋武夫
19
○
大橋
(武)
委員
そうすると、
労働大臣
は、
事態
について十分なる
検討
もなく、ただ
自己
の散漫なる
考え方
に基いて、一方的に他党を誹謗したものである、かように私は断定をいたしまして、この
関連質問
を打切らせていただきます。
持永義夫
20
○
持永委員
ただいま
大橋委員
が言われた
通り
に、
千葉
新
労働大臣
は、今まで
自由党
がやりましたいろいろな
指示
その他について、十分なる
検討
なくして、ただ漫然たる
感じ
のもとにこういうことを、いわゆる
選挙
の
宣伝政策
として簡単に言われた、こういうふうに私は解せざるを得ないのであります。いやしくも
労働政策
に当る者は、もつと慎重な
態度
で、着実な
考え
でこの
政策
に当
つて
いただきたいと、こう私は
考え
ます。こういう
希望
を申し上げまして、私の
質問
を終ります。
葉梨新五郎
21
○
葉梨委員長
それでは
山村
新
治郎
君。
山村新治郎
22
○
山村委員
私はこの際、
大臣
のご
あいさつ
に関連いたしまして、重要問題並びに当面の問題といたしましての
公共企業体
の年末手当の問題に言及をいたしまして、一、二点
お尋ね
をいたしたいと思います。 さて、ただいま
大臣
のご
あいさつ
がございましたが、
千葉労働大臣
に対する世評は、大体点数は甲の上の部に属するようであります。(笑声)あるいは、これは
吉田労働政策
に対するところの反動であるという
見方
があるかもしれませんが、少くとも
労働組合
の幹部の
方々
も、何か
千葉労働大臣
とは打
割つて話
ができるという
感じ
を持
つて
おるということは、もうあらゆる
組合
の
代表
の
方々
の偽らざる告白であるのであります。この点、私は、
鈴木
さんのときは別であ
つた
でありましようが、少くとも
小坂労働大臣
の時より、はるかに進歩しておる
労働行政
の
一つ
の現われであるというふうにこれを確信いたしております。つきましては、今たまたま
大橋委員
と
一つ
の論争があ
つた
ようでございますが、われわれは
保守党
の
党員
たりといえども、やはり同じ
国民
といたしましての
立場
における
労働組合
の
方々
、
労働者
の
方々
の
立場
というものをほんとうに尊重し、この
方々
の
福祉
をこいねがうところの
労働行政
が行われてこそ、初めてわれわれは
政治家
としての
職分
が達せられると思うのであります。しかし、残念なことには、今までは、いわゆる不逞のやから視するところの
自由党
の
労働者
に対する
見方
のために、
労働組合
というものと
保守党
というものの対立が非常に深刻にな
つて
おると思うのです。特に
保守党
といえば、これは
労働組合
には理解のないものだというような
考え
を持
つて
おる
労働組合
の
方々
もございますし……(「それは
社会党
の
宣伝
だ」と呼ぶ者あり)これは
社会党
の
宣伝
であるかもしれません、しかし、あるいはまた同時に、
労働組合
の
代表
といえば絶対に
保守党
とは相ともに語るべきものではないというような
考え
を持
つて
おる
保守党員
がいまだにあるということは、まことに
保守党
のために悲しむべき現実であると言わざるを得ないのであります。従いまして、この際われわれ
保守党員
たるものの心構えというものは、ぜひともこの誤れる一部の
指導
によ
つて
行き過ぎたる
労働組合
、
労働者
のあり方につきしましては、これを根本的に改めて、正しく導いて行くためのやはり
親切味
がなければならぬと思うのであります。このときにあたりまして、
労働大臣
のご
あいさつ
の中で、特に
労働者
の
協力
によ
つて生産
が増強、拡大した場合において、そして
利潤
が
向上
した場合において、その
寄与
に応じて
労働者
に報賞を与えて、その
利益
に均霑させたいという御
意見
が述べられておるのでありますが、これは非常に重要な問題でございまして、まことに
吉田労働行政
のときには、ついぞ想像もしなか
つた
りつぱな進歩的な
労働行政
の
一つ
であろうと思うのであります。(「何を言うのだ、
政務次官
をしたことがあるじやないか」と呼ぶ者あり)なるほど、私が
労働政務次官
をしてお
つた
ことはございました。そのときのことでございます。
さつき大橋
君も言われたのでございますが、
自由党
の
労働行政
というものは、
警察力
を使
つた
ことがあるかないかという問題にしても、現に私が
政務次官
のときに、もし私かおらなか
つた
ならば、
自由党
というものは天下に恥をさらすようなことがあ
つた
のです。これはおそらく
労働省関係
のお役人の
方々
は御存じでしよう。時の
労働大臣
はベル
一つ
押して警視庁に
警察
官を動員させようとする寸前に私が飛び込んで
行つて
、私は
労働組合
の
方々
に話をしたが、何の問題もなくすらすら解決してしま
つた
ことがある。これなどは、
大橋
君の具体的な例はどれだといえば、
自由党
といたしましての大きな
労働政策
における欠陥だと伝わざるを得ない。そこで私はそういう
自由党
を脱党したのだ。私はそれを申し上げたいのです。 そこで、この
利潤
の分配の問題につきまして、
千葉労働大臣
といたしましては、具体的に、たとえば
労働者
の
経営参加
あるいは
経営協議会
というような観点の何らかの御
構想
をお
持ち
であるかどうかについて、まず
お尋ね
をいたしたいのでございます。
千葉三郎
23
○
千葉国務大臣
ただいま
山村
さんから
お尋ね
がございましたが、終戦後、何となく
生産
が萎靡しておりますけれども、この
生産
をいやが上にも
向上
するためには、やはり
労働者
に
希望
を与えなくちやいかぬ。ことに、最近におきましては
デフレ
が深刻になりまして、立ち上る元気もうせたようでございますから、こうした
経営参加
であるとか、そういうような面よりも、むしろ
生産
に対する報償制度というようなものが望ましいのではないか。言葉をかえて申しますならば、
利潤
の分配ということも言えますけれども、まず
生産
をする。そうしてこれを呼びかけてみてはどうかということで、近く党に具体的な協議会をつくりまして、この研究を進めて参りたいと思
つて
おります。
従つて
、そう遠からざるうちに具体的に御
相談
する機会が来ると
考え
ております。
山村新治郎
24
○
山村委員
就任御早々でございますので、いろいろな抱負経綸をお
持ち
でしようし、その御
構想
を実現させるためには、いろいろの準備もあられることとは思います。どうかひとつ進歩的な行政を打出されるように
希望
いたします。 次に、重要問題として、いま一点伺いたい点は、
労働組合
のあり方というものについての
質問
なんでございます。それは、
労働組合
というものは、やはり
政治
的にはあくまでも中立でなければならないと思うのです。この点につきまして、まず
大臣
はどういうふうにお
考え
になりますか。
千葉三郎
25
○
千葉国務大臣
ま
つた
くその
通り
に
考え
ております。
山村新治郎
26
○
山村委員
大臣
のお言葉を待つまでもなく、まじめな
国民
、まじめな
労働組合
員の
方々
は、
労働組合
というものは中立であ
つて
ほしいとこいねが
つて
おると思うのです。ところが、実際問題といたしましては、総評におきましては、御存じのように、特定の政党に対するところの
支持
をきめておる状況でございますし、あるいはまた各
組合
に流れて参りますそれぞれの政党の
支持
というものは、これは
組合
員の個々の意思を無視いたしまして、相当にか
つて
の翼賛会式の流れ方で参
つて
おることは、いなめない事実ではないかと思うのでございます。従いまして、私はもとよりこういうような情勢に至らしめたるところのものは、
保守党
の
政治家
といたしましてのわれわれの責任であると痛感いたしております。すなわち、そういうような
考え
に
労働組合
を持
つて
行つて
しま
つた
ということは、
保守党
の
労働政策
というものが、
労働組合
の
方々
に
誤解
されておるから、こういうことにな
つて
しま
つた
のだ。その点から
考え
ますときに、ぜひその行き過ぎた
労働組合
の特定政党に対する
支持
ということが自然的に直
つて
参るような、りつぱな
労働政策
を立てていただくことをこいねが
つて
やみませんが、具体的な問題といたしまして、総評の特定政党
支持
に対して、
労働大臣
はどういうような御見解をお
持ち
でございましようか。
千葉三郎
27
○
千葉国務大臣
私はまだ十分そのことを
承知
しておりませんので、今後総評の
諸君
とひざを交えて話し合
つて
、その実態を
調査
いたしまして、しかる後に善処したいと思います。
山村新治郎
28
○
山村委員
ごもつともと思いますので、どうかひとつこれからは
労働大臣
自身、総評の
会議
にも飛び込んで
行つて
、
保守党
のどこが悪いのか、悪いところがあ
つた
ら喜んで直そうじやないかというくらいの謙虚な
態度
に出て——決して日本
民主党
だけとは言いません、
自由党
もその他の
保守党
も、
労働組合
が
政治
的に中立の
立場
をとるように導いてこそ、初めて日本の
労働組合運動
というものが健全なものにな
つて
行くんじやないかということを私の
意見
として申し上げまして、
千葉労働大臣
に善処を要望いたします。 次に、具体的問題といたしまして、差迫
つて
おります例の
公共企業体
の給与問題でございます。この問題につきましては、ちようど十二月十一日に関係
閣僚
の懇談会があ
つた
ようでございますが、この懇談会におきまして、こういう点がきめられているようであります。
一つ
は、職員の給与または手当についての補正予算は、昭和二十九年度においてはこれを組まないということ、二といたしまして、年末に支給する一時金については、各
企業
体の当事者間において自主的に解決さるべき問題である。
政府
としては業積手当等をも含めて一・二五箇月分を限度として支給することを認めるという、この二項が
話合い
の結果としてきま
つた
ように聞いておりますが、これに閣議の決定が、大体この線に参ると予定してよろしゆうございましようか。
千葉三郎
29
○
千葉国務大臣
この問題につきましては、私は就任早々でございましたが、十一日に
経済
関係
閣僚
懇談会を開きまして、こうした申合せをいたしました。すなわち
政府
といたしましては、業績手当を含めて一・二五箇月分を限度として支給するということをきめたのであります。
従つて
この方針を、さらに去る火曜日の閣議において再確認いたしております。
山村新治郎
30
○
山村委員
なお続いて
お尋ね
いたします。ちようど
大臣
が就任の前日でございましたか、当
労働委員会
におきまして、満場一致をも
つて
、ほぼ昨年と同率を支給するということにつきましての決議がなされたのでございますが、この点につきましては、
大臣
は十分御存じの上におきまして、この
委員
会の決定を尊重するという御意思がこれに盛られていると
考え
てよろしゆうございましようか。
千葉三郎
31
○
千葉国務大臣
大体その趣旨は、年末に支給する一時金については、各
企業
体の当事者間において自主的に解決さるべき問題であるというところに、御
希望
の点を十分含んでいると思います。
政府
としては、業績手当を含めて一・二五箇月分を保証するという
意味
でございます。
山村新治郎
32
○
山村委員
大臣
の御答弁は当事者間において自主的に解決されるというところに非常に味があるというような御答弁に承
つた
のでございますが、そのおもんばかりを私は感謝いたします。ただ問題は、この一・二五箇月という数字が、大蔵当局その他の一部の見解によりますと、最高の一・二五臨月という限度に
考え
ている向きもございますし、ふるいはまた同じ一・二五箇月の限度というものを最低の一・二五箇月の限度と見る向きもあるのでございますが、この点は最高と最低をどういうように解釈したらよろしゆうございましようか。これは事務当局でもよろしゆうございます。
中西實
33
○中西説明員 一・二五まで
政府
が限度として認める。これは昨年におきましては、一のほかに〇・二五は業績手当として各
企業
に一率大蔵省として認めまして、そして財政当局としては、一・二五は財政的な裏打ちもするということで、そのあと、先ほども
大臣
から言われましたように、団体交渉によ
つて
いろいろの率できま
つて
いるのでございます。そこらは結局自主的な団体交渉できまる問題でございまして、
政府
としては一・二五だ、こういうようにわれわれは理解しているわけであります。ただ、大蔵省の言いますのは、今年は各
企業
対それぞれが業績手当が出るような事情にない——出るところもございますが、去年ほど一律に出し得るような
事業
の状況じやない。
従つて
相当渋い
考え
をも
つて
いるようであります。
山村新治郎
34
○
山村委員
事務当局としてはごもつともな答弁ですが、ちよつと重要な点で
大臣
に
お尋ね
したい。それは
政府
としては業績手当を含めての一・二五を限度として支給するという数字を御発表にな
つた
以上、少くともこの一・二五につきましては、
労働組合
の
方々
は支給されるものと
考え
ていると私は思うのです。しかし実際には、今御説明があ
つた
ように、業績手当という問題になりますと、業績のあが
つて
おらない団体、あるいはその他のいろいろな欠陥のあります予算上の措置からい
つて
、その財源があるいはないかもしれないのでございます。そのときに、
政府
といたしましては、ある程度までそのほかの予算面の流用を認めて、やはり一・二五までは何とかしてやりたいという親心というように私どもは解釈したいのでございますが、そのように解釈してよろしいのでございましようか。
千葉三郎
35
○
千葉国務大臣
ただいまの
お話
の
通り
一・二五を確保する、保障するという
意味
なんです。さように御了承願います。
山村新治郎
36
○
山村委員
大臣
の非常に進歩的な、特に
労働者
の
立場
をほんとうに御同情された言葉がありまして、私どもは非常に満足いたしております。ところが、実際問題になりますと、大蔵省の役人の
方々
は、これも
自由党
の積弊によりまして、いつの間にか大蔵省の役人が予算を操作する現状というものは、国会の審議権を全然無視している現状である。たとえばあらゆる予算において一定限度のわくがきめられたといたしましても、それを大蔵省の官僚が、命令的に一割天引とか、あるいは二割天引というようにして操作をいたしている現状でございますが、こういうような点が、たまたま各
企業
体との交渉にあたりまして、もし業績手当として相当すべき財源がない場合において、ほかの方からまわそうとしますと、来年度の予算に、この面についてはお前の方は少しゆとりがあ
つた
じやないかというようなメスを入れられることをおそれて、各団体は、ほんとうに徹底的に大蔵省の官僚の連中と闘
つて
おらない現状でございますので、どうかこれは
自由党
の二の舞いをしたというような笑いを残さないように、いやしくも閣議で決定したことは、いやしくも
大臣
が答弁されたことは、あくまでもその線に沿
つて
実行するという強い線を打出していただくべく、大蔵
大臣
に厳格な御交渉を願いたいと思うのであります。私どもも与党の
立場
から、特に差当りました年末でございますので、一日も早くいろいろな問題を解決するために、この点は
自由党
の
諸君
とも、
社会党
の
諸君
とも手を握
つて
、超党派的な
立場
で解決すべく
努力
するつもりでございますが、いろいろその間にむずかしい問題がございますから、誠心誠意
努力
するというお言葉をもう一ぺんちようだいいたしまして、私の
質問
を終ります。
葉梨新五郎
37
○
葉梨委員長
ただいまの
山村
新
治郎
君の御
発言
に対して、
委員長
より一言申し上げます。昨日の当
委員
会の
理事
会の協議の結果に基きまして、本件に関しまする財源関係、あるいは
委員
会の決議趣旨尊重の趣旨をも
つて
、
民主党内閣
の大蔵
大臣
の出席を求めました。本日も昨日もこれを要求しているのであります。しかるに公務以外の党務であるという理由をも
つて
、出席せられません。そこでその心がけがはなはだ国会の威信を損ずるものであるということをるる
委員長
から非公式に説明いたしまして、その出席を求めているのであります。どうぞ
民主党内閣
の
諸君
は、さような
閣僚
の不心得を繰返さぬように、これは
委員長
よりも、特に現にただいま
閣僚
に向
つて
要求中でありますが、各
委員
の
諸君
にも、ひとつ御
協力
願いたいと思います。
山村新治郎
38
○
山村委員
委員長
のその御要求は当然のことであります。私はできることなら、あなたは
自由党内閣
のときにそういう要求をどんどん各
閣僚
にしてもらいたか
つた
。ところが、総理
大臣
初め各
閣僚
が、なまけほうだいであ
つた
がために、とうとう
自由党
の恥さらしをしたというのが現状ではないかと思うのであります。しかしこの問題は、実際上さつき申し上げましたように、保野党であるとか、あるいは進歩政党であるとかいうような区別は、抜きにして、年末迫
つた
問題でありますから、何とかしてみんなで解決してやらなければならぬと思えばこそ、私は与党の
立場
から、
千葉労働大臣
にいろいろなことをお願いしておるのであります。
従つて
、この
委員
会を妙な
選挙
のある
一つ
の
宣伝
の道具に使わないでもらいたいということを、私は
はつ
きり申し上げておきます。
大橋武夫
39
○
大橋
(武)
委員
ただいまの
山村
君の御
意見
につきまして、私も同感であります。この
委員
会を
選挙
の道具に使うというようなことは、まことにこれはしかるべからざる儀と
考え
ておるのでございます。さしあたり、問題は、先般当
委員
会においても決議いたしました年末手当の問題につきまして、一日もすみやかに解決をはか
つて
いただきたい、こういう趣旨でございます。これについての
労働大臣
の理解ある御
態度
につきましては、私どもも十分に了解をいたしておるのでございますが、ただ何分財政当局の
態度
については、多少の疑問を持つ点がございます。ただいま
委員長
の
お話
によりますと、
委員長
として大蔵
大臣
の出席を要求せられておるそうでございますが、今日実現されないようでございます。そこで、私はこの機会に動議を出したいと存ずるのでございまするが、大蔵
大臣
の出席を当
委員
会に要求いたしたいと思います。どうぞ御賛成を願いたいと思います。
葉梨新五郎
40
○
葉梨委員長
ただいまの
大橋
君の動議に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
葉梨新五郎
41
○
葉梨委員長
満場一致大蔵
大臣
の出席を要求するに決しました。 なおその手続等につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますから御了承願います。 先ほどの
山村
新
治郎
委員
の質疑に対しまして、
労働大臣
の御答弁を願います。
千葉三郎
42
○
千葉国務大臣
本問題につきましては、実は十一日も一万田大蔵
大臣
と十分話しました。さらに一昨日も昨日もこの問題で話しました。ただ末端まで流れておらぬように思うから、あなたはほんとうに下まで流してあるかどうかということまで、実は堀り下げて打合せをしたようなわけであります。
従つて
この問題の解決にあたりましては、十分私は今後も
努力
すると同時に、誠心誠意その解決をはかりたいと存じております。(
拍手
)
葉梨新五郎
43
○
葉梨委員長
多
賀谷真稔
君。
多賀谷真稔
44
○多賀谷
委員
労働大臣
の
あいさつ
並びに
所信
につきましては、ぜひ
質問
をしたい点もありますけれども、
内閣
の性格が
選挙
管理
内閣
であり、当然とうてい
政策
の実行のできない
内閣
である関係上、私は
質問
いたしません。ただ、今焦眉の急にな
つて
おります先ほど
山村委員
から
質問
をされました
公共企業体
等の職員の年末手当について、
質問
をいたしたいと思うわけであります。これは十二月九日首班
選挙
に先立ちまして、赤松労働
委員長
が
理事
の懇談会におきまして、いずれの
内閣
ができるかわからないけれども、とにかくできた
内閣
は責任を持
つて
次のような決議を尊重してもらいたいという
話合い
のもとに、その懇談会の申合せがなされたわけであります。その際、現在見えております
山村
新
治郎
氏は
民主党
の政調会にお諮りになり、そうしてわれわれが翌日十二月十日において決議いたしましたその決議の内容について賛意を表され、決議をなさ
つた
わけであります。そこで、私は、今
山村委員
からも
質問
がありましたが、重ねて
お尋ね
いたしたいと思いますのは、私たちが決議いたしました年末に支給する一時金について、私たちが決議をいたしましたのと、
内閣
の
閣僚
懇談会において年末に支給する一時金についてということで決定をされました事項は、内容は同じものであるかどうかということを
お尋ね
いたしたい。
千葉三郎
45
○
千葉国務大臣
ただいまの御
質問
でありますが、
委員
会の決議は、昨年同様ということにな
つて
おります。そこで私どもは、この表現においてほぼ同様であると、こう
考え
ております。
多賀谷真稔
46
○多賀谷
委員
ほぼ同様であるというところでお逃げになりましたけれども、決議とほぼ同様である、ではどういうように違う点が出て来るのか、これを
お尋ね
いたしたい。
千葉三郎
47
○
千葉国務大臣
御
承知
のように、先ほど
山村委員
からお述べになりましたように、大蔵当局といたしましては業績手当というものを非常に重要視しておるのです。すなわち、成績の上らない官庁、公社そういうものに対して、業績手当というものは出せないということを強く主張しておられます。こういうことを広く解釈して、そうして
政府
としては一・二五、但しその前に、当事者間で団交によ
つて
これをまた解決することは、
政府
は関知しないという
態度
でありますから、ほぼ同様ということに結論的にはなると思います。
多賀谷真稔
48
○多賀谷
委員
その前に団体交渉によ
つて
自主的に解決されるということですが、現在の
公共企業体
の会計の状態と、大蔵省がその監査といいますか、監督の地位にある、こういう関係では、なかなか大蔵省の意向を無視してはできないような状態にな
つて
おるのであります。そこで、先に団体交渉によ
つて
ある線が出て、そのうち一・二五までは
政府
として責任を負うということではだめでして、
政府
として一・二五を責任を負い、さらに自主的にその後において団体交渉をおやりなさいというならば、これはあるいは出るかもしれませんが、財源措置としては、
政府
として一・二五をどういうように具体的に確保されるのか、その具体的内容について
お尋ね
いたしたい。
千葉三郎
49
○
千葉国務大臣
ただいまの御
質問
は、いずれも同様であろうと思います。すなわち、
政府
としては一・二五を確保する、これだけの財源措置は保証するということなんです。ですから、その前においてもあとにおいても、団体交渉によ
つて
それを解決するわけでありまして、
政府
だけは一・二五を確保する、こういう
意味
であります。
田中織之進
50
○田中(織)
委員
関連して。ただいまの多賀谷
委員
の
質問
に関連して、
労働大臣
に伺いたいのであります。
委員
会の決議は、昨年と同様程度のものを出してや
つて
ほしい、こういうことで満場一致きま
つて
おる。昨年はどの程度年末に一時金が渡されたかということについては、先ほど中西
労政局長
から
お話
がありましたように、一・二五にプラス・アルフア——これは
企業
体によ
つて
〇・二のところもあれば、〇・二五のところもあ
つて
不同であ
つた
と思いますけれども、少くとも一・二五に、さらにプラス・アルフア分が支給されておるのであります。私らの理解といたしましては、
労働委員会
の決議は、少くとも昨年の支給された額を支出してや
つて
ほしいという
委員
会の意思だというふうに理解いたしておるのであります。重ねてお伺いいたしますが、この点は、先般の十一日の
閣僚
懇談会の申合せをそのように理解してよろしいのでしようか。
千葉三郎
51
○
千葉国務大臣
この
委員
会の決議を尊重いたしまして——
委員
会の決議も昨年とほぼ同率とあ
つた
ようであります。そこで
政府
といたしましては、その趣旨を尊重いたしまして、それに財源を確保する
意味
において
政府
としては一・二五を保証するということを、大蔵
大臣
を含めての
経済
閣僚
懇談会におきまして確定しております。ですから、御
希望
の点に沿うことができると思います。
田中織之進
52
○田中(織)
委員
そういたしますと、予算にあります一・〇にプラスする〇・二五分については、
政府
において財源的な措置について責任を
持ち
、さらにそれに昨年とほぼ同率のプラス・アルフアする部分については、これは全体として
公共企業体
は団体交渉の内容にな
つて
おるわけであります。その
意味
で、
閣僚
懇談会の申合せが前にあ
つて
も、あとにあ
つて
も、当然各
企業
体で
話合い
をするということになるわけでありますが、私の確認いたしたい点は、〇・二五分については、財源的な措置を
政府
の責任においてこれを確保し、さらにプラス・アルフア分は、これはふるいは出るか出ないかの問題は、各
企業
体が団体交渉において自主的に解決していい、そういうように理解してよろしゆうございますか。
千葉三郎
53
○
千葉国務大臣
その
通り
でございます。そうして昨年のプラス・アルフアということも、
政府
としては存じません、それは全然わかりはしません。
政府
としては、一・二五につきまして財源を確保するという
意味
であります。
田中織之進
54
○田中(織)
委員
そこで、
政府
の責任において財源的な措置を講じてやるという〇・二五分の財源的な措置の問額でありますが、それは
閣僚
懇談会の申合せによりまして、補正予算等は出ないわけであります。勢い財政法上からは、予算の流用移用等によ
つて
、各
企業
の会計の中から操作しなければならぬことになるのでありますが、現に〇・二五分については、大蔵当局は、各
企業
体からそれぞれ流用ないし移用をして確保しようという〇・二五分についての財源的な打合せを事務的にいたしておると思うのでありますが、その点については、大蔵当局は、
大臣
だけの理解ではなくて、事務当局とも現にその線に沿うて
努力
しておると理解してさしつかえないのでしようか。
千葉三郎
55
○
千葉国務大臣
その点につきましては、十分事務的に交渉が行われておると思います。
田中織之進
56
○田中(織)
委員
それは、もちろん
閣僚
懇談会の申合せを、その後の閣議で確認をされておるということでありますから、
労働大臣
並びに大蔵
大臣
の責任においてそれが確保されるものだ、こういうふうに理解していいでしようか。
千葉三郎
57
○
千葉国務大臣
さように御了承を願います。
葉梨新五郎
58
○
葉梨委員長
多賀谷君よろしゆうございますか。
多賀谷真稔
59
○多賀谷
委員
いいです。
葉梨新五郎
60
○
葉梨委員長
それでは黒澤幸一君。
黒澤幸一
61
○黒澤
委員
鳩山
内閣
は、成立しましてわずか一週間にしかならないのでありますが、この間鳩山
内閣
は、いろいろな
政策
を発表いたしまして、われわれから見ますならば、ほとんど実行のできないようなから手形にひとしいような
政策
が発表されて参
つて
おると思うのであります。またただいま
労働大臣
からご
あいさつ
があ
つた
のでありますが、
労働行政
一般についての所見の発表と思うのでありますけれども、今多賀谷
委員
が申されましたように、われわれは現在の鳩山
内閣
に対しまして、そうした一般的な
政策
等には、何ら期待を持
つて
いないのであります。そればかりではなくて、鳩山
内閣
は
選挙
管理
内閣
であります関係上、来るべき総
選挙
までの
内閣
であるのでありまして、その結果によ
つて
、鳩山
内閣
がなお継続しますならば、そうした
政策
についてわれわれは
検討
する必要も認めるのでありますが、そうした
選挙
管理
内閣
に対して、今われわれはそうした一般的な
政策
、主張について、御
質問
申し上げる必要は認めないのであります。それで私は、当面の問題の
一つ
であります
失業対策
につきまして、
千葉
新
労働大臣
に
お尋ね
したいと思うのであります。 ただいま
労働大臣
のご
あいさつ
の中に、
失業対策
といたしまして、明年三月までの
対策
としては、
失業対策事業国庫補助額
と、新たに八億五千万円を追加してその活用をはかるとともに、九億六十万円の
国庫補助
により、
道路建設等
の
緊急就労対策事業
を、
失業情勢
に応じ重点的に実施する予定であるということが述べられてあるのでありますが、これは鳩山
民主党内閣
ができましてこれが出たのではなくて、吉田
内閣
のもとにおいて組まれた予算であると思うのであります。そこで私は、明年三月までの前
内閣
のもとにおいて組まれたそうした予算のほかに、
民主党内閣
といたしましては、別な
失業対策
に対する予算的な措置を講ずるお
考え
があるかどうか、その点を最初にお聞きしたいと思います。
千葉三郎
62
○
千葉国務大臣
ただいまの御
質問
でありますが、実は新
内閣
成立して日浅いのであります。そこで、明日からそうしたような失業の問題、また失業道路あるいは失業河川改修、いずれもみな
失業対策
としてそうしたものを重点的に考慮したいと思
つて
おります。どういうふうに予算措置をするか、まだわかりませんが、少くともそれらのものを鳩山
内閣
の新しい
施策
といたしまして、予算の中に十分織り込む
考え
であります。
黒澤幸一
63
○黒澤
委員
先ごろの
新聞
の発表によりますと、鳩山
内閣
は建設省関係の土木
事業
等の
公共事業
に、一日平均一万五千人の
失業者
を吸収するというようなことが発表されたのでありますが、これはどういうふうに重点的に施行、実施されるのでありますか。何箇所かこれを実施する各県の場所が、
新聞
にも発表にな
つて
おると記憶しておるのでありますが、具体的に、そのうちどこをいつ実施するお
考え
でありますか、その点をお聞きしたいと思います。
江下孝
64
○江下説明員 建設省で所管いたしております緊急就労
対策
費の数字でございますが、先ほど
大臣
から御説明いたしましたように、
公共事業
を
失業対策
的にできるだけ
運用
して行くという
考え方
のもとに、新しく補正として計上されました予算は、
国庫補助
の総額が九億六千万円とな
つて
おります。一−三月におきまして、毎日一万五千人の失業労務者の吸収を目的といたしております。そこで、この実施につきましては、建設省におきまして、できるだけ
失業対策
にマツチするように、今諸般の準備を進めておるわけでございますが、私の聞いておりますところによりますと、大体この一月から着工いたしまして三月まで実施をする。それから実施箇所等は、まだ具体的にこまかくどこの道路をやる、どこの河川をやるというまではきま
つて
いないようでございますが、これは
労働省
から提出いたしました
失業情勢
の見取図がございます、これによりまして、失業の最も深刻な地帯を中心として計画をする。大体のところを申し上げますと、大都市周辺、あるいは石炭
産業
等の不振の地帯等々を中心に実施をすることにな
つて
おります。なお詳細につきましては、建設省の方に御照会をいただきたいと思います。
黒澤幸一
65
○黒澤
委員
もう一点だけお聞きしたいと思います。失対労務者の年末手当等につきましては、あとで島上
委員
から
お尋ね
があると思いますので、ここでは触れませんけれども、私の伺いたいのは、この失対
事業
の労務者に対しまして、地方の公共団体が年末手当を出すことに対しまして、今までの
政府
は干渉しておるとわれわれは聞いております。
都道府県
あるいは市町村
企業
体におきまして、失対
事業
の労務者に年末手当、もち代を出すことに対して干渉し、出すまいとしておるということをわれわれは聞いておるのでありますが、鳩山
内閣
におきまして、
千葉労働大臣
は、そういうことについて一体どういうお
考え
を持
つて
おるか、この機会にお聞きしておきたいと思う。
千葉三郎
66
○
千葉国務大臣
ただいまの御
質問
でありますが、私どもはそういう実態を十分
調査
いたしまして、そうしたことのないように最善の
努力
をいたします。
葉梨新五郎
67
○
葉梨委員長
島上善五郎
君。
島上善五郎
68
○島上
委員
私は一点だけ伺
つて
、他の問題は留保しておきます。日雇い労務者の年末手当のことであります。昨年度吉田
内閣
当時に、
政府
からC級の五日分を出したことは御
承知
の
通り
だと思います。ところで私どもが日雇い
労働者
の
諸君
の現状を
考え
ますと、日雇い
労働者
諸君
が、年末手当十一日分、年末年始の有給休暇四日分、合せて十五日分をほしいと要求しておるのは、実はきわめて控え目なささやかな要求だと思います。この控え目なささやかな要求だけは満たしてやりたい、こう存じて、前の
小坂労働大臣
当時にも、右派
社会党
において、あるいは私どもにおいて、それぞれ折衝を行
つた
のであります。
小坂労働大臣
さえ、と言
つて
は失礼かもしれませんが、
小坂労働大臣
でさえもが、去年に比べて若干の増額を考慮しておる、こういう言質をわれわれに与えておる。私は、甲の上だと言われておる
千葉労働大臣
ですから、この日雇いの
諸君
に対しては、もう少し思いやりがあ
つて
しかるべきだと思う。若干増額のことを
考え
ておるかどうか、これを伺いたい。
千葉三郎
69
○
千葉国務大臣
日雇い
労働者
に対しては、まことにお気の毒で、ほんとうに何ともお慰めする言葉がないのでありますが、ただいま島上さんの言うように、予算措置を五日以上するということは、現在の段階では遺憾ながらむずかしいのであります。何とかしたいと思いながらも。現在では五日以上は
政府
としては非常に困難であります。まことに残念でありますが、この点をひとつ御了承願いたい。
島上善五郎
70
○島上
委員
追加補正予算はすでにきまりましたので、私どもこの問題に関して、新たに追加補正予算の措置をということを今言
つて
おるのではありませんけれども、予算の操作のわく内で、ほんとうに思いやりがあるならば私はできるはずだと思うのです。二日分ふやしたところで、そんなにたいへんな金額にはならぬはずです。私は実は新
労働大臣
に、ぜひ日雇いの
諸君
の現場を見てもらいたい。現場に
行つて
もらえば、私は認識を新たにすると思う。
小坂労働大臣
でさえ、増額を考慮しておると
言つたの
ですから、私は当然新
労働大臣
は数日間の増額を考慮しておるものと期待しておりました。今の答弁を聞いて、はなはだ期待はずれで、甲の上どころではない、たいへんな点数をつけなければならぬことになると思うのですが、困難だという言葉は、不可能だという言葉とは必ずしも同一ではない。困難ではあるけれども、大いに
努力
をして若干の増額について
努力
をする、考慮するということを、私は前
大臣
から聞きましたから、新
労働大臣
からは、困難ではあるけれどもいま一応の
努力
をする、あるいは大蔵当局と折衝する、こういうような同等を実は期待してお
つた
わけです。もう一ぺん
はつ
きりと御答弁を承りたい。
江下孝
71
○江下説明員
大臣
から先ほど申し上げましたように、実は本年度の補正予算も、結局は将来増大いたします
失業者
に対処いたしますものが主体でございます。従いまして、今これをそういう手当の方に増額いたすといたしますと、結局失業救済の面において、欠けるところが出るわけでございます。私どもといたしましては、皆様がおつしやる趣旨は、十分わかるのでございますけれども、しかしながら、一方におきまして、民間の
企業
等におきましては、相当不振の
企業
もございますし、加えて年末手当だとか賃金の遅欠配という問題がございますし、私は本年度につきましては、この五日分をもちまして御了承願いたいと
考え
ます。
黒澤幸一
72
○黒澤
委員
関連して。財源がない、予算のやりくりができないというようなお言葉でありますが、昭和二十九年度の失対
事業
の就労人員の予算は十六万三十ということにな
つて
おります。ところが、実際実行しておりますのは、これは前の
小坂労働大臣
が本
委員
会において述べられたのでありますが、一日十五万七千しか就労していない。予算においては十六万三千計画しておる、そういう金はどこへ
行つて
いるのですか。そういうものをこうした失対
事業
の
労働者
の年末手当に若干出せないということは私はないと思いますが、その点どうでしよう。
江下孝
73
○江下説明員 小坂
大臣
が十五万七千しか出してないと申し上げましたのは、本年度の第一・四半期でございます。第三・四半期は十六万三千、第三・四半期が十七万六千、第四・四半期には十八万六千を出す予定にいたしております。
島上善五郎
74
○島上
委員
私は最後に、ぜひ
大臣
に答弁を願いたい。
小坂労働大臣
は考慮すると言
つて
おるのですから、その考慮さえしない、
努力
さえしないということになれば、残念ながら
小坂労働大臣
以下の点数をつけざるを得ない。私は日雇い
諸君
が要求している年末年始の有給休暇を合せて十五日分というのは、決して不当な過当な要求ではないと思います。少くとも、
大臣
は不可能だと言
つて
おるわけではない。ですから、考慮する、あるいは
努力
するということぐらいなければ、鳩山
内閣
の新
労働大臣
としては、はなはだ私ども期待はずれだと思います。そんなことはないと思
つて
、私どもひそかに期待しておるのですが、
大臣
からこれに対するいま一ぺんの御答弁を承りたい。
千葉三郎
75
○
千葉国務大臣
ただいま島上さんの御
質問
でありますが、この日雇い労務者の問題につきましては、将来においては十分考慮して、この問題を解決しなくちやならぬと思います。ただ、現在の予算措置としては、なかなか困難でありますので、これを何とか改善して行くためには、地方公共団体とある程度提携いたしまして、そちらの方も善処してもらうということにしなければならぬと思
つて
おります。私どもに、この問題に対しまして冷淡であるわけではありません。十分あたたかい心持をも
つて
、
努力
はするつもりであります。
多賀谷真稔
76
○多賀谷
委員
大臣
及び局長は、精神にごもつともであるから、市町村においても若干の配慮をしたいと言
つて
おります。ところが、従来
労働省
では、それを何かチエツクするような動きがあ
つた
やに聞いております。新
労働大臣
としては、市町村が親心をも
つて
もち代をやろうというのに、それはいかぬということは、よもやありはしないと思いますが、従来あ
つた
やに聞いておるわけです。新
労働大臣
のそれに対する
所信
を伺いたい。
千葉三郎
77
○
千葉国務大臣
地方公共団体が、その日雇い労務者に対しまして同情的な
態度
をとるのを阻止するというようなことは絶対いたしません。
多賀谷真稔
78
○多賀谷
委員
この際一、二点
大臣
のお耳に入れておきたいと思います。建設省予算として九億六十万円の緊急就労
対策
費あるいは今度
失業対策
費を八億五千万円も組んだとか、特別
失業対策
事業
を行う資材費を四十五円から二百円程度上げるということはごもつともです。ところが市町村においては、もうこれ以上
事業
をいくら割当ててもら
つて
も、地方財政上どうにも行かない、現在の補助率では引受けきれないという市町村があるわけです。ことに呉のような旧軍港都市あるいは
炭鉱地帯
のように、財源が全然枯渇して、同じ地域に多数の
失業者
が出て来ている地域がありまして、いかに割当があ
つて
も、市町村ではどうしても引受けきれないという点があるわけです。なるほど、これらは特別交付税の対象になるということでありますけれども、現実の問題としては、特別交付税も少いものですから、そこまではいき渡らないのであります。そこで、これは立法する必要はないから、行政措置として、大蔵省にかけ合
つて
、そういう点については、補助率について何らかの考慮をしてもらいたいと思いますが、これについての
大臣
のお
考え
を伺いたい。
千葉三郎
79
○
千葉国務大臣
ただいまの問題につきましては、今後十分研究いたしまして、成案ができましたならば、また御
相談
申し上げたいと思います。
葉梨新五郎
80
○
葉梨委員長
暫時休憩いたします。 午後三時四十七分休憩 ————◇————— 午後六時
開議
葉梨新五郎
81
○
葉梨委員長
休憩前に引続き
会議
を開きます。
委員長
は、国会法第七十一条の規定に基きまして、
議長
を経由して大蔵
大臣
の出席を求めてお
つた
のでありますが、いろいろ御都合があるそうでございまして、明日午後一時に必ず大蔵
大臣
の出席があるということを、与党の
諸君
が保証いたしましたので、与党の
諸君
の保証に信頼しまして、一応本日はこれにて散会いたすことにいたします。 午後六時一分散会