○久保田(豊)
委員 そこで私はお伺いいたしたい。この
基本方針は今おそらく
国民全部がこれを望んでおるところだと思う。問題は、これが
鳩山内閣によ
つて実行されるかどうかということにかかると思います。もちろん短命の
内閣、選挙管理
内閣という
意味では困難だと思いますが、私はそういう
意味を除いて、まじめな
意味で、ひ
とつ基本点についてお伺いいたしたい。その
一つは、首相は独立の完成ということについてどのような目標をお持ちにな
つておるかということであります。もつと具体的に言いますと、独立の完成ということはどの党がや
つても私は非常に困難な問題だと思うのです。今日おそらくすべての政党が超党派的にこの問題を真剣に
考えねばならぬと私は
考える。しかしながらこれは単に首相の言われるように、抽象的にそう
考えるのだというふうなことでできるようななまやさしいことではございません。これは言うまでもないことだ。
そこで私がまず第一に首相にお伺いしたいのは、
日本の独立をしたという状態、首相の言われる独立完成という状態は、どんな状態をお
考えにな
つておられるのか、この点をお伺いいたしたい。今私の
考えております点は、こういうことが独立の実態ではないかと思う。第一に、
日本の
領土と主権が
関係国において完全に尊重されること、これが第一の条件であります。これなくして独立はないはずであります。第二は、条約で許されようと許されまいと、いわゆる
外国の
軍隊が
日本の国土の中にとどま
つておるということ、この状況をなくなすことが独立の問題だと思います。第三の状態は、
外国からのいろいろな
意味での内政干渉が完全になくなる状態、こういう状態でなければ独立の完成という形には行かない。第四は、文化なりあるいは経済たりの交流におきまして、
外国との
関係がほんとうに互恵平等の
立場で行われることが独立の
一つの大きな要件だと私は思います。さらに原水爆時代の今日におきましては、平和ということが人類共通の大きな
目的であります。この平和を守るためには、資本主義とか社会主義とかあるいは進んだ国とか遅れた国とか、こういう国柄の違いを超越しまして、本気に平和を守るための話合いを国際間で進め、そこから結ばれたところの
義務を誠実に各国が実行する、こういうことでなければ私は独立の完成も平和の維持もできないと思う。これは単に私が
考えているだけじやない。今日心ある
国民の大部分はそう
考えております。単に
日本だけじやない。ジユネーヴ
会議以後の
世界の情勢はこの
方向にずつと移
つておると思いますが、これを中心にして、特に
アジアでは御
承知の
通り多くの国がこの
原則を中心として結合をや
つておる。これは単に
世界の各国がこういうふうな
方向に動いて来ておるというだけじやなくて、
日本の独立の
基本的な
内容だと私は思う。首相は昨日の
答弁でもこの
内閣として何をやりたい、一番やりたいことは独立の完成であるということを堂々と言われておる。またほかの
機会においてもすでにこれを公言されておる。私はこの点について、首相の
考えておられるところの独立とは、今私の申しましたような内書を持つた独立か、また同時に今
世界各国、特に
アジアにおいてこういう
方向に動いておるところの独立か、あるいはか
つて自由党
内閣におきまして吉田さんの
外交ブレインでありました、あるいは使用人と言つた方がいいかもしれない岡崎さんは始終こういうことを
言つておる。集団防衛体例のもとでは独立の概念は違
つて来た、
外国から
軍隊がほかの国に入
つてもこれは独立だ、また同時に
外国から、干渉ではないがいろいろの交渉があ
つて内政がそれによ
つて左右されること、これも独立の要件だということをぬけぬけと言われておつた。しかしこういう
意見は吉田
内閣の
基本的な
考え方だと私は思う。この
基本の
考え方が首相の言われるものとどう違うかということが
根本の問題だと思う。この点について首相のお
考えをお聞きしたいと思います。