運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-01-22 第21回国会 衆議院 本会議 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年一月二十二日(土曜日)  議事日程 第七号     午後一時開議  一 国務大臣演説     —————————————  第一 中央選挙管理会委員指名の件  第二 地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案公職選挙法改正に関する調査特別委員長提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  鳩山内閣総理大臣施政方針に関する演説  重光外務大臣外交に関する演説  萬田大蔵大臣財政経済に関する演説  日程第一 中央選挙管理会委員指名の件  中央選挙管理会予備委員指名の件  日程第二 地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案公職選挙法改正に関する調査特別委員長提出)     午後一時九分開議
  2. 松永東

    議長松永東君) これより会議を開きます。      ————◇—————  一 国務大臣演説
  3. 松永東

    議長松永東君) 内閣総理大臣から施政方針に関し、外務大臣から外交に関し、大蔵大臣から財政経済に関し発言を求められております。順次これを許します。内閣総理大臣鳩山一郎君。     〔国務大臣鳩山一郎登壇
  4. 鳩山一郎

    国務大臣鳩山一郎君) さきに私は本国会指名によりまして内閣総理大臣の重責につき、ここに政府所信を申し述べる機会を得ましたことは、私のまことに光栄とするところであります。(拍手)  明朗な政治実現して民主主義の徹底をはかり、国民大衆の声をよく国政の上に反映することの必要であることは、まさに時代の強い要請であると信じております。(拍手)過ぐる第十九回国会以来の国会の実情及び吉田内閣退陣から現内閣の成立に至る政治情勢から見まして、国民の意思が正しく国会勢力分野に反映されておらないことは明白であります。(拍手)よつて政府は、この見地に立つて民主主義のルールを尊重し、信を国民に問うべく、近く衆議院を解散して公明な選挙を行い、もつて国民の神聖な審判を仰ぎたいと考えております。(拍手)かくして、公明な選挙によつて国民の信任を確保し、難局打開に邁進いたしたい所存でございます。(拍手)今日わが国の最大の課題は、すみやかにわが国自主独立を完成いたし、独立国家国民としての自覚を高め、わが国自立再建を達成することにあると信じております。(拍手)  このため、政府は、まず、外交においては、世界平和の確保各国との共存共栄目標とし、広く国民理解と支持とによる積極的な自主平和外交を展開しようとするものであります。(拍手)このため、アメリカその他自由諸国との緊密な提携協力基本方針を堅持し、国際緊張の緩和に努めるとともに、なおこれまで国交の開かれざる諸国との関係をもでき得る限り調整していく方針でございます。(拍手韓国及び東南アジア各国に対しては、誠意をもつて懸案解決をはかりまして、善隣友好経済提携を促進いたし、進んでアジア復興繁栄に寄与したいと存じます。(拍手)  なお、多数の未帰還同胞がいまだ異国に残留しており、さらに現在なお六百余名の同胞戦争犯罪人として拘禁せられておることはまことに遺憾でありまして、政府といたしましては、関係諸国に訴えて、すみやかに引き揚げ並びに釈放が実現するように一そうの努力をする考えであります。(拍手)  変転する国際情勢もとにあつてわが国自主独立の実をあげるためにも、国力の許す範囲において、みずからの手によつてみずからの国を守るべき態勢を一日も早く樹立することは、国家として当然の責務であろうと存ずるのであります。(拍手従つて、防衛問題に関する政府基本方針は、国力相応自衛力を充実整備して、すみやかに自主防衛態勢を確立することによつて駐留軍早期撤退を期するにあります。(拍手)  わが国自主独立の達成のためには、占領下において制定された諸法令、諸制度につきましても、それぞれ所要の再検討を加えて、わが国国情に即した改善をいたしたいと考えるのであります。(拍手)特に国家基本法たる憲法については、制定当時の事情と、これが実施の結果にかんがみまして、国情に即した修正を施す必要があることは、これを認めざるを得ないところであります。(拍手)しかし、憲法は、その重要性にかんがみ、これが改革につきましては最も慎重を期すべきものであると存じます。従つて政府といたしましては、国民各層の意見を十分に徴して、しさいにその内容検討し、平和主義民主主義原則を堅持しつつ、最もわが国情に適するごとく改善の方途を講じなければならないと存ずる次第であります。(拍手)すなわち、これがため、国会に、学識経験者その他国民各層代表者の参加を求めまして、超党派的な憲法調査審議機関を設置いたしまして、慎重審議の上でその成案を策定するようにいたすべきであると考えております。(拍手)  経済自立再建国家独立のため最も必要なことであることは、言うをまたないところであります。もとより、狭小な領土に膨大な人口を擁するわが国経済自立再建をはかることは容易ならざるところであります。これを実現するためには国民全体の協力を必要とすることは申すまでもありませんが、そのためには、国民経済に対し長期の見通しを持つ総合的な計画を示し、国民希望を持たせることが必要であります。(拍手政府自由企業原則に立つて総合経済六カ年計画を樹立し、広く国民理解を求めようとするのは全くこの趣旨にほかならぬものであります。すなわち、政府は、長期かつ総合的な計画もとに、まず税制を改正して中小企業者勤労者農民等負担軽減を行いつつ、中央地方を通じて財政健全化をはかり、もつて経済拡大への基礎を固めんとするものであります。(拍手)また、金融面においてもその健全化に努めることといたし、これがためには豊富な資金が必要でありますので、資本の蓄積と国民貯蓄の増強に特段措置を講じたいと考えております。  経済自立を達成するため、正常貿易伸張と、これが要件である基幹産業近代化合理化科学技術振興の緊要なことは申すまでもありません。これらについて、政府は必要有効な措置を講じ、万遺漏なきを期する所存でありますが、特に科学技術振興のため官民研究機関の機能を充実し、もつて資源の開拓とその有効な利用により優秀な国産品を生産し、その使用奨励に資せんとするものであります。(拍手産業復興し、経済自立を達成するためには、労働資本協力を必要とするものであります。政府は、労使の双方が正義と友愛の精神に基いて、相互にその立場を尊重して、産業復興再建に最善の努力を傾けられることを切望するものであります。(拍手)そのため、政府は、労働運動正常化を念願するとともに、各般の方策によつて労使協力体制を確立いたしまして、産業平和の確保に努めようとするものであります。(拍手)  デフレによる経済健全化のための過程として、失業者増大中小企業者に対するしわ寄せの集中が見られるのでありますが、政府といたしましては、中小企業者に対しては、わが国における経済的、社会的重要性にかんがみ、その組織化金融円滑化につき格段措置を講じ、特に中小企業製品優秀化とこれが輸出振興について積極的施策を考慮中であります。(拍手)  失業対策といたしましては、根本的には前述の長期総合計画実施により雇用の増加を期するはもちろんでありますが、さしあたりの強力な対策としては、公共事業の面において緊急就労対策事業を全国的に実施し、もつて失業者の大幅な吸収をはかる所存であります。(拍手、笑声)  なお、国民生活、特に働く者の生活を安定せしめるため、昭和三十年度においては思い切つた予算措置を講じて、庶民住宅建設の強力な推進をはかりたいと考えております。(拍手)  農林漁業及び食糧問題につきましては、まず畜産物水産物を含めた総合的食糧計画的増産確保することによつて食糧輸入の節減をはかり、他面、農林水産物輸出振興方策を講ずる考えであります。  内外農業経済情勢に応じ、農林漁業の経営安定には特に力をいたし、これがため肥料、飼料等重要生産資材価格低廉化と需給の安定をはかるとともに、農林畜水産物価格の安定と流通の改善刷新農地担保金融制度の創設、農業災害補償制度改善等実施する所存であります。(拍手)  さらに、食糧管理制度につきましては、内外食糧事情及び経済事情にかんがみまして、根本的改革を行うため、すみやかに成案を得るよう努力中でございます。(拍手)  毎年頻発する災害抜本的防除国土保全のため、政府は、造林、林道並びに道路事業都市計画事業災害復旧事業等につきまして、総合的な治山治水基本計画を確立いたしまして、これが適正かつ能率的な推進をはかる所存であります。(拍手)  なお、政府は、北海道及び東北地方の占める地位重要性に着目いたし、これが開発については特段の力をいたす所存であります。(拍手)  また、災害を未然に防止し、国土、人命の安全をはかるため、気象業務非常無線通信網等整備拡充をはかるとともに、船舶、航空機等整備により海上保安態勢強化していく考えであります。  社会保障充実強化は、民生安定のためきわめて肝要な事柄でありますが、政府は、各種疾病保険普及充実をはかるとともに、これら保険に対する応急的補強措置を講じ、また結核その他の疾病予防に力をいたすとともに、医療機関整備普及を期せんとするものでございます。(拍手)  なお、恩給制度改革、遺家族及び引揚者に対する援護につきましては、財政事情の許す限り適宜の措置を講ぜんとするものであります。(拍手)  文教の刷新は、現下のわが国にとつて最も緊急の問題であります。戦後急激に行われた学制の改革国情に適合しない点が多々ありますので、現行教育制度及び教育内容について十分な検討を加えるとともに、教育施設整備充実、特に最も緊急を要する六三制施設並びに老朽危険施設整備をはかりたいと思つております。(拍手)  わが国力を回復いたし、自立国家体制を確立するためには、何よりもまず国民各自の個人道徳高揚をはかり、道義相互扶助精神基調とした社会道徳を確立しなければならないのであります。(拍手)  覚醒剤、不良出版物等のはんらんはまことに嘆かわしき事態でありますが、特にわが国の将来をになりうべき青少年に対し悪影響を与えていることは、まことに憂慮すべきことであります。政府としては、広く民間諸団体協力を得まして、早急にこれが絶滅のため適切有効な対策を講じ、もつて明朗な社会建設に邁進いたしたいと存ずるのであります。(拍手)  近時わが国の治安はようやく平静に復しつつあることは御同慶にたえないところでありますが、暴力は絶対に否定いたしたい。すなわち、極左的破壊活動については、わが国現状にかんがみ、断固これを取り締る方針であり、また、これと並んで最近極右分子のうちにも直接行動に訴えんとする事例も発生しているので、これが取締りについても徹底的に行う方針であります。  この際特に一言したいのは、戦争終結以来すでに十年の歳月を経過したにかかわらず、自主独立の気風上らず、国民道義のいまだ全からざることでありまして、これは私の衷心遺憾に感ずるところであります。特に、近時政界、官界を通じて著しく綱紀の弛緩頽廃を招き、国民の激しい指弾を受けておりますことは、私のまことに慨嘆にたえないところであります。(拍手政府は、この現状にかんがみまして、公明選挙を基盤として政界粛正刷新をはかり、議会政治の信用を回復するとともに、官公吏については信賞必罰を徹底して官紀の振粛をはかる方針であります。(拍手)さらに、政府は、社会道義国民道徳高揚をはかり、順法精神を振起し、精神物質両面にわたる国家再建一大国民運動を強力に推進いたす所存でございます。(拍手)  近く行われる予定の総選挙は、前国会において成立した新選挙法もとにおいて初めて行われる選挙であり、その意義は真に重大であります。政府は、前国会における衆議院の決議の趣旨従つて強力な公明選挙運動を展開しようとして、引き続き行われる地方選挙とともに、各界各層の御協力もとに公正明朗な選挙に有終の美をおさめしめるため全力を傾注したいと念じておるものであります。  以上明らかにいたしました諸施策によりまして、人心を新たにし、国民が前途に希望を持ち得る明朗清新なる社会建設いたしたいと存じます。(拍手)  ここに所信の一端を披瀝いたしまして、国会を通じて国民各位の御理解と御協力を衷心切望する次第であります。(拍手
  5. 松永東

    議長松永東君) 外務大臣重光葵君。     〔国務大臣重光葵登壇
  6. 重光葵

    国務大臣重光葵君) 現在の国際政局を概観いたしまするに、幸いにして一応平穏な様相を呈しております。しかしながら、米英等民主陣営においては、これを共産陣営の戦術の転換による平和攻勢に基くものであると見て、これが対策に怠りがないのであります。すなわち、欧州方面においては、西ドイツの再軍備を認めて北大西洋軍事機構強化をはかり、中近東方面においては、トルコ、パキスタン等の武力を充実し、またアジア方面においては、東南アジア防衛機構を樹立し、あわせて背後戦線整備に努めております。かくのごとくして、力による平和の体制を築き、もつて勢力均衡を有利にすることによつて共産側を真の平和共存に誘導せんと努力しておるありさまであります。以上のごとき国際情勢もとにおいて、わが国地位は、現在なお遺憾ながら、いまだ十分確立せられるに至つておらないのであります。一二年前日本サンフランシスコ条約によつて独立をかち得たのでありますが、これは主要民主諸国との平和が回復せられたのにとどまり、共産主義諸国との間には講和は成立せず、また戦後新たに独立したアジア諸国との国交もいまだに全般的には樹立せられておらぬのであります。その上、国際連合加入もまた今日まで実現に至らぬありさまでありますから、わが国が積極的に国際問題に貢献する地位に達するには、今後格段努力を必要とする次第でございます。  わが国際的地位向上に最も必要なものは総合国力の涵養であることは言うまでもありませんが、いずれにしても、まず自主独立精神を作興することがその前提であります。(拍手自主独立の完成こそはわが民族の悲願でありまして、われわれは敗戦の跡を一掃して自衛体制を整え、経済自立実現し、社会不安を除去して新日本建設努力を結集する決意を有するものであります。(拍手)現内閣米国との緊密なる協力関係をもつて外交政策基調としておるゆえんのものは、米国日本のこの進路に対して深い理解を示すからにほかならないのであります。政府はこの政策を一そう推進せんと期するものでございます。本年初めビキニ補償問題が円満妥結に至つたことは、反米感情の原因になつ懸案の一つを解決したものとして重要な意義を持つ次第であります。  アジア日本の郷土であります。アジア民族が往年の植民地主義から解放せられ、自由独立の天地に発展向上することは、日本の切にこいねがうところであります。(拍手共産民主陣営間の激甚なる闘争のうちにあつてアジア国際政局において占める重要度は、とうてい昔日の談ではございません。現に、コロンボグループ諸国の提唱によつて、近くアジアアフリカ会議も召集せられる機運に相なつております。  日本としては、東亜における責任を自覚し、アジアの平和と進歩とに寄与せねばならぬのであります。(拍手)それには、アジア諸国との修交がいよいよ必要となつて参ります。このため、当面幾多の障害を克服したさなければなりません。賠償問題の解決はその主要なものでありまして、わが国経済能力の許す限り、誠意をもつて急速に処理いたしたい意向でございます。政府は、その方針もとに、鋭意準備を進めておるのであります。ビルマとの賠償交渉が妥結し、同国とはすでに経済協力の段階に進んだことは欣快とするところであります。(拍手)  韓国との関係はすみやかに改善を要する次第でありまして、この際いたずらに過去の経緯に拘泥せず、大局的見地より両国において善処すべきものと思います。また、わが国の承認しておる国民政府中共政権と抗争しておることは、東亜の安定から見てはなはだ不幸なことであるのでありますが、これは、世界情勢に重大なる変化の起らない限り、容易に解決し得るものとは思われません。従つてわが国としては、さしあたり現実状況に応じて実際的に対処するのほかはないと考えるものであります。中国大陸との物資交易わが国民生上必要なことは否定で豊ぬのでありまして、国際義務に反せざる限り、これを促したい所存であります。  冷たい戦争はなお激しく展開されておる情勢でありまして、軍事的に両陣営勢力均衡が回復せられ、軍事戦線が次第に強化せられるにつれて背後戦線が重要視せられるのは当然であります。現に、共産勢力は、アジアアフリカにおける民族主義の問題ないし生活程度向上問題等利用して、巧みに背後戦線の撹乱を試みておるのであります。アジアにおける民族独立は今日実現の緒についたと見るべきでありますが、経済開発民主向上はこれからであります。この背後戦線において民主主義共産主義の果していずれが終局の勝利を占めるかによつて冷たい戦争の帰趨が定まると申しても差しつかえはありません。英国コロンボ計画といい、アメリカ東南アジア開発計画といい、いずれもその着眼はひとしくここに存する次第であります。日本アジアの一国として進んでアジア全般の問題に寄与することは、アジア地域の正常安定に資するのみでなく、わが国経済的発展をつちかうゆえんであると信ずるのであります。(拍手)  共産民主陣営共存し得るかいなかの論争はしばらく別として、現実には両陣営は並存して生存競争を行なつておるのであります。共産陣営サンフランシスコ平和条約の調印を拒否して以来、日本共産諸国との間には、戦後十年を経た現在もなお戦争状態が継続しておる形と相なつております。これははなはだしく非現実的であり、かような変則的事態はすみやかに終息せんことを希望するものであります。(拍手ソ違との平和回復を言えば直ちに対米関係が悪化するかのように考えておるのは皮相の観察と申すべく、われわれはむしろ、日米協力を密接にし、わが国国際的地位を強固にすることがかえつて日ソ国交を調整する捷径であると信ずるものであります。(拍手)  いまだ返らざる島清及び未帰還同胞の運命は寸時もわれわれの念頭を去らぬ問題でありまして、機会あるごとに直接間接に関係国注意を喚起しておりますが、米国との関係においては、沖縄及び小笠原群島の返還問題、特に小笠原島民の帰島につきましては、今後日米協力の実があがり、両国相互間の理解と信頼とが増進するにつれ、おのずから解決の日が近づくものと期待する次第でございます。  また、ソ連との関係におきましては、領土問題につきましても、また抑留者帰還の問題につきましても、解決が今日まで思うように進展していない状況でありますが、他方中国大陸及びヴェトミン地区よりの邦人引き揚げが進行しておることは、われわれ同胞の喜びにたえないところであります。さらに、わが方不断の努力にかかわらず、今なお六百数十名の巣鴨残留者のあることを思いますれば、心事暗たんたらざるを得ません。戦後十年、もはや恩讐二つながら存しないはずであります。自由民主諸国の結束がきわめて肝要である今日、関係国理解同情とに訴え、一日もすみやかに本問題が解消せられんことを祈つてやまぬものであります。(拍手)  年々増大するわが国人口圧力は、単に日本のみならず、世界の問題と考えるのであります。ために、移民については特に力を入れたい方針でありまして、受け入れ諸国繁栄に貢献し得るがごとき移住者を、ただに農業方面のみならず、技術方面にも送り出したいと考えておりますが、これも人口問題の解決にはほど遠い感があります。最肝要なことは、わが貿易伸張であることは申すまでもありません。いまだガットにも正式加入を得ず、諸外国差別的待遇についても必ずしも楽観を許さないものがあります。もとより、われわれは、経済難局打開を期するに当り、いたずらに友邦の援助と同情とのみに依頼するものではありません。産業合理化製品向上等自力更生に努めると同時に、公正なる競争原則を厳守するものでありますが、相手方たる友邦よりもまた公平の待遇を受けんことを要望するものであります。  最後に、大量破壊兵器の発達によつて人類は今や共存か共演かの岐路に直面しております。原爆の惨禍をつぶさに味わつた唯一の国として、日本世界原爆戦争の悪夢から解放する使命をになつておると言うても差しつかえはありません。(拍手国際連合の提唱する原子力平和利用に関して日本が率先賛成したのはそのためであります。私は、世界が一日もすみやかに混迷を脱して真の共存実現することを切に祈るものでございます。(拍手)  これを要するに、わが外交政策の要諦は、日本が現在置かれた国際環境もとに、米国を初め自由民主主義国との協力基調としつつ自主的平和外交を展開し、民族復興独立とを完成するとともに、進んで世界の平和及び人類の福祉に貢献せんことを期するものであります。(拍手)これをもつて私の外交演説を終ります。(拍手
  7. 松永東

    議長松永東君) 大蔵大臣萬田尚登君。     〔国務大臣萬田尚登登壇
  8. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 私は、この機会に、わが国経済が直面する基本的な動向を明らかにいたしまして、今後これに対処すべき財政金融政策に関する所信を申し述べ、国民各位協力を得たいと存じます。(拍手)  国内資源に乏しく狭小なる領土に膨大なる人口を擁しておりますわが国といたしましては、自給自足によつて生産拡大国民生活向上をはかることはとうてい望み得ないのでありまして、わが国経済発展は諸外国との間の経済交流増大に待たねばならないのであります。従いまして、われわれといたしましては、国際経済動向に常に十分な注意を払いますとともに、これに応ずる国内経済体制整備をはからねばなりません。  最近にお営まする国際経済特徴的情勢は、世界主要国貿易及び為替の自由化に向つて真摯な努力を傾けているということであります。  西欧諸国におきましては、戦後欧州経済の一体化が叫ばれ、欧州経済協力機構支払同盟等結成強化が促進され、諸国周の紐帯の緊密化がはかられるとともに、各国またこの目標に向つてそれぞれの通貨及び物価の安定、経済復興貿易規模拡大等に邁進しておるのであります。最近における各国保有外貨増加国際収支改善等には著しいものがあります。西欧主要国通貨交換性は遠からず実現するものと思われるのであります。  米国におきましても、かかる情勢を促進すべく、自国経済の安定を通じまして世界経済自由化を促進することに重大な関心を寄せるとともに、互恵通商法延長等によりまして貿易自由化に寄与せんとしつつあるのであります。このような動向を反映いたしまして、一時憂慮せられておりました米国景気後退の現象も最近は解消したのでありまして、今後もかかる景況は持続され、国際取引も促進されるものと見られているであります。  東南アジア地域諸国経済も、昨年下半期以降米国等景気好転の影響を受けまし、概して好転し、国際収支の面でも幾分改善が見られるようになつて参りました。  今日、世界貿易の半ば近くは、ドルその他の交換性のある通貨によつて行われているのでありますが、もし英国西ドイツ等通貨交換性を回復いたしました暁には、世界貿易の大部分が交換可能通貨によりまして行われることになり、貿易自由化も一段と促進されることとなるのであります。その反面、国際場裏におきます競争はますます激化していくことを覚悟いたさねばならないのであります。かくのごとき世界の基本的動向に対しまして、わが国態勢は果して整備されているでありましようか。これこそ最も重大な問題であると考えるのであります。(拍手)  戦後十年を経ました今日、わが国の生産及び国民所得はすでか戦前の水準を突破いたしました。しかしながら、このように一応順調に推移して来たかに見えまする繁栄にもかかわらず、現下の国際情勢に対処するわが国経済の基礎はいまだ十分に固まつたとは申しがたいのでありまして、経済発展の基盤たるべき輸出貿易の規模におきましては、まだ戦前の半ばにも達していない状態であります。  国際収支の面におきましては、本年度は幸い二億数千万ドルの実質的黒字を期待し得るに至つておるのでありますが、これは必ずしもすべてが国際競争力ある正常な輸出の伸張によるものではないのでありまするとともに、輸入規模の縮小もあつたのでありまして、国際収支状況は、なお今後の特需の減退等とも考え合せますると、不安定な基礎に立つていると申さざるを得ないのであります。  翻つて、従来の経済政策を顧みまするに、国内的には、一貫した方針に従い総合的に施策する面が欠け、その場限りの対策に終始しがちであつて、これがために、対外的には、かえつて為替及び貿易管理の強化、外貨予算の引き締め等を行わざるを得なくなり、その結果として、貿易及び為替の自由化という国際経済の基本的動向に対しましてむしろ逆行する方向に施策がおもむくことともなつていたのであります。(拍手)  私は、現下の国際情勢にかんがみましてまた、わが国経済は国際的な経済交流増大のうちにおいてのみその安定した発展が可能であるという基本的性格から考えまして、この際、従来の施策に対比し重点の置き方を変えるべきであり、対外経済政策国際経済の基本的動向である自由化の趨勢になるべくすみやかに即応して運営されるよう改善することをもつて第一義といたしまして、それが可能なるごとく国内経済政策の運営に計画性と総合性を盛り込んでいくことが、今後のわが国財政金融方策の基本となるべきものと確信するのであります。(拍手)  すなわち、終戦後のわが国経済の再建に当つては、その戦争による被害があまりにも甚大であつたためもありますが、各人がただいちずに生産の回復、消費生活向上に立ち向つて来た結果、技術の立ちおくれ、経営の放漫、無秩序な産業構造、企業の過大な借入金依存等の脆弱なる経済基盤を内包したまま、表面的な経済力の拡充が行われて来たのであります。これをそのままに放置いたしますならば、国際物価に比べての国内物価の割高と国際収支の不安定は解消せず、とうてい国際競争に伍していくことはできないのであります。(拍手)  従いまして、今後の国内経済政策におきましては、健全な財政金融放策により経済健全化をはからねばならないのでありますが、経済力の貧弱なわが国といたしましては、ただ単に従来のような成り行きにまかせるという行き方ではなく、かかる目的が着実にかつ計画的に達成されていくような総合的かつ効果的な施策を必要とすると考えるのであります。(拍手)これがためには、今後わが国経済の向うべき理想的な目標と方向を描きつつ、これが実現のため必要な諸施策を段階的、総合的に実施して参る構想が樹立されねばなりません。今回政府昭和三十年度以降六カ年にわたる経済の構図を描いて、前半三カ年においては、経済正常化、なかんずく正常貿易による国際収支均衡と将来の経済発展の基盤の確立に主眼を置き、後半においては、特需に依存することなく、正常貿易によつて国際収支均衡を維持しつつ経済拡大発展と完全雇用の達成をはかることを目標といたしまする総合経済六カ年計画を立案いたしましたのも、またこの趣旨にほかならないのでありまして、(拍手)この計画は、今後さらに各方面から検討を加えて、逐次具体的な施策のよるべき基準といたしたいのてあります。  以上のような基本態勢現実問題としていかに実現していくかにつきましては、もとよりこれに多大の困難が伴うことは当然でありますが、首尾一貫した計画もとに、遅疑逡巡するところなく邁進するの勇断を必要とすると考えるのであります。(拍手)かかる全体的視野に立つ場合とらるべき財政金融面施策につき、以下基本的な考えを申し述べてみたいと存じます。  まず、為替貿易自由化方策でありますが、その前提は、何といつても、わが国産業の国際競争力を培養強化し、正常な輸出を伸ばして国際収支の実質的改善をはかることであります。この意味におきまして根本的な点といたしまして重要基礎産業及び輸出産業合理化、コストの引き下げをはかるほか、商社を育成強化し、輸出入銀行の資金の確保をはかり、また税制の面におきましても輸出免税措置拡大する等、総合的諸施策により極力輸出の振興を行う考えであります。(拍手)  このような輸出振興のための諸施策に相応じ、補償リンク制度の廃止、特別外貨割当の削減、パーター取引等の特殊貿易の縮小等、為替及び貿易正常化に努めるとともに、為替貿易の現行諸制度に関しましても、自由化の線に沿うて検討を加える所存であります。(拍手)すなわち、現行為替レートを堅持することはもちろんでありますが、さしあたり現在の複雑な為替相場の建て方を簡素化して弾力性を持たせ、保有外貨の管理運用制度円滑化をはかるとともに、今後重要輸入物資別に、これに対する外貨予算の運用の長期化、弾力化を検討いたしたいと考えております。(拍手)  以上のような為替貿易自由化方策実現して参りますためには、これを可能ならしむるがごとき強力な国内的裏づけを必要といたすのでありまして、その最も重要なるものといたしまして物価の動向考えねばなりません。幸いに物価は昨年中下落の傾向に転じたのでありまするが、この傾向をさらに持続せしむることが肝要と存ずるのであります。これがためには、通貨価値の安定を維持するとともに、その基盤の上に経済合理化健全化を進めなければなりません。特に財政におきましては、健全性を堅持するとともに、物価下落を織り込んでこれを編成すべきであると信じます。  この意味におきまして、まず国の昭和三十年度予算におきましては、一般会計の総ワクは一兆円以内にとどめることといたしまして、その範囲内において重点的に政府の重要施策推進いたす考えであります。(拍手財政投融資につきましても、その総ワクはほぼ前年度程度といたしましてその運用に当り、生産、輸送、民生等各面にわたつて、総合性を保持しつつ、その効果を十分発揮し得るよう重点化をはかる方針であります。さらに、財源の調達に当りましては、租税その他通常の収入によつてまかなうことといたしまして新たな公債発行はこれを行わな心考えであります。  また、地方財政につきましても、特に年々規模が膨張し、また赤字が累積しておる現状にかんがみまして、その規模の抑制をはかるとともに、極力健全化推進することが緊急と存じます。このため、まず地方団体の自主的努力による経費の節減及び収入の確保を期することが肝要でありますが、同時に、地方行政機構及び事務の抜本的簡素合理化をはかり、国の補助金等の整理、効率化をはかりまして、地方負担を軽減するとともに、地方道路税の創設等によりまして地方の自主財源を充実いたしたい考えでおります。(拍手)なお、すでに生じました地方団体の赤字につきましては、その再建整備の促進のため適切な法的措置藤講じたい考えでおります。  次に、金融画におきましても、健全金融方針を堅持いたしまして、財政金融一体となり、経済健全化の基盤を造成すべきてありまして、政策基調はいささかのやすきをも許すべきものではないと思うのであります。ただ一口に財政金融一体とは申しますが、私は、金融はその本来の機能に従い、経済の実情に応じて、ある程度の弾力性をもつて運営されることが望ましいと思うのでありまして、財政が健全に運営されることと相待ちまして今後できるだけ金融の正常な機能発揮をはかるようにいたしたいと思います。(拍手)   このような意味での金融正常化の方向においてます取り上げねばならぬ問題は、預貯金の増強と企業資本の充実とによる民間資本の蓄積の推進ということであります。金融機関の日本銀行からの借り入れ依存の傾向は逐次是正せられて参りましたが、まだ十分とは言いがたいのであります。企業の金融機関に対する依存の弊風もなお改善せられておるとは言えません。国民経済拡大発展を期するためには、このような状態をすみやかに脱却いたしまして、正常にして安定した経済基盤を確立することが何よりもまずその大前提とならなければならぬと信ずるのであります。(拍手)このような民間資本蓄積の充実に伴い、金融正常化の一環といたしまして、国際金利水準に比しなお高位にあるわが国の金利水準の低下をはがり、コストの引き下げに寄与することを政策目標としつつ、戦後の特殊事情によりまして不均衡を免れなかつた現行金利体系の整備をはかつて参りたいと存じます。このことはまた、日本銀行を中心とする金融の調節方式の問題と相関連するものでありまして、従来の日本銀行の金利政策はもつぱら高率適用制度を中心といたしまして運営されて参りましたのを改め、今後は中央銀行本来の正常な金利政策をとるようにいたすとともに、公開市場操作その他の金融調節の方式をも取り上げるように進めて参りますとともに、また日本銀行法その他の金融に関する諸制度整備ということも慎重に検討いたしたいと存じます。(拍手)なお、以上のごとき施策と相待ちまして、金融機関の資金運用につきましては、これが長期的な経済計画の線に沿つて適切かつ効率的に行われるように、さらに一そうの配意を加えて参るようにいたしたいと存じます。  以上、金融正常化ということにつきまして申し述べましたが、当面この方向に向つてまず力をいたさねばならぬことは、何をおいても預貯金その他の資本蓄積のより一そうの増強をはかるということであります。資本蓄積の促進は戦後一貫して取り上げられて参りました政策でありますが、私といたしましては、現在までの施策をもつてしてもなお十分ではないと考えるのでありまして、民力を涵養し国民貯蓄を助長するためには、そのような環境を作り出すための思い切つた措置を講じて参りたいと思うのであります。特に資金吸収の面におきましては、通貨価値を安定し、通貨に対する信用を高めることをすべての施策の根底といたしますとともに、たとえば臨時に預貯金利子に対する課税を全廃する等、国民の貯蓄意欲を大いに高揚いたしまして、これを一大国民運動にまで盛り上げるようにいたしたいと存ずるのであります。(拍手)  以上、為替及び貿易自由化財政健全化金融正常化を今後の施策基本方針とすることについて申し述べたのでありまするが、この方策推進は相当きびしいものでありまして、安易な考え方は絶対に許されないのであります。(拍手)しかしながら、その推進の過程におきまして生じまする経過的、摩擦的現象はこれを緩和いたしまして、民生の安定をはかり、国民が明日への力をたくわえつつ、当面の困難を克服し得るよう、適当の配意を加えて参ることは当然と言えましよう。(拍手)  従いまして、昭和三十年度の予算の編成に際しましては、一般の補助金、物件費、施設費等の経費につきまして根本的な再検討を加えまして、徹底的にその重点化、効率化をはかり、極力これを節減いたすことにいたしまして、民生の安定等に欠くべからざる部面については特に計画的、重点的に考慮いたして参りたいと存じておりまするが、そのおもなるものは次の諸点であります。  その第一は、住宅政策の拡充であります。(拍手)今日、わが国民生活は、衣食の面におきましてはほぼ戦前の水準程度まで回復いたしましたが、ひとり住宅につきましては、なお著しい不足を見ておる現状であります。従いまして、この際、民生の安定の見地から、政府は住宅対策の飛躍的拡充をはかる所存であります。(拍手)すなわち、本年四月における住宅不足は二百八十四万戸に上ると見られております。これに年々の新規需要は二十五万戸程度と見られるのでありまするが、これらの不足を今後十年間に解消することを目標といたしまして住宅建設長期計画を樹立いたしますとともに、この計画に基きまして、少くとも昭和三十年度におきまして四十二万戸程度の住宅建設実現いたしたいと考えております。(拍手)このため、まず財政措置といたしましては、公営住宅の予算を増額するほか、住宅金融公庫の資金を充実いたし、厚生年金資金の勤労者厚生住宅への還元融資を確保する等の措置を講ずることといたしたいと考えております。(拍手)しこうして集団庶民の住宅の建設、不燃化の促進、宅地対策の拡充に特に重点を置きまするとともに、公費によります住宅の建設及び運営の方式の合理化をはかる考えであります。さらに、従来民間の自力によりまする住宅建設建設総戸数の半ば以上を占めておりまする実情にかんがみまして、民間の住宅建設の意欲を大いに促進するために、税制上の特別償却制度の拡張等を行う所存であります。(拍手)他面、不要不急の建物の新築は、当分の間これを抑制する措置を講じたいと考えております。  その第二は、社会保障強化であります。(拍手長期的には、総合的な経済計画もとに完全雇用を実現することを目標といたしておりまするが、さしあたり、来年度におきましては、失業者につき生産に寄与し得るよう極力これが吸収をはかるとともに、生活困窮者の救済に遺憾なきを期するため、失業対策費その勉の社会保障関係費を充実するとともに、緊急就労対策事業を拡充し、公共事業等についてもできるだけ失業者の就労促進をはかるよう、その施行地域、工事種目等に適切な配慮を加え、これを実施して参る所存であります。(拍手)  その第三は、中小企業対策の充実であります。(拍手経済健全化政策の円滑な推進をはかるため、中小企業対策を重点的に充実することといたし、これがため、中小企業を組織化、系列化して企業の合理化をはかるほか、金融面におきましては、国民金融公庫、中小企業金融公庫等に対する資金を確保するとともに、中小企業の租税及び金利負担の軽減について所要の措置を講じたいと思います。(拍手)  第四は、税制の改正であります。現行の租税制度は、わが国社会経済の実情に即しないという批判もありますので、政府といたしましては、根本的に再検討を行いたいと考えておりますが、さしあたり来年度におきましては、民生の安定に資するとともに資本の蓄積を推進するため所要の改正を行いたい所存であります。(拍手)すなわち、勤労者中小企業者農民等の低額所得者の負担軽減を中心とする所得税、法人税、事業税の軽減を行うことといたし、また、臨時に預貯金利子に対する課税の免除、配当所得に対する源泉課税の軽減を考慮いたしております。(拍手)これらの措置に伴つて生じたる財源の不足は、消費税その他間接税の増収等をもつて補填する方針であります。     〔発言する者多く、議場騒然〕
  9. 松永東

    議長松永東君) 静粛に願います。
  10. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君)(続) これらの直接税の減税額は、平年度において五百億円程度に達する見込みであります。(拍手)  なお、防衛問題につきましては、わが国国力に相応した自主的な防衛態勢を整えることを目標といたしまして、財政経済の規模を勘案しつつ、自衛隊を漸次充実することを基本方針といたし、昭和三十年度における自衛隊の充実につきましては、防衛費の総額を前年度のワク内にとどめることにいたし、防衛分担金の減額を求めることにいたしたいと考えております。(拍手)  以上、政府実施いたしたいと思う財政金融政策の概要を申し述べました。  正常な輸出や生産の増加によりまして国際収支の継続的な均衡経済拡大発展確保し、年々増大する人口に雇用の機会を与え、生活水準の向上をはかりますことが、一挙に実現し得るとは考えられません。今日の経済健全化は、そのような目標実現の地固めを行う第一段階であります。(拍手)しかも、この施策は、その実現の過程においてなお容易ならぬ困難を持つものであります。同時に、健全化に伴う犠牲ないし摩擦は極力これを調整いたしまして、将来の希望に向つて邁進しなければならないのであります。(拍手)  私は、以上に述べました政府施策が広く輿論の支持を受けることを確信いたすものでありますが、(拍手)あらためて国民各位協力を期待し、ここに決意を新たにいたしまして、わが国経済自立発展のために最善の努力を誓うものであります。(拍手)      ————◇—————
  11. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 国務大臣演説に対する質疑は延期し、明二十三日定刻より特に本会議を開きこれを行われんことを望みます。
  12. 松永東

    議長松永東君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 松永東

    議長松永東君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。      ————◇—————  第一中央選挙管理会委員指名の件
  14. 松永東

    議長松永東君) これより日程第一に入ります。中央選挙管理会の委員一名欠員となつております。よつて同委員の指名を行います。
  15. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 中央選挙管理会の委員の指名については、その手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
  16. 松永東

    議長松永東君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 松永東

    議長松永東君) 御異議なしと認めます。よつて議長中央選挙管理会委員に芹沢彪衛君を指名いたします。寺
  18. 松永東

    議長松永東君) つきましては、予備委員に欠員を生じましたので、その指名を行います。
  19. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 中央選挙管理会予備委員指名については、その手続を省略し、議長において指名されんことを望みます。
  20. 松永東

    議長松永東君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 松永東

    議長松永東君) 御異議なしと認めます。よつて議長中央選挙管理会予備委員に岡時三郎君を指名いたします。  第二 地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等の臨時特別に関する法律案公職選挙法改正に関する調査特別委員長提出
  22. 松永東

    議長松永東君) 日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 松永東

    議長松永東君) 御異議なしと認めます。  日程第二、地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。公職選挙法改正に関する調査特別委員長久保田鶴松君。     〔久保田鶴松君登壇
  24. 久保田鶴松

    ○久保田鶴松君 ただいま議題となりました地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律案につきまして、提案理由並びにその内容の概略を説明いたします。  御承知のごとく、昭和二十六年には地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律が制定公布せられ、市町村の選挙は同年四月二十三日、都道府県の選挙は同年四月三十日に行うことに法定され、全国のほとんどすべての地方公共団体において一斉に選挙が施行された次第であります。従いまして、別段の事情がある場合のほかは、大多数の地方公共団体におきましては、その議会議員及び長の任期は本年四月または五月をもつて満了することとなりますので、これらの選挙の期日の統一をすることによつて選挙執行の円滑をはかり、あわせて選挙執行経費の節減に資することといたしたき考えでございます。  この法律案内容の骨子は、この法律の施行の日、すなわち一月二十五日から今年五月二十日までの間にその任期が満了することが予想されている都道府県及び五大市の議会議員及び長の選挙は四月二十三日に、市町村の議会議員及び長の選挙は四月三十日に、それぞれ同時に行うことにいたしたいと存ずるのであります。  さらに、本法案施行の日、すなわち一月二十五日以降告示の日の前日までの間に地方公共団体議会が解散され、もしくは再選挙、補欠選挙等の場合において、議員、当選人がすべてない場合、あるいは地方公共団体の長が欠け、もしくは退職を申し出た場合においても本法案が適用され、それぞれただいま申し上げました期日に選挙を行うことにいたすことにいたしました。ただ、町村合併促進法の規定によつてその任期を延長している市町村の議会議員選挙については、その任期が右の期間内に満了することとなる場合は、関係町村の協議の趣旨を尊重して、その選挙期日を統一しないこととし、その他この法律で定める選挙期日の告示の日から今年五月二十日までの間に町村合併が行われるような場合に、その関係町村で行うべき選挙について若干の除外措置を講じております。  なお、都道府県で行う選挙と五大市で行う選挙とを同時に行うことといたしましたため、四つの選挙を同時に行うこととなりますが、さらに教育委員の補欠選挙をあわせて行う場合におきましては、種々の困難も考えられまするので、かような場合におきましては教育委員の選挙を同時に行うことを要しない旨の除外例を設けることにいたしました。  以上、きわめて簡単に本法律案の提案理由及びその内容を概略御説明申し上げました。  特別委員会におきましては、昨二十一日本案を起草の上、ここに提案いたした次第でございます。何とぞ御賛成あらんことを希望いたす次第でございます。
  25. 松永東

    議長松永東君) 採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  26. 松永東

    議長松永東君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十五分散会