○
帆足委員 それでは、そのように
外務大臣にも十分お取り次ぎ願いまして、早くこの問題の
事務処理ができますようにお願い申しますとともに、後ほど
外務大臣に来ていただきまして、これは今日にでも電報を打たなければならない問題であり、きわめて
事務的な問題でありますから、
経済局長さんからも
一つごあっせんのほど、お取り次ぎも十分願いたいと思います。
それから、第二に、
資料の点ですが、
資料が一向に出ません。去年の
資料を至急整えていただきたいことと、それから、
ヨーロッパ諸国の
特免——特別免除を受けた
商品の
一覧表等も
一つおとりなしの上
——もう
解散になりますから、われわれ
資料をいただく権能がなくなるわけで、まことに恐縮ですが、その場合は一人の市民として
経済局に
資料をいただきに上りますから、
一つお整えのほどお願いいたしたいと思います。
それから、ココムに
特免申請をやっていただかねばならぬことが今後ふえてぐるでしよう。実は、
鳩山さんが、
二つの
世界の共存、
話し合いによる平和は可能である、また
アメリカとの
関係を断絶しなくても、調整しながら
ソ連、
中国との
関係を調整することは可能であると言われたことに対して、私
どもは、今日の
アメリカ不平等条約をそのままにして
国交調整をすることには非常なる困難があるとは思いますけれ
ども、それでは絶対に不可能かといえば、
鳩山さんが誠実におやりになれば、
保守合理主義の
範囲内でも、決して
アメリカとの
関係を断絶しないでも、なおかつ
ソ連、
中国と話し合う
余地があるというお考えは、きわめて実際的であって、必ずしも全面的にわれわれといえ
ども否定する論拠は乏しいと思います。この点については、われわれの側においても多少の批判、論議な
どもございますけれ
ども、それはそれとして、私はある程度やれるのではないかと思う。しかるに、それに対して、
外務省の
事務当局が、うちの
鳩山さんは少し甘いというような
意見を持っておるということが、先日大きく新聞に出ておりました。私は、どっちが甘いか
——鳩山さんは甘いかしらないけれ
ども、かくのごとき
批評をする
事務当局はおめでたいとでも言わなければ、
批評の言葉がない。従いまして、
外務省の
事務当局は、この問題についてはしろうとであり、非常に不
勉強であったわけですから、もう少し
資料も集め、そうして
勉強していただくことが必要だと思います。とにかく、こういう
状況でありますので、
鳩山さんの
意向を体して
一つ一つ懸案を解決していく
準備を整えていただかねばならぬ。しかし、その
準備の中には
一つの合理主義的な
方法論が必要である。同時に正確な
現実認識というものが必要だと思います。
当面の問題は、後に申し上げます米の
輸入、塩の
輸入の問題、または
開らん炭、
鉄鉱石の
輸入の問題にいたしましても、どうしても
見返り輸出の問題で行き詰まっております。そこで、これは
外務省当局、
通産省当局、
経済審議庁の三つにまたがる問題でありますので、お書きとめ願って、今後の
事務進展のためにとるべき手段について満足なお
心がまえ、御
答弁をいただきたいのです。
今日、
中国から大量に入りますものは、まず塩でございます。塩がことしは六十万トンに近づいておりますが、来年度六十万トンないし八十万トンの塩を
中国から入れることが、私は
為替節約上から言っても
輸出振興上から言っても大事な問題であると思います。
一般に、
中国貿易という問題は、
声大にして
実情は知られておりませんけれ
ども、すでに六十万トンの塩が関東州から、また天津から参っておるということは、
日本の
化学工業、
繊維工業にとっては非常に大きな問題であり、大きな福音でございます。また、米の問題は、ことしは五、六万トンしか入りませんでしたが、来年度は二十万トンくらいは場合によっては出してもよいというようなことも聞いております。この問題については、米の
輸入商社が
自治統制によって
懇談会を作り、
輪番幹事を作って、
中国と非常にスマートに合理的に折衝しておりますので、
政府当局もこの
意見を徴せられることは、非常に私は便利な点であると思います。米をかりに十万トン入れるとしますと、
見返り硫安を幾ら出すか、またはその他の
機械類を若干出さなければ足らない。十両万トン、これは
輸入可能でありますが、十五万トン入れるとすると、
相当の
機械類を出さなければならぬ。さらに、二十万トン入れることができれば、
国際収支上非常に有利でございます。これらの米は、
黄変米などというものは一粒もないし、われわれの口になれた
内地種子米が大部分でございますので、これはことし非常に評判がよかったことも御
承知でございましょう。そこで、米の
輸入と関連いたしまして、どうしても、これは農林省と
通産省、
外務省にまたがるのでございますから、ただいまからその密接な連係をとりまして、よその国に米が出てしまわないうちに、またはよその国から
機械類の
買付をしてしまわないうちに、早く問題の目鼻をつけねばなりません。
選挙の間の一カ月の
ブランクのうちにも、この問題は進みますから、
解散で
政局が混乱している間でも、
事務当局は
鳩山さんの
意向を体して円滑に事を進めていただきたいと存じます。そのために、私
どもとしては、どうしても足りませんから、
硫安をせめて二十万トンくらいは
輸出のワクをとっておいていただきたい。御
承知のように、
韓国並びに
台湾との
関係も大事ですけれ
ども、バナナや砂糖などよりも、やはり米のことを重要視せねばならぬ。
人口五百万の
台湾の焼きイモの
一つのことに熱中するよりも、
人口六億の
中国の市場を今から考えておくということは、私は非常に大事なことだと思う。
岡崎さんの
時代なら私はこういうことはくたびれて言わないのですけれ
ども、尊敬する
民主党の新
内閣の
諸兄だから言うわけです。話せばわかる、こう思っているわけです。
大体、保守とか革新とか言いますけれ
ども、私は、今日の
時代では、平和を守り、
国民の福利を増大するためには、保守でもいいと思うのです。保守反動が悪いのであって、保守ならば、話せばわかると思う。国際的に
話し合いの平和を主張しているわれわれは、国内的においても、やはりある程度は話し合う必要がある。これを超党派外交と言えるかどうか、その点はわかりませんけれ
ども、平和と
貿易の問題などについては超党派的に考え得るある接点というものは、私は今日の
時代においてはあると思います。国内的に申しましても、伝染病の予防とか衛生運動とか、その他ヒロポン退治とか、超党派的にお互いに協力し得る問題は無数にあります。国際的に見て、ダレスの言うような意味の超党派外交というものは私は否定いたしますけれ
ども、しかし、
国民の幸福、平和、勤労者の生活、自由、人権の擁護、祖国の独立などに関連する問題においては、政党政派の別なく語り合う面もあるのでありますから、どうか、社会党が言うことだからといって、お互いに聞きのがしのないように、くむべき点はくみ上げるようにしてもらいたい。特に、
中国貿易等については、われわれは十年間の経験を持っている。百聞は一見にしかず。私はかの地に、最初は百日、二度目においては四十日もおりまして、つぶさに見、かつ聞いて参っております。
日本の代表的なインテリの一人として、諸君と同じような合理的な目をもってかの地を見て、その弱点も長所もよく調べて参ったわけであります。そして、昨年では、
共産圏に対して資本主義諸国はおそらく十六億ドルくらい
輸出しているのではないでしようか。十六億ドルの
輸出に対して、
日本の
中国への
輸出はわずかに二千万ドルの
実績ということで、いかに大きな立ちおくれであるかというようなことも、皆様によく考えておいていただきたいと思います。ことに
外務省当局は
一つ夜学でもお作りになって、もう一ぺん
勉強し直される必要があるのではないか。私は皮肉や冗談で言うのではない。英語のできる
外務省が、教養においてどうしてあれほど低く、非
常識で、どうしてあれほど保守反動的であり、どうしてあれほど御殿女中的であるか、私にとってはまことに
日本の奇跡とも言いたい。こういう
外務省であったから、軍部に屈従して、平和を望む英米の実力を知っておりながら、ほとんど一言半句も言えずに、軍部にやられてしまった。その点では、
通産省の方がまだ実際をよく知っておると私は思う。そういう見地から、
中国との
貿易というものは、われわれ
日本社会党が単にイデオロギーのために言うておるのではなくして、あすの日の一家心中の道に急がなければならぬ者や、あした学校のホタルの光を歌ったその日は、それは同時に失業の歌になってしまうような今日の悲惨な
状況を少しでも緩和して、
日本経済に原料と市場を与えて、そして社会進化の法則が少しでも円滑にいくように、われわれは、ある意味においては共産党とその一点だけは御
承知のように線を引いて、できる限り社会平和の進化の方式で進みたいというために全力を注いでおるというのが左右社会党の立場でございます。従いまして、
中国との問題を、何かおそろしい国、ガリバーの国を相手にするとのみ一方的にお考えになるならば、それは、あたかも、
経営者協会が
労働組合の大会や
決議、メーデーの祝いなどをことごとくおれに対するあいつは敵であると考えて、警戒心と猜疑心を持って対するという夏川社長の
態度と同じことになるわけであります。
労働組合は
労働組合として自分の権利を主張しますし、やがては働く者の政治を打ち立てようとしますけれ
ども、それは
良識と実力によって一歩々々進むわけでありますから、その日が来たならば経営形態もだんだん変り、資本主義の体制がもっと
社会主義的体制に変るという、歴史と時の流れととも進むのであるならば、それも
一つのよいことであるというくらいの寛容の精神と理解力を
保守政党の諸君に私は持っていただかなければならないと思う。英国が
世界の模範と仰がれるのも、まさに私はこういう
良識があるからだと思うのであります。
従いまして、ココムの問題等について、従来は
岡崎さんからは何の
説明もなくて、一体、ココムの機構はどういう機構であって、一週間に何度会合が開かれ、
日本からどういう代表が何名くらい出て、どういう発言をして、どういう権限があるのか、われわれが
政府に申請したものは何日以内にパリに到着して、どういうふうに理解されて、西欧諸国の代表
たちを納得せしむるどういう論理をもって主張されておるのかというようなことが、全くわかっていないのであります。従いまして、この問題については、今明日中に、ココムの現在の機構と
委員会の動かし方、従来の
委員会をやった回数、そういうものの
資料を
一つこの
委員会に御提出を願いたい。実は、きょうはこの問題を詳細に同僚議員の諸君とともに聞こうと思っておりましたが、時間も不十分でございますので、ただ、ココムが一カ月にどのくらい開かれて、われわれが
特免申請をしたならば皆さんの方ではどういうふうにお取り上げになるかということの要点だけをお聞かせ願って、詳しいことはココムについての
一つ詳細な解説をいただきたいと思います。それと同時に、ただいまの
硫安の問題等を、何とかして二十万トンくらいのワクを取っていただきたい。これは、
中国との
関係は、ワクを取って許可を得なければメーカーガ発注してくれないのです。メーカーが発注してくれなければ
政府に申請することができない。まごまごしているうちに、いつも同じ資格でありながら韓国のオファーと
台湾のオファーに取られてしまう。また取られてしまうように
政府が従来仕向けていたのです。従いまして、今度はこういう不平等のことをせずに、最初からこの
委員会に
台湾向けは今年はどのくらいにする、
中共向けはこのくらいのワクを一応取っておきましょう、韓国向けはこのくらいにしましょう、そのかわり見返り物資はこういう国家の有用な見返り物資にしていただかないと筋が通らない、そういうことを
政府当局の方できめていただいて、そうしてこの問題が合理的、円滑にいくようにしていただきたいと思います。この問題についての御
答弁を願いたい。
それから、それで足らないところを補うために、
日本国際貿易促進協会では、どういう
品物を当面特免品にしたらよいかという
一つの専門家の案を提出しておりますから、どうかその案を参考にしていただきたい。実は、この問題については、私自身まだ十分に検討いたしておりませんから、さらに検討されまして、われわれ同僚議員から追加しております
品物も、軍需でないし、兵器でないから、特免にしたらどうか。また西
ヨーロッパ諸国の代表の
良識に訴えるならば大体通るのではあるまいかというような品目もあると思います。たとえば、
日本国際貿易促進協会から言うておりますものは、亜鉛鉄板の〇・五ミリ以下、薄鉄板、帯鋼、鋳鉄板、
機関車、貨車、トラック、三千トン以下の鉄鋼船、木造漁船、貨物自動車、自動車部品、原動機、タービン、ディーゼルエンジン、鉱山用ボーリング・マシン、鉱物用顕微鏡、織用機械、通信機、同部品、醋酸、重クローム酸ソーダ、赤燐、研磨材、こういうものをあげておりますが、先月、自由党、
民主党の同僚諸君を含めて、直接軍需、直接兵器以外の
一般の兵器資材はすべて解除する方がよかろうという
決議が、この
貿易委員会で超党派的に
満場一致通過しておるのでございます。しかるがゆえに、
政府は熱意を持ってこの問題に努力されることが当然であると思う。この努力を怠った結果、いわゆる保守陣営に有利であるかどうか。今日のような
時代おくれの
輸出禁止をしておることは、
ソ連はすでに鉄鋼五千万トンができて
世界一の重工業国になっておる。それに東ドイツ、チェコスロバキア等が参加しているときに、トラックや通常の帯鋼までも
輸出禁止をするということは、これらの諸国の団結を固め、
ソ連、
中国の結合を一層強化し、自給自足を刺激する以外の何ものでもないのであって、保守陣営から見るならば、ダレスさんの今日のやり方は、
時代おくれなるがゆえに、ある意味においてはかえって利敵行為になっておるというような逆の現象を生んでおる。このことは、すでにロンドン・タイムスやエコノミストの一部分は
批評しておる。今日のヨーロッパの
常識です。今日特別の電波探知機とか水爆、原爆、ジェット機の秘密をかの地にあかすなというのであれば、それはそれなりとして保守陣営の論理でありますけれ
ども、しかし、通常のトラックまで
輸出を禁止するに至っては、私はまことにこっけいなことだと思います。今日ではもう笑いぐさになりましたけれ
ども、これは前側の
委員会でも私は申したように、三年前まではDDTの
輸出すら禁止されていた。それは今では物笑いです。当時
通産省当局に私はそのことを言ったら、君、DDTが行けば、南京虫、ノミ、シラミが死ぬ、南京虫、ノミ、シラミが死ねば、
中国解放軍の背中がすがすがしくなって、士気大いに振うのではないか−。これはまことにおとぎ話でございますが、今日トラック、自動車の部品の
輸出を禁止しておるということは、私は一年後にはこのDDTの物語と同じようなものになってしまうのではないかと思います。従いまして、ものを見るに明敏なる
民主党の
内閣において、この問題をもう
選挙中に取り上げて
手続をどんどん進められる必要がある。そうでないと、私
たちは、
選挙のときに、至るところの街頭で、約束手形不渡り第一号、第二号、第三号を大いに並べてわめき散らしますから、さようお心得あって、出した手形は必ず満期六十日以内に払い込まれるという
態度をとっていただきたい。
その次にお願いしたいことは、最近における
開らん炭、
鉄鉱石の問題です。
中国の
開らん炭と
鉄鉱石が、長い間かの地とわが国の音信不通のために、
日本の製鉄所の規格に現状では合わなくなっておることは当りまえのことであります。まして、いわんや、山元貯炭などをスポット・ライトして、そうして
開らん炭はだめだというような風評を流布するに至っては、まことにおこの至りと私は思っております。従いまして、この問題については、やはり計画的に、両者の間に技術員の交換をして、八幡製鉄所、また広畑製鉄所に合うような規格、品質の炭を送るような
準備を今から整えておかなければなりません。もちろん、今日ですと、すべての粘結性石炭を
中国一辺倒で得ることが国策であると私は必ずしも勧めておるのではなくて、ある点は
アメリカから多少買ってやることの方が有利な点もあるが、しかし今日は船賃を始終見ながらきめなければならぬのであります。ただ、
中国の炭をゼロにして
日本の
国際収支が保たれるかどうか、
日本の
中国大陸への
輸出がそれによって促進されるかというと、そういうことは不可能です。軍工業
局長が来ておられるかどうか知らないが、長い間
アメリカ一辺倒でいじめられてきたので、これも大脳が萎縮し、変質していると思います。早く奥様と
相談して栄養をとられて正常なる大脳になおしてもらいたいと思います。わずかに十年前には、われわれは満州または北支を祖国
日本の生命線と言いました。それが
日本の経済の生命線である点においては、天の定めた摂理というものは人間の摂理によってそう変るものではないのです。そして、そこでは、われわれの先輩
たちが、誤まった
政策のもとでではあったけれ
ども、歴史の宿命のもとで、旅順で血を流し、大連で血を流した。その血の意味は後世の歴史家が判断するに
人類の宿命の悲劇でありましょうとも、その地から何ほどか栄養をもらわなければ生きていけない民族であったというその宿命はかわりはないのでありますから、新しい
状況のもとで、水爆ができて、
世界に
戦争がなくなった、イデオロギーの違っておる者の間でも
話し合いをしなければ生きていけなくなったような
時代が来たことは、ある意味において
日本に有利な条件ですから、この有利な条件をイギリスや西ドイツにとられないうちに、われわれの側においてこれを活用するということが、
保守政党の立場にとっても必要なことであり、それだけ
保守政党の命をあるいは長引かすことにもなる。一体、私は社会党員でありながら
保守政党の知恵をつけておるようなことでないかという思いがするくらいでありますが、そういうことでありますので、
一つ積極的に取り上げていただきたい。そのために、とりあえずとしては、第一の方法としてはサンプル
輸入についてもう少し話し合う必要がある。それから技術者の交換について話し合う。小より始めて大へというのがすべて手がたい人間のやることですから、最初小さな数量の計画をことしの石炭
輸入計画の中に入れていただきたい。これも早くしなければ間に合いませんので切にお願いいたします。
その次には、山東省並びに海南島の鉄を
向うから言うて参っておりますことは、すでに詳細御
承知でございましょうが、それらの鉄は非常に含有分のよい、良質の鉄鉱が多いのでございまするし、海の運賃は陸の十六分の一といわれておりまするから、まことに有利な条件です。しかも、
中国の鉄鉱は、その立地条件から見て、ある数量は常時
日本に提供することが彼らにとって必要な点もあるわけでございます。従いまして、私は、これはとりあえずサンプル
輸入を五万トンないし三万トンでもしていただきたい。これについては外貨の割当もあるわけですから、その外貨割当のワク内において、製鉄所の溶鉱炉の計画を乱さない
範囲において、
政府当局と
相談して今から着手していただきたい。これに対して、製鉄三社の社長さんが集まって、
中共との原料
関係を取り結ぶことはまだ多少不安であるから、もう一年延ばそうと
相談したということが新聞に出ておりました。私は、それも
一つの
意見であって、実際家の
意見として尊重されねばならぬと思いますけれ
ども、かくのごとき重要な問題は、一製鉄
会社の社長さんだけでおきめになることでなくて、
国会の
貿易委員会の
意見も徴し、同時に
政府当局の行政の
責任に当る与党
内閣において、特にそれを助けるところの行政
官庁において、よく内外の事情をお調べになって、
——とかく、
会社を扱っておる者は今日の安きになれ、あすへの見通しにまで発言するということは、株主総会の制肘もあって、できがたい事情もあり、一足先を考えることが
政府の任務でありますから、三
会社の社長さんの心配する点は参考としなくてはなりませんけれ
ども、それだけにかかずらって機を失したならば、非常な立ちおくれになることを私はおそれるのでございます。従いまして、幸いにして
中国側が熱心に海南島の
鉄鉱石と山東省の
鉄鉱石を言って参っておりますが、これに対しまして、
政府は親切にこれらの問題をお調べになって、そうして、とりあえずは技術者の交換、第一年度におけるわずかな類の計画
輸出入、並びに、山東省の
鉄鉱石などはサンプル
輸出のことを言って参っておって、鉄鋼
会社も非常な関心をすでに持っておるようでありますから、至急御
連絡になって、当面三万トンないし五万トンのサンプル
輸入に着手をしていただきたい。
こうなって参りますと、また話は
見返り輸出の問題に戻るのでございますから、先ほどのような
特免申請の
準備をしていただく。これについて、私がもしココムの代表であったならば、私はフランスの代表や英国の代表を納得させるだけの弁舌と論理を持っておるつもりであります。教養も持っておるつもりであります。従いまして、
外務省の中から最も優秀な人をかの地に派遣する必要がある。そうして、
人口一億になんなんとする
日本の
貿易が、生産一六〇に対して、戦前のわずか四〇%である。これでは
日本が共産化するかファッショ化する以外に道はないという警告を発するだけの現実的な危機が
日本にあるわけですから、これに対して
ヨーロッパ諸国はどう考えるか。しかも
人口の増加率は依然として
相当なものである。これが
アメリカの軍事援助だけで食えるかどうか。バズーカ砲やナパーム爆弾の修理、火葬場の前の隠亡湯飲み茶屋のような立地条件で、それだけで食えるかどうか。今日
アメリカはあわてて自由党
内閣から
民主党内閣に電圧を切りかえようとしておりますけれ
ども、さすがの
アメリカも、ボルトがどんどん下ってきて、電線をつないでみたところで、もはやわれわれにピンと来ない。パンパン収入も減るし、特需、軍需も減り、朝鮮の
戦争がなくなり、
アジアの
戦争がなくなれば、
アメリカから六千海里隔たった国の腰かけ湯飲み茶屋のような中継ぎ軍事基地の軍需が減ることは当然なことである。よくぞ今まで
アメリカ一辺倒というような愚かしい夢を十年も
日本国民が見たものだと私
どもは不思議に思うくらいです。だからといって、
アメリカとの
関係が小さいと言うわけでは絶対にありません。
アメリカとの
関係は依然として三割ないし五割の
関係ということは非常に重大な
課題でありますけれ
ども、しかし、それだけではもう食えないことは、ダレス自身がすでに認めて、最近はもう神経衰弱になっておる、睡眠薬を飲まなければ夜眠れないという
状況だということも聞いておりますが、そういう
状況になったのですから、どうしても
アジア諸国にわれわれは
貿易の道を開かねばならぬ。
台湾の
人口五百万の焼きイモ
一つなどにしゃぶりついて、インドを忘れ、インドネシアを忘れ、
中国を忘れるというようなことであってはならぬと私は思います。その点で、きのうの
鳩山さんの
答弁は、私はみごとな
答弁も幾つかあったと思いますが、結論として、インドとの
関係もどうしてもよくせねばならぬ。少くともインドから尊敬されるような国の雰囲気、政治の雰囲気、インドネシアからは親しまれるような雰囲気を作らねばならぬ。それが、
中国を敵としているような意志薄弱の
状況で、どうしてインドやインドネシアと円滑にいくことができるでしよう。私は、これらの点にもある程度のバランスがあって、保守は合理的保守、そうして革新勢力は平和的革新勢力というような形で、もう少し話し合う必要があると思う。そこで、ただいまの
中国の問題について、皆様方でもう少し具体的
準備をしていただきたい。ただいまお尋ねいたしました数カ条は、
解散されてこの一カ月のうちにおいて
事務当局がやっておかなければ、春の諸問題、四月以後の新年度に間に合わないのですから、今日明確な御
答弁をしていただいて、その明確な御
答弁の
責任のゆえに、
外務大臣並びに総理
大臣に御報告下さって、この程度のことをやらなければ
国会における総理の演説に対して行政の実務の平仄が合わないから、着実に
準備を整えますがいかがですかという承認を得て、
解散中でも皆さんが公約なさったことを
一つ実行に移していただきたい。他の同僚各位の御質問もありますから、要点をこういうことで御了解願いまして、今の数項目について正確な御
答弁を願いたいと思います。