○湯河参考人 一応お断わりしておきますが、山形で新聞の方にお目にかかりまして、その場に立ちまして実はどういう記事をお書きいただくか、そのことにつきましての打ち合せもせずに立ちました後に出ました記事でございます。あるいは
ほんとうに地方の方に御心配をかけたりして非常に遺憾だったと存じます。
お話を申し上げるときには、できるだけゆっくり申し上げまして、御理解いただいて記事をとっていただいたつもりでございます。
そこでただいま
足鹿委員の
お話の第一点でございますが、三割に切り下げるということは、先ほど申し上げましたように、私は三割というふうなことをおっかぶせて言ってもらいたくなかったのであります。その点につきましては実は
最後まで私は異存を唱えておりました。それは三割という
数字等が出ますと、やはり地方の方はいろいろ御懸念もございますし、ただいま御
指摘のような問題にもなりますので、私といたしましては、それは八割は多過ぎる、現実数年間使ってみて多過ぎると思う、それ以下のところで事実落ちついておりますので、農手の限度というものを変えるならば適当なところで変えなければならぬ、それが三割だということについては私は
最後まで了承しかねておりました。それが政策
委員会で
決定になりまして
通知を受けましたときは、そのときでも遺憾に思って、私は
最後まで、八割は高過ぎるから、むしろ組合の実態、農村の実態に合うように運用する、このくらいなことできめてもらいたかったと終始言いましたけれ
ども、どうもこちらの希望
通り参りませんでございました。その
実質は、ただいま申し上げましたように、三割と言ったって必要のある方に三割で切ってしまうなんて、そんなことはない、またそんなに必要でない方が、三割は権利だとおっしゃることも、それはその
通りですとは申し上げられないが、最も
実情に合ったように運用していく、こういうことです。私はあくまで
反対したことは新聞で申しませんけれ
ども、そういうふうにきまったのだから、努力目標としてそれはやっていきます。しかしただいま申し上げたように、事欠くようなことはないようにしたい、こういうつもりであります。
それから第二点の乱用ということでございます。農業手形が制度として生まれましてから数年たっております。もともとあれは
政府、日本銀行等も御
相談になりまして、どういうふうにその手形を利用するかということは、
対象物資あるいは資金の用途等がきまっております。ところが、長い間いろいろの経済界の激動期も経過しておりますので、その間にはせっぱ詰まってその目的外に使われたという事実もないではないのでございます。従って、最近よほど農家の経済
状態も組合金融の
状態も立ち直って参りましても、とかく惰性になりまして、農手を使って消費が膨張する、信用が膨張するというふうなきらいもあるところがないでもない。これらの点は、今日デフレ経済と申しますか、金融正常化の立場から申しましても、農家の経済をしっかりしたものにする上におきましても、十分お気をつけいただきたい、こういうことなのでございまして、そういうことは言葉を乱用と言ってもやむを得ぬじゃないか、かように思っております。全面的に乱用されておるとか何とかいうことを、われわれ組合金融なり農業金融に
関係しておる者は思っておりません。ただそういうものがある。あるものはなくしていこう、こういうつもりでこの乱用ということを申しておるのでございます。これはわれわれ
全国の御様子を見ておりますと、そういう感じを持っております。これは制度としてできておるものでもございます。農手というものを世間の人はやかましく申されますが、正しく使っていって申されるならあくまで争います。ちょっとそういうひけ目があってはいけない、そういう
気持を持っておるのでございます。三割ということは、先ほど申したようなことでございますが、三割に切り下げたら乱用が防げるか、そういうふうにも思っておりません。乱用ということは
政府金融、農業手形制度を守る上からいってもおもしくない。三割ということは先ほど申したようなものであります。
それから第三点、食糧管理制度もこれから変貌するであろう、そのときに農業手形制度がどうなるか、これは世間の方が御心配のように、私たちも非常に心配しております。管理制度がどうなるかまだわからないのでございますが、農業手形というものは、突け販売代金、
政府供出代金と結びついておりますものの、これだけ熟した制度であって、また
ほんとうに必要なものでございますから、われわれとしては、何とかしてこれを守って行くという
気持を持っております。先ほど
最後に御
指摘のございました、その販売金融で営農金融をということ、そこのところはまさに新聞の書き方の問題だと思います。そういう意味ではございません。営農金融は営農金融として、
先ほどお話のございましたように、やはり農手ですることもございますから、われわれは正常な金融として組合金融で営農資金をまかなっていかなければならない、そういうふうに考えておるのでございます。その点販売金融というものはおのずから流通金融でございます。営農金融、
生産金融、ことに農家の家計と
生産の
関係、経営とは非常に深いつながりがあると心得ております。そういう御懸念のないように運営いたしたいという
気持でおります。