○北
委員 ただいまの
答弁で満足いたしました。
それからソ連との貿易も、ソ連は、木材を輸出したが
つておる、私の聞くところではカナダや
アメリカから買うよりも、また
日本の相場よりも安いそうです。新潟は、私の選挙区でありますが、戦前には国際貿易港として相当発注した。このごろ北鮮との航路が絶え、ウ
ラジオとの航路が絶えたからすつかり劣えて困
つておりします。そこで私は貿易促准の会に呼ばれまして、行
つてその話をやめた。向うは木材は輸出物のうちではAクラスにな
つているそうです。それだからAクラスのものをほしい。すなわち汽船をほしい。貨物船などはまだ
アメリカは許しにくいかもしれぬが、漁船がほしい。漁船は
日本の北海道炭礦汽船会社あたりでは多少修繕してや
つておりますが、新潟鉄工所あたりは漁船の修繕なら幾らでもやる能力があ
つて非常に望んでおります。最近は
日本車両という会社にロシヤから千台の冷凍車を注文に来ておる。冷凍車はココムの禁止課目のうちに入
つておらぬ。機関車と貨車は入
つているそうですが、冷凍車は入
つておらぬそうです。こういうものはちようど境目くらいなのでございますから、相当寛大に考えて――千台といえば三十六億だそうです。そうすれば向うでは
日本に必要なパルプの材料をよこしてくれるというのだから、こういうものは品物をみな研究いたしましてどしどし貿易をした方がよろしい。あるいは油もよこす、石炭もよこす。石炭は少し高いそうでありますが、大倉商事会社などは輸入の許可を受けているようであります。三井
関係も入
つて五社だけはロシヤも指定して来ておる。今そういうことではなくして、もつと大規模に物々交換をやる。ロシヤも
経済的の利益があれば、
日本と物々交換をどんどんやりますから、それが
国交回復の端緒になると思う。私は
国交回復という形式の問題ができなければ貿易はできないというのは間違いであ
つて、貿易をやり互いに善隣友好の
関係を結べば、早く
条約も
締結したという考えになるだろうと思う。私は貿易
関係の促進という
外務大臣の考え方については全面的に賛成いたします。すなわちウ
ラジオあたりを開港場にしてくれればいいけれ
ども、あれは軍事港であるからなかなかできないでしよう。あるいは樺太の豊岡あたりを開港場として、
日本では小樽あたりを開いてもよろしい、そうしてどしどし貿易をやる方が私はいいと考えております。
中共との貿易についての私の意見に御賛成くださつたら、これも御賛成くださるであろうと思いますが、現に
日本でないサントニンをイギリスを通じて買
つておる。ロシヤから買うと半分です。ロシヤの貿易官はそうい
つております。ところがまわりまわ
つてイギリスから買
つておるから、サントニンは倍の価格になるそうです。こういうことは非常に損でありますし、ロシヤと貿易すれば、東ドイツのカリあたりもどんどん来ます。そうすると安く手に入る。イギリスは香港が仲継港とな
つておるために
中共を認めておる、英国は御承知のごとく実利主義の国でありまして、
アメリカと、
中共に対する
見解が
根本的に異な
つておりますから、
日本は折衷しなければならぬと、私は個人として考えております。英国はチヤーチルの
方針で、今原子爆弾を受けては損だというので、コエクジステンスのために非常に働いて、そしてスターリンとも会いたが
つておつた。今マレンコフとも会いたが
つておる。それほど英国はコエクジステンスを考えておる。
アメリカは、もう少し貿易を進めろという説もあるし、特に共和党のノーランドなどは、
中共が十一人の兵士を返さなければ封鎖せよとい
つておることは御存じのことと思います。マツカーシーはもちろんその方であります。マツカーシーは今勢力が衰えておりますが、タフトの後継者のノーラントがそれを主張して、強硬論をと
つておりますが、
吉田さんは、イギリスの、コエクジステンスをやりたいとい
つている国に行
つて、反共演説をした。しかも
アメリカに着くクイーン・エリザベス号の中で、
アメリカとイギリスとが
中共に対する
見解が違うから、
日本はその中をとらなければならぬ。これは
吉田さんも腹の底から、やはり
条約上認めた蒋介石
政権を否認する意思はない、是認する、これは電光外相と同じ考えであります。そのほか、
中共との貿易もやりたいという
意味で、そういうことを
言つたのであろうと思いますが、
アメリカではあまり人気がよくなかつた。
あとから弁解をしておるようであります。イギリスでは、場所柄もわきまえず反共演説をやり、それから
アメリカでは、間へ入
つて仲直りをさせるような話をしたのであります。
日本の
立場としては、
条約上の
義務を重んじて蒋介石
政権を否認するわけには行かない。ことに戦犯君に対しては、世界中で戦争の惨禍を一番よけい負うておる蒋介石
政権が一番寛大で、どんどん戦犯者を返してくれた。それから軍人の巨頭連中の岡村寧次、辻政信君あたりもどんどん返してくれた。東洋は仁義の国であるから、そういう恩義を忘れて、お前の国は弱く
なつたから率先
中共を認めて、お前の国はそでにするということは、
日本の武士道的の精神からいえば、私は了解に苦しむ。ところが、デエジユウレの国が蒋介石で、デエフアクトの国が
中共のようにな
つておる。私は、やはり正式には蒋介石
政権を認め、そうして
中共とは善隣友好の
立場から貿易をやれ、
重光外務大臣の
方針には全面的に賛成いたします。古田さんのような反共一点張りでは、
日本の形勢はますます縮まると考えております。共産主議がきらいとい
つても、今度はヴエトナムがだんだん強くな
つて、南ヴエトナムの形勢も悪くな
つておるような状態でありますから、やはりイデオロギーにとらわれず、貿易を促進し、文化の交流もやり――共産主義には、
日本の現在とは違
つて、青年の勤労精神は、非常に盛んであるから、とるべきところもありますから、文化交流もある程度まで進めた方がよろしい。そうして
国際連合が
中共を加入させて認めたせつなにおいては、国際的な形勢に
従つて中共を認めるべきである。今
日本が率先して認めるという外交の主導権は、
日本の国力からい
つても国際的地位からい
つても、とるべきでないという
外務大臣の御意見には私も賛成しております。これは、
日本の常識ある人はみな賛成するであろうと思います。あるいは
鳩山さんのお考えは、
独立国が
二つあること――これは交戦団体を
両方承認した例は、歴史上たくさんありますが、交戦団体と認めれば、一方は
条約上の
承認国であり、一方は、
条約上は
承認しなくとも、貿易の必要があるからやる、交戦団体として
二つ認めるという
立場であろうと思うのです。
重光外相の御意見と反対ではない、
独立国のごとく
言つたのはしろうとの論で、交戦団体を
両方認めることはあります。ところが今日は交戦団体たることは事案であります。そうして
日本と
台湾との
条約も、
台湾並びにポテンシャル・テリトリー、いつ支那本土に侵略するかもしれないから、それまで認めるという文句かあるから、やはりこの
条約の条文に従わざるを得ないと考えておりますが、いかがでございますか。