○宮本邦彦君 今承われば二十一円というような
お話ですが、これは今年出した値段でございますね。二十八
年度の
災害で認められたあの規定が二十一円で出されたということなんでしよう。今年のを聞きますと、良心的に本気でや
つている会社なんですが、私
どもはもつと安くできますということを言
つているのです。私は保温折衷苗代に補助金を出す。そうして半額なら半額出すというような、こういう補助規定を若しこういうふうに縛りつけてしまうと、これは
生産者がいつまでた
つても値段を下げない、逆を言えば、保温折衷苗代が非常に奨励されたけれ
ども、農民の農業
生産品、
生産資材、そうい
つたものの
価格がいつまでた
つても下らないという
一つのつつかえ棒に
なつていやせんか、だからむしろ補助金を出す場合には、資材に出すか何に出すかということは、私は大いにこれは問題があるのじやないかと思うのです。それがもつと規格の
はつきりしたもので、農林省の検査の済んだものとか、何とかいうものに出すというならいいけれ
ども、今の
お話のような全購連とか、全指連とかいうものが推薦しているような優秀メーカーのものに出す、そうでないものを買
つたものにも出すということでないと粗悪品が出るのです。これは粗悪品を出す大きな何と言いますか、今後
考えなければならん
一つの大きな問題じやないかというふうな気がしているのです。恐らく農林省のほうではそういう細かいことをおやりになる調査機関もなければ検定機関もないというようなことで、安易に幾らくに対して幾らというような勘定をされておりますけれ
ども、実際農村に行
つてみると、そうい
つた大メーカーでないものも出ている。そうすると、品物を順に安くする、悪くするという
一つの自由経済の方向と、もう
一つは農民心理として、仮に四十四、五円の油紙を買うということで補助金をもら
つて、三十五円のものがあれば三十五円のものを買
つてしまうというような方向に農民は動いて行きはせんか、そうして末端の細かいものに対して一々領収書とか何とかいうものを、ちよつとどうにもならんのじやないか、そういうような問題を
考えますときに、今後の大きな問題としてこの問題に是非何とか
考えなければならん問題だと私は思うのです。恐らく油紙ばかりじやありません。今後の農村は米価を上げるなんていうことは私は不可能だ、米価は下げなければいかん、こういうふうに思
つているのです。そうい
つた場合に、農業経営を本当によくして行くためには、良質な農業
生産資材を安く農家に買えるような対策を
考えて行かなければならん。ところがたまたまこうい
つたような
価格とか、そういうものをちつとも考慮に入れないところの補助政策というものは、単に物だけを
対象として行われた場合にどういうことになるかというと、農業
生産資材を安くするという方向をちつともとり得ないような方向に持
つて行くのじやないか。これは非常に国会あたりでは誰もこの問題は取上げない。
法律だとか、補助金を出すということはみんな本気になるけれ
ども、最も大事なこうい
つた問題に対して案外皆忘れておるのではないか、この間うち、実は農薬の問題について防疫課長から
お話を承わろうと思
つて質問したのです。答えは出んのです。実際いい加減なふうにして、僕の質問に対して、これはこの
委員会のかた皆聞いておられた、いい加減な答弁をして、私の質問に対して、まじめな答弁を
一つもしてくれなか
つた、私も聞くのをいやに
なつて、私自身勉強するつもりで聞きませんでした。こういう問題がここには伏在しているのではないか。幾らでも出せばいいんだという
意味で、さつき江田さんの質問された率のないところの補助金を出すと、一部といえような文句を使
つて、ともかくやれ伴いいんだという、奨励の
意味でやればいいという
考え方ならば、これはちよつとやはり散漫な
考え方ではないか、私はそういう問題を改良局長がお
考えに
なつたことがおありかどうか、私はこの問題は今後も大きな農村の
一つの行き方として、農林省として
考えてもらわなければならん行き方だと、こういうふうに思うのです。これは特に私農村に参りましてこの保温折衷苗代の紙が幾
通りも入
つておるということを知りまして局長にお尋ねするわけです。