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1954-12-02 第20回国会 参議院 電気通信委員会 第1号 公式Web版

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  1. 電気通信事業運営状況に関する調査 (会議録情報)

    昭和二十九年十二月二日(木曜日)    午後二時二十一分開会   —————————————  委員氏名    委員長     島津 忠彦君    理事      左藤 義詮君    理事      久保  等君            津島 壽一君            寺尾  豊君            上林 忠次君            新谷寅三郎君            山田 節男君            三好 英之君            野村吉三郎君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     島津 忠彦君    理事            左藤 義詮君            久保  等君    委員            津島 壽一君            上林 忠次君            新谷寅三郎君            山田 節男君            野村吉三郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   政府委員    防衛政務次官  江藤 夏雄君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 栄一君   説明員    防衛庁次長   増原 恵吉君    郵政省電波監理    局長      長谷 慎一君   参考人    日本放送協会副    会長      小松  繁君    日本放送協会経    理部長     栃沢 助造君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電気通信事業運営状況に関する調査  の件  (報告書に関する件) ○電波行政に関する調査の件  (報告書に関する件)  (マイクロウエーブ通信網に関する  件)  (日本放送協会標準放送網計画に関  する件)   —————————————
  2. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 只今より委員会開会いたします。  先ず電気通信事業運営状況に関する調査及び電波行政に関する調査につきまして、お諮りいたします。  右両件につきましては、閉会調査を続けて参りましたが、その内容広汎多岐に亙つており、未だ調査を完了するに至つておりませんので、引続き今期国会においても調査を続けたいと存じますが、本院規則第五十五条によつて閉会中の調査未了報告書を提出することになつておりますから、これを提出いたしたいと存じます。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  この報告書の案文の作成及び事後の手続等は、慣例によつて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  なおこの報告書には多数意見者署名を附することになつておりますから、御署名を願います。   多数意見者署名     左藤 義詮  久保  等     津島 壽一  上林 忠次     新谷寅三郎  山田 節男     野村吉三郎   —————————————
  5. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 次に、電波行政に関する調査を議題といたします。  先ず日本放送協会の当局の方を参考人に決定し、種々の御意見聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 御異議がないようでありますから、さよう決定いたします。  前から引続き調査いたしております難聴地域の問題につきまして、その後の経過についてNHKから一応御説明願いたいと存じます。
  7. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) 只今委員長から日本放送協会放送網に関しまして、難聴地域解消するための施策について御質問があつたので、それについてお答いたしたいと存じますが、只今お手許にあります資料にその概要が具体的に書いてございます。最初に、表は別でございますが、本文のほうを読みまして、あとでこれに説明を付け加えたいと存じます。一度読みます。    日本放送協会標準放送網計画について   放送網計画は次の順序によつて行う。  1 第一放送    第一次計画として次の各項の解決をはかることとし、三十年度においてそれを実施する。   一 全国放送電波が極めて微弱にして聴取困難なる地域   二 混信が大なるため聴取困難なる地域    第二次計画として三十一年度より三十三年度間において先ず全国放送電波強度の不足の地域、次いで地域別放送難聴度のはなはだしい主要地域の改善をはかる。  2 第二放送    第二放送については、第一放送と同じく全国あまねく聴取可能なようにすることとし、三十年度にを利用できる局の実施にとどめる。  3 大電力局については難聴及び外国電波による混信考えて三十年度より実施する。  4 右計画完成後、混信状況受信機普及状況雑音状況変化等を勘案してその後の置局増力等を考慮する。    以上を更に具体的に説明すれ   ば、二十九年度実施局難聴地域の名寄、気仙沼、木曾福島、津和野とし、更に高知西部山岳地帯救済のため高知増力までの間の臨時施設として檮原に新設する。    三十年度実施局大船渡・倉吉のほか、高知西部救済のため中村の増力秋田増力により能代市地方救済、又、静岡増力により富士宮市方面難聴及び外国電波混信救済、また福岡大電増力   によつて熊本県山岳部難聴並びに長崎県北部方面外国電波混信救済する。更に三十一年度以降の実施局は札幌の増力によつて瀬棚方面難聴、北海道全体にわたる外国電波混信救済する。  本文は以上でございます。  これにちよつと説明を付け加えたいと存じますが、最初にあります第一放送聴取困難なる地域、これの施策を我々は先ず優先的に考えまして、それの解決を図ること、その次に混信が大きなために聴取が困難なる地域、これも第一優先として、この二つについて実施することにしたいと考えているわけでございます。これに続きまして次の三十一年度より三十三年度の間におきましては、全国電波が一応或る程度聞えておりましても、強さが十分にないために或る程度混信があるとか、或いは或る程度雑音のいささかの障害があるとか、或いは又割合に弱いとかという地域に対しましては、それの救済考え、それに引続きまして、一応はほかの局が聞えておりましても、地域別のその県の情勢なり、或いは気象なり、それらに対する地域放送が聞えるようにするためには、これが非常に聞えにくい所にはこれが聞えるように主要な地域を先ず考えて、その解決を図つて行きたいというのが、第一放送に対しての趣旨でございます。  で、一応第一放送に重点を置きまして、これらの施策を図りまして、それに引続いて第二放送をやる考えではございますが、ただ第二放送を第一放送完成した後にやるという場合には、時期を分けますと、非常に建設上の不経済がございましたり、共通の施設に対する予備とか、いろいろな技術的な設備の不経済というようなこともございますので、できる範囲ではこの第二放送施設をして行くために第一放送に大きな影響を与えない範囲では、第二放送も或る程度は並行して実施して行きたいという考えでいるのでございます。  第三番目の大電力につきましては、これは一応難聴地域解消にも役立つのでありますが、特に夜間におきまして外国電波混信が相当ありまして、その影響を受けますところの広汎な地域に対する解消を大きな目的といたしておりますが、これは三十年度以降におきまして、この大電力建設実施したいという考えでございます。  もう一つ付け加えて申上げますと、この外国電波混信は昼間におきましては殆んどないのでありまして、夜間だけの現象でありますが、放送協会の使命といたしましては昼、夜にかかわらず常に良好な状態において受信できるようにする責任があるように考えます。従いまして大電力局はそういう目的難聴地域解消と併せまして考えているわけでございます。  大体以上申上げましたような考え方で具体的な実施計画を立てますと、ここに付けてあります表のようになるわけでございます。で、これだけの局を二十九年度から三十三年度にまたがりまして、その間五カ年間になるわけでございますが、二十九年度におきますものはこれは一応決定いたしまして、すでに着手して殆んど大部分ができ上りかかつている状況にまで進展いたしております。で、三十三年度に一応この表の一番下の所に全国世帯カバレージと書いてありますが、このカバレージにおきまして、第一放送のほうは、二十九年度におきましてはこれだけの局の施設を行いますことによりまして、九八・六%の世帯の人は良好な状態放送聴取できる世帯数のパーセンテージでございます。三十年度におきましてはそれが九八・九%になりまして、三十三年度最後におきまして、これだけの施設をいたすことによりまして、それが九九・五%にまで改善されます。  ここに一言ちよつと付け加えて申上げますが、この九九・五%という数字でございますが、これは放送局の開設の免許を与えられる際の基準にしてございます放送区域指定をいたす際の電波の強さというのが郵政大臣から指定になつております、全国各地に亙りまして……。一応その数字をとりまして、その中に入る世帯数を調べますと、この数字になるわけでございます。併しながら実際問題といたしましては、その数字に少し満たなくても、良好に聴取できる地域も或る程度あるわけでございまして、一応放送されます限界強度から言いますならば、九九・五でございますが、実際には一〇〇%になるという見通しでおるわけでございます。それから第二放送のほうは数字が少し小さくなつておりまして、最後完成後におきましては九七・一という数字になつておりますが、これも実際に聴取できる、割合実用になる受信状態になる世帯数範囲考えますと、ほぼ一〇〇%に近い数字になつております。  以上が放送網を一応を許される範囲での第二放送、それから或る程度地域別放送というものも全国あまねく第一放送優先といたしまして、それの完成と同時にそれも併せて考えるという方法をとりまして、一応の放送網完成するという考えで我々おるわけでございますが、これらの局を実際に全部やりますためには、一応或る程度混信等で、幾ら実用になりましても、受信状態が必ずしも十分でないという地域も幾らかはあり得るとは存じますが、この外国電波混信或いは都市におきまするところの雑音というものは、現状で言うならば先ず一〇〇%に近い良好な聴取状態にまで解決できるという見通しが立つのでありますが、これは我々の力の及ばない外国電波混信であり、都市雑音の発生問題でありますので、それの因が将来若し非常に大きく悪影響を与えるように変化いたしますならば、我々といたしましては、これに対して施策をその際に又考えなければならんというふうに考えられるのであります。それから又全国普及いたしております現在の受信機が将来スーパーのように、だんだんスーパーの数が殖えておりますが、受信機が非常に優秀な受信機にどんどん代りまして、普及いたした際を考えますと、或いはここまで徹底してしなくてもよい場合があるかも知れません。又現在は幾ら実用になつておりましても、聴取状態があまり十分でないと考えられる地域も或いは相当よくなるという場合もあり得るかとも思います。それらの変化に応じまして、我々将来その際に又考慮を加えて行きたいというふうに考えておるわけでございます。  概要以上で説明を終ります。
  8. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 只今の御説明に対して、予算措置はどういうふうに、さしずめ二十九年度から三十三年度まで、今後の大体の放送協会予算の規模、いろいろなことに関連してどういうふうにお考えになつておりますか、お見通しを……。
  9. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) ちよつと今予算のほうの説明を落しまして失礼いたしました。  第一欄の最後から二段目のところに所要経費概算というのを挙げてございます。二十九年度は御承知のように、協会に十分の置局のための建設費を見てございませんでしたが、我々といたしましては、聴取者普及の努力その他によりまして得られた経費、これらを一切一応予備費に入れまして扱つておりますが、この予備費で扱える範囲で、而も急速に実施できる簡易な局の範囲にとどめまして、一応三千十万円の経費予備費から支弁いたしまして、これだけの局を実施する考え方でおります。  それから三十年度まで、特に二十九年度、三十年度と分けまして挙げました理由は、三十年度はもうすでに来年度予算編成期に当つておりまして、具体的にこの計画を今立てておる段階に入つておりますので、かなりはつきりした見通しを立てまして、一応三十年度考えたわけでございます。それの所要経費は一億九千二百五十万円になつておりますが、これは放送債券の発行が可能であるという見通しでおるわけでございます。  それから三十一年度から三十三年度までに亙りましての三カ年の間の、この表にあります局を建設いたします費用が七億五千三百七十万円というふうに見込んでおります。この経費はこの三カ年間に亙りまして、やはり同じように債券或いは長期借入というものでやつて行けるという大体の見通しを立てておるわけであります。
  10. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 そうすると、三十年度以降のは全部借入又は債券であつて受信料収入予算のうちからでは全然支弁できないと、こういう御計画ですか。
  11. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) 只今の御質問は、受信料収入によります事業費の中で建設を行うという御意見なんでございましようか。
  12. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 そういうのは全然含まれませんか。外からの借入債券だけでこれを全部賄う予定でありますか。
  13. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) 只今申上げましたのは、勿論原則的でございまして、本年度も或る程度考えて頂きましたように、受信料収入のうちから減価償却費に当てる分を考えておりますから、それらは建設に当てるつもりでおります。
  14. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 明年度予算のうちでどれくらい、一億九千万のうちでどれくらいが借入又は債券によらなければならんのか。
  15. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) 金のほうは、丁度こちらに経理部長が参つておりますので、経理部長からその辺の具体的なことは……。
  16. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 そのときに御一緒に、本年度は全部予備費から賄うように完全に見通しがついておりますか。
  17. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) はあ。
  18. 参考人(栃沢助造君)(栃沢助造)

    参考人栃沢助造君) 只今の御質問にお答え申上げますが、今ここに書いてございます数字は、新しく置局をする建設費関係だけでございまして、このほかに現在の施設を維持するための建設費関係費用がたくさんまだあるわけでございます。それで現在の施設を維持するためのものは、主として減価償却費からこれを支弁いたしまして、新しく建設するものは、大体放送債券対象として今までやつて来ておるわけでございます。又長期に亙るものは、減価償却の中から到底これを支弁し得ないものもございますから、一応放送債券対象というふうには考えております。それから又別個に放送債券でやるよりも、或る程度受信料収入の中から出してもいいのじやないか、増収節約で出してもいいのじやないかという考え方もございますが、一応今の段階では、新規建設に対しましては、放送債券を発行してこれを賄うという考え方をとつております。
  19. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 郵政省で先に立案せられましたいわゆるチヤンネル・プラン、これによる割当周波数で、今の新設のときの電波は賄えるかどうか、その点を一つお聞きしておきたい。
  20. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) この表の説明をもう一歩進めて申上げたいと存じますが、この枠をいたしまして書いてあります具体的の局名新設或いは増設、増力、これらのものは一切現在のチヤンネル・プランで賄えるような見通しの下にこれは作つてございます。従いまして大きな局は全部チヤンネル・プランにそのまま載つております。この欄外に注の意味で書いてございます1、2、3、4と番号をふつた欄でございますが、この中で最後の第4項でございますが、この第4項の「混信対策、第1、第2の電界比関係、その他の理由により津(1)」、津(1)と申しますのは第一放送という意味でございます。「津(1)、岐阜(1)、佐世保(1・2)、高松(2)、徳島(2)、下関(1)に適当電力県局又は増力考える。」というふうに書いてございます。これは勿論十分、これから監督官庁のほうの許可がなければ、我々としてのはつきりした見通しも立てられないわけでございますが、我々としては一応是非必要であり、実施をしたいという希望条項として、この欄外に書いたわけでございます。この中で佐世保の第一、二を除きましては、あと全部チヤンネル・プランで賄えるのでありますが、佐世保の一、二は、一応我々といたしましては五百ワツトを希望しておるわけでございます。若し五百ワツトといたしますと、チヤンネル・プランに載つておりませんので、これは何とかそれの措置郵政省の側において考慮して頂きたいというつもりでございます。あとは全部チヤンネル・プランで賄えるものでございます。
  21. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 郵政省に伺いますが、この置局計画の適当であるかどうかということは、これから御検討になるだろうと思うのですが、仮に今のNHK説明の案が適当なものであるということになれば、前におきめになつチヤンネル・プランを、このためにも或る程度変更しなければならんということになるかと思いますが、この点はどういう御意向ですか、伺います。
  22. 説明員(長谷慎一君)(長谷慎一)

    説明員長谷慎一君) お答え申上げます。只今日本放送協会のほうから御説明になりました放送協会標準放送計画内容につきましては、郵政省としまして、只今委員会の席上で私ども拝見いたしました。まだ検討いたしておりません。従いまして的確なことを申上げかねますけれども、只今小松会長からもお話がありましたように、この計画の大部分は、現在きめられておりますチヤンネル・プランに則つて計画された由でございますので、恐らく支障はないものと思いますが、あとから追加的に御説明になりました二、三の局については、必ずしもチヤンネル・プランに則つておらないということでございますので、その調節が、どうしてもその局を設置することが必要だということになりますれば、起つて来るかと存じます。  なおチヤンネル・プラン放送局の再免許の際に、要するならば調節をし得るわけでございまして、その中間においての混信対策等におきまして、曾つてやつたこともございますし、でき得るのでございますが、それが若しも放送協会関係する電波割当の相互間だけで解決すれば問題の解決が簡単でございますけれども、多少でも民間放送関係というものに影響を及ぼします場合には、その電波変更伴つて国家補償問題等も起つて参りますので、若しも相当広範囲変更を必要とするということになりますれば、再免許の時期、つまり再来年の五月末が丁度その時期に当りますので、その時期までに十分検討を進めて善処したい、こういうふうに考えております。  なお先ほど申上げましたように、私どももまだ十分この案を検討さして頂いておりませんので、的確なことは申上げかねますが、大体以上のことで御了承を願います。
  23. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 至急郵政省のほうで御検討を願いまして……、この前の委員会でも申上げましたが、無線局免許というものは割合に簡単に扱われたようなきらいもありまして、地方に参りますと混信等の問題がいろいろ起つております。もつとこの電波というものは大切にしてもらいたいというようなことを各委員から申上げたわけですが、NHKにおいても十分この点考えて立案されたものと思いますが、御検討の上で、放送法七条に書いてありますような趣旨から、難聴地域解消するという電波は相当これは優先して割当をしなければならない、そのために必要あれば、今お話のように難聴地域解消のためのチヤンネル・プラン変更ということもこれは真剣に考えなければならないと思いますので、郵政省では至急にこの点について御検討願つて、結論が出ればなるべく早く御報告を願いたいと思うのであります。  それから更に、ついでにNHKのほうにお尋ねしたいのは、二つあるのですが、一つは、第三に書いてあります大電力局の問題でございます。その大電力局が従来まあ第一放送、第二放送について各地で実行せられたのでありますが、どうもその大電力局をお置きになつ趣旨は、勿論外国電波による混信等考えておやりになつた点もありましようが、もう一つ、やはりここに書いてありますように、難聴地域解消のためにもおやりになつ部分が相当多かろうと思うのです。そこで具体的にNHK措置方を見ますと、大電力局を置いたけれども、従つてこの難聴地域解消には役立つたのだけれども、従来の局をそのままにしておいて、結局まあ私いつも例にするのですが、京都とか徳島等に例がありますように、大阪の大電力放送によつて十分カバーされる地域でも、更に京都或いは徳島において、同じ第一放送などを又違つた電波で二重に放送をしておるというような例があるわけであります。で、大電力局主義をおとりになるならば、外国電波との関係も十分考えなければなりませんが、同時に一面難聴地域解消という問題をとらえておやりになるわけですから、そういう不要な局を私は極力整理をされて、電波も倹約して頂きたいし、関係の諸経費節約をして行くという建前をおとりにならないと、大電力局にされる趣旨の半分は没却されるのではないかというふうに痛感をしておりまして、これはもう再三この委員会で私から主張もし、警告もした点でありますが、更に今度の難聴地域解消について大電力局主義をとるわけであるということが書いてありますから、これについての根本の方針をNHKのはうから伺つておかないと、直ちにこの主義で結構でございますというわけには行かないのです。その点如何でございますか。
  24. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) 只今御指摘の点、これはしばしばこの委員会で伺つたこともございます。我々この計画を立てます際に慎重にこの点再考再思いたしまして一応この案に到達したわけでございます。ここの第四項にございます受信機普及状況というのも、まあ一つはその意味も含んでいるわけでございます。将来の受信機が相当優秀な受信機になりまして、従来あつた局が急になくなるとか、或いは急に減局されました際に、十分の受信機に感度なり、その他の余裕がございます場合はいいのですが、現状では放送局のある附近は非常に簡易な、感度の低い受信機を現実に持つております。従いましてそれらの受信機の集中しております都市で局を急に廃止いたしますと、一応或る期間は受信者が非常に迷惑するわけでございます。で、我々といたしましては、将来そうした受信機普及状況が相当進みました段階におきましては、それらも十分に考慮して行きたいというふうに考えておるわけでございます。
  25. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 暫時休憩いたします。    午後二時五十八分休憩    ——————————    午後四時二十三分開会
  26. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) これより再開いたします。  休憩前に引続き質疑を続行いたします。
  27. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 この難聴地域解消のために、小さな中継局各地に設置する案が出ておりますが、かねてNHKのほうで研究しておられるということを聞くのですが、これらの小さな中継局は、中継局でないかも知れませんが、いわゆる無人中継局でおやりになるような技術的な研究がどこまで進んでおるか、又この中で若しそういう計画があるとすれば、どれどれがそれに該当するのか、御説明を願いたい。
  28. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) 只今の御質問の小さい局、これは百ワツト以下の電力の局は、全部一応只今新谷委員からお話がありましたように、我々としては、理想的な形においては無人中継局として扱つて行きたいという考え方でおりますが、まだ現在の段階では全然人を使わないというのには少し懸念がありますので、一応監視員の程度のものは配置してやつておる現状であります。従いまして、これらはやはりさしむきはそういうような形で一応進めて行きまして、機械に絶対の信頼ができるということの見通しがつきましたら、将来は無人にしたいというふうな考え方でおります。
  29. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 それから、先ほど左藤委員からお尋ねがあつた所要経費に関してですが、放送債券の発行限度が三十億だつたと思います。それで相当の経費がここにかかるようですが、一方でこのテレビジヨンの送信の設備も作つて行かなければならない。この債券発行限度について、三十三年度まで、丁度これはテレビのほうでも各地にマイクロウエーブの施設ができ、中継設備もできて、相当各地経費が要る時期にぶつかるのじやないかと思うのですが、そのときに約十億近くの資金が要るのですが、それは只今債券発行限度で賄えるお見込みですか。
  30. 参考人(栃沢助造君)(栃沢助造)

    参考人栃沢助造君) 大体只今のところ、放送債券がまあ二十一億発行してございます。それでまあこれからも相当金融引締めの関係で、協会が所要とする額までの発行が非常に困難だと思いますけれども、今大体これから三十三年度までの間に、一応ラジオにおいても、テレビにおいても、それぞれ二億乃至二億五千というものを発行するという前提で考えておりますが、併し来年度から過年度の償還に入りますので、これの差引きをやつて、大体今ここに出ております中波の建設関係を大体債券対象とし、それから別途テレビジヨンの五カ年計画を電電公社のマイクロウエーブの線で置局をして行くということを大体大ずかみに予定しておるわけでございますが、そういたしますと、三十三年度において放送債券の残高は大体二十一億乃至二十二億というところになる見込みでございます。
  31. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 最後にもう一つつておきますが、先ほどお話が途中になつてしまつたので補足する意味で伺うのですが、例えば福岡の局或いは札幌の局をまあ大電力にしようという構想になつておりますが、そういたしますと、九州の管内の今まである小さな局ですね、それから又北海道にある現在電波を出しておる小さな局、こういうものは場所によりましては必要でなくなつて来るのじやないかしらと思うのですね。つまり第一、第二放送とも大電力でやれば、十分じかに福岡なり札幌なりの電波が入つて、而も強電力だから今までよりもよく聞えるというような状態になつて来るだろうと思うのです。これを五十キロにされるか百キロにされるかという問題は別問題としまして、一応そういうことに予定されるのですが、その場合に、小さな局の整理問題については、従来のような、私はこれも早く改めなければならんと思いますが、例えば先ほど指摘しました京都徳島等のような問題のごとき、二重に経費を使つて電波を使つて、そうしてそれはNHKの会計からいつても、それから電波の効率的な使用という意味からいつても非常に困つたやり方だと思うのです。その場合には、今度は一つ真剣になつて、その管内の不必要と思われる局を整理して行かれる方針かどうか。これは相当重要な問題ですから、この点はここで明瞭にお答えおき願いたい。
  32. 参考人(小松繁君)(小松繁)

    参考人小松繁君) 先ほど大阪大電力放送区域内にあります京都の例も出ましたが、その際少し或いは私の説明が不十分であつたかと思いますので、この際に申上げたいと存じますが、これらの大電力下にあります従来の局は、一つ意味合いは、この本文の第一項の終りのほうに書いてあります「地域別放送難聴度のはなはだしい主要地域」というのがありますが、これも或る程度加味して考えておりますので、従来ありました局を廃止するということは、その附近の聴取者に与える影響が非常に大きいので、これは慎重に扱つて行きたい。但し電力をそれによりまして必要な最小限度に下げて行くということは、これはさしむきは可能であろうというふうな考え方を一応いたしております。従いまして例えば福岡の大電力をやりますれば、熊本の従来の十キロは重ねて必要性が薄くなりますので、或いは五百ワツトくらいに下げて行く、そうしますと大きな電力のために割当周波数が使用上融通性が生ずるというようなこともこれは現実に考えております。
  33. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 もう一つ、ついでですから、今ここで結論を具体的に出すのは非常にむずかしいかと思いますが、今お話にあつた点は御尤もだと思います。私は必ずしもローカル放送地域別放送というのを否定する意味じやないのです。併しローカル放送が一日に何時間かあるからといつて、その他の大部分の時間を大電力、つまり中心局になつておる放送局電波が十分に入るにかかわらず、更にそのローカル放送の局を利用して第一、第二放送を重ねて二重にやつているということがおかしいということを申上げているわけなんです。ですから仮にローカル放送が必要であるということを郵政省のほうでお考えになるならば、私も決してそれを一概に否定しようとは思わないのですが、その場合には、少くともローカル放送なら私は電波一つでいいだろうと思う。周波数の割当一つでいいだろうと思うのですが、そうしますと、今の第一、第二というものの割当てられている周波数というものがそれだけ倹約されるのじやないか。第一、第二放送は、大電力局から出される電波によつてつて、ローカル放送が必要ならば、今おつしやつたように電力出力を下げるのも一つの方法でありましようし、周波数の問題もできるだけセーブして、そうして人間もセーブして最小限度の設備でやるのが最も経済的であり、当然の措置だと思うのです。そういう意味のことをさつきから申上げているわけで、具体的に各局についてどうするかという問題は、これは今後の措置でありましようが、方針としては、今私が申上げたようなことを今から十分にお考えになり、それが尤もだとお思いになればそれを忠実に実行されるように、今から私は要望いたしておきます。これで私の質問を終ります。
  34. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 塚田大臣がお見えになりましたが、他の委員会に御出席のところを無理にお出まし下さいましたから、御質問がありましたら……。
  35. 上林忠次君(上林忠次)

    上林忠次君 私実はこの委員会に入りましてから間がありませんで、喋ることに自信も実はないのでありますけれども、先般来二、三の委員会に出まして問題になつております民間会社の放送施設を使つてマイクロウエーブを自衛隊が使うようになる、これが管理を任されるか、一部の管理になるかも知れませんけれども、そういうふうな話が出ております。私は自衛隊のようなあの任務から考えますと、自衛隊の活動の神経、ネツトであります通信網は、これは自衛隊専属のものを作らなければいかん。今の公社のああいうような公共施設を又利用するというようなことでもいかんのじやないか。まして民間の施設をこれから使おうというような計画があるというふうなことは不思議に感じるのであります。先般来聞いておりますと、どれくらいの金が要るか、又どれくらいのネツトを作るのか、そういうような規模もまだわからん、わからんなりに一部そういうような話が出ているということを聞いておるのでありますが、民間のものを使うならば、公共企業体のものを使うのがいいんじやないか。私の気持は公共企業体のものもいかん。これは自衛隊自身が管理して自分の力でいつまでも保全する、維持して行くというようなことにならないと、この特に秘密を要する神経網をほかの機関と合併して使うというようなことはいけないんじやないかというような気がするのであります。こういうことは前から問題になつたことかも知れませんが、大体民間のこの電波専業、これを発達させるために外資を使う、私日本の産業で大きな外資を使わないとこの民族資本ではどうもいけない、開発ができないというようなものならば、この外資を使うのはいいけれども、日本の技術或いは日本の民間資本でできるものはなるべく外資を使わないという建前で、いつも諸産業のものを考えておるのでありますが、いつか過去におきまして電気事業に外資が入るというようなことも聞いております。この問題については、すでに過去の委員会において十分検討されたことと思いますが、今回この自衛隊の電波網に関連して、民間の会社に外資を入れて、これで自衛隊のマイクロウエーブの施設をして行くというようなことになりますと、この、外資の入るということが将来どういうようなこの通信施設影響を及ぼすか。通信施設全般について外資に独占されまして、日本の通信網が麻痺状態になる。或いは資本的に利益を壟断される、外国の資本に壟断されるというようなことになるならば、これは日本としてはやるべからざることではないかと私は考えておるのであります。この点につきまして、今回折角国の公共企業体である電電公社があるのに、この施設とパラレルに、民間の会社が外資を入れて又同じような施設をする、これが将来我々の国民企業、民族企業を脅かすような心配があるんじやないかということを私心配しておるのであります。この点につきまして、外資を入れるということはどうか。将来の通信網、或いはこれに対する民族資本との関係、こういうようなことに関して、どういうような工合にお考えになつておりますか。
  36. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 今世上に伝えられております計画が具体的なものになつて出て来れば、恐らくその問題を検討すべき場合のいろいろな判断の基準になるものの考え方は、只今御指摘のお考えと殆んど同じ考え方と私も思つております。ただ何にしましても今これは、まあ起りは半分電電公社に使つてもらうという考え方で行きましたので、その時分は私が非公式にいろいろ意見を聞かれ、意見を申述べておつて、自分としては詳細な計画はわからないが、考え方としてはこういうようなものだという考え方を、大体御指摘のような考え方でこれに対して意見を申述べてあるわけであります。ただ現在はそういう経過を経て、防衛庁の計画と関連してというようになつておりますので、政府として責任ある答弁は防衛庁長官から申述べるべき性質のものでありますが、私が通信政策全般をお預りしておる立場として、それに協議を受けました場合には、やはり同じような考え方で問題を見るべき性質のものだと、こういうように考えております。ただ何にしましてもまだ何ら具体的に政府として正式に取上ぐべき段階まで問題が至つておりませんものでありますから、むしろ本委員会若しくは衆議院の電通委員会におきまして、只今まで問題になつておりますものは、その前段階の、もう今日の法律上そういうことは考えられる問題なのかどうか、考えられない性質のものではないかというようなことが、先般来御論議になつておりますので、その点でまだ十分検討がなし尽されておらないというまあ状態になつておるわけでございます。
  37. 上林忠次君(上林忠次)

    上林忠次君 自衛隊との関係は別の問題といたしまして、現在こういうような民間会社に外資が入る、この種の産業の民間会社に入るというのは、ほかにあるのか私知りませんけれども、若しほかのほうで又外資をもつて大きな電波の会社を作るというふうなことになりますと、これも許すようなお考えでいらつしやいますか。これは先ほどのまあ外資を入れて日本の産業が圧迫されるぞという心配から私考えるのでありますが、どういう工合にお考えになつておりますか。
  38. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 一般的なものの考え方としては、今外資が入るというのは、金で入るということではなくつて、結局技術で入つて来る、品物で入つて来るということであります。従つて今勿論具体的にそういう計画は何ら私らが聞いておるものはほかにはございませんが、仮に出て来ましても、そういう形で、例えば金は貸すのだが、併しそれは物で買つてもらうのだというような形で出て来ます場合には、私は今日の日本の通信技術の観点からしまして、又先長く日本の通信技術を育成強化して行くという観点からして、そういう状態で外資が入つて来ることは好ましくない、適当でない、こういう考え方をいたしております。
  39. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これは塚田大臣にお聞きするのですが、まあさつき言つたような防衛庁関係のマイクロウエーブの設置云々という問題が巷間に伝えられておることは事実です。そのことについて、約二カ月前にこの問題を当委員会で議せられたときに、電波法の第四条第二項の解釈問題、このときに当委員会において我々法律を作つたものと塚田大臣の解釈、見解と多少違つておつた。これを文書で一つ出して頂く、出しますということになつて、もう荏苒二カ月も経過してれるのですが、その経過ですね、今日お出しになれるのか、出せないのか、この点について一応大臣の、もう二カ月有余に亙つておるのですから、一応大臣の見解を、ここで法的、最後的の見解をお開きしたい。
  40. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 御指摘のように誠に早くもうお手許に提出して御審議を仰ぐべき性質の事柄が延び延びになつておるので恐縮しておるのでありますが、ただその後いろいろ検討してみますと、意外に問題がむずかしい問題であり、郵政省の私の内部にも、私と担当係官との間に若干の意見の食い違いがあり、又法制局も、担当の係官と法制局長官あたりともいろいろの意見の食い違いがあつて、非常にまあ解釈がまとまらないで困難をしておつたのであります。併し漸くその解釈がまとまりまして、まだ書面にまとまつた形にはなつておりませんが、大体の解釈は、従来私が本委員会その他で申上げておつた考え方で政府としては正しいだろうと、こういうようにまあ大体解釈がなつているのであります。ただ併し非常にいろいろな観点から問題を取上げなければなりませんので、書面にして一つの形でお手許に提出するということは非常にむずかしいようでありますので、誠に恐縮でありますが、お願いできますならば法制局長官と私を一緒に一つお呼び頂いて、双方並べておいて見解を質して頂ければ一番手つ取り早くこの問題が片付くのではないか、こういうように考えております。併しそれとは別個に書類でお手許に提出をするというふうに申上げておきましたので、そのように法制局から何か書面の形で出してもらいたいというようにお願いをして、そのつもりで今法制局で準備をしてくれているようであります。ここに、私が今手許に持つております非公式のものがあるのですが、これは実は私が読んでも理解に困難するような難解のものでありますので、もう少し平易にしたものができないかということで、今更に表現を再検討してもらつているというような段階でございます。
  41. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これはもう大臣がああいうように当委員会でこの解釈を、政府の見解を正式に書類で声明するとおつしやつて、なかなかお出しにならないし、参議院の法制局のほうでも我々の委嘱によつてこの法を如何に解釈すべきかと、前後五、六回も集まつて慎重に今検討を加えているわけですが、大体の結論は出ているやにお聞きしております。それでこれは私仄聞するところによりますと、一体この問題が最初郵政大臣に持ちかけられたのが昨年の八月というように聞くのですが、これは事実でありますか。
  42. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 今正確には時の記憶がありませんのでありますが、私が就任間もない頃であつたというように記憶いたしておりますが、就任は五月の末でありますから、恐らく八月の頃であつたのではないかと考えられます。
  43. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 そういたしまして、郵政大臣の、このマイクロウエーブを開設してこれを電電公社に貸したいという申入れがあつて、大臣は電電公社に対して、こういう話があるが、というので御紹介になつた事実はあるのですか。
  44. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) その通りであります。若しこういうものが正式の書類として出て来たらばどういう判断になるものだろうかということを非公式に電電公社に伝えて検討してもらつたことはあるのであります。
  45. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 そういたしますと、これはまあ郵政省当局はもとより、当の話を聞くと、電電公社としましても、これを貸与するということになれば、忽ち電波法の第四条第二項が浮んで来るわけです。これに対して勿論この法律の解釈をどうするかと、まあその当時から私はこれは問題になつて来たと思うのですが、大臣の関知される範囲において、こういう公衆通信に関係あるものは開設する、而もそれを貸与するという、明らかに明文に書いてあることと牴触するかしないかということは法的な、やはり専門家によつて検討が加えられるべきだと思うのですね。大臣御就任後、その点について、これが法的にできるかどうかということは御研究になつたのでしようか。
  46. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ問題が、先ほどから申上げておりますように、ほんのもう非公式の段階でありますので、私は当時自分として、又部内の意見も聞いて見て、まあ自分としては、どういう形に貸借形式がなるものかは別にしても、或る形で、抽象的に考えてでありますが、或る形で、要するに公衆通信というものの本来の使命にそぐわないというような点のないような形の貸借の形式というものが考えられるならば、私は今の法律ではそこまでとめておるというものではないであろう、こういうような考え方でおつたわけでありますから、そういう前提の下に、その他の点についてまあいろいろ検討してもらつておる、勿論これが正式の書類となつて出て参りますれば、もう少しいろいろな点で更に検討を進めた上で問題の処理をしなければならんことは申すまでもありませんが、まあそういう非公式な程度のものでありますからして、一応のそういう判断に基いて、一応の調査をやつてみたわけでございます。併し勿論いろいろな観点で非常に問題の多いものでありまして、結局まあ公社としても適当でない、私としても恐らく適当でないということで、その計画は中途なくなつてしまつたということになつておるわけでございます。
  47. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 こういつたような問題を政府、大臣に向けてそういう申込みがあつた。これは大臣としても法的にできるかどうかよく御研究になるというのは当然のことであります。ただ私が仄聞するところによれば、やはりこの当時この貸与ということが問題になつて郵政省当局としては、やはりまあ内閣の法制局で法的にできるかどうかということを御協議になつて郵政省と法制局と或る一つの線が出て、決定の線が出て、政府の意思がその通りすでに決定したんじやないか、こういうようなことも私は考えられるのですが、その点は如何でしようか。
  48. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは繰返して申上げますように、私は全然これは正式の書類というものは何ら受取つておらんのでありまして、ただ非公式に相談があつて、而もこれはただ私の所管のものでありますから、自分として判断できる範囲におきましては、これはまあ法的にはできる、或る形式では考えられるかも知れないというので、その他の部面について一応それぞれの立場から意見を聞いて見ておつたという程度の事柄でありますので、全然政府として正式の問題では何らないのであります。勿論正式の問題になりますれば、先ほど申上げましたように、当然解釈自体につきましても、法制局の意見も確かめなければいけませんし、恐らくそれらの措置をとつたろうと思いますが、そういう状態であります。
  49. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 今大臣のお話によると、これは私の聞いたところとは大分事実が違つて、この問題が起きて、直ちに郵政省当局は内閣法制局とその法の解釈を協議されて、過日大臣がこの委員会でお述べになつたような、この提供を目的とする無線施設の開設は、これはもうこの電波法第四条第二項に牴触しないんじやないかというお考えをお述べになつた。私の聞くところによると、それはやはり当然そういうような提供を目的として無線設備を開設するということは、明らかに電波法第四条第二項の規定に反する、こういう線が出たんだというように聞いておるのですが、これは事実でないのですね。
  50. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) これは勿論当時も非公式に法制局にも相談はしておつたのでありますが、さつきも申上げましたように、又法制局の担当の係の者と法制局長官との間、長官と申しますか、法制局全体の最終的な意見の間に若干の食い違いがあつたようでございます。当時非公式に法制局の意見を聞いた段階におきましては、法制局の意見もむしろ私の部内の者の意見と近いのであつて、私の意見とは違つておつた、こういうようなものでありましたが、私は当時からこの問題については、少くとも法律の解釈については、或る信念を持ち、確信を持つておりましたので、これは法制局が、係の人がそう言つてつても恐らく違うであろう、こういう考え方でずつと来ておつたわけです。従つて非公式には当時から法制局の意見も若干確かめておつたのでありますが、併し時期がまだ正式に法制局の最終的の意見を求めなければならない段階ではありませんでしたので、そこまでは勿論行つておらなかつた、今度はそこまで突きつめて検討してもらつた、こういうことになつておるわけでございます。
  51. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 もう一点私は確認いたしたいのですが、先ほどのあなたの言葉によると、当委員会に政府から表明された電波法第四条第二項の見解は、過日当委員会において大臣の意見を述べたそのことが、内閣法制局の見解として裏付けられて当委員会に出されるということは、これはもう確かな事実と見てよろしゆうございますか。
  52. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) 確かにそこまで、少くとも口頭の双方の話ではそこまでは御相談いたしております。ただそれが書面にならないでおるという段階でございます。
  53. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これは書面にしていずれ早晩当委員会に出して頂くわけでございますか。
  54. 国務大臣(塚田十一郎君)(塚田十一郎)

    ○国務大臣(塚田十一郎君) どうしても書面でということでありますれば是非一つ、もう一応の書面は先ほども申上げましたように私の手許に参つておるのでありますので、読みましてもなかなか難解でちよつと解釈がつかみにくいということでございますので、もう一応検討をしてもらつております。
  55. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 他の委員の方の御質問もあるかと思いますので、私は一応これで打切ります。  なお先刻の議事進行によりまして、防衛庁長官の御出席を一つお願いして頂きたいと思います。
  56. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 今連絡しております。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  57. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 速記を始めて下さい。
  58. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 それでは江藤政務次官並びに増原次長に御出席を願つたので御質問を申上げますが、実は前回二日間当委員会を開いたわけです。どうしても木村長官がお見えにならないもので、お会いができないので今日改めて開いて長官の御出席をお願いしたのですが、衆議院の関係で御出席にならないで今まで政務次官と増原次長に御出席を願つておりますが、当委員会でかねて問題になつております正力松太郎氏からのマイクロウエーブ施設を、これをアメリカの借款によつて開設して防衛庁に無条件で管理せしめて行く、こういうような話があつたということを聞きまして、前々回木村長官に御出席を願つて確めたところ、まさしくその話がある、自分としては非常に魅力を感じておる、かような実はお話がありまして、そしてこれが果して法的にできるかどうかということについて、当委員会として先ほども申上げましたように、そこは郵政省郵政大臣との見解と違うわけです。そこで我々として、先ほど申上げたように、大臣に正式に政府の解釈を文書にして出してもらいたいと、今日まで出なかつたので……。そこでこれはまだ政務次官並びに次長とせられては、依然としてこの問題が防衛庁のほうへペンデイングというか、依然としてこの話は続けられているのかどうか、この点をお伺いしておきます。
  59. 政府委員(江藤夏雄君)(江藤夏雄)

    政府委員(江藤夏雄君) 只今の正力マイクロの問題でございますが、これは私が長官、木村大臣から承わつておりますところでは、まだ正力さんと木村さんとの個人的な一つの会談と申しますか、その域を出ていないように承わつております。で、防衛庁の事務当局としても、この問題についてはそう詳しく知らないのじやないかと思います。
  60. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 只今政務次官からお答えいたしました通りでありまして、大体そういうふうな話があることは私どもは長官から聞いております。まあ具体的に技術的に将来どうして進めて行くかというような問題について、しつかりしたまだ方針を持つてやるというふうなことには至つておらないのでございます。
  61. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 若しそういう話が、大臣と正力氏との間に個人的にしろ話が出ておれば、先ほどの郵政大臣に対する質問と同じように、防衛庁としても、正力マイクロウエーブ施設の管理を引受けるかどうかということは、先ず第一には、今日の法律の解釈如何ということだと思うのです。大きな問題になつて来る。その点に関して、郵政省とは別個に防衛庁として法的解釈というものに対して、どういうふうな立場で、法律の解釈をできるかできないかというような一応やつぱり御検討なつたのじやないかと思うのですが、その点は如何ですか。
  62. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) その点も何といいますか、全然話をしなかつたということはございませんが、極めて非公式な形で話をしたにとどまりまして、只今郵政大臣の話を聞いても、その点経過を経て一応の結末に達したように承わつております。私どものほうでも一応非公式に話をしました程度でありまして、防衛庁として、この解釈をどう考えるというようなことにはなつておりません。
  63. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これは勿論長官、次長としましても、こういう技術的な或いは法的な問題になれは、部下に対していろいろ研究させられることだろうと思うのですが、大体まあ防衛庁のこういう通信関係、殊に電波関係の技術者、そういう部局の者が次長並びに長官に対しては法的にできるかどうか。それからこれを自主的に自分らでもつてやるべきか、或いは電電公社のような公共企業体を利用してやるか、その点いろいろの意見があつたと思うのですが、そういつたようなことを研究を命ぜられて、大体防衛庁としての、実際政治的でなく技術的な、防衛庁としてどうすべきかという私は大体この見解の統一はできておるのじやないかと思うのですが、その点は如何でしよう。
  64. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) その問題も我々のほうで一応マイクロウエーブというようなことを考えましたのは、そういうことを話題にのぼしましたのは二年くらい前かと思いますが、予算を一応出そうかと考えましたのが今年度予算を出すときですが、これはそのままになりました。来年度予算には一応東京・札幌間のマイクロウエーブを組もうということになつておりますが、これは資料を差上げたように、電電公社の施設によつてやろうというものを一応考えて、これはまだ予算がきまりませんが、大蔵省と話合いをしておるというふうなことであります。いわゆる正力マイクロとの関係においての問題というものは、まだいろいろ話はありまするが、我々のところでしかとした結論なり何なりを出すというようなところまでは至つておりませんということであります。
  65. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 そういたしますと、この純事務的、技術的に防衛庁の見解としては、正力氏の案が防衛庁のためにいいか、或いは電電公社の提供を受けるのがいいかということにつきましては、防衛庁としてはまだ完全に統一した見解というものはないと、かように了解してよろしゆうございますか。
  66. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) いろいろ十分討議をしたが、統一した見解に達しないというふうにおとりを願うと少し違うと思いまするが、まだ統一した見解はないというふうにお考え願つていいと思います。まだいろいろ話をし合つておるという程度でございます。
  67. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これはかねて防衛庁に今年度の防衛通信の予算の執行状況、それから昭和三十年度電波通信の大体予算概要とその性格を一つお聞きしたいから、その資料をお出し願いたいということで、手許につい先刻出たのですが、これを見ましても、大体二十九年度における陸上、海上、航空の関係の所管予算の、これは概算要求でありましようが、この三本合せて六億弱のものを計上されているわけです。この中を見ますと、いわゆる最も電波通信の根幹となるべき大動脈的なマイクロウエーブの予算というものは全然計上されてないように思うのですが、この点は三十年度において、まだそのものについては全然防衛庁としては問題にしないのだ。話が若しペンデイングであればペンデイングであり、それから防衛庁としては自主的にはできないから、又そういうようなものを若し借りる場合には、その料金については、他目の問題として補正予算或いは予備金の支出というふうなことの建前で、三十年度予算には大動脈的なマイクロウエーブの施設というものについては全然お考えになつていないのじやないか、かように思うのですが、この点はさように解釈をしてよろしゆうございますか。
  68. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 二十九年度といたしましては、東京・札幌間にはマイクロウエーブをやりたい、併し何といいますか、今申述べになりました大動脈的な全国に亙るというようなものについてはまだ考えておりません。
  69. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これは私は国務大臣たる木村長官の補佐役として増原次長がずつとおやりになつておりますから、増原次長の今の御発言は、木村長官が御出席になつて御発言されるものと大体、大体じやない、これは同じものだと私はとりたいのです。そういたしますと、私どもが前回、前々回に亙つて木村長官或いは塚田郵政大臣等といろいろ質問応答を重ねて見、なお私は実はたまたまこれは過去二年間に亙りまして、何もこのために私は集めたわけじやないのですが、いろいろアメリカから資料が来ているわけです。それと今日の動きを我々見ますと、相当な重要な問題である。これは私は若し時間があれば、甚だ僭越でありますけれども、いろいろの資料に基いて説明もいたしたいというくらいに思つているのですが、私の今のお聞きしている範囲では、防衛庁としては、やはり条件によつては正力氏の提案しているプランというもの、マイクロウエーブ施設というものは防衛庁がこれを使用して全面的に維持管理、保守等一切を、而も郵政大臣がそれもできるのだというような法的解釈を裏付けた場合には、防衛庁はこれはあえて反対しないので、むしろ受入れるのだ、かようなお気持にあるように、すべて大臣並びに増原次長の御答弁のニユアンスから見ますとそうじやないかというように私は臆測するのですが、この点如何ですか。
  70. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 御質問の点が少しむずかしいところでございますが、私のほうの木村長官が当委員会でもお答えしたようでありますが、いわゆる正力マイクロウエーブというものに対して、何といいますか、魅力を感じているというふうにお答えしたように承わつております。これは何と申しますか、そうした技術的に優秀な施設が速かにできて、そうしてこれを防衛庁が管理をして使えるというふうなことに魅力を感じているというふうに申上げたように承わつております。そういう心持は私どもも長官から聞いております。併しそれがどういうふうに技術的にこれを検討してそういうところに持つて行くかどうかというふうな問題はあまり突込んでおりません。今申されたようにおとりを願つてよろしいというふうに私としてはまだ申上げかねるのであります。
  71. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 これは只今申上げたように、木村長官としては、この話は非常に耳寄りで魅力を感じておるということは今はつきり申されたのでありますが、その理由は、やはり早期にこれが完成するということ、それから技術がアメリカのフイルコの会社のものであつて非常に優秀である、而も経済的に言えば、防衛庁自体が作つたよりも安上りだと、こういう点が大体木村長官の魅力を感じられた理由だとの御説明もあつたわけですが、そういたしますと、魅力を感じられたその要素というものは、例えば技術的に申せば、なるほど終戦直後までは電子科学工業、殊に電波に関しては、日本は非常に遅れておつたことは事実でありますが、最近六、七年の間に非常な進歩を遂げた、現に電電公社内は東京・大阪間を、而も四千メガ・サイクルでもつて銀座街道という大動脈のマイクロウエーブを完成いたしまして、更にこれが相当な成績を挙げておつて、何ら欧米の技術並びに施設と遜色なし。そうして更に早期に完成するというのが魅力のようでありますが、これも電電公社が当委員会で我々に示しました案によりますというと、昭和三十年、即ち明年度年度中においては大阪・福岡間を完成する、これも工事を着手しておる。更に東京・仙台、これもすでに着手しておる。少くとも昭和三十一年度までには北海道の札幌から福岡までのいわゆるトランク・ラインのマイロウエーブ・システムが完成いたしますと、こういうことを明らかに本委員会で電電公社の責任者は言明しておるのです。併し我々から見ましても、その完成の時期はやはり時差はないという我々は確信が持てるわけであります。そういたしますと、防衛庁長官が最も魅力的に感じられたこの二つの点というものは、現にもうすでにこれは、正力氏が言われる二年半というこの申込の期間よりも早期にこれができるわけであります。そういたしますと、防衛庁長官が魅力を感じられた点というものは、これは再検討をして行かなければならないことであるし、それ以上どうしてもアメリカのほうにまだ魅力があるのだということになりますと、我々国会側といたしましては、さつぱり魅力の理由がわからなくなつて来るわけです。この点は私木村長官にも重ねてこの点は申上げたのですが、増原次長といたしまして、こういつたような点に厳然たる事実があるにかかわらず、やはり外資導入によつて、さつぱりしたような形式によつて防衛庁自体が重要な防衛通信の神経中枢であるマイクロウエーブというものを開設、運用をしたいという御希望がおありにたるだろうと思う。これは増原次長としての御意見を承わつておきたいと思いますが、如何でしようか。
  72. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 私次長としてはまだ御意見を申上げるような段階に参つておりません。併し長官として考えておりますることも、技術的に或いは経済的に或いは期間の問題、管理の問題いろいろなものを考え、或いは法律上の問題も考え併せた上で研究しようということであろうかと考え、又そういうふうに承わつておるのであります。事の如何にかかわらず、やろうというふうなことはなかろうというふうに承知をいたしております。
  73. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 それからもう一点、これは確認いたしたいのですが、先ほども御発言になつたように、防衛庁としては、これに対する確固とした見解の統一ができていないというのが事実だというように承わつたのですが、そういたしますと、これは我々が正力氏がテレビジヨンの免許申請について、これは御承知かどうか知りませんが、国会としましても非常に大きな問題になり、あたかも占領軍政下であり、いろいろな事情でああいうことになつたのですが、その間の経過を見まして、只今の防衛庁において正力氏の提案に対する見解の統一ができないということは、一方においては正力案を支持する者もおり、又他の面においては、それはいけないという意見も私相当強いのじやないか、そこに何といいますか、防衛庁としてのこの問題に対しまする見解がなかなか統一ができないのだ、かように私には思われるのですが、そういう見解についての御意見を伺つておきたい。
  74. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 問題は何と申しまするか、一つには、先ほどから御論議がありました法律上の問題ということが前提になりますけれども、その次には、技術的な問題が、経費の問題を含めまするが、或いは期間の問題も含めてみていいと思いますが、技術的な問題が一つの判断の要素になる、そういうことについていわば研究中ということなのであります。そういう意味において、まだ結論に達していない、こういうふうに御了承をお願いいたします。
  75. 久保等君(久保等)

    久保等君 今の山田委員の御質問に関連するのですが、もう少しはつきりと今までの経過を少し次長にお尋ねしたいと思うのですが、先ほどのお話で多少わかつたような点もないでもないのですが、今の段階では、まだ防衛庁として確たる結論を出す段階に行つておらないのだ。又特に次長としても、従つていいか悪いかというような問題についての話合いも十分に今のところやつてもおらないし、又そういう段階に至つておらないのだというお話のように承わつたのですが、特に先般の電通委員会に長官の来られてのお話では、非常に何か魅力を感じたというようなことで、一つの肚がまえができたような実は御答弁があつたのですが、そこで少くとも、そういつた気持になられるのには、今の次長の言われた程度の経過では、これは次長そのものが肚がまあ何といいますか、きめられる段階にも来ていないと言つておられるように、まして我々としては全く雲をつかむような話なんです。少くともやはり外国の技術或いは資本、そういつたようなものを導入して、而もこれを通信というような重要な私は問題について肚がまえを作るからには、当然日本の国内における通信の現状、それから又日本の国内における通信技術、まあこういつたものについて詳細な検討が、比較対象されてなされることが当然だと思うのですが、郵政当局なり或いは公社当局に対して、一つのやはり私は何か防衛庁自体がプランを持たれて、そのプランを中心にして十分に比較検討されることが、少くとも研究過程において必要、当然のことでもあるし、又そういつたような問題については、少くとも私は或る程度の話合いといいまするか、いろいろ打合せといいますか、そういつたようなことがなされているんじやないかとも考えるのですが、先ほどの御答弁では、そういつたようなこともあまりやつておられないというふうに私受取つているんですが、郵政当局なり公社当局に対して、具体的なプランを持つて打合せなり検討なりせられておるのかおらないのか。又そういつたことについての打合せをやられたことが具体的にあるのかないのか。この点を一つ事実としてお聞かせ願いたいと思うのです。
  76. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 防衛庁として、全国的なマイロクウエーブの計画を立てて、これを関係の官庁、公社等に打合せをしたということはまだないと考えております。
  77. 久保等君(久保等)

    久保等君 それはそうすると何ですか、非公式とか公式とかいうことは別にして、実質的にそういつたような打合せなり連絡をとられたことはないということなんでしようか。
  78. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) さつき申上げましたように、東京・札幌間については、来年度予算で我が方のものを作りたいということを考えております。これについては、この公社のものを公社によつてやろうというわけで、内部的な打合せをいたしておるのでありまして、全面的な、全国的なマイクロウエーブというものについて案を持つて話をしたということはないのであります。極く非公式なということまで言いまするとわかりませんが、まあこれはないというふうに御了解願つておきたいと思います。
  79. 久保等君(久保等)

    久保等君 私の勿論お尋ねしておるのは、特に正力マイクロの問題を中心にしてのお話としての御質問をしておるわけですから、そういたしますると、非公式にも今までそういつたような問題について、具体的な打合せはしておられないのだという話に承わつてよろしいのですか。
  80. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 私の方が全国的なマイクロウエーブの案を作つて、それをもつて正力マイクロウエーブの人と話をしたということはないと思います。
  81. 久保等君(久保等)

    久保等君 そうすると、これは次長の一つの疑問でもあろうかと思うのですが、どういうところに長官が魅力を感ぜられたのか。その魅力を感ぜられた具体的な事実、そういつたようなことはどういうところに魅力を感ぜられたのか。ただ先般も長官にお伺いした限りにおいては、長官の言われるのは、とにかく二年間程度にマイクロ施設完成して、そうして完成した施設をいわば防衛庁で独占的に管理できるような、完全に管理権というものが移譲せられたような形にしてもらえるのだ、その二点で魅力を感じたのだということを言つておられるわけですが、併し少くとも私は若しそういう今のような、次長の答弁せられるような程度状況の中において魅力を感ぜられたということ自体が、極めて何といいますか、軽率な実は発言といいますか、行動だと私は思うのです。少くとも日本のマイクロウエーブ、而もこれが大規模な全国的なマイクロ施設をアメリカの技術或いは資本、そういつたようなものに依存して設置することによつて、日本のメーカーにどういう将来影響を及ぼすか。いわゆる通信の基礎生産の面においてどういう影響を及ぼすかというような点、或いは又直接的には、日本の現在の公衆通信と技術的にどういう干渉、妨害が将来起きて来るだろうか。或いは又経済的に一体二重施設というようなことについて非常に矛盾が出て来ないだろうか。或いは技術的に果して日本の国内の今日の状態ではどうにもならないのだというような結論が出されて、少くともいなければ私はならんと思うのですが、ところがそういつたような問題については、少くとも事務当局としても、防衛庁としても現段階においては何らそういつたものを具体的に検討した事実もないし、又現在検討しておるわけでもないのだという状態だとするならば、これは全く私は長官がどういう意図を持つてやつたのか、日本の防衛通信というものをどういうふうに理解されておるのか、極めて実は疑惑を持たざるを得ないと思うのです。少くともこういつた重要な防衛通信の問題については、国家百年の大計と言いますけれども、それこそ百年以上に私は非常に重要に考えてみなければならん問題だと思うのですが、併し今までの経過は、いずれにいたしましても、次長の御答弁で、とにかく具体的な検討は何もしていないのだ、が併し何かしら魅力を感じたという程度の話だと思うのです。併し少くとも何かしら魅力を感じたという程度の極めて無責任なというか、或いは非常に軽率な態度の表明はこれは許されないと少くとも思うわけなんでして、特にまあ法律的な解釈の問題も、当委員会ではすでに数回に亙つて非常にこの公衆電気通信法なり、或いは又電波法の今日の電通事業なり或いは又電波事業の面から考えての法制的な立場からいつても、そういつたようなことは許されないのだということも言われておるのですが、非常に何かしら既成事実的な形で動きが極めて顕著に最近出ておるようにも伺つておるわけなんですが、少くとも私は防衛庁としてはもう少し、少くともそういういわゆる妄動的な動きに乗ぜられたというような形で、単に早くやつてもらえるのだ、或いは全面的に作つた施設を任せてもらえるのだというような非常に何か素人くさいといいますか、全く幼稚なただ話だけでこういつた問題に足を踏込まれるというようなことは非常に軽率だと思うのです。少くともこれは政府機関としての公社というものが今日まで八十年の伝統をもつた通信事業をやつて来、更に電波行政という立場からも政府が直接電波行政にタツチしておられるわけですから、やはり防衛通信といえども、そういつた問題については当然一つの、一元的な有機的な構想、或いは計画というものを持たれる必要があると思うのでして、防衛通信だから、とにかく防衛庁なら防衛庁だけで単独に何でもやれるのだというような若し考え方を若干でも持つておられるとすると、いわゆる曾つての戦時中のような、軍国時代の軍隊が要するにやることだつたら、ほかの民間のものが何を言おうが、一般の官庁が何を言おうが何でもやれるのだというような若し意識が無意識にしろ若しあるとするならば、非常に重大な問題だと思う。特にマイクロウエーブというような問題になつて参りますならば、当然周波数或いは無線という特殊な技術を動員する事業でありますだけに、ただ単に防衛庁の通信だけの問題として看過できない非常に重大な影響を直接公衆通信関係に及ぼすというわけなのですから、そういつた問題については極めて慎重に私は考えなければならんと思いますし、少くとも次長があまり具体的な細かい経過等について御存じないということであるならば、私ども直接長官に十分に真相を究明し、更に長官に対して強くその点を指摘して反省を求めなければならんと思うのですが、これ以上次長に対する御質問を申上げることは、私もあまり審議の上では有益でもないと思いますので、私は以上で質問を次長に対しては打切りたいと思います。
  82. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 幾ら兵力を持ちましても、これが敏速に連絡ができぬ限りは殆んど働きをなさない、そういう非常に大事な通信施設の問題について、只今の増原次長の御説明では、全国的な計画については殆んど検討していらつしやらない。甚だ私は怠慢だと思うのでありますが、相当人員の増加その他については熱心にやつていらつしやるのに、それの一番神経系統になるべきものについては、殆んど今伺いますと行当りばつたりだ。明年度予算には電電公社の分を札幌までは使う、あとの問題については、もうどうなるかまだ全然見当がついていないというようなふうにお伺いをするのですが、さような実情でございましようか。
  83. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 言葉が足りなかつたかも知れませんが、先ほど御質問がありましたのは、全国的な計画について他の関係官庁或いは公社等と折衝したことがあるかというふうな御質問でありましたので、そういうことはありませんと申したのであります。来年度東京・札幌間にはマイクロウエーブを開設したいと思つて予算の折衝を進めておるのであります。他の方面のものについても、関係技術方面等において研究はいたしております。まだ具体的に案を作つて他の官庁公社等と折衝をするに至つていない、こういうふうに申上げたのであります。
  84. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 非常に熱心に全体的な計画は部内で御研究になつている、こういうことでございますが、その御研究とはちつとも連絡なしに長官は魅力を感じて、一方のほうに非常に熱意を燃やしておられる。そのほうがどうなるか見当もつかないで、とりあえず来年は公社の分を出発には使つて行こう、非常に私はその点がちぐはぐになつておると思うのですが、それほど熱心に部内で御研究になつているならば、私は魅力を感じておられる長官に対して、先ず我々こういう計画があるから、この計画とマツチするように輔佐なさるべきであつて、一方では長官は皆さんに、増原次長にも御相談なしにいろいろ熱意を燃やしておられる、そして一方では、若し長官の計画が実現すれば、全く二重になる、或いは二元的になるような公社との話を進めていらつしやる。甚だ不統一のように思うのですが、もう少し長官と、実際に御研究になつている、これは国民の税金でする将来の日本の非常に大事な問題でありますので、もう少し緊密に部内が統一されるべきだと思うのですが、その点如何でございしようか。
  85. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) その点は只今まで申上げましたように、いろいろ研究中であるという以上には申上げられないのであります。
  86. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 私がお尋ねしているのは、研究中である、熱心に研究していらつしやる、その御研究から全く長官が浮いてしまつて、別のところにあつて、研究と連絡なしに話を進めておられるということに対して、長官を補佐すべき増原次長以下、長官がやつているのだからいいだろう……、若し長官がきめて来たら、これは昔の統帥大権みたいに、上から来れば仕方がないというようなお考えであるかどうか。それほど計画を持つてこの問題の、将来の自衛隊の通信というものを重視しておられるならば、長官が今いろいろ心配しておられることに対して、私はもう少し積極的に補佐をし、只今優秀な技術とか管理その他の問題についても話があつたのですが、これは私幾ら長官が万能な偉い方でも、やはり私は十分な自分のスタツフをお持ちになつて、下に御相談になるべきであつて、そういう点について甚だ部内に対する統一がとれていないように思うのですが、これは長官にお伺すべきですが、長官が御出席になつておりませんので、長官を補佐すべき次長以下は、長官がやつておられるようだけれども、私どもはよく存じないということでいいとお思いになつているのかどうか。
  87. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 長官がこういう問題をきめまするときには、これはもとより部下の然るべき筋の者の意見を聞き、それを判断をしてやるものだと思います。長官一人がこれをきめるというふうなことには私はなるまいと考えておりまするし、そういう場合に、関係の技術者なり我々としても、又そういうそれぞれの判断を長官の決定の参考に述べるということは当然あると考えております。
  88. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 御熱意があれば、それをもう申上げる時期ではまだないというふうにお考えでございましようか。長官がいよいよ決定して持つて来られるまではずつと見ている。今すでにいろいろ長官がこの問題で非常に熱心にお動きになるについて、今あなた方が部内で熱心に研究してやつておられる問題について進言し、或いは積極的に補佐すべきもう今は時期ではないとお考えになつておりますか。
  89. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 内部的の問題として、そういうことを適当な言葉で現わすのに甚だむずかしいのでございまするが、長官も皆さんにそうした点はいろいろ研究中というふうにお答えをしておるというふうに存じておるのであります。研究中というところに、適当なほかの意見を聞いて判断するという含みを十分持たしていると考えます。
  90. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 私どもには研究中という言葉でもやむを得ませんが、部下に対しては私はいろいろ意見を求めておられるとするならば、どういうような部内において目標を持ち、どういうふうにそれを長官の今の御折衝と緊密に統一連絡をしておられるか。先ほど来の山田久保委員の御質疑に対するお答えから見ますと、私は増原次長以下殆んど関与していらつしやらないような印象を受けたのでありますが、やはり今のお話によりますと、長官がいろいろこの問題について折衝しておられるについては、十分増原次長以下御承知であり、それに対して十分な将来の計画とマツチするように緊密に補佐しておられるかどうか。私は先ほど来伺つた印象によると、私どもは今存じません、長官だけやつていることですというふうなお話のように思うんですが、長官がいろいろ折衝なさるについて、どういうふうのそれじや具体的な補佐をしておられるか、その点を一つ伺いたいと思います。
  91. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 長官が研究中と申し、私ども研究中と申上げたのは、そうしたいろいろな点に今いわゆる研究をしておるということでありまして、私どもは全然何もしておらないということは先ほどからは申しておらないのであります。ただ結論に達したとか何とかという段階には至つておらない、いろいろ研究をいたしておる段階でありますと、こういうことであります。
  92. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 明年度電電公社の施設によつて東京・札幌間の三軍と申しますか、陸上、海上、航空隊の各隊が共通に使用する計画を御計画になつておる、大体二十四回線と承わつておりますが、これに対してどれほどの予算を要求をしておられるか。又予算を要求になるについては、私は行き当りばつたりでなしに、何年間かの通信施設完成する相当の私は長期計画があつて、その一部分として先ず初年度に御要求になる御計画になつていることだと思うのでありますが、どういうような計画であり、どういうような明年度はそのうちの予算を要求しておられますか。
  93. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 来年度要求をしましたのは、金額にして四億円くらいであつたと思いまするが、これを来年度計画として考えたのであります。爾後のものについては、なお研究を続行いたすことにいたしております。
  94. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 二、三伺いたいのであります。防衛通信の全体計画、これはまあ防衛隊が漸次に殖えて参りまするし、基地も変つて来るでありましようから、全体の計画をどうするかということについては、具体的にはなかなか困難であるという事情はわかるのでありますが、併しいずれの地といずれの地を結ぶにいたしましても、一体通信というようなものは、有線と無線と並用して初めて完璧を期し得るんだと思うのでありますが、而も今は非常にどの陸軍、海軍、或いは空軍、いずれにいたしましても、非常に機動力を重んじておるわけでありますから、それにはどうしても通信というものはこれは神経系統で、先ず第一に考えなければならん問題だと考えるのであります。従つて部隊なんかの移動が多少あるにいたしましても、或る程度すれば、隊が殖えて来た、或いは海上の基地が殖えた、或いは航空隊が新設されたというような場合に、当然それらの軍の中央になる所との連絡というものは、これは何といいましても具体的に必要になつて来るので、そういう隊を置く場合に、先ず通信の設備をどうするかということを当然お考えにならなければ、そういう所に基地を置いたり部隊を置いたりすることは不可能だろうと私は思う。そういう意味から申しますと、全体計画はきまらないにしても、大体その兵力を幾らにしようとか、海上の保有トン数を幾らにしようということをお考えになるときに、部分的にしろ、それに関する通信の計画というものがなければならないと思うのですね。それはマイクロウエーブは今やかましく言われておりますが、これ全体の通信から申しますとその一部分だと思うのです。ほかにやつぱり短波もあり有線の通信というものも非常に重要なものです。そのうちの一部分なんですね。このマイクロウエーブ計画も非常に高能率なものでありますから、採用されるとこれは非常に結構だと思いますし、一体その自衛隊の予算要求に当つて、今日までこういうふうな非常に大事な通信に関する設備が、第二次的に取扱われたような感じを与えますのはどういう理由か、私非常に疑問に思うのです。例えば北海道の部隊を殖やそうというような御計画がありました場合には、先ずその部隊の動員と同時に東京との間の通信をどうするか、これは当然考えなければ、ただ人間だけ置いたつて、それが有効に働くとは思えぬのです。ですから非常に必要なものであるという御説明でありますけれども、防衛庁の予算要求の従来の経緯からみますると、東京・札幌間なんか、これから必要だというのじやなくて、今現に必要だと思うのです。漸く来年度においてそういうふうなマイクロウエーブの施設を四億か幾らか要求しようというような御計画のようですが、こういう遅々たる進み方では、これは通信のほうが到底追いついて行かないという気がするのです。なぜこの予算要求に当つて、そういうふうな通信についての比重をもつと重くお考えにならないのか、これからもやつぱりこういう方針でおやりになるのですか、その点が第一にわからないのでお伺いしたい。  それから今問題になつておりまする民間会社の計画によるマイクロウエーブのシステムと、他の欧米各国におけるマイクロウエーブのシステム、電電公社の採用しておりますシステム、これはいずれも技術的には一長一短があると私は思います。併し今日の段階では、幸いにして電電公社は相当に長い間の試験研究もし苦心もいたしまして、日本においても相当の進歩したマイクロウエーブの施設、それを機械類も国産で賄うようになつたという段階に来ておるのですが、これらのものを比較されまして、これは予算にも関係すると思います。先ほど御説明の通りだと思いますが、一体防衛庁としては、技術的にみて比較研究をされましたかどうか。その結果はどういうことになつておりますか。防衛隊の通信は普通の通信と違うのだという観点からいたしますと、相当にこれは比較研究もされ、技術的に検討も加えられておるのだと思うのですが、その御見解はどうでございましようか。その点を第二点としてお伺いしたいのです。先ずそれだけお答え願います。
  95. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 警察予備隊として発足をしまして、保安隊、自衛隊となりましたが、仰せの通り、通信関係というものが自衛隊の国内の警備の問題なり、防衛の問題なり非常に重要なことはお説の通りでございまして、我々としても短波無線によりまする通信は、東京・札幌間、東京・伊丹間、東京・福岡間というふうなものを開設しておりまするし、これは管区の中心というわけでありますが、その管区の中心からはそれぞれの部隊に対する無線連絡をいたしております。そのほかに公社の有線を専用料を払いまして専用しておる有線、無線による連繋はとつておるわけであります。これは部隊の増強の場合には予算的な要求をし、その施設を設置しておるわけであります。ただ東京・札幌間については、それだけではなお足りないということで、来年マイクロウエーブを施設したい、こういうことでありまして、これをやるまでは我々のほうには何もないというわけではありませんが、そうした無線、公社の専用有線というものを持つておるわけであります。  第二段の御質問は、これは先ほど来も御質問がありましてお答えをいたしましたが、まだ我々のところで研究をいたしておりますところと申上げるよりほかないだろうと思います。
  96. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 時間があまりないようですから、極く簡単に申上げますが、今の御説明の第一段の問題ですが、これは自衛隊の方で北海道方面に大いに兵力を増強しようという御決定があつたのは恐らく昨年のことだろうと私は思うのです。そういたしますると、そのときからもう大体東京・札幌間の自衛隊の通信というものはどのくらいの分量になつて、どういう形が望ましいかということぐらいはわかつておると思うのです。それを今日になつて、昭和三十年度になつて初めてマイクロウエーブの予算要求をされるということは、その間何らかそこに理由がなければならん。私は恐らくこれは技術的に果して日本でうまく行くかどうかという御懸念もあつたかも知れませんし、或いは日本の通信界の状況についても知識が不十分であつたかも知れません。いずれにいたしましても、私たちとしては、今非常に防衛通信が大事で、而もそれにはマイクロウエーブのようなものによる多重通信というものが必要だということをいうのは御尤もだと思うのですけれども、それならばなぜ昨年度も要求せられなかつたか、今日になつて突然こんな問題は起つたわけじやないと思うのです。極端に私申上げますならば、私見になつて失礼かも知れませんが、部隊をお置きになる場合には、普通員数とか或いは海上兵力にすれば艦の一隻や二隻は削られても、この通信の方にもつと力を入れるべき問題じやなかつたかという気さえ私はしておるわけなんです。千数百億の予算を持つておられまして、そうしてその中から毎年二十億乃至三十億のマイクロウエーブに投資する経費が全然ないということは、どうも私通信網というものに対する御認識が少し足りない結果そういうことになつて来るのじやないかという気がするものですから、先ほど御質問申上げたのですが、今後この問題につきましては、防衛庁の予算全体を見られるときに、その中からも相当な私は割こうと思えば割ける予算がとれるのじやないか、おのずからそこに緩急の順序があると思います。必要であればその中から割いてもどんどんおやりになつたら如何かというふうに考えるのであります。それは相当な資金がかかるのだから、誰かほかの方でやつてくれればそれを使おうということでは、これから自衛隊が国民が期待するように非常に強いものになつて、而も機動的に動いて、而も経済的に最小限度の兵員なり或いは設備でもつて最も効率的に動かそうという御説明から見ますると、通信網というものは完備されていないと、結局それはお言葉だけになつてしまう、実効が挙らぬという気がするのですが、それについての増原次長のお答えをもう一遍要求いたします。  それから同時に東京・札幌間の具体的な問題につきましては、私は現地を自分でも視察をしたことがあります。現に先ほど山田委員が申しましたように、電電公社もマイクロウエーブの計画を着々進めておりまして、今年度内には仙台までは、これはもう間違いなく完成するだろうという、同時に駐留軍関係のマイクロウエーブの施設のあることを御存じだと思いますが、アメリカの駐留軍は、東京・札幌間にやはりマイクロウエーブがほしいというので、電電公社の施設に並行いたしまして、今盛んに中継所を作つております。これも大体電電公社の施設と月を同じうして完成するのじやないかと考えるのであります。駐留軍のこういうマイクロウエーブに限りませんが、いろいろの通信施設というものと、自衛隊の施設というものとは、一体どういうふうに関連を持たしてお考えになつているか。日本の自衛隊がどんどん殖えて参りますのは、結局駐留軍がだんだん減るからそれに応じて殖やすのだという政府の御説明でございましたが、そういう事実とすれば、駐留軍の施設しておるマイクロウエーブ、その他の通信施設は、場所は多少は違つて来るかも知れませんが、駐留軍が仮に引揚けた場合は、それはそのまま自衛隊のお使いになる分ではないかと私は想像する。そういう想像が当れば、或いはむしろどこかに一緒にやつて行きたいということであれば、これは電電公社も結構でありますが、駐留軍の施設するマイクロウエーブ施設、これと関連を持たしてお考えになつて行くのが筋ではないかという気がするわけです。駐留軍の施設のない所は別ですが、今具体的な例に挙つている東京・札幌間のごときは、駐留軍がどんどんやつて三十一年度にはできると思います。そういつたものと関連を持たせるのが非常に不都合があるのかどうか。私はもう不都合はないと考えまするし、これは駐留軍が引揚げた場合には、当然自衛隊がそのまま引継いでお使いになるべきものだと思います。そういう点についてのお考えは如何でございますか、その二点をお伺いいたします。
  97. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 第一点の、自衛隊として通信網を重要に考えるべきであろうというお考えには我々も賛成でございます。併しこれは予算要求というのは、なかなか各要求庁の思うように実はならないのでございます。先ほど申上げましたように、二十九年度予算を出しまする際にもマイクロウエーブを考えた、これは国会へ予算として出すには至らなかつたというふうなことでございます。我々としては、通信関係が適当に行きますように努力を今までもやつて参つたつもりでありますし、将来もその努力は続けて行きたいと考えております。  第二点の、東京・札幌問のマイクロウエーブ、公社の施設を利用してやるというふうに考えておるのですが、これは只今のところそういうふうにすることが最もよろしかろうという判断に基いてやつておるわけであります。又駐留軍の施設をすぐ譲り受ける、或いはこれと施設を共用をするという問題については、直ちにこれをものにするというわけに参りません。この方法がよろしかろうというふうに考えておるわけであります。
  98. 新谷寅三郎君(新谷寅三郎)

    新谷寅三郎君 もう一つ、時間があればもう少し駐留軍との関係についてこれは伺いたいのです。私は何も今すぐに全部を譲り受けた方がいいとは考えていないのですが、それと並行して、その上に乗せて施設を使つて行けば、将来も完全に役立つようなマイクロウエーブ施設ができるのではないかということを考えますが故に、今からそういう考え方をしてお進みになることも一つの方法だということを申上げたのですが、仮に別にお使いになるとすれば、今度駐留軍が大体引揚げてしまつた場合を想定いたしますと、その施設は一体どうなるのか、誰が使うかという問題になつて、これは国全体の経済からいたしますと、相当にやはり考慮すべき問題だと私は思うわけです。ですからこれはお答えは要りませんが、そういう点十分に考慮に入れて将来の通信網の計画をお考えになる必要があるだろうということを申上げておきます。  それからこれはこの問題に直接関係がないかも知れませんが、先般、と言いましても、一年ぐらい前かも知れませんが、あなたの方の装備担当の局長に来て頂きまして、日本で自衛隊が使われる無線機ですが、これをどんどん外国から入れて困る、こういうような要望が業界から出まして、なるほど国内の、例えば電電公社とか、或いは鉄道その他の官庁、或いは公社は日本の製品を大いに奨励し、日本の技術水準が高まるように指導をいたしておりますが、自衛隊自身も相当なこれは需要者でありますから、国内の技術水準を高めようという点から申しますと、同じような程度のものであれば、なるべく日本の技術水準を高めるような意味において、国内生産品をお使いになつた方がいいのじやないかということを話しましたところが、勿論その方針である、国内の技術水準はどうしても高めたい、それには自分たちも大いに協力するのだということをお話なつたことがありました。今日も御方針は恐らく変りないだろうと思いますが、先ほど申上げました技術水準が非常に違つて、中には試験的に外国から品物を入れなければならんという部分も今の日本の通信界にあることは私も存じております。併し具体的に今度のマイクロウエーブのことになりますと、先ほど指摘いたしましたように、技術的に見まして非常な程度の相違がなければ、やはり自衛隊でお使いになるマイクロウエーブのごときも国内で大いに技術を高めまして、日本のそういつたものに対する製造技術の方に、或いは運用の技術についてもどんどん改善をして、アメリカに劣らないようなものに早くしなければならないという趣旨は私も御了承になると思うのであります。このように、御方針はそのような点にあるということに了解してよろしゆうございますか。
  99. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) この通信関係の機械器具と申しまするか、これは前に局長が出て申しましたそうでありますが、その通りの方針であります。やはり向うからどうしても持つて来なければいかんもの、或いは最初にサンプルを向うからもらつて、これをメーカーに示して製作をさせる、こういう方法で初めから参りましたが、大量の向うのものを入れるということは、今までも確かに絶無であつたように記憶いたしております。できるものは国内で生産をしてやるという考え方は将来も続けたいと考えております。
  100. 左藤義詮君(左藤義詮)

    左藤義詮君 このマイクロウエーブのことが当委員会で非常に問題になりまして、法律上の点もございますが、今新谷委員からのお話のように、我が国の技術水準の点、或いはこういう自主的にやりたいという面、いろいろな方面から非常にこの問題について先般来心配をいたしているわけでありますが、率直に申しまして、木村長官の御答弁をもう少し我々にはつきりするとかしないとか……、これが非常に不明確でということで、今郵政大臣にも防衛庁の方にも申上げましたが、当委員会で決議をしようという実は動きがございまして、私は与党の一員として、非常にこういう決議をしなければならんということは遺憾なことでありまして、なるべくならば私は両大臣から事態をはつきりして頂いて、さようなことがないようにしたいと努力いたしているのでありますが、木村長官が一向当委員会に出られない。先月二十六日にもわざわざ委員会を開いて委員が待つておりましたが、委員会が正式の要求をいたしましてもお出ましにならなかつた。本日も実は委員長理事三名まで、衆議院の予算委員会に出ておられたので出席要求に行つたのでありますが、今質問を受けて答弁中だからということでいらつしやらなかつたので、政務次官や次長においでを頂いたのでありますが、お話を伺つてみますと、これは長官が魅力を感じてやつておられることであつて、十分にこれに対する御連絡がないように伺いました。そうしますれば、私どもとしては、与党として甚だ遺憾ではありますけれども、この決議に賛成せざるを得ないことになる。先ほど木村長官が出られなかつたのは、予算委員会というわけでございましたが、その予算委員会は終つているのでありますが、終れば私は当然委員長理事三人までお願いに行つておるので、御出席になるべきである。或いは他に用事があるならば御連絡があるべきだと思いますが、一向御出席にならない。これは委員会として正式に要求したことを国務大臣がお出にならんということは、この委員会としては非常に遺憾なことでありまして、この点につきまして、今政務次官も見えておりますが、責任を持つて、我々が決議案等を議題といたしますまでに、木村長官に御出席を願うように、防衛庁の当局において、至急折衝をして下さる御意思があるかどうか。又そうすべきであると思いますが、政務次官と次長においで頂きましたけれども、十分私ども事態がはつきりいたしませんので、一つ責任を持つて長官に御出席を頂けるようにお取計らいを願いたいと思います。
  101. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 今の左藤委員の御発言に関連して、私も重ねてお尋ねするのですが、先ほど来、いろいろお話がありましたこれはもう木村長官に実は直接伺いたい。併し、先ほど左藤委員のお述べになつたような事情で政務次官並びに次長においでを願つたのですが、殊に私ども野党の立場にあつて、従来吉田総理がああいつた非常に気ままな人で、予算委員会にも他の委員会にもお出ましにならない。併し、ああいう人でもとにかくリウマチとか扁桃腺がはれたというような口実で、何かおいでになれない理由をその委員会に表明されるのです。ところが、前回二日間に亙つて我々は待ち呆けにあつて、そうして、もうこれまでも再三電話を掛けて、今日は大夫夫だろうというので実は今日お呼びして、我々はもう少々時間が近くなつてもいいから、是非長官に郵政大臣と御同席願いたいということを私委員としてお願い申上げ、先ほど委員長理事がわざわざ衆議院まで懇請に行つたのに、行方不明だということでは、総理大臣吉田さん以上に私は本委員会に対して礼を失するというか、むしろ、国会法に対して、国会法が蹂躙されるのではないか。私は木村長官の人格の高潔な点について、又憂国の士ということでは、少くとも敬意を表していますから、かような態度をとられるということは誠に残念です。先ほど左藤委員からの御意見にございましたが、私としましても、左藤委員以上にこれはもう遺憾に感ずるのです。どうか政務次官並びに次長は、一つ責任を持つて是非この当委員会に出て頂きたい。どうしても他の理由でお出ましになれないなら、我々は我々としての独得の解釈をして、又そういう決議の動議ありやに聞いておりますが、これは我々としても考えなければならんと思いますから、どうか左藤委員の御意見に対して、次長、慎重にお考え願つて、この常任委員会を三回に亙つてすつぽかすというようなことは、如何に国務大臣としても、国会に対する礼を失するのみならず、国会法に私は反すると思いますから、どうか一つ政務次官において、木村長官にお出まし願うようにお取計らい願いたいと思う。
  102. 説明員(増原恵吉君)(増原恵吉)

    説明員(増原恵吉君) 只今政務次官が連絡に参りましたので暫らく御猶予を願いたいと思います。
  103. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 長谷電波監理局長がお見えになつておりますが、ちよつとこれに関連して御質問するのですが、突然で或いは御用意ないかも知れませんが、併し、御回答できることと思うのですが、一体、今日の電波法、それから放送法、それから放送局開設に関する根本規則ですか、これによりまして従来民間放送連盟の免許に際しまして、予備免許、本免許という二つの段階に分れている。ところがその予備免許を受ける前に放送局の敷地を選定し、購入し、又のみならず事務所、或いは送信所、受信所、こういつたようなものまでどんどん既成の事実を作つてしまつてあとの周波数の割当とか、その他の郵政省に対する手続問題は、もう最後に廻すというような例が多数あるやに聞きまするし、私もその幾つかについては、そういう事実があるように思うのでありますが、現行法で、日本の電波に関する放送法免許の制度として、そういう予備免許も与えないでおいて話をすることは、これは自由としましても、具体的に敷地を選定、購入し、或いは機械の購入を約束し、そういつたようなことがされているが、現行法下においては、政府は何とも手の打ちようがないのかどうか、この点伺いたい。と申しますのは、これはアメリカの一九三四年の通信法の三百十九条を見ましても、いわゆる建設の許可、即ちコンストラクシヨン・パーミツトという条項があります。これは全文はあなたの方にも翻訳もありますが、これはやはり法の精神、それから免許制度から言えば、予備免許を少くとも受ける前にそういつたような具体的なことをするということは違法だと思うのですが、この点に関しての長谷局長の御見解を承わりたい。
  104. 説明員(長谷慎一君)(長谷慎一)

    説明員長谷慎一君) その点につきましては、私どもも非常な問題があると存じております。併し現行の電波法におきましては、準備を予備免許を受ける以前におきまして行うことは禁じられていないと解釈せざるを得ないと思います。私、当時その衝におりませんので詳しくは存じませんが、電波法を制定いたしました時分に、予備免許というものを建設許可という工合な制度にしたらどうかというので、いろいろ考えられたようにも聞いておりますが、建設、いわゆる準備段階をすることまで抑えるべきではない。電波法の精神はどこまでも運用というところを、いわゆる無線局の開設という最後段階を抑えればよろしい、こういう考え方で現在の法律になつておるというふうに承知いたしております。併しいろいろお話のように、最近のように、殊に無線局の利用が非常に広く数多くなつて参りますというと、全然、計画者がほかの無線局の所在、ほかに対する影響等を知らないで準備を進めてしまいまして、監督官庁に連絡して初めて支障の有無を知つて変更をしようと思つても非常に苦労をするというようなことも起つて来つつある実情もございますので、何らかこの点を考慮しなければならんのではないかということで研究はいたしておりますが、現在の現行法ではそこまでは禁じられていないと解せざるを得ないと存じます。
  105. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 そうしますと、予備免許前におきましてすでにそういう機械を購入し、発信、受信の設備をする。これは常識的に考えても、この放送局は出力は何キロにする、周波数は幾らにすると、大体この目安がきまれば機械を備えたり、殊に送信において出力の一キロ・ワツトから五キロ・ワツトか、或いは五キロか十キロかという政府の大体の了解がなければ、これはそういうような施設は私はでき得べきものじやないと思いますが、今の御答弁だと、予備免許までにそういう施設をすることはもうやむを得んぞということになれば、例えば具体的に申しますと、或る放送局が、これは出力一キロ・ワツト、そうして周波数はこれこれであるという余計な施設をする場合に、まだ予備免許も与えていないものに対して、出力はこれならようしいとか、或いは周波数は大体これを許すというような、そういうようなことが行われておるのではないか。さもなくんばこういつた具体的な施設は私はできないと思うのですが、その点如何でしようか。予備免許になる前にそういう出力なり、或いは周波数まで事前に電波監理局としては、そういうことを指示することが実情になつておるのですか。又若しそういうことがあつたとすれば、如何にルーズな規定とは言いながら、今日の電波法なり或いは放送法なり、その他関連する法令なり規則に違反するのではないかと思うのですが、その点に関する御見解並びにそういう事態が今日まであつたかどうかお伺いしたい。
  106. 説明員(長谷慎一君)(長谷慎一)

    説明員長谷慎一君) お答え申上げます。ものによりましては、その業務に使う電波及びそれの電力関係も殆んどきめられておるものがございます。例えば船舶関係、或いは航空機、これらの無線施設は、周波数が国際的にもきめられており、国内的にも規定してございますから、これらのものは殆んど周波数から電力関係が、ほかの例に倣つて準備を進めることができるわけでございます。又放送局の例もお話になりましたけれども、これはチヤンネル・プランにおきまして、どの周波数のどの電力までというのが計画としてはつきりきまりまして、従いましてそのものを狙つて申請をされる方は、そういうことで機械の設計等の準備はされておる。併し現実に今までのところ、予備免許を得ずに機械まで設置したというような例は、放送の場合は私ども承知いたしておりません。ただ場所の選定その他は、施設計画をするために一応きめませんというと、いろいろな計画ができませんために、予定地等の設定はいたしておるようであります。只今申上げましたように、電力及び周波数は割当計画等によつて、いろいろ設計等はやつておるようであります。先ほど申上げたように、現実にいろいろな準備を進めておつて予備免許前に相当進める例のあるのは船舶関係が多いだろうと、こういうふうに思つております。
  107. 山田節男君(山田節男)

    山田節男君 そういたしますと、今の長谷局長の御見解だと、現在の電波関係放送等では予備免許を与える前に、そういう事前の具体的なことが行われるということは、将来ますます混雑する電波の周波数の割当、そういうものから考えて、これはまあ当然私は規制すべきものだと思う。当然私はこれは法を整備しなくちやならんものだと思うのですが、これに関する見解が若し然りとすれば、やはり追つて政府はこういつた一つの何といいますか、統制といいますか、或いは従来の経過に鑑みまして、これを規制するような法律を作るべきだと私は思うのですが、この点についてはどういうお考えですか。
  108. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  109. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 速記を始めて。
  110. 説明員(長谷慎一君)(長谷慎一)

    説明員長谷慎一君) 先ほどの御質問にお答えいたします。只今山田委員お話御尤もでございまして、私ども十分検討をしてみたいと思つております。
  111. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  112. 委員長(島津忠彦君)(島津忠彦)

    委員長島津忠彦君) 速記を始めて。  では本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十九分散会