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久保等君 そうすると、これは次長の
一つの疑問でもあろうかと思うのですが、どういうところに長官が魅力を感ぜられたのか。その魅力を感ぜられた具体的な事実、そういつたようなことはどういうところに魅力を感ぜられたのか。ただ先般も長官にお伺いした限りにおいては、長官の言われるのは、とにかく二年間
程度にマイクロ
施設が
完成して、そうして
完成した
施設をいわば防衛庁で独占的に管理できるような、完全に管理権というものが移譲せられたような形にしてもらえるのだ、その二点で魅力を感じたのだということを言
つておられるわけですが、併し少くとも私は若しそういう今のような、次長の答弁せられるような
程度の
状況の中において魅力を感ぜられたということ自体が、極めて何といいますか、軽率な実は発言といいますか、行動だと私は思うのです。少くとも日本のマイクロウエーブ、而もこれが大規模な
全国的なマイクロ
施設をアメリカの技術或いは資本、そういつたようなものに依存して設置することによ
つて、日本のメーカーにどういう将来
影響を及ぼすか。いわゆる通信の基礎生産の面においてどういう
影響を及ぼすかというような点、或いは又直接的には、日本の現在の公衆通信と技術的にどういう干渉、妨害が将来起きて来るだろうか。或いは又
経済的に一体二重
施設というようなことについて非常に矛盾が出て来ないだろうか。或いは技術的に果して日本の国内の今日の
状態ではどうにもならないのだというような結論が出されて、少くともいなければ私はならんと思うのですが、ところがそういつたような問題については、少くとも事務当局としても、防衛庁としても現
段階においては何らそういつたものを具体的に
検討した事実もないし、又現在
検討しておるわけでもないのだという
状態だとするならば、これは全く私は長官がどういう意図を持
つてやつたのか、日本の防衛通信というものをどういうふうに理解されておるのか、極めて実は疑惑を持たざるを得ないと思うのです。少くともこういつた重要な防衛通信の問題については、国家百年の大計と言いますけれども、それこそ百年以上に私は非常に重要に
考えてみなければならん問題だと思うのですが、併し今までの経過は、いずれにいたしましても、次長の御答弁で、とにかく具体的な
検討は何もしていないのだ、が併し何かしら魅力を感じたという
程度の話だと思うのです。併し少くとも何かしら魅力を感じたという
程度の極めて無責任なというか、或いは非常に軽率な態度の表明はこれは許されないと少くとも思うわけなんでして、特にまあ法律的な解釈の問題も、当
委員会ではすでに数回に亙
つて非常にこの公衆電気通信法なり、或いは又
電波法の今日の電通事業なり或いは又
電波事業の面から
考えての法制的な立場からい
つても、そういつたようなことは許されないのだということも言われておるのですが、非常に何かしら既成事実的な形で動きが極めて顕著に最近出ておるようにも伺
つておるわけなんですが、少くとも私は防衛庁としてはもう少し、少くともそういういわゆる妄動的な動きに乗ぜられたというような形で、単に早くや
つてもらえるのだ、或いは全面的に作つた
施設を任せてもらえるのだというような非常に何か素人くさいといいますか、全く幼稚なただ話だけでこういつた問題に足を踏込まれるというようなことは非常に軽率だと思うのです。少くともこれは政府機関としての公社というものが今日まで八十年の伝統をもつた通信事業をや
つて来、更に
電波行政という立場からも政府が直接
電波行政にタツチしておられるわけですから、やはり防衛通信といえども、そういつた問題については当然
一つの、一元的な有機的な構想、或いは
計画というものを持たれる必要があると思うのでして、防衛通信だから、とにかく防衛庁なら防衛庁だけで単独に何でもやれるのだというような若し
考え方を若干でも持
つておられるとすると、いわゆる
曾つての戦時中のような、軍国時代の軍隊が要するにやることだつたら、ほかの民間のものが何を言おうが、一般の官庁が何を言おうが何でもやれるのだというような若し意識が無意識にしろ若しあるとするならば、非常に重大な問題だと思う。特にマイクロウエーブというような問題にな
つて参りますならば、当然周波数或いは無線という特殊な技術を動員する事業でありますだけに、ただ単に防衛庁の通信だけの問題として看過できない非常に重大な
影響を直接公衆通信
関係に及ぼすというわけなのですから、そういつた問題については極めて慎重に私は
考えなければならんと思いますし、少くとも次長があまり具体的な細かい経過等について御存じないということであるならば、私ども直接長官に十分に真相を究明し、更に長官に対して強くその点を指摘して反省を求めなければならんと思うのですが、これ以上次長に対する御
質問を申上げることは、私もあまり審議の上では有益でもないと思いますので、私は以上で
質問を次長に対しては打切りたいと思います。