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加瀬完君 日本社会党を代表いたして、反対の個条を申上げます。
この前の交付税の
説明のときに、
地方財政の自主性及び安定性を高めるという御
説明があ
つたわけであります。これは平衡交付金の長所と旧
地方配付税の長所とを取合せたものだ、こういう
内容の御
説明が付け加えられたわけであります。してみると、平衡交付金の長所は、
基準財政需要額の不足分を国で補填するということでありますし、旧
地方配付税の長所は独立財源ということであります。従
つて独立財源という意味もあるし、而も
地方財源の不足分は
基準財政需要額を十二分に国で補填するという二つの目的が達せられていなければ交付税の目的は達せられないことになるはずでありますが、今度の
特例に関する
法律案を見ましても、その目的というものが甚だ損われておる、そういう意味で反対であります。
反対の第二は、入場税
法案、
地方税
法案の
修正によりまして、
地方財政に生ずる欠陥に対する
措置については何にも考慮しない、交付税の率の引上げだけで、国家財政に欠陥を生ずるという主張を政府はして来たわけであります。併しながらこの主張が間違
つていたというふうに私は認めざるを得ないと思います。少くとも認めると否とにかかわらないで、事実は非常に杜撰であ
つたと言わざるを得ない。このようなものをしない基本態度というもので交付税というものを今後行な
つて行くということは非常に危険である、こういう意味で反対をいたします。
反対の第三は、一定率を固定し、毎年変更を行わないとするのが
地方交付税の基本理念であるはずでありますが、このたびのごとく年度の途中で
地方財政の収支がバランスをとれなくなると、そのたびごとに率を変えるということは、その理念に背く、このことは交付税そのものが初めの目的に適合していないのか、少くとも税率そのものが根本的にこの目的に適当でないということが言われるのじやないか。そこでこの税率を根本的に変えないで、簡単に便宜的にそのときどきに合せて税率を変えるということは私どもは反対であります。
反対の第四は、
只今質問もいたしたのでございますが、警察費とい
つたような特殊の枠だけをここに取上げて、この過少算定の解決だけを図りましても、問題はそれでは解決をしない。問題はもつと周知の事実であるところの自治体の赤字というものをこの際解消されるような算定方法というものがとられなければだめではないか、そういう意味合いにおいてあまりにも算定の方式が便宜的である。
反対の第五は、この前はなぜ
伊能委員から二〇%にするのと一九・六六%にするのとでどれだけ違いがあるかと言われましたら、それは十六億の違いがあるという御
説明をされて、今度は増加分を見込んで〇、二四一%に四十億という計算をしておる。併しながらそれは交付税率を変えて算定するのではなくして、一応の金額というものを出して逆算しておるという方法をと
つておる、それでは最終の金額を打出してその金額に合せて交付税率を算定するということでは、自然増の分を増加率の中に算入されてしまうことになりますので、
地方自治体側から見れば甚だ不合理でありまして、
地方財政における自然増が全然見られないことになる。こういうことで算定方式がやはり便宜的である。
以上の点から私は反対をいたします。