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国務大臣(
小澤佐重喜君) 私から一応御要望に応ずることにいたします。
先ず第一段の仕
越工事の問題ですが、これは当
委員会におきましても、再三
皆さんから促進的の御
質問がございましたし、又第一線の
責任者であります私
どもといたしましても、これは大きな問題でございますので、何とか速かなる解決を要望して参
つたのであります。従いまして、この
補正予算が
閣議に提案されました場合におきましても、
最終までこの問題については私らか主張して参りました問題が二つあ
つたのでありまするが、その、
一つは今の二五%に十二するか二〇%にするかという大きな
議論と、二十八年災の仕
越工事の問題が
最終まで
議論になりまして、結局二五%の問題は原案の
通りに話もついたのであります。
仕
越工事のいわゆる
融資の問題につきましては、少くとも
大蔵大臣はこの
補正予算と重大な関連を持つこの仕
越工事については、その大よその額と出し得る大よその時期を明らかに
閣議で闡明してもらわばければ、或いは非常に密接な
関係のある
補正予算を承認することができないという
趣旨で、最後まで主張し続けたのであります。ところが、
大蔵大臣は
自分はこの問題については、前々から検討もしておるし、私の言うことが十分分りますけれ
ども、今この際現在の
程度では、時期とか
金額というものを話し得る
程度にまでまだ
なつていない、何回も何回もの
答弁でありました。そこでその
事情等も承わりました。ということは、決して
大蔵省はこの仕
越工事の金を出さぬという
意味じやなくして、この現金をどこから取るかということについて非非常に苦心をしておるのである。でありますから、その元になる金が出て来なければ幾ら出すということはできないので、これは
資金運用部の
資金を総合的に解決したい。今現在の
要求では三百億以上の
自治庁からの
要求がありますけれ
ども、
一つづつ決めてしまえば
あとの重要なものに
一つも出せぬということになりますので、
ちようど貧乏人が借金をして、大晦日が来て、この金をどういうふうに払うのかという気持で
自分は
考えておるのであるから、どうか今額を言うことだけは許してもらいたい。但し今申したように、誠意を以て解決できるという話でありましたが、それはその点は、額は
自分がそういう
事情が分
つたから、一応了承しますが、その時期だ。時期というものが今年の十二月に
現実に
労務者なり
請負者なりに、
現実に金が渡るというような
措置を講じ得る時期でなければ、これは非常に大さな問題になるのであるが、少くとも
大蔵大臣はその時期の点、即ち本年十二月末までには
現場のすべてに支払い得るような時期にまで
措置をしてくれるかということを申しましたところが、その点はそういたします。こういう
お話を得ましたので、一応この点は
閣議で了承して、この
予算を通したのであります。その後
事務的にも毎月のように、
局長なんかは
自分が若し
大蔵省で、できないということであれば辞表を出すよりほかないという悲壮な決心をしておりますので、
毎日ように
大蔵省に通
つて事務的に進めておりますすし、私も会うたびに
大蔵大臣に催促いたしております。そこで一旦
大蔵省が
決定しましても、
決定をしてから十日間ぐらい
手続にどうしてもかかるという
事務の話でありますので、どんなに遅くとも、十日までにその
手続を了するというには、十日までに最続
決定をしてもらわんと困るということを、昨日も話しましたし、一昨日も話しまして、何とか十日ぐらいまでに
最終決定をしてもらいたいということを催促いたしております。
大蔵大臣は勿論十日までにだめだということは言いませんけれどとも、できるだけ努力しますが、今十日までに必らずやるという御返事はできませんが、極力御
希望の線に副うて努力しますというのが
大蔵大臣の現在でありまして、私から見ましても、
大蔵大臣にいい加減に逃げようという、
意味で
言つておるのではない、真面目に
考えておると思うのであります。で、現に
大蔵大臣の選挙区の愛知県も非常に大きな
金額で困
つておるのだからということを、逆に笑いながらこつちから申しておるようなわけで、その点から
言つても、
大蔵大臣はこれをなおざりにして、言を左右にして時期を延ばそうとか、額をできるだけ少くしようというような
考えは持
つておらんように、私は見受けおります。そういうような
事情で、今後も、明日になりましても、明後日になりましても、熱心にこの問題は催促いたしまして、そうして当初の
大蔵大臣の言明は勿論のこと、言明しない額につきましても非常に大きな額に上
つております。今までまあ本
会議で
田中さんから
質問がありましたが、
田中さんの
お話では百億、私のほうでは八十数億というのですが、いずれにいたしましても次々とこれは出て参りますので、或る時期に六十億と
思つたのが
あとで七十億にな
つたりしますので、数字の詳細なまだ集計はできておりませんが、とにかく
差当り今年内に払わなければどうにもならんという金だけでもまあ出して行きたい、こういうふうに
考えております。
それから第二点の
緊急就業対策事業費の問題ですが、実はこの問題については、
自分自身としましては、
建設省でこうした問題をみずから立案して
お話する必要はないのでありまするけれ
ども、いろいろ
閣議等で
労働大臣からまあこういう金が要るとかいうような話を承
つておりまするというと、どうもこの
失業救済は勿論しなくちやならんけれ
ども、その
失業救済で
使つた金というものが全然
あとへ残らないという姿は面白くない。で、できることであるならば、この
失業救済をやりながら
一つの
事業が残
つて行く、即ち
公共事業が少しでも進んで行くという姿が望ましいんではないかと私
たちは
考えまして、この
補正予算の
要求のときに省議を開きまして、何とかしてこのいわゆる
失業救済を兼ねた
事業というものを
新規に
要求しようではないかというので、省内で各局からいろいろ持ち寄りまして、結局この二十九億円ばかりが
新規就業……そのときは
名前はこう
なつておりませんでしたが、
名前は
あとで変りましたけれ
ども、
緊急就業対策事業費として、二十九億を
新規事業に
要求いたしたのであります。
この
要求をいたしました額は、抽象的に申し上げますというと、
只今も申上げましたように、この
失業救済を兼ねた
公共事業、勿論
一般公共事業でも
失業救済というものが或る
程度含まれてはおりまするけれ
ども、もう一歩前進いたしまして、
失業者を救済し得るような構想の下に
失業対策事業、即ち、
緊急就業対策事業費というものを
要求しようではないかということになりまして、持ち寄
つた金が二十九億何がしであ
つたんであります。二十九億何がしというものの
新規要求をいたしまして、そうしてまあ
大蔵省と折衝いたしましたところが、
大蔵省では、これはこの
道路事業費のうちの一〇%を全部返すんであるから、そのうちの一〇%のからそういうものをや
つてくれないかという話があ
つたんであります。併し私のほうとしては、
自分のほうの
事業そのもので、
自分のほうの
所管じやないところの
失業対策をやるのに、
プラス・アルフアがないのに、従来の
建設省に割り当てられた金だけで
失業対策をやるということは絶対にいけない。少くとも
失業対策をやるためにかかる
経費或いは
事業が、
失業者を
使つた場合と普通の人間を
使つた場合と、その
事業が落ちるとか落ちないという
議論がありまするけれ
ども、仮に
事業が落ちないにいたしましても、例えば
失業者を一定の
土地から
現場まで運ぶ
トラツク賃とかなんかに
使つている金が、
一般の
労務者を使う場合と
違つた費用がかかることは明らかなことであります。そういう観点から、私
どもは少くとも余分に、
労働省の
責任でありまする
失業救済をやる、そのや
つたがために余分にかかる金だけは、何とか新らしい
財源でや
つてもらわなければならん。そうしないというと、結局この
事業費というものは総体的に縮小される形になるのであるから、その
失業を取入れた
事業をやる以上は、その余分な
部分、無駄な
部分だけは
プラスをしてもらわなければ
事業はできないというので、盛んに交渉しました。交渉しましたが、ぎりぎりの問題は、結局一億ということにな
つたのであります。
ところが、一億と言いましても、
河川と
道路の
両方でございまして、今九千六百何がしの金のうちには、六千万円しか新らしい
財源は加わ
つておりません。
あとの四千万円というものは、
河川のほうの二億の中に四千万円が入
つております。合計いたしますると、
名前は出ておりませんけれ
ども、
河川のほうの二億を加えまするというと、結局同じような費目のものが十一億何がしに
なつているわけであります。この
金額に二億
プラスすることに
なつておるのであります。そうしてその二億
プラスされたもののうちの一億というものが新らしい
財源で組み立てられているわけであります。
そこで問題が、一応この金で十一億の
事業をや
つた場合に、
失業対策をや
つたがために、一億以上の損をするということになれば、その
部分だけでも多少でも
事業量が減るという理窟になるのであります。併し私
どもはできるだけ
事業量を減らさずに、而もこの
失業救済をやるという建前でありまするから、新らしい
財源、即ち
失業救済のための
財源というものはやはり
プラスされるべきはずだというので、非常に強く国のほうへも
要求いたしておりましたが、結論においては、今
お話申上げました一億ということに
なつたんであります。
なつたんでありますが、いずれにしても同じ
政府でやる仕事でありますから、その場合に
失業救済をやるために、一億では足りなくて一億五千万円に仮になり
つても、それだけ
労働省のほうが
経費が多少でも節減される、又国の目的でもありまする
失業者が救済されるといううのであれば、これは
皆さんも理解をしてくれるんではないかというような
意味で、
最終段階プラス一億ということで、この案を呑んだような始末でございまして、本来から申上げれば、何も
建設省が出しやば
つて、
建設省でこれをやらなくちやならんという別に大きな大任もございませんが、併しながら同じ
政府として
考える場合には、できるだけ前段申上げましたような、同じ
失業対策に使う金でも、
事業を残しながらやるということは、
日本復興のためにも然るべき案ではないか、こういう見地からこの案を取上げました次第でございまして、若しこの
予算が可決を見まして実施をして、これが成績が若しよいということになりますれば三十
年度の
予算では、やはり
相当にこの
事業というものは重視されて
予算の
最終決定が見出されるんではないかという点を考慮いたしまして、これは単なる
事業を完成するというばかりではなく、本当に
失業者というものを十分救済するという建前で
建設省ではやりたい、こういうふうに
考えておるような次第であります。
まあ大よその輪廓を
お話しましたから、なお御
質問がございましたら、これにお答えすることにいたします。